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2024年09月14日
花村嘉英 研究一覧
【研究発表】
●ドイツ・チュービンゲン大学新文献学部ドイツ語学科のゼミ(1989年−1990年)で統語論について発表し、オランダ語のゼミ(1989年−1990年)は、演習に参加した。また、言語学科のゼミは、音韻論(1993年)と意味論(1994年)で発表し、博士論文(HPSG für Textanalyse – zur Ironie Thomas Manns)(1995年)を作成した。
●文理シナジー学会で「文学とカリキュレーション」という組み合せで4回研究発表をした。(1998年、2004年、2006年、2007年)私の計算文学の目標は、作家の執筆時の脳の活動(シナジーのメタファー)を分析することにあり、「トーマス・マンとファジィ」、「魯迅とカオス」、「森鴎外と感情」、「ナディン・ゴーディマと意欲」、「川端康成と認知発達」などがその例である。
●武漢科技大学外語外事職業学院で「中国から伝わった日本のことばや文化」及び「日本語会話のトレーニング−場面のイメージ作り(状況意味論)」と題して2回発表をした。(2009年、2010年)
●中国・延辺大学の中日韓朝言語文化比較研究シンポジウムで「中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察」及び「20世紀前半に見る東西の危機感」と題して2回研究発表をした。(2011年、2013年)
●日本語教育国際研究大会(名古屋大学)に於いて、「読む・書く」というテーマで教案を脳トレとリンクさせる要約法について研究発表をし、さらに「研究でつながる広場」で「日本語教育におけるシナジー論」と題して意見を交わした。(2012年)
●北京日本学研究センター及び中華日本学会が主催した「日本研究の新展開」国際シンポジウム(北京外国語大学)で「魯迅から鴎外へ-比較文学による考察」と題して研究発表をした。(2012年)
●四川外国語大学の国際シンポジウム−文化の越境と他者の表象で「『狂人日記』から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察」と題して発表をした。(2013年)
●南京農業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。(2014年)
●上海外国語大学で開催された中日対照言語学研究会で「産業日本語の学習法とその応用例−2段階の処理法について」と題して研究発表をした。(2015年)
●南京林業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『佐橋甚五郎』のDBとバラツキによる分析」と題して研究発表をし、懇親会でも意見を交わした。(2016年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「シナジーのメタファーの作り方」と題して研究発表をした。(2017年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「川端康成の『雪国』から見えて来るシナジーのメタファーとは」と題して研究発表をした。(2018年)
●杭州師範大学で開催された中国日語教学研究会暨日本学研究国際研討会で「マクロの文学分析のための一考察−作家の条件として危機管理者を想定する」と題して研究発表をした。(2019年)
●中国日語教学研究会上海分会主催の日本語教育と日本学研究国際シンポジウム(ZOOM開催)において「三浦綾子の『道ありき』でうつ病を考える−人文科学から病跡学へ」と題して研究発表をした。(2020年)
【学術関連表彰】
「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社 2015年
●栄誉証書 大連外国語大学(文献学)2017年3月
●栄誉証書 南京農業大学(文献学)2017年3月、2017年5月
●捐赠証書(奨励)北京大学 2017年3月
●捐赠証書(奨励)北京外国語大学 2017年3月
【著作・論文・研修・資格】
【日本語】
◎言語系
●論文題目 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ−中国人に日本語を教授する 武漢科技大学外語外事職業学院 2010年
●論文題目 中国語ネイティブに向けた日本語の作文のトレーニング 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)2012年
●論文題目 人文科学のための人材育成ついて 日本語教育のためのプログラムに収録 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)
●論文題目 人文科学から始める技術文の翻訳−英日 独日 中日(レポート)上海外国語大学 2015年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のデータベース化とその分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2015年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」のデータベースとバラツキによる分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2016年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のくるバラツキについて 2018年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の相関関係について 2018年
●著書名 日语教育计划书 面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017年
●論文題目 シナジーのメタファーを外国語教育に応用する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ビジネス日本語の攻略法 ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ヴァイスゲルバーから日本語教育を再考する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 中国から日本に伝わったことばや文化について−欧州との比較も交えて 武漢科技大学外語外事職業学院 2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「山椒大夫」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「山椒大夫」2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の相関関係について 2018年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「佐橋甚五郎」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「佐橋甚五郎」2019年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鷗外の「渋江抽齋」を感情で読む 2021年
●論文題目 森鷗外の「衛生新篇」で研究ノートを作成する 2021年
●論文題目 森鴎外の病跡学−人間鴎外と作家鴎外 2021年
●論文題目 森鷗外の「舞姫」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」のバラツキについて 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて川端康成の「雪国」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-川端康成「雪国」 ファンブログ 2019年
●論文題目 川端康成の「伊豆の踊子」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」で執筆脳を考える−連合野の働き 2021年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」のバラツキについて 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の相関関係について 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて井上靖の「わが母の記」を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 井上靖の「我が母の記」と認知症の関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」で執筆脳を考える−不安障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」のバラツキについて 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の相関関係について 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて小林多喜二の「蟹工船」を考える 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の交絡について 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」のバラツキについて 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の相関関係について 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて三浦綾子の「道ありき」を考える 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の交絡について 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でファイ係数を考える 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で寄与危険を考える 2021年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」で執筆脳を考える−自然や文化の観察者の立場から ファンブログ 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」のバラツキについて 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の相関関係について 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて島崎藤村の「千曲川のスケッチ」を考える 2020年
◎文学系
●論文題目 中島敦の「山月記」で執筆脳を考える−パーソナリティ障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 芥川龍之介の「河童」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 坂口安吾の「肝臓先生」で執筆脳を考える−漠然とした不安 ファンブログ 2020年
●論文題目 志賀直哉の「城の崎にて」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有島武郎の「小さき者へ」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 幸田文の「父」で執筆脳を考える−臨終 ファンブログ 2020年
●論文題目 泉鏡花の「外科室」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有吉佐和子の「華岡青洲の妻」で執筆脳を考える−乳がん手術法 ファンブログ 2020年
●論文題目 水上勉の「海の牙」で執筆脳を考える−水俣病 ファンブログ 2020年
●論文題目 遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 谷崎潤一郎の「盲目物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 開高健の「裸の王様」で執筆脳を考える−アスペルガー症候群 ファンブログ 2020年
●論文題目 古井由吉の「水」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 永井荷風の「濹東綺譚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「蒲団」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「田舎教師」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 太宰治の「ヴィヨンの妻」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮沢賢治の「ひかりの素足」で執筆脳を考える−共生故の幸福
●論文題目 井伏鱒二の「山椒魚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 柴田翔の「鳥の影」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮本百合子の「播州平野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 三島由紀夫の「潮騒」で執筆脳を考える ファンブログ 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学を考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021年
●論文題目 川端康成の病跡学−人間川端と作家川端 2022年
●論文題目 夏目漱石の「坊ちゃん」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 広津和郎の「神経病時代」で執筆脳を考える−反射的な痙攣 ファンブログ 2023年
●論文題目 長塚節の「土」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 堀辰雄の「風立ちぬ」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 江川晴の「看護婦物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 上山明博の「関東大震災を予知した二人の男」で執筆脳を考える ファンブログ 2024年
●著書名 小説をシナジーで読む−森鴎外から川端康成へ データベースと病跡学に備えて V2ソリューション 2024年
●データベース 森鴎外「山椒大夫」「佐橋甚五郎」「安井夫人」「魚玄機」、井上靖「わが母の記」「天平の甍」、川端康成「雪国」「伊豆の踊子」、中島敦「山月記」、小林多喜二「蟹工船」、三浦綾子「道ありき」、島崎藤村「千曲川のスケッチ」、志賀直哉「城の崎にて」、国木田独歩「武蔵野」、芥川龍之介「河童」、坂口安吾「肝臓先生」、有島武郎「小さき者へ」、横光利一「蝿」、泉鏡花「外科室」、幸田文「父」、佐藤愛子「沢村校長の晩年」、有吉佐和子「華岡青洲の妻」、水上勉「海の牙」、遠藤周作「あの世で」、谷崎潤一郎「盲目物語」、太宰治「ヴィヨンの妻」、宮沢賢治「ひかりの素足」、堀辰雄「風立ちぬ」、田山花袋「蒲団」「田舎教師」、永井荷風「濹東綺譚」、堀辰雄「風立ちぬ」、古井由吉「水」、開高健「裸の王様」、幸田露伴「五重塔」、五木寛之「冬のひまわり」、武者小路実篤「愛と死」、井伏鱒二「山椒魚」、広津和郎「神経病時代」、三島由紀夫「潮騒」、阿部公房「飢餓同盟」、柴田翔「鳥の影」、長塚節「土」、夏目漱石「坊ちゃん」、宮本百合子「播州平野」、壷井栄「二十四の瞳」、瀬戸内寂静「紹興」、石坂洋次郎「若い川の流れ」、大江健三郎「アトミックエイジの守護神」、三浦哲郎「忍ぶ川」、上山明博「関東大震災を予知した二人の男」、渡辺淳一「光と影」、新田次郎「神通川」、安保邦彦「明けない夜の四日市」、北條民雄「ライを病む青年」、紀貫之「土佐日記」、竹西寛子「蘭」、曽野綾子「椅子の中」、江川晴「看護婦物語」、樋口一葉「たけくらべ」
【中国語】
◎言語系
●論文題目 中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2012年
●論文題目 「狂人日記」から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察(統合失調症)四川外国語大学国際シンポジウム 2013年
●著書名 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015年
●論文題目 サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」−魯迅とカオス 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品に収録 2015年
●Babel 中日契約書翻訳講座修了 2017年10月
●論文題目 魯迅の「狂人日記」のバラツキについて ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「狂人日記」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「狂人日記」2019年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」から微分法の応用を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「阿Q正伝」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「阿Q正伝」2019年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」で執筆脳を考える−帝王切開 ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」のバラツキについて ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の相関関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて莫言の「蛙」を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の交絡について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でファイ係数を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」でカイ二乗検定を考える 2021年
●著書名 小説をシナジーで読む−魯迅から莫言へ シナジーのメタファーのために V2ソリューション 2023年
◎文学系
●論文題目 魯迅の「祝福」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 魯迅の「藤野先生」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「朋友」で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 高行健の「円恩寺」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「车祸」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「文学の理由」について考える 2022年
●論文題目 谌容の「人到中年」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 王安憶の「小鮑庄」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「棋王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「孩子王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 陸文夫の「美食家」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 汪曽祥の「橋辺小説三篇」で執筆脳を考える 2023年
●データベース 魯迅「阿Q正伝」「狂人日記」「祝福」「藤野先生」、莫言「蛙」、高行健「朋友」「円恩寺」「车祸」、谌容「人到中年」、王安憶「小鮑庄」、阿城「棋王」「孩子王」、陸文夫「美食家」、汪曽祥「橋辺小説三篇」
【ドイツ語】
◎言語系
●発表題目 トーマス・マンのイロニーとファジー理論 文理シナジー学会 東海大学 1998年
●発表題目 計算文学のすすめ−Thomas Mannの “Der Zauberberg”(魔の山)を考える(発表)文理シナジー学会 東京文化会館 2005年
●著書名 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎(出版証明書付) 2005年
●論文題目 論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用 計算文学入門に収録 2005年
●論文題目 やさしい曖昧な数学(ファジィ集合)−「魔の山」をマージする 計算文学入門に収録 2005年
●発表題目 計算文学の基礎固め:トーマス・マンの “Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)を考える(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2006年
●発表題目 計算文学のすすめ−トーマス・マンと鴎外の比較(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2007年
●論文題目 Thomas Mannの“Der Zauberberg”(魔の山)のデータベース化と推定からの分析 ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 ラフ集合でThomas Mannの「魔の山」を考える−テキストマイニングのトレーニング ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の相関関係について ファンブログ 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−トーマス・マンの「魔の山」2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてトーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)の「ヤコブ物語」に見るファジィ測度について Puboo 2019年
論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”のバラツキについて 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の相関関係について 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてハインリッヒ・ベルの“Wanderer, kommst du nach Spa…”を考える 2019年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)で執筆脳を考える−実母のうつ病 ファンブログ 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”のバラツキについて 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の相関関係について 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”を考える 2020年
●論文題目 ハントケの“Wunschloses Unglück”から三角関数の応用を考える 2020年
●論文題目 今後のAIの活用について−自然言語処理技術を文学分析に応用する Gaccoのレポート 2020年
●論文題目 Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察 ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドイツ語の話法の助動詞をモンタギュー文法から考える 2022年
●論文題目 モンタギュー文法の意味公準について考える−階層的な様相表現を中心にして 2022年
●論文題目 モンタギュー文法からGPSGへーイディオムの構成性をめぐるモデル理論の修正 2022年
●論文題目 イディオムーMGからGPSGそしてHPSGへ 2022年
●著書名 計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る V2ソリューション 2022年
◎文学系
●翻訳書名 Johan Wolfgang von Götheの“Italienische Reise”(イタリア紀行)(共訳、監修)2010年 バベル出版
●論文題目 エリアス・カネッティの “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 フランツ・カフカの“Die Verwandlung”(変身)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ヘルマン・ヘッセの”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Der Tyrann”(専制君主)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Die Branzilla”(ブランツィッラ)の執筆脳について ファンブログ 2020年
●論文題目 ゴットフリート・ベンの”Gehirn”(脳)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 シュテファン・ツヴァイクの”Angst”(不安)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 ギュンター・グラスの”Katz und Maus”(猫と鼠)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 ゲアハルト・ハオプトマンの”Der Schuß im Park”(公園での発砲)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 パオル・ハイゼの”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)で執筆脳を考える 2023年
●データベース トーマス・マン “Der Zauberberg”(魔の山)、ハインリッヒ・ベル “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)、エリアス・カネッティ “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)、ペーター・ハントケ “Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)、フランツ・カフカ “Die Verwandlung”(変身)、ヘルマン・ヘッセ”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)、ハインリッヒ・ マン”Der Tyrann”(専制君主)、”Die Branzilla”(ブランツィッラ)、ゴットフリート・ベン”Gehirn”(脳)、シュテファン・ツヴァイク”Angst”(不安)、ギュンター・グラス”Katz und Maus”(猫と鼠)、ゲアハルト・ハオプトマン”Der Schuß im Park”(公園での発砲)、パオル・ハイゼ”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)
【英語】【フランス語】【スペイン語】
●論文訳 Linguistics of Sapir and the world of “The True Story of Ah Q” – Luxun and chaos, 2015
●論文訳 Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary”-Consideration from cognitive linguistics, 2015
●エイブス・メディカル翻訳講座英和上級修了 2016年2月(同講座初級修了 2015年9月、同講座入門修了 2014年5月)
●論文訳 Study to make a database of “Sansho the Bailiff of Ogai Mori”, July 2018
●論文訳 To make a database of Jingoro Sahashi of Ogai Mori and its deviation, July 2018
●論文訳 How to make a synergic metaphor, January ブログ シナジーのメタファー 2018
●論文題目 “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)から見たゴーディマの意欲について−脳の前頭葉・前頭前野の活動を中心に 2018年
●論文訳 About motivation of Nadine Gordimer viewed from “The Late Bourgeois World”, ブログ シナジーのメタファー 2018年
●著書名 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲−適応障害 華東理工大学出版社 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World” ファンブログ 2019年
●論文訳 Synergic metaphor viewed from “Snow Country” of Yasunari Kawabata – from “Nothingness and Creation” to “object achievement type cognitive, ブログ シナジーのメタファー 2019
●論文題目 ナディン・ゴーディマの “The Late Bourgeois World” の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”を考える 2019年
●論文題目 ジョン・マックスウェル・クッツェーの “Age of Iron”(鉄の時代)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドリス・レッシングの “Hunger”(飢え)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 アルベール・カミュの “L'Étranger”(異邦人)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 パトリック・モディアノの “Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)で執筆脳を考える 2021年
●論文訳 Research on a synergic metaphor of “Frog” by Mo Yan, ブログ シナジーのメタファー 2022
●論文題目 ガルシア・マルケスの “Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 バルガス・リョサの “El abuelo”(祖父)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 パール・バックの “The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)で執筆脳を考える−発達障害 2022年
●論文題目 アリス・マンローの “Tell me Yes or No”(はっきりいってよ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アーネスト・ヘミングウェイ “The old man and the sea”(老人と海)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 ジャン・ポール・サルトルの “La Nausée”(嘔吐)で執筆脳を考える−吐き気 2022年
●論文題目 ル・クレジオの “Pawana”(パワナ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 クロード・シモンの “Le tramway”(路面電車)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アルフォンソ・ドーデの “ La Dernière Classe”(最後の授業)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アナトール・フランスの “Crainquebille”(クランクビーユ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アブドゥルザラク・グルナの“Departure of memory”(出発の記憶)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 レイナルド・アレナスの“Antes que anochezca”(夜になる前に)で執筆脳を考える−エイズ 2023年
●論文題目 フランソア・モーリャックの“Génitrix”(母:ジェニトリックス)で執筆脳を考える−軽度認知症 2023年
●論文題目 アニー・エルノーの“L'occupacion”(嫉妬)で執筆脳を考える−意識障害 2023年
●論文題目 パトリック・ホワイトの“The Hanging Garden”(空中庭園)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 アンドレ・ジイドの“La symphonie pastrale”(田園交響曲)で執筆脳を考える 2024年
●論文題目 トニ・モリソンの“The bluest eye”(青い目が欲しい)で執筆脳を考える 2024年
●データベース ナディン・ゴーディマ “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)、ジョン・マックスウェル・クッツェー“Age of Iron”(鉄の時代)、ドリス・レッシング“Hunger”(飢え)、パール・バック“The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)、アリス・マンロー“Tell me Yes or No”(はっきりいてよ)、アーネスト・ヘミングウェイ“The old man and the sea”(老人と海)、アブドゥルザラク・グルナの“ Departure of memory”(出発の記憶)、パトリック・ホワイト“The Hanging Garden”( 空中庭園)、トニ・モリソン“The bluest eye”(青い目が欲しい)、ガルシア・マルケス“Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)、バルガス・リョサ“El abuelo”(祖父)、レイナルド・アレナス“Antes que anochezca”(夜になる前に)、アルベール・カミュ“L'Étranger”(異邦人)、パトリック・モディアノ“Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)、ジャン・ポール・サルトル“La Nausée”(嘔吐)、ル・クレジオ“Pawana”(パワナ)、クロード・シモン“Le tramway”(路面電車)、アルフォンソ・ドーデ“ La Dernière Classe”(最後の授業)、アナトール・フランス“Crainquebille”(クランクビーユ)、フランソア・モーリャック“Génitrix”(母:ジェニトリックス)、アニー・エルノー“L'occupacion”(嫉妬)、アンドレ・ジイド“La symphonie pastrale”(田園交響曲)
【比較言語・比較文学】
●論文題目 魯迅から鴎外へ−比較文学からの考察(レポート)北京外国語大学「日本研究の新展開」国際シンポジウ 2012年
●論文題目 20世紀前半に見る東西の危機感−魯迅、鴎外、トーマス・マン 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2014年
●論文題目 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖(病跡学)中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 ことばの呼応とその運用を比較する−英語、ドイツ語、日本語、中国語を中心に ブログ シナジーのメタファー2018年
●論文題目 日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較−言語類型論における普遍性を中心に ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会学の観点から文学をマクロに考える−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020年
●論文題目 観察社会学の観点から文学をマクロに考える−自然や文化の観察者としての作家について 2020年
●論文題目 医療社会学の観点から文学をマクロに考える−データ分析者としての作家の役割について 2021年
●論文題目 家族社会学の観点から文学をマクロに考える−小説から社会と家族の関連性を考える 2021年
●論文題目 数理社会学の観点から文学をマクロに考える−不満がもたらす問題をランダムに比較する 2021年
●論文題目 文化社会学の観点から文学をマクロに考える−都市と地域の時空の現象 2021年
●論文題目 環境社会学の観点から文学をマクロに考える−四大公害病を中心に 2021年
●論文題目 福祉社会学の観点から文学をマクロに考える−ケア、看取り、貧窮を中心に 2021年
●論文題目 スポーツ社会学の観点から文学をマクロに考える−陸上を中心に 2022年
●論文題目 時間の比較社会学の観点から文学をマクロに考える−南部アフリカを中心に 2022年
●論文題目 老年社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 子ども社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 教育社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 法社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 農村社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 都市社会学の観点からマクロに文学を考える 2023年
●論文題目 終活の社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 宗教社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 看護社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 災害社会学の観点から文学をマクロに考える 2024年
【社会・システム】
●論文題目 「日本経済入門」の講義とその応用例(レポート) ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会論からトップダウンで作家の執筆脳を考える−中島敦の「山月記」を交えて 2019年
●埼玉西部消防組合 甲種防火管理新規講習修了 2019年5月
●日本学術振興会 研究倫理 eラーニング 「事例で「学ぶ/考える」研究倫理 誠実な科学者の心得」修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門 倫理審査委員会向けの倫理研修 eラーニング修了 2019年8月
●JTEX 知的財産権入門講座修了 2019年12月
●Fisdom修了講座 10進法を2進法に変換、暗号化、パリティチェック、情報リテラシー Office2016、統計学入門、Python入門、学校における無線ネットワークの作り方、安全学入門、インターネットセキュリティ、情報法 2019年12月
●INPIT 工業所有権研修・情報館 eラーニング 20講座受講済 2020年5月
●日本能力開発推進協会 マインドフルネススペシャリスト検定試験合格 2020年10月、上級心理カウンセラー検定試験合格2021年7月、行動心理士検定試験合格 2023年1月
●特許庁 「シナジーのメタファ―」の商標登録許可 2021年3月
●Gacco修了講座 セキュリティ・プライバシ・法令、公衆無線LANセキュリティ対策、SDGs(持続可能な開発目標)入門 、Memento Moriー死を想う、大学生のためのデータサイエンス、社会人のためのデータサイエンス 、多変量データ解析法 、統計学−データ分析の基礎、誰でも使えるオープンデータ、進化発生学入門、心理学スパイラルアップ、推論・知識処理・自然言語処理、クラウド基盤構築演習、アーキテクチャ・品質エンジニアリング、スマートIoTシステム・ビジネス入門、IoTとシステムズアプローチ、クラウドサービス・分散システム、センサ、機械学習、深層学習、社会の中のAI、ビジネスフィールドでのAI・データ活用スキル 2024年9月現在
【バイオ・メディカル】
●日本成人病予防協会(JAPA)健康管理士一般指導員認定 2015年3月、健康管理能力検定1級取得 2015年3月、健康管理士一般指導員ゴールド認定 2017年4月、食育セミナー「身体を強める食動学」参加 2017年10月、ステップアップ講座(横浜)参加 2017年12月、健康管理士上級指導員認定 2020年3月、健康管理士統括指導員認定 2023年10月
●予防医学・代替医療振興協会修了講座 予防医学指導士 2015年12月、代替医療カウンセラー 2016年4月、認知症ケアカウンセラー 2016年12月
●フードデリバリー 熱中症対策アドバイザー認定 2018年7月
●ソラスト修了講座 医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト)養成講座 2018年10月、医療事務講座クリニックコース(2019年3月)
●技能認定振興協会(JSMA)医師事務作業補助者検定試験合格 2019年4月
●日本癌治療学会 Cancer eラーニング 104講座修了 受講証明書有 2019年8月
●日本人間ドック学会 遺伝学的検査検討委員会 eラーニング修了 2019年8月
●日本医療ガス学会 医療ガス安全管理研修 eラーニング修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門修了講座 臨床研究の基礎知識講座、臨床研究のデータベースマネージメント入門、再生医療研究のインフォームド・コンセント、事例から学ぶ研究倫理 2019年8月
●JTEX 製薬・医薬品の基礎講座修了 2019年10月
●東京女子医科大学 教育・学習支援プログラム 100講座修了 2020年2月
●動脈硬化予防啓発セミナー eラーニング 55講座修了 2020年5月
●Gacco修了講座 がんゲノム医療オンライン講座2020(ノート作成済)2021年3月
●日本糖尿病学会 リアルタイムCGM研修 eラーニング修了 2021年4月
●日本臨床腫瘍学会 市民公開講座「正しく知ろう!がん免疫療法とがんゲノム医療」受講済 2021年4月、がんゲノムネット eラーニング 受講済 2021年5月
●厚生労働省 Peace 緩和ケア研修 eラーニング修了、IHEAT 新型コロナウイルス感染症等に対する人材育成eラーニング 受講済 2021年5月
●MPラーニング(薬学) 50講座修了 2022年2月
●医療情報処理学会医療情報技師育成部会 eラーニング 受講講座 医療情報基礎用語集、個人情報の保護法、医療統計セミナーB、 医療情報学研究の最前線と医療現場を繋ぐ 2024年9月現在
【所属研究会】
●日本成人病予防協会
https://fanblogs.jp/macroresearch/履歴書
【連絡先】
電話 04-2921-1820、メール hanamura36@gmail.com
●ドイツ・チュービンゲン大学新文献学部ドイツ語学科のゼミ(1989年−1990年)で統語論について発表し、オランダ語のゼミ(1989年−1990年)は、演習に参加した。また、言語学科のゼミは、音韻論(1993年)と意味論(1994年)で発表し、博士論文(HPSG für Textanalyse – zur Ironie Thomas Manns)(1995年)を作成した。
●文理シナジー学会で「文学とカリキュレーション」という組み合せで4回研究発表をした。(1998年、2004年、2006年、2007年)私の計算文学の目標は、作家の執筆時の脳の活動(シナジーのメタファー)を分析することにあり、「トーマス・マンとファジィ」、「魯迅とカオス」、「森鴎外と感情」、「ナディン・ゴーディマと意欲」、「川端康成と認知発達」などがその例である。
●武漢科技大学外語外事職業学院で「中国から伝わった日本のことばや文化」及び「日本語会話のトレーニング−場面のイメージ作り(状況意味論)」と題して2回発表をした。(2009年、2010年)
●中国・延辺大学の中日韓朝言語文化比較研究シンポジウムで「中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察」及び「20世紀前半に見る東西の危機感」と題して2回研究発表をした。(2011年、2013年)
●日本語教育国際研究大会(名古屋大学)に於いて、「読む・書く」というテーマで教案を脳トレとリンクさせる要約法について研究発表をし、さらに「研究でつながる広場」で「日本語教育におけるシナジー論」と題して意見を交わした。(2012年)
●北京日本学研究センター及び中華日本学会が主催した「日本研究の新展開」国際シンポジウム(北京外国語大学)で「魯迅から鴎外へ-比較文学による考察」と題して研究発表をした。(2012年)
●四川外国語大学の国際シンポジウム−文化の越境と他者の表象で「『狂人日記』から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察」と題して発表をした。(2013年)
●南京農業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『山椒大夫』のDB化とその分析」と題して研究発表をした。(2014年)
●上海外国語大学で開催された中日対照言語学研究会で「産業日本語の学習法とその応用例−2段階の処理法について」と題して研究発表をした。(2015年)
●南京林業大学で開催された中国日語教学研究会江蘇分会で「森鴎外の『佐橋甚五郎』のDBとバラツキによる分析」と題して研究発表をし、懇親会でも意見を交わした。(2016年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「シナジーのメタファーの作り方」と題して研究発表をした。(2017年)
●上海の同済大学で開催された中国日語教学研究会上海分会で「川端康成の『雪国』から見えて来るシナジーのメタファーとは」と題して研究発表をした。(2018年)
●杭州師範大学で開催された中国日語教学研究会暨日本学研究国際研討会で「マクロの文学分析のための一考察−作家の条件として危機管理者を想定する」と題して研究発表をした。(2019年)
●中国日語教学研究会上海分会主催の日本語教育と日本学研究国際シンポジウム(ZOOM開催)において「三浦綾子の『道ありき』でうつ病を考える−人文科学から病跡学へ」と題して研究発表をした。(2020年)
【学術関連表彰】
「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」華東理工大学出版社 2015年
●栄誉証書 大連外国語大学(文献学)2017年3月
●栄誉証書 南京農業大学(文献学)2017年3月、2017年5月
●捐赠証書(奨励)北京大学 2017年3月
●捐赠証書(奨励)北京外国語大学 2017年3月
【著作・論文・研修・資格】
【日本語】
◎言語系
●論文題目 日本語の会話や作文からやさしい翻訳へ−中国人に日本語を教授する 武漢科技大学外語外事職業学院 2010年
●論文題目 中国語ネイティブに向けた日本語の作文のトレーニング 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)2012年
●論文題目 人文科学のための人材育成ついて 日本語教育のためのプログラムに収録 日本語教育国際研究大会(名古屋2012)
●論文題目 人文科学から始める技術文の翻訳−英日 独日 中日(レポート)上海外国語大学 2015年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のデータベース化とその分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2015年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」のデータベースとバラツキによる分析 中国日語教学研究会江蘇分会論文集 2016年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」のくるバラツキについて 2018年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の相関関係について 2018年
●著書名 日语教育计划书 面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017年
●論文題目 シナジーのメタファーを外国語教育に応用する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ビジネス日本語の攻略法 ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 ヴァイスゲルバーから日本語教育を再考する ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 中国から日本に伝わったことばや文化について−欧州との比較も交えて 武漢科技大学外語外事職業学院 2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「山椒大夫」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「山椒大夫」2019年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「山椒大夫」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の相関関係について 2018年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて森鴎外の「佐橋甚五郎」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-森鴎外「佐橋甚五郎」2019年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」の交絡について 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 森鴎外の「佐橋甚五郎」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 森鷗外の「渋江抽齋」を感情で読む 2021年
●論文題目 森鷗外の「衛生新篇」で研究ノートを作成する 2021年
●論文題目 森鴎外の病跡学−人間鴎外と作家鴎外 2021年
●論文題目 森鷗外の「舞姫」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について−「無と創造」から「目的達成型の認知発達」中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」のバラツキについて 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 川端康成の「雪国」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて川端康成の「雪国」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-川端康成「雪国」 ファンブログ 2019年
●論文題目 川端康成の「伊豆の踊子」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」で執筆脳を考える−連合野の働き 2021年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」のバラツキについて 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」の相関関係について 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて井上靖の「わが母の記」を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 井上靖の「我が母の記」と認知症の関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 井上靖の「わが母の記」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」で執筆脳を考える−不安障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」のバラツキについて 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の相関関係について 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて小林多喜二の「蟹工船」を考える 2019年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」の交絡について 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 小林多喜二の「蟹工船」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」のバラツキについて 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の相関関係について 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて三浦綾子の「道ありき」を考える 2019年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」の交絡について 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でファイ係数を考える 2020年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」から三角関数の応用例を考える 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」で寄与危険を考える 2021年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」で執筆脳を考える−自然や文化の観察者の立場から ファンブログ 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」のバラツキについて 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の相関関係について 2020年
●論文題目 島崎藤村の「千曲川のスケッチ」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて島崎藤村の「千曲川のスケッチ」を考える 2020年
◎文学系
●論文題目 中島敦の「山月記」で執筆脳を考える−パーソナリティ障害 ファンブログ 2019年
●論文題目 国木田独歩の「武蔵野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 芥川龍之介の「河童」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 坂口安吾の「肝臓先生」で執筆脳を考える−漠然とした不安 ファンブログ 2020年
●論文題目 志賀直哉の「城の崎にて」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 佐藤愛子の「沢村校長の晩年」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有島武郎の「小さき者へ」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 横光利一の「蝿」でテキストマイニングを考える 2022年
●論文題目 幸田文の「父」で執筆脳を考える−臨終 ファンブログ 2020年
●論文題目 泉鏡花の「外科室」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 有吉佐和子の「華岡青洲の妻」で執筆脳を考える−乳がん手術法 ファンブログ 2020年
●論文題目 水上勉の「海の牙」で執筆脳を考える−水俣病 ファンブログ 2020年
●論文題目 遠藤周作の「あの世で」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 谷崎潤一郎の「盲目物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 開高健の「裸の王様」で執筆脳を考える−アスペルガー症候群 ファンブログ 2020年
●論文題目 古井由吉の「水」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 五木寛之の「冬のひまわり」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 武者小路実篤の「愛と死」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 永井荷風の「濹東綺譚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「蒲団」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 田山花袋の「田舎教師」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 太宰治の「ヴィヨンの妻」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮沢賢治の「ひかりの素足」で執筆脳を考える−共生故の幸福
●論文題目 井伏鱒二の「山椒魚」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年 ファンブログ 2020年
●論文題目 柴田翔の「鳥の影」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 宮本百合子の「播州平野」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 阿部公房の「飢餓同盟」で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 三島由紀夫の「潮騒」で執筆脳を考える ファンブログ 2021年
●論文題目 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学を考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021年
●論文題目 川端康成の病跡学−人間川端と作家川端 2022年
●論文題目 夏目漱石の「坊ちゃん」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 広津和郎の「神経病時代」で執筆脳を考える−反射的な痙攣 ファンブログ 2023年
●論文題目 長塚節の「土」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 堀辰雄の「風立ちぬ」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 江川晴の「看護婦物語」で執筆脳を考える ファンブログ 2023年
●論文題目 上山明博の「関東大震災を予知した二人の男」で執筆脳を考える ファンブログ 2024年
●著書名 小説をシナジーで読む−森鴎外から川端康成へ データベースと病跡学に備えて V2ソリューション 2024年
●データベース 森鴎外「山椒大夫」「佐橋甚五郎」「安井夫人」「魚玄機」、井上靖「わが母の記」「天平の甍」、川端康成「雪国」「伊豆の踊子」、中島敦「山月記」、小林多喜二「蟹工船」、三浦綾子「道ありき」、島崎藤村「千曲川のスケッチ」、志賀直哉「城の崎にて」、国木田独歩「武蔵野」、芥川龍之介「河童」、坂口安吾「肝臓先生」、有島武郎「小さき者へ」、横光利一「蝿」、泉鏡花「外科室」、幸田文「父」、佐藤愛子「沢村校長の晩年」、有吉佐和子「華岡青洲の妻」、水上勉「海の牙」、遠藤周作「あの世で」、谷崎潤一郎「盲目物語」、太宰治「ヴィヨンの妻」、宮沢賢治「ひかりの素足」、堀辰雄「風立ちぬ」、田山花袋「蒲団」「田舎教師」、永井荷風「濹東綺譚」、堀辰雄「風立ちぬ」、古井由吉「水」、開高健「裸の王様」、幸田露伴「五重塔」、五木寛之「冬のひまわり」、武者小路実篤「愛と死」、井伏鱒二「山椒魚」、広津和郎「神経病時代」、三島由紀夫「潮騒」、阿部公房「飢餓同盟」、柴田翔「鳥の影」、長塚節「土」、夏目漱石「坊ちゃん」、宮本百合子「播州平野」、壷井栄「二十四の瞳」、瀬戸内寂静「紹興」、石坂洋次郎「若い川の流れ」、大江健三郎「アトミックエイジの守護神」、三浦哲郎「忍ぶ川」、上山明博「関東大震災を予知した二人の男」、渡辺淳一「光と影」、新田次郎「神通川」、安保邦彦「明けない夜の四日市」、北條民雄「ライを病む青年」、紀貫之「土佐日記」、竹西寛子「蘭」、曽野綾子「椅子の中」、江川晴「看護婦物語」、樋口一葉「たけくらべ」
【中国語】
◎言語系
●論文題目 中日翻訳の高速化−比較言語学からの考察 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2012年
●論文題目 「狂人日記」から見えてくるカオス効果について−認知言語学からの考察(統合失調症)四川外国語大学国際シンポジウム 2013年
●著書名 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015年
●論文題目 サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」−魯迅とカオス 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品に収録 2015年
●Babel 中日契約書翻訳講座修了 2017年10月
●論文題目 魯迅の「狂人日記」のバラツキについて ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「狂人日記」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「狂人日記」2019年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」から微分法の応用を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「狂人日記」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の相関関係について ブログ シナジーのメタファー 2018年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて魯迅の「阿Q正伝」を考える 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅の「阿Q正伝」2019年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」の交絡について 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でファイ係数を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 魯迅の「阿Q正伝」でカイ二乗検定を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」で執筆脳を考える−帝王切開 ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」のバラツキについて ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の相関関係について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いて莫言の「蛙」を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」の交絡について ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でファイ係数を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 莫言の「蛙」でオッズ比を考える 2021年
●論文題目 莫言の「蛙」でカイ二乗検定を考える 2021年
●著書名 小説をシナジーで読む−魯迅から莫言へ シナジーのメタファーのために V2ソリューション 2023年
◎文学系
●論文題目 魯迅の「祝福」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 魯迅の「藤野先生」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「朋友」で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 高行健の「円恩寺」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「车祸」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 高行健の「文学の理由」について考える 2022年
●論文題目 谌容の「人到中年」で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 王安憶の「小鮑庄」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「棋王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 阿城の「孩子王」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 陸文夫の「美食家」で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 汪曽祥の「橋辺小説三篇」で執筆脳を考える 2023年
●データベース 魯迅「阿Q正伝」「狂人日記」「祝福」「藤野先生」、莫言「蛙」、高行健「朋友」「円恩寺」「车祸」、谌容「人到中年」、王安憶「小鮑庄」、阿城「棋王」「孩子王」、陸文夫「美食家」、汪曽祥「橋辺小説三篇」
【ドイツ語】
◎言語系
●発表題目 トーマス・マンのイロニーとファジー理論 文理シナジー学会 東海大学 1998年
●発表題目 計算文学のすすめ−Thomas Mannの “Der Zauberberg”(魔の山)を考える(発表)文理シナジー学会 東京文化会館 2005年
●著書名 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎(出版証明書付) 2005年
●論文題目 論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用 計算文学入門に収録 2005年
●論文題目 やさしい曖昧な数学(ファジィ集合)−「魔の山」をマージする 計算文学入門に収録 2005年
●発表題目 計算文学の基礎固め:トーマス・マンの “Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)を考える(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2006年
●発表題目 計算文学のすすめ−トーマス・マンと鴎外の比較(発表)文理シナジー学会 日本アムウェイ 2007年
●論文題目 Thomas Mannの“Der Zauberberg”(魔の山)のデータベース化と推定からの分析 ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 ラフ集合でThomas Mannの「魔の山」を考える−テキストマイニングのトレーニング ブログ シナジーのメタファー 2017年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の相関関係について ファンブログ 2019年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−トーマス・マンの「魔の山」2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)の多変量解析−クラスタ分析と主成分 ファンブログ 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてトーマス・マンの“Der Zauberberg”(魔の山)を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 トーマス・マンの“Joseph und seine Brüder”(ヨーゼフとその兄弟)の「ヤコブ物語」に見るファジィ測度について Puboo 2019年
論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”のバラツキについて 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の相関関係について 2019年
●論文題目 ハインリッヒ・ベルの “Wanderer, kommst du nach Spa…”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてハインリッヒ・ベルの“Wanderer, kommst du nach Spa…”を考える 2019年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)で執筆脳を考える−実母のうつ病 ファンブログ 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”のバラツキについて 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の相関関係について 2020年
●論文題目 ペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”の多変量解析-クラスタ分析と主成分 2020年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてペーター・ハントケの“Wunschloses Unglück”を考える 2020年
●論文題目 ハントケの“Wunschloses Unglück”から三角関数の応用を考える 2020年
●論文題目 今後のAIの活用について−自然言語処理技術を文学分析に応用する Gaccoのレポート 2020年
●論文題目 Anfangen、beginnen、aufhörenにおける様相因子の動きから生まれる文の曖昧性−モンタギュー文法による形式意味論からの考察 ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドイツ語の話法の助動詞をモンタギュー文法から考える 2022年
●論文題目 モンタギュー文法の意味公準について考える−階層的な様相表現を中心にして 2022年
●論文題目 モンタギュー文法からGPSGへーイディオムの構成性をめぐるモデル理論の修正 2022年
●論文題目 イディオムーMGからGPSGそしてHPSGへ 2022年
●著書名 計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る V2ソリューション 2022年
◎文学系
●翻訳書名 Johan Wolfgang von Götheの“Italienische Reise”(イタリア紀行)(共訳、監修)2010年 バベル出版
●論文題目 エリアス・カネッティの “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)で執筆脳を考える ファンブログ 2019年
●論文題目 フランツ・カフカの“Die Verwandlung”(変身)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ヘルマン・ヘッセの”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Der Tyrann”(専制君主)で執筆脳を考える ファンブログ 2020年
●論文題目 ハインリッヒ・ マンの”Die Branzilla”(ブランツィッラ)の執筆脳について ファンブログ 2020年
●論文題目 ゴットフリート・ベンの”Gehirn”(脳)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 シュテファン・ツヴァイクの”Angst”(不安)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 ギュンター・グラスの”Katz und Maus”(猫と鼠)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 ゲアハルト・ハオプトマンの”Der Schuß im Park”(公園での発砲)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 パオル・ハイゼの”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)で執筆脳を考える 2023年
●データベース トーマス・マン “Der Zauberberg”(魔の山)、ハインリッヒ・ベル “Wanderer, kommst du nach Spa…”(旅人よ、汝スパ…にいたりなば)、エリアス・カネッティ “Die Stimmen von Marrakesch”(マラケシュの声)、ペーター・ハントケ “Wunschloses Unglück”(幸せではないが、もういい)、フランツ・カフカ “Die Verwandlung”(変身)、ヘルマン・ヘッセ”Schön ist die Jugend”(青春は美わし)、ハインリッヒ・ マン”Der Tyrann”(専制君主)、”Die Branzilla”(ブランツィッラ)、ゴットフリート・ベン”Gehirn”(脳)、シュテファン・ツヴァイク”Angst”(不安)、ギュンター・グラス”Katz und Maus”(猫と鼠)、ゲアハルト・ハオプトマン”Der Schuß im Park”(公園での発砲)、パオル・ハイゼ”Unvergeßbare Worte”(忘られぬ言葉)
【英語】【フランス語】【スペイン語】
●論文訳 Linguistics of Sapir and the world of “The True Story of Ah Q” – Luxun and chaos, 2015
●論文訳 Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary”-Consideration from cognitive linguistics, 2015
●エイブス・メディカル翻訳講座英和上級修了 2016年2月(同講座初級修了 2015年9月、同講座入門修了 2014年5月)
●論文訳 Study to make a database of “Sansho the Bailiff of Ogai Mori”, July 2018
●論文訳 To make a database of Jingoro Sahashi of Ogai Mori and its deviation, July 2018
●論文訳 How to make a synergic metaphor, January ブログ シナジーのメタファー 2018
●論文題目 “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)から見たゴーディマの意欲について−脳の前頭葉・前頭前野の活動を中心に 2018年
●論文訳 About motivation of Nadine Gordimer viewed from “The Late Bourgeois World”, ブログ シナジーのメタファー 2018年
●著書名 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲−適応障害 華東理工大学出版社 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”のバラツキについて ファンブログ 2018年
●論文題目 ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”の相関関係について ファンブログ 2018年
●論文題目 シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること-ナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World” ファンブログ 2019年
●論文訳 Synergic metaphor viewed from “Snow Country” of Yasunari Kawabata – from “Nothingness and Creation” to “object achievement type cognitive, ブログ シナジーのメタファー 2019
●論文題目 ナディン・ゴーディマの “The Late Bourgeois World” の多変量解析−クラスタ分析と主成分 2019年
●論文題目 心理学統計の検定を用いてナディン・ゴーディマの“The Late Bourgeois World”を考える 2019年
●論文題目 ジョン・マックスウェル・クッツェーの “Age of Iron”(鉄の時代)で執筆脳を考える ブログ シナジーのメタファー 2020年
●論文題目 ドリス・レッシングの “Hunger”(飢え)で執筆脳を考える 2021年
●論文題目 アルベール・カミュの “L'Étranger”(異邦人)で執筆脳を考える−不安障害 2021年
●論文題目 パトリック・モディアノの “Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)で執筆脳を考える 2021年
●論文訳 Research on a synergic metaphor of “Frog” by Mo Yan, ブログ シナジーのメタファー 2022
●論文題目 ガルシア・マルケスの “Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 バルガス・リョサの “El abuelo”(祖父)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 パール・バックの “The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)で執筆脳を考える−発達障害 2022年
●論文題目 アリス・マンローの “Tell me Yes or No”(はっきりいってよ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アーネスト・ヘミングウェイ “The old man and the sea”(老人と海)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 ジャン・ポール・サルトルの “La Nausée”(嘔吐)で執筆脳を考える−吐き気 2022年
●論文題目 ル・クレジオの “Pawana”(パワナ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 クロード・シモンの “Le tramway”(路面電車)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アルフォンソ・ドーデの “ La Dernière Classe”(最後の授業)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アナトール・フランスの “Crainquebille”(クランクビーユ)で執筆脳を考える 2022年
●論文題目 アブドゥルザラク・グルナの“Departure of memory”(出発の記憶)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 レイナルド・アレナスの“Antes que anochezca”(夜になる前に)で執筆脳を考える−エイズ 2023年
●論文題目 フランソア・モーリャックの“Génitrix”(母:ジェニトリックス)で執筆脳を考える−軽度認知症 2023年
●論文題目 アニー・エルノーの“L'occupacion”(嫉妬)で執筆脳を考える−意識障害 2023年
●論文題目 パトリック・ホワイトの“The Hanging Garden”(空中庭園)で執筆脳を考える 2023年
●論文題目 アンドレ・ジイドの“La symphonie pastrale”(田園交響曲)で執筆脳を考える 2024年
●論文題目 トニ・モリソンの“The bluest eye”(青い目が欲しい)で執筆脳を考える 2024年
●データベース ナディン・ゴーディマ “The Late Bourgeois World”(ブルジョワ世界の終わりに)、ジョン・マックスウェル・クッツェー“Age of Iron”(鉄の時代)、ドリス・レッシング“Hunger”(飢え)、パール・バック“The child who never grew”(母よ嘆くなかれ)、アリス・マンロー“Tell me Yes or No”(はっきりいてよ)、アーネスト・ヘミングウェイ“The old man and the sea”(老人と海)、アブドゥルザラク・グルナの“ Departure of memory”(出発の記憶)、パトリック・ホワイト“The Hanging Garden”( 空中庭園)、トニ・モリソン“The bluest eye”(青い目が欲しい)、ガルシア・マルケス“Amargura para tres sonámnulos”(三人の夢遊病者の苦しみ)、バルガス・リョサ“El abuelo”(祖父)、レイナルド・アレナス“Antes que anochezca”(夜になる前に)、アルベール・カミュ“L'Étranger”(異邦人)、パトリック・モディアノ“Fleurs de ruine”(廃墟に咲く花)、ジャン・ポール・サルトル“La Nausée”(嘔吐)、ル・クレジオ“Pawana”(パワナ)、クロード・シモン“Le tramway”(路面電車)、アルフォンソ・ドーデ“ La Dernière Classe”(最後の授業)、アナトール・フランス“Crainquebille”(クランクビーユ)、フランソア・モーリャック“Génitrix”(母:ジェニトリックス)、アニー・エルノー“L'occupacion”(嫉妬)、アンドレ・ジイド“La symphonie pastrale”(田園交響曲)
【比較言語・比較文学】
●論文題目 魯迅から鴎外へ−比較文学からの考察(レポート)北京外国語大学「日本研究の新展開」国際シンポジウ 2012年
●論文題目 20世紀前半に見る東西の危機感−魯迅、鴎外、トーマス・マン 延辺大学中日朝韓言語文化比較研究国際シンポジウム 2014年
●論文題目 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖(病跡学)中国日語教学研究会上海分会論文集 2018年
●論文題目 ことばの呼応とその運用を比較する−英語、ドイツ語、日本語、中国語を中心に ブログ シナジーのメタファー2018年
●論文題目 日本語から見た東アジアと欧米諸語の比較−言語類型論における普遍性を中心に ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会学の観点から文学をマクロに考える−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020年
●論文題目 観察社会学の観点から文学をマクロに考える−自然や文化の観察者としての作家について 2020年
●論文題目 医療社会学の観点から文学をマクロに考える−データ分析者としての作家の役割について 2021年
●論文題目 家族社会学の観点から文学をマクロに考える−小説から社会と家族の関連性を考える 2021年
●論文題目 数理社会学の観点から文学をマクロに考える−不満がもたらす問題をランダムに比較する 2021年
●論文題目 文化社会学の観点から文学をマクロに考える−都市と地域の時空の現象 2021年
●論文題目 環境社会学の観点から文学をマクロに考える−四大公害病を中心に 2021年
●論文題目 福祉社会学の観点から文学をマクロに考える−ケア、看取り、貧窮を中心に 2021年
●論文題目 スポーツ社会学の観点から文学をマクロに考える−陸上を中心に 2022年
●論文題目 時間の比較社会学の観点から文学をマクロに考える−南部アフリカを中心に 2022年
●論文題目 老年社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 子ども社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 教育社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 法社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 農村社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 都市社会学の観点からマクロに文学を考える 2023年
●論文題目 終活の社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 宗教社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 看護社会学の観点から文学をマクロに考える 2023年
●論文題目 災害社会学の観点から文学をマクロに考える 2024年
【社会・システム】
●論文題目 「日本経済入門」の講義とその応用例(レポート) ファンブログ 2018年
●論文題目 リスク社会論からトップダウンで作家の執筆脳を考える−中島敦の「山月記」を交えて 2019年
●埼玉西部消防組合 甲種防火管理新規講習修了 2019年5月
●日本学術振興会 研究倫理 eラーニング 「事例で「学ぶ/考える」研究倫理 誠実な科学者の心得」修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門 倫理審査委員会向けの倫理研修 eラーニング修了 2019年8月
●JTEX 知的財産権入門講座修了 2019年12月
●Fisdom修了講座 10進法を2進法に変換、暗号化、パリティチェック、情報リテラシー Office2016、統計学入門、Python入門、学校における無線ネットワークの作り方、安全学入門、インターネットセキュリティ、情報法 2019年12月
●INPIT 工業所有権研修・情報館 eラーニング 20講座受講済 2020年5月
●日本能力開発推進協会 マインドフルネススペシャリスト検定試験合格 2020年10月、上級心理カウンセラー検定試験合格2021年7月、行動心理士検定試験合格 2023年1月
●特許庁 「シナジーのメタファ―」の商標登録許可 2021年3月
●Gacco修了講座 セキュリティ・プライバシ・法令、公衆無線LANセキュリティ対策、SDGs(持続可能な開発目標)入門 、Memento Moriー死を想う、大学生のためのデータサイエンス、社会人のためのデータサイエンス 、多変量データ解析法 、統計学−データ分析の基礎、誰でも使えるオープンデータ、進化発生学入門、心理学スパイラルアップ、推論・知識処理・自然言語処理、クラウド基盤構築演習、アーキテクチャ・品質エンジニアリング、スマートIoTシステム・ビジネス入門、IoTとシステムズアプローチ、クラウドサービス・分散システム、センサ、機械学習、深層学習、社会の中のAI、ビジネスフィールドでのAI・データ活用スキル 2024年9月現在
【バイオ・メディカル】
●日本成人病予防協会(JAPA)健康管理士一般指導員認定 2015年3月、健康管理能力検定1級取得 2015年3月、健康管理士一般指導員ゴールド認定 2017年4月、食育セミナー「身体を強める食動学」参加 2017年10月、ステップアップ講座(横浜)参加 2017年12月、健康管理士上級指導員認定 2020年3月、健康管理士統括指導員認定 2023年10月
●予防医学・代替医療振興協会修了講座 予防医学指導士 2015年12月、代替医療カウンセラー 2016年4月、認知症ケアカウンセラー 2016年12月
●フードデリバリー 熱中症対策アドバイザー認定 2018年7月
●ソラスト修了講座 医師事務作業補助者(ドクターズオフィスワークアシスト)養成講座 2018年10月、医療事務講座クリニックコース(2019年3月)
●技能認定振興協会(JSMA)医師事務作業補助者検定試験合格 2019年4月
●日本癌治療学会 Cancer eラーニング 104講座修了 受講証明書有 2019年8月
●日本人間ドック学会 遺伝学的検査検討委員会 eラーニング修了 2019年8月
●日本医療ガス学会 医療ガス安全管理研修 eラーニング修了 2019年8月
●ICR臨床研究入門修了講座 臨床研究の基礎知識講座、臨床研究のデータベースマネージメント入門、再生医療研究のインフォームド・コンセント、事例から学ぶ研究倫理 2019年8月
●JTEX 製薬・医薬品の基礎講座修了 2019年10月
●東京女子医科大学 教育・学習支援プログラム 100講座修了 2020年2月
●動脈硬化予防啓発セミナー eラーニング 55講座修了 2020年5月
●Gacco修了講座 がんゲノム医療オンライン講座2020(ノート作成済)2021年3月
●日本糖尿病学会 リアルタイムCGM研修 eラーニング修了 2021年4月
●日本臨床腫瘍学会 市民公開講座「正しく知ろう!がん免疫療法とがんゲノム医療」受講済 2021年4月、がんゲノムネット eラーニング 受講済 2021年5月
●厚生労働省 Peace 緩和ケア研修 eラーニング修了、IHEAT 新型コロナウイルス感染症等に対する人材育成eラーニング 受講済 2021年5月
●MPラーニング(薬学) 50講座修了 2022年2月
●医療情報処理学会医療情報技師育成部会 eラーニング 受講講座 医療情報基礎用語集、個人情報の保護法、医療統計セミナーB、 医療情報学研究の最前線と医療現場を繋ぐ 2024年9月現在
【所属研究会】
●日本成人病予防協会
https://fanblogs.jp/macroresearch/履歴書
【連絡先】
電話 04-2921-1820、メール hanamura36@gmail.com
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 12
3.2 Hippocampal model
Hippocampus known as the brain area of memory lies behind cerebral cortex called the temporal lobe and it is one by one placed right and left. The diameter is about 1 cm and the length is 10 cm and it is cucumber-shaped.
