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posted by fanblog

2017年11月27日

大腸CT(CT colonography)検査では腸管前処置の低減できる だから食事制限が必要ないんだよ!

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「関西大腸CTセミナー 2018」を開催します!
昨年、大変ご好評をいただきました
日時: 2017年1月20日(土)
場所: 大阪
https://fanblogs.jp/ctcacademia/archive/177/0
昨年、ご参加いただいた方にも楽しめるよう、
鋭意、中身の濃い企画をご用意しております。
是非、お越しくださいね。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




PubMedから、今日のつぶやき − 120 −


Bellini D, et al. Bowel preparation in CT colonography: Is diet restriction necessary? A randomised trial (DIETSAN). Eur Radiol. 2017 Aug 10. doi: 10.1007/s00330-017-4997-3. [Epub ahead of print]





読影トレーニングを8月からはじめていらっしゃる徳島県のK先生からの便りです。

*****以下引用(承諾済み)*****
最後の15問は、これまでの成果をだしきるつもりで、
全力で挑みます。

【今回の反省点】
・2箇所ほど5mm以下のポリープにおいて、残渣との鑑別ミスがありましたが、
大きな見逃しはなく満足のいく結果でした。
*****引用ここまで*****

素晴らしいですね。
あともう一息です!
最後まで応援しています〜〜



千葉県のK技師さんがトレーニングを完了されました。
お便りをいただいたのでご紹介しますね。

*****以下引用(承諾済み)*****
先生、本日CTCのトレーニング200症例、終わりました。

今まで、ありがとうございます。

最初は、残渣をポリープと見誤ったり、
Ipポリープの重量移動が分からずに、残渣としたり、
タギングに埋もれているポリープを見逃したりと、
色々と見落とす事が多かったです。

症例を重ねるにつれて、ヒダ裏のポリープだったり、
2Dの読影にも少し慣れ、精度は多少なりとも上がったと思います。

これも、先生のご指導があっての事だと思います。
今後は、臨床の現場であったり職場の技師にもフィードバックし、
より一層の技術の向上に努めていきたいと思っております。

お忙しい中、トレーニングをしていただき本当にありがとうございます。
また、今後ともご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
*****引用ここまで*****

よく頑張りましたね!!
お疲れ様でした。
必ず今後、大きな糧になると信じています。
こちらこそ、これからもよろしくお願いします!


読影トレーニングの指導は今年一杯(12月31日)
とさせていただきます。、
今、おすすめの方も、是非、最後まで頑張ってくださいね。




さて、「大腸CT検査に食事制限は必要か?」の論文の続きです。
いよいよ本文の【Discussion】をみてみましょう。
楽しみです。

【考察】
今回の研究から、大腸CT検査のタギングを伴った
腸管前処置に食事制限を加えないことは、
前処置の質に影響しないことが判明し、
さらに、受診者の受容性の向上に寄与することが
分かった。

われわれは、食事制限のあるなしの2群で
腸管前処置の質を評価したが、両群共に
良好なことを示す0〜1点の範囲であった。
『0点:良好〜3点:不良(0〜2点は診断可と定義)』

しかしながら、今回の結果はLiedenbaumらが報告した
低線維食は大腸CT検査の前処置で必要という結果と
乖離する。
Liedenbaum MH, et al. Low-fiber diet in limited bowel preparation for CT colonography: Influence on image quality and patient acceptance. AJR 2010;195:W31-7.
彼らの研究では、低残渣食を使用しないと
タギングされない残渣が増加するという結果であった。

結果が異なった理由として、今回の検討では
腸管洗浄剤と水溶性造影剤(ガストログラフィン)を
腸管前処置で使用したことことが考えられる。
両者を使用することで、固形残渣も液体残渣も
良好に均一にタギングされた結果になった。


(コメント)
面白いですね。
大腸CT検査の腸管前処置の低減を目指した研究が数多く出る中、
検査前の食に対しては内視鏡に準じた旧来の方法が用いられていた
矛盾に気付き、科学的に検証をしたところが大変素晴らしいと思います。

次回で、この論文の紹介は最後にしたいと思います。
定番どおり、この論文のリミテーションをみてみましょう。

宿題です。
皆さんも、この論文のリミテーションは何か、
是非、考えてみてくださいね。

それでは、また。


ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。

原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28812132




★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★





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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。

<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。

<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
 大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。

<検査食は不要>
・低容量腸管前処置においても、ガストログラフィンを使えば食事制限は不要。
・腸管残渣の状態は食事制限の有無に左右されない。
・水溶性造影剤によるタギングの質は食事制限の有無に左右されない。
・食事制限の撤廃は患者の受容性向上に寄与する。

<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。

<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。

<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。

<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。

<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。




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■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。



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プロフィール
大腸の専門家 ナガイチさんの画像
大腸の専門家 ナガイチ
大腸を専門に外科、内視鏡、画像診断のキャリアがあります。               経歴のご紹介:               1996年 国立医学部医学科卒業。       1996〜2007年 消化器外科、内視鏡医として従事。                    2007〜2011年 ハーバード大学 医学部 放射線科、マサチューセッツ総合病院に留学。 2009年〜国内のナショナルセンターに外来研究員として併任。               2011年 帰国し内視鏡医として従事。     2015年〜国内のナショナルセンターに常勤勤務。 2019年〜某国公立大学医学部医学科の特任教授として働いています。                  資格: 外科認定医・認定登録医、消化器内視鏡認定医・専門医・指導医、消化器病専門医、H. pylori(ピロリ菌)感染症認定医、消化器がん検診認定医、胃腸科専門医・指導医、アメリカ消化器内視鏡学会(American Society for Gastrointestinal Endoscopy) 国際会員、アメリカ消化器病学会(American College of Gastroenterology) 国際会員                    どうぞよろしくお願いいたします。              ご注意)個人的な病状に関するご相談、診療に準じるご相談にはお答えできませんので、何卒、ご容赦ください。
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