2020年10月05日
大腸CTアカデミア ITT解析
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第1回大腸CT検査教育研修会の受講には第59回日本消化器がん検診学会総会への出席が必要です。
総会視聴には、zoomウェビナーを使用したWeb開催となります。
視聴方法など詳細は下記をご参照ください。
参加者へのご案内
司会・演者へのご案内
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PubMedから、今日のつぶやき − 820 −
Deding U, Herp J, Havshoei AL, et al. Colon capsule endoscopy versus CT colonography after incomplete colonoscopy. Application of artificial intelligence algorithms to identify complete colonic investigations. United European Gastroenterol J. 2020;8(7):782-789.
それでは
論文「内視鏡挿入不能症例に対する大腸カプセル内視鏡検査 vs. 大腸CT検査:人工知能アルゴリズムによる全大腸検索」
のご紹介です。
前回の続きでこの研究の問題点をみてみたいと思います。
本研究の疑問の最大点はここです。過大評価のリスクが高いのではないでしょうか。
【Fig 1】
内視鏡挿入不能症例237名が対象となっていますが、本研究にエントリーとなったのは105名、実際に大腸カプセル内視鏡検査と大腸CT検査の両方を受診したのは97名です。
右側のフローの緑色の3マス目が左右ともに「complete CCE」となっていますが、右は「incomplete CCE」の誤りです。
ここで気になるのが、大腸CT検査の対象となりながら除外基準によって除外された63名です(左のフローの黄色の2マス目)。
この63名は大腸CT検査は適応があるので、大腸CT検査は実施した可能性が高いわけです。
内視鏡も実施しているわけですから、検査自体のリスクも高いわけではないけれど、癒着やなんらかの狭窄で大腸カプセル内視鏡検査の適応に入らなかったものと推測されます。
問題はこの63名のうち大腸CT検査がどの程度実施され、検査の完遂率がどうだったかということです。
つまり大腸CT検査との精度比較をするのであれば「Intention-to-treat(ITT)解析」をすべきではないかということです。
除外された63名の多くが大腸CT検査で検査が完遂できていた場合、それを解析にいれれば臨書現場での役立ち方、見える景色(大腸カプセル内視鏡検査の有用性を過大評価)も大きく変わってきます。
ITT解析の重要性は化学療法の分野で特に注目されますね。いくら効果があるとされても、脱落例が多い化学療法薬は臨床ではあまり役立たないからです。
いかがでしょうか?
研究デザインや結果の見せ方によって、結論は異なってくるということです。
自分が査読者であれば、この点は間違いなく突っ込みます。
ITT解析についてもう少し勉強したい方はこちらあるいはこちらからどうぞ。
さらにじっくり勉強したい方はこちらからどうぞ
それでは
原文
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32731841/
ご注意)必ずしも論文の内容をすべて網羅している情報ではございません。詳細にご興味の方は原文をご確認ください。つぶやきは正確な情報発信を心がけますが、その内容を保証するものではないことをどうぞご了承ください。
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☆☆大腸CT検査ってなあに? 〜大腸がんをへらせるの?〜☆☆
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ご質問もお待ちしています。
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・待ち時間に気軽にみられる。
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著者に無断で各種メディアに貼り付ける
などの行為は著作権違反となります。
読者の皆さまの大腸検査に対する知識のお役に立ちましたら幸いです。
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この63名は大腸CT検査は適応があるので、大腸CT検査は実施した可能性が高いわけです。
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問題はこの63名のうち大腸CT検査がどの程度実施され、検査の完遂率がどうだったかということです。
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ITT解析の重要性は化学療法の分野で特に注目されますね。いくら効果があるとされても、脱落例が多い化学療法薬は臨床ではあまり役立たないからです。
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原文
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/32731841/
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