Hippocampus is the tract of neurons and the cross section has a nerve like character S and the cells are packed closely together in it. The nerve of character S is divided in half. Upper ⊂ is called cornu ammonis and lower ⊃ is called dentate gyrus. The cells of cornu ammonis are triangular pyramidal cells and the cells of dentate gyrus are round and small granular cells. Cornu ammonis is divided into four parts (CA1, CA2, CA3 and CA4).
The key parts of them are CA1 and CA3. They develop a network connected by nerve fibers with dentate gyrus. The information of hippocampus is transmitted from dentate gyrus to CA1 through CA3 in order and then the information of the five senses each is delivered to the temporal lobe of the cerebral cortex. However some perforant path leads to CA3 and some passes it to lead to CA1 straight away.
Ah Q pulled around the town before shooting death saw cheering crowd from a cart. At a certain moment, he remembered the hungry wolf which he met at the base of a mountain four years ago. The mind of cheering crowd was in a state of disorder like “ma-ma-hu-hu” and therefore it could be seen as an unpredictable behavior (non-linearity).
The input information that the optic nerve of the cart driver and Ah Q received was almost the same at the start. But Ah Q remembered the hungry wolf after a short time. That means the two outputs are very different at the time (indeterminism).
Such features of chaos are also connected to memory. For example the eyes of the wolf don’t approach Ah Q and don’t even get away from him while they chase him as a criminal. That’s episodic memory and a justification to see the unconscious idea (called “ma-ma-hu-hu” placed in Ah Q and the people around him) as a chaotic world found by recognizing the presence of continuous objects.
4 Conclusion
I considered how to create a synergic metaphor based on “The True Story of Ah Q” by Lu Xun. As to the difference in the way of thinking between Chinese and Japanese, I referred to Sapir’s linguistics. I also focused on the conscious and the unconscious through Jung’s psychology, which had an impact on Sapir. I associated them with Ah Q’s behavior to seek the relation between synchronization and asynchronization and connected it with chaos theory. Furthermore I linked the chaotic connection to a model of the brain to discuss the question of memory. I hope to inspire people who are interested in synergy to study a synergic metaphor.
[Reference]
Yoshihisa Hanamura: An Introduction of Calculational Literature - Thomas Mann’s irony and fuzzy theory (in German and Japanese), Shinpusha, 2005.
Yoshihisa Hanamura: “Languange” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun (in Japanese), my research paper in this book.
Edward Sapir: Languange, An Introduction to the Study of Speech, Foreign Language Teaching and Research Press, 2002.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Hippocampus known as the brain area of memory lies behind cerebral cortex called the temporal lobe and it is one by one placed right and left. The diameter is about 1 cm and the length is 10 cm and it is cucumber-shaped.
Hippocampus is the tract of neurons and the cross section has a nerve like character S and the cells are packed closely together in it. The nerve of character S is divided in half. Upper ⊂ is called cornu ammonis and lower ⊃ is called dentate gyrus. The cells of cornu ammonis are triangular pyramidal cells and the cells of dentate gyrus are round and small granular cells. Cornu ammonis is divided into four parts (CA1, CA2, CA3 and CA4).
The key parts of them are CA1 and CA3. They develop a network connected by nerve fibers with dentate gyrus. The information of hippocampus is transmitted from dentate gyrus to CA1 through CA3 in order and then the information of the five senses each is delivered to the temporal lobe of the cerebral cortex. However some perforant path leads to CA3 and some passes it to lead to CA1 straight away.
Ah Q pulled around the town before shooting death saw cheering crowd from a cart. At a certain moment, he remembered the hungry wolf which he met at the base of a mountain four years ago. The mind of cheering crowd was in a state of disorder like “ma-ma-hu-hu” and therefore it could be seen as an unpredictable behavior (non-linearity).
The input information that the optic nerve of the cart driver and Ah Q received was almost the same at the start. But Ah Q remembered the hungry wolf after a short time. That means the two outputs are very different at the time (indeterminism).
Such features of chaos are also connected to memory. For example the eyes of the wolf don’t approach Ah Q and don’t even get away from him while they chase him as a criminal. That’s episodic memory and a justification to see the unconscious idea (called “ma-ma-hu-hu” placed in Ah Q and the people around him) as a chaotic world found by recognizing the presence of continuous objects.
4 Conclusion
I considered how to create a synergic metaphor based on “The True Story of Ah Q” by Lu Xun. As to the difference in the way of thinking between Chinese and Japanese, I referred to Sapir’s linguistics. I also focused on the conscious and the unconscious through Jung’s psychology, which had an impact on Sapir. I associated them with Ah Q’s behavior to seek the relation between synchronization and asynchronization and connected it with chaos theory. Furthermore I linked the chaotic connection to a model of the brain to discuss the question of memory. I hope to inspire people who are interested in synergy to study a synergic metaphor.
[Reference]
Yoshihisa Hanamura: An Introduction of Calculational Literature - Thomas Mann’s irony and fuzzy theory (in German and Japanese), Shinpusha, 2005.
Yoshihisa Hanamura: “Languange” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun (in Japanese), my research paper in this book.
Edward Sapir: Languange, An Introduction to the Study of Speech, Foreign Language Teaching and Research Press, 2002.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 11
3 Chaos theory and memory
3.1 A mode of the brain
Dynamic memory has been advanced for the brain activity. For example long-term memory is divided into declarative memory by head and non-declarative memory by body. Declarative memory is divided into episodic memory and semantic memory. Episodic memory is associated with events behind individual experiences including future and semantic memory is associated with general knowledge.
Furthermore procedural memory of non-declarative memory is associated with riding a bicycle and typing. The linking of episodic memory to chaos theory is very famous as a formula of dynamic memory.
There is a classification of memory that adds priming memory to long-term memory. As to priming memory, the preceding information has an influence on the subsequent information. But it may be also a source of confusion because memory is patterned by the unconscious.
Episodic memory and short-term memory are inside the individual conscious and semantic memory, priming memory and procedural memory are implicit memory without the individual memory. But episodic memory and semantic memory can intersect with each other by time and experience.
Memory→Short term memory→Working memory
Memory→Long term memory→Declarative memory→Episodic memory OR Semantic memory
Memory→Long term memory→Non-declarative memory→Priming memory OR Procedural memory
Memory is said to be hierarchized. The bottom layer is procedural memory and then priming memory, semantic memory, short-term memory and episodic memory are arranged in ascending order.
Episodic memory→Short-term memory→Semantic memory→Priming memory→Procedural memory
The hierarchy is associated with the process of the evolution of organisms. The more basic animal has a superior sense of low-level memory and the more civilized creature has a superior of high-level memory. Such is the case with personal growth. As children grow up, procedural memory develops primarily and then the other memories develop in ascending order.
For example the atmosphere called childhood amnesia that has no memory at the age of three has delayed development of episodic memory. One has a superior sense of semantic memory before age 10 and then episodic memory gets an advantage. Conversely, the older one grows the more one gets forgetful because episodic memory declines (for example, senile dementia).
However, the mechanism of memory is different because memory has a hierarchy. For example the patients of anterograde amnesia can’t remember any new thing. As the result of clinical experiment, episodic memory and semantic memory is said to be closely related to the hippocampus above the mechanism of memory. The hippocampus integrates the information of the five senses and accumulates the memory of experiences (episodic memory). Memory remains in the hippocampus about a month and then moves to temporal lobe to be stored.
Short-term memory and priming memory are accumulated in cerebral cortex and procedural memory is accumulated in corpus striatum and cerebellum.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
3.1 A mode of the brain
Dynamic memory has been advanced for the brain activity. For example long-term memory is divided into declarative memory by head and non-declarative memory by body. Declarative memory is divided into episodic memory and semantic memory. Episodic memory is associated with events behind individual experiences including future and semantic memory is associated with general knowledge.
Furthermore procedural memory of non-declarative memory is associated with riding a bicycle and typing. The linking of episodic memory to chaos theory is very famous as a formula of dynamic memory.
There is a classification of memory that adds priming memory to long-term memory. As to priming memory, the preceding information has an influence on the subsequent information. But it may be also a source of confusion because memory is patterned by the unconscious.
Episodic memory and short-term memory are inside the individual conscious and semantic memory, priming memory and procedural memory are implicit memory without the individual memory. But episodic memory and semantic memory can intersect with each other by time and experience.
Memory→Short term memory→Working memory
Memory→Long term memory→Declarative memory→Episodic memory OR Semantic memory
Memory→Long term memory→Non-declarative memory→Priming memory OR Procedural memory
Memory is said to be hierarchized. The bottom layer is procedural memory and then priming memory, semantic memory, short-term memory and episodic memory are arranged in ascending order.
Episodic memory→Short-term memory→Semantic memory→Priming memory→Procedural memory
The hierarchy is associated with the process of the evolution of organisms. The more basic animal has a superior sense of low-level memory and the more civilized creature has a superior of high-level memory. Such is the case with personal growth. As children grow up, procedural memory develops primarily and then the other memories develop in ascending order.
For example the atmosphere called childhood amnesia that has no memory at the age of three has delayed development of episodic memory. One has a superior sense of semantic memory before age 10 and then episodic memory gets an advantage. Conversely, the older one grows the more one gets forgetful because episodic memory declines (for example, senile dementia).
However, the mechanism of memory is different because memory has a hierarchy. For example the patients of anterograde amnesia can’t remember any new thing. As the result of clinical experiment, episodic memory and semantic memory is said to be closely related to the hippocampus above the mechanism of memory. The hippocampus integrates the information of the five senses and accumulates the memory of experiences (episodic memory). Memory remains in the hippocampus about a month and then moves to temporal lobe to be stored.
Short-term memory and priming memory are accumulated in cerebral cortex and procedural memory is accumulated in corpus striatum and cerebellum.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 10
2.2 Synchronization and asynchronization
What’s remarkable about the behavior of Ah Q in the comparison table is synchronous and asynchronous. I will consider it based on the synchronous and asynchronous relation. When I refer to a dictionary, there are the following meanings.
1 To link the running of a machine temporally or to synchronize it. For example to synchronize the flash with the shutter. (Dictionary of IT terms)
2 A cycle of two or more periodic motions is coincident. Or it is the definite ratio of integers. (ditto)
3 When one handles programs, synchronization waits for the result after processing, and then it runs the next processing. Asynchronization doesn’t wait for the result after processing and it runs the next processing. (ditto)
I will define the meaning of synchronization as 1. For example when one recognizes a ping-pong ball, first he needs to recognize the continuous object. The group of neurons receives the input information from the area of a ping-pong ball and the other space, and each field is the synchronous and asynchronous relation. When a ping-pong ball moves, the synchronous point always changes. Therefore synchronization and asynchronization have to be dealt with promptly. Chaos theory makes it easy.
In view of the example of (22), the neurons of Ah Q receive information from the eyes of Weizhuang villager and the other space and each of them gets into the relationship between synchronization and asynchronization. The eyes of the villager move further and further and therefore the synchronizing point always changes.
(40) is the problem of episodic memory. Episodic memory is one of long-term memories and has experiences. In case of (37), the neurons of Ah Q receive the input information from the space and the eyes of people who came to look at Ah Q pulled around the city and each of them gets into the relationship between synchronization and asynchronization as well as (22). When Ah Q moves on a cart, the synchronizing point always changes. Therefore synchronization and asynchronization should be dealt with promptly.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
What’s remarkable about the behavior of Ah Q in the comparison table is synchronous and asynchronous. I will consider it based on the synchronous and asynchronous relation. When I refer to a dictionary, there are the following meanings.
1 To link the running of a machine temporally or to synchronize it. For example to synchronize the flash with the shutter. (Dictionary of IT terms)
2 A cycle of two or more periodic motions is coincident. Or it is the definite ratio of integers. (ditto)
3 When one handles programs, synchronization waits for the result after processing, and then it runs the next processing. Asynchronization doesn’t wait for the result after processing and it runs the next processing. (ditto)
I will define the meaning of synchronization as 1. For example when one recognizes a ping-pong ball, first he needs to recognize the continuous object. The group of neurons receives the input information from the area of a ping-pong ball and the other space, and each field is the synchronous and asynchronous relation. When a ping-pong ball moves, the synchronous point always changes. Therefore synchronization and asynchronization have to be dealt with promptly. Chaos theory makes it easy.
In view of the example of (22), the neurons of Ah Q receive information from the eyes of Weizhuang villager and the other space and each of them gets into the relationship between synchronization and asynchronization. The eyes of the villager move further and further and therefore the synchronizing point always changes.
(40) is the problem of episodic memory. Episodic memory is one of long-term memories and has experiences. In case of (37), the neurons of Ah Q receive the input information from the space and the eyes of people who came to look at Ah Q pulled around the city and each of them gets into the relationship between synchronization and asynchronization as well as (22). When Ah Q moves on a cart, the synchronizing point always changes. Therefore synchronization and asynchronization should be dealt with promptly.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 9
In general, literary works reflect the times and society. The created social life has its own unique attractiveness through the feature and feeling of an author. The idea of an author is described by giving shape to the characters and it gives the artistic inspiration to readers. I will show Ah Q to be very spirit and image of Lu Xun and consider the appearance of “ma-ma-hu-hu” in the novel. In particular, the object of input and output is the relation between the information of Ah Q and the conscious and or the unconscious.
First, I will try to put together the linguistic features of “The True Story of Ah Q”. 1 colloquial style, 2 correctness, freshness and vividness, 3 high-level individualization of characters, 4 humor, calumnies, euphemism and irony.
Linguistic feature 1
When Mao Tse-tung discussed “The True Story of Ah Q”, he particularly appreciated the popularization and the colloquial style.
Linguistic feature 2
Lu Xun uses adjectives such as stern, ashamed, solemn, scared and brave and describes the expression of people correctly and vividly.
Linguistic feature 3
Ah Q predates a son of the governor Zhao by three generations. He is a day laborer living in Jizodo of Miso village. He worries about being balding. His pigtail is brown. Alcohol and cigarette are his articles taste. His self-respect is strong.
Winning formula of Ah Q: he says later what is on his mind. He interprets everything to his own advantage. His last resort is to forget. Temperamental person. In times of gambling, his voice is the loudest.
Ah Q went downtown to earn money and came home. That time, he described the scene to the people of Miso village. But, it turns out that he was only a thief to lend a hand to the robbers in town.
Linguistic feature 4
While the author describes the nonchalant behavior of Ah Q, he will make the hero independent. A full of passion is hidden behind the satire of Lu Xun.
Ah Q is strict in discipline of man and woman and he is essentially a serious person. He maintains that men are accountable for the fate of a country.
Next, let’s look at Ah Q’s behavior called “ma-ma-hu-hu” by means of the five senses, memory and the conscious and or the unconscious. Chinese of a comparison table (please see the article written in Japanese.) is not contemporary writings, but it is the colloquial style which Lu Xun used at the moment of writing. I will consider the reasoning of Lu Xun from there.
Furthermore there are several steps concerning data processing. As to Ah Q, the analysis image is a combination of “memory and ma-ma-hu-hu”. To adjust it with the generative image of “memory and chaos”, I will repeat the analysis and generation of L-model in working units of scene.
For example the scene (3), (4) and (8) also explains the mental winning method of Ah Q. Commonly if one is severely beaten to run up against a wall, anybody thinks poorly of it. As the neurons of Ah Q are the input information, if the output means a mental victory, his winning method moves in closer to chaos theory. The scene (21) of a comparison table demands to modify the mind more often than the body to give aid to Chinese real society at the time.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
First, I will try to put together the linguistic features of “The True Story of Ah Q”. 1 colloquial style, 2 correctness, freshness and vividness, 3 high-level individualization of characters, 4 humor, calumnies, euphemism and irony.
Linguistic feature 1
When Mao Tse-tung discussed “The True Story of Ah Q”, he particularly appreciated the popularization and the colloquial style.
Linguistic feature 2
Lu Xun uses adjectives such as stern, ashamed, solemn, scared and brave and describes the expression of people correctly and vividly.
Linguistic feature 3
Ah Q predates a son of the governor Zhao by three generations. He is a day laborer living in Jizodo of Miso village. He worries about being balding. His pigtail is brown. Alcohol and cigarette are his articles taste. His self-respect is strong.
Winning formula of Ah Q: he says later what is on his mind. He interprets everything to his own advantage. His last resort is to forget. Temperamental person. In times of gambling, his voice is the loudest.
Ah Q went downtown to earn money and came home. That time, he described the scene to the people of Miso village. But, it turns out that he was only a thief to lend a hand to the robbers in town.
Linguistic feature 4
While the author describes the nonchalant behavior of Ah Q, he will make the hero independent. A full of passion is hidden behind the satire of Lu Xun.
Ah Q is strict in discipline of man and woman and he is essentially a serious person. He maintains that men are accountable for the fate of a country.
Next, let’s look at Ah Q’s behavior called “ma-ma-hu-hu” by means of the five senses, memory and the conscious and or the unconscious. Chinese of a comparison table (please see the article written in Japanese.) is not contemporary writings, but it is the colloquial style which Lu Xun used at the moment of writing. I will consider the reasoning of Lu Xun from there.
Furthermore there are several steps concerning data processing. As to Ah Q, the analysis image is a combination of “memory and ma-ma-hu-hu”. To adjust it with the generative image of “memory and chaos”, I will repeat the analysis and generation of L-model in working units of scene.
For example the scene (3), (4) and (8) also explains the mental winning method of Ah Q. Commonly if one is severely beaten to run up against a wall, anybody thinks poorly of it. As the neurons of Ah Q are the input information, if the output means a mental victory, his winning method moves in closer to chaos theory. The scene (21) of a comparison table demands to modify the mind more often than the body to give aid to Chinese real society at the time.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 8
2 Lu Xun and chaos theory
2.1 The world of “The True Story of Ah Q”
Lu Xun (1881-1936) is the father of Chinese modern literature. He was the paradox that lived through the period of the Chinese revolution (1911). Therefore he broke with old tradition and required the awareness at that particular time to temporalize himself in present, past and future day.
His style is calm and unhurried and he mostly wrote short stories and essays. He read through European literature and thought and Japanese literature such as Soseki Natsume (1867-1916) and Ogai Mori (1862-1922). He studied medicine at Sendai medical school in 1904. His first book “A Madman’s Diary” (1918) was colloquially written for the first time in the history of Chinese modern literature.
Old China in the final days of the Qing Dynasties was invaded by imperialistic great-power countries and became a semi-feudalistic society. Therefore the evil spirit called “ma-ma-hu-hu” (human irresponsibility including a fraud) existed in the popular mind unconsciously. Lu Xun disliked the mental illness of “ma-ma-hu-hu” which afflicted Chinese people at the time and he disagreed directly with it.
He characterized Chinese society as cannibalistic and dedicated himself to reforming the spirit rather than the body to help Chinese people at the time. At the same time, he criticized Confucianism strongly. The teaching of Confucius (load-vassal, father-son, bond of marriage, benevolence, integrity, courtesy, knowledge and belief) made the deceptive governing class and it became an instrument of Chinese hierarchy.
The May Fourth Movement provides the setting for the times. The interests of the old German leased territory in Shandong province was inherited by Japan through the Paris Peace Treaty of World War 1 on May 4th in 1919. In response, the students of Beijing University repeated the violent anti-Japan demonstrations at Tiananmen Square.
The May Fourth Movement also influenced the birth of the Chinese Communist Party in 1921 and therefore it had an enormous influence on politics and culture. Lu Xun stood at the forefront of a new culture movement with his brother Zhou Zuoren and criticized the half measures of the Chinese Revolution and maintained his position of anti-imperialism and anti-feudalism staunchly. Furthermore Lu Xun assimilated himself into the hero of “The True Story of Ah Q” and called himself and the people around him a person who applauded a shot down criminal narcissistically.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
2.1 The world of “The True Story of Ah Q”
Lu Xun (1881-1936) is the father of Chinese modern literature. He was the paradox that lived through the period of the Chinese revolution (1911). Therefore he broke with old tradition and required the awareness at that particular time to temporalize himself in present, past and future day.
His style is calm and unhurried and he mostly wrote short stories and essays. He read through European literature and thought and Japanese literature such as Soseki Natsume (1867-1916) and Ogai Mori (1862-1922). He studied medicine at Sendai medical school in 1904. His first book “A Madman’s Diary” (1918) was colloquially written for the first time in the history of Chinese modern literature.
Old China in the final days of the Qing Dynasties was invaded by imperialistic great-power countries and became a semi-feudalistic society. Therefore the evil spirit called “ma-ma-hu-hu” (human irresponsibility including a fraud) existed in the popular mind unconsciously. Lu Xun disliked the mental illness of “ma-ma-hu-hu” which afflicted Chinese people at the time and he disagreed directly with it.
He characterized Chinese society as cannibalistic and dedicated himself to reforming the spirit rather than the body to help Chinese people at the time. At the same time, he criticized Confucianism strongly. The teaching of Confucius (load-vassal, father-son, bond of marriage, benevolence, integrity, courtesy, knowledge and belief) made the deceptive governing class and it became an instrument of Chinese hierarchy.
The May Fourth Movement provides the setting for the times. The interests of the old German leased territory in Shandong province was inherited by Japan through the Paris Peace Treaty of World War 1 on May 4th in 1919. In response, the students of Beijing University repeated the violent anti-Japan demonstrations at Tiananmen Square.
The May Fourth Movement also influenced the birth of the Chinese Communist Party in 1921 and therefore it had an enormous influence on politics and culture. Lu Xun stood at the forefront of a new culture movement with his brother Zhou Zuoren and criticized the half measures of the Chinese Revolution and maintained his position of anti-imperialism and anti-feudalism staunchly. Furthermore Lu Xun assimilated himself into the hero of “The True Story of Ah Q” and called himself and the people around him a person who applauded a shot down criminal narcissistically.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 7
1.4 Effect of Jung
Sapir drew influence from Jung. Carl Jung (1875-1961) considered the individual unconscious such as oblivion or repression while he advocated the universal collective unconscious to transcend an individual. For example the unconscious idea was important for Sapir as seen in the argument of the pattern of unconscious behavior.
His drift of language means that a society of language unconsciously selects a direction. This is the idea of collective unconscious and cultural activities are unconsciously patterned in a society. Sapir’s language typology has an influence not only on the metaphor of society and culture but also on cultural anthropology.
Jung’s psychology will restore whole personality by correlating an image in us with the conscious. At that time, the alchemy played a part. It is the chemical technology that began in Egypt and was prevalent in Europe to turn noble non-metals such as iron into metals such as gold and silver. It was also used as the technology to fill out an elixir of life.
Furthermore Jung revaluated the significance of modern alchemy including the meaning of religion and mental psychology from a perspective of the unconscious and engaged in reading of “The secrets of the Golden Flower” in Chinese.
It is also noted that episodic memory is evoked through an unconscious state. The stimulus that evokes the past is certainly similar to the unconscious and may be associated with the deep psyche. But, episodic memory could be evoked through an entirely unrelated stimulus. It is associated with the unconscious.
Jung’s psychology grabs human hearts through the process “order” – “disorder” – “higher order”. The ego has a steady order and therefore the conscious arises there and it is surrounded by the chaotic unconscious, and finally they are integrated and the higher order self arises.
To lightly state, the conscious has the self-governing act of mind and it acknowledges the nature of a situation or a problem by itself. Meanwhile the unconscious is usually the area of the non-conscious mind. In fact the unconscious act isn’t limited only to the instinctive and reflexive process of cerebral cortex center, but it also goes beyond the conscious and could predict the future conscious process with the support of many symbols. Furthermore the unconscious is also seen in priming memory of the classification of memory.
Depending on the linguistic information related to the behavior of Ah Q who Lu Xun placed himself in, I will make a synergic metaphor called “Lu Xun and Chaos” in the next chapter. For example the unconscious behavior of Weizhuang villager is evidence for the language drift advocated by Sapir.
“Mahu” that flourished in China at the time became the ideas of collective unconscious and it was unconsciously patterned in the society. The behavior of Ah Q related to “ma-ma-hu-hu” could also call the revolution which was extremely different from Weizhuang villager.
I will say something about chaos theory. In general, chaos theory consists of the non-linearity which makes prediction difficult because the behavior is disorderly and indeterminate, so that output is extremely varied with only differences in input. The latter is also known as the initial value sensitivity called butterfly effect. Chaotic phenomena are seen in conditions of the weather, the flow of water and stocks.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Sapir drew influence from Jung. Carl Jung (1875-1961) considered the individual unconscious such as oblivion or repression while he advocated the universal collective unconscious to transcend an individual. For example the unconscious idea was important for Sapir as seen in the argument of the pattern of unconscious behavior.
His drift of language means that a society of language unconsciously selects a direction. This is the idea of collective unconscious and cultural activities are unconsciously patterned in a society. Sapir’s language typology has an influence not only on the metaphor of society and culture but also on cultural anthropology.
Jung’s psychology will restore whole personality by correlating an image in us with the conscious. At that time, the alchemy played a part. It is the chemical technology that began in Egypt and was prevalent in Europe to turn noble non-metals such as iron into metals such as gold and silver. It was also used as the technology to fill out an elixir of life.
Furthermore Jung revaluated the significance of modern alchemy including the meaning of religion and mental psychology from a perspective of the unconscious and engaged in reading of “The secrets of the Golden Flower” in Chinese.
It is also noted that episodic memory is evoked through an unconscious state. The stimulus that evokes the past is certainly similar to the unconscious and may be associated with the deep psyche. But, episodic memory could be evoked through an entirely unrelated stimulus. It is associated with the unconscious.
Jung’s psychology grabs human hearts through the process “order” – “disorder” – “higher order”. The ego has a steady order and therefore the conscious arises there and it is surrounded by the chaotic unconscious, and finally they are integrated and the higher order self arises.
To lightly state, the conscious has the self-governing act of mind and it acknowledges the nature of a situation or a problem by itself. Meanwhile the unconscious is usually the area of the non-conscious mind. In fact the unconscious act isn’t limited only to the instinctive and reflexive process of cerebral cortex center, but it also goes beyond the conscious and could predict the future conscious process with the support of many symbols. Furthermore the unconscious is also seen in priming memory of the classification of memory.
Depending on the linguistic information related to the behavior of Ah Q who Lu Xun placed himself in, I will make a synergic metaphor called “Lu Xun and Chaos” in the next chapter. For example the unconscious behavior of Weizhuang villager is evidence for the language drift advocated by Sapir.
“Mahu” that flourished in China at the time became the ideas of collective unconscious and it was unconsciously patterned in the society. The behavior of Ah Q related to “ma-ma-hu-hu” could also call the revolution which was extremely different from Weizhuang villager.
I will say something about chaos theory. In general, chaos theory consists of the non-linearity which makes prediction difficult because the behavior is disorderly and indeterminate, so that output is extremely varied with only differences in input. The latter is also known as the initial value sensitivity called butterfly effect. Chaotic phenomena are seen in conditions of the weather, the flow of water and stocks.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 6
1.3 Structure of the mother tongue – Sapir-Whorf hypothesis
Sapir and Whorf didn’t assert that speakers of different languages can’t understand each other or that translation between different languages can’t be perfect. They assumed a linguistic relativity to be in a weak position.
Sapir-Whorf hypothesis:The structure of the mother tongue has an influence on the thought independent of language, in particular human cognitive ability.
The common interpretation of the hypothesis takes the position that language has an influence on thought in no small part. In fact, language has an influence on any thought, but what is it? The problem of thought is the higher cognitive ability concerning how to perceive the object and how to judge.
At first, American linguists insisted on phonological research and they studied phonology and syntax very hard. Linguistic theories that were individually dealt with in the 1970s were amalgamated step by step. The computer was developed from the 1980s onwards and therefore most researchers experimented with new approaches. In the field of linguistics, GPSG (Generalized Phrase Structure Grammar) (1985) and HPSG (Head Driven Phrase Structure Grammar) (1994), which combined generative grammar with logical grammar, are essentially that.
Furthermore research that applied such linguistic theories to literature was gradually developed. (Mizutani:1998, Hanamura:2005) They are an attempt to consider human cognitive ability.
The mechanism of perception and memory isn’t also determined only by language. Which memory is accumulated easily and how is each memory combined with each other? When one thinks about it, she can see the difference in each community. Generally one can process information by applying the reasoning to known information and by categorizing unknown information.
The categorization to process unknown information differs according to the structure of mother tongue. There is a difference in the categorization of color expression between Chinese and Japanese. For example let’s think about Chinese corresponding to Japanese “blue”. Chinese uses “lán” to describe the color of sky or see as “lántian” or “lánsè de dahai”. Green light and plant are expressed as “lüdeng” and “lüyè”. On the other hand there is the expression that uses “blue” in the same way as Japanese. For example “qingma”, “qingcai”. This is to say, Chinese color expression are more concrete and versatile than Japanese.
One should adopt the habitual thought for daily living and the idea of dynamic language and thought to redefine Sapir-Whorf hypothesis from the modern standpoint of view. In fact, it is appropriate from my own experience to consider that the custom of speech act has an influence on the cultural and social cognition by expanding the meaning of thought.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Sapir and Whorf didn’t assert that speakers of different languages can’t understand each other or that translation between different languages can’t be perfect. They assumed a linguistic relativity to be in a weak position.
Sapir-Whorf hypothesis:The structure of the mother tongue has an influence on the thought independent of language, in particular human cognitive ability.
The common interpretation of the hypothesis takes the position that language has an influence on thought in no small part. In fact, language has an influence on any thought, but what is it? The problem of thought is the higher cognitive ability concerning how to perceive the object and how to judge.
At first, American linguists insisted on phonological research and they studied phonology and syntax very hard. Linguistic theories that were individually dealt with in the 1970s were amalgamated step by step. The computer was developed from the 1980s onwards and therefore most researchers experimented with new approaches. In the field of linguistics, GPSG (Generalized Phrase Structure Grammar) (1985) and HPSG (Head Driven Phrase Structure Grammar) (1994), which combined generative grammar with logical grammar, are essentially that.
Furthermore research that applied such linguistic theories to literature was gradually developed. (Mizutani:1998, Hanamura:2005) They are an attempt to consider human cognitive ability.
The mechanism of perception and memory isn’t also determined only by language. Which memory is accumulated easily and how is each memory combined with each other? When one thinks about it, she can see the difference in each community. Generally one can process information by applying the reasoning to known information and by categorizing unknown information.
The categorization to process unknown information differs according to the structure of mother tongue. There is a difference in the categorization of color expression between Chinese and Japanese. For example let’s think about Chinese corresponding to Japanese “blue”. Chinese uses “lán” to describe the color of sky or see as “lántian” or “lánsè de dahai”. Green light and plant are expressed as “lüdeng” and “lüyè”. On the other hand there is the expression that uses “blue” in the same way as Japanese. For example “qingma”, “qingcai”. This is to say, Chinese color expression are more concrete and versatile than Japanese.
One should adopt the habitual thought for daily living and the idea of dynamic language and thought to redefine Sapir-Whorf hypothesis from the modern standpoint of view. In fact, it is appropriate from my own experience to consider that the custom of speech act has an influence on the cultural and social cognition by expanding the meaning of thought.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 5
Fundamental type
A
Simple Pure-relational (Chinese) (U)−, (V)−, (W)a, Degree of fusion Isolating, Degree of Synthesis Analytic
B
Complex Pure-relational (Polynesian) (U) b, (d), (V)−, (W)a, Degree of Synthesis Agglutinative isolating, Degree of Synthesis Analytic
,
Complex Pure-relational (Japanese) (U) b, (V)−, (W) b, Degree of Synthesis Agglutinative, Degree of Synthesis Analytic
C
Simple Mixed-relational (French) (U) (c), (V) c, (d), (W) a, Degree of Synthesis Fusional, Degree of Synthesis Analytic (mildly synthetic)
D
Complex Mixed-relational (English) (U) c, (V) c, d, (W)a, Degree of Synthesis Fusional, Degree of Synthesis Analytic
Complex Mixed-relational (Latin, Greek) (U) c, d, (V) c, d, (W)−, Degree of Synthesis Fusional (symbolic), Degree of Synthesis Synthetic
Complex Mixed-relational (German) (U) c, (V) c, d, (W) c, Degree of Synthesis Fusional, Degree of Synthesis Synthetic
Japanese keeps its radical concepts purely and it gathers the indivisible elements (conjugation of verbs and adjectives) (Type B). When a proposition is given, the concrete concepts are interrelated in Japanese (pluralism and particles).
German mixes the basic relational concepts are with concrete concepts and it gathers the indivisible elements (conjugation of verbs, adjectives and nouns) (Type D). When a proposition is given, the concrete concepts are also interrelated in German (pluralism, gender of nouns and articles).
As to (U), (V) and (W), Japanese is related to Chinese and German is related to English.
The characters a, b, c and d are respectively isolation, agglutination, fusion and symbolism. The following formula may be mathematically useful. Agglutination: c = (goodness) = a + b; regular fusion: c (books) = a + (b - x) + x; irregular fusion: c (depth) = (a - x) + (b - y) + (x + y); symbolic fusion: c (geese) = (a - x) + x. (Sapir: 2002)
However, the degree of fusion and the level of synthesis are not the same. For example, Japanese has the fusion with nouns by “te-ni-wo-ha”, while German has the fusion by “articles, adjectives and nouns” (ein guter Professor: nominative, masculine gender and single). Furthermore, Japanese makes compounds economically, while German compounds are developed significantly.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
A
Simple Pure-relational (Chinese) (U)−, (V)−, (W)a, Degree of fusion Isolating, Degree of Synthesis Analytic
B
Complex Pure-relational (Polynesian) (U) b, (d), (V)−, (W)a, Degree of Synthesis Agglutinative isolating, Degree of Synthesis Analytic
,
Complex Pure-relational (Japanese) (U) b, (V)−, (W) b, Degree of Synthesis Agglutinative, Degree of Synthesis Analytic
C
Simple Mixed-relational (French) (U) (c), (V) c, (d), (W) a, Degree of Synthesis Fusional, Degree of Synthesis Analytic (mildly synthetic)
D
Complex Mixed-relational (English) (U) c, (V) c, d, (W)a, Degree of Synthesis Fusional, Degree of Synthesis Analytic
Complex Mixed-relational (Latin, Greek) (U) c, d, (V) c, d, (W)−, Degree of Synthesis Fusional (symbolic), Degree of Synthesis Synthetic
Complex Mixed-relational (German) (U) c, (V) c, d, (W) c, Degree of Synthesis Fusional, Degree of Synthesis Synthetic
Japanese keeps its radical concepts purely and it gathers the indivisible elements (conjugation of verbs and adjectives) (Type B). When a proposition is given, the concrete concepts are interrelated in Japanese (pluralism and particles).
German mixes the basic relational concepts are with concrete concepts and it gathers the indivisible elements (conjugation of verbs, adjectives and nouns) (Type D). When a proposition is given, the concrete concepts are also interrelated in German (pluralism, gender of nouns and articles).
As to (U), (V) and (W), Japanese is related to Chinese and German is related to English.
The characters a, b, c and d are respectively isolation, agglutination, fusion and symbolism. The following formula may be mathematically useful. Agglutination: c = (goodness) = a + b; regular fusion: c (books) = a + (b - x) + x; irregular fusion: c (depth) = (a - x) + (b - y) + (x + y); symbolic fusion: c (geese) = (a - x) + x. (Sapir: 2002)
However, the degree of fusion and the level of synthesis are not the same. For example, Japanese has the fusion with nouns by “te-ni-wo-ha”, while German has the fusion by “articles, adjectives and nouns” (ein guter Professor: nominative, masculine gender and single). Furthermore, Japanese makes compounds economically, while German compounds are developed significantly.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 4
1.2 Types of linguistic Structure
Sapir who continued to research the grammatical process of many languages in the world, classified the language concept into four types: (T) basic concepts, (U) derivational concepts, (V) concrete relational concepts and (W) pure relational concepts.
The vertical classification (T) is the questions concerning the translation of concepts into linguistic symbols. For example, Sapir distinguished pure-relational language (A:simple and B:
complex) from mixed-relational language (C:simple and D:complex) depending on whether the language keeps its radical concepts purely and whether the basic relational concepts are mixed with concrete concepts.
(U) derivational concepts affix non-radical elements to radical elements and give a radical element a particular significance. For example the word farmer has an agentive suffix –er and therefore it becomes the subject of a particular verb.
(V) concrete relational concepts are shown by affixing non-radical elements to radical elements, but they differ greater in the meaning of affixation than (U) (books or depth).
(W) pure relational concepts interrelate concrete elements in a proposition and give a clear syntactic form (anaphora of number, gender and case). The lateral classification of table 1 is meant to sort out the concepts as expressed in language.
Furthermore the degree of fusion and the level of synthesis join the classification. The degree of fusion is characterized by isolating, agglutinative, fusional and symbolic and the meaning is similar to sub-types in table 1. For example an agglutinative language such as Japanese affixes by juxtaposition, while a fusional and symbolic language such as Latin is defined as non-agglutinative.
The level of synthesis is divided into analytic and synthetic. An analytic language is one that either doesn’t combine concepts into single words at all (Chinese) or does so economically (English and French). In addition, Polynesian word order is more flexible than Chinese and there is a tendency to proceed to a complicated derivation.
In a synthetic language the concepts cluster more thickly, the words are more richly composed, but there is a tendency to keep the range of concrete significance in the single word to a moderate compass (Latin). Latin and Greek have inflection and they use the method of fusion. The fusion has an inner psychological as well as an outer phonetic meaning. (Sapir: 2002)
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Sapir who continued to research the grammatical process of many languages in the world, classified the language concept into four types: (T) basic concepts, (U) derivational concepts, (V) concrete relational concepts and (W) pure relational concepts.
The vertical classification (T) is the questions concerning the translation of concepts into linguistic symbols. For example, Sapir distinguished pure-relational language (A:simple and B:
complex) from mixed-relational language (C:simple and D:complex) depending on whether the language keeps its radical concepts purely and whether the basic relational concepts are mixed with concrete concepts.
(U) derivational concepts affix non-radical elements to radical elements and give a radical element a particular significance. For example the word farmer has an agentive suffix –er and therefore it becomes the subject of a particular verb.
(V) concrete relational concepts are shown by affixing non-radical elements to radical elements, but they differ greater in the meaning of affixation than (U) (books or depth).
(W) pure relational concepts interrelate concrete elements in a proposition and give a clear syntactic form (anaphora of number, gender and case). The lateral classification of table 1 is meant to sort out the concepts as expressed in language.
Furthermore the degree of fusion and the level of synthesis join the classification. The degree of fusion is characterized by isolating, agglutinative, fusional and symbolic and the meaning is similar to sub-types in table 1. For example an agglutinative language such as Japanese affixes by juxtaposition, while a fusional and symbolic language such as Latin is defined as non-agglutinative.
The level of synthesis is divided into analytic and synthetic. An analytic language is one that either doesn’t combine concepts into single words at all (Chinese) or does so economically (English and French). In addition, Polynesian word order is more flexible than Chinese and there is a tendency to proceed to a complicated derivation.
In a synthetic language the concepts cluster more thickly, the words are more richly composed, but there is a tendency to keep the range of concrete significance in the single word to a moderate compass (Latin). Latin and Greek have inflection and they use the method of fusion. The fusion has an inner psychological as well as an outer phonetic meaning. (Sapir: 2002)
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 3
Let’s take a look at the differences between Chinese and Japanese. There are word order free languages and word order fixed languages in the world, but most languages are located midway between them. For example Latin is word order free and Chinese is word order fixed. Japanese word order is also almost free.
When viewed from typology, Germanic languages like German and Dutch are also partially free. Chinese word order is type SVO (Subject-Verb-Object) and Japanese and German word order is type SOV. In order to represent the grammatical relation, Chinese depends on word order and Japanese and Korean use particles.
Therefore Chinese is an isolating language and Japanese is called an agglutinative language. In fact Chinese word order is similar to English, but Chinese has no inflection and conjugation. Type SOV languages, such as Japanese, account for approximately half of the languages in the world type SVO, such as English and Chinese, accounts for 35%, and type VSO, such as Polynesian, accounts for more than 10%.
The difference in word order has an influence on the linguistic abduction. As in Chinese the predicate comes shortly after the subject, it is quickly obvious whether the intention of the speaker or writer is positive or negative. On the other hand, in Japanese the predicate comes at the end and therefore it is only clear at the last moment whether the intention of the speaker or writer is positive or negative.
Sapir explained that such thought style really describes linguistic habits. The hypothesis which he established with his disciple Whorf is still handed down. When one considers the translation between Chinese and Japanese, an inference is also an important point as well as word order.
In general, a logical abductive inference is seen in a discovery and an invention, but when one writes a sentence, a small abduction is situated among word order, paragraph and a flow of words. The abduction is different in arts and science and the way to build something is also different in them. Synergy is necessary to adjust the difference and therefore it is the real origin of abduction.
The grammatical processing called affixation has three types; prefixes, suffixes, and infixes. Suffixes are the commonest. Sapir explained that Chinese is a language that doesn’t have an independent value for radical elements. But, the Japanese affix “teki” may be influenced by Chinese “de” and “zi” as in “háizi (children)” and “beizi (glass)”, which are also examples of Chinese affixation.
Chinese accent is pitch accent as well as Japanese, but it is more complicated. For example Chinese alternation such as “fa” [level middle] (send) and “fa” [level falling] (hair) explains that tonal differences don’t necessarily separate verbs from nouns. The grammatical internal modification is the process to change a vowel or a consonant inside a word. Japanese verbs and adjectives have such conjugation, but Chinese doesn’t have it. Therefore Chinese doesn’t have any example similar to English vocalic change (sing, sang, sung, song).
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
When viewed from typology, Germanic languages like German and Dutch are also partially free. Chinese word order is type SVO (Subject-Verb-Object) and Japanese and German word order is type SOV. In order to represent the grammatical relation, Chinese depends on word order and Japanese and Korean use particles.
