2017年11月21日
大腸CT(CT colonography)検査に食事制限や検査食は不要ですよ!
★★第12回GAIA予定!!━━━━━━━━━━━━━━━
第12回GAIAを来年30年3月11日(日)に金沢で開催します。
「AI(人工知能)を活用した内視鏡診断」を
国立がん研究センター中央病院の山田真善先生に
ご講演いただきます。
各分野のオピニオンリーダーの先生方のご講演も聞けます!!
皆様のご参加をお待ちしております。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■
「関西大腸CTセミナー 2018」を開催します!
昨年、大変ご好評をいただきました
日時: 2017年1月20日(土)
場所: 大阪
是非、お越しくださいね。
■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■〓■
PubMedから、今日のつぶやき − 117 −
Bellini D, et al. Bowel preparation in CT colonography: Is diet restriction necessary? A randomised trial (DIETSAN). Eur Radiol. 2017 Aug 10. doi: 10.1007/s00330-017-4997-3. [Epub ahead of print]
さて、「大腸CT検査に食事制限は必要か?」の論文の続きです。
今日は本文の【Materials and methods】をみてみましょう。
こうした記述を読む癖をつけると、
研究デザインの組み立てに役立ちますよ。
【方法】
1.トライアルデザイン
・単施設による前向きランダム化比較試験
・大腸CT検査の2つの前処置法を比較
1)DR群:低残渣食による食事制限(Diet-Restriction)を検査の3日前から実施する
2)NDR群:非食事制限(No-Diet-Restriction)では一切の食事制限を実施しない
2.対象
・無症状のスクリーニング対象者
・有症状者で内視鏡検査を希望しないあるいは過去に内視鏡挿入不可であった者
・除外規定
45歳以下
ヨード造影剤あるいはポリエチレングリコールに対してアレルギーがある場合
活動性の炎症性腸疾患を罹患している場合
家族性大腸ポリポーシスを罹患している場合
認知行動障害を罹患している場合
妊娠している可能性がある場合
3.介入
DR(食事制限)群:3日前から検査前夜まで低残渣食による食事制限
細かい制限が見たい方は、補足資料(Supplementary material)Appendix 2
をご覧ください。
バナナはいいけど、オレンジは駄目とか細かく書いてありますね。
NDR(非食事制限)群:一切の食事制限を禁止
両群とも下記の腸管前処置を実施
・検査前日の午後4時:ポリエチレングリコール服用
(100 g of Macrogol, SaniPegR Sanitas)
・検査当日の午前8時:ガストログラフィン60 mg服用大腸CT検査は正午から午後1時の間に実施
水溶性造影剤ガストログラフィン服用の3.5時間(30分の前後を許容)後
4.検査方法
64列CT装置を使用
撮影条件:管電圧:120?100 kVp, 管電流;75 mAs,
スライス厚:1.25-mm, ピッチ:1.375
詳細はTable 1をご覧くださいね。
ASiRも使用してます。
背臥位と腹臥位の2体位撮影
腸管拡張はルームエアで手動注入
方法は以上になります。
こうした方法をきちんと把握した上で、
「食事制限は必要ない」という結論を述べないと危険です。
例えば、水溶性造影剤で実施しているので、成功したんだな
と分かるんです。
自動送気でなくても研究目的に支障なければ、
最新研究としても十分に通用することも分かりますね。
では、次回は【結果】をご紹介したいと思います。
それでは、また。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28812132
★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
新しい精検結果報告書雛型が国立がん研究センター
研究班ホームページにアップされました。
精密検査に大腸CT検査が明記されるようになりましたよ!
http://canscreen.ncc.go.jp/pdf/3/yoshiki4_daicho.pdf
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。
<検査食は不要>
・低容量腸管前処置においても、ガストログラフィンを使えば食事制限は不要。
・腸管残渣の状態は食事制限の有無に左右されない。
・水溶性造影剤によるタギングの質は食事制限の有無に左右されない。
・食事制限の撤廃は患者の受容性向上に寄与する。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
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☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
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ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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<検診>
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<腸管前処置>
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<腸管拡張>
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<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
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☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
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