2017年11月15日
大腸CT(CT colonography)検査の前処置として、 検査食や食事制限は必用なのか!?
2018年3月11日(日)に金沢で
第12回消化管先進画像診断研究会 (GAIA)
を開催します!!
大腸CT検査についてはもちろん、
AI、AR(オーグメンティッド・リアリティ、拡張現実)、
大腸がん検診、そして大腸カプセルといった豪華な会になりますよ!
PubMedから、今日のつぶやき − 113 −
Bellini D, et al. Bowel preparation in CT colonography: Is diet restriction necessary? A randomised trial (DIETSAN). Eur Radiol. 2017 Aug 10. doi: 10.1007/s00330-017-4997-3. [Epub ahead of print]
さて予告どおり、「大腸CT検査に食事制限は必要か?」の論文の内容
に入っていきますね。
なんでこの研究テーマに興味があったかというと、
そもそも、大腸CT検査の腸管前処置は
腸管内の洗浄を目的としているのではないですよね。
だからこそ、腸管洗浄剤・下剤の減量
あるいはザリスさんらの論文のように
一切使用しないということが可能になるわけです。
つまり、大腸CT検査の腸管前処置の目的は
「腸管内残渣とタギング目的の造影剤を均一に混ぜ合わせること」
なんですよ。
で、「腸管洗浄剤・下剤の減量が可能であるのに、
なぜ検査食あるいは食事制限が必要!?」
というクリニカルクエスチョンが生まれるわけです。
どうしても、大腸の精密検査の従来の常識にとらわれてしまうわけです。
以前もお話しましたが、ボストンで鎮痙剤を一切使用せずして
検査が問題なくできている現場をみて自分はショックを受けました。
あ〜〜 自分は常識にとらわれていたなと。
腸管が膨らまないときの言い訳にしてはいけないなあと反省しました。
ブスコパンが使えずに、グルカゴンを使うあるいはグルカゴンを使用せず
腸管拡張が悪いと、それをブスコパンが使用できないせいにしていた自分がいたわけです。
それを研究にしたのが以前ご紹介の論文でした。
今回取り上げた論文も常々疑問に思っていていつかやりたいなあと考えていたら
イタリアの研究者に先を越されてしまいました〜
自分のクリニカルクエスチョンと同じ考えを著者のベリーニさんたちも
考えていたんですね。
後日、ご紹介しますが、イントロダクションに同じ思いが熱く(笑)
書かれています。
でも、ブスコパンと一緒なのですが、自分を含めて人って
実際目にしないとなかなか信じられないんです。
以前、大手企業の系列病院で大腸CT検査を立ち上げた経験があります。
大手一流企業の社員さんたちが、1泊2日で職域健診を受けに来るんですね。
大腸CT検査は2日目に組み込まれたわけですが、社員さんたちは1日目の
夕食を楽しみにしているわけです。
聞くところによるとちょっとした、小旅行気分なんだそうです。
で、病院側はそうした職域健診の社員さんたちに
美味しい夕食を出すわけですね。
(内緒ですが、一部では酒盛りもあるときいたような・・・。)
はい、検査食どころか、低線維食でもない。
海の幸、山の幸てんこもり〜〜いいなあ笑
検査2日目の朝から、大腸CT検査のための腸管前処置がはじまるわけです。
おそるおそる大腸CT検査の画像をみると
全く問題なし。
きれいにタギングされている。
最も驚いたことに、きのこや大根なんかも水溶性造影剤によって
きれいにタギングされているわけですね!!
とても驚きました。
いつか、検査前の食事に関する検討をせねば〜と考えていたところ、
運命のようにこの論文のレビューが私にまわって来たんです。
感謝ですね!!
ジャーナル側には速攻で、喜んで査読しますよ〜
と返事をしてワクワクしながら査読作業に入りました。
さて、その内容とはいかに〜〜
ネガティブスタディだったらどうしよう、
ハラハラドキドキ。
肝心の内容は次回にしますね。
なかなか入らずすみません。
それでは、また。
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
原文
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28812132
★★重大ニュース!!━━━━━━━━━━━━━━━
日本消化器がん検診学会とGAIAの共催で実施した
「大腸CT検査の実態全国調査【臨床研究 GAIA-03】」
が放射線領域の代表的なジャーナル
「European Radiology(2016 Impact Factor: 3.967)」
に掲載されました!!
https://link.springer.com/article/10.1007/s00330-017-4920-y
PubMedにも掲載済みですよ
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
委員の先生方に大変」ご尽力いただきました。
ご協力いただいた施設の医師や技師の皆様にも感謝です!
