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posted by fanblog

2017年10月06日

検診目的の大腸CT(CT colonography)検査が保険でカバーされることで大腸内視鏡検査の受診率もあがるよ!!

おはようございます!
2018年10月8日(日)に郡山で
シンポジウム「増えている大腸癌 診断と治療における最新の進歩
が開催されます。

冨樫教授が企画されました。
遠藤先生や歌野健先生らによる「大腸がんの最新情報」が満載の講演が聞けます!!
自分もお誘いいただきました〜
是非、ご参加ください!


◇Rad Fan様から本メルマガをご紹介頂きました!◇
私も購読しています。
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PubMedから、今日のつぶやき − 87 −


Smith MA, et al. Insurance Coverage for CT Colonography Screening: Impact on Overall Colorectal Cancer Screening Rates. Radiology 2017;284(3):717-724.



それでは、「保険収載の大腸CT検査が大腸がん検診受診率全体に与える影響」
に関する論文のアブストラクトの後半を見ていきましょう。

【結果】
同じ傾向スコアの得点の検診対象者同士で比較を行った。
(疑似的に観察研究のデータを無作為化割り付け試験のように解析することになります)

大腸CT検査が保険でカバーされる対象者は全検査法を含めて算出すると
大腸がん検診受診率が48%向上した。
ハザード比 1.48
95%信頼区間 1.41-1.55

ハザード比(HR)についてコメント:
大腸CT検査が保険でカバーされないA群と
比較対象の大腸CT検査が保険でカバーされるB群を比べたとき、
ハザード比が1であれば2つの群に検診受診率に差はなく、
ハザード比が1より大きい場合には保険でカバーされるB群の方が
検診受診率が高いと判定され、
その数値が大きいほど検診受診率が高いとされます。

今回のようにハザード比が1.48という結果であれば、
大腸CT検査が保険でカバーされる対象者はカバーされていない対象者に比べて
大腸がん検診受診率が48%高くなったという意味になります。

大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸CT検査による検診受診率は735%増加した(8倍強になった)。
ハザード比 8.35
95%信頼区間 7.11-9.82


大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
ハザード比 1.38
95%信頼区間 1.31-1.45

大腸CT検査が保険でカバーされることで
便潜血検査による検診受診率は変化しなかった。
ハザード比 1.00
95%信頼区間 0.91-1.10

【結論】
大腸CT検査が検診として保険でカバーされると
検診受診率の向上し大腸がん予防に寄与する。

面白いですね〜〜
次回以降、もう少し掘り下げて内容を見ていきましょう。

それでは、、また。



ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。


原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28696184


★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
新しい精検結果報告書雛型が国立がん研究センター
研究班ホームページにアップされました。
精密検査に大腸CT検査が明記されるようになりましたよ!

http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/3/yoshiki4_daicho.pdf
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。




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日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!



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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。


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プロフィール
大腸の専門家 ナガイチさんの画像
大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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