Therefore Chinese is an isolating language and Japanese is called an agglutinative language. In fact Chinese word order is similar to English, but Chinese has no inflection and conjugation. Type SOV languages, such as Japanese, account for approximately half of the languages in the world type SVO, such as English and Chinese, accounts for 35%, and type VSO, such as Polynesian, accounts for more than 10%.
The difference in word order has an influence on the linguistic abduction. As in Chinese the predicate comes shortly after the subject, it is quickly obvious whether the intention of the speaker or writer is positive or negative. On the other hand, in Japanese the predicate comes at the end and therefore it is only clear at the last moment whether the intention of the speaker or writer is positive or negative.
Sapir explained that such thought style really describes linguistic habits. The hypothesis which he established with his disciple Whorf is still handed down. When one considers the translation between Chinese and Japanese, an inference is also an important point as well as word order.
In general, a logical abductive inference is seen in a discovery and an invention, but when one writes a sentence, a small abduction is situated among word order, paragraph and a flow of words. The abduction is different in arts and science and the way to build something is also different in them. Synergy is necessary to adjust the difference and therefore it is the real origin of abduction.
The grammatical processing called affixation has three types; prefixes, suffixes, and infixes. Suffixes are the commonest. Sapir explained that Chinese is a language that doesn’t have an independent value for radical elements. But, the Japanese affix “teki” may be influenced by Chinese “de” and “zi” as in “háizi (children)” and “beizi (glass)”, which are also examples of Chinese affixation.
Chinese accent is pitch accent as well as Japanese, but it is more complicated. For example Chinese alternation such as “fa” [level middle] (send) and “fa” [level falling] (hair) explains that tonal differences don’t necessarily separate verbs from nouns. The grammatical internal modification is the process to change a vowel or a consonant inside a word. Japanese verbs and adjectives have such conjugation, but Chinese doesn’t have it. Therefore Chinese doesn’t have any example similar to English vocalic change (sing, sang, sung, song).
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 2
1 Language and thought
1.1 The features and attractiveness of Sapir’ linguistics
I will explain the features and attractiveness of the theories of American linguist Edward Sapir (1884-1939) by using his book “Language”. Sapir pursued the subject from the universality of language to the features of individual languages and then he talked about race, language, culture and literature to bring anthropology into view.
I will make his linguistic research clear about the issues of Chinese and Japanese because Sapir’s linguistics become focused on individual languages. His linguistic research consists of six kinds of grammatical processes.
They are word order, composition, affixation (including the use of prefixes, suffixes and infixes), internal modification of the radical or grammatical element, reduplication and accentual differences. Similarities between Chinese and Japanese are in the process of composition and reduplication, while there are differences in word order, affixation, internal modification of the grammatical element and accentual differences. I will explain the similarities a little.
The process of composition is seen in both languages. When two or more radical elements bind together, a simplex word will be formed. The process implies the relation of the elements and it is also related to word order. As Chinese word order is strict, it is inclined to develop compounds. Chinese compound words are much greater in number than Japanese.
For example, consider a Chinese word sequence such as renquán (jin ken “human rights”) or a conventionalized juxtaposition such as nóngfu (no fu “farmer”). The meaning of these compounds are different from the etymological meaning of the component elements.
Reduplication repeats the whole or part of a word, such as in the Japanese phrase omoi omoi “random”. It is seen in Korean, Chinese and Ainu language, but it isn’t often seen in Indo-European languages, Uralic languages and Altaic languages.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
1.1 The features and attractiveness of Sapir’ linguistics
I will explain the features and attractiveness of the theories of American linguist Edward Sapir (1884-1939) by using his book “Language”. Sapir pursued the subject from the universality of language to the features of individual languages and then he talked about race, language, culture and literature to bring anthropology into view.
I will make his linguistic research clear about the issues of Chinese and Japanese because Sapir’s linguistics become focused on individual languages. His linguistic research consists of six kinds of grammatical processes.
They are word order, composition, affixation (including the use of prefixes, suffixes and infixes), internal modification of the radical or grammatical element, reduplication and accentual differences. Similarities between Chinese and Japanese are in the process of composition and reduplication, while there are differences in word order, affixation, internal modification of the grammatical element and accentual differences. I will explain the similarities a little.
The process of composition is seen in both languages. When two or more radical elements bind together, a simplex word will be formed. The process implies the relation of the elements and it is also related to word order. As Chinese word order is strict, it is inclined to develop compounds. Chinese compound words are much greater in number than Japanese.
For example, consider a Chinese word sequence such as renquán (jin ken “human rights”) or a conventionalized juxtaposition such as nóngfu (no fu “farmer”). The meaning of these compounds are different from the etymological meaning of the component elements.
Reduplication repeats the whole or part of a word, such as in the Japanese phrase omoi omoi “random”. It is seen in Korean, Chinese and Ainu language, but it isn’t often seen in Indo-European languages, Uralic languages and Altaic languages.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
“Language” of Sapir and “The True Story of Ah Q”of Lu Xun 1
[Summary]
In this paper, I will deal with a great Chinese author Lu Xun and chaos theory to make a synergic metaphor.
In the first half I will address the different thought form between Chinese and Japanese based on Sapir’s linguistics. Lu Xun thought about the difference by himself, while he studied European modern thought in Japan. He disliked the mental illness called “ma-ma-hu-hu” that Chinese people suffered from at the time and identified himself with the hero of “The True Story of Ah Q” to appeal to Chinese people.
In the second half I will connect “ma-ma-hu-hu” to a memory model to make a synergic metaphor from the life of Lu Xun, and I will explore the chaotic world in “The True Story of Ah Q”.
[Keywords]
Language and thought, Hypothesis of Sapir and Whorf, the conscious and the unconscious, Jung’s psychology, Ah Q’s behavior, memory, hippocampal model
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
In this paper, I will deal with a great Chinese author Lu Xun and chaos theory to make a synergic metaphor.
In the first half I will address the different thought form between Chinese and Japanese based on Sapir’s linguistics. Lu Xun thought about the difference by himself, while he studied European modern thought in Japan. He disliked the mental illness called “ma-ma-hu-hu” that Chinese people suffered from at the time and identified himself with the hero of “The True Story of Ah Q” to appeal to Chinese people.
In the second half I will connect “ma-ma-hu-hu” to a memory model to make a synergic metaphor from the life of Lu Xun, and I will explore the chaotic world in “The True Story of Ah Q”.
[Keywords]
Language and thought, Hypothesis of Sapir and Whorf, the conscious and the unconscious, Jung’s psychology, Ah Q’s behavior, memory, hippocampal model
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」11
4 まとめ
魯迅の「阿Q正伝」を題材にしてシナジーのメタファーの作り方を考察した。まず、サピアの「言語」を参考にしながら、中国人と日本人の思考様式の違いについて説明した。さらにサピアに影響を与えたユングの心理学から意識と無意識に注目し、魯迅が自らを託した阿Qの言動と関連づけて同期と非同期の関係を探り、これをカオスと結びつけた。そして最後に、カオスを脳のモデルとリンクさせて、記憶に関する問題にも言及した。人文科学が専門で興味のある方は、翻訳や比較とは一味違うL字の読みに挑戦してもらいたい。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅の「阿Q正伝」を題材にしてシナジーのメタファーの作り方を考察した。まず、サピアの「言語」を参考にしながら、中国人と日本人の思考様式の違いについて説明した。さらにサピアに影響を与えたユングの心理学から意識と無意識に注目し、魯迅が自らを託した阿Qの言動と関連づけて同期と非同期の関係を探り、これをカオスと結びつけた。そして最後に、カオスを脳のモデルとリンクさせて、記憶に関する問題にも言及した。人文科学が専門で興味のある方は、翻訳や比較とは一味違うL字の読みに挑戦してもらいたい。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」10
3.2 海馬モデル
記憶を司る部位として知られる海馬は、側頭葉と呼ばれる大脳皮質のすぐ裏側にあり、耳の奥に左右一つずつ置かれ、直径が約1センチメートル、長さが10センチメートルほどで、キュウリのような形をしている。
海馬は神経細胞の集まりで、その断面を見るとS字に似た筋が見られ、そこに細胞がぎっしりと詰まっている。S字の筋の上部はアンモン角と呼ばれ、下部は歯状回と呼ばれる。アンモン角の細胞は三角形の錐体細胞であり、歯状回の細胞は丸くて小さい顆粒細胞である。アンモン角はさらに4つの部位(CA1野、CA2野、CA3野、CA4野)に分けられる(CAとはCornu Ammonisの略)。(池谷祐二:2001)
この中で重要な部位は、CA1野とCA3野である。これらと歯状回を合わせた三つの部位は、神経線維で繋がった連絡網になっている。海馬の中の情報は、歯状回→CA3野→CA1野の順に伝わっていき、五感の情報がそれぞれ大脳皮質の側頭葉に送られる。しかし、津田(2002)によると、貫通繊維にはCA3野に至るものとこれをパスしていきなりCA1野に至るものとがある。
銃殺される前に街中を引き回される阿Qが刑場へ向かう途中で車から喝采している人々を見て、ある瞬間に4年前山麓で出会った飢えた狼のことを思い出す。(例、(40))。ここで喝采している人々は、「馬々虎々」という無秩序状態にあり、予測不可能な振舞い(非線形性)を示すと見なされる。そして、刑場へ向けて荷車を引く仕事人と阿Qの視神経がとらえる入力情報は、引き回しの開始の時点ではほぼ同じである(例、(37))。ところが、しばらくすると阿Qは飢えた狼のことを思い出す(例、(40)、(41))。つまり、両者の出力は、その時点で全くかけ離れたものになる(非決定論)。
こうしたカオスの特徴は記憶とも結びつく。近づきも離れもせずに阿Qを罪人として追いかけてくる狼の目(例、(41)、(42))。例えば、これがエピソード記憶であり、阿Q並びに彼の周りにいる人々に託された「馬々虎々」という無意識の思想を連続した物体の存在認識に見られるカオスの世界とする理由である。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
記憶を司る部位として知られる海馬は、側頭葉と呼ばれる大脳皮質のすぐ裏側にあり、耳の奥に左右一つずつ置かれ、直径が約1センチメートル、長さが10センチメートルほどで、キュウリのような形をしている。
海馬は神経細胞の集まりで、その断面を見るとS字に似た筋が見られ、そこに細胞がぎっしりと詰まっている。S字の筋の上部はアンモン角と呼ばれ、下部は歯状回と呼ばれる。アンモン角の細胞は三角形の錐体細胞であり、歯状回の細胞は丸くて小さい顆粒細胞である。アンモン角はさらに4つの部位(CA1野、CA2野、CA3野、CA4野)に分けられる(CAとはCornu Ammonisの略)。(池谷祐二:2001)
この中で重要な部位は、CA1野とCA3野である。これらと歯状回を合わせた三つの部位は、神経線維で繋がった連絡網になっている。海馬の中の情報は、歯状回→CA3野→CA1野の順に伝わっていき、五感の情報がそれぞれ大脳皮質の側頭葉に送られる。しかし、津田(2002)によると、貫通繊維にはCA3野に至るものとこれをパスしていきなりCA1野に至るものとがある。
銃殺される前に街中を引き回される阿Qが刑場へ向かう途中で車から喝采している人々を見て、ある瞬間に4年前山麓で出会った飢えた狼のことを思い出す。(例、(40))。ここで喝采している人々は、「馬々虎々」という無秩序状態にあり、予測不可能な振舞い(非線形性)を示すと見なされる。そして、刑場へ向けて荷車を引く仕事人と阿Qの視神経がとらえる入力情報は、引き回しの開始の時点ではほぼ同じである(例、(37))。ところが、しばらくすると阿Qは飢えた狼のことを思い出す(例、(40)、(41))。つまり、両者の出力は、その時点で全くかけ離れたものになる(非決定論)。
こうしたカオスの特徴は記憶とも結びつく。近づきも離れもせずに阿Qを罪人として追いかけてくる狼の目(例、(41)、(42))。例えば、これがエピソード記憶であり、阿Q並びに彼の周りにいる人々に託された「馬々虎々」という無意識の思想を連続した物体の存在認識に見られるカオスの世界とする理由である。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」9
3 カオスと記憶
3.1 脳のモデル
脳の活動については動的な記憶を取り上げる。例えば、長期記憶は、頭で覚える陳述記憶と体で覚える非陳述記憶に分けられ、陳述記憶はエピソード記憶と意味記憶に分けられる。エピソード記憶は、未来も含めた個人の経験にまつわる出来事と関連し(例、(8)、(9)、(10)、(12)、(13))、意味記憶は一般的な知識(例、(24))と関連する。また、非陳述記憶のうち手続き記憶は、自転車の運転とかタイピングと関連する。動的な記憶の公式として、エピソード記憶とカオスのリンクは有名である。
花村(2015)によると、記憶の分類には、長期記憶にプライミング記憶を加えるものがある。プライミング記憶は、先行情報が後から与えられた情報に影響を及ぼす効果を持っている。しかし、無意識によりパターン化されるため、勘違いの原因になることもある(例、(6))。エピソード記憶と短期記憶は、個人の意識が存在するレベルの記憶であり、意味記憶やプライミング記憶及び手続き記憶は、個人の意識が介在しない潜在記憶である。但し、エピソード記憶と意味記憶は、経験と時間によってどちらにも変わる可能性がある。
[記憶の樹形図]
記憶→短期記憶→ワーキングメモリー
記憶→長期記憶→陳述記憶→エピソード記憶 OR →意味記憶
記憶→長期記憶→非陳述記憶→プライミング記憶 OR →手続き記憶
記憶は、階層をなしているともいわれる。最下層が手続き記憶、その上にプライミング記憶、続いて意味記憶、短期記憶、エピソード記憶の順になるという。
この階層は、生物の進化の過程と関連があり、下等な動物ほど下層の記憶が発達していて、高等な動物ほど上層の記憶が発達している。これは、人の成長の過程にも当てはまる。子供から大人になるにつれて、最初に手続き記憶が発達して、成長するに従って記憶の階層を昇順していく。例えば、3歳ぐらいの記憶がないという現象(幼児期健忘)は、エピソード記憶の発達が遅れているためである。10歳ぐらいまでは、意味記憶が発達していて、その後、エピソード記憶が優勢になる。逆に年をとると忘れっぽくなるが、これは、エピソード記憶が衰えるためである(例、痴呆症)。
しかし、記憶が階層をなしているということは、それぞれの記憶のメカニズムに違いがあることになる。一般的に、エピソード記憶や意味記憶は海馬と関わっていて、海馬は五感から情報を統合し、経験という記憶(エピソード記憶)を作る。記憶は一ヶ月ほど海馬に留まり、その後、側頭葉に移って保存される。
一方、短期記憶とプライミング記憶は大脳皮質で作られ、手続き記憶は線条体(大脳皮質の裏にある基底核)や小脳で作られる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
3.1 脳のモデル
脳の活動については動的な記憶を取り上げる。例えば、長期記憶は、頭で覚える陳述記憶と体で覚える非陳述記憶に分けられ、陳述記憶はエピソード記憶と意味記憶に分けられる。エピソード記憶は、未来も含めた個人の経験にまつわる出来事と関連し(例、(8)、(9)、(10)、(12)、(13))、意味記憶は一般的な知識(例、(24))と関連する。また、非陳述記憶のうち手続き記憶は、自転車の運転とかタイピングと関連する。動的な記憶の公式として、エピソード記憶とカオスのリンクは有名である。
花村(2015)によると、記憶の分類には、長期記憶にプライミング記憶を加えるものがある。プライミング記憶は、先行情報が後から与えられた情報に影響を及ぼす効果を持っている。しかし、無意識によりパターン化されるため、勘違いの原因になることもある(例、(6))。エピソード記憶と短期記憶は、個人の意識が存在するレベルの記憶であり、意味記憶やプライミング記憶及び手続き記憶は、個人の意識が介在しない潜在記憶である。但し、エピソード記憶と意味記憶は、経験と時間によってどちらにも変わる可能性がある。
[記憶の樹形図]
記憶→短期記憶→ワーキングメモリー
記憶→長期記憶→陳述記憶→エピソード記憶 OR →意味記憶
記憶→長期記憶→非陳述記憶→プライミング記憶 OR →手続き記憶
記憶は、階層をなしているともいわれる。最下層が手続き記憶、その上にプライミング記憶、続いて意味記憶、短期記憶、エピソード記憶の順になるという。
この階層は、生物の進化の過程と関連があり、下等な動物ほど下層の記憶が発達していて、高等な動物ほど上層の記憶が発達している。これは、人の成長の過程にも当てはまる。子供から大人になるにつれて、最初に手続き記憶が発達して、成長するに従って記憶の階層を昇順していく。例えば、3歳ぐらいの記憶がないという現象(幼児期健忘)は、エピソード記憶の発達が遅れているためである。10歳ぐらいまでは、意味記憶が発達していて、その後、エピソード記憶が優勢になる。逆に年をとると忘れっぽくなるが、これは、エピソード記憶が衰えるためである(例、痴呆症)。
しかし、記憶が階層をなしているということは、それぞれの記憶のメカニズムに違いがあることになる。一般的に、エピソード記憶や意味記憶は海馬と関わっていて、海馬は五感から情報を統合し、経験という記憶(エピソード記憶)を作る。記憶は一ヶ月ほど海馬に留まり、その後、側頭葉に移って保存される。
一方、短期記憶とプライミング記憶は大脳皮質で作られ、手続き記憶は線条体(大脳皮質の裏にある基底核)や小脳で作られる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」8
2.2 同期と非同期
上述の阿Qの言動の中で特に注目したいのは、同期に絡むところである。ここでは、同期・非同期の関係を基にして阿Qの言動を考えていく。同期を辞書で見ると、次のような意味がある。
@ 機械の作動を時間的に連関させること。シンクロナイズさせること。例えば、ストロボをシャッターにシンクロナイズさせるなど。(IT用語辞典)
A 二つ以上の周期運動の周期が一致すること。または一定の整数比になること。(同上)
B プログラムの処理の場合、同期は、処理してから結果が出るのを待って、次の処理を実行する。非同期は、処理の後で結果を待たずに次の処理を実行する。(同上)
ここでは同期の意味を@と定義する。例えば、卓球のボールを認識する際、まず連続した物体の存在認識が必要になる。神経細胞は、卓球のボールの領域とそれ以外の空間から入力情報を受け取り、それぞれが同期と非同期の関係になる。卓球のボールは動くので、同期する場所は常に変化していく。そのため、同期と非同期は、速やかに処理する必要がる。これを容易にする仕組みがカオスである。(津田一郎:2002)
表3の(22)を見ると、阿Qの神経細胞が未荘村の人々の目とそれ以外の空間から情報を受け取り、それぞれが同期と非同期の関係になる。村人の目はどんどん移るため、同期する場所は常に変化していく。(同様の例は、(37)、(39)、(40)、(41)にも見られる。)(40)はエピソード記憶の問題である。エピソード記憶とは、長期記憶のうち頭で覚える記憶の一つで、経験を伴うことに特徴がある。(37)は(22)と同様に、阿Qの神経細胞が引き回しを見に来た民衆の目の領域とその他の空間から入力情報を受け取り、それぞれを同期と非同期の関係にする。幌なし車に乗った阿Qは動くため、同期の場所は常に動いていく。そのため、同期と非同期の速やかな処理が求められる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
上述の阿Qの言動の中で特に注目したいのは、同期に絡むところである。ここでは、同期・非同期の関係を基にして阿Qの言動を考えていく。同期を辞書で見ると、次のような意味がある。
@ 機械の作動を時間的に連関させること。シンクロナイズさせること。例えば、ストロボをシャッターにシンクロナイズさせるなど。(IT用語辞典)
A 二つ以上の周期運動の周期が一致すること。または一定の整数比になること。(同上)
B プログラムの処理の場合、同期は、処理してから結果が出るのを待って、次の処理を実行する。非同期は、処理の後で結果を待たずに次の処理を実行する。(同上)
ここでは同期の意味を@と定義する。例えば、卓球のボールを認識する際、まず連続した物体の存在認識が必要になる。神経細胞は、卓球のボールの領域とそれ以外の空間から入力情報を受け取り、それぞれが同期と非同期の関係になる。卓球のボールは動くので、同期する場所は常に変化していく。そのため、同期と非同期は、速やかに処理する必要がる。これを容易にする仕組みがカオスである。(津田一郎:2002)
表3の(22)を見ると、阿Qの神経細胞が未荘村の人々の目とそれ以外の空間から情報を受け取り、それぞれが同期と非同期の関係になる。村人の目はどんどん移るため、同期する場所は常に変化していく。(同様の例は、(37)、(39)、(40)、(41)にも見られる。)(40)はエピソード記憶の問題である。エピソード記憶とは、長期記憶のうち頭で覚える記憶の一つで、経験を伴うことに特徴がある。(37)は(22)と同様に、阿Qの神経細胞が引き回しを見に来た民衆の目の領域とその他の空間から入力情報を受け取り、それぞれを同期と非同期の関係にする。幌なし車に乗った阿Qは動くため、同期の場所は常に動いていく。そのため、同期と非同期の速やかな処理が求められる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」7
次に、五感や記憶から意識・無意識までも交えて、阿Qが演じる「馬々虎々」に関連する言動を見ていこう。表3は、一対一の中文と和文ではなく、ストーリーを掴むための場面の対照表である。
また、データの処理については、一応プロセスを設けている。阿Qの場合、解析イメージは、「記憶と馬虎」という組み合わせになる。これを「記憶とカオス」という生成イメージに近づけるため、場面を作業単位にしてL字の解析と生成を繰り返していく。阿Qの言動に関する主な入力と出力を確認していこう。
第1章 序
(1)
中文
我要做这一篇速朽的文章,便感到万分的困难了。第一是文章的名目。第二,我并不知道阿Q姓什么。第三,我又不知道阿Q的名字是怎么写的。第四,籍贯也就有些决不定。
和文
この一篇の朽ち易い文章を作るにあたり、甚だしく困難を感じた。第一に題目の設定が難しい。第二に阿Qの姓名が不明である。第三に阿Qの名がどういう字なのか分からない。第四に阿Qの本籍地も不明である。
第2章 勝利の概略
(2)
中文
最恼人的是在他头皮上,颇有几处不知于何时的癞疮疤。未庄的閑人们便愈喜欢玩笑他。“哙,亮起来了。”阿Q照例的发了怒,他怒目而视了。
和文
とりわけ人に嫌われるのは、彼の頭の表面のあちこちに、いつできたとも知れない瘡禿があることであった。
未庄の閑人たちは付け上がって彼を嬲りものにした。「おや、明るくなったな。」阿Qは怒り出して、目をむいて睨む。(五感)
(3)
中文
“原来有保险灯在这里!”他们并不怕。“你还不配。”这时候,又仿佛在他头上的是一种高尚的光容的癞头疮,并非平常的癞头疮了。
和文
閑人たちは一向に平気で、「なんと、安全ランプがここにある。」「おまえらにはあるまい。」この時、阿Qの頭にあるものは、高尚で光栄ある瘡禿であって、普通の瘡禿ではない。
(4)
中文
他有这一种精神上的胜利法。
“阿Q,这不是儿子打老子,是人打畜生。自己说,人打畜生!”
“打虫豸,好不好?我是虫豸-还不放么?”
他觉得他是第一个能够自轻自贱的人,除了“自轻自贱”不算外,余下的就是“第一个”。
和文
阿Qには精神的な勝利法がある。
「これは息子が親父を殴るんではないぞ。人間が畜生を殴るんだ。自分で言ってみろ。人間が畜生を殴るんだ。」
「虫けらを殴るんだ、これでいいかい?おいらは虫けらだよ−もう放してくれよ。」
阿Qは自分を自ら軽んじ自ら賤しむことができる第一人者だと思っている。そこから「自ら軽んじ自ら賤しむ」を除くと、残りは「第一人者」だけになる。(この妙計が阿Qの勝利法。)
第3章 続・勝利の概略
(5)
中文
他看见王胡在那里赤着膊捉虱子。他忽然觉得身上也痒起来了。
和文
阿Qはひげの王が肌脱ぎになって虱を取っているのを見た。自分の体までが痒くなってくるのを覚えた。(五感)
(6)
中文
阿Q非常渺视他。阿Q以为他要逃了,抢进去就是一拳。这拳头还未达到身上,已经被他抓住了,王胡一连给他碰了五下。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第一件的屈辱。
和文
阿Qはひげの王をすこぶる軽蔑していた。阿Qはひげの王が逃げようとしていると思い、飛びかかり殴りかかった。その拳骨がまだ相手の身体に届かぬうちに彼に捕まって、壁に五回ぶつけられた。阿Qの記憶では、これがおそらくこの頃の最初の屈辱である。(記憶)
(7)
中文
远远的走来了一个人,就是钱太爷的大儿子(“假洋鬼子”,“里通外国的人”)。阿Q一见他,一定在肚子里暗暗的咒骂。阿Q龙其“深恶而痛绝之”的,是他的一条假辫子。
和文
銭太爺の長男(にせ毛唐、外国人の一味)がやって来た。阿Qは一目見て、腹の中で罵倒する。阿Qがとりわけ「深く悪みて之を痛しく絶った」のは、彼のかつらの辮髪であった。(五感)
(8)
中文
“秃儿”, 阿Q便不由的轻轻的说出来了,这秃儿大踏步走了过来,打在自己头上了。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第二件的屈辱。“忘却”这一件祖传的宝贝也发生了较力。
和文
「坊主頭」と阿Qは思わず小さく口に出してしまった。「坊主頭」は大またで近づいてきて、阿Qの頭を打った。阿Qの記憶では、これが恐らくこの頃の二度目の屈辱といってよい。(記憶)忘却という祖先伝来の宝がまたも効力を発揮した。
(9)
中文
阿Q便在平时,看见小尼姑也一定要唾骂,而况在屈辱之后呢?他于是发生了回忆,又发生了敌忾了。
“秃儿!快回去,和尚等着你。”
“你怎么动手动脚。”
“和尚动得,我动不得?” 他扭住伊的面颊。
和文
阿Qは普段でも、尼を見ると唾を吐きかけてどなりたくなる。屈辱の後故に、記憶を蘇らせて、敵愾心を起こした。(記憶)
「坊主頭、早く帰れ、和尚さんが待っているぞ。」
「どうしてふざけるのです。」
「和尚さんならふざけてもよいが、俺はいかんのか。」阿Qは彼女のほっぺたをつねった。
第4章 恋愛の悲劇
(10)
中文
他是永远得意的。
“断子绝孙的阿Q!”他想,应该一个女人。
阿Q本来也是正人,他对于“男女之大防”却历来非常严。
他将到“而立”之年,竟被小尼姑害得飘飘然了。
和文
阿Qは永遠に得意である。
「跡取りなしの罰あたりの阿Q!」女がいなければいかん。
阿Qも本来まじめな人間で、「男女の掟」には厳格である。
阿Qは三十になってついに若い尼に悩まされ、フラフラになったことがある。(記憶)
(11)
中文
吴妈是赵大爷家里的女仆,洗完了碗碟, 也就在长凳上坐下了,而且和阿Q淡闲天。
阿Q放下烟管,站了起来。“我和你困觉,我和你困觉!”。阿Q忽然抢上去,对伊跪下了。
和文
吴妈は趙家の女僕であった。皿小鉢を洗い終わると彼女も腰掛けに座り、阿Qと無駄話をした。
阿Qは煙管を置いて立ち上がった。突然、「俺と寝よう、俺と寝よう」と言って、早足に歩み寄り下女に膝まづいた。
(12)
中文
那秀才便拿了一支大竹杠。大竹杠又向他劈下来了。阿Q两手去抢头,拍的正打在指节上,这可恨有些痛。他那“女・・・”的思想却也没有了。
和文
秀才が大きな竹の棒を持っていて、それが真っ向から阿Qめがけて振り下ろされた。阿Qは両手を抱頭に抱えていた。当たったところはちょうど指の真上で、本当に痛かった。女・・・という思いは消えた。(記憶)
(13)
中文
吴妈只是哭。赵大爷向他奔来,而且手里捏着一支大竹杠。他看见这一支大竹杠,便猛然间悟到自己曾经被打似乎有点相关,翻身便走。
和文
下女がずっと泣いている。趙太爺が大きな竹の棒を持って、阿Q目掛けてかけてきた。阿Qはこの竹の棒を見て、自分が前に打たれたことに関わることだと悟って、身を翻して逃げた。(記憶)
(14)
中文
然而地保进来了,订定了五条件。阿Q自然都答应了。
和文
そうこうするうちに村の役人がやってきて、五カ条の取り決めを結ぶ。阿Qはもちろん承諾した。
第5章 生計問題
(15)
中文
这小子竟谋了他的饭碗去。这一场“龙虎斗”似乎并无胜败。
和文
阿Qは小Dに仕事を取られた。この「竜虎の戦い」の一幕は、決着がつかなかった。
(16)
中文
阿Q在路上走着要“求食”,终于走到静修庵的墙外了。他便ー紧拔起四个萝卜,待三个萝卜吃完时,他已经打定了进城的主意了。
和文
阿Qは食を求めて歩き続け、ついに静修庵の堀の外まで来た。菜園の大根を四本抜いて三本食べ終わったとき、阿Qはもう町へ行く決心を固めていた。
第6章 中興の末路
(17)
中文
阿Q回来了。这一件新闻便传遍了全未庄。他是在举人老爷家里帮忙。据阿Q说,他的回来,似乎也由于不满意城里人。
和文
阿Qが帰ってきたニュースは未庄全体に広まった。阿Qは挙人老爺の家で働いていたという。阿Qの話によると、彼が帰ってきたのは、城内の人に不満があったかららしい。
(18)
中文
然而不多久,这阿Q的大名忽又传遍了未庄的闺中。邹七嫂在阿Q那里买了一条蓝绸裙,赵白眼的母亲也买了一件孩子穿的大红洋纱衫。
和文
そうこうして阿Qの評判は未庄の女部屋にも広まった。邹七嫂は阿Qから一枚の納戸絹を買い、赵白眼の母親も一枚の子供用の真っ赤な羽織を買った。
(19)
中文
干是家人决议,便托邹七嫂即刻去寻阿Q。
赵太爷踱开去,眼睛打量着他的全身,一面说,“听说你有些旧东西,可以都拿来看一看。”
都完了。阿Q虽然答应着,却懒洋洋的出去了。
和文
趙家の人達が決議をして、邹七嫂に頼んで阿Qを呼んで来るように言った。
趙太爺が近づいてきて、阿Qの全身を見て言った。「古着をたくさん持っているそうだな。こちらに持ってきて見せるがいい。」
品物が完売しているため、阿Qは注文の返事をしたものの、気の進まない様子で出て行った。
(20)
中文
只有一班闲人们却还要寻根究底的去探阿Q的底细。阿Q也并不讳饰,傲然的说出它的经验来。
他们才知道,他不过是一个小脚色。只站在洞外接东西。他爬出城,逃回未庄来了。
和文
閑人が阿Qの内情を根掘り葉掘り探る。阿Qも隠しだてせずに、威張って自分の経験を話した。
閑人は阿Qが端役に過ぎないことを知る。彼は外に立って品物を受け取っただけ。そして、慌てて町から抜け出して、未荘に逃げて帰ってきた。
第7章 革命
(21)
中文
宣统三年九月十四日,有一只大乌篷船到了赵府上的河埠头。谣言很旺盛。
未庄的一群鸟男女的慌张的神情,也使阿Q更快意。
“革命也好罢,” 阿Q想, “革这伙妈妈的命。太可恶!太可恨! 便是我,也要投降党革命了。”
和文
宣統3年9月14日、一艘の大きな黒い篷船が趙家の桟橋に着いた。デマが乱れ飛んだ。
未荘村のクソ野郎の慌てふためく様子は痛快。
「革命もいいものだ。」と阿Qは思った。「こいつらを革命してやる。憎むべきだ!恨むべきだ!俺も革命党に寝返ってやる。」
(22)
中文
忽而似乎革命党便是自己,未庄人却都是他的俘虏了。禁不住大声的嚷道,“造反了!造反了!”
未庄人都用了惊惧的眼光对他看。这一种可怜的眼光,是阿Q从来没有见过的。
和文
突然、自分が革命党で未荘の人々が自分の捕虜のような気がして、「謀反だ、謀反だ」と叫ぶ。
未荘の人々は驚き恐れるような目つきで阿Qを見た。その憐れむべき目つきを阿Qはこれまで 1度も見たことがなかった。(同期/非同期)
(23)
中文
第二天他慢慢的跨开步,有意无意的走到静修庵。“革过一革的”,老尼姑说。
阿Q很出意外,不由的一错愕。
和文
次の日、のろのろ歩いているうちに、いつの間にか静修庵へ来ていた。尼僧から「革命は終わった」ことを聞く。
阿Qは全く思いもかけなかったため、驚いてうろたえる。(五感)
(24)
中文
赵秀才去拜访那历来也不相能的钱洋鬼子。立刻成了情投意合的同志,也相约去革命。
静修庵里有一块“皇帝万岁万万岁”的龙牌。龙牌已经碎在地上了,而且又不见了观音娘娘坐前的一个宣コ炉。
阿Q深怪他们不来招呼他。“我已经投降了革命党。”
和文
趙秀才はこれまで付き合いがなかったにせ毛唐を訪問し、意気投合して革命に進んだ。
静修庵に「皇帝万歳万万歳」の竜牌があった。この位牌は砕けて地上に転がり、観音様の前にあった宣徳時代の香炉も見当たらない。(記憶)
阿Qは自分を誘わなかったことを怨んだ。「阿Qはすでに革命党に寝返っている。」
第8章 革命許さず
(25)
中文
革命党虽然进了城,只有一件可怕的事是动手剪辫子。几天之后,将辫子盘在顶上的逐渐揄チ起来了。最先自然是茂才公,其次便是赵司晨和赵白眼,后来是阿Q。赵司晨走来,看见的人大嚷说,“革命党来了!”阿Q听到了很装轣B
和文
革命党が町に入ったが、恐ろしい事といえば、辮髪切りぐらい。数日たつと、未荘村でも辮髪を巻き上げる人が増えてきた。秀才、趙司晨、趙白眼、そして阿Qと続いた。趙司晨は革命党とはやし立てられた。阿Qはそれを聞いてうらやましく思った。(五感)
(26)
中文
他在街上走,人也看他,然而不说什么话。阿Q当初很不快,后来便很不平。
和文
阿Qが辮髪を巻き上げて、町を歩いていても、人々は何も言わない。阿Qは不愉快で不満に思う。(五感)
(27)
中文
小D也将辫子盘在头顶上了。阿Q万料不到他也敢这样做。
和文
小Dも辮髪を巻き上げていた。阿Qは夢にも思わなかった。(五感)
(28)
中文
进城去的只有一个假洋鬼子。赵秀才托假洋鬼子给自己绍介绍介,去进自由党。假洋鬼子回来时,向秀才讨还了四块洋钱。秀才便有一块银桃子挂在大襟上了。赵太爷因此也骤然大阔,见了阿Q,也就很有些不放在眼里了。阿Q正在不平,又时时刻刻感着冷落。
和文
にせ毛唐が町へ行き、趙秀才は彼の紹介で自由党に入った。帰ってくると、にせ毛唐は秀才に立替金として銀貨四円を請求した。秀才は襟に銀の桃をつけるようになった。趙太爺は威張りだし、阿Qに会っても目もくれない。不満のおり、刻々零落を感じた。(五感)
(29)
中文
要革命,第一着仍然要和革命党去结识。他
除却ー紧去和假洋鬼子商量之外,再没有别的道路了。
他一到里面,只见假洋鬼子正站在院子的中央,一身乌K的大约是洋衣,已经留到一尺多长的辫子都拆开了披在肩背上,赵白眼和三人闲人正在听说活。
和文
革命するには革命党と知り合いになる必要がある。急いでにせ毛唐に相談するしかない。
銭家の中に入ると、にせ毛唐が広場の真ん中に立ち、真黒な洋服を着て、一尺余りの辮髪は肩の上にほどき、趙白眼と三人の閑人が話を聞いている。
(30)
中文
洋先生不谁他革命,他所有的抱负,志向,希望,前程,全被一笔勾销了。他似乎从来没有经验过这样的无聊。
和文
にせ毛唐は阿Qに革命を許してくれない。彼が持っていた抱負、志向、希望、前途は、すべて帳消しになった。これまでにない、やるせない気持ち。
(31)
中文
他忽而听得一种导样的声音。一个人从对面逃来了。看那人便是小D。“赵家遭抢了!”阿Q的心怦怦的跳了。
和文
突然、ある種の異様な音を聞いた。逃げていく男がいる。小Dだ。趙家が襲われたという。阿Qの胸はどきどきと跳ねた。(五感)
(32)
中文
干是蹩出路角,仔细的听。两只脚却没有动。阿Q站着看到自己发烦。
和文
阿Qは道の角からそっと出て、じっと聞き耳を立てた。両足が動かない。立って見ているうちにイライラしてきた。(五感)
(33)
中文
没有自己的份,这全是假洋鬼子可恶,不谁我造反。阿Q越想越气,终于禁不住满心痛恨起来。
和文
分け前がない。これは全くあのにせ毛唐が憎たらしくも謀反を許さなかったからだ。阿Qは考えれば考えるほど腹が立ち、痛恨を抑えきれない。
第9章 大団円
(34)
中文
四天之后,阿Q在半夜里忽被抓进县城里去了。两个团丁将阿Q抓出来。他虽然有些忐忑,却并不很苦闷。“因为我想造反。”
和文
四日たったとき、阿Qは夜中に突然町へ引っ張られていった。二人の民兵が阿Qを捕まえた。阿Qは動揺するも、くよくよしない。謀反を考えたためだ。
(35)
中文
他到得大堂,上面座着一个老头子。他便知道这人一定有些来历,膝关节立刻自然而然的宽松,便跪了下去了。
和文
阿Qは役所の正堂に連れ込まれた。正面に老人が座っている。この人がいわくのある人と分かり、阿Qは膝の関節ががくがくし、ひざまずいてしまった。(五感)
(36)
中文
许多长衫和短衫人物,忽然给他穿上一件洋布的白背心。阿Q很气苦,因为这很像是带孝,而带孝是晦气的。
和文
長衣や短衣を着た人が突然阿Qにキャラコの白い袖なしを着せた。喪服に似ていて、縁起が悪いので、阿Qは気がクサクサした。(記憶)
(37)
中文
阿Q被拾上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处。这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面,阿Q没有见。
但他突然觉到了,这岂不是去杀头么?
和文
阿Qは幌のない車に押し上げられた。数人の人も一緒に乗った。車はすぐに動き出した。前方は鉄砲を担いだ兵隊と自衛団が歩いていた。両側は大勢の見物人が口を開けて見ていた。後ろは見えなかった。(同期/非同期)
しかし、突然打ち首になると感じた。(五感)
(38)
中文
他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的。
这是在游街,在示众。阿Q省悟了,这是绕到法场去的路。
和文
人として、天地に生まれてきた以上、もともと打ち首になることも仕方がないという思いがある。引き回しや見せしめになっている。刑場まで遠回りをしていることに気がつく。
(39)
中文
在路旁的人丛中发见了一个吴妈。很久连。
阿Q忽然很羞愧自己没志气,竟没有唱几句戏。
“好!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来。
和文
路端の人々の群れの中に吴妈を見つけた。久しぶりだ。(同期/非同期)
阿Qはしょんぼりとして、芝居の歌も歌えないことが恥ずかしい。
「いいぞ!」人混みの中に狼の吠えるような声が湧き上がった。
(40)
中文
阿Q于是再看那些喝采的人们。
四年之前,他曾在山脚下遇见一只俄狼。
和文
もう一度、喝采している人を見た。(同期/非同期)
阿Qは4年前に山麓で会った飢えた狼のことを思い出す。(記憶)
(41)
中文
可是永远记得那狼眼睛。又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉。他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走。
和文
狼の目のことはいつまでも覚えている。凶悪でキラキラとして鬼火のように、遠くからでも彼の肉体を刺し通す。これまでに見たこともない恐ろしい目(記憶)。彼の言葉だけでなく、肉体以外のものも噛み砕こうとする。近づきも離れもせずに、阿Qについてくる。(同期/非同期)
(42)
中文
这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂。他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的进散了。
和文
それらの目が一つになった(記憶)かと思うと、彼の魂に噛みついていた。阿Qは目の前が真っ暗になり、耳がガーンとなって、全身が飛び散っていくような気がした。(五感)
(43)
中文
至于舆论,在未庄是无异议,自然都说阿Q坏,被枪毙便是他的坏的证据。而城里的舆论却不佳。游了那么久的街,竞没有唱一句戏。
和文
世論について未荘では異議がなく、当然誰もが阿Qが悪いと言った。銃殺されたのは、彼が悪い証拠である。町の世論もよくなかった。長いこと街を引き回されたのに、阿Qは芝居の歌も歌えなかった。
(3)、(4)、(8)は、阿Qの精神的な勝利法を意味する妙計の説明になっている。通常、人に殴られて壁にぶつかれば、誰でもよく思うわけがない。阿Qの神経細胞が入力情報を伝えるため、出力が精神的な勝利の意味になれば、彼の勝利法はカオスの意味に近づいていく。また、(21)の内容は、魯迅が中国の社会を救済するために、肉体よりも精神の改造を求めたことを裏づけている。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
また、データの処理については、一応プロセスを設けている。阿Qの場合、解析イメージは、「記憶と馬虎」という組み合わせになる。これを「記憶とカオス」という生成イメージに近づけるため、場面を作業単位にしてL字の解析と生成を繰り返していく。阿Qの言動に関する主な入力と出力を確認していこう。
第1章 序
(1)
中文
我要做这一篇速朽的文章,便感到万分的困难了。第一是文章的名目。第二,我并不知道阿Q姓什么。第三,我又不知道阿Q的名字是怎么写的。第四,籍贯也就有些决不定。
和文
この一篇の朽ち易い文章を作るにあたり、甚だしく困難を感じた。第一に題目の設定が難しい。第二に阿Qの姓名が不明である。第三に阿Qの名がどういう字なのか分からない。第四に阿Qの本籍地も不明である。
第2章 勝利の概略
(2)
中文
最恼人的是在他头皮上,颇有几处不知于何时的癞疮疤。未庄的閑人们便愈喜欢玩笑他。“哙,亮起来了。”阿Q照例的发了怒,他怒目而视了。
和文
とりわけ人に嫌われるのは、彼の頭の表面のあちこちに、いつできたとも知れない瘡禿があることであった。
未庄の閑人たちは付け上がって彼を嬲りものにした。「おや、明るくなったな。」阿Qは怒り出して、目をむいて睨む。(五感)
(3)
中文
“原来有保险灯在这里!”他们并不怕。“你还不配。”这时候,又仿佛在他头上的是一种高尚的光容的癞头疮,并非平常的癞头疮了。
和文
閑人たちは一向に平気で、「なんと、安全ランプがここにある。」「おまえらにはあるまい。」この時、阿Qの頭にあるものは、高尚で光栄ある瘡禿であって、普通の瘡禿ではない。
(4)
中文
他有这一种精神上的胜利法。
“阿Q,这不是儿子打老子,是人打畜生。自己说,人打畜生!”
“打虫豸,好不好?我是虫豸-还不放么?”
他觉得他是第一个能够自轻自贱的人,除了“自轻自贱”不算外,余下的就是“第一个”。
和文
阿Qには精神的な勝利法がある。
「これは息子が親父を殴るんではないぞ。人間が畜生を殴るんだ。自分で言ってみろ。人間が畜生を殴るんだ。」
「虫けらを殴るんだ、これでいいかい?おいらは虫けらだよ−もう放してくれよ。」
阿Qは自分を自ら軽んじ自ら賤しむことができる第一人者だと思っている。そこから「自ら軽んじ自ら賤しむ」を除くと、残りは「第一人者」だけになる。(この妙計が阿Qの勝利法。)
第3章 続・勝利の概略
(5)
中文
他看见王胡在那里赤着膊捉虱子。他忽然觉得身上也痒起来了。
和文
阿Qはひげの王が肌脱ぎになって虱を取っているのを見た。自分の体までが痒くなってくるのを覚えた。(五感)
(6)
中文
阿Q非常渺视他。阿Q以为他要逃了,抢进去就是一拳。这拳头还未达到身上,已经被他抓住了,王胡一连给他碰了五下。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第一件的屈辱。
和文
阿Qはひげの王をすこぶる軽蔑していた。阿Qはひげの王が逃げようとしていると思い、飛びかかり殴りかかった。その拳骨がまだ相手の身体に届かぬうちに彼に捕まって、壁に五回ぶつけられた。阿Qの記憶では、これがおそらくこの頃の最初の屈辱である。(記憶)
(7)
中文
远远的走来了一个人,就是钱太爷的大儿子(“假洋鬼子”,“里通外国的人”)。阿Q一见他,一定在肚子里暗暗的咒骂。阿Q龙其“深恶而痛绝之”的,是他的一条假辫子。
和文
銭太爺の長男(にせ毛唐、外国人の一味)がやって来た。阿Qは一目見て、腹の中で罵倒する。阿Qがとりわけ「深く悪みて之を痛しく絶った」のは、彼のかつらの辮髪であった。(五感)
(8)
中文
“秃儿”, 阿Q便不由的轻轻的说出来了,这秃儿大踏步走了过来,打在自己头上了。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第二件的屈辱。“忘却”这一件祖传的宝贝也发生了较力。
和文
「坊主頭」と阿Qは思わず小さく口に出してしまった。「坊主頭」は大またで近づいてきて、阿Qの頭を打った。阿Qの記憶では、これが恐らくこの頃の二度目の屈辱といってよい。(記憶)忘却という祖先伝来の宝がまたも効力を発揮した。
(9)
中文
阿Q便在平时,看见小尼姑也一定要唾骂,而况在屈辱之后呢?他于是发生了回忆,又发生了敌忾了。
“秃儿!快回去,和尚等着你。”
“你怎么动手动脚。”
“和尚动得,我动不得?” 他扭住伊的面颊。
和文
阿Qは普段でも、尼を見ると唾を吐きかけてどなりたくなる。屈辱の後故に、記憶を蘇らせて、敵愾心を起こした。(記憶)
「坊主頭、早く帰れ、和尚さんが待っているぞ。」
「どうしてふざけるのです。」
「和尚さんならふざけてもよいが、俺はいかんのか。」阿Qは彼女のほっぺたをつねった。
第4章 恋愛の悲劇
(10)
中文
他是永远得意的。
“断子绝孙的阿Q!”他想,应该一个女人。
阿Q本来也是正人,他对于“男女之大防”却历来非常严。
他将到“而立”之年,竟被小尼姑害得飘飘然了。
和文
阿Qは永遠に得意である。
「跡取りなしの罰あたりの阿Q!」女がいなければいかん。
阿Qも本来まじめな人間で、「男女の掟」には厳格である。
阿Qは三十になってついに若い尼に悩まされ、フラフラになったことがある。(記憶)
(11)
中文
吴妈是赵大爷家里的女仆,洗完了碗碟, 也就在长凳上坐下了,而且和阿Q淡闲天。
阿Q放下烟管,站了起来。“我和你困觉,我和你困觉!”。阿Q忽然抢上去,对伊跪下了。
和文
吴妈は趙家の女僕であった。皿小鉢を洗い終わると彼女も腰掛けに座り、阿Qと無駄話をした。
阿Qは煙管を置いて立ち上がった。突然、「俺と寝よう、俺と寝よう」と言って、早足に歩み寄り下女に膝まづいた。
(12)
中文
那秀才便拿了一支大竹杠。大竹杠又向他劈下来了。阿Q两手去抢头,拍的正打在指节上,这可恨有些痛。他那“女・・・”的思想却也没有了。
和文
秀才が大きな竹の棒を持っていて、それが真っ向から阿Qめがけて振り下ろされた。阿Qは両手を抱頭に抱えていた。当たったところはちょうど指の真上で、本当に痛かった。女・・・という思いは消えた。(記憶)
(13)
中文
吴妈只是哭。赵大爷向他奔来,而且手里捏着一支大竹杠。他看见这一支大竹杠,便猛然间悟到自己曾经被打似乎有点相关,翻身便走。
和文
下女がずっと泣いている。趙太爺が大きな竹の棒を持って、阿Q目掛けてかけてきた。阿Qはこの竹の棒を見て、自分が前に打たれたことに関わることだと悟って、身を翻して逃げた。(記憶)
(14)
中文
然而地保进来了,订定了五条件。阿Q自然都答应了。
和文
そうこうするうちに村の役人がやってきて、五カ条の取り決めを結ぶ。阿Qはもちろん承諾した。
第5章 生計問題
(15)
中文
这小子竟谋了他的饭碗去。这一场“龙虎斗”似乎并无胜败。
和文
阿Qは小Dに仕事を取られた。この「竜虎の戦い」の一幕は、決着がつかなかった。
(16)
中文
阿Q在路上走着要“求食”,终于走到静修庵的墙外了。他便ー紧拔起四个萝卜,待三个萝卜吃完时,他已经打定了进城的主意了。
和文
阿Qは食を求めて歩き続け、ついに静修庵の堀の外まで来た。菜園の大根を四本抜いて三本食べ終わったとき、阿Qはもう町へ行く決心を固めていた。
第6章 中興の末路
(17)
中文
阿Q回来了。这一件新闻便传遍了全未庄。他是在举人老爷家里帮忙。据阿Q说,他的回来,似乎也由于不满意城里人。
和文
阿Qが帰ってきたニュースは未庄全体に広まった。阿Qは挙人老爺の家で働いていたという。阿Qの話によると、彼が帰ってきたのは、城内の人に不満があったかららしい。
(18)
中文
然而不多久,这阿Q的大名忽又传遍了未庄的闺中。邹七嫂在阿Q那里买了一条蓝绸裙,赵白眼的母亲也买了一件孩子穿的大红洋纱衫。
和文
そうこうして阿Qの評判は未庄の女部屋にも広まった。邹七嫂は阿Qから一枚の納戸絹を買い、赵白眼の母親も一枚の子供用の真っ赤な羽織を買った。
(19)
中文
干是家人决议,便托邹七嫂即刻去寻阿Q。
赵太爷踱开去,眼睛打量着他的全身,一面说,“听说你有些旧东西,可以都拿来看一看。”
都完了。阿Q虽然答应着,却懒洋洋的出去了。
和文
趙家の人達が決議をして、邹七嫂に頼んで阿Qを呼んで来るように言った。
趙太爺が近づいてきて、阿Qの全身を見て言った。「古着をたくさん持っているそうだな。こちらに持ってきて見せるがいい。」
品物が完売しているため、阿Qは注文の返事をしたものの、気の進まない様子で出て行った。
(20)
中文
只有一班闲人们却还要寻根究底的去探阿Q的底细。阿Q也并不讳饰,傲然的说出它的经验来。
他们才知道,他不过是一个小脚色。只站在洞外接东西。他爬出城,逃回未庄来了。
和文
閑人が阿Qの内情を根掘り葉掘り探る。阿Qも隠しだてせずに、威張って自分の経験を話した。
閑人は阿Qが端役に過ぎないことを知る。彼は外に立って品物を受け取っただけ。そして、慌てて町から抜け出して、未荘に逃げて帰ってきた。
第7章 革命
(21)
中文
宣统三年九月十四日,有一只大乌篷船到了赵府上的河埠头。谣言很旺盛。
未庄的一群鸟男女的慌张的神情,也使阿Q更快意。
“革命也好罢,” 阿Q想, “革这伙妈妈的命。太可恶!太可恨! 便是我,也要投降党革命了。”
和文
宣統3年9月14日、一艘の大きな黒い篷船が趙家の桟橋に着いた。デマが乱れ飛んだ。
未荘村のクソ野郎の慌てふためく様子は痛快。
「革命もいいものだ。」と阿Qは思った。「こいつらを革命してやる。憎むべきだ!恨むべきだ!俺も革命党に寝返ってやる。」
(22)
中文
忽而似乎革命党便是自己,未庄人却都是他的俘虏了。禁不住大声的嚷道,“造反了!造反了!”