皆さま、本当にありがとうございました!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★★
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短気留学にいく行動力や、日々の勉強が大切ですよ。
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大腸CT検査のポイント集
毎日のつぶやきを経て増えていきますね。
<適応>
・閉塞性大腸がんに対して大腸CT検査は有用だが、手技に工夫が必要。
・完全閉塞症例には「PET/CT colonography」。
・内視鏡の検査待ちの日数を減らす役割もあり。
<検診>
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸CT検査による検診受診率は735%増加した。
・検診目的の大腸CT検査が保険でカバーされることで
大腸内視鏡検査による検診受診率は38%増加した。
・腸管外病変診断による利益・不利益バランスには注意が必要。
<腸管前処置>
・内視鏡後にガストログラフィン30mLを服用したら約4時間後に大腸CT検査をしよう。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<腸管拡張>
・右側臥位は最適な腸管拡張を得るためのベストポジションである。
・炭酸ガス自動送気装置は良好な腸管拡張を得るのに有用である。
・ブスコパンは腸管拡張の改善に寄与しない。
・自動送気装置の使用は穿孔頻度を下げる。
<読影>
・読影の飛ばしすぎは読影精度を下げるので要注意。
・トレーニングを積めば、都市部の病院でなくとも高い精度の検査が可能。
・検診目的の大腸CT検査は有症状者に対する大腸CT検査よりも、病変をみつけづらく読影には注意が必要。
<診断>
・C-RADSにおけるC1の5-10年の検査間隔は妥当
・大腸CT検査の中間期癌の頻度は非常に低い(0.1%、2/1429)
・便潜血陽性後から内視鏡を受けるまでの期間が10ヶ月以上になると大腸がん全般・進行がんのリスクが高まる。
<受診者の受容性>
・患者さんの苦痛度は炭酸ガス自動送気装置の使用やブスコパンの使用は影響しない。
<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
◆メルマガ登録ページ◆
メルマガタイトル:大腸CT検査アカデミー
http://www.mag2.com/m/0001679515.html
日本の大腸CT検査の知識のボトムアップを狙っています。
最新の世界の知識を身につけることで、患者さんに還元するのはもちろんですが、きっと新しい研究の芽も生まれると信じています。
皆でパワーアップしていきたいですね!!
◆メルマガ「大腸CT検査アカデミー」無料購読募集中です◆
ライン参加者の皆様も過去の記事を読むのに便利ですよ〜
応援いただけると嬉しいです。
☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
Q&A方式で、一般の方の素朴な疑問に答えます!
ご質問もお待ちしています。
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◆ラインコミュニティ「CTC Academy」の参加募集◆
メリット
・画像が共有できる!
・最新の情報を入手できる。
・仲間と意見を交換できる。
・待ち時間に気軽にみられる。
・配信されたことがすぐに分かる。
☆彡 入会希望の方はご連絡下さい
(恐れ入りますが、ラインコミュニティは医療関係者の方に限定させていただいております)
■読影トレーニングに関して重要なお知らせです。■
ここ数年、ボランティアで読影トレーニングを行ってきましたが、自身の業務が膨大になってきたこともあり、残念ながら永続的に続けることは困難な印象です。
一方で、学会で認定制度の設立に向けた動きが活発化してきました。
そこで申しわけありませんが、読影トレーニングの個人的な実施は今年一杯までとさせていただきたいと思います。。
トレーニングのレポートの受付と解答送付は今年一杯までとさせていただきます。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。
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https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/28674967
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<腸管前処置>
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<腸管拡張>
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<読影>
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<受診者の受容性>
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<偶発症>
・閉塞性大腸がんでは穿孔のリスクが高くなるので注意しましょう。
・術前検査目的の大腸CT検査の穿孔率は0.028%。
・検診目的の大腸CT検査の穿孔率は0.003%。
・精検目的の大腸CT検査の穿孔率は0.014%。
・穿孔率は術前検査目的に比べて検診目的で有意に低い。
・穿孔症例の81%では外科治療が不要。
・自動送気装置の使用は穿孔のリスクを低減する。
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