未庄人都用了惊惧的眼光对他看。这一种可怜的眼光,是阿Q从来没有见过的。
和文
突然、自分が革命党で未荘の人々が自分の捕虜のような気がして、「謀反だ、謀反だ」と叫ぶ。
未荘の人々は驚き恐れるような目つきで阿Qを見た。その憐れむべき目つきを阿Qはこれまで 1度も見たことがなかった。(同期/非同期)
(23)
中文
第二天他慢慢的跨开步,有意无意的走到静修庵。“革过一革的”,老尼姑说。
阿Q很出意外,不由的一错愕。
和文
次の日、のろのろ歩いているうちに、いつの間にか静修庵へ来ていた。尼僧から「革命は終わった」ことを聞く。
阿Qは全く思いもかけなかったため、驚いてうろたえる。(五感)
(24)
中文
赵秀才去拜访那历来也不相能的钱洋鬼子。立刻成了情投意合的同志,也相约去革命。
静修庵里有一块“皇帝万岁万万岁”的龙牌。龙牌已经碎在地上了,而且又不见了观音娘娘坐前的一个宣コ炉。
阿Q深怪他们不来招呼他。“我已经投降了革命党。”
和文
趙秀才はこれまで付き合いがなかったにせ毛唐を訪問し、意気投合して革命に進んだ。
静修庵に「皇帝万歳万万歳」の竜牌があった。この位牌は砕けて地上に転がり、観音様の前にあった宣徳時代の香炉も見当たらない。(記憶)
阿Qは自分を誘わなかったことを怨んだ。「阿Qはすでに革命党に寝返っている。」
第8章 革命許さず
(25)
中文
革命党虽然进了城,只有一件可怕的事是动手剪辫子。几天之后,将辫子盘在顶上的逐渐揄チ起来了。最先自然是茂才公,其次便是赵司晨和赵白眼,后来是阿Q。赵司晨走来,看见的人大嚷说,“革命党来了!”阿Q听到了很装轣B
和文
革命党が町に入ったが、恐ろしい事といえば、辮髪切りぐらい。数日たつと、未荘村でも辮髪を巻き上げる人が増えてきた。秀才、趙司晨、趙白眼、そして阿Qと続いた。趙司晨は革命党とはやし立てられた。阿Qはそれを聞いてうらやましく思った。(五感)
(26)
中文
他在街上走,人也看他,然而不说什么话。阿Q当初很不快,后来便很不平。
和文
阿Qが辮髪を巻き上げて、町を歩いていても、人々は何も言わない。阿Qは不愉快で不満に思う。(五感)
(27)
中文
小D也将辫子盘在头顶上了。阿Q万料不到他也敢这样做。
和文
小Dも辮髪を巻き上げていた。阿Qは夢にも思わなかった。(五感)
(28)
中文
进城去的只有一个假洋鬼子。赵秀才托假洋鬼子给自己绍介绍介,去进自由党。假洋鬼子回来时,向秀才讨还了四块洋钱。秀才便有一块银桃子挂在大襟上了。赵太爷因此也骤然大阔,见了阿Q,也就很有些不放在眼里了。阿Q正在不平,又时时刻刻感着冷落。
和文
にせ毛唐が町へ行き、趙秀才は彼の紹介で自由党に入った。帰ってくると、にせ毛唐は秀才に立替金として銀貨四円を請求した。秀才は襟に銀の桃をつけるようになった。趙太爺は威張りだし、阿Qに会っても目もくれない。不満のおり、刻々零落を感じた。(五感)
(29)
中文
要革命,第一着仍然要和革命党去结识。他
除却ー紧去和假洋鬼子商量之外,再没有别的道路了。
他一到里面,只见假洋鬼子正站在院子的中央,一身乌K的大约是洋衣,已经留到一尺多长的辫子都拆开了披在肩背上,赵白眼和三人闲人正在听说活。
和文
革命するには革命党と知り合いになる必要がある。急いでにせ毛唐に相談するしかない。
銭家の中に入ると、にせ毛唐が広場の真ん中に立ち、真黒な洋服を着て、一尺余りの辮髪は肩の上にほどき、趙白眼と三人の閑人が話を聞いている。
(30)
中文
洋先生不谁他革命,他所有的抱负,志向,希望,前程,全被一笔勾销了。他似乎从来没有经验过这样的无聊。
和文
にせ毛唐は阿Qに革命を許してくれない。彼が持っていた抱負、志向、希望、前途は、すべて帳消しになった。これまでにない、やるせない気持ち。
(31)
中文
他忽而听得一种导样的声音。一个人从对面逃来了。看那人便是小D。“赵家遭抢了!”阿Q的心怦怦的跳了。
和文
突然、ある種の異様な音を聞いた。逃げていく男がいる。小Dだ。趙家が襲われたという。阿Qの胸はどきどきと跳ねた。(五感)
(32)
中文
干是蹩出路角,仔细的听。两只脚却没有动。阿Q站着看到自己发烦。
和文
阿Qは道の角からそっと出て、じっと聞き耳を立てた。両足が動かない。立って見ているうちにイライラしてきた。(五感)
(33)
中文
没有自己的份,这全是假洋鬼子可恶,不谁我造反。阿Q越想越气,终于禁不住满心痛恨起来。
和文
分け前がない。これは全くあのにせ毛唐が憎たらしくも謀反を許さなかったからだ。阿Qは考えれば考えるほど腹が立ち、痛恨を抑えきれない。
第9章 大団円
(34)
中文
四天之后,阿Q在半夜里忽被抓进县城里去了。两个团丁将阿Q抓出来。他虽然有些忐忑,却并不很苦闷。“因为我想造反。”
和文
四日たったとき、阿Qは夜中に突然町へ引っ張られていった。二人の民兵が阿Qを捕まえた。阿Qは動揺するも、くよくよしない。謀反を考えたためだ。
(35)
中文
他到得大堂,上面座着一个老头子。他便知道这人一定有些来历,膝关节立刻自然而然的宽松,便跪了下去了。
和文
阿Qは役所の正堂に連れ込まれた。正面に老人が座っている。この人がいわくのある人と分かり、阿Qは膝の関節ががくがくし、ひざまずいてしまった。(五感)
(36)
中文
许多长衫和短衫人物,忽然给他穿上一件洋布的白背心。阿Q很气苦,因为这很像是带孝,而带孝是晦气的。
和文
長衣や短衣を着た人が突然阿Qにキャラコの白い袖なしを着せた。喪服に似ていて、縁起が悪いので、阿Qは気がクサクサした。(記憶)
(37)
中文
阿Q被拾上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处。这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面,阿Q没有见。
但他突然觉到了,这岂不是去杀头么?
和文
阿Qは幌のない車に押し上げられた。数人の人も一緒に乗った。車はすぐに動き出した。前方は鉄砲を担いだ兵隊と自衛団が歩いていた。両側は大勢の見物人が口を開けて見ていた。後ろは見えなかった。(同期/非同期)
しかし、突然打ち首になると感じた。(五感)
(38)
中文
他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的。
这是在游街,在示众。阿Q省悟了,这是绕到法场去的路。
和文
人として、天地に生まれてきた以上、もともと打ち首になることも仕方がないという思いがある。引き回しや見せしめになっている。刑場まで遠回りをしていることに気がつく。
(39)
中文
在路旁的人丛中发见了一个吴妈。很久连。
阿Q忽然很羞愧自己没志气,竟没有唱几句戏。
“好!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来。
和文
路端の人々の群れの中に吴妈を見つけた。久しぶりだ。(同期/非同期)
阿Qはしょんぼりとして、芝居の歌も歌えないことが恥ずかしい。
「いいぞ!」人混みの中に狼の吠えるような声が湧き上がった。
(40)
中文
阿Q于是再看那些喝采的人们。
四年之前,他曾在山脚下遇见一只俄狼。
和文
もう一度、喝采している人を見た。(同期/非同期)
阿Qは4年前に山麓で会った飢えた狼のことを思い出す。(記憶)
(41)
中文
可是永远记得那狼眼睛。又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉。他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走。
和文
狼の目のことはいつまでも覚えている。凶悪でキラキラとして鬼火のように、遠くからでも彼の肉体を刺し通す。これまでに見たこともない恐ろしい目(記憶)。彼の言葉だけでなく、肉体以外のものも噛み砕こうとする。近づきも離れもせずに、阿Qについてくる。(同期/非同期)
(42)
中文
这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂。他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的进散了。
和文
それらの目が一つになった(記憶)かと思うと、彼の魂に噛みついていた。阿Qは目の前が真っ暗になり、耳がガーンとなって、全身が飛び散っていくような気がした。(五感)
(43)
中文
至于舆论,在未庄是无异议,自然都说阿Q坏,被枪毙便是他的坏的证据。而城里的舆论却不佳。游了那么久的街,竞没有唱一句戏。
和文
世論について未荘では異議がなく、当然誰もが阿Qが悪いと言った。銃殺されたのは、彼が悪い証拠である。町の世論もよくなかった。長いこと街を引き回されたのに、阿Qは芝居の歌も歌えなかった。
(3)、(4)、(8)は、阿Qの精神的な勝利法を意味する妙計の説明になっている。通常、人に殴られて壁にぶつかれば、誰でもよく思うわけがない。阿Qの神経細胞が入力情報を伝えるため、出力が精神的な勝利の意味になれば、彼の勝利法はカオスの意味に近づいていく。また、(21)の内容は、魯迅が中国の社会を救済するために、肉体よりも精神の改造を求めたことを裏づけている。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」6
2 魯迅とカオス
2.1 阿Q正伝
中国近代文学の父魯迅(1881−1936)は、辛亥革命(1911)を境にして新旧の革命の時代に生きた矛盾を持つ存在であった。自己を現在、過去、未来と時間化するために、古い慣習を捨ててその時その時に覚醒を求めた。文体は従容不迫(落ち着き払って慌てないという意味)で、短編が持ち場である。欧州の文芸や思想並びに夏目漱石(1867−1916)や森鴎外(1862−1922)の作品を読破した。1904年9月に仙台医学専門学校に入学して医学を学ぶ。処女作「狂人日記」(1918)は、中国近代文学史上初めて口語調で書かれた。
清朝末期の旧中国は、帝国主義の列強国に侵略されて、半封建的な社会になっていた。そのため、民衆の心には、「馬々虎々」(詐欺をも含む人間的ないい加減さ)という悪霊が無意識のうちに存在していた。魯迅は、支配者により利用され、中国民衆を苦しめた「馬々虎々」という病を嫌い、これと真っ向から戦った。そして、中国の現実社会を「人が人を食う社会」ととらえて、救済するには肉体よりも精神の改造が必要であるとした。
また、儒教を強く批判した。儒教が教える「三鋼五常」(君臣、父子、夫婦の道、仁、義、礼、知、信)は、ごまかしが巧みな支配階級を成立させてしまい、中国の支配層の道具立てになっていた。時代の背景では五四運動がある。1919年5月4日、第一次世界大戦のパリ講和条約で旧ドイツ租借地の山東省の権益が日本により継承されることになったのを受けて、天安門で北京大学の学生が反日デモを繰り返した。
この五四運動は、1921年の中国共産党成立にも影響があることから、政治的にも文化的にも影響が大きかった。魯迅は弟周作人とともに新文化運動の前線に立ち、辛亥革命の不徹底を批判しつつ、反帝国主義、反封建主義の立場を堅持した。また、魯迅は自らを阿Qに託して、阿Qや周囲の人々が銃殺される罪人を陶酔しながら喝采する精神の持ち主だと評した。(郑择魁:1978)
文学作品は一般的に時代とか社会生活を反映しており、描かれる社会生活には、作者の個性や感性を通した独特の趣がある。作者の思いは登場人物を形象化することにより表現され、それが読者に芸術的な感動を与える。(山本2002)魯迅の生き写しである阿Qを追いながら、作品に見られる「馬々虎々」の様子を見ていきこう。特に、阿Qが五感で捕らえた情報と意識や無意識との関連づけを入出力の対象にする。
まず、阿Qの言語特性をまとめておこう。郑择魁(1978)は、「阿Q正伝」の言語特性として、@口語化(白話文)、A正確、鮮明で生き生きとした描写、B人物の高度な個性化、C中傷、ユーモア、婉曲表現、反語を挙げている。また、毛沢東も「阿Q正伝」が辛亥革命の失敗を反映しつつ、芸術の枠組みでこの革命の歴史的教訓を伝えていると述べている。
言語特性@
具体例 毛沢東が「阿Q正伝」に言及したとき、通俗化と口語化を特に評価した。
言語特性A
具体例 肃然(粛然とした)、赧然(恥ずかしそうな)、凛然(厳然とした)、悚然(怖がる)、欣然(喜び勇んだ)などの形容詞を用いて、民衆の表情を正確で生き生きとはっきり描いている。
言語特性B
具体例 系図によると、阿Qは趙太爺の息子より三代上で、未荘村の地蔵堂に住む日雇い労働者である。辮髪は茶色だが、瘡禿げを気にしている。嗜好品は酒と煙草で、自尊心が強い。阿Qには勝利法があり、心の中で思っていることを後から口に出す。とりあえず都合よくものを考える。伝家の宝刀が忘却であるため、気分屋で、賭博のときは一番声が大きい。町へ行って金を稼いで戻ってきて、未荘村の人たちにその様子を語る。しかし、結局、町で盗みのプロに手を貸すコソ泥に過ぎなかったことがわかる。
言語特性C
具体例 自覚の足りない阿Qのことを描きながら、彼を覚醒させようとする。風刺の裏に作者の情熱と希望が隠されている。男女の掟に厳格であり、元来、真面目な人間である。国家の興亡の責任は、男にあるとする。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
2.1 阿Q正伝
中国近代文学の父魯迅(1881−1936)は、辛亥革命(1911)を境にして新旧の革命の時代に生きた矛盾を持つ存在であった。自己を現在、過去、未来と時間化するために、古い慣習を捨ててその時その時に覚醒を求めた。文体は従容不迫(落ち着き払って慌てないという意味)で、短編が持ち場である。欧州の文芸や思想並びに夏目漱石(1867−1916)や森鴎外(1862−1922)の作品を読破した。1904年9月に仙台医学専門学校に入学して医学を学ぶ。処女作「狂人日記」(1918)は、中国近代文学史上初めて口語調で書かれた。
清朝末期の旧中国は、帝国主義の列強国に侵略されて、半封建的な社会になっていた。そのため、民衆の心には、「馬々虎々」(詐欺をも含む人間的ないい加減さ)という悪霊が無意識のうちに存在していた。魯迅は、支配者により利用され、中国民衆を苦しめた「馬々虎々」という病を嫌い、これと真っ向から戦った。そして、中国の現実社会を「人が人を食う社会」ととらえて、救済するには肉体よりも精神の改造が必要であるとした。
また、儒教を強く批判した。儒教が教える「三鋼五常」(君臣、父子、夫婦の道、仁、義、礼、知、信)は、ごまかしが巧みな支配階級を成立させてしまい、中国の支配層の道具立てになっていた。時代の背景では五四運動がある。1919年5月4日、第一次世界大戦のパリ講和条約で旧ドイツ租借地の山東省の権益が日本により継承されることになったのを受けて、天安門で北京大学の学生が反日デモを繰り返した。
この五四運動は、1921年の中国共産党成立にも影響があることから、政治的にも文化的にも影響が大きかった。魯迅は弟周作人とともに新文化運動の前線に立ち、辛亥革命の不徹底を批判しつつ、反帝国主義、反封建主義の立場を堅持した。また、魯迅は自らを阿Qに託して、阿Qや周囲の人々が銃殺される罪人を陶酔しながら喝采する精神の持ち主だと評した。(郑择魁:1978)
文学作品は一般的に時代とか社会生活を反映しており、描かれる社会生活には、作者の個性や感性を通した独特の趣がある。作者の思いは登場人物を形象化することにより表現され、それが読者に芸術的な感動を与える。(山本2002)魯迅の生き写しである阿Qを追いながら、作品に見られる「馬々虎々」の様子を見ていきこう。特に、阿Qが五感で捕らえた情報と意識や無意識との関連づけを入出力の対象にする。
まず、阿Qの言語特性をまとめておこう。郑择魁(1978)は、「阿Q正伝」の言語特性として、@口語化(白話文)、A正確、鮮明で生き生きとした描写、B人物の高度な個性化、C中傷、ユーモア、婉曲表現、反語を挙げている。また、毛沢東も「阿Q正伝」が辛亥革命の失敗を反映しつつ、芸術の枠組みでこの革命の歴史的教訓を伝えていると述べている。
言語特性@
具体例 毛沢東が「阿Q正伝」に言及したとき、通俗化と口語化を特に評価した。
言語特性A
具体例 肃然(粛然とした)、赧然(恥ずかしそうな)、凛然(厳然とした)、悚然(怖がる)、欣然(喜び勇んだ)などの形容詞を用いて、民衆の表情を正確で生き生きとはっきり描いている。
言語特性B
具体例 系図によると、阿Qは趙太爺の息子より三代上で、未荘村の地蔵堂に住む日雇い労働者である。辮髪は茶色だが、瘡禿げを気にしている。嗜好品は酒と煙草で、自尊心が強い。阿Qには勝利法があり、心の中で思っていることを後から口に出す。とりあえず都合よくものを考える。伝家の宝刀が忘却であるため、気分屋で、賭博のときは一番声が大きい。町へ行って金を稼いで戻ってきて、未荘村の人たちにその様子を語る。しかし、結局、町で盗みのプロに手を貸すコソ泥に過ぎなかったことがわかる。
言語特性C
具体例 自覚の足りない阿Qのことを描きながら、彼を覚醒させようとする。風刺の裏に作者の情熱と希望が隠されている。男女の掟に厳格であり、元来、真面目な人間である。国家の興亡の責任は、男にあるとする。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」5
1.4 ユングの影響
サピアに影響を与えたのはユング(1875−1961)です。ユングは、忘却や抑圧といった個人的無意識により意識されなくなった知覚に対して、個人を超越した普遍的な集合的無意識を提唱した。例えば、無意識の行動パターンという論旨にもあるように、サピアにとって無意識は重要な概念になっている。
また、言語の偏流についても、言語社会が無意識のうちにある方向を選んでいるとする。つまり、これが集合的無意識の思想になり、文化活動なども社会において無意識にパターン化されていく。サピアの言語類型論は、社会や文化のメタファーのみならず、文化人類学にも影響を与えているといわれている。(サピア:1998)
ユングの心理学は、人間の中にある心象を意識と関連づけることにより、人格全体を回復させようとする。この心象と意識の関連づけに一役買ったのが錬金術である。錬金術とは、古代エジプトに始まり、中世ヨーロッパで流行した鉄のような非金属から金や銀といった貴金属を作るための化学技術のことである。また、不老不死の万能薬を調合するための技術としても使われた。
ユングは、こうした化学史のみならず、無意識との関係から宗教や精神心理の意味合いをも含めた現代的な錬金術の意義を再評価し、中国の錬金術書「黄金の華の秘密」の読解にも従事した。
無意識の状態からエピソード記憶が喚起することも知られている。過去の出来事を喚起させる刺激は、確かに無意識と類似しており、深層心理と関係がありそうである。しかし、全く無関係な刺激を通してあるエピソードが喚起されることもある。これが無意識と関連する。ユング心理学は、「秩序」−「無秩序」−「より高次の秩序」という過程で人間の心をとらえて行く。エゴ(自我)には一定の秩序があるため、そこに意識が生まれ、その周囲に無秩序状態の無意識があり、それらが統合されてより高次の秩序セルフ(自己)が生まれる。
平たくいえば、意識とは、無意識に対して、はっきりとした自律的な心の働きがあり、状況や問題のありようなどを自ら認識していることをいう。一方、無意識とは、通常、意識されていない心の領域とか過程のことである。つまり、無意識の働きは、大脳皮質中枢の本能的・反射的過程のみに限定されず、意識のかなたにも及び、様々な象徴に支えられて未来の意識過程をも予知することができる。さらに記憶の分類でいうと、長期記憶の非陳述記憶のうちプライミング記憶に無意識が見られる。
次章では、魯迅が自身を託した「阿Q正伝」の主人公阿Qの言動にからむ言語情報を頼りにして、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作っていく。例えば、小説の舞台である未荘村の人たちの無意識の言動は、サピアのいう言語の偏流である。当時の中国社会に蔓延していた「馬々虎々」が集合的無意識の思想になり、社会において無意識のうちにパターン化された。それに対する阿Qの意識と無意識に絡む言動は、未荘人とは全く異なる革命をもにおわせるものである。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアに影響を与えたのはユング(1875−1961)です。ユングは、忘却や抑圧といった個人的無意識により意識されなくなった知覚に対して、個人を超越した普遍的な集合的無意識を提唱した。例えば、無意識の行動パターンという論旨にもあるように、サピアにとって無意識は重要な概念になっている。
また、言語の偏流についても、言語社会が無意識のうちにある方向を選んでいるとする。つまり、これが集合的無意識の思想になり、文化活動なども社会において無意識にパターン化されていく。サピアの言語類型論は、社会や文化のメタファーのみならず、文化人類学にも影響を与えているといわれている。(サピア:1998)
ユングの心理学は、人間の中にある心象を意識と関連づけることにより、人格全体を回復させようとする。この心象と意識の関連づけに一役買ったのが錬金術である。錬金術とは、古代エジプトに始まり、中世ヨーロッパで流行した鉄のような非金属から金や銀といった貴金属を作るための化学技術のことである。また、不老不死の万能薬を調合するための技術としても使われた。
ユングは、こうした化学史のみならず、無意識との関係から宗教や精神心理の意味合いをも含めた現代的な錬金術の意義を再評価し、中国の錬金術書「黄金の華の秘密」の読解にも従事した。
無意識の状態からエピソード記憶が喚起することも知られている。過去の出来事を喚起させる刺激は、確かに無意識と類似しており、深層心理と関係がありそうである。しかし、全く無関係な刺激を通してあるエピソードが喚起されることもある。これが無意識と関連する。ユング心理学は、「秩序」−「無秩序」−「より高次の秩序」という過程で人間の心をとらえて行く。エゴ(自我)には一定の秩序があるため、そこに意識が生まれ、その周囲に無秩序状態の無意識があり、それらが統合されてより高次の秩序セルフ(自己)が生まれる。
平たくいえば、意識とは、無意識に対して、はっきりとした自律的な心の働きがあり、状況や問題のありようなどを自ら認識していることをいう。一方、無意識とは、通常、意識されていない心の領域とか過程のことである。つまり、無意識の働きは、大脳皮質中枢の本能的・反射的過程のみに限定されず、意識のかなたにも及び、様々な象徴に支えられて未来の意識過程をも予知することができる。さらに記憶の分類でいうと、長期記憶の非陳述記憶のうちプライミング記憶に無意識が見られる。
次章では、魯迅が自身を託した「阿Q正伝」の主人公阿Qの言動にからむ言語情報を頼りにして、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作っていく。例えば、小説の舞台である未荘村の人たちの無意識の言動は、サピアのいう言語の偏流である。当時の中国社会に蔓延していた「馬々虎々」が集合的無意識の思想になり、社会において無意識のうちにパターン化された。それに対する阿Qの意識と無意識に絡む言動は、未荘人とは全く異なる革命をもにおわせるものである。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」4
1.3 母語の構造−サピア・ウォーフの仮説
サピアと彼の弟子ウォーフの主張は、母語の異なる話し手は相互理解が難しいとか、異なる言語間の完全な翻訳は不可能であるといった強いものではなく、もう少し弱い立場に立った言語の相対性といえる。(サピア:1998)
サピア・ウォーフの仮説:母語の構造とは、言語から独立した思考、特に人の認知能力に対する影響が強い。
この仮説に関する一般的な解釈は、言語が思考に少なからず影響を与えるという立場を取る。しかし、思考のどういう側面に影響を与えるのであろうか。思考の場合は、対象のとらえ方や判断の仕方に関する高次の認知能力が問題になる。
アメリカの言語学は当初、音へのこだわりがあり、音と構文を中心に研究が進められた。その後、1970年ぐらいまで個々に扱われてきた言語理論が少しずつ融合されていく。1980年代から1990年代にかけては、コンピューターの発達もあり多くの研究分野で新しい試みが生まれた。例えば、言語学では生成文法と論理文法を組み合わせたGPSG(一般化句構造文法:Generalized Phrase Structure Grammar)(1985)やHPSG(主要部駆動句構造文法:Head Driven Phrase Structure Grammar)(1994)がそれに当たる。また、こうした理論や方法論を使用する作品分析も見られるようになってきた。(水谷:1998、花村:2005)いずれも人間の認知能力を考えるための試みである。
知覚や記憶の場合も言語のみならず認知能力が問題になる。(例えば、第一章の表1参照。)どういう記憶が残りやすいのか、記憶ごとの結びつきはどうなのかを考えると、社会共同体ごとに違いが見えてくる。一般的に、既知の情報については推論を用いて、未知の情報についてはカテゴリー化をして我々は情報を処理している。
未知の情報を処理する際に使用するカテゴリー化は、母語の構造により異なってくる。中国語と日本語は、色彩表現のカテゴリー化に違いがあり。例えば、日本語の青という色名の中国語を考えてみよう。空とか海の色を表す時に、中国語では藍(蓝)を用いて、蓝天(青空)や蓝色的大海(青い海)のようにいう。また、青信号、草木、水などの表現は、中国語では緑を用いて绿灯(青信号)、绿叶(青葉)、碧绿的湖(青々とした湖水)という。一方、日本語と同様に青を用いて、青马(青馬)とか青菜(青い野菜)という表現もある。(小学館中日辞典)つまり、中国語の色の表現は、日本語に比べて具体的でかつ多用といえる。
サピア・ウォーフの仮説を現代の視点からとらえ直すには、日常の生活に密着した習慣的な思考と動的な言語や思考の概念を取り入れることが重要になる。つまり、思考の意味するところを広げて、言語行為による慣習が文化とか社会の認知にも影響を及ぼしているとするのが経験から見て適切である。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアと彼の弟子ウォーフの主張は、母語の異なる話し手は相互理解が難しいとか、異なる言語間の完全な翻訳は不可能であるといった強いものではなく、もう少し弱い立場に立った言語の相対性といえる。(サピア:1998)
サピア・ウォーフの仮説:母語の構造とは、言語から独立した思考、特に人の認知能力に対する影響が強い。
この仮説に関する一般的な解釈は、言語が思考に少なからず影響を与えるという立場を取る。しかし、思考のどういう側面に影響を与えるのであろうか。思考の場合は、対象のとらえ方や判断の仕方に関する高次の認知能力が問題になる。
アメリカの言語学は当初、音へのこだわりがあり、音と構文を中心に研究が進められた。その後、1970年ぐらいまで個々に扱われてきた言語理論が少しずつ融合されていく。1980年代から1990年代にかけては、コンピューターの発達もあり多くの研究分野で新しい試みが生まれた。例えば、言語学では生成文法と論理文法を組み合わせたGPSG(一般化句構造文法:Generalized Phrase Structure Grammar)(1985)やHPSG(主要部駆動句構造文法:Head Driven Phrase Structure Grammar)(1994)がそれに当たる。また、こうした理論や方法論を使用する作品分析も見られるようになってきた。(水谷:1998、花村:2005)いずれも人間の認知能力を考えるための試みである。
知覚や記憶の場合も言語のみならず認知能力が問題になる。(例えば、第一章の表1参照。)どういう記憶が残りやすいのか、記憶ごとの結びつきはどうなのかを考えると、社会共同体ごとに違いが見えてくる。一般的に、既知の情報については推論を用いて、未知の情報についてはカテゴリー化をして我々は情報を処理している。
未知の情報を処理する際に使用するカテゴリー化は、母語の構造により異なってくる。中国語と日本語は、色彩表現のカテゴリー化に違いがあり。例えば、日本語の青という色名の中国語を考えてみよう。空とか海の色を表す時に、中国語では藍(蓝)を用いて、蓝天(青空)や蓝色的大海(青い海)のようにいう。また、青信号、草木、水などの表現は、中国語では緑を用いて绿灯(青信号)、绿叶(青葉)、碧绿的湖(青々とした湖水)という。一方、日本語と同様に青を用いて、青马(青馬)とか青菜(青い野菜)という表現もある。(小学館中日辞典)つまり、中国語の色の表現は、日本語に比べて具体的でかつ多用といえる。
サピア・ウォーフの仮説を現代の視点からとらえ直すには、日常の生活に密着した習慣的な思考と動的な言語や思考の概念を取り入れることが重要になる。つまり、思考の意味するところを広げて、言語行為による慣習が文化とか社会の認知にも影響を及ぼしているとするのが経験から見て適切である。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」3
1.2 言語構造の類型
諸言語を分類するために、世界中の言語の文法過程を研究し続けたサピアは、言語概念を次の4つに分類した。(T)根本概念、(U)派生概念、(V)具体的関係概念、(W)純粋関係概念。(サピア:1998)
根本型 派生概念(U)具体的関係概念(V)純粋関係概念(W)手法(融合度)総合度 例
A単純な純粋関係(中国語)(U)―(V)― (W)a 手法 孤立的 総合 分析的
B複雑な純粋関係(ポリネシア語)(U)b, (d) (V)―(W)a 手法 膠着的孤立的 総合 分析的 (日本語)(U)b (V)b(W)b 手法 膠着的 総合 分析的
C単純な混合関係(フランス語)(U)(c) (V)c, (d)(W)a 手法 融合的 総合 分析的(少し総合的)
D複雑な混合関係(英語)(U)c(V)c, d(W)a 手法 融合的 総合 分析的
(ラテン語、ギリシア語)(U)c, d(V)c, d(W)― 手法 融合的(象徴的) 総合 総合的
(ドイツ語)(U)c(V)c, d(W)c 手法 融合的 総合 総合的
表1の縦の分類は、概念を言語記号に移すときに生じる問題である。一つは、語幹概念を純粋なまま保持しているかどうか、また一つは、基本的な関係概念に具体概念が混ざるかどうかにより、純粋関係言語(A:単純、B:複雑)と混合関係言語(C:単純、D:複雑)を区別している。
一方、横の分類で(U)の派生概念は、語幹要素に非語幹要素を接辞し、語幹要素に特定の意義を添加する。例えば、farmerのerは行為者を表す接尾辞のため、farmerという語は特定の動詞の習慣的な主語になる。
(V)の具体的関係概念も語幹要素に非語幹要素を接辞することで表現されるが、派生概念より隔たりが大きい(例、booksのsやdepthのth)。但し、他の類と混同があるため、避けられる。
(W)の純粋関係概念は、命題中の具体的な要素を相互に関係づけて、明確な統語形式を与える(例、数、性、格の照応)。表1の横の区分は、言語に表現されている概念を分類するためにある。
これに融合度と総合度が加わる。融合度は、孤立、膠着、融合、象徴を特徴とする。例えば、日本語のような膠着型言語が並置の手法で接辞添加をするのに対して、ラテン語のような融合型言語は、定義上非膠着言語になる。
また、総合度は、分析的と総合的に分けられる。分析的言語とは、複数の概念を結合して単一語にすることがない言語(例、中国語)または節約しながらそうする言語である(例、英語、仏語)。また、ポリネシア語は語順が中国語よりも揺れていて、複雑な派生に向かう傾向がある。
総合的言語とは、概念が密で語がより豊富な内容を持っており、かつ具体的な意味の射程を適度な範囲に保とうとする言語である(例、ラテン語)。ラテン語とギリシア語は、基本的に屈折型の言語であり、融合的な手法を取る。この融合には、外的な音声的意味と内的な心理的意味がある。
日本語は、語幹概念を純粋なまま保持しながら、さらに不可分の要素(例、動詞や形容詞の活用形)を集める言語とする(Bタイプ)。命題を組み立てるときは、具体的な要素を相互に関係づける(例、数、格助詞)。(T)から(W)までの言語概念は、中国語と対応させている。
ドイツ語は、基本的な関係概念に具体概念を混ぜながら、不可分の要素(例、動詞、形容詞、名詞の活用形)を集める言語とする(Dタイプ)。命題を組み立てるときは、やはり具体的な要素を相互に関係づける(例、数、性、格の照応)。(T)から(W)までの言語概念は、英語と対応させている。
表1の中でa、b、c、dは、補助タイプである。それぞれ順に、孤立的、膠着的、融合的、象徴的になる。また数学的には、次のような公式が成り立つ。膠着c (goodness) = a + b、規則的融合(強) c (books) = a + (b - x) + x 、不規則的融合(弱) c (depth) =(a - x) + (b - y) + (x + y) 、象徴的融合c (geese) =(a - x)+ x。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
諸言語を分類するために、世界中の言語の文法過程を研究し続けたサピアは、言語概念を次の4つに分類した。(T)根本概念、(U)派生概念、(V)具体的関係概念、(W)純粋関係概念。(サピア:1998)
根本型 派生概念(U)具体的関係概念(V)純粋関係概念(W)手法(融合度)総合度 例
A単純な純粋関係(中国語)(U)―(V)― (W)a 手法 孤立的 総合 分析的
B複雑な純粋関係(ポリネシア語)(U)b, (d) (V)―(W)a 手法 膠着的孤立的 総合 分析的 (日本語)(U)b (V)b(W)b 手法 膠着的 総合 分析的
C単純な混合関係(フランス語)(U)(c) (V)c, (d)(W)a 手法 融合的 総合 分析的(少し総合的)
D複雑な混合関係(英語)(U)c(V)c, d(W)a 手法 融合的 総合 分析的
(ラテン語、ギリシア語)(U)c, d(V)c, d(W)― 手法 融合的(象徴的) 総合 総合的
(ドイツ語)(U)c(V)c, d(W)c 手法 融合的 総合 総合的
表1の縦の分類は、概念を言語記号に移すときに生じる問題である。一つは、語幹概念を純粋なまま保持しているかどうか、また一つは、基本的な関係概念に具体概念が混ざるかどうかにより、純粋関係言語(A:単純、B:複雑)と混合関係言語(C:単純、D:複雑)を区別している。
一方、横の分類で(U)の派生概念は、語幹要素に非語幹要素を接辞し、語幹要素に特定の意義を添加する。例えば、farmerのerは行為者を表す接尾辞のため、farmerという語は特定の動詞の習慣的な主語になる。
(V)の具体的関係概念も語幹要素に非語幹要素を接辞することで表現されるが、派生概念より隔たりが大きい(例、booksのsやdepthのth)。但し、他の類と混同があるため、避けられる。
(W)の純粋関係概念は、命題中の具体的な要素を相互に関係づけて、明確な統語形式を与える(例、数、性、格の照応)。表1の横の区分は、言語に表現されている概念を分類するためにある。
これに融合度と総合度が加わる。融合度は、孤立、膠着、融合、象徴を特徴とする。例えば、日本語のような膠着型言語が並置の手法で接辞添加をするのに対して、ラテン語のような融合型言語は、定義上非膠着言語になる。
また、総合度は、分析的と総合的に分けられる。分析的言語とは、複数の概念を結合して単一語にすることがない言語(例、中国語)または節約しながらそうする言語である(例、英語、仏語)。また、ポリネシア語は語順が中国語よりも揺れていて、複雑な派生に向かう傾向がある。
総合的言語とは、概念が密で語がより豊富な内容を持っており、かつ具体的な意味の射程を適度な範囲に保とうとする言語である(例、ラテン語)。ラテン語とギリシア語は、基本的に屈折型の言語であり、融合的な手法を取る。この融合には、外的な音声的意味と内的な心理的意味がある。
日本語は、語幹概念を純粋なまま保持しながら、さらに不可分の要素(例、動詞や形容詞の活用形)を集める言語とする(Bタイプ)。命題を組み立てるときは、具体的な要素を相互に関係づける(例、数、格助詞)。(T)から(W)までの言語概念は、中国語と対応させている。
ドイツ語は、基本的な関係概念に具体概念を混ぜながら、不可分の要素(例、動詞、形容詞、名詞の活用形)を集める言語とする(Dタイプ)。命題を組み立てるときは、やはり具体的な要素を相互に関係づける(例、数、性、格の照応)。(T)から(W)までの言語概念は、英語と対応させている。
表1の中でa、b、c、dは、補助タイプである。それぞれ順に、孤立的、膠着的、融合的、象徴的になる。また数学的には、次のような公式が成り立つ。膠着c (goodness) = a + b、規則的融合(強) c (books) = a + (b - x) + x 、不規則的融合(弱) c (depth) =(a - x) + (b - y) + (x + y) 、象徴的融合c (geese) =(a - x)+ x。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」2
1 言語と思考
1.1 サピアの特徴と魅力
20世紀を代表するアメリカの言語学者エドワード・サピア の特徴と魅力について彼の著書「言語」を軸にしてまとめいく。サピアは、言語の普遍性から個別言語の特徴へと話を進め、人類学も視野に入れるために、人種や言語、文化や文学についても自論を述べている。
この論文は、サピアの言語研究を中日の観点からまとめていきます。サピアの言語論に日本語の分析はないものの、個別言語に話が及ぶと展開が見られるためである。
サピアの言語研究の本質は、6つの文法過程にある。それは、語順、複合語(造語)、接辞添加(接頭辞、接尾辞、接中辞)、語幹要素または文法要素の内部変容、重複及びアクセントの相違です。中日両言語で類似している性質は、複合語と重複の過程である。一方、異なる性質は、語順、接辞の添加、文法要素の内部変容そしてアクセントである。
複合語(造語)は中日両語で使用されおり、その過程で二つ以上の語幹要素が結合して、単一語が形成される。これは、要素間の関係を暗示するとともに、語順の過程とも関連する。中国語は語順が厳格なため、複合語を発達させる傾向にある。日本語よりも中国語の方がその数は圧倒的に多い。例えば、語連続の「人権」とか慣習化された並置の「農夫」などがそれである。サピア(1998)によると、これらの複合語の意味は、構成要素の語源的な意味とは異なるものになる。
重複については、日本語の「思い思い」のように、語の全体または一部を繰り返す畳語が考えられる。朝鮮語、中国語、アイヌ語には見られる特徴だが、印欧語やウラル語族、アルタイ諸語には見られない。
次に、中日両言語の異なる性質について見てみよう。言語には語順が自由なものと固定のものとがある。しかし、大半はその中間に位置する。前者の代表としてはラテン語が、後者の代表としては中国語があげられる。日本語は、語順がかなり自由な言語である。ドイツ語やオランダ語などのゲルマン系の言語も、類型論的には部分的に語順が自由な言語といわれている。中国語の語順はSVOであり、日本語やドイツ語はSOVになる。
文法関係を表す際、中国語は語順を頼りにし、日本語や韓国語は助詞(てにをは)を用いる。これが中国語は孤立語で、日本語が膠着語と呼ばれる理由である。中国語の語順は確かに英語に近いが、中国語には語尾変化や活用がない。日本語のようなSOV型は、世界の言語の約半分、英語や中国語などのSVO型は35%、ポリネシア語などのVSO型は10%余りを占る。
こうした語順の違いは、言語的な発想にも影響を及ぼす。山本(2002)によると、中国語は述語が主語のすぐ後に来るため、話し手や書き手の意図が肯定なのか否定なのかは早い段階で明らかになる。一方、日本語は述語が最後に来るため、話し手や書き手の意図が肯定なのか否定なのかは最後まで行かないとわからない。サピアは、こうした人の思考様式こそが言語習慣を規定するとし、弟子のウォーフと共に立てた仮説は、今でも語り継がれている。
また、中日の翻訳を考えると、語順のみならず推論も重要なポイントになる。発想は、一般的に発見とか発明に問われるものだが、文章を書く際にも語順とか段落の作り方または話の流れに言語上の小さな発想があると考えられる。発想はまた文系と理系とで異なるし、文理で組み立て方やまとめ方も違う。つまり、こうした違いを調節するためにシナジー論がある。
サピア(1998)よると、接辞の添加には、接頭辞、接尾辞そして接中辞がある。その中で接尾辞の添加が最も普通である。中国語は、語幹要素として文法的に独立した要素を利用しない特別な言語である。しかし、日本語の接辞「的」は、中国語の「的」からの影響であろうし、孩子や杯子の「子」も中国語の接辞といえる。
文法要素の内部変容とは、語の内部の母音または子音を変化させる過程である。日本語の場合は、動詞や形容詞の活用にそれが見られる。しかし、中国語には活用がないため、英語の母音変化(例えば、sing、sang、sung、song)に類似した例は見当たらない。
アクセントは、中国語も日本語もピッチアクセントである。例えば、中国語のfa[一声](発送する)とfa[四声](頭髪)のようなアクセントの交替は、声調の差異が必ずしも動詞と名詞を区別するわけではない。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
1.1 サピアの特徴と魅力
20世紀を代表するアメリカの言語学者エドワード・サピア の特徴と魅力について彼の著書「言語」を軸にしてまとめいく。サピアは、言語の普遍性から個別言語の特徴へと話を進め、人類学も視野に入れるために、人種や言語、文化や文学についても自論を述べている。
この論文は、サピアの言語研究を中日の観点からまとめていきます。サピアの言語論に日本語の分析はないものの、個別言語に話が及ぶと展開が見られるためである。
サピアの言語研究の本質は、6つの文法過程にある。それは、語順、複合語(造語)、接辞添加(接頭辞、接尾辞、接中辞)、語幹要素または文法要素の内部変容、重複及びアクセントの相違です。中日両言語で類似している性質は、複合語と重複の過程である。一方、異なる性質は、語順、接辞の添加、文法要素の内部変容そしてアクセントである。
複合語(造語)は中日両語で使用されおり、その過程で二つ以上の語幹要素が結合して、単一語が形成される。これは、要素間の関係を暗示するとともに、語順の過程とも関連する。中国語は語順が厳格なため、複合語を発達させる傾向にある。日本語よりも中国語の方がその数は圧倒的に多い。例えば、語連続の「人権」とか慣習化された並置の「農夫」などがそれである。サピア(1998)によると、これらの複合語の意味は、構成要素の語源的な意味とは異なるものになる。
重複については、日本語の「思い思い」のように、語の全体または一部を繰り返す畳語が考えられる。朝鮮語、中国語、アイヌ語には見られる特徴だが、印欧語やウラル語族、アルタイ諸語には見られない。
次に、中日両言語の異なる性質について見てみよう。言語には語順が自由なものと固定のものとがある。しかし、大半はその中間に位置する。前者の代表としてはラテン語が、後者の代表としては中国語があげられる。日本語は、語順がかなり自由な言語である。ドイツ語やオランダ語などのゲルマン系の言語も、類型論的には部分的に語順が自由な言語といわれている。中国語の語順はSVOであり、日本語やドイツ語はSOVになる。
文法関係を表す際、中国語は語順を頼りにし、日本語や韓国語は助詞(てにをは)を用いる。これが中国語は孤立語で、日本語が膠着語と呼ばれる理由である。中国語の語順は確かに英語に近いが、中国語には語尾変化や活用がない。日本語のようなSOV型は、世界の言語の約半分、英語や中国語などのSVO型は35%、ポリネシア語などのVSO型は10%余りを占る。
こうした語順の違いは、言語的な発想にも影響を及ぼす。山本(2002)によると、中国語は述語が主語のすぐ後に来るため、話し手や書き手の意図が肯定なのか否定なのかは早い段階で明らかになる。一方、日本語は述語が最後に来るため、話し手や書き手の意図が肯定なのか否定なのかは最後まで行かないとわからない。サピアは、こうした人の思考様式こそが言語習慣を規定するとし、弟子のウォーフと共に立てた仮説は、今でも語り継がれている。
また、中日の翻訳を考えると、語順のみならず推論も重要なポイントになる。発想は、一般的に発見とか発明に問われるものだが、文章を書く際にも語順とか段落の作り方または話の流れに言語上の小さな発想があると考えられる。発想はまた文系と理系とで異なるし、文理で組み立て方やまとめ方も違う。つまり、こうした違いを調節するためにシナジー論がある。
サピア(1998)よると、接辞の添加には、接頭辞、接尾辞そして接中辞がある。その中で接尾辞の添加が最も普通である。中国語は、語幹要素として文法的に独立した要素を利用しない特別な言語である。しかし、日本語の接辞「的」は、中国語の「的」からの影響であろうし、孩子や杯子の「子」も中国語の接辞といえる。
文法要素の内部変容とは、語の内部の母音または子音を変化させる過程である。日本語の場合は、動詞や形容詞の活用にそれが見られる。しかし、中国語には活用がないため、英語の母音変化(例えば、sing、sang、sung、song)に類似した例は見当たらない。
アクセントは、中国語も日本語もピッチアクセントである。例えば、中国語のfa[一声](発送する)とfa[四声](頭髪)のようなアクセントの交替は、声調の差異が必ずしも動詞と名詞を区別するわけではない。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
サピアの「言語」と魯迅の「阿Q正伝」1
【要旨】
魯迅の「阿Q正伝」(1921)を分析しながら、シナジーのメタファーを作成していく。前半は中国語と日本語から見えてくる思考様式の違いをサピアの「言語」に基づいて考える。魯迅は、学生時代に日本に留学しており、彼自身も中日の思考様式の違いについて思うところがあった。そして、当時の中国人が患っていた「馬々虎々」という精神的な病を嫌って、「阿Q正伝」の主人公阿Qに自分を重ねてそれを強く人民に訴えた。
こうした魯迅の作家人生からシナジーのメタファーを作るために、後半は作品のテーマである「馬々虎々」を記憶のモデルとリンクさせながら、「阿Q正伝」に見られるカオスの世界を説明していく。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅の「阿Q正伝」(1921)を分析しながら、シナジーのメタファーを作成していく。前半は中国語と日本語から見えてくる思考様式の違いをサピアの「言語」に基づいて考える。魯迅は、学生時代に日本に留学しており、彼自身も中日の思考様式の違いについて思うところがあった。そして、当時の中国人が患っていた「馬々虎々」という精神的な病を嫌って、「阿Q正伝」の主人公阿Qに自分を重ねてそれを強く人民に訴えた。
こうした魯迅の作家人生からシナジーのメタファーを作るために、後半は作品のテーマである「馬々虎々」を記憶のモデルとリンクさせながら、「阿Q正伝」に見られるカオスの世界を説明していく。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 8 −Consideration from cognitive linguistics
Passersby and children will cannibalize, while they also fear being eaten. They are suspicious of each other. This symptom represents disturbance of ego (Table 6). Self-other consciousness loses shape and becomes fuzzy, and therefore one feels that their secrets and ideas are known to everyone.
Disturbance of ego
[Brain activity 4]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] While they will cannibalize, they are scared of being eaten.
[Attention] suspicious eyes
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] Passerby and children will cannibalize.
[Schema] Cannibals.
[Existing knowledge] They are scared of being eaten.
[Learning] They are suspicious of each other.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals.
[Problem analysis] This is a gate and only a checking station. They participate in the gang and encourage and check each other, and therefore they would never cross the gate.
[Problem resolution] If they could change, they would be happy. Madman supposes that they should say, “do not cannibalize.”
[Reasoning] They properly set up and put madness upon Madman. This is their usual practice.
A schizophrenic patient experiences constant stress and therefore exhibits disorganized symptoms lacking unity of behavior (Table 7). For example, when the Madman returned to his room, it was in complete darkness. However, after some time, the ceiling beams swung widely overhead under physical strain, and he feared they might attempt to kill him, but the weight turned out to be false and he struggled to sneak out.
Disturbance of thinking
[Brain activity 5]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception]The room was entirely dark and beams swung overhead under the physical strain.
[Attention] Pressure.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] Too heavy to move.
[Schema] Killing.
[Existing knowledge] Suicide.
[Learning] Madman struggled to sneak out. He was sweaty all over.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals.
[Problem analysis] Someone no longer cannibalized and became a civilized human being. Someone cannibalized continuously. They would like to cannibalize me.
[Problem resolution] If they could change, they would be happy. Madman supposes that they should say, “do not cannibalize.”
[Reasoning] Reform from the heart. Cannibals cannot get around in this world.
The brothers considered their young sister pretty, and therefore the input-output of the two men should be similar at first. However, when the Madman awakened the second time, the output was different because his old brother said that they could only expect their young sister to be cannibalized.
Certainly, the Madman’s madness turns freedom of thought and logic into disorganized symptoms that produce wakefulness (Table 8). But he has no common sense as a healthy person, and therefore rarely engages in dialogue. The Madman’s thought process was sinking into the primordial fear lurking behind Chinese society at the time.
Regarding cannibals, there are the people who, as children, never cannibalize. Therefore, alarm bells are set ringing for the people of future generations.
Disturbance of thinking
[Brain activity 6]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] The cry of mother.
[Attention] Comparison.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] His five-year-old little sister was cannibalized by his old brother.
[Schema] When his parents are sick, he repays them by giving his flesh.
[Existing knowledge] Repayment is virtue.
[Learning] Madman felt a pang of sadness hearing his mother’s cry on that day.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals.
[Problem analysis] There are records of cannibalism for four thousand years. Madman knows. He rarely meets a civilized human being.
[Problem resolution] Save children.
[Reasoning] There may be some children who never cannibalize.
The story of the Madman is summarized as follows. If people give him a mysterious glare and they would cannibalize him, they could be cannibals. But if they could cross a line, they could become civilized human beings. While they are cannibals, however, they teach their children cannibalism, and therefore future generations will become and raise cannibals.
4 Conclusion
I analyzed Luxun’s “A Madman’s Diary” using the method of cognitive linguistics to seek a synergic metaphor similar to “Thomas Mann and Fuzzy logic.” I obtained the synergic metaphor of “Luxun and Chaos” by using the language and memory method to derive the chaotic features of non-linearity and indeterminism from the behavior of cannibals and the Madman.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Disturbance of ego
[Brain activity 4]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] While they will cannibalize, they are scared of being eaten.
[Attention] suspicious eyes
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] Passerby and children will cannibalize.
[Schema] Cannibals.
[Existing knowledge] They are scared of being eaten.
[Learning] They are suspicious of each other.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals.
[Problem analysis] This is a gate and only a checking station. They participate in the gang and encourage and check each other, and therefore they would never cross the gate.
[Problem resolution] If they could change, they would be happy. Madman supposes that they should say, “do not cannibalize.”
[Reasoning] They properly set up and put madness upon Madman. This is their usual practice.
A schizophrenic patient experiences constant stress and therefore exhibits disorganized symptoms lacking unity of behavior (Table 7). For example, when the Madman returned to his room, it was in complete darkness. However, after some time, the ceiling beams swung widely overhead under physical strain, and he feared they might attempt to kill him, but the weight turned out to be false and he struggled to sneak out.
Disturbance of thinking
[Brain activity 5]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception]The room was entirely dark and beams swung overhead under the physical strain.
[Attention] Pressure.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] Too heavy to move.
[Schema] Killing.
[Existing knowledge] Suicide.
[Learning] Madman struggled to sneak out. He was sweaty all over.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals.
[Problem analysis] Someone no longer cannibalized and became a civilized human being. Someone cannibalized continuously. They would like to cannibalize me.
[Problem resolution] If they could change, they would be happy. Madman supposes that they should say, “do not cannibalize.”
[Reasoning] Reform from the heart. Cannibals cannot get around in this world.
The brothers considered their young sister pretty, and therefore the input-output of the two men should be similar at first. However, when the Madman awakened the second time, the output was different because his old brother said that they could only expect their young sister to be cannibalized.
Certainly, the Madman’s madness turns freedom of thought and logic into disorganized symptoms that produce wakefulness (Table 8). But he has no common sense as a healthy person, and therefore rarely engages in dialogue. The Madman’s thought process was sinking into the primordial fear lurking behind Chinese society at the time.
Regarding cannibals, there are the people who, as children, never cannibalize. Therefore, alarm bells are set ringing for the people of future generations.
Disturbance of thinking
[Brain activity 6]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] The cry of mother.
[Attention] Comparison.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] His five-year-old little sister was cannibalized by his old brother.
[Schema] When his parents are sick, he repays them by giving his flesh.
[Existing knowledge] Repayment is virtue.
[Learning] Madman felt a pang of sadness hearing his mother’s cry on that day.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals.
[Problem analysis] There are records of cannibalism for four thousand years. Madman knows. He rarely meets a civilized human being.
[Problem resolution] Save children.
[Reasoning] There may be some children who never cannibalize.
The story of the Madman is summarized as follows. If people give him a mysterious glare and they would cannibalize him, they could be cannibals. But if they could cross a line, they could become civilized human beings. While they are cannibals, however, they teach their children cannibalism, and therefore future generations will become and raise cannibals.
4 Conclusion
I analyzed Luxun’s “A Madman’s Diary” using the method of cognitive linguistics to seek a synergic metaphor similar to “Thomas Mann and Fuzzy logic.” I obtained the synergic metaphor of “Luxun and Chaos” by using the language and memory method to derive the chaotic features of non-linearity and indeterminism from the behavior of cannibals and the Madman.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 7 −Consideration from cognitive linguistics
3.2 Indeterminism of the Madman and cannibals
Let us consider the behavior of the Madman and the symptoms of schizophrenia. The five symptoms described in Table 2 are also observable in the Madman’s behavior. For example, his idea that the villagers will eat him is delusional, believing that trivial things are attacking or undermining him. The Madman says that the eyes of people around him are all the same, which is a delusion.
Disturbance of attention is also observable in the Madman’s selective attention focusing too greatly on Guiweng Zhao, passersby, and children. He remembered that he had stepped on the cashbook of the teacher of Gujiu twenty years ago, which constitutes a distraction.
Disturbance of attention
[Brain activity 2]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] The eyes of Guiweng Zhao are frightened of me.
[Attention] Comparison and research.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] The eyes of children are the same as those of Guiweng Zhao.
[Schema] Eyes.
[Existing knowledge] The eyes of Guiweng Zhao and the cashbook of the teacher of Gujiu.
[Learning] They looked at me, scared and frightened.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning]Madman studies things.
[Problem analysis] Why do they look at me? Their parents taught them.
[Problem resolution] When one disparages a good person, he marks them with a circle. When one defends a bad person, he receives praise. Madman does not understand their ideas at all.
[Reasoning] They will eat someone.
The Madman is not inherently evil. However, if anyone would disparage a good person, he would be marked with a small circle, and if anyone would defend a bad person, he would be praised. Therefore, slightly different inputs can lead to entirely different outputs.
Normally, brothers approach each other. But when the Madman found the character of cannibals in a history book, his madness was already awakening. Therefore, the slightly different input of the two types of men led to indeterminism.
The Madman’s behavior also exhibits auditory hallucination, such as feigned laughter and an episode in a dream.
Auditory hallucination
[Brain activity 3]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] His brother brings a doctor along.
[Attention] Degree of obesity.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] If he would get some rest, he could regain his health.
[Schema] Rest.
[Existing knowledge] If he gets rest, he would become obese.
[Learning] They can eat a lot. What a laugh!
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals. First, he attempts to reform his brother.
[Problem analysis] He asked a man in a dream whether cannibalism is right. Could be. That was always it.
[Problem resolution] If cannibals could lose the idea, they could feel comfortable.
[Reasoning] They encourage and check each other, and therefore they never step across a line even if it means death.
The reasoning of Table 5 is grounded in the evidence that his older brother is a cannibal.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Let us consider the behavior of the Madman and the symptoms of schizophrenia. The five symptoms described in Table 2 are also observable in the Madman’s behavior. For example, his idea that the villagers will eat him is delusional, believing that trivial things are attacking or undermining him. The Madman says that the eyes of people around him are all the same, which is a delusion.
Disturbance of attention is also observable in the Madman’s selective attention focusing too greatly on Guiweng Zhao, passersby, and children. He remembered that he had stepped on the cashbook of the teacher of Gujiu twenty years ago, which constitutes a distraction.
Disturbance of attention
[Brain activity 2]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] The eyes of Guiweng Zhao are frightened of me.
[Attention] Comparison and research.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] The eyes of children are the same as those of Guiweng Zhao.
[Schema] Eyes.
[Existing knowledge] The eyes of Guiweng Zhao and the cashbook of the teacher of Gujiu.
[Learning] They looked at me, scared and frightened.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning]Madman studies things.
[Problem analysis] Why do they look at me? Their parents taught them.
[Problem resolution] When one disparages a good person, he marks them with a circle. When one defends a bad person, he receives praise. Madman does not understand their ideas at all.
[Reasoning] They will eat someone.
The Madman is not inherently evil. However, if anyone would disparage a good person, he would be marked with a small circle, and if anyone would defend a bad person, he would be praised. Therefore, slightly different inputs can lead to entirely different outputs.
Normally, brothers approach each other. But when the Madman found the character of cannibals in a history book, his madness was already awakening. Therefore, the slightly different input of the two types of men led to indeterminism.
The Madman’s behavior also exhibits auditory hallucination, such as feigned laughter and an episode in a dream.
Auditory hallucination
[Brain activity 3]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] His brother brings a doctor along.
[Attention] Degree of obesity.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] If he would get some rest, he could regain his health.
[Schema] Rest.
[Existing knowledge] If he gets rest, he would become obese.
[Learning] They can eat a lot. What a laugh!
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Madman will reform cannibals. First, he attempts to reform his brother.
[Problem analysis] He asked a man in a dream whether cannibalism is right. Could be. That was always it.
[Problem resolution] If cannibals could lose the idea, they could feel comfortable.
[Reasoning] They encourage and check each other, and therefore they never step across a line even if it means death.
The reasoning of Table 5 is grounded in the evidence that his older brother is a cannibal.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 6 −Consideration from cognitive linguistics
3 Paranoia is schizophrenia
3.1 Non-linearity of cannibals
I apply the behavior of the Madman to the cognitive process described in Table 1 and confirm each scene. I adopt terms provided in square brackets “[]”as the elements of the process.
Non-linearity (delusional mood)
[Brain activity 1]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] The optic nerve of Madman greeted the eyes of Guiweng Zhao. He realized that the eyes of another seven or eight persons, a passerby, and children are the same as those of Guiweng Zhao.
[Attention] Grouping and comparison.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] Madman detected their code.
[Schema] Their speech and laugh are poison and sword. Their teeth are an instrument to cannibalize.
[Existing knowledge] The character of cannibals is written in the history book.
[Learning] The people who grin and look mysteriously will cannibalize me.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Wakefulness from madness.
[Problem analysis] The story is based in feudalist China, which was based on the Confucian doctrine. However, Luxun touched the spirit of modern Europe in Japan and fell into madness.
[Problem resolution] Cannibalism can be detected, but people continue to practice it. People would be happy if they abandon cannibalism.
[Reasoning] The people who are autoregulatory by practicing cannibalism really exist. The behavior which steps across a line to be a true person is disorderly and unpredictable.
The cognitive process model (Table 3) reveals non-linearity in the Madman’s brain activity. The Madman’s behavior seems to be orderly at first glance. A passerby, children, the lady whom the Madman met on the street, Laowu Chen, and a peasant look at the Madman with the same eyes as Guiweng Zhao. Horrifyingly. They may cannibalize the Madman. However, I wonder whether the behavior that crosses the line to become a civilized human being occurs in a predictable order. There is no reliable story line, and therefore the behavior of cannibals could lead to the nonlinearity of chaos.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
3.1 Non-linearity of cannibals
I apply the behavior of the Madman to the cognitive process described in Table 1 and confirm each scene. I adopt terms provided in square brackets “[]”as the elements of the process.
Non-linearity (delusional mood)
[Brain activity 1]
Process of cognitive ability @Perception and attention
Abstraction of elements
[Perception] The optic nerve of Madman greeted the eyes of Guiweng Zhao. He realized that the eyes of another seven or eight persons, a passerby, and children are the same as those of Guiweng Zhao.
[Attention] Grouping and comparison.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Abstraction of elements
[External input] Madman detected their code.
[Schema] Their speech and laugh are poison and sword. Their teeth are an instrument to cannibalize.
[Existing knowledge] The character of cannibals is written in the history book.
[Learning] The people who grin and look mysteriously will cannibalize me.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Abstraction of elements
[Planning] Wakefulness from madness.
[Problem analysis] The story is based in feudalist China, which was based on the Confucian doctrine. However, Luxun touched the spirit of modern Europe in Japan and fell into madness.
[Problem resolution] Cannibalism can be detected, but people continue to practice it. People would be happy if they abandon cannibalism.
[Reasoning] The people who are autoregulatory by practicing cannibalism really exist. The behavior which steps across a line to be a true person is disorderly and unpredictable.
The cognitive process model (Table 3) reveals non-linearity in the Madman’s brain activity. The Madman’s behavior seems to be orderly at first glance. A passerby, children, the lady whom the Madman met on the street, Laowu Chen, and a peasant look at the Madman with the same eyes as Guiweng Zhao. Horrifyingly. They may cannibalize the Madman. However, I wonder whether the behavior that crosses the line to become a civilized human being occurs in a predictable order. There is no reliable story line, and therefore the behavior of cannibals could lead to the nonlinearity of chaos.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 5 −Consideration from cognitive linguistics
2 Cognitive process of “A Madman’s Diary”
2.1 Madman and madness
Luxun first wrote “A Madman’s Diary” (1918) in the colloquial style in the tradition of modern Chinese literature. He perceived contemporary Chinese society as a cannibalistic society and emphasized the mental reconstruction of the Chinese people as a means of rescue because the Chinese dynasty had misused the teachings of Confucius to establish the feudal society of cannibals.
The Madman suffered from paranoia, and the traditional treatment of the Madman in China is different from that in Japan. There are three perspectives on the Madman in China.
@ The madness is a disguise and the person is a warrior of anti-feudalism.
A The madness is real and he is not a warrior of anti-feudalism, but the symbol charged with anti-feudalistic thought.
B The madness represents a warrior of anti-feudalism caused by persecution.
On the other hand, in Japan, the Madman awakens from madness.
I also consider that the Madman awakens from madness, and so I correlate Luxun’s persuasion of the Chinese people to a cognitive process. That is, when human beings were barbarians, they were certainly cannibals. However, those who tried to be better and stopped practicing cannibalism could be civilized human beings. I consider a decision-making theory using risk avoidance saying that such effort is important.
Why did the Madman fall into madness? And when did he become sick with paranoia? “A Madman’s Diary” begins with the statement that he saw a beautiful moon for the first time in 30 years, which suggests that a long time must have passed after onset. In fact, the symptom of Madman’s disease had emerged during his junior high school years.
Luxun learned the modern Europe thinking to emphasize individuality during his study in Japan (1902–1909). He thought that it was a completely different idea from Chinese feudalism which depended on the Confucian doctrine. The madness of the Madman may have resulted from this thought.
Different stories describe the Madman’s period of wakefulness. For example:
@ when the Madman opened the history books and learned about cannibals .
A when his sister was eaten by his older brother because the Madman realized that his family was connected with the world of cannibals and that he also remained in it.
B when he appealed for the need to help children to revive Chinese people.
I associate these scenes and the Madman’s behavior with the cognitive process described in Table 1. They approach the analytic image and finally reach the generative image. As to a comparison table, please see Japanese.
2.2 Symptoms of schizophrenia
Paranoia is a symptom of schizophrenia wherein the subject cannot control feeling and thought. Schizophrenia is most often caused by deficiency of the neurotransmitter chemokine. Table 2 shows the dominant symptoms of schizophrenia.
Symptoms of schizophrenia
Symptom Delusional mood
Description Delusion is one of the most prominent symptoms of schizophrenia and can be explained as a staunch belief in something that is clearly false. Delusions can also be mood-congruent or mood-incongruent.
Symptom Attention deficiency
Description This symptom is seen in the preclinical stage of schizophrenia. The patient responds to a certain stimulus without a look at noise or involves the risk of attention deficiency.
Symptom Auditory hallucination
Description A patient suffering from auditory hallucination is often seen talking to himself and breaking into feigned laughter or is even seen crying. Auditory hallucinations also include criticism and calumny.
Symptom Disturbance of ego
Description In this symptom, self-other consciousness breaks up and the ego boundary becomes fuzzy. The patient believes that everyone knows his secret and he feels his own thoughts spread around.
Symptom Disturbance of thinking
Description The patient’s behavior is disorganized and thoughts are integrated loosely. His conversations become confused and the patient cannot speak logically.
What type of person tends to suffer from schizophrenia? A person with schizoid is often unsocial, introverted, lonely, and passive-dependent is more likely to suffer from schizophrenia. A person who was bullied in early childhood does not fight back and has a reactive attitude.
The symptoms of schizophrenia are usually divided into positive and negative categories. The former occurs with the pathological activity of the central nervous system, such as hallucination, a monologue, delusion, and excitement. The latter comprises the psychological inertia that occurs with decreased activity of the central nervous system, such as decreased motivation. Egorrhea symptom and broadcasting of thought are also sometimes observed.
Another impairment in cognitive function is that a schizophrenic patient tends to worry about unrelated stories, which may lead to attention deficit. A psychiatrist will tend to first detect decreased cognitive function of short-term memory and attentiveness as symptoms before positive or negative symptoms emerge.
A person suffering from schizophrenia can easily become stressed and overwhelmed with information. Normally, the information from sense organs is filtered by the hypothalamus in the brain. However, when information is more than what the brain can process, the hypothalamus filter functions. A schizophrenic patient cannot process normal amounts of information properly and thus exhibits symptoms of disorganization.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
2.1 Madman and madness
Luxun first wrote “A Madman’s Diary” (1918) in the colloquial style in the tradition of modern Chinese literature. He perceived contemporary Chinese society as a cannibalistic society and emphasized the mental reconstruction of the Chinese people as a means of rescue because the Chinese dynasty had misused the teachings of Confucius to establish the feudal society of cannibals.
The Madman suffered from paranoia, and the traditional treatment of the Madman in China is different from that in Japan. There are three perspectives on the Madman in China.
@ The madness is a disguise and the person is a warrior of anti-feudalism.
A The madness is real and he is not a warrior of anti-feudalism, but the symbol charged with anti-feudalistic thought.
B The madness represents a warrior of anti-feudalism caused by persecution.
On the other hand, in Japan, the Madman awakens from madness.
I also consider that the Madman awakens from madness, and so I correlate Luxun’s persuasion of the Chinese people to a cognitive process. That is, when human beings were barbarians, they were certainly cannibals. However, those who tried to be better and stopped practicing cannibalism could be civilized human beings. I consider a decision-making theory using risk avoidance saying that such effort is important.
Why did the Madman fall into madness? And when did he become sick with paranoia? “A Madman’s Diary” begins with the statement that he saw a beautiful moon for the first time in 30 years, which suggests that a long time must have passed after onset. In fact, the symptom of Madman’s disease had emerged during his junior high school years.
Luxun learned the modern Europe thinking to emphasize individuality during his study in Japan (1902–1909). He thought that it was a completely different idea from Chinese feudalism which depended on the Confucian doctrine. The madness of the Madman may have resulted from this thought.
Different stories describe the Madman’s period of wakefulness. For example:
@ when the Madman opened the history books and learned about cannibals .
A when his sister was eaten by his older brother because the Madman realized that his family was connected with the world of cannibals and that he also remained in it.
B when he appealed for the need to help children to revive Chinese people.
I associate these scenes and the Madman’s behavior with the cognitive process described in Table 1. They approach the analytic image and finally reach the generative image. As to a comparison table, please see Japanese.
2.2 Symptoms of schizophrenia
Paranoia is a symptom of schizophrenia wherein the subject cannot control feeling and thought. Schizophrenia is most often caused by deficiency of the neurotransmitter chemokine. Table 2 shows the dominant symptoms of schizophrenia.
Symptoms of schizophrenia
Symptom Delusional mood
Description Delusion is one of the most prominent symptoms of schizophrenia and can be explained as a staunch belief in something that is clearly false. Delusions can also be mood-congruent or mood-incongruent.
Symptom Attention deficiency
Description This symptom is seen in the preclinical stage of schizophrenia. The patient responds to a certain stimulus without a look at noise or involves the risk of attention deficiency.
Symptom Auditory hallucination
Description A patient suffering from auditory hallucination is often seen talking to himself and breaking into feigned laughter or is even seen crying. Auditory hallucinations also include criticism and calumny.
Symptom Disturbance of ego
Description In this symptom, self-other consciousness breaks up and the ego boundary becomes fuzzy. The patient believes that everyone knows his secret and he feels his own thoughts spread around.
Symptom Disturbance of thinking
Description The patient’s behavior is disorganized and thoughts are integrated loosely. His conversations become confused and the patient cannot speak logically.
What type of person tends to suffer from schizophrenia? A person with schizoid is often unsocial, introverted, lonely, and passive-dependent is more likely to suffer from schizophrenia. A person who was bullied in early childhood does not fight back and has a reactive attitude.
The symptoms of schizophrenia are usually divided into positive and negative categories. The former occurs with the pathological activity of the central nervous system, such as hallucination, a monologue, delusion, and excitement. The latter comprises the psychological inertia that occurs with decreased activity of the central nervous system, such as decreased motivation. Egorrhea symptom and broadcasting of thought are also sometimes observed.
Another impairment in cognitive function is that a schizophrenic patient tends to worry about unrelated stories, which may lead to attention deficit. A psychiatrist will tend to first detect decreased cognitive function of short-term memory and attentiveness as symptoms before positive or negative symptoms emerge.
A person suffering from schizophrenia can easily become stressed and overwhelmed with information. Normally, the information from sense organs is filtered by the hypothalamus in the brain. However, when information is more than what the brain can process, the hypothalamus filter functions. A schizophrenic patient cannot process normal amounts of information properly and thus exhibits symptoms of disorganization.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 4 −Consideration from cognitive linguistics
1.3 Metaphor of synergy
The metaphors that cognitive linguistics addresses include the following: conventional metaphor, image metaphor, and poetic metaphor. Conventional metaphor is less conscious because it is based on ordinary experience. Image metaphor is less conventionalized and calls for sensing, especially visual perception. It is found largely in literary works and in creative image that lingers. Poetic metaphor uses several metaphors simultaneously, thereby creating rich images through very few words.
The present study examines synergic metaphor as the broader concept of the aforementioned metaphors. Traditional vertical research seeks to draw A’ and B’ from A and B. On the other hand, synergic research seeks to draw heterogeneous C from A and B. A synergic metaphor follows a normal mapping, such that A is a source domain, C is a target domain, and B is the mapping. I assume literature and calculation as a synergic metaphor, and therefore A is humanity, B is cognitive science, and C is brain science.
[Figure 1 Synergic metaphor]
Source domain A Humanity→Mapping B Cognitive science→Target domain C Brain science→Mapping B Cognitive science
I attempted a synergic analysis through logical grammar to create the metaphor of “Thomas Mann and Fuzzy logic.” I have also considered the combinations of “Luxun and Chaos” and “Ogai and Feeling” by using the literary works of Luxun and Ogai in an effort to create a synergic metaphor by language different from “Thomas Mann and Fuzzy logic.”
I consider the different thinking patterns in Chinese and Japanese in my paper on Luxun’s “The True Story of Ah Q”. He disliked the mental illness called ma-ma-hu-hu and strongly appealed to the Chinese people about it through literary works. The second chapter explains the chaotic effect seen in “Ah Q” by linking “ma-ma-hu-hu” to a chaotic model.
Traditional vertical research assumes the brain activity of readers because they accept these literary works. However, the author’s brain activity is important in synergic metaphor. Therefore, I establish the target domain C as the mechanism of memory in the formula (Figure 1) to derive a heterogeneous C from A and B. I also assume the return from C to B at the same time.
When compared with other synergic combinations, such as management engineering and social systems or patents (law and engineering), it is very difficult for calculation and literature to connect B and C. One sometimes combines A and B and cannot derive a heterogeneous C. I used the memory-related behavior of Ah Q from “The True Story of Ah Q” and associated it synchronously and asynchronously to connect chaos and memory.
For example, when Ah Q recognizes the eyes of a hungry wolf, he first needs to recognize the continuous object. Ah Q’s neuron cluster of the optic nerve receives the information from the area of the wolf’s eyes and the other space, and each field represents both a synchronous and asynchronous relationship. When the wolf’s eyes move, the synchronous point changes. Therefore, synchronization and asynchronization must be dealt with promptly. Chaos makes such response easy.
“A Madman’s Diary” is a story wherein the paranoid Madman awakens from madness and repeatedly persuades cannibals to reform. This thought of the Madman depends on whether cannibals can step across a line. If they could step across that line, they would be civilized human beings.
I will correlate the points of the Madman’s decision making and those of the cannibals with fuzzy logic and chaos. As stated at the beginning of this paper, chaos consists of two essential features. One is non-linearity, which comprises disorderly, unpredictable movement, and the other is indeterminism, wherein outputs are entirely different from largely similar inputs.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
The metaphors that cognitive linguistics addresses include the following: conventional metaphor, image metaphor, and poetic metaphor. Conventional metaphor is less conscious because it is based on ordinary experience. Image metaphor is less conventionalized and calls for sensing, especially visual perception. It is found largely in literary works and in creative image that lingers. Poetic metaphor uses several metaphors simultaneously, thereby creating rich images through very few words.
The present study examines synergic metaphor as the broader concept of the aforementioned metaphors. Traditional vertical research seeks to draw A’ and B’ from A and B. On the other hand, synergic research seeks to draw heterogeneous C from A and B. A synergic metaphor follows a normal mapping, such that A is a source domain, C is a target domain, and B is the mapping. I assume literature and calculation as a synergic metaphor, and therefore A is humanity, B is cognitive science, and C is brain science.
[Figure 1 Synergic metaphor]
Source domain A Humanity→Mapping B Cognitive science→Target domain C Brain science→Mapping B Cognitive science
I attempted a synergic analysis through logical grammar to create the metaphor of “Thomas Mann and Fuzzy logic.” I have also considered the combinations of “Luxun and Chaos” and “Ogai and Feeling” by using the literary works of Luxun and Ogai in an effort to create a synergic metaphor by language different from “Thomas Mann and Fuzzy logic.”
I consider the different thinking patterns in Chinese and Japanese in my paper on Luxun’s “The True Story of Ah Q”. He disliked the mental illness called ma-ma-hu-hu and strongly appealed to the Chinese people about it through literary works. The second chapter explains the chaotic effect seen in “Ah Q” by linking “ma-ma-hu-hu” to a chaotic model.
Traditional vertical research assumes the brain activity of readers because they accept these literary works. However, the author’s brain activity is important in synergic metaphor. Therefore, I establish the target domain C as the mechanism of memory in the formula (Figure 1) to derive a heterogeneous C from A and B. I also assume the return from C to B at the same time.
When compared with other synergic combinations, such as management engineering and social systems or patents (law and engineering), it is very difficult for calculation and literature to connect B and C. One sometimes combines A and B and cannot derive a heterogeneous C. I used the memory-related behavior of Ah Q from “The True Story of Ah Q” and associated it synchronously and asynchronously to connect chaos and memory.
For example, when Ah Q recognizes the eyes of a hungry wolf, he first needs to recognize the continuous object. Ah Q’s neuron cluster of the optic nerve receives the information from the area of the wolf’s eyes and the other space, and each field represents both a synchronous and asynchronous relationship. When the wolf’s eyes move, the synchronous point changes. Therefore, synchronization and asynchronization must be dealt with promptly. Chaos makes such response easy.
“A Madman’s Diary” is a story wherein the paranoid Madman awakens from madness and repeatedly persuades cannibals to reform. This thought of the Madman depends on whether cannibals can step across a line. If they could step across that line, they would be civilized human beings.
I will correlate the points of the Madman’s decision making and those of the cannibals with fuzzy logic and chaos. As stated at the beginning of this paper, chaos consists of two essential features. One is non-linearity, which comprises disorderly, unpredictable movement, and the other is indeterminism, wherein outputs are entirely different from largely similar inputs.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 3 −Consideration from cognitive linguistics
1.2 Role of metaphor
The reasoning based on normal experiences deals with a concrete category. But how can one deal with an abstract category in a literary work? When an author seeks to use an abstract idea to represent any concrete object, a relationship is established between the abstract idea and the concrete object, which is called a metaphor.
To represent a metaphor graphically, a map from a source domain to a target domain is established. This mechanism creates an abstract idea and is therefore also considered as the expansion of a meaning by language. Some ideas become habitual, and a mapping is established at the level of thought and concept. The problem does not comprise any expression in language.
For example, one can use “A is B” to represent a metaphor. Here, A is a target domain and B is a source domain. A metaphor serves to create an impression of something otherwise unnoticeable. The structure of the source domain is also mapped in the form of integrating a target domain, thus forming an invisible structure. Human reasoning would serve to identify the related matters in the structure.
Metaphor (1): If Huanghelou is a symbol for Wuhan, the first bridge is Wuhan’s aorta.
The first half of the conditional (1) uses a metaphor and the second half uses the reasoning from it to explain the corresponding element. The problem of (1) is not true-false, but something like it. Reasoning by metaphor is also a discovery method toward a solution. An analogy could certainly be effective, even if conceptual domains are worlds apart. There is no guarantee that it is true, but if one applies existing knowledge to understand an unknown field, one is at least headed in the right direction.
Furthermore, cognitive linguistics pursues research on the methods of understanding while receiving information. The method of seeing the world objectively differs by society or culture because the level of different thought can be studied as linguistic difference. The research of Sapir and his disciple Whorf on language and thought is the most widely known.
Sapir-Whorf hypothesis: The structure of the mother tongue has an effect on thought independent of a language, especially the cognitive ability such as categorizing or reasoning.
The common interpretation of this hypothesis holds that a language has considerable effect on thought. But which aspects of thought does a language affect? The mechanism of perception and memory is not determined by language. For thought, the higher cognitive ability of how to perceive things seems to be the problem. When I consider which memory is stored easily or how memories connect with each other, I find the outline and distinction of a speech community.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
The reasoning based on normal experiences deals with a concrete category. But how can one deal with an abstract category in a literary work? When an author seeks to use an abstract idea to represent any concrete object, a relationship is established between the abstract idea and the concrete object, which is called a metaphor.
To represent a metaphor graphically, a map from a source domain to a target domain is established. This mechanism creates an abstract idea and is therefore also considered as the expansion of a meaning by language. Some ideas become habitual, and a mapping is established at the level of thought and concept. The problem does not comprise any expression in language.
For example, one can use “A is B” to represent a metaphor. Here, A is a target domain and B is a source domain. A metaphor serves to create an impression of something otherwise unnoticeable. The structure of the source domain is also mapped in the form of integrating a target domain, thus forming an invisible structure. Human reasoning would serve to identify the related matters in the structure.
Metaphor (1): If Huanghelou is a symbol for Wuhan, the first bridge is Wuhan’s aorta.
The first half of the conditional (1) uses a metaphor and the second half uses the reasoning from it to explain the corresponding element. The problem of (1) is not true-false, but something like it. Reasoning by metaphor is also a discovery method toward a solution. An analogy could certainly be effective, even if conceptual domains are worlds apart. There is no guarantee that it is true, but if one applies existing knowledge to understand an unknown field, one is at least headed in the right direction.
Furthermore, cognitive linguistics pursues research on the methods of understanding while receiving information. The method of seeing the world objectively differs by society or culture because the level of different thought can be studied as linguistic difference. The research of Sapir and his disciple Whorf on language and thought is the most widely known.
Sapir-Whorf hypothesis: The structure of the mother tongue has an effect on thought independent of a language, especially the cognitive ability such as categorizing or reasoning.
The common interpretation of this hypothesis holds that a language has considerable effect on thought. But which aspects of thought does a language affect? The mechanism of perception and memory is not determined by language. For thought, the higher cognitive ability of how to perceive things seems to be the problem. When I consider which memory is stored easily or how memories connect with each other, I find the outline and distinction of a speech community.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 2 −Consideration from cognitive linguistics
1 The current state of cognitive linguistics
1.1 What is cognitive linguistics?
Cognitive linguistics is an area of research that examines human cognitive ability. In general, human beings can receive information from the surrounding environment, store it in memory, and recall the information as necessary. Let us consider the following three processes and the sub-processes each comprises.
First, the process of perception is that we receive information by paying attention to the information coming from sense organs, and it is therefore important to know a good thing when one sees it. This process combines “perception and attention.”
Second, this acquired information is stored in memory, the source from which human knowledge enters the world. The process combines “learning and memory.”
Third, the acquired information serves the process of planning, wherein one analyzes a problem for a specific purpose and devises a solution. However, when the acquired information is insufficient, reasoning is necessary. Therefore, the third process combines “planning and reasoning.”
How is human cognitive ability established in a language? Let us consider the three aforementioned cognitive abilities.
The process of “perception and attention” emphasizes how things are perceived. For example, the perception of an image that leads to the structure of knowledge illustrates the combination of base and profile. The former is the background for recognizing an object and the latter is a focus position. In this instance, if a circle is a base, an arc is the profile.
Further, this process can determine how the line of sight moves. When the object moves and changes, the line of sight also moves and scans something. For example, the method that follows how a ping-pong ball travels with serial photographs is called a continuous scan. The method that does not consider the passage of time using piecemeal still images is called a summarized scan.
In the process of “learning and memory,” we absorb information from without and build it into an existing knowledge structure. The new information is compared to a concrete example and abstracted at that time. This abstract knowledge is called schema. The process abstracts the character in common with the concrete example, and therefore it is learning through experience. A schema applies not only to things but also to feeling and behavior.
Such ability is useful in the process of “planning and reasoning.” Daily cognitive activity supplements information partially, while adjusting information as necessary. A coordinating role is human reasoning. Many studies address reasoning. I have studied the characters’ dialogue in Thomas Mann’s “The Magic Mountain” to evaluate whether his irony and fuzzy logic could correlate.
The second process of the aforementioned three cognitive abilities offers a more interesting example. Unknown input could sometimes be categorized in the process of evaluating whether an object exists in memory. The member of a category is distinguished in propositional logic in an orderly manner, but a category consists of a prototype and several surrounding members, and therefore the boundary of the category appears fuzzy. In fact, the cognitive activity involves considerable fuzziness. My study of Thomas Mann and fuzzy logic is one such example.
Cognitive ability processes
Process of cognitive ability @Perception and attention
Description The process pays attention to information received from sense organs, and therefore it is important to know a good thing when one sees it. For example, base and profile or grouping.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Description The process builds external input into an existing knowledge structure. Existing information is dealt with by reasoning, and unknown input is dealt with by categorizing. The process absorbs the character in common with the concrete example, and therefore it is learning through experience.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Description The received information is useful in the process of “planning and reasoning.” In such case, one analyzes a problem for any purpose and seeks a solution. But when the acquired information isn’t enough, any reasoning is necessary.
Categorizing changes how things are perceived in different situations, and it becomes a habit and expands radially. For example, many studies examine the polysemy network to integrate semantic theories such as prototype and metaphor. A semantic network does not have to find the character in common with all members. In categorizing radially, the member conventionalized by a prototype plays a second role and provides a link. It does not mean that another member departs from the central network.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
1.1 What is cognitive linguistics?
Cognitive linguistics is an area of research that examines human cognitive ability. In general, human beings can receive information from the surrounding environment, store it in memory, and recall the information as necessary. Let us consider the following three processes and the sub-processes each comprises.
First, the process of perception is that we receive information by paying attention to the information coming from sense organs, and it is therefore important to know a good thing when one sees it. This process combines “perception and attention.”
Second, this acquired information is stored in memory, the source from which human knowledge enters the world. The process combines “learning and memory.”
Third, the acquired information serves the process of planning, wherein one analyzes a problem for a specific purpose and devises a solution. However, when the acquired information is insufficient, reasoning is necessary. Therefore, the third process combines “planning and reasoning.”
How is human cognitive ability established in a language? Let us consider the three aforementioned cognitive abilities.
The process of “perception and attention” emphasizes how things are perceived. For example, the perception of an image that leads to the structure of knowledge illustrates the combination of base and profile. The former is the background for recognizing an object and the latter is a focus position. In this instance, if a circle is a base, an arc is the profile.
Further, this process can determine how the line of sight moves. When the object moves and changes, the line of sight also moves and scans something. For example, the method that follows how a ping-pong ball travels with serial photographs is called a continuous scan. The method that does not consider the passage of time using piecemeal still images is called a summarized scan.
In the process of “learning and memory,” we absorb information from without and build it into an existing knowledge structure. The new information is compared to a concrete example and abstracted at that time. This abstract knowledge is called schema. The process abstracts the character in common with the concrete example, and therefore it is learning through experience. A schema applies not only to things but also to feeling and behavior.
Such ability is useful in the process of “planning and reasoning.” Daily cognitive activity supplements information partially, while adjusting information as necessary. A coordinating role is human reasoning. Many studies address reasoning. I have studied the characters’ dialogue in Thomas Mann’s “The Magic Mountain” to evaluate whether his irony and fuzzy logic could correlate.
The second process of the aforementioned three cognitive abilities offers a more interesting example. Unknown input could sometimes be categorized in the process of evaluating whether an object exists in memory. The member of a category is distinguished in propositional logic in an orderly manner, but a category consists of a prototype and several surrounding members, and therefore the boundary of the category appears fuzzy. In fact, the cognitive activity involves considerable fuzziness. My study of Thomas Mann and fuzzy logic is one such example.
Cognitive ability processes
Process of cognitive ability @Perception and attention
Description The process pays attention to information received from sense organs, and therefore it is important to know a good thing when one sees it. For example, base and profile or grouping.
Process of cognitive ability ALearning and memory
Description The process builds external input into an existing knowledge structure. Existing information is dealt with by reasoning, and unknown input is dealt with by categorizing. The process absorbs the character in common with the concrete example, and therefore it is learning through experience.
Process of cognitive ability BPlanning and reasoning
Description The received information is useful in the process of “planning and reasoning.” In such case, one analyzes a problem for any purpose and seeks a solution. But when the acquired information isn’t enough, any reasoning is necessary.
Categorizing changes how things are perceived in different situations, and it becomes a habit and expands radially. For example, many studies examine the polysemy network to integrate semantic theories such as prototype and metaphor. A semantic network does not have to find the character in common with all members. In categorizing radially, the member conventionalized by a prototype plays a second role and provides a link. It does not mean that another member departs from the central network.
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
Chaotic effect expected from “A Madman’s Diary” 1 −Consideration from cognitive linguistics
[Summary]
This study describes the chaotic effect in “A Madman’s Diary” to create a synergic metaphor called “Luxun and Chaos.” First, I analyze a general metaphor in cognitive linguistics. A synergic metaphor is the broader concept. When Luxun wrote “A Madman’s Diary,” China was engaged in two wars, civil and foreign. Therefore, many people behaved in disorderly and random manners.
The protagonist of “A Madman’s Diary,” Madman, repeated the social criticism that a healthy person never speaks because he became paranoid. The input that the Madman’s neuronal cells receive would differ somewhat from that of a healthy person. If a cannibal would be born, after some generations, a small difference in the initial value could cause the indeterminism that creates an entirely different outcome phenomenon.
The chaotic effect results from non-linearity and indeterminism in any academic discipline. To support these two points, I describe Luxun’s brain activity in writing his novels. If I could check Luxun's intentions against artificial intelligence, there would be the objectivity.
[Keyword]
Cognitive linguistics, synergic metaphor, paranoia (schizophrenia), awareness, chaotic effect
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
This study describes the chaotic effect in “A Madman’s Diary” to create a synergic metaphor called “Luxun and Chaos.” First, I analyze a general metaphor in cognitive linguistics. A synergic metaphor is the broader concept. When Luxun wrote “A Madman’s Diary,” China was engaged in two wars, civil and foreign. Therefore, many people behaved in disorderly and random manners.
The protagonist of “A Madman’s Diary,” Madman, repeated the social criticism that a healthy person never speaks because he became paranoid. The input that the Madman’s neuronal cells receive would differ somewhat from that of a healthy person. If a cannibal would be born, after some generations, a small difference in the initial value could cause the indeterminism that creates an entirely different outcome phenomenon.
The chaotic effect results from non-linearity and indeterminism in any academic discipline. To support these two points, I describe Luxun’s brain activity in writing his novels. If I could check Luxun's intentions against artificial intelligence, there would be the objectivity.
[Keyword]
Cognitive linguistics, synergic metaphor, paranoia (schizophrenia), awareness, chaotic effect
花村嘉英著(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品-魯迅をシナジーで読む」より translated by Yoshihisa Hanamura
魯迅とカオス11 狂人日記
4 まとめ
「トーマス・マンとファジィ」と同様に、シナジーのメタファーを求めて魯迅の「狂人日記」を認知言語学の手法に基づいて分析した。単純な認知プロセスを通した食人と狂人の言動から非線形性と非決定論というカオスの特徴を導くことにより、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作成した。
この種の実験は、およそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
「トーマス・マンとファジィ」と同様に、シナジーのメタファーを求めて魯迅の「狂人日記」を認知言語学の手法に基づいて分析した。単純な認知プロセスを通した食人と狂人の言動から非線形性と非決定論というカオスの特徴を導くことにより、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作成した。
この種の実験は、およそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人60人対40人、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス10 狂人日記
3.2 狂人と食人の非決定論(初期値敏感性)
狂人の言動と統合失調症の症状を重ねて考えてみよう。表3の5つの症状は、狂人の言動からも読み取れる。例えば、「俺を食おうと思っている」とか「俺を自殺に追い込もうとしている」という狂人の思いは、些細なことでも自分を貶めるための仕業と思い込んでしまう妄想気分である。
他の雑音には目もくれず、特定の刺激だけに焦点を絞る注意障害についても、狂人が赵貴翁や道行く人または子供たちの目つきにばかり気を取られることから読み取れる。20年前の古久先生の出納簿を踏んづけたことも頭を過ぎる(例、(3))。
【脳の活動A】 注意障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】赵貴翁の目つきが俺を怖がっている。
【注意】比較や研究。
A記憶と学習
【外部からの情報】子供たちも目つきそうであった。目つきが赵貴翁と同じである。小作人と兄の目つきも外のあの連中と全く同じ目だ。
【スキーマ】目つき
【既存の知識】赵貴翁の目つきと古久先生の出納簿。
【学習】彼らは怖がるような恐ろしい目つきで俺を睨む。
B計画と推論
【計画】物事を研究する。
【問題分析】どうして俺を睨むのか。彼らの親たちが教えたのだ。
【問題解決】善人をけなせば圏点が付き、悪人を弁護すれば褒められる。彼らの考えが全く分からない。
【推論】彼らは俺を食おうと思っている。
狂人は悪人ではない。しかし、善人でも少しけなせば人に圏点をつけるし、悪人を少し弁護すればほめてくれると兄はいう。これは、入力のわずかな違いが全く異なる出力につながる一例である(例、(7))。兄弟は一般的に性質が近いが、狂人が歴史書の中に食人の二文字を発見したとき、すでに狂気は覚醒に向かっている(例、(8))。そのため、この場面以降、二人の入力のわずかな違いが初期値敏感性につながっていく。
狂人の言動には幻聴も認められる。例えば、空笑や他人の発言また夢の中の出来事などがそれに当たる(例、(9)、(10)、(14)、(15))。
【脳の活動B】 幻聴の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】兄が医者を連れて来た。
【注意】肥満度
A記憶と学習
【外部からの情報】静養すれば、良くなるという。
【スキーマ】静養
【既存の知識】静養したら肥とる。
【学習】それだけ多く食える。笑止千万だ(空笑)。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる。まず兄から始めよう。
【問題分析】夢の中で一人の男に人食いが正しいかどうかを尋ねた。あるかもしれない。昔からそうであったからといわれる。
【問題解決】こうした考えを捨てたら、どんなに気楽だろう。
【推論】彼らは、互いに励ましあい、牽制しあい、死んでもこの一線を越えようとはしない。
また表6は、兄が食人であるという証拠を推論の土台にしている(例、(11))。
「道行く人も子供たちも、食おうとしながら、食われるのを恐れている。疑心暗鬼の目で互いに疑っている。」という症状は、自分と他者との境界が崩れて自我境界が曖昧になり、自分の秘密が筒抜けで、自分の考えが周囲に広まっていると感じる自我障害である(例、(16)、(17))。
【脳の活動C】 自我障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】自分は食おうとしながら、人に食われるのを恐れている。
【注意】疑心暗鬼の目。
A記憶と学習
【外部からの情報】道行く人も子供たちも食おうとする。
【スキーマ】食人
【既存の知識】食われるのを恐れている。
【学習】疑心暗鬼の目で互いに疑っている。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる。
【問題分析】これは一つの門にすぎない。皆で一味になり励ましあい牽制し合い、死んでも門を越えようとはしない。
【問題解決】一歩向きを変えれば、皆が太平になる。いけないといえばいい。
【推論】彼らは改めずにちゃんと仕組んでいる。気違いを俺におっかぶせる。彼らの常套手段。
統合失調症の患者は、何かとストレスを感じて、言動にまとまりを欠く解体症状を引き起こす。ここでは(21)の場面がそれに当たる。部屋に戻ると、真っ暗で梁や椽が頭上で大きく揺れ出し、体にのしかかってきた。狂人を殺そうとしている。しかし、すぐにその重さが偽物とわかり、狂人はもがいて抜け出した(例、(22))。
【脳の活動D】 思考障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】部屋の中は真っ暗で、梁や椽が頭上で揺れ出し、体にのしかかってきた。
【注意】圧力
A記憶と学習
【外部からの情報】重くて身動きできない。
【スキーマ】殺害
【既存の知識】自殺
【学習】もがいて抜け出した。全身が汗まみれ。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる。
【問題分析】人を食わなくなって、本当の人間になった者もいれば、ある者はやはり食っていた。彼らは、俺を食おうとしている。
【問題解決】一歩向きを変えれば、皆が太平になる。いけないといえばいい。
【推論】おまえたち、心の底から改めよ。食人はこの世で生きていけなくなることを知るがよい。
兄弟で妹に対する思いは近い。当初は入出力が近かったはずである。しかし、狂人の二度目の覚醒のころには、兄にいわせると食われるのが当たり前になり、二人の出力に差が生じている(例、(23))。
狂人の狂気は益々覚醒に向かっていく。確かに解体症状の中にも自由奔放な思考とか論理の展開が見られる。しかし、健全な人たちとの共通感覚がないために、彼らと対話する条件が見あたらない。狂人の思考は、当時の中国社会に潜んでいた根源的な恐怖に向かっているためである。(大石:1996) 礼教食人といえども、子供のうちなら人を食べたことがないものもいる。そこで、次世代以降の人民への警鐘が鳴らされる(例、(25)、(26))。
【脳の活動F】 思考障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】母の泣き方。
【注意】比較
A記憶と学習
【外部からの情報】五歳になった可愛い妹が兄に食われた。
【スキーマ】父母が病気の時、自分の肉を食べてもらうことが恩返しになる。
【既存の知識】父母への恩返しは人徳。
【学習】しかし、あの日の泣き方は、本当に胸が痛くなった。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる(説得)。
【問題分析】俺には四千年の食人の履歴がある。もう分かる。本当の人間にはめったに会えない。
【問題解決】子供を救え。
【推論】人を食べたことがない子供ならいるかもしれない。
全体的に見ると、狂人の話の筋道はこうだ。怪しげでゾッとするような目つきをして睨み、俺のことを食おうとしているならば、食人である。しかし、一線(門)を越えれば、本当の人間になれる。食人でいる間は、自分の子供にも礼教食人を教えるために、次世代でもまた食人が生まれてしまう。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
狂人の言動と統合失調症の症状を重ねて考えてみよう。表3の5つの症状は、狂人の言動からも読み取れる。例えば、「俺を食おうと思っている」とか「俺を自殺に追い込もうとしている」という狂人の思いは、些細なことでも自分を貶めるための仕業と思い込んでしまう妄想気分である。
他の雑音には目もくれず、特定の刺激だけに焦点を絞る注意障害についても、狂人が赵貴翁や道行く人または子供たちの目つきにばかり気を取られることから読み取れる。20年前の古久先生の出納簿を踏んづけたことも頭を過ぎる(例、(3))。
【脳の活動A】 注意障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】赵貴翁の目つきが俺を怖がっている。
【注意】比較や研究。
A記憶と学習
【外部からの情報】子供たちも目つきそうであった。目つきが赵貴翁と同じである。小作人と兄の目つきも外のあの連中と全く同じ目だ。
【スキーマ】目つき
【既存の知識】赵貴翁の目つきと古久先生の出納簿。
【学習】彼らは怖がるような恐ろしい目つきで俺を睨む。
B計画と推論
【計画】物事を研究する。
【問題分析】どうして俺を睨むのか。彼らの親たちが教えたのだ。
【問題解決】善人をけなせば圏点が付き、悪人を弁護すれば褒められる。彼らの考えが全く分からない。
【推論】彼らは俺を食おうと思っている。
狂人は悪人ではない。しかし、善人でも少しけなせば人に圏点をつけるし、悪人を少し弁護すればほめてくれると兄はいう。これは、入力のわずかな違いが全く異なる出力につながる一例である(例、(7))。兄弟は一般的に性質が近いが、狂人が歴史書の中に食人の二文字を発見したとき、すでに狂気は覚醒に向かっている(例、(8))。そのため、この場面以降、二人の入力のわずかな違いが初期値敏感性につながっていく。
狂人の言動には幻聴も認められる。例えば、空笑や他人の発言また夢の中の出来事などがそれに当たる(例、(9)、(10)、(14)、(15))。
【脳の活動B】 幻聴の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】兄が医者を連れて来た。
【注意】肥満度
A記憶と学習
【外部からの情報】静養すれば、良くなるという。
【スキーマ】静養
【既存の知識】静養したら肥とる。
【学習】それだけ多く食える。笑止千万だ(空笑)。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる。まず兄から始めよう。
【問題分析】夢の中で一人の男に人食いが正しいかどうかを尋ねた。あるかもしれない。昔からそうであったからといわれる。
【問題解決】こうした考えを捨てたら、どんなに気楽だろう。
【推論】彼らは、互いに励ましあい、牽制しあい、死んでもこの一線を越えようとはしない。
また表6は、兄が食人であるという証拠を推論の土台にしている(例、(11))。
「道行く人も子供たちも、食おうとしながら、食われるのを恐れている。疑心暗鬼の目で互いに疑っている。」という症状は、自分と他者との境界が崩れて自我境界が曖昧になり、自分の秘密が筒抜けで、自分の考えが周囲に広まっていると感じる自我障害である(例、(16)、(17))。
【脳の活動C】 自我障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】自分は食おうとしながら、人に食われるのを恐れている。
【注意】疑心暗鬼の目。
A記憶と学習
【外部からの情報】道行く人も子供たちも食おうとする。
【スキーマ】食人
【既存の知識】食われるのを恐れている。
【学習】疑心暗鬼の目で互いに疑っている。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる。
【問題分析】これは一つの門にすぎない。皆で一味になり励ましあい牽制し合い、死んでも門を越えようとはしない。
【問題解決】一歩向きを変えれば、皆が太平になる。いけないといえばいい。
【推論】彼らは改めずにちゃんと仕組んでいる。気違いを俺におっかぶせる。彼らの常套手段。
統合失調症の患者は、何かとストレスを感じて、言動にまとまりを欠く解体症状を引き起こす。ここでは(21)の場面がそれに当たる。部屋に戻ると、真っ暗で梁や椽が頭上で大きく揺れ出し、体にのしかかってきた。狂人を殺そうとしている。しかし、すぐにその重さが偽物とわかり、狂人はもがいて抜け出した(例、(22))。
【脳の活動D】 思考障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】部屋の中は真っ暗で、梁や椽が頭上で揺れ出し、体にのしかかってきた。
【注意】圧力
A記憶と学習
【外部からの情報】重くて身動きできない。
【スキーマ】殺害
【既存の知識】自殺
【学習】もがいて抜け出した。全身が汗まみれ。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる。
【問題分析】人を食わなくなって、本当の人間になった者もいれば、ある者はやはり食っていた。彼らは、俺を食おうとしている。
【問題解決】一歩向きを変えれば、皆が太平になる。いけないといえばいい。
【推論】おまえたち、心の底から改めよ。食人はこの世で生きていけなくなることを知るがよい。
兄弟で妹に対する思いは近い。当初は入出力が近かったはずである。しかし、狂人の二度目の覚醒のころには、兄にいわせると食われるのが当たり前になり、二人の出力に差が生じている(例、(23))。
狂人の狂気は益々覚醒に向かっていく。確かに解体症状の中にも自由奔放な思考とか論理の展開が見られる。しかし、健全な人たちとの共通感覚がないために、彼らと対話する条件が見あたらない。狂人の思考は、当時の中国社会に潜んでいた根源的な恐怖に向かっているためである。(大石:1996) 礼教食人といえども、子供のうちなら人を食べたことがないものもいる。そこで、次世代以降の人民への警鐘が鳴らされる(例、(25)、(26))。
【脳の活動F】 思考障害の認知プロセス
@知覚と注意
【知覚】母の泣き方。
【注意】比較
A記憶と学習
【外部からの情報】五歳になった可愛い妹が兄に食われた。
【スキーマ】父母が病気の時、自分の肉を食べてもらうことが恩返しになる。
【既存の知識】父母への恩返しは人徳。
【学習】しかし、あの日の泣き方は、本当に胸が痛くなった。
B計画と推論
【計画】食人を改心させる(説得)。
【問題分析】俺には四千年の食人の履歴がある。もう分かる。本当の人間にはめったに会えない。
【問題解決】子供を救え。
【推論】人を食べたことがない子供ならいるかもしれない。
全体的に見ると、狂人の話の筋道はこうだ。怪しげでゾッとするような目つきをして睨み、俺のことを食おうとしているならば、食人である。しかし、一線(門)を越えれば、本当の人間になれる。食人でいる間は、自分の子供にも礼教食人を教えるために、次世代でもまた食人が生まれてしまう。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス9 狂人日記
3 場面の認知プロセス
3.1 食人の非線形性
上述の狂人の言動を認知プロセスに当てはめながら、それぞれの場面の認知プロセスを確認していこう。プロセスの要素は、以下の【】書きのものを採用する。
【脳の活動@】非線形性の認知プロセス(妄想気分)
認知能力のプロセス
@知覚と注意
【知覚】狂人の視神経が赵貴翁の目つきに反応する。他の7、8人、道行く人、子供たちも赵貴翁と同じ目つきであることがわかる。
【注意】グループ化と比較。
認知能力のプロセス
A記憶と学習
【外部からの情報】彼らの暗号を読み取る。
【スキーマ】話や笑いが毒や刀で、歯は人を食う道具である。
【既存の知識】歴史書にも食人の二字が書いてある。
【学習】にやけて笑いながら、怪しげな目つきで睨む人は、俺を食おうと思っている。
認知能力のプロセス
B計画と推論
【計画】狂気から覚醒する。
【問題分析】中国では儒教による封建主義が時代の思潮であった。しかし、留学先の日本で近代ヨーロッパの精神に触れて狂気に陥った。
【問題解決】食人行為は歴史からも見て取れるが、今でもずっと続いている。食人行為を捨てれば、楽しいはずである。
【推論】人を食べて自分を調節している人間は実在する。こうした人間が一線を越えて真の人間になるための振舞いは、無秩序で予測がつかない。
この認知プロセスのモデルから狂人の脳の活動に見られる非線形性が見て取れる。
食人の言動は、一見人を食べるための秩序に則っているように見える。道行く人や子供も道で会った女も陳老五も兄や小作人も皆、赵貴翁と同じ目つきで俺を見る(例、表2の(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(8))。ゾッとする。俺を食うかもしれない。しかし、一線を越えて本当の人になるための振舞いは、秩序を持って予測することが難しい。そこには順序とか確かな筋立てのような直線的なルールがあるわけではない。従って、食人の振舞いは、カオスの非線形性に通じる特徴になる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
3.1 食人の非線形性
上述の狂人の言動を認知プロセスに当てはめながら、それぞれの場面の認知プロセスを確認していこう。プロセスの要素は、以下の【】書きのものを採用する。
【脳の活動@】非線形性の認知プロセス(妄想気分)
認知能力のプロセス
@知覚と注意
【知覚】狂人の視神経が赵貴翁の目つきに反応する。他の7、8人、道行く人、子供たちも赵貴翁と同じ目つきであることがわかる。
【注意】グループ化と比較。
認知能力のプロセス
A記憶と学習
【外部からの情報】彼らの暗号を読み取る。
【スキーマ】話や笑いが毒や刀で、歯は人を食う道具である。
【既存の知識】歴史書にも食人の二字が書いてある。
【学習】にやけて笑いながら、怪しげな目つきで睨む人は、俺を食おうと思っている。
認知能力のプロセス
B計画と推論
【計画】狂気から覚醒する。
【問題分析】中国では儒教による封建主義が時代の思潮であった。しかし、留学先の日本で近代ヨーロッパの精神に触れて狂気に陥った。
【問題解決】食人行為は歴史からも見て取れるが、今でもずっと続いている。食人行為を捨てれば、楽しいはずである。
【推論】人を食べて自分を調節している人間は実在する。こうした人間が一線を越えて真の人間になるための振舞いは、無秩序で予測がつかない。
この認知プロセスのモデルから狂人の脳の活動に見られる非線形性が見て取れる。
食人の言動は、一見人を食べるための秩序に則っているように見える。道行く人や子供も道で会った女も陳老五も兄や小作人も皆、赵貴翁と同じ目つきで俺を見る(例、表2の(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(8))。ゾッとする。俺を食うかもしれない。しかし、一線を越えて本当の人になるための振舞いは、秩序を持って予測することが難しい。そこには順序とか確かな筋立てのような直線的なルールがあるわけではない。従って、食人の振舞いは、カオスの非線形性に通じる特徴になる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス8 狂人日記
2.2 被害妄想は統合失調症
被害妄想は、感情と思考がうまく調和しない統合失調症の一つの症状である。統合失調症の原因については、神経細胞の移動を促すケモカイン不足により引き起こされるという説が有力である。以下に、統合失調症の症状をまとめてみる。
症状 妄想気分
これまでとは何かが違うような、世の中が変わったような、不安と気持の昂りが混ざった気分のことである。被害妄想にかかると、些細なことでも自分を貶めるための仕業と思い込んでしまう。
症状 注意障害
統合失調症が発症する前段階で見られる。他の雑音には目もくれず、特定の刺激だけに焦点を絞る選択的注意と注意するが故に注意散漫となる持続的注意とがある。
症状 幻聴
最も多いのは、批判や悪口が聞こえてくるという症状である。幻聴が見られると、独り言や空笑が起こりやすく、幻聴に向かって怒鳴ったりすることもある。こうした幻覚症状は、被害妄想とセットになっている場合が多い。
症状 自分と他者との境界が崩れて、自我境界が曖昧になり、自分の秘密が筒抜けで、自分の考えが周囲に広まっていると感じてしまう。
症状 思考障害
言動のまとまりが悪くなり、思考の統合が緩くなる症状。話がとぎれとぎれで飛んでしまい、会話が支離滅裂になり、論理的な筋道に従って話すことができなくなる。
昔から統合失調症には分裂気質(シゾイド)の人がかかりやすいといわれている。シゾイドとは、非社交的で、内向的で、孤独を好み、思索的で浮世離れした性格を指している。また、近年の研究からは、受動型の人がかかりやすいことも分かってきた。幼児体験でいうと、いじめを受けた人は攻撃されても反撃しないことから、受身的な行動様式をとる性格といえる。
統合失調症の症状は、通常、陽性と陰性に分けられる。前者は、幻覚や独り言や妄想、興奮といった中枢神経系の病的な活動が原因で発症し、後者は、活動意欲の低下や自閉症のように中枢神経の活動や機能が低下して起こる無気力状態のことである。自分の秘密が筒抜けと感じる自我漏洩症状や自分の考えが周囲に広まっていると感じる思考伝播などの自我障害を幻覚妄想症状に含めて考えることもある。
これらのほかに認知機能の障害も認められている。統合失調症の患者は、関係のないことを気にする傾向があり、大切なものに注意を向けることができない注意障害を引き起こす。精神科医たちは、陽性や陰性の症状が始まる前に、短期記憶や注意力といった認知機能の低下に注目する。
統合失調症の患者は、情報を処理する際に、ストレスを感じて負荷がかかりやすい。通常、感覚器官から入ってきた情報は、脳の視床で篩にかけられる。しかし、情報量が増えて、処理能力を上回りそうになると、情報量を減らすために視床フィルターが機能する仕組みになっている。統合失調症の患者は、これがうまくできまない。思考や行動がまとまりを失う解体症状を引き起こすためである。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
被害妄想は、感情と思考がうまく調和しない統合失調症の一つの症状である。統合失調症の原因については、神経細胞の移動を促すケモカイン不足により引き起こされるという説が有力である。以下に、統合失調症の症状をまとめてみる。
症状 妄想気分
これまでとは何かが違うような、世の中が変わったような、不安と気持の昂りが混ざった気分のことである。被害妄想にかかると、些細なことでも自分を貶めるための仕業と思い込んでしまう。
症状 注意障害
統合失調症が発症する前段階で見られる。他の雑音には目もくれず、特定の刺激だけに焦点を絞る選択的注意と注意するが故に注意散漫となる持続的注意とがある。
症状 幻聴
最も多いのは、批判や悪口が聞こえてくるという症状である。幻聴が見られると、独り言や空笑が起こりやすく、幻聴に向かって怒鳴ったりすることもある。こうした幻覚症状は、被害妄想とセットになっている場合が多い。
症状 自分と他者との境界が崩れて、自我境界が曖昧になり、自分の秘密が筒抜けで、自分の考えが周囲に広まっていると感じてしまう。
症状 思考障害
言動のまとまりが悪くなり、思考の統合が緩くなる症状。話がとぎれとぎれで飛んでしまい、会話が支離滅裂になり、論理的な筋道に従って話すことができなくなる。
昔から統合失調症には分裂気質(シゾイド)の人がかかりやすいといわれている。シゾイドとは、非社交的で、内向的で、孤独を好み、思索的で浮世離れした性格を指している。また、近年の研究からは、受動型の人がかかりやすいことも分かってきた。幼児体験でいうと、いじめを受けた人は攻撃されても反撃しないことから、受身的な行動様式をとる性格といえる。
統合失調症の症状は、通常、陽性と陰性に分けられる。前者は、幻覚や独り言や妄想、興奮といった中枢神経系の病的な活動が原因で発症し、後者は、活動意欲の低下や自閉症のように中枢神経の活動や機能が低下して起こる無気力状態のことである。自分の秘密が筒抜けと感じる自我漏洩症状や自分の考えが周囲に広まっていると感じる思考伝播などの自我障害を幻覚妄想症状に含めて考えることもある。
これらのほかに認知機能の障害も認められている。統合失調症の患者は、関係のないことを気にする傾向があり、大切なものに注意を向けることができない注意障害を引き起こす。精神科医たちは、陽性や陰性の症状が始まる前に、短期記憶や注意力といった認知機能の低下に注目する。
統合失調症の患者は、情報を処理する際に、ストレスを感じて負荷がかかりやすい。通常、感覚器官から入ってきた情報は、脳の視床で篩にかけられる。しかし、情報量が増えて、処理能力を上回りそうになると、情報量を減らすために視床フィルターが機能する仕組みになっている。統合失調症の患者は、これがうまくできまない。思考や行動がまとまりを失う解体症状を引き起こすためである。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス7 狂人日記
第一章 月夜の晩
1
今天晚上,很好的月光。我不见他,已是三十多年,今天见了,精神分外爽快。那赵家的狗,何以看我两眼呢?我怕得有理。
今夜はいい月である。見なくなって三十年余りになる。今日は見たため、気分がとても爽やかである。赵家の犬がどうして俺を見るのだろう。俺が怖がるのも当然である。
第二章 出納簿
2
赵贵翁的眼色便怪,似乎怕我, 似乎想害我。还有七八个人,又怕我看见。一路上的人,都是如此。其中最凶的一个人,对我笑了一笑。我便从头直冷到脚跟晓得他们布置,都已妥当了。.
赵貴翁の目つきがおかしい。俺を怖がっているようでもあり、俺をやっつけようとしているようでもある。他の七、八人も俺に見られるのを怖がっている。道行く人も皆そうであった。その中で一番質の悪い奴が俺に向かって笑いかけやがった。全身でゾッとした。
3
小孩子的眼色也同赵贵翁一样。廿年以前,把古久先生的陈年流水簿子,踹了一脚。赵贵翁虽然不认识他,一定也听到风声,代抱不平。小孩子,何以今天也睁着怪眼睛。我明白了。这是他们娘老子教的。
子供たちも目つきが赵貴翁と同じであった。二十年前、古久先生の出納簿を踏んづけたことがある。赵貴翁は、古久先生と知り合いではないが、噂を聞いて怒っていた。子供たちはなぜおかしな目つきで睨むのだろう。分かった。彼らの親たちが教えたからだ。
第三章 研究
4
昨天街上的那个女人,打他儿子。他眼睛却看着我。我出了一惊,遮掩不住。
昨日道で会った女は、息子を殴りながら俺を見た。思わずうろたえた。
5
陈老五硬把我拖回家中了。家里的人的脸色,也全同别人一样。
陳老五が無理やり俺を家に引きずり込んだ。その家の人の目つきも他の連中と同じである。
6
狼子村的一个大恶人,给大家打死了。几个人便挖出他的心肝来,用油煎炒了吃。我插了一句嘴,佃户和大哥便都看我几眼。他们的眼光,全同外面的那伙人一抹一样。想起来,我从顶上直冷到脚跟。他们会吃人,就未必不会吃我。我看出他们的暗号。他话中全是毒,笑中全是刀。他们的牙齿是吃人的家伙。
狼子村の極悪人が皆に殴り殺されたが、数人の者がその男の心臓と肝臓を抉り出し油で炒めて食べた。俺が口を挟むと、小作人と兄がじろじろ俺を見た。彼らの目つきは、外のあの連中と全く同じ目である。思い出すとゾッとする。彼らは人を食う。俺を食うかもしれない。彼らの暗号を読み取ると、話や笑いが毒や刀で、歯は人を食う道具である。
7
照我自己想,虽然不是恶人。况且他们一翻睑,便说人是恶人。我还记得大哥教我做论,无论怎么好人,翻他几句,他便打上几个圈,原谅坏人几句,他便说,翻天妙手,与众不同。
自分を振り返って見て、俺は悪人ではないが、彼らは仲たがいをすれば、すぐに人を悪人呼ばわりする。兄が俺に論文の書き方を教えてくれたとき、善人でも少しけなすと圏点をつけるし、悪人を少し弁護すれば「点を翻す妙手にて、衆と同じからず」とほめると言った。
8
满本都写着两个字是吃人。佃户都笑吟吟的睁着怪眼睛看我。他们想要吃我了。
歴史書にも食人の二字が書いてある。小作人はにやけて笑いながら、怪しげな目つきで俺を睨んでいる。彼らは俺を食おうと思っているのだ。(覚醒@)
第四章 大発見
9
大哥说,今天请何先生来。无非借了看脉这名目,揣一揣肥瘠。静静的养几天,就好了。养肥了,他们是自然可以多吃。 真要令我笑死。这笑声里面,有的是义勇和正气,老头子和大哥,都是失了色。
兄が医者を連れて来た。脈を見ながら、肥り具合を見る。静養すれば、良くなるという。しかし、静養したら肥って、それだけ多く食える。笑止千万である。大笑いは、俺の勇気と正義で、医者と兄は顔色を失くした。
10
老头子对大哥说道,ー紧吃罢。合伙吃我的人,便是我的哥哥。大发见。我是吃人的人的兄弟!
医者が兄に早く食べろと言う。俺を食おうとして「ぐる」になっているのは、俺の兄である。大発見だ。俺は人食い人間の弟である。
第五章 証拠
11
医生和大哥是吃人的人。本草什么上明明写人肉可以煎吃。大哥说过可以易子而食,又议论起一个不好的人,他便说不但该杀,还当食肉寝皮。前天狼子村的佃户来说吃心肝的事,他不住的点头。
医者も兄も食人である。本草学の本に人肉は煮て食えるとある。「子を易えて食らう」とは兄のことばで、悪人について議論したとき、殺すだけでなく、「肉を食らいて皮に寝ぬ」と言っていた。一昨日の狼子村の小作人が来て心臓や肝臓を食うことを話したが、彼はしきりにうなずいていた。
第六章 暗闇
12
K漆漆的,不知是日是夜。赵家的狗又叫起来了。狮子似的凶心,兔子的怯弱,狐狸的狡猾。
真っ暗で、昼なのか夜なのか分からない。赵家の犬がまた吠え出した。獅子のように凶悪な心、ウサギの卑怯、狐の狡猾。
第七章 改心
13
他们大家连洛,布满了罗网,逼我自戕。自己紧紧勒死。要劝转吃人的人,先从大哥下手。
彼らは皆で連絡を取り、網を張り、俺を自殺に追い込もうとしている。首つりだ。人を食う人間を改心させることを、まず、兄から始めよう。
第八章 ある男の夢
14
忽然来了一个人,年纪不过二十左右。我便问他,吃人的事,对么?含含糊糊的答道,没有的事。他便变了脸,铁一般青,睁着眼说,也许有的,这是从来如此。
二十歳前後の男がやってきた。人食いが正しいかどうか尋ねた。ありもしないとあいまいにいう。すぐに顔色を変えて、鉄のような青色になって、眼を見張って、あるかもしれない、昔からそうであったからと言った。
15
我直跳起来,这人便不见了。全身出了一大片汗。他也是一伙。这一定是他娘老子先教的。还怕已经教给他儿子了,所以连小孩子,也都恶狼狼的看我。
飛び起きると、その男の姿はなく、全身汗まみれだ。彼も一味だ。親から教わり、子にも伝えている。だから、子供が憎々しく俺を見る。
第九章 疑心暗鬼
16
自己想吃人,又怕被别人吃了,都用着疑心极深的眼光,画画相觑。
食おうとしながら、食われるのを恐れている。疑心暗鬼の目で、互いに疑っている。
17
去了这心思,何等舒服。他们可是互相劝勉,互相牵掣,死也不肯跨过这一步。
こうした考えを捨てたら、どんなに気楽だろう。しかし、彼らは、互いに励ましあい、牽制しあい、死んでもこの一線を越えようとはしない。
第十章 説得
18
我格外和气的对大哥说。“大约当初野蛮的人,都吃过一点人。后来因为心思不同,有的不吃人了,变了真的人。有的却还吃。他们要吃我,也会吃你。但只要转一步,也就人人太平。我们说是不能!”
格別に和やかに兄に話しかけた。「たぶん太古の人はみな人を食った。その後、考えが変わり、人を食わなくなって、本当の人間になった者もいれば、ある者はやはり食っていた。彼らは、俺を食おうとしている。兄さんのことも食うよ。一歩向きを変えれば、皆が太平になるよ。いけないといえばいい。」
19
他眼光便凶狼起来,那就满脸都变成青色了。大门外立着一伙人。这时候,大哥也忽然高声喝到,“都出去,疯子有什么好看!”
兄の目つきが凶悪になり、顔が真っ青になった。表門の外に一味のものたちが立っていた。その時、突然、兄が大声で怒鳴った。「みんな出て行け。気違いが、何がおもしろい。」
20
预备下一个疯子的名目罩上我。这是他们的老谱。
“你们可以改了。要晓得将来容不得吃人的人,活在世上。即使生得多,也会给真的人除灭。”
気違いという名目を用意して俺におっかぶせるのは、彼らの常套手段である。
「お前たち、改めるがよい。人を食う人間はこの世で生きていけなくなることを知れ。たとえ生き延びたとしても、本当の人間に滅ぼされてしまう。」
21
我回屋子里去。屋里面全是K沉沉的。横梁和椽子都在头上发抖,堆在我身上。 万分沉重,动弹不得。他的意思是要我死。
部屋に戻ると、真っ暗で梁や椽が頭上で大きく揺れ出し、体にのしかかってきた。重くて動けない。俺を殺そうとしている。
22
我晓得他的沉重是假的,便挣扎出来,出了一身汗。你们立刻改了,从真心改起.你们要晓得将来是容不得吃人的人。
重さがにせものとわかり、もがいて抜け出した。全身が汗まみれ。おまえたち、すぐ改めよ。心の底から改めよ。やがて人を食う人間はいられなくなることを知るがよい。
第十一章 妹
23
那时我妹子才五岁,可爱的样子,还在眼前。妹子是被大哥吃了。他却劝母亲不要哭。大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人。但是那天的哭法,实在还教人伤心。
あの時、妹は五歳になったばかりで、可愛らしい様子が今でも目に浮かぶ。妹は兄に食われてしまった。しかし、兄は母に泣くなと言った。兄は、父母が病気になったら、子は肉を一切れ割いて、よく煮て食べてもらってこそ、立派な人間なのだと言った。だがあの日の泣き方は、本当に胸が痛くなった。(覚醒A)
第十二章 本当の人間
24
大哥正管着家务,妹子恰恰死了。我未必无意之中,不吃了我妹子的几片肉。
兄が家事をきりもりしていた。その時妹は死んだ。知らぬ間に妹の肉を食わなかったとはいえない。
25
有了四千年吃人履历的我。现在明白,难见真的人!
四千年の食人の履歴がある俺。もう分かる。本当の人間にはめったに会えない。
第十三章 救済
26
没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子。 人を食べたことがない子供ならいるかもしれない。子供を救え。(覚醒B)
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
1
今天晚上,很好的月光。我不见他,已是三十多年,今天见了,精神分外爽快。那赵家的狗,何以看我两眼呢?我怕得有理。
今夜はいい月である。見なくなって三十年余りになる。今日は見たため、気分がとても爽やかである。赵家の犬がどうして俺を見るのだろう。俺が怖がるのも当然である。
第二章 出納簿
2
赵贵翁的眼色便怪,似乎怕我, 似乎想害我。还有七八个人,又怕我看见。一路上的人,都是如此。其中最凶的一个人,对我笑了一笑。我便从头直冷到脚跟晓得他们布置,都已妥当了。.
赵貴翁の目つきがおかしい。俺を怖がっているようでもあり、俺をやっつけようとしているようでもある。他の七、八人も俺に見られるのを怖がっている。道行く人も皆そうであった。その中で一番質の悪い奴が俺に向かって笑いかけやがった。全身でゾッとした。
3
小孩子的眼色也同赵贵翁一样。廿年以前,把古久先生的陈年流水簿子,踹了一脚。赵贵翁虽然不认识他,一定也听到风声,代抱不平。小孩子,何以今天也睁着怪眼睛。我明白了。这是他们娘老子教的。
子供たちも目つきが赵貴翁と同じであった。二十年前、古久先生の出納簿を踏んづけたことがある。赵貴翁は、古久先生と知り合いではないが、噂を聞いて怒っていた。子供たちはなぜおかしな目つきで睨むのだろう。分かった。彼らの親たちが教えたからだ。
第三章 研究
4
昨天街上的那个女人,打他儿子。他眼睛却看着我。我出了一惊,遮掩不住。
昨日道で会った女は、息子を殴りながら俺を見た。思わずうろたえた。
5
陈老五硬把我拖回家中了。家里的人的脸色,也全同别人一样。
陳老五が無理やり俺を家に引きずり込んだ。その家の人の目つきも他の連中と同じである。
6
狼子村的一个大恶人,给大家打死了。几个人便挖出他的心肝来,用油煎炒了吃。我插了一句嘴,佃户和大哥便都看我几眼。他们的眼光,全同外面的那伙人一抹一样。想起来,我从顶上直冷到脚跟。他们会吃人,就未必不会吃我。我看出他们的暗号。他话中全是毒,笑中全是刀。他们的牙齿是吃人的家伙。
狼子村の極悪人が皆に殴り殺されたが、数人の者がその男の心臓と肝臓を抉り出し油で炒めて食べた。俺が口を挟むと、小作人と兄がじろじろ俺を見た。彼らの目つきは、外のあの連中と全く同じ目である。思い出すとゾッとする。彼らは人を食う。俺を食うかもしれない。彼らの暗号を読み取ると、話や笑いが毒や刀で、歯は人を食う道具である。
7
照我自己想,虽然不是恶人。况且他们一翻睑,便说人是恶人。我还记得大哥教我做论,无论怎么好人,翻他几句,他便打上几个圈,原谅坏人几句,他便说,翻天妙手,与众不同。
自分を振り返って見て、俺は悪人ではないが、彼らは仲たがいをすれば、すぐに人を悪人呼ばわりする。兄が俺に論文の書き方を教えてくれたとき、善人でも少しけなすと圏点をつけるし、悪人を少し弁護すれば「点を翻す妙手にて、衆と同じからず」とほめると言った。
8
满本都写着两个字是吃人。佃户都笑吟吟的睁着怪眼睛看我。他们想要吃我了。
歴史書にも食人の二字が書いてある。小作人はにやけて笑いながら、怪しげな目つきで俺を睨んでいる。彼らは俺を食おうと思っているのだ。(覚醒@)
第四章 大発見
9
大哥说,今天请何先生来。无非借了看脉这名目,揣一揣肥瘠。静静的养几天,就好了。养肥了,他们是自然可以多吃。 真要令我笑死。这笑声里面,有的是义勇和正气,老头子和大哥,都是失了色。
兄が医者を連れて来た。脈を見ながら、肥り具合を見る。静養すれば、良くなるという。しかし、静養したら肥って、それだけ多く食える。笑止千万である。大笑いは、俺の勇気と正義で、医者と兄は顔色を失くした。
10
老头子对大哥说道,ー紧吃罢。合伙吃我的人,便是我的哥哥。大发见。我是吃人的人的兄弟!
医者が兄に早く食べろと言う。俺を食おうとして「ぐる」になっているのは、俺の兄である。大発見だ。俺は人食い人間の弟である。
第五章 証拠
11
医生和大哥是吃人的人。本草什么上明明写人肉可以煎吃。大哥说过可以易子而食,又议论起一个不好的人,他便说不但该杀,还当食肉寝皮。前天狼子村的佃户来说吃心肝的事,他不住的点头。
医者も兄も食人である。本草学の本に人肉は煮て食えるとある。「子を易えて食らう」とは兄のことばで、悪人について議論したとき、殺すだけでなく、「肉を食らいて皮に寝ぬ」と言っていた。一昨日の狼子村の小作人が来て心臓や肝臓を食うことを話したが、彼はしきりにうなずいていた。
第六章 暗闇
12
K漆漆的,不知是日是夜。赵家的狗又叫起来了。狮子似的凶心,兔子的怯弱,狐狸的狡猾。
真っ暗で、昼なのか夜なのか分からない。赵家の犬がまた吠え出した。獅子のように凶悪な心、ウサギの卑怯、狐の狡猾。
第七章 改心
13
他们大家连洛,布满了罗网,逼我自戕。自己紧紧勒死。要劝转吃人的人,先从大哥下手。
彼らは皆で連絡を取り、網を張り、俺を自殺に追い込もうとしている。首つりだ。人を食う人間を改心させることを、まず、兄から始めよう。
第八章 ある男の夢
14
忽然来了一个人,年纪不过二十左右。我便问他,吃人的事,对么?含含糊糊的答道,没有的事。他便变了脸,铁一般青,睁着眼说,也许有的,这是从来如此。
二十歳前後の男がやってきた。人食いが正しいかどうか尋ねた。ありもしないとあいまいにいう。すぐに顔色を変えて、鉄のような青色になって、眼を見張って、あるかもしれない、昔からそうであったからと言った。
15
我直跳起来,这人便不见了。全身出了一大片汗。他也是一伙。这一定是他娘老子先教的。还怕已经教给他儿子了,所以连小孩子,也都恶狼狼的看我。
飛び起きると、その男の姿はなく、全身汗まみれだ。彼も一味だ。親から教わり、子にも伝えている。だから、子供が憎々しく俺を見る。
第九章 疑心暗鬼
16
自己想吃人,又怕被别人吃了,都用着疑心极深的眼光,画画相觑。
食おうとしながら、食われるのを恐れている。疑心暗鬼の目で、互いに疑っている。
17
去了这心思,何等舒服。他们可是互相劝勉,互相牵掣,死也不肯跨过这一步。
こうした考えを捨てたら、どんなに気楽だろう。しかし、彼らは、互いに励ましあい、牽制しあい、死んでもこの一線を越えようとはしない。
第十章 説得
18
我格外和气的对大哥说。“大约当初野蛮的人,都吃过一点人。后来因为心思不同,有的不吃人了,变了真的人。有的却还吃。他们要吃我,也会吃你。但只要转一步,也就人人太平。我们说是不能!”
格別に和やかに兄に話しかけた。「たぶん太古の人はみな人を食った。その後、考えが変わり、人を食わなくなって、本当の人間になった者もいれば、ある者はやはり食っていた。彼らは、俺を食おうとしている。兄さんのことも食うよ。一歩向きを変えれば、皆が太平になるよ。いけないといえばいい。」
19
他眼光便凶狼起来,那就满脸都变成青色了。大门外立着一伙人。这时候,大哥也忽然高声喝到,“都出去,疯子有什么好看!”
兄の目つきが凶悪になり、顔が真っ青になった。表門の外に一味のものたちが立っていた。その時、突然、兄が大声で怒鳴った。「みんな出て行け。気違いが、何がおもしろい。」
20
预备下一个疯子的名目罩上我。这是他们的老谱。
“你们可以改了。要晓得将来容不得吃人的人,活在世上。即使生得多,也会给真的人除灭。”
気違いという名目を用意して俺におっかぶせるのは、彼らの常套手段である。
「お前たち、改めるがよい。人を食う人間はこの世で生きていけなくなることを知れ。たとえ生き延びたとしても、本当の人間に滅ぼされてしまう。」
21
我回屋子里去。屋里面全是K沉沉的。横梁和椽子都在头上发抖,堆在我身上。 万分沉重,动弹不得。他的意思是要我死。
部屋に戻ると、真っ暗で梁や椽が頭上で大きく揺れ出し、体にのしかかってきた。重くて動けない。俺を殺そうとしている。
22
我晓得他的沉重是假的,便挣扎出来,出了一身汗。你们立刻改了,从真心改起.你们要晓得将来是容不得吃人的人。
重さがにせものとわかり、もがいて抜け出した。全身が汗まみれ。おまえたち、すぐ改めよ。心の底から改めよ。やがて人を食う人間はいられなくなることを知るがよい。
第十一章 妹
23
那时我妹子才五岁,可爱的样子,还在眼前。妹子是被大哥吃了。他却劝母亲不要哭。大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人。但是那天的哭法,实在还教人伤心。
あの時、妹は五歳になったばかりで、可愛らしい様子が今でも目に浮かぶ。妹は兄に食われてしまった。しかし、兄は母に泣くなと言った。兄は、父母が病気になったら、子は肉を一切れ割いて、よく煮て食べてもらってこそ、立派な人間なのだと言った。だがあの日の泣き方は、本当に胸が痛くなった。(覚醒A)
第十二章 本当の人間
24
大哥正管着家务,妹子恰恰死了。我未必无意之中,不吃了我妹子的几片肉。
兄が家事をきりもりしていた。その時妹は死んだ。知らぬ間に妹の肉を食わなかったとはいえない。
25
有了四千年吃人履历的我。现在明白,难见真的人!
四千年の食人の履歴がある俺。もう分かる。本当の人間にはめったに会えない。
第十三章 救済
26
没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子。 人を食べたことがない子供ならいるかもしれない。子供を救え。(覚醒B)
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス6 狂人日記
魯迅の「狂人日記」(1918)は、中国近代文学史上初めて口語体(白話文)で書かれた。当時の中国社会は、人が人を食う社会であり、救済するには肉体よりも精神の改造を必要とした。中国の支配者層が食人的封建社会を成立させるために儒教の教えを利用したからである。しかし、結局は虚偽にすぎず、「狂人日記」の中に登場する礼教食人を生み出した。魯迅は死ぬ直前まで、「馬々虎々」(詐欺も含む人間的ないい加減さ)という悪霊と戦い、この悪霊を制圧しない限り、中国の再生はありえないという信念を持っていた。主人公の狂人は、被害妄想を患っていた。但し、従来の狂人の扱いについては、中国と日本で違いがある。中国での見方は以下の三つである。(花村嘉英著「魯迅をシナジーで読む」より)
@ 主人公の狂気は見せかけで、反封建の戦士というもの。
A 主人公の狂人は本当であり、反封建の戦士ではなく、反封建思想を託されたシンボルというもの。
B 迫害にあって発生した反封建の戦士というもの。
一方、日本の見方は、「主人公の狂気は覚醒した」となっている。私のブログでは、狂人の狂気は覚醒したとしながらも、同時に狂人が発する中国人民への説得も認知プロセスと関連づけて考えていく。つまり、人間が野蛮であったころは人を食いもした。しかし、よくなろうとして人間を食わなくなったものは、本当の人間になった。こうした努力こそが大切だとするリスク回避による意思決定論を見ていく。
狂人は確かに狂気に陥っている。狂人の発病時期を考えると、30年ぶりにきれいな月を見たという書き出しの日記のため、相応の年月が経っていると見なすことができる。20年前に古久先生の古い出納簿を踏んでいやな顔をされた中学生の頃には、症状が周囲からも見て取れた。
魯迅は日本留学中(1902−1909)に個人を重視する近代ヨーロッパの精神を学んでいる。これは魯迅にとって、儒教を拠り所とする封建的な物の考え方とは全く異なる革命的な思想であった。これを狂人が狂気に陥った一要因とするのはどうであろうか。
覚醒の時期についてもいくつか可能性がある。 例えば、
@ 歴史書を紐解いて食人 を発見した場面。
A また一つは、妹の肉を食う場面。家族が食人の世界と繋がり、自分もその中にいることを発見した場面。
B そして、「子供を救え」と訴える個人と中国民族の再生を望む場面など。
これらの場面と狂人が人民に向けて説得を繰り返す場面を認知プロセスと関連づけるために、以下で狂人の言動を見ていこう。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
@ 主人公の狂気は見せかけで、反封建の戦士というもの。
A 主人公の狂人は本当であり、反封建の戦士ではなく、反封建思想を託されたシンボルというもの。
B 迫害にあって発生した反封建の戦士というもの。
一方、日本の見方は、「主人公の狂気は覚醒した」となっている。私のブログでは、狂人の狂気は覚醒したとしながらも、同時に狂人が発する中国人民への説得も認知プロセスと関連づけて考えていく。つまり、人間が野蛮であったころは人を食いもした。しかし、よくなろうとして人間を食わなくなったものは、本当の人間になった。こうした努力こそが大切だとするリスク回避による意思決定論を見ていく。
狂人は確かに狂気に陥っている。狂人の発病時期を考えると、30年ぶりにきれいな月を見たという書き出しの日記のため、相応の年月が経っていると見なすことができる。20年前に古久先生の古い出納簿を踏んでいやな顔をされた中学生の頃には、症状が周囲からも見て取れた。
魯迅は日本留学中(1902−1909)に個人を重視する近代ヨーロッパの精神を学んでいる。これは魯迅にとって、儒教を拠り所とする封建的な物の考え方とは全く異なる革命的な思想であった。これを狂人が狂気に陥った一要因とするのはどうであろうか。
覚醒の時期についてもいくつか可能性がある。 例えば、
@ 歴史書を紐解いて食人 を発見した場面。
A また一つは、妹の肉を食う場面。家族が食人の世界と繋がり、自分もその中にいることを発見した場面。
B そして、「子供を救え」と訴える個人と中国民族の再生を望む場面など。
これらの場面と狂人が人民に向けて説得を繰り返す場面を認知プロセスと関連づけるために、以下で狂人の言動を見ていこう。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス5 狂人日記
筆者は、「トーマス・マンとファジィ」というシナジーのメタファーを作るために、論理文法による分析を試みたことがある。(花村嘉英著「計算文学入門」2005) また、ここ数年は、魯迅や鴎外の作品を題材にして、「魯迅とカオス」とか「鴎外と感情」という組み合わせを考えている。これは、「トーマス・マンとファジィ」とは異なる言語でシナジーのメタファーを作成するためである。
魯迅の「阿Q正伝」に関する論文では、サピアの言語論を基にして、中国語と日本語から見えてくる思考様式の違いについて考察している。魯迅は学生時代に日本に留学しており、彼自身も中日の思考様式の違いについて思うところがあった。そして、当時の中国人が罹っていた「馬々虎々」という精神的な病を嫌って、「阿Q正伝」の主人公阿Qに自分を重ねてそれを強く人民に訴えった。こうした魯迅の作家人生からシナジーのメタファーを作るために、「馬々虎々」をカオスのモデルとリンクさせながら、「阿Q正伝」に見られるカオスの世界を海馬モデルにより説明している。
なお伝統的な縦の研究の場合は、作品を受容するということで読者の脳が想定される。一方、シナジーの研究については、作家が執筆している際の脳の活動がポイントになる。(例えば、知的財産)そのため、AとBから異質のCという公式の中で、Cを脳科学にした。その際、CからBへのリターンも想定の内にありる。
「経営工学」とか「社会とシステム」または「法律と技術」といったその他の文理融合の組み合せと比べると、「計算と文学」の場合は、文から理へのストーリーを作る際に、Bから異質のCへ橋を架けるところが難しい。そのため、文系から寄せた場合、中間のBまでの分析が圧倒的に多い。つまり、AとBの塊を作る事が多くて、そこから異質のCが出てこない。「阿Q正伝」の分析では、阿Qの記憶に絡む言動を抽出し、そこに同期と非同期の関係を見出して、カオスと記憶の話に橋を架けた。
例えば、阿Qが飢えた狼の目を認識する際、まず連続した物体の存在認識が必要になる。阿Qの視神経は、狼の目の領域とそれ以外の空間から入力情報を受け取り、それぞれが同期と非同期の関係になる。狼の目は動くので、同期する場所は常に変化していく。そのため、同期と非同期は、速やかに処理されなければならない。「魯迅をシナジーで読む」では、カオスがこれを容易にすると考える。
「狂人日記」は、被害妄想を患う狂人が狂気から覚醒し食人を改心させようとして説得を繰り返す筋立てである。狂人の思いは、食人が一線(門)を越えることができるかどうかにある。一線を越えることができれば、本当の人間になれるからである。
私のブログでは、こうした意思決定のポイントを狂人の意識と照合しながら、カオスと関連づけて考えている。最初に述べたように、カオスには二つの基本的な特徴がある。一つは、振舞いが無秩序なために予想ができなくなる非線形性である。また一つは、入力が近似であるにも関わらず、出力が全く異なったものになる非決定論である。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅の「阿Q正伝」に関する論文では、サピアの言語論を基にして、中国語と日本語から見えてくる思考様式の違いについて考察している。魯迅は学生時代に日本に留学しており、彼自身も中日の思考様式の違いについて思うところがあった。そして、当時の中国人が罹っていた「馬々虎々」という精神的な病を嫌って、「阿Q正伝」の主人公阿Qに自分を重ねてそれを強く人民に訴えった。こうした魯迅の作家人生からシナジーのメタファーを作るために、「馬々虎々」をカオスのモデルとリンクさせながら、「阿Q正伝」に見られるカオスの世界を海馬モデルにより説明している。
なお伝統的な縦の研究の場合は、作品を受容するということで読者の脳が想定される。一方、シナジーの研究については、作家が執筆している際の脳の活動がポイントになる。(例えば、知的財産)そのため、AとBから異質のCという公式の中で、Cを脳科学にした。その際、CからBへのリターンも想定の内にありる。
「経営工学」とか「社会とシステム」または「法律と技術」といったその他の文理融合の組み合せと比べると、「計算と文学」の場合は、文から理へのストーリーを作る際に、Bから異質のCへ橋を架けるところが難しい。そのため、文系から寄せた場合、中間のBまでの分析が圧倒的に多い。つまり、AとBの塊を作る事が多くて、そこから異質のCが出てこない。「阿Q正伝」の分析では、阿Qの記憶に絡む言動を抽出し、そこに同期と非同期の関係を見出して、カオスと記憶の話に橋を架けた。
例えば、阿Qが飢えた狼の目を認識する際、まず連続した物体の存在認識が必要になる。阿Qの視神経は、狼の目の領域とそれ以外の空間から入力情報を受け取り、それぞれが同期と非同期の関係になる。狼の目は動くので、同期する場所は常に変化していく。そのため、同期と非同期は、速やかに処理されなければならない。「魯迅をシナジーで読む」では、カオスがこれを容易にすると考える。
「狂人日記」は、被害妄想を患う狂人が狂気から覚醒し食人を改心させようとして説得を繰り返す筋立てである。狂人の思いは、食人が一線(門)を越えることができるかどうかにある。一線を越えることができれば、本当の人間になれるからである。
私のブログでは、こうした意思決定のポイントを狂人の意識と照合しながら、カオスと関連づけて考えている。最初に述べたように、カオスには二つの基本的な特徴がある。一つは、振舞いが無秩序なために予想ができなくなる非線形性である。また一つは、入力が近似であるにも関わらず、出力が全く異なったものになる非決定論である。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス4 狂人日記
「魯迅をシナジーで読む」の中では、認知言語学が処理するメタファーとして、@慣習のメタファー、A汎用のメタファー、BイメージのメタファーそしてC詩のメタファーを認めている。@は「陽はまた昇る」のような日常経験を基にしているため、あまり意識されることなく使用される。Aは「時間は空間である」といったメタファーのことであり、時空が表す出来事へと拡張される。例えば、「弟が眠っている」は「眠る」と「いる」により空間の中で弟の状態が継続的に捉えられる。Bは文学作品に多く見られるが、慣習化の度合いが低いために、創造的なイメージがつきまとう。Cは複数のメタファーが幾重にも同時に作用するため、少ない数のことばから豊かな表現が生まれる。
このブログでは、これらのメタファーの上位概念として、シナジーのメタファーを考えている。伝統的な縦の研究は、AとBからA’とB’を出すことが目標である。一方、シナジーの研究は、AとBから異質のCを出すことが目標になる。シナジーのメタファーも通常の写像関係を踏襲し、Aが根源領域、Cが目標領域、Bはその写像という対応関係を取る。そして、シナジーの組み合せとしては、文学と論理計算を想定しているため、Aは人文科学、Bは認知科学、そしてCは脳科学になる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
このブログでは、これらのメタファーの上位概念として、シナジーのメタファーを考えている。伝統的な縦の研究は、AとBからA’とB’を出すことが目標である。一方、シナジーの研究は、AとBから異質のCを出すことが目標になる。シナジーのメタファーも通常の写像関係を踏襲し、Aが根源領域、Cが目標領域、Bはその写像という対応関係を取る。そして、シナジーの組み合せとしては、文学と論理計算を想定しているため、Aは人文科学、Bは認知科学、そしてCは脳科学になる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス3 狂人日記
日常経験に基づいた推論は、具体的なカテゴリーが問題になる。しかし、文学作品などでよく見る抽象的なカテゴリーは、そもそも作家が何か具体的なことを表現するために使われている。こうした抽象的な概念と具体的な概念との間には何らかの関係が成立する。このような対応関係は、一般的にメタファーと呼ばれる。
メタファーを図式化すると、理解のもとになる根源領域から理解の対象になる目標領域への写像関係が作られる。このメカニズムは、抽象概念を引き出すとともに、言語表現による意味の拡張としても理解される。そこには慣習化されたものもあり、その場合は言語表現の問題ではなく、思考や概念のレベルで写像が生まれる。
例えば、メタファーを表すために「○○は△△である」という表記を用いる。ここで○○が目標領域であり、△△は根源領域である。メタファーは、直接知覚しにくいものを理解させてくれる。但し、根源領域の構造が目標領域に写像されると、関連事項を調節するために推論が必要になる。
メタファー(1): 黄鶴楼が武漢のシンボルなら、第一橋は武漢の大動脈である。
条件文(1)の前半でメタファーを導入し、後半はそこからの推論を使用しながら、対応する部分を述べている。(1)のような推論は、真偽というよりも何とからしさが問題になる。メタファーによる推論は、問題解決のための発見とか意思決定の力ともいえる。また、対象となる概念領域がかけ離れているのに、ひらめきにより類推が効く場合がある。それが正しいという保証はないが、未知の領域を理解するために既知の知識をあてはめてみると、うまくいくこともある。
さらに認知言語学は情報を受け取ると同時に、ある場面のイメージを作る方法についても研究を進めていく。世の中を客観的に捉える方法は、社会や文化により異なる。言語の違いにより異なる思考のレベルが考察対象になるためである。言語と思考の問題については、サピアと彼の弟子のウォーフの研究が知られている。
サピア・ウォーフの仮説:母国語の構造は、認知の能力のような言語から独立した思考、例えば、推論に影響を与える。
この仮説に関する一般的な解釈は、言語が思考に少なからず影響を与えるという立場を取る。しかし、知覚や記憶のメカニズムは、言語によって決まるわけではない。思考については、対象の捉え方や判断の仕方に関する高次の認知能力が問われるようだ。どういう記憶が残りやすいのか、記憶ごとの結びつきはどうなのかを考えると、社会共同体の輪郭や違いが見えてくる。(大堀:2002) 一般的に、既知の情報については推論を用いることにより、そして未知の情報についてはカテゴリー化することにより我々は情報を整理している。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
メタファーを図式化すると、理解のもとになる根源領域から理解の対象になる目標領域への写像関係が作られる。このメカニズムは、抽象概念を引き出すとともに、言語表現による意味の拡張としても理解される。そこには慣習化されたものもあり、その場合は言語表現の問題ではなく、思考や概念のレベルで写像が生まれる。
例えば、メタファーを表すために「○○は△△である」という表記を用いる。ここで○○が目標領域であり、△△は根源領域である。メタファーは、直接知覚しにくいものを理解させてくれる。但し、根源領域の構造が目標領域に写像されると、関連事項を調節するために推論が必要になる。
メタファー(1): 黄鶴楼が武漢のシンボルなら、第一橋は武漢の大動脈である。
条件文(1)の前半でメタファーを導入し、後半はそこからの推論を使用しながら、対応する部分を述べている。(1)のような推論は、真偽というよりも何とからしさが問題になる。メタファーによる推論は、問題解決のための発見とか意思決定の力ともいえる。また、対象となる概念領域がかけ離れているのに、ひらめきにより類推が効く場合がある。それが正しいという保証はないが、未知の領域を理解するために既知の知識をあてはめてみると、うまくいくこともある。
さらに認知言語学は情報を受け取ると同時に、ある場面のイメージを作る方法についても研究を進めていく。世の中を客観的に捉える方法は、社会や文化により異なる。言語の違いにより異なる思考のレベルが考察対象になるためである。言語と思考の問題については、サピアと彼の弟子のウォーフの研究が知られている。
サピア・ウォーフの仮説:母国語の構造は、認知の能力のような言語から独立した思考、例えば、推論に影響を与える。
この仮説に関する一般的な解釈は、言語が思考に少なからず影響を与えるという立場を取る。しかし、知覚や記憶のメカニズムは、言語によって決まるわけではない。思考については、対象の捉え方や判断の仕方に関する高次の認知能力が問われるようだ。どういう記憶が残りやすいのか、記憶ごとの結びつきはどうなのかを考えると、社会共同体の輪郭や違いが見えてくる。(大堀:2002) 一般的に、既知の情報については推論を用いることにより、そして未知の情報についてはカテゴリー化することにより我々は情報を整理している。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス2 狂人日記
認知言語学は、人間の認知能力を問う学問である。認知能力とは、一般的に周囲の環境から情報を受け取り、それを記憶に貯えて、必要に応じてその情報を呼び出すことができる力のことである。この3つのプロセスをそれぞれ組みで考えてみよう。
まず、環境から情報を受け取る知覚のプロセスでは、感覚器官から入ってくる情報に注目するため、対象を捉えるときの目のつころが重要になる。従って、このプロセスでは「知覚と注意」という組み合わせが成立する。次に、獲得した情報は記憶として蓄えられるため、そこから人間の知識が生まれる。この段階では「学習と記憶」という組み合わせが成立する。受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でないと推論が必要になる。3つ目の段階では「計画と推論」という組み合わせが成立する。
[認知能力のプロセス]
@知覚と注意 感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルとか視線の移動である。
A学習と記憶 外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識は、スキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報についてはカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。
B計画と推論 受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でないと、推論が必要になる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
まず、環境から情報を受け取る知覚のプロセスでは、感覚器官から入ってくる情報に注目するため、対象を捉えるときの目のつころが重要になる。従って、このプロセスでは「知覚と注意」という組み合わせが成立する。次に、獲得した情報は記憶として蓄えられるため、そこから人間の知識が生まれる。この段階では「学習と記憶」という組み合わせが成立する。受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でないと推論が必要になる。3つ目の段階では「計画と推論」という組み合わせが成立する。
[認知能力のプロセス]
@知覚と注意 感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。例えば、ベースとプロファイルとか視線の移動である。
A学習と記憶 外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識は、スキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。また、未知の情報についてはカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。
B計画と推論 受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でないと、推論が必要になる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
魯迅とカオス1 狂人日記
【要旨】
「狂人日記」(1918)から見えてくるカオス効果を題材にして「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを考察する。最初に認知言語学における一般的なメタファーの分析について考える。シナジーのメタファーは、その上位概念である。「狂人日記」が執筆された当時の中国は、内戦と列強国との戦いを繰り返す二重の戦争状態にあり、中国人民の振舞いは無秩序で不規則なものであった。
主人公の狂人は、被害妄想に罹っているため、当時の中国人民が決していわないような社会批判を繰り返す。狂人が受け取る入力は、一般の人の入力と少しずれていると考えてもおかしくない。
カオスの特徴は、文理を問わずどの分野でも非線形性と非決定論である。この2点を「狂人日記」から引き出すことができれば、作品を執筆している時の魯迅の脳の活動はカオスに通じることになる。作家の思いと人工知能が照合できれば、自ずと客観性が生まれる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
「狂人日記」(1918)から見えてくるカオス効果を題材にして「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを考察する。最初に認知言語学における一般的なメタファーの分析について考える。シナジーのメタファーは、その上位概念である。「狂人日記」が執筆された当時の中国は、内戦と列強国との戦いを繰り返す二重の戦争状態にあり、中国人民の振舞いは無秩序で不規則なものであった。
主人公の狂人は、被害妄想に罹っているため、当時の中国人民が決していわないような社会批判を繰り返す。狂人が受け取る入力は、一般の人の入力と少しずれていると考えてもおかしくない。
カオスの特徴は、文理を問わずどの分野でも非線形性と非決定論である。この2点を「狂人日記」から引き出すことができれば、作品を執筆している時の魯迅の脳の活動はカオスに通じることになる。作家の思いと人工知能が照合できれば、自ずと客観性が生まれる。
花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」12
計算表
非線形性 3 3 合計6
偏差 2 2 合計4
偏差2 4 4 合計8
初期値敏感性 4 2 合計6
偏差 3 1 合計4
偏差2 9 1 合計10
AB偏差の積 6 2 合計8
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 8/√8 x 10 = 8/√80 = 8/4√5 = 2/√5 = 0.89
従って、かなり正の相関があるといえる。
5 相関係数を言葉で表す
数字の意味を言葉で確認しておく。
0≦r≦0.2 : ほとんど相関がない
0.2≦r≦0.4 : やや相関がある
0.4≦r≦0.7 : かなり相関がある
0.7≦r≦1 : 強い相関がある
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 森鴎外の「山椒大夫」のDB化とその分析 中国日语教学研究会江苏分会論文集 2015
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教育研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
非線形性 3 3 合計6
偏差 2 2 合計4
偏差2 4 4 合計8
初期値敏感性 4 2 合計6
偏差 3 1 合計4
偏差2 9 1 合計10
AB偏差の積 6 2 合計8
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 8/√8 x 10 = 8/√80 = 8/4√5 = 2/√5 = 0.89
従って、かなり正の相関があるといえる。
5 相関係数を言葉で表す
数字の意味を言葉で確認しておく。
0≦r≦0.2 : ほとんど相関がない
0.2≦r≦0.4 : やや相関がある
0.4≦r≦0.7 : かなり相関がある
0.7≦r≦1 : 強い相関がある
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 森鴎外の「山椒大夫」のDB化とその分析 中国日语教学研究会江苏分会論文集 2015
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教育研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」11
A 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
B 非線形性2なし、初期値敏感性2なし
C 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
D 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
E 非線形性2なし、初期値敏感性2なし
F 非線形性2なし、初期値敏感性1ある
非線形性は、あるなしが3、3、一方、初期値敏感性は、あるなしが4、2になる。
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの平均値を出す。
非線形性の平均:(3 + 3)÷ 6 = 1
初期値敏感性の平均:(4 + 2)÷ 6 = 1
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
非線形性の偏差:(3 - 1)、(3 - 1)= 2、2
初期値敏感性の偏差:(4 - 1)、( 2- 1)= 3、1
◆非線形性と初期値敏感性をそれぞれ2乗する。
非線形性の偏差2乗 = 4、4
初期値敏感性の偏差2乗 = 9、1
◆非線形性と初期値敏感性の偏差同士の積を計算する。
(非線形性の偏差)x(初期値敏感性の偏差)= 6、2
◆非線形性と初期値敏感性の偏差を2乗したものを合計する。
非線形性の偏差を2乗したものの合計 = 4 + 4 = 8
初期値敏感性の偏差を2乗したものの合計 = 9 + 1 = 10
◆非線形性と初期値敏感性の偏差の合計を合計する。
6 + 2 = 8
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
B 非線形性2なし、初期値敏感性2なし
C 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
D 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
E 非線形性2なし、初期値敏感性2なし
F 非線形性2なし、初期値敏感性1ある
非線形性は、あるなしが3、3、一方、初期値敏感性は、あるなしが4、2になる。
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの平均値を出す。
非線形性の平均:(3 + 3)÷ 6 = 1
初期値敏感性の平均:(4 + 2)÷ 6 = 1
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
非線形性の偏差:(3 - 1)、(3 - 1)= 2、2
初期値敏感性の偏差:(4 - 1)、( 2- 1)= 3、1
◆非線形性と初期値敏感性をそれぞれ2乗する。
非線形性の偏差2乗 = 4、4
初期値敏感性の偏差2乗 = 9、1
◆非線形性と初期値敏感性の偏差同士の積を計算する。
(非線形性の偏差)x(初期値敏感性の偏差)= 6、2
◆非線形性と初期値敏感性の偏差を2乗したものを合計する。
非線形性の偏差を2乗したものの合計 = 4 + 4 = 8
初期値敏感性の偏差を2乗したものの合計 = 9 + 1 = 10
◆非線形性と初期値敏感性の偏差の合計を合計する。
6 + 2 = 8
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」10
4.2 小説の場面に適用する
阿Qが刑場へ向かう場面でカオスの特性といえる非線形性と初期値敏感性が取れるかどうか見てみよう。それぞれ、1ある、2なしとする。
刑場へ向かう場面
A 阿 Q 被抬上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处.这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面怎样,阿 Q 没有见.但他突然觉到了:这岂不是去杀头么?
非線形性1 初期値敏感性1
B 他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的.他不知道这是在游街,在示众他省悟了,这是绕到法场去的路. 非線形性2 初期値敏感性2
C 却在路旁的人丛中发见了一个吴妈.很久违.阿 Q 忽然很羞愧自己没志气:竟没有唱几句戏.“好!!!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来. 非線形性1 初期値敏感性1
D 阿 Q 于是再看那些喝采的人们. 四年之前,他曾在山脚下遇见一只饿狼. 非線形性1 初期値敏感性1
E 可是永远记得那狼眼睛.又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉.而这回他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,又钝又锋利不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走. 非線形性2 初期値敏感性2
F 这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的迸散了. 非線形性2 初期値敏感性1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
阿Qが刑場へ向かう場面でカオスの特性といえる非線形性と初期値敏感性が取れるかどうか見てみよう。それぞれ、1ある、2なしとする。
刑場へ向かう場面
A 阿 Q 被抬上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处.这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面怎样,阿 Q 没有见.但他突然觉到了:这岂不是去杀头么?
非線形性1 初期値敏感性1
B 他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的.他不知道这是在游街,在示众他省悟了,这是绕到法场去的路. 非線形性2 初期値敏感性2
C 却在路旁的人丛中发见了一个吴妈.很久违.阿 Q 忽然很羞愧自己没志气:竟没有唱几句戏.“好!!!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来. 非線形性1 初期値敏感性1
D 阿 Q 于是再看那些喝采的人们. 四年之前,他曾在山脚下遇见一只饿狼. 非線形性1 初期値敏感性1
E 可是永远记得那狼眼睛.又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉.而这回他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,又钝又锋利不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走. 非線形性2 初期値敏感性2
F 这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的迸散了. 非線形性2 初期値敏感性1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」9
4 統計処理−相関
4.1 相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や、区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。(前野2012)
相関とは原因から結果が生じ、互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要となる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「阿Q正伝」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
4.1 相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や、区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。(前野2012)
相関とは原因から結果が生じ、互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要となる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「阿Q正伝」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」8
3.2 標準偏差による分析
グループA、グループB、グループC、グループDそれぞれの標準偏差を計算する。その際、場面1、場面2、場面3の特性1と特性2のそれぞれの値は、質量ではなく指標であるため、特性の個数を数えて算術平均を出し、それぞれの値から算術平均を引き、その2乗の和集合の平均を求め、これを平方に開いていく。
求められた各グループの標準偏差の数字は、何を表しているのだろうか。数字の意味が説明できれば、分析は、一応の成果が得られたことになる。
◆グループA 五感(1視覚と2その他)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面3(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
場面1、場面2、場面3を通して、視覚情報が多いため、「阿Q正伝」は、五感の中で視覚情報が鍵になる作品といえる。
◆グループB ジェスチャー(1直示と2隠喩)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面3(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
「阿Q正伝」は、当時の世相を反映させた作品のため、場面1、場面2、場面3を通して、隠喩が少ないことがわかる。
◆グループC 情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)
場面1(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
場面1、場面2、場面3を通して、新情報の2が多いため、ストーリーがテンポよく展開していることがわかる。
◆グループD 情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)
場面1(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
場面2(特性1、0個と特性2、5個)の標準偏差は、0となる。
場面3(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
「阿Q正伝」は、当時の世相を反映させた作品のため、場面1、場面2、場面3を通して、問題未解決が多いことがわかる。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
グループA、グループB、グループC、グループDそれぞれの標準偏差を計算する。その際、場面1、場面2、場面3の特性1と特性2のそれぞれの値は、質量ではなく指標であるため、特性の個数を数えて算術平均を出し、それぞれの値から算術平均を引き、その2乗の和集合の平均を求め、これを平方に開いていく。
求められた各グループの標準偏差の数字は、何を表しているのだろうか。数字の意味が説明できれば、分析は、一応の成果が得られたことになる。
◆グループA 五感(1視覚と2その他)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面3(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
場面1、場面2、場面3を通して、視覚情報が多いため、「阿Q正伝」は、五感の中で視覚情報が鍵になる作品といえる。
◆グループB ジェスチャー(1直示と2隠喩)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面3(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
「阿Q正伝」は、当時の世相を反映させた作品のため、場面1、場面2、場面3を通して、隠喩が少ないことがわかる。
◆グループC 情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)
場面1(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
場面1、場面2、場面3を通して、新情報の2が多いため、ストーリーがテンポよく展開していることがわかる。
◆グループD 情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)
場面1(特性1、3個と特性2、2個)の標準偏差は、0.49となる。
場面2(特性1、0個と特性2、5個)の標準偏差は、0となる。
場面3(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
【数字からわかること】
「阿Q正伝」は、当時の世相を反映させた作品のため、場面1、場面2、場面3を通して、問題未解決が多いことがわかる。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」7
◆場面3 刑場へ向かう
阿 Q 被抬上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处.这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面怎样,阿 Q 没有见.但他突然觉到了:这岂不是去杀头么? A1B1C1D2
他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的.他不知道这是在游街,在示众他省悟了,这是绕到法场去的路 A1B1C2D1
却在路旁的人丛中发见了一个吴妈.很久违.阿 Q 忽然很羞愧自己没志气:竟没有唱几句戏.“好!!!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来. 阿 Q 于是再看那些喝采的人们. 四年之前,他曾在山脚下遇见一只饿狼. A1B1C1D2
可是永远记得那狼眼睛.又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉.而这回他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,又钝又锋利不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走.
A2B2C2D2
这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的迸散了.
A2B2C1D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
阿 Q 被抬上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处.这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面怎样,阿 Q 没有见.但他突然觉到了:这岂不是去杀头么? A1B1C1D2
他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的.他不知道这是在游街,在示众他省悟了,这是绕到法场去的路 A1B1C2D1
却在路旁的人丛中发见了一个吴妈.很久违.阿 Q 忽然很羞愧自己没志气:竟没有唱几句戏.“好!!!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来. 阿 Q 于是再看那些喝采的人们. 四年之前,他曾在山脚下遇见一只饿狼. A1B1C1D2
可是永远记得那狼眼睛.又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉.而这回他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,又钝又锋利不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走.
A2B2C2D2
这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的迸散了.
A2B2C1D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」6
◆場面2 革命許さず
革命党虽然进了城只有一件可怕的事是动手剪辫子几天之后,将辫子盘在顶上的逐渐揄チ起来了,早经说过,最先自然是茂才公,其次便是赵司晨和赵白眼,后来是阿 Q 赵司晨脑后空荡荡的走来,看见的人大嚷说,“嚄,革命党来了!” 阿 Q 听到了很装. A2B2C1D2
他在街上走,人也看他,然而不说什么话,阿Q当初很不快,后来便很不平. 小D也将辫子盘在头顶上了,而且也居然用一支竹筷.阿Q万料不到他也敢这样做. A1B1C2D2
进城去的只有一个假洋鬼子.赵秀才托假洋鬼子带上城,而且托他给自己绍介绍介,去进自由党.假洋鬼子回来时,向秀才讨还了四块洋钱,秀才便有一块银桃子挂在大襟上了;赵太爷因此也骤然大阔见了阿Q,也就很有些不放在眼里了. 阿Q正在不平,又时时刻刻感着冷落. A1B1C1D2
要革命第一着仍然要和革命党去结识他除却ー紧去和假洋鬼子商量之外,再没有别的道路了.他一到里面,很吃了惊只见假洋鬼子正站在院子的中央,一身乌K的大约是洋衣已经留到一尺多长的辫子都拆开了披在肩背上赵白眼和三个闲人,正在必恭必敬的听说活. A1B1C2D2
洋先生不准他革命他所有的抱负,志向,希望,前程,全被一笔勾销了他似乎从来没有经验过这样的无聊. 他忽而听得一种异样的声音一个人从对面逃来了看那人便是小D.“赵赵家遭抢了!”阿Q 的心怦怦的跳了. A1B1C2D2
干是蹩出路角,仔细的听两只脚却没有动.阿 Q站着看到自己发烦.
又没有自己的份,−−−这全是假洋鬼子可恶,不准我造反阿Q越想越气,终于禁不住满心痛恨起来.
A2B1C2D2
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
革命党虽然进了城只有一件可怕的事是动手剪辫子几天之后,将辫子盘在顶上的逐渐揄チ起来了,早经说过,最先自然是茂才公,其次便是赵司晨和赵白眼,后来是阿 Q 赵司晨脑后空荡荡的走来,看见的人大嚷说,“嚄,革命党来了!” 阿 Q 听到了很装. A2B2C1D2
他在街上走,人也看他,然而不说什么话,阿Q当初很不快,后来便很不平. 小D也将辫子盘在头顶上了,而且也居然用一支竹筷.阿Q万料不到他也敢这样做. A1B1C2D2
进城去的只有一个假洋鬼子.赵秀才托假洋鬼子带上城,而且托他给自己绍介绍介,去进自由党.假洋鬼子回来时,向秀才讨还了四块洋钱,秀才便有一块银桃子挂在大襟上了;赵太爷因此也骤然大阔见了阿Q,也就很有些不放在眼里了. 阿Q正在不平,又时时刻刻感着冷落. A1B1C1D2
要革命第一着仍然要和革命党去结识他除却ー紧去和假洋鬼子商量之外,再没有别的道路了.他一到里面,很吃了惊只见假洋鬼子正站在院子的中央,一身乌K的大约是洋衣已经留到一尺多长的辫子都拆开了披在肩背上赵白眼和三个闲人,正在必恭必敬的听说活. A1B1C2D2
洋先生不准他革命他所有的抱负,志向,希望,前程,全被一笔勾销了他似乎从来没有经验过这样的无聊. 他忽而听得一种异样的声音一个人从对面逃来了看那人便是小D.“赵赵家遭抢了!”阿Q 的心怦怦的跳了. A1B1C2D2
干是蹩出路角,仔细的听两只脚却没有动.阿 Q站着看到自己发烦.
又没有自己的份,−−−这全是假洋鬼子可恶,不准我造反阿Q越想越气,终于禁不住满心痛恨起来.
A2B1C2D2
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」5
2 統計処理−バラツキ
2.1 データの抽出
作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
◆場面1 恋愛の悲劇−永遠に得意
他是永远得意的“断子绝孙的阿 Q !” 他想:不错,应该一个女人 阿 Q 本来也是正人但他对于“男女之大防”却历来非常严谁知道他将到“而立”之年,竟被小尼姑害得飘飘然了. A2B2C1D2
吴妈,是赵大爷家里唯一的女仆,洗完了碗碟,也就在长凳上坐下了,而且和阿 Q 谈闲天: 阿 Q 放下烟管,站了起来.
“我 和 你 困 觉,我 和 你 困觉!”阿 Q 忽然抢上去,对伊跪下了. A1B1C2D2
那秀才便拿了一支大竹杠站在他面前.大竹杠又向他劈下来了.阿 Q 两手去抱头,拍的正打在指节上,这可很有一些痛.他那“女”的思想却也没有了. A1B1C2D1
吴妈只是哭赵大爷向他奔来,而且手里捏着一支大竹杠.他看见这一支大竹杠,便猛然间悟到自己曾经被打,和这一场热闹似乎有点相关.他翻身便走. A1B1C2D1
然而地保进来了并且订定了 五条件. 阿Q自然都答应了. A1B1C2D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
2.1 データの抽出
作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
◆場面1 恋愛の悲劇−永遠に得意
他是永远得意的“断子绝孙的阿 Q !” 他想:不错,应该一个女人 阿 Q 本来也是正人但他对于“男女之大防”却历来非常严谁知道他将到“而立”之年,竟被小尼姑害得飘飘然了. A2B2C1D2
吴妈,是赵大爷家里唯一的女仆,洗完了碗碟,也就在长凳上坐下了,而且和阿 Q 谈闲天: 阿 Q 放下烟管,站了起来.
“我 和 你 困 觉,我 和 你 困觉!”阿 Q 忽然抢上去,对伊跪下了. A1B1C2D2
那秀才便拿了一支大竹杠站在他面前.大竹杠又向他劈下来了.阿 Q 两手去抱头,拍的正打在指节上,这可很有一些痛.他那“女”的思想却也没有了. A1B1C2D1
吴妈只是哭赵大爷向他奔来,而且手里捏着一支大竹杠.他看见这一支大竹杠,便猛然间悟到自己曾经被打,和这一场热闹似乎有点相关.他翻身便走. A1B1C2D1
然而地保进来了并且订定了 五条件. 阿Q自然都答应了. A1B1C2D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」4
30 洋先生不谁他革命,他所有的抱负,志向,希望,前程,全被一笔勾销了。他似乎从来没有经验过这样的无聊。
31 他忽而听得一种导样的声音。一个人从对面逃来了。看那人便是小D。“赵家遭抢了!”阿Q的心怦怦的跳了。
32 干是蹩出路角,仔细的听。两只脚却没有动。阿Q站着看到自己发烦。
33 没有自己的份,这全是假洋鬼子可恶,不谁我造反。阿Q越想越气,终于禁不住满心痛恨起来。
34 四天之后,阿Q在半夜里忽被抓进县城里去了。两个团丁将阿Q抓出来。他虽然有些忐忑,却并不很苦闷。“因为我想造反。”
35 他到得大堂,上面座着一个老头子。他便知道这人一定有些来历,膝关节立刻自然而然的宽松,便跪了下去了。
36 许多长衫和短衫人物,忽然给他穿上一件洋布的白背心。阿Q很气苦,因为这很像是带孝,而带孝是晦气的。
37 阿Q被拾上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处。这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面,阿Q没有见。
但他突然觉到了,这岂不是去杀头么?
38 他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的。这是在游街,在示众。阿Q省悟了,这是绕到法场去的路。
39 在路旁的人丛中发见了一个吴妈。很久连。阿Q忽然很羞愧自己没志气,竟没有唱几句戏。“好!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来。
40 阿Q于是再看那些喝采的人们。四年之前,他曾在山脚下遇见一只俄狼。
41 可是永远记得那狼眼睛。又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉。他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走。
42 这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂。他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的进散了。
43 至于舆论,在未庄是无异议,自然都说阿Q坏,被枪毙便是他的坏的证据。而城里的舆论却不佳。游了那么久的街,竞没有唱一句戏。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
31 他忽而听得一种导样的声音。一个人从对面逃来了。看那人便是小D。“赵家遭抢了!”阿Q的心怦怦的跳了。
32 干是蹩出路角,仔细的听。两只脚却没有动。阿Q站着看到自己发烦。
33 没有自己的份,这全是假洋鬼子可恶,不谁我造反。阿Q越想越气,终于禁不住满心痛恨起来。
34 四天之后,阿Q在半夜里忽被抓进县城里去了。两个团丁将阿Q抓出来。他虽然有些忐忑,却并不很苦闷。“因为我想造反。”
35 他到得大堂,上面座着一个老头子。他便知道这人一定有些来历,膝关节立刻自然而然的宽松,便跪了下去了。
36 许多长衫和短衫人物,忽然给他穿上一件洋布的白背心。阿Q很气苦,因为这很像是带孝,而带孝是晦气的。
37 阿Q被拾上了一辆没有篷的车,几个短衣人物也和他同坐在一处。这车立刻走动了,前面是一班背着洋炮的兵们和团丁,两旁是许多张着嘴的看客,后面,阿Q没有见。
但他突然觉到了,这岂不是去杀头么?
38 他意思之间,似乎觉得人生天地间,大约本来有时也未免要杀头的。这是在游街,在示众。阿Q省悟了,这是绕到法场去的路。
39 在路旁的人丛中发见了一个吴妈。很久连。阿Q忽然很羞愧自己没志气,竟没有唱几句戏。“好!”从人丛里,便发出豺狼的嗥叫一般的声音来。
40 阿Q于是再看那些喝采的人们。四年之前,他曾在山脚下遇见一只俄狼。
41 可是永远记得那狼眼睛。又凶又怯,闪闪的像两颗鬼火,似乎远远的来穿透了他的皮肉。他又看见从来没有见过的更可怕的眼睛了,不但已经咀嚼了他的话,并且还要咀嚼他皮肉以外的东西,永是不近不远的跟他走。
42 这些眼睛们似乎连成一气,已经在那里咬他的灵魂。他早就两眼发K,耳杂里嗡的一声,觉得全身仿佛微尘似的进散了。
43 至于舆论,在未庄是无异议,自然都说阿Q坏,被枪毙便是他的坏的证据。而城里的舆论却不佳。游了那么久的街,竞没有唱一句戏。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」3
12 那秀才便拿了一支大竹杠。大竹杠又向他劈下来了。阿Q两手去抢头,拍的正打在指节上,这可恨有些痛。他那“女・・・”的思想却也没有了。
13 吴妈只是哭。赵大爷向他奔来,而且手里捏着一支大竹杠。他看见这一支大竹杠,便猛然间悟到自己曾经被打似乎有点相关,翻身便走。
14 然而地保进来了,订定了五条件。阿Q自然都答应了。
15 这小子竟谋了他的饭碗去。这一场“龙虎斗”似乎并无胜败。
16 阿Q在路上走着要“求食”,终于走到静修庵的墙外了。他便ー紧拔起四个萝卜,待三个萝卜吃完时,他已经打定了进城的主意了。
17 阿Q回来了。这一件新闻便传遍了全未庄。他是在举人老爷家里帮忙。据阿Q说,他的回来,似乎也由于不满意城里人。
18 然而不多久,这阿Q的大名忽又传遍了未庄的闺中。邹七嫂在阿Q那里买了一条蓝绸裙,赵白眼的母亲也买了一件孩子穿的大红洋纱衫。
19 干是家人决议,便托邹七嫂即刻去寻阿Q。赵太爷踱开去,眼睛打量着他的全身,一面说,“听说你有些旧东西,可以都拿来看一看。”都完了。阿Q虽然答应着,却懒洋洋的出去了。
20 只有一班闲人们却还要寻根究底的去探阿Q的底细。阿Q也并不讳饰,傲然的说出它的经验来。
他们才知道,他不过是一个小脚色。只站在洞外接东西。他爬出城,逃回未庄来了。
21 宣统三年九月十四日,有一只大乌篷船到了赵府上的河埠头。谣言很旺盛。未庄的一群鸟男女的慌张的神情,也使阿Q更快意。“革命也好罢,” 阿Q想, “革这伙妈妈的命。太可恶!太可恨! 便是我,也要投降党革命了。”
22 忽而似乎革命党便是自己,未庄人却都是他的俘虏了。禁不住大声的嚷道,“造反了!造反了!”
未庄人都用了惊惧的眼光对他看。这一种可怜的眼光,是阿Q从来没有见过的。
23 第二天他慢慢的跨开步,有意无意的走到静修庵。“革过一革的”,老尼姑说。
阿Q很出意外,不由的一错愕。
24 秀才去拜访那历来也不相能的钱洋鬼子。立刻成了情投意合的同志,也相约去革命。
静修庵里有一块“皇帝万岁万万岁”的龙牌。龙牌已经碎在地上了,而且又不见了观音娘娘坐前的一个宣コ炉。阿Q深怪他们不来招呼他。“我已经投降了革命党。”
25 革命党虽然进了城,只有一件可怕的事是动手剪辫子。几天之后,将辫子盘在顶上的逐渐揄チ起来了。最先自然是茂才公,其次便是赵司晨和赵白眼,后来是阿Q。赵司晨走来,看见的人大嚷说,“革命党来了!”阿Q听到了很装轣B
26 他在街上走,人也看他,然而不说什么话。阿Q当初很不快,后来便很不平。
27 小D也将辫子盘在头顶上了。阿Q万料不到他也敢这样做。
28 进城去的只有一个假洋鬼子。赵秀才托假洋鬼子给自己绍介绍介,去进自由党。假洋鬼子回来时,向秀才讨还了四块洋钱。秀才便有一块银桃子挂在大襟上了。赵太爷因此也骤然大阔,见了阿Q,也就很有些不放在眼里了。阿Q正在不平,又时时刻刻感着冷落。
29 要革命,第一着仍然要和革命党去结识。他除却ー紧去和假洋鬼子商量之外,再没有别的道路了。
他一到里面,只见假洋鬼子正站在院子的中央,一身乌K的大约是洋衣,已经留到一尺多长的辫子都拆开了披在肩背上,赵白眼和三人闲人正在听说活。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
13 吴妈只是哭。赵大爷向他奔来,而且手里捏着一支大竹杠。他看见这一支大竹杠,便猛然间悟到自己曾经被打似乎有点相关,翻身便走。
14 然而地保进来了,订定了五条件。阿Q自然都答应了。
15 这小子竟谋了他的饭碗去。这一场“龙虎斗”似乎并无胜败。
16 阿Q在路上走着要“求食”,终于走到静修庵的墙外了。他便ー紧拔起四个萝卜,待三个萝卜吃完时,他已经打定了进城的主意了。
17 阿Q回来了。这一件新闻便传遍了全未庄。他是在举人老爷家里帮忙。据阿Q说,他的回来,似乎也由于不满意城里人。
18 然而不多久,这阿Q的大名忽又传遍了未庄的闺中。邹七嫂在阿Q那里买了一条蓝绸裙,赵白眼的母亲也买了一件孩子穿的大红洋纱衫。
19 干是家人决议,便托邹七嫂即刻去寻阿Q。赵太爷踱开去,眼睛打量着他的全身,一面说,“听说你有些旧东西,可以都拿来看一看。”都完了。阿Q虽然答应着,却懒洋洋的出去了。
20 只有一班闲人们却还要寻根究底的去探阿Q的底细。阿Q也并不讳饰,傲然的说出它的经验来。
他们才知道,他不过是一个小脚色。只站在洞外接东西。他爬出城,逃回未庄来了。
21 宣统三年九月十四日,有一只大乌篷船到了赵府上的河埠头。谣言很旺盛。未庄的一群鸟男女的慌张的神情,也使阿Q更快意。“革命也好罢,” 阿Q想, “革这伙妈妈的命。太可恶!太可恨! 便是我,也要投降党革命了。”
22 忽而似乎革命党便是自己,未庄人却都是他的俘虏了。禁不住大声的嚷道,“造反了!造反了!”
未庄人都用了惊惧的眼光对他看。这一种可怜的眼光,是阿Q从来没有见过的。
23 第二天他慢慢的跨开步,有意无意的走到静修庵。“革过一革的”,老尼姑说。
阿Q很出意外,不由的一错愕。
24 秀才去拜访那历来也不相能的钱洋鬼子。立刻成了情投意合的同志,也相约去革命。
静修庵里有一块“皇帝万岁万万岁”的龙牌。龙牌已经碎在地上了,而且又不见了观音娘娘坐前的一个宣コ炉。阿Q深怪他们不来招呼他。“我已经投降了革命党。”
25 革命党虽然进了城,只有一件可怕的事是动手剪辫子。几天之后,将辫子盘在顶上的逐渐揄チ起来了。最先自然是茂才公,其次便是赵司晨和赵白眼,后来是阿Q。赵司晨走来,看见的人大嚷说,“革命党来了!”阿Q听到了很装轣B
26 他在街上走,人也看他,然而不说什么话。阿Q当初很不快,后来便很不平。
27 小D也将辫子盘在头顶上了。阿Q万料不到他也敢这样做。
28 进城去的只有一个假洋鬼子。赵秀才托假洋鬼子给自己绍介绍介,去进自由党。假洋鬼子回来时,向秀才讨还了四块洋钱。秀才便有一块银桃子挂在大襟上了。赵太爷因此也骤然大阔,见了阿Q,也就很有些不放在眼里了。阿Q正在不平,又时时刻刻感着冷落。
29 要革命,第一着仍然要和革命党去结识。他除却ー紧去和假洋鬼子商量之外,再没有别的道路了。
他一到里面,只见假洋鬼子正站在院子的中央,一身乌K的大约是洋衣,已经留到一尺多长的辫子都拆开了披在肩背上,赵白眼和三人闲人正在听说活。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」2
1 我要做这一篇速朽的文章,便感到万分的困难了。第一是文章的名目。第二,我并不知道阿Q姓什么。第三,我又不知道阿Q的名字是怎么写的。第四,籍贯也就有些决不定。
2 最恼人的是在他头皮上,颇有几处不知于何时的癞疮疤。未庄的閑人们便愈喜欢玩笑他。“哙,亮起来了。”阿Q照例的发了怒,他怒目而视了。
3 “原来有保险灯在这里!”他们并不怕。“你还不配。”这时候,又仿佛在他头上的是一种高尚的光容的癞头疮,并非平常的癞头疮了。
4 他有这一种精神上的胜利法。
“阿Q,这不是儿子打老子,是人打畜生。自己说,人打畜生!”
“打虫豸,好不好?我是虫豸-还不放么?”
他觉得他是第一个能够自轻自贱的人,除了“自轻自贱”不算外,余下的就是“第一个”。
5 他看见王胡在那里赤着膊捉虱子。他忽然觉得身上也痒起来了。
6 阿Q非常渺视他。阿Q以为他要逃了,抢进去就是一拳。这拳头还未达到身上,已经被他抓住了,王胡一连给他碰了五下。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第一件的屈辱。
7 远远的走来了一个人,就是钱太爷的大儿子(“假洋鬼子”,“里通外国的人”)。
阿Q一见他,一定在肚子里暗暗的咒骂。阿Q龙其“深恶而痛绝之”的,是他的一条假辫子。
8 “秃儿”, 阿Q便不由的轻轻的说出来了,这秃儿大踏步走了过来,打在自己头上了。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第二件的屈辱。“忘却”这一件祖传的宝贝也发生了较力。
9 阿Q便在平时,看见小尼姑也一定要唾骂,而况在屈辱之后呢?他于是发生了回忆,又发生了敌忾了。
“秃儿!快回去,和尚等着你。”“你怎么动手动脚。”“和尚动得,我动不得?”他扭住伊的面颊。
10 他是永远得意的。“断子绝孙的阿Q!”他想,应该一个女人。阿Q本来也是正人,他对于“男女之大防”却历来非常严。他将到“而立”之年,竟被小尼姑害得飘飘然了。
11 吴妈是赵大爷家里的女仆,洗完了碗碟, 也就在长凳上坐下了,而且和阿Q淡闲天。
阿Q放下烟管,站了起来。“我和你困觉,我和你困觉!”。阿Q忽然抢上去,对伊跪下了。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
2 最恼人的是在他头皮上,颇有几处不知于何时的癞疮疤。未庄的閑人们便愈喜欢玩笑他。“哙,亮起来了。”阿Q照例的发了怒,他怒目而视了。
3 “原来有保险灯在这里!”他们并不怕。“你还不配。”这时候,又仿佛在他头上的是一种高尚的光容的癞头疮,并非平常的癞头疮了。
4 他有这一种精神上的胜利法。
“阿Q,这不是儿子打老子,是人打畜生。自己说,人打畜生!”
“打虫豸,好不好?我是虫豸-还不放么?”
他觉得他是第一个能够自轻自贱的人,除了“自轻自贱”不算外,余下的就是“第一个”。
5 他看见王胡在那里赤着膊捉虱子。他忽然觉得身上也痒起来了。
6 阿Q非常渺视他。阿Q以为他要逃了,抢进去就是一拳。这拳头还未达到身上,已经被他抓住了,王胡一连给他碰了五下。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第一件的屈辱。
7 远远的走来了一个人,就是钱太爷的大儿子(“假洋鬼子”,“里通外国的人”)。
阿Q一见他,一定在肚子里暗暗的咒骂。阿Q龙其“深恶而痛绝之”的,是他的一条假辫子。
8 “秃儿”, 阿Q便不由的轻轻的说出来了,这秃儿大踏步走了过来,打在自己头上了。在阿Q的记忆上,这大约要算是生平第二件的屈辱。“忘却”这一件祖传的宝贝也发生了较力。
9 阿Q便在平时,看见小尼姑也一定要唾骂,而况在屈辱之后呢?他于是发生了回忆,又发生了敌忾了。
“秃儿!快回去,和尚等着你。”“你怎么动手动脚。”“和尚动得,我动不得?”他扭住伊的面颊。
10 他是永远得意的。“断子绝孙的阿Q!”他想,应该一个女人。阿Q本来也是正人,他对于“男女之大防”却历来非常严。他将到“而立”之年,竟被小尼姑害得飘飘然了。
11 吴妈是赵大爷家里的女仆,洗完了碗碟, 也就在长凳上坐下了,而且和阿Q淡闲天。
阿Q放下烟管,站了起来。“我和你困觉,我和你困觉!”。阿Q忽然抢上去,对伊跪下了。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「阿Q正伝」1
1 論文の方向性−Lのストーリー
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできることを現状のレベルでまとめている。今後、統計処理など研究の技葉がさらに増えていくように日々精進していきたい。この小論では魯迅(1881−1936)の「阿Q正伝」が題材になる。
私のテキストの分析は、シナジーのメタファーを考察することである。最初に受容と共生からなるLのストーリーを作成し、次にそれが反映されているリレーショナルなデータベースについて分析していく。基本的に、「狂人日記」(1918)と同じ方法で、「阿Q正伝」(1922年)について見ていくことにする。すでに魯迅の執筆脳はカオスとして、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作成している。「狂人日記」と「阿Q正伝」からカオスの特徴といえる非線形性と初期値敏感性が考察されている。(花村 2015)
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできることを現状のレベルでまとめている。今後、統計処理など研究の技葉がさらに増えていくように日々精進していきたい。この小論では魯迅(1881−1936)の「阿Q正伝」が題材になる。
私のテキストの分析は、シナジーのメタファーを考察することである。最初に受容と共生からなるLのストーリーを作成し、次にそれが反映されているリレーショナルなデータベースについて分析していく。基本的に、「狂人日記」(1918)と同じ方法で、「阿Q正伝」(1922年)について見ていくことにする。すでに魯迅の執筆脳はカオスとして、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作成している。「狂人日記」と「阿Q正伝」からカオスの特徴といえる非線形性と初期値敏感性が考察されている。(花村 2015)
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『阿Q正伝』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」10
計算表
非線形性 3 0 合計3
偏差 2 -1 合計1
偏差2 4 1 合計5
初期値敏感性 2 1 合計3
偏差 1 0 合計1
偏差2 1 0 合計1
AB偏差の積 2 -11 合計1
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 1/√5 x 1 = 1/√5 = 1/2.24 = 0.45
従って、かなり正の相関があるといえる。
5 相関係数を言葉で表す
数字の意味を言葉で確認しておく。
0≦r≦0.2 : ほとんど相関がない
0.2≦r≦0.4 : やや相関がある
0.4≦r≦0.7 : かなり相関がある
0.7≦r≦1 : 強い相関がある
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 森鴎外の「山椒大夫」のDB化とその分析 中国日语教学研究会江苏分会論文集 2015
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 2019
非線形性 3 0 合計3
偏差 2 -1 合計1
偏差2 4 1 合計5
初期値敏感性 2 1 合計3
偏差 1 0 合計1
偏差2 1 0 合計1
AB偏差の積 2 -11 合計1
◆相関係数は、次の公式で求めることができる。
相関係数=[(A-Aの平均値)x(B-Bの平均値)]の和/
√(A-Aの平均値)2の和x(B-Bの平均値)2の和
上記計算表を代入すると、
相関係数 = 1/√5 x 1 = 1/√5 = 1/2.24 = 0.45
従って、かなり正の相関があるといえる。
5 相関係数を言葉で表す
数字の意味を言葉で確認しておく。
0≦r≦0.2 : ほとんど相関がない
0.2≦r≦0.4 : やや相関がある
0.4≦r≦0.7 : かなり相関がある
0.7≦r≦1 : 強い相関がある
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 森鴎外の「山椒大夫」のDB化とその分析 中国日语教学研究会江苏分会論文集 2015
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默 ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」から見えてくるシナジーのメタファーとは-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日语教学研究会上海分会論文集 2019
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」9
3.2 小説の場面に適用する
狂人の狂気が覚醒する場面でカオスの特性といえる非線形性と初期値敏感性が取れるかどうか見てみよう。それぞれ、1ある、2なしとする。
狂人の狂気が覚醒する場面
A 满本都写着两个字是“吃人”!书上写着这样多字,佃户说了这许多话,却都笑吟吟的睁着怪眼看我.我也是人,他们想要吃我了. 非線形性1 初期値敏感性1
B 那时我妹子才五岁,可爱可怜的样子,还在眼前.妹子是被大哥吃了.他却劝母亲不要哭.大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人.但是那天的哭法,实在还教人伤心. 非線形性1 初期値敏感性1
C 没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子. 非線形性1 初期値敏感性1
A 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
B 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
C 非線形性1ある、初期値敏感性2なし
非線形性は、あるなしが3、0、一方、初期値敏感性は、あるなしが2、1になる。
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの平均値を出す。
非線形性の平均:(3 + 0)÷ 3 = 1
初期値敏感性の平均:(2 + 1)÷ 3 = 1
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
非線形性の偏差:(3 - 1)、(0 - 1)= 2、-1
初期値敏感性の偏差:(2 - 1)、( 1 - 1)= 1、0
◆非線形性と初期値敏感性をそれぞれ2乗する。
非線形性の偏差2乗 = 4、1
初期値敏感性の偏差2乗 = 1、0
◆非線形性と初期値敏感性の偏差同士の積を計算する
(非線形性の偏差)x(初期値敏感性の偏差)= 2、-1
◆非線形性と初期値敏感性を2乗したものを合計する。
非線形性の偏差2乗したものの合計 = 4 + 1 = 5
初期値敏感性の偏差2乗したものの合計 = 1 + 0 = 1
◆非線形性と初期値敏感性の偏差の合計を合計する。2 - 1= 1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
狂人の狂気が覚醒する場面でカオスの特性といえる非線形性と初期値敏感性が取れるかどうか見てみよう。それぞれ、1ある、2なしとする。
狂人の狂気が覚醒する場面
A 满本都写着两个字是“吃人”!书上写着这样多字,佃户说了这许多话,却都笑吟吟的睁着怪眼看我.我也是人,他们想要吃我了. 非線形性1 初期値敏感性1
B 那时我妹子才五岁,可爱可怜的样子,还在眼前.妹子是被大哥吃了.他却劝母亲不要哭.大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人.但是那天的哭法,实在还教人伤心. 非線形性1 初期値敏感性1
C 没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子. 非線形性1 初期値敏感性1
A 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
B 非線形性1ある、初期値敏感性1ある
C 非線形性1ある、初期値敏感性2なし
非線形性は、あるなしが3、0、一方、初期値敏感性は、あるなしが2、1になる。
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの平均値を出す。
非線形性の平均:(3 + 0)÷ 3 = 1
初期値敏感性の平均:(2 + 1)÷ 3 = 1
◆非線形性と初期値敏感性それぞれの偏差を計算する。偏差=各データ−平均値
非線形性の偏差:(3 - 1)、(0 - 1)= 2、-1
初期値敏感性の偏差:(2 - 1)、( 1 - 1)= 1、0
◆非線形性と初期値敏感性をそれぞれ2乗する。
非線形性の偏差2乗 = 4、1
初期値敏感性の偏差2乗 = 1、0
◆非線形性と初期値敏感性の偏差同士の積を計算する
(非線形性の偏差)x(初期値敏感性の偏差)= 2、-1
◆非線形性と初期値敏感性を2乗したものを合計する。
非線形性の偏差2乗したものの合計 = 4 + 1 = 5
初期値敏感性の偏差2乗したものの合計 = 1 + 0 = 1
◆非線形性と初期値敏感性の偏差の合計を合計する。2 - 1= 1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」8
3 統計処理−相関
3.1 相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や、区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。(前野2012)
相関とは原因から結果が生じ、互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要となる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「狂人日記」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
3.1 相関の作り方
シナジーのメタファーのために作成しているデータベースは、データの種類で見ると、俗に言う測れないカテゴリーデータからなる。数量データといわれる身長、体重、気温、湿度などとは異なり、値が連続ではなく飛び飛びで離散的となる。カテゴリーデータは、対象の性質を表したり、現象や、区別を表したりする。性別、好き、嫌い、うまい、まずい、おもしろいなどあるものの性質や現象が示される。(前野2012)
相関とは原因から結果が生じ、互いに関係しあっていることをいう。また、相関関係があるとは、ある測定値の変化に対して他の測定値も変化する場合に使われる。相関の強さは、ピアソンの相関係数で表す。合わせて共分散という統計用語が重要となる。
(1) 共分散の公式
共分散=[(xの各データ−xの平均値)x(yの各データ−yの平均値)]の和/データ数
=[(xの偏差)x(yの偏差)]の和/データ数
= xとyの偏差積の和/データ数
正の相関があると0より大きく、負の相関があると0より小さくなる。
(2) 相関係数(ピアソン)
相関係数=XYの偏差平方和/√(Xの偏差平方和)x(Yの偏差平方和)
「狂人日記」の問題解決の場面を使用して、簡単な例を見てみよう。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」7
2.2 標準偏差による分析
グループA、グループB、グループC、グループDそれぞれの標準偏差を計算する。その際、場面1、場面2、場面3の特性1と特性2のそれぞれの値は、質量ではなく指標であるため、特性の個数を数えて算術平均を出し、それぞれの値から算術平均を引き、その2乗の和集合の平均を求め、これを平方に開いていく。
求められた各グループの標準偏差の数字は、何を表しているのだろうか。数字の意味が説明できれば、分析は、一応の成果が得られたことになる。
◆グループA 五感(1視覚と2その他)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、0個と特性2、5個)の標準偏差は、0となる。
【数字からわかること】2
作品の中で重要な視覚情報は前半に多く、後半に進むと他の五感情報と併用されている。
◆グループB ジェスチャー(1直示と2隠喩)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、1個と特性1、4個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
「狂人日記」は、当時の世相を反映させた作品のため、場面1、場面2、場面3を通して、前半直示で後半隠喩というパターンであることがわかる。
◆グループC 情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、1個と特性2、4個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
場面1、場面2、場面3を通して、前半は旧情報が多く、後半は新情報が多いため、ストーリーがテンポよく展開していることがわかる。
◆グループD 情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
「狂人日記」は、場面1、場面2、場面3を通して、問題解決が予想したよりも多いことがわかる。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
グループA、グループB、グループC、グループDそれぞれの標準偏差を計算する。その際、場面1、場面2、場面3の特性1と特性2のそれぞれの値は、質量ではなく指標であるため、特性の個数を数えて算術平均を出し、それぞれの値から算術平均を引き、その2乗の和集合の平均を求め、これを平方に開いていく。
求められた各グループの標準偏差の数字は、何を表しているのだろうか。数字の意味が説明できれば、分析は、一応の成果が得られたことになる。
◆グループA 五感(1視覚と2その他)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、0個と特性2、5個)の標準偏差は、0となる。
【数字からわかること】2
作品の中で重要な視覚情報は前半に多く、後半に進むと他の五感情報と併用されている。
◆グループB ジェスチャー(1直示と2隠喩)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、1個と特性1、4個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
「狂人日記」は、当時の世相を反映させた作品のため、場面1、場面2、場面3を通して、前半直示で後半隠喩というパターンであることがわかる。
◆グループC 情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、1個と特性2、4個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
場面1、場面2、場面3を通して、前半は旧情報が多く、後半は新情報が多いため、ストーリーがテンポよく展開していることがわかる。
◆グループD 情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)
場面1(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
場面2(特性1、2個と特性2、3個)の標準偏差は、0.49となる。
場面3(特性1、4個と特性2、1個)の標準偏差は、0.4となる。
【数字からわかること】
「狂人日記」は、場面1、場面2、場面3を通して、問題解決が予想したよりも多いことがわかる。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」6
◆場面3 覚醒2、3
那时我妹子才五岁,可爱可怜的样子,还在眼前.妹子是被大哥吃了.他却劝母亲不要哭.大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人.但是那天的哭法,实在还教人伤心. A2B2C2D1
大哥正管着家务,妹子恰恰死了.我未必无意之中,不吃了我妹子的几片肉. A2B2C2D2
有了四千年吃人履历的我,现在明白,难见真的人! A2B1C2D1
没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子. A2B2C1D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
那时我妹子才五岁,可爱可怜的样子,还在眼前.妹子是被大哥吃了.他却劝母亲不要哭.大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人.但是那天的哭法,实在还教人伤心. A2B2C2D1
大哥正管着家务,妹子恰恰死了.我未必无意之中,不吃了我妹子的几片肉. A2B2C2D2
有了四千年吃人履历的我,现在明白,难见真的人! A2B1C2D1
没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子. A2B2C1D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」5
◆場面2 説得
自己想吃人,又怕被别人吃了,都用着疑心极深的眼光,面面相觑. 去了这心思,何等舒服.他们可是互相劝勉,互相牵掣,死也不肯跨过这一步. A1B2C1D2
我格外和气的对大哥说,“大约当初野蛮的人,都吃过一点人.后来因为心思不同,有的不吃人了,变了真的人.有的却还吃.他们会吃我,也会吃你.但只要转一步,也就人人太平.我们说是不能!” A2B2C1D2
他眼光便凶狠起来,那就满脸都变成青色了.大门外立着一伙人.这时候,大哥也忽然显出凶相高声喝到,“都出去!疯子有什么好看!” A1B21C2D1
预备下一个疯子的名目罩上我.这是他们的老谱!“你们可以改了.要晓得将来容不得吃人的人,活在世上.即使生得多,也会给真的人除灭.” A2B1C2D1
我回屋子里去.屋里面全是K沉沉的.横梁和椽子都在头上发抖,堆在我身上.万分沉重,动弹不得;他的意思是要我死. A2B2C2D2
我晓得他的沉重是假的,便挣扎出来,出了一身汗.“你们立刻改了,从真心改起!你们要晓得将来是容不得吃人的人,” A2B2C2D2
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
自己想吃人,又怕被别人吃了,都用着疑心极深的眼光,面面相觑. 去了这心思,何等舒服.他们可是互相劝勉,互相牵掣,死也不肯跨过这一步. A1B2C1D2
我格外和气的对大哥说,“大约当初野蛮的人,都吃过一点人.后来因为心思不同,有的不吃人了,变了真的人.有的却还吃.他们会吃我,也会吃你.但只要转一步,也就人人太平.我们说是不能!” A2B2C1D2
他眼光便凶狠起来,那就满脸都变成青色了.大门外立着一伙人.这时候,大哥也忽然显出凶相高声喝到,“都出去!疯子有什么好看!” A1B21C2D1
预备下一个疯子的名目罩上我.这是他们的老谱!“你们可以改了.要晓得将来容不得吃人的人,活在世上.即使生得多,也会给真的人除灭.” A2B1C2D1
我回屋子里去.屋里面全是K沉沉的.横梁和椽子都在头上发抖,堆在我身上.万分沉重,动弹不得;他的意思是要我死. A2B2C2D2
我晓得他的沉重是假的,便挣扎出来,出了一身汗.“你们立刻改了,从真心改起!你们要晓得将来是容不得吃人的人,” A2B2C2D2
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」4
2 統計処理−バラツキ
2.1 データの抽出
作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
◆場面1 覚醒1
昨天街上的那个女人,打他儿子.他眼睛却看着我.我出了一惊,遮掩不住. A1B1C1D1
陈老五ー上前,硬把我拖回家中了.家里的人的脸色,也全同别人一样. A1B1C1D2
他们村的一个大恶人,给大家打死了.几个人便挖出他的心肝来,用油煎炒了吃,可以壮壮胆子.我插了一句嘴,佃户和大哥便都看我几眼.今天才晓得他们的眼光,全同外面的那伙人一模一样.想起来,我从顶上直冷到脚跟.他们会吃人,就未必不会吃我.我看出他话中全是毒,笑中全是刀.他们的牙齿, 全是白历历的排着,这就是吃人的家伙.
A1B2C1D1
照我自己想,虽然不是恶人,况且他们一翻睑,便说人是恶人.我还记得大哥教我做论,无论怎样好人,翻他几句,他便打上几个圈;原谅坏人几句,他便说“翻天妙手,与众不同” A2B1C1D1
满本都写着两个字是 “吃人”!书上写着这样多字,佃户说了这许多话,却都笑吟吟的睁着怪眼看我.我也是人,他们想要吃我了. A1B1C2D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
2.1 データの抽出
作成したデータベースから特性が2つあるカラムを抽出し、標準偏差によるバラツキを調べてみる。例えば、A:五感(1視覚と2それ以外)、B:ジェスチャー(1直示と2隠喩)、C:情報の認知プロセス(1旧情報と2新情報)、D:情報の認知プロセス(1問題解決と2未解決)というように文系と理系のカラムをそれぞれ2つずつ抽出する。
◆場面1 覚醒1
昨天街上的那个女人,打他儿子.他眼睛却看着我.我出了一惊,遮掩不住. A1B1C1D1
陈老五ー上前,硬把我拖回家中了.家里的人的脸色,也全同别人一样. A1B1C1D2
他们村的一个大恶人,给大家打死了.几个人便挖出他的心肝来,用油煎炒了吃,可以壮壮胆子.我插了一句嘴,佃户和大哥便都看我几眼.今天才晓得他们的眼光,全同外面的那伙人一模一样.想起来,我从顶上直冷到脚跟.他们会吃人,就未必不会吃我.我看出他话中全是毒,笑中全是刀.他们的牙齿, 全是白历历的排着,这就是吃人的家伙.
A1B2C1D1
照我自己想,虽然不是恶人,况且他们一翻睑,便说人是恶人.我还记得大哥教我做论,无论怎样好人,翻他几句,他便打上几个圈;原谅坏人几句,他便说“翻天妙手,与众不同” A2B1C1D1
满本都写着两个字是 “吃人”!书上写着这样多字,佃户说了这许多话,却都笑吟吟的睁着怪眼看我.我也是人,他们想要吃我了. A1B1C2D1
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」3
12 K漆漆的,不知是日是夜。赵家的狗又叫起来了。狮子似的凶心,兔子的怯弱,狐狸的狡猾。
13 他们大家连洛,布满了罗网,逼我自戕。自己紧紧勒死。要劝转吃人的人,先从大哥下手。
14 忽然来了一个人,年纪不过二十左右。我便问他,吃人的事,对么?含含糊糊的答道,没有的事。他便变了脸,铁一般青,睁着眼说,也许有的,这是从来如此。
15 我直跳起来,这人便不见了。全身出了一大片汗。他也是一伙。这一定是他娘老子先教的。还怕已经教给他儿子了,所以连小孩子,也都恶狼狼的看我。
16 自己想吃人,又怕被别人吃了,都用着疑心极深的眼光,画画相觑。
17 去了这心思,何等舒服。他们可是互相劝勉,互相牵掣,死也不肯跨过这一步。
18 我格外和气的对大哥说。“大约当初野蛮的人,都吃过一点人。后来因为心思不同,有的不吃人了,变了真的人。有的却还吃。他们要吃我,也会吃你。但只要转一步,也就人人太平。我们说是不能!”
19 他眼光便凶狼起来,那就满脸都变成青色了。大门外立着一伙人。这时候,大哥也忽然高声喝到,“都出去,疯子有什么好看!”
20 预备下一个疯子的名目罩上我。这是他们的老谱。“你们可以改了。要晓得将来容不得吃人的人,活在世上。即使生得多,也会给真的人除灭。”
21 我回屋子里去。屋里面全是K沉沉的。横梁和椽子都在头上发抖,堆在我身上。 万分沉重,动弹不得。他的意思是要我死。
22 我晓得他的沉重是假的,便挣扎出来,出了一身汗。你们立刻改了,从真心改起.你们要晓得将来是容不得吃人的人。
23 那时我妹子才五岁,可爱的样子,还在眼前。妹子是被大哥吃了。他却劝母亲不要哭。大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人。但是那天的哭法,实在还教人伤心。
24 大哥正管着家务,妹子恰恰死了。我未必无意之中,不吃了我妹子的几片肉。
25 有了四千年吃人履历的我。现在明白,难见真的人!
26 没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
13 他们大家连洛,布满了罗网,逼我自戕。自己紧紧勒死。要劝转吃人的人,先从大哥下手。
14 忽然来了一个人,年纪不过二十左右。我便问他,吃人的事,对么?含含糊糊的答道,没有的事。他便变了脸,铁一般青,睁着眼说,也许有的,这是从来如此。
15 我直跳起来,这人便不见了。全身出了一大片汗。他也是一伙。这一定是他娘老子先教的。还怕已经教给他儿子了,所以连小孩子,也都恶狼狼的看我。
16 自己想吃人,又怕被别人吃了,都用着疑心极深的眼光,画画相觑。
17 去了这心思,何等舒服。他们可是互相劝勉,互相牵掣,死也不肯跨过这一步。
18 我格外和气的对大哥说。“大约当初野蛮的人,都吃过一点人。后来因为心思不同,有的不吃人了,变了真的人。有的却还吃。他们要吃我,也会吃你。但只要转一步,也就人人太平。我们说是不能!”
19 他眼光便凶狼起来,那就满脸都变成青色了。大门外立着一伙人。这时候,大哥也忽然高声喝到,“都出去,疯子有什么好看!”
20 预备下一个疯子的名目罩上我。这是他们的老谱。“你们可以改了。要晓得将来容不得吃人的人,活在世上。即使生得多,也会给真的人除灭。”
21 我回屋子里去。屋里面全是K沉沉的。横梁和椽子都在头上发抖,堆在我身上。 万分沉重,动弹不得。他的意思是要我死。
22 我晓得他的沉重是假的,便挣扎出来,出了一身汗。你们立刻改了,从真心改起.你们要晓得将来是容不得吃人的人。
23 那时我妹子才五岁,可爱的样子,还在眼前。妹子是被大哥吃了。他却劝母亲不要哭。大哥说爷娘生病,做儿子的须割下一片肉来,煮熟了请他吃,才算好人。但是那天的哭法,实在还教人伤心。
24 大哥正管着家务,妹子恰恰死了。我未必无意之中,不吃了我妹子的几片肉。
25 有了四千年吃人履历的我。现在明白,难见真的人!
26 没有吃过人的孩子,或者还有?救救孩子。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」2
1 今天晚上,很好的月光。我不见他,已是三十多年,今天见了,精神分外爽快。那赵家的狗,何以看我两眼呢?我怕得有理。
2 赵贵翁的眼色便怪,似乎怕我, 似乎想害我。还有七八个人,又怕我看见。一路上的人,都是如此。其中最凶的一个人,对我笑了一笑。我便从头直冷到脚跟晓得他们布置,都已妥当了。
3 小孩子的眼色也同赵贵翁一样。廿年以前,把古久先生的陈年流水簿子,踹了一脚。赵贵翁虽然不认识他,一定也听到风声,代抱不平。小孩子,何以今天也睁着怪眼睛。我明白了。这是他们娘老子教的。
4 昨天街上的那个女人,打他儿子。他眼睛却看着我。我出了一惊,遮掩不住。
5 陈老五硬把我拖回家中了。家里的人的脸色,也全同别人一样。
6 狼子村的一个大恶人,给大家打死了。几个人便挖出他的心肝来,用油煎炒了吃。我插了一句嘴,佃户和大哥便都看我几眼。他们的眼光,全同外面的那伙人一抹一样。想起来,我从顶上直冷到脚跟。他们会吃人,就未必不会吃我。我看出他们的暗号。他话中全是毒,笑中全是刀。他们的牙齿是吃人的家伙。
7 照我自己想,虽然不是恶人。况且他们一翻睑,便说人是恶人。我还记得大哥教我做论,无论怎么好人,翻他几句,他便打上几个圈,原谅坏人几句,他便说,翻天妙手,与众不同。
8 满本都写着两个字是吃人。佃户都笑吟吟的睁着怪眼睛看我。他们想要吃我了。
9 大哥说,今天请何先生来。无非借了看脉这名目,揣一揣肥瘠。静静的养几天,就好了。养肥了,他们是自然可以多吃。 真要令我笑死。这笑声里面,有的是义勇和正气,老头子和大哥,都是失了色。
10 老头子对大哥说道,ー紧吃罢。合伙吃我的人,便是我的哥哥。大发见。我是吃人的人的兄弟!
11 医生和大哥是吃人的人。本草什么上明明写人肉可以煎吃。大哥说过可以易子而食,又议论起一个不好的人,他便说不但该杀,还当食肉寝皮。前天狼子村的佃户来说吃心肝的事,他不住的点头。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
2 赵贵翁的眼色便怪,似乎怕我, 似乎想害我。还有七八个人,又怕我看见。一路上的人,都是如此。其中最凶的一个人,对我笑了一笑。我便从头直冷到脚跟晓得他们布置,都已妥当了。
3 小孩子的眼色也同赵贵翁一样。廿年以前,把古久先生的陈年流水簿子,踹了一脚。赵贵翁虽然不认识他,一定也听到风声,代抱不平。小孩子,何以今天也睁着怪眼睛。我明白了。这是他们娘老子教的。
4 昨天街上的那个女人,打他儿子。他眼睛却看着我。我出了一惊,遮掩不住。
5 陈老五硬把我拖回家中了。家里的人的脸色,也全同别人一样。
6 狼子村的一个大恶人,给大家打死了。几个人便挖出他的心肝来,用油煎炒了吃。我插了一句嘴,佃户和大哥便都看我几眼。他们的眼光,全同外面的那伙人一抹一样。想起来,我从顶上直冷到脚跟。他们会吃人,就未必不会吃我。我看出他们的暗号。他话中全是毒,笑中全是刀。他们的牙齿是吃人的家伙。
7 照我自己想,虽然不是恶人。况且他们一翻睑,便说人是恶人。我还记得大哥教我做论,无论怎么好人,翻他几句,他便打上几个圈,原谅坏人几句,他便说,翻天妙手,与众不同。
8 满本都写着两个字是吃人。佃户都笑吟吟的睁着怪眼睛看我。他们想要吃我了。
9 大哥说,今天请何先生来。无非借了看脉这名目,揣一揣肥瘠。静静的养几天,就好了。养肥了,他们是自然可以多吃。 真要令我笑死。这笑声里面,有的是义勇和正气,老头子和大哥,都是失了色。
10 老头子对大哥说道,ー紧吃罢。合伙吃我的人,便是我的哥哥。大发见。我是吃人的人的兄弟!
11 医生和大哥是吃人的人。本草什么上明明写人肉可以煎吃。大哥说过可以易子而食,又议论起一个不好的人,他便说不但该杀,还当食肉寝皮。前天狼子村的佃户来说吃心肝的事,他不住的点头。
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅「狂人日記」1
1 論文の方向性− Lのストーリー
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできることを現状のレベルでまとめている。今後、統計処理など研究の技葉がさらに増えていくように日々精進していきたい。この小論では魯迅(1881−1936)の「狂人日記」が題材になる。
私のテキストの分析は、シナジーのメタファーを考察することである。最初に受容と共生からなるLのストーリーを作成し、次にそれが反映されているリレーショナルなデータベースについて分析していく。基本的に、「阿Q正伝」(1922) と同じ方法で、「狂人日記」(1918) について見ていくことにする。すでに魯迅の執筆脳はカオスとして、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作成している。「狂人日記」と「阿Q正伝」は、ともにカオスの特徴といえる非線形性と初期値敏感性が取れているためである。(花村 2015)
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
シナジーのメタファーのために一作家一作品でできることを現状のレベルでまとめている。今後、統計処理など研究の技葉がさらに増えていくように日々精進していきたい。この小論では魯迅(1881−1936)の「狂人日記」が題材になる。
私のテキストの分析は、シナジーのメタファーを考察することである。最初に受容と共生からなるLのストーリーを作成し、次にそれが反映されているリレーショナルなデータベースについて分析していく。基本的に、「阿Q正伝」(1922) と同じ方法で、「狂人日記」(1918) について見ていくことにする。すでに魯迅の執筆脳はカオスとして、「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを作成している。「狂人日記」と「阿Q正伝」は、ともにカオスの特徴といえる非線形性と初期値敏感性が取れているためである。(花村 2015)
花村嘉英(2019)「シナジーのメタファーのために一作家一作品でできること−魯迅『狂人日記』」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える9
4 まとめ
谌容の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「人到中年」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ189号 ヘルスケア出版 2022
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用
日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデー
タベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲
華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖
中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ
中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について
中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学を考える
中国日語教学研究会上海分会論文集2021
谌容 谌容集 海峡文艺出版社 1986
谌容 北京の女医−人、中年に至れば(田村年紀訳)第三文明社 1984
谌容 Wikipedia
看護師の用語辞典
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「人到中年」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ189号 ヘルスケア出版 2022
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用
日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデー
タベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲
華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖
中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ
中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について
中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学を考える
中国日語教学研究会上海分会論文集2021
谌容 谌容集 海峡文艺出版社 1986
谌容 北京の女医−人、中年に至れば(田村年紀訳)第三文明社 1984
谌容 Wikipedia
看護師の用語辞典
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える8
表3 情報の認知
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 1
B 表2と同じ。 3 2 1
C 表2と同じ。 3 2 1
D 表2と同じ。 2 2 1
E 表2と同じ。 3 1 2
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
結果
日常眼科医として患者の治療にあたる妻が心臓病で入院し治療を受けている。夫の傅家杰は、苦学を共にした彼女との10年間の思い出が交錯するも詩で回復を祈るため、購読脳の「現実と矛盾」から執筆脳の「紆余曲折と光明」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 1
B 表2と同じ。 3 2 1
C 表2と同じ。 3 2 1
D 表2と同じ。 2 2 1
E 表2と同じ。 3 1 2
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
結果
日常眼科医として患者の治療にあたる妻が心臓病で入院し治療を受けている。夫の傅家杰は、苦学を共にした彼女との10年間の思い出が交錯するも詩で回復を祈るため、購読脳の「現実と矛盾」から執筆脳の「紆余曲折と光明」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える7
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える6
分析例
1 10年前と同様に詩で妻の回復を祈る。
2 この小論では、「人到中年」の購読脳を「現実と矛盾」と考えているため、意味3の思考の流れ、実現に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3放浪@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @実現A相互排斥。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「現実と矛盾」を作る。
ステップ2:10年間でこんなに苦しむ妻を見たことがない。しかし、苦悩の中にも回復を詩で念じる夫の姿は「紆余曲折と光明」という組になり、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
C:@視覚+B哀+@あり+A隠喩という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
E:@視覚+@喜+@あり+@隠喩という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
1 10年前と同様に詩で妻の回復を祈る。
2 この小論では、「人到中年」の購読脳を「現実と矛盾」と考えているため、意味3の思考の流れ、実現に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3放浪@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @実現A相互排斥。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「現実と矛盾」を作る。
ステップ2:10年間でこんなに苦しむ妻を見たことがない。しかし、苦悩の中にも回復を詩で念じる夫の姿は「紆余曲折と光明」という組になり、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
C:@視覚+B哀+@あり+A隠喩という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
E:@視覚+@喜+@あり+@隠喩という解析の組を、@紆余曲折とA光明という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える5
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
妻が回復するように祈る場面
A 这绝望的喊声象一把尖刀刺进傅家杰的胸膛。他睁着眼,紧盯着从他面前缓缓推过的这张床,紧盯着那无情的白被单下隆起的遗体。突然,他象触了电似的,猛然朝陆文婷的病房跑去。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 他一口气泡到她的床前,一头扑在她真边,笔者眼,喘这气,嘴里只喃喃地重复三个字;“你活着!你活着!你活着!”他那粗重的喘息声,惊醒了半睡中的陆文婷大夫。他睁开眼来,超他望了,又好象并没有看见他。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 这呆滞的目光,使傅家杰浑身发抖,他失声喊道“文婷!…”陆文婷的眼观又停留在傅家杰脸上,仍然是那种令漠的眼光。这眼光令人胆寒心碎,使人感到她的灵魂已经飞离身躯,正在太空中遨游。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、人工知能 1
D 傅家杰不知该说些什么,做些什么,才能换回她对生的热望。这是他的妻子,是他在世上最亲的亲人。从那年冬天和她漫游北海,给她念诗,到如今,多少个日日夜夜过去了,她一直是最亲的人。他不能没有她。他要留住她! 意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 2、人工知能 1
E 诗!念诗吧!还象当年那样念诗吧!十多年前,是动人的诗句打开了她的心房。今天,再用同样的诗句唤起她最美好的回忆,唤起她对生的欲望和勇气吧! 意味1 1、意味2 1、意味3 1、意味4 1、人工知能 2
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
妻が回復するように祈る場面
A 这绝望的喊声象一把尖刀刺进傅家杰的胸膛。他睁着眼,紧盯着从他面前缓缓推过的这张床,紧盯着那无情的白被单下隆起的遗体。突然,他象触了电似的,猛然朝陆文婷的病房跑去。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 他一口气泡到她的床前,一头扑在她真边,笔者眼,喘这气,嘴里只喃喃地重复三个字;“你活着!你活着!你活着!”他那粗重的喘息声,惊醒了半睡中的陆文婷大夫。他睁开眼来,超他望了,又好象并没有看见他。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 这呆滞的目光,使傅家杰浑身发抖,他失声喊道“文婷!…”陆文婷的眼观又停留在傅家杰脸上,仍然是那种令漠的眼光。这眼光令人胆寒心碎,使人感到她的灵魂已经飞离身躯,正在太空中遨游。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 2、人工知能 1
D 傅家杰不知该说些什么,做些什么,才能换回她对生的热望。这是他的妻子,是他在世上最亲的亲人。从那年冬天和她漫游北海,给她念诗,到如今,多少个日日夜夜过去了,她一直是最亲的人。他不能没有她。他要留住她! 意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 2、人工知能 1
E 诗!念诗吧!还象当年那样念诗吧!十多年前,是动人的诗句打开了她的心房。今天,再用同样的诗句唤起她最美好的回忆,唤起她对生的欲望和勇气吧! 意味1 1、意味2 1、意味3 1、意味4 1、人工知能 2
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える4
【データベースの作成】
表1 「人到中年」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。購読脳「現実と矛盾」を共生にスライドさせるため、メディカル情報をここに置く。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 紆余曲折と光明 エキスパートシステム 紆余曲折とは、事情が込み入っていろいろ変化があること、光明とは、明るく輝く光のこと。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
表1 「人到中年」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 メンタルヘルス 受容と共生の接点。購読脳「現実と矛盾」を共生にスライドさせるため、メディカル情報をここに置く。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 紆余曲折と光明 エキスパートシステム 紆余曲折とは、事情が込み入っていろいろ変化があること、光明とは、明るく輝く光のこと。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える2
2 谌容の「人到中年」でLのストーリーを考える
谌容(1936−)は、中国湖北省の武漢市出身で1954年に北京外国語大学に進みロシア語を学んだ。文化大革命(1966−1976)のときは、北京の近郊通県で4年間下放生活を送った。人民の中で人民とともに苦難を味わなければ、人民のためによい小説は書けないということであろうか。
女医の陆文婷は、眼科医であり治療歴も豊富である。仕事には熱心で日々夜遅くまで自宅で勉強する。亀裂などの金属疲労が専門の夫傅家杰との間に子供が二人いて母として躊躇困窮し、どこかしら受け身でもある。夫もやはり研究熱心である。
文学作品は、社会における影響を重視する。陆文婷は、特殊な境遇にあるも良き医師、良き妻良き母であろうとする。英雄ではない。しかし忍耐と粘りのイメージから同情を喚起し、社会一般の知識人たちの現状を見つめ直す。人生に直面し、社会の矛盾を直視することは、作家が小説を作るにあたり必然の方法である。それが社会や生活の本質に当たるからである。中年は腕の見せ時で万事が多忙である。
焦成思次官は、白内障の症状があり手術を要する。白内障は、眼の水晶体が灰白色に変じて濁る病気で、老人性のものが多い。先天性、糖尿病性、外傷性、赤外線による職業病性もある。原爆被害者の場合は、原爆白内障といわれる。焦次官に続いて幼子王小嫚や劉老人も角膜移植の手術を受ける。陆文婷の手術の腕は確かである。
白内障の原因は、主に加齢であるが、糖化もその一つである。身体の糖化により生成される終末糖化産物(AGEs)が眼の水晶体に溜まると白内障に罹ってしまう。終末糖化産物は、タンパク質に余分な糖質が結びつき加熱されてタンパク質が変性劣化して生まれる。(片野2022)糖化が促進すると活性酸素が増加し身体の酸化が進む。活性酸素はまた糖化も促進するため、負のスパイラルに陥る。
陆文婷に異変が訪れる。10年連れ添った傅家杰も覚えがないほど彼女の身体の具合が悪い。通りすがりのトラックで病院の救急室へ運ばれる。静脈注射が打たれ救急措置が始まる。アダムスストーク症状が現れ、心臓打撃機が開けられた。何かの原因で心拍が不規則になり脳への血液量が激減し、眩暈や痙攣、失神などの脳虚血症状を起こす病態である。
果たして症状は好転した。しかし、病気が家族に与えた不運は、誠に冷淡で冷酷である。傅家杰は、二晩も眠っていない。耐えられないほど心が痛んだ。そして、陆文婷が望む子供の世話を引き受ける。陆文婷を死なせてはならない。彼女の回復を詩で祈る。「人到中年」の購読脳は「現実と矛盾」、執筆脳は「紆余曲折と光明」、シナジーのメタファーは、「谌容と本質」である。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容(1936−)は、中国湖北省の武漢市出身で1954年に北京外国語大学に進みロシア語を学んだ。文化大革命(1966−1976)のときは、北京の近郊通県で4年間下放生活を送った。人民の中で人民とともに苦難を味わなければ、人民のためによい小説は書けないということであろうか。
女医の陆文婷は、眼科医であり治療歴も豊富である。仕事には熱心で日々夜遅くまで自宅で勉強する。亀裂などの金属疲労が専門の夫傅家杰との間に子供が二人いて母として躊躇困窮し、どこかしら受け身でもある。夫もやはり研究熱心である。
文学作品は、社会における影響を重視する。陆文婷は、特殊な境遇にあるも良き医師、良き妻良き母であろうとする。英雄ではない。しかし忍耐と粘りのイメージから同情を喚起し、社会一般の知識人たちの現状を見つめ直す。人生に直面し、社会の矛盾を直視することは、作家が小説を作るにあたり必然の方法である。それが社会や生活の本質に当たるからである。中年は腕の見せ時で万事が多忙である。
焦成思次官は、白内障の症状があり手術を要する。白内障は、眼の水晶体が灰白色に変じて濁る病気で、老人性のものが多い。先天性、糖尿病性、外傷性、赤外線による職業病性もある。原爆被害者の場合は、原爆白内障といわれる。焦次官に続いて幼子王小嫚や劉老人も角膜移植の手術を受ける。陆文婷の手術の腕は確かである。
白内障の原因は、主に加齢であるが、糖化もその一つである。身体の糖化により生成される終末糖化産物(AGEs)が眼の水晶体に溜まると白内障に罹ってしまう。終末糖化産物は、タンパク質に余分な糖質が結びつき加熱されてタンパク質が変性劣化して生まれる。(片野2022)糖化が促進すると活性酸素が増加し身体の酸化が進む。活性酸素はまた糖化も促進するため、負のスパイラルに陥る。
陆文婷に異変が訪れる。10年連れ添った傅家杰も覚えがないほど彼女の身体の具合が悪い。通りすがりのトラックで病院の救急室へ運ばれる。静脈注射が打たれ救急措置が始まる。アダムスストーク症状が現れ、心臓打撃機が開けられた。何かの原因で心拍が不規則になり脳への血液量が激減し、眩暈や痙攣、失神などの脳虚血症状を起こす病態である。
果たして症状は好転した。しかし、病気が家族に与えた不運は、誠に冷淡で冷酷である。傅家杰は、二晩も眠っていない。耐えられないほど心が痛んだ。そして、陆文婷が望む子供の世話を引き受ける。陆文婷を死なせてはならない。彼女の回復を詩で祈る。「人到中年」の購読脳は「現実と矛盾」、執筆脳は「紆余曲折と光明」、シナジーのメタファーは、「谌容と本質」である。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
谌容の「人到中年」で執筆脳を考える1
1 はじめに
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でシナジーのメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
花村嘉英(2022)「谌容の『人到中年』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える9
4 まとめ
阿城の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「孩子王」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
阿城 孩子王 民族文化派小説(立野祥介訳) 時代文芸出版社 1989
後藤岩奈 阿城「該子王」(子供たちの王様)原作作品と映画化作品を比較する
県立新潟女子短期大学研究紀要第37号2000
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?
新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学
出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用
日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデー
タベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲
華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖
中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へ シナジーのメタファーのために
V2ソリューション 2023
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「孩子王」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
阿城 孩子王 民族文化派小説(立野祥介訳) 時代文芸出版社 1989
後藤岩奈 阿城「該子王」(子供たちの王様)原作作品と映画化作品を比較する
県立新潟女子短期大学研究紀要第37号2000
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?
新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学
出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用
日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデー
タベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲
華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖
中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へ シナジーのメタファーのために
V2ソリューション 2023
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える8
表3 情報の認知
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 1
B 表2と同じ。 2 2 1
C 表2と同じ。 2 1 1
D 表2と同じ。 2 2 1
E 表2と同じ。 2 2 1
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
学歴も低いのに教壇に立ち、作文を通して自身の教育理念を生徒たちに伝える物語。聾啞でも力持ちな父が大好きな子供王福は、先生が黒板に書く教材を写して勉強してきた。真面目でクラスの仲間のためによく働き、先生が使っていた字典を貰えることになった。しかし、記録の道理に負けたといい、字典を受け取らずにこれまで通り写すと主張するため、購読脳の「自身の教育理念と面白さの追及」から執筆脳の「ユーモアとプラス思考」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 1
B 表2と同じ。 2 2 1
C 表2と同じ。 2 1 1
D 表2と同じ。 2 2 1
E 表2と同じ。 2 2 1
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は計画から問題解決へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は計画から問題解決へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2は@旧情報、情報の認知3は計画から問題解決へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
学歴も低いのに教壇に立ち、作文を通して自身の教育理念を生徒たちに伝える物語。聾啞でも力持ちな父が大好きな子供王福は、先生が黒板に書く教材を写して勉強してきた。真面目でクラスの仲間のためによく働き、先生が使っていた字典を貰えることになった。しかし、記録の道理に負けたといい、字典を受け取らずにこれまで通り写すと主張するため、購読脳の「自身の教育理念と面白さの追及」から執筆脳の「ユーモアとプラス思考」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える7
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える6
分析例
1 王福がクラスのために真面目に働き字典を渡される。
2 この小論では、「孩子王」の購読脳を「自身の教育理念と面白さの追及」と考えているため、意味3の思考の流れ、プラス思考に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3知恵の結集@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @ユーモアAプラス思考。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「自身の教育理念と面白さの追及」を作る。
ステップ2:王福がクラスのために真面目に働き字典を渡される。何かを記録するときは、何かをした後に書く道理がある。王福は、作文も労働も昨日のうちにやってしまい、自分の負けなので字典を写すといい、執筆脳の「ユーモアとプラス思考」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:[@視覚+D触覚]+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
B:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
C:@視覚+A怒+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
E:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
1 王福がクラスのために真面目に働き字典を渡される。
2 この小論では、「孩子王」の購読脳を「自身の教育理念と面白さの追及」と考えているため、意味3の思考の流れ、プラス思考に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3知恵の結集@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @ユーモアAプラス思考。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「自身の教育理念と面白さの追及」を作る。
ステップ2:王福がクラスのために真面目に働き字典を渡される。何かを記録するときは、何かをした後に書く道理がある。王福は、作文も労働も昨日のうちにやってしまい、自分の負けなので字典を写すといい、執筆脳の「ユーモアとプラス思考」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:[@視覚+D触覚]+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
B:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
C:@視覚+A怒+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
E:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@ユーモアとAプラス思考という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える5
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
先生が王福に字典を渡す場面
A 王福看着 班长。班长望望我,慢慢从挎包里取出一个纸包,走过去,递到王福手上。
意味1 1+5、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 王福看看我,我叹了已扣气,说;王福,这字典是我送你的,不赢的。王福急了,说;我把作文拿来。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 我说;不消了。我们说好是你昨天的。记录一件事,永远在事后,这个道理是扳不动的。
意味1 1、意味2 2、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
D 你是极认真的孩子,并且为班上做了这么多事,我就把字典送给你吧。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 学生们都不说话。王福慢慢把纸包打开,字典露出来,方方的一块。忽然王福极快地将纸包包好,一下塞到班长手里,抬眼望我,说; 意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
先生が王福に字典を渡す場面
A 王福看着 班长。班长望望我,慢慢从挎包里取出一个纸包,走过去,递到王福手上。
意味1 1+5、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 王福看看我,我叹了已扣气,说;王福,这字典是我送你的,不赢的。王福急了,说;我把作文拿来。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 我说;不消了。我们说好是你昨天的。记录一件事,永远在事后,这个道理是扳不动的。
意味1 1、意味2 2、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
D 你是极认真的孩子,并且为班上做了这么多事,我就把字典送给你吧。
意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 学生们都不说话。王福慢慢把纸包打开,字典露出来,方方的一块。忽然王福极快地将纸包包好,一下塞到班长手里,抬眼望我,说; 意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える4
【データベースの作成】
表1 「孩子王」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「自身の教育理念と面白さの追及」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 ユーモアとプラス思考 エキスパートシステム ユーモアとは、上品な洒落、諧謔、プラス思考とは、ポジティブシンキング、物事を前向きに捉えること。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
表1 「孩子王」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「自身の教育理念と面白さの追及」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 ユーモアとプラス思考 エキスパートシステム ユーモアとは、上品な洒落、諧謔、プラス思考とは、ポジティブシンキング、物事を前向きに捉えること。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える2
2 「孩子王」でLのストーリーを考える
不当な差別を受けていた人々に暖かいまなざしを注ぐことで抗議を表す鋭い社会への批判が阿城の目線である。「孩子王」は、上山下郷運動の末期、1977年の文革の終わりに時代の設定がある。傍観者のぼくが正面に出てきて、子供との交流を通して真の教育を探り、教育空洞化の原因といえる文教行政関係者による官僚主義と末端の関系者の事勿れ主義を描いていく。
また「孩子王」は、今日の中国で小中学校の教師の代名詞として広く使われている。阿城の文章には、現代風の新しい言い回しがあり、前後の文脈から推測可能である。また、人物の身体的な特徴を侮辱的に指摘した差別用語にあたることばがあだ名として使われている。全体的にのんびりとした、いわば牧歌的な雰囲気があり、ユーモラスな描写が多い。世間一般の価値基準、常識では、些細な取るに足りないと思われるような物事、時として低く見られるようなものに良さ、面白さを見い出そうとする。
後藤(2000)によると、例えば、豚や鶏などの動物や、それらに対する主人公の思いや行為などの描写である。「小便をする」という一般的に言って、あまり表に出せない、隠すべきとされている行為により集団の統率者となるということも逆説的な発想に違いない。また差別を受け、蔑視されているものについても、やはりその良さを見い出そうとする鏡点があるように思われる。例えば、王福の父親王七穂のエピソードなどがそうである。
さらに、文革期の山奥の農村における、物資、設備などの面での不便さをも、そのまま受け入れて肯定的に見て行こうとする、一種の楽天的な弾老の哲学のようなものが感じられる。人間以外のものを擬人化したり、人や動物を総体化した表現が多く見られる。例えば、校庭の子豚が思索したり、人から何をされても食べ続ける牛を「哲学者」に模したり、豚や鶏を見て自分がこの世で人間であることを喜び、もし動物だったら人に見られて恥ずかしい思いをするだろう、と考える場面などである。
主人公は、最後に教師の職を解かれることになるが、「思わず身が軽くなったように感じられた」と表現されているように、一種晴れやかな終わり方になっている。主人公が学校で行った授業のやり方も、自分なりの教育理念、教育論をもっていて、それに基づいて行ったというよりは、自分がそのようなやり方が納得がいくから、生徒たちがそのような状態になるのが好きだから、作品に描かれたような授業のやり方をやったと受け取れる。
そこで購読脳は「自身の教育理念と面白さの追及」、執筆脳は「ユーモアとプラス思考」、阿城の「孩子王」のシナジーのメタファーは、「阿城とプラス思考」である。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
不当な差別を受けていた人々に暖かいまなざしを注ぐことで抗議を表す鋭い社会への批判が阿城の目線である。「孩子王」は、上山下郷運動の末期、1977年の文革の終わりに時代の設定がある。傍観者のぼくが正面に出てきて、子供との交流を通して真の教育を探り、教育空洞化の原因といえる文教行政関係者による官僚主義と末端の関系者の事勿れ主義を描いていく。
また「孩子王」は、今日の中国で小中学校の教師の代名詞として広く使われている。阿城の文章には、現代風の新しい言い回しがあり、前後の文脈から推測可能である。また、人物の身体的な特徴を侮辱的に指摘した差別用語にあたることばがあだ名として使われている。全体的にのんびりとした、いわば牧歌的な雰囲気があり、ユーモラスな描写が多い。世間一般の価値基準、常識では、些細な取るに足りないと思われるような物事、時として低く見られるようなものに良さ、面白さを見い出そうとする。
後藤(2000)によると、例えば、豚や鶏などの動物や、それらに対する主人公の思いや行為などの描写である。「小便をする」という一般的に言って、あまり表に出せない、隠すべきとされている行為により集団の統率者となるということも逆説的な発想に違いない。また差別を受け、蔑視されているものについても、やはりその良さを見い出そうとする鏡点があるように思われる。例えば、王福の父親王七穂のエピソードなどがそうである。
さらに、文革期の山奥の農村における、物資、設備などの面での不便さをも、そのまま受け入れて肯定的に見て行こうとする、一種の楽天的な弾老の哲学のようなものが感じられる。人間以外のものを擬人化したり、人や動物を総体化した表現が多く見られる。例えば、校庭の子豚が思索したり、人から何をされても食べ続ける牛を「哲学者」に模したり、豚や鶏を見て自分がこの世で人間であることを喜び、もし動物だったら人に見られて恥ずかしい思いをするだろう、と考える場面などである。
主人公は、最後に教師の職を解かれることになるが、「思わず身が軽くなったように感じられた」と表現されているように、一種晴れやかな終わり方になっている。主人公が学校で行った授業のやり方も、自分なりの教育理念、教育論をもっていて、それに基づいて行ったというよりは、自分がそのようなやり方が納得がいくから、生徒たちがそのような状態になるのが好きだから、作品に描かれたような授業のやり方をやったと受け取れる。
そこで購読脳は「自身の教育理念と面白さの追及」、執筆脳は「ユーモアとプラス思考」、阿城の「孩子王」のシナジーのメタファーは、「阿城とプラス思考」である。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「孩子王」で執筆脳を考える1
1 はじめに
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと文理共生からなるクラウドからの社会学とを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
この種の分析は、作者の執筆脳を予測するためのものである。ここでの分析が大きな人工知能の入力となり、AIの出力が作家の執筆脳と認識されれば、シナジーのメタファーが将来的にはサイエンスと呼ばれるようになっていく。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと文理共生からなるクラウドからの社会学とを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
この種の分析は、作者の執筆脳を予測するためのものである。ここでの分析が大きな人工知能の入力となり、AIの出力が作家の執筆脳と認識されれば、シナジーのメタファーが将来的にはサイエンスと呼ばれるようになっていく。
花村嘉英(2023)「阿城の『孩子王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える8
4 まとめ
阿城の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「棋王」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学へのアプローチを考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021
阿城 棋王 民族文化派小説 時代文艺出版社 1989
阿城 チャンピオン(立間祥介訳)徳間書店 1989
Wikipedia 阿城
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「棋王」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識して、できるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学へのアプローチを考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021
阿城 棋王 民族文化派小説 時代文艺出版社 1989
阿城 チャンピオン(立間祥介訳)徳間書店 1989
Wikipedia 阿城
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える7
表3 情報の認知
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 2
B 表2と同じ。 2 2 2
C 表2と同じ。 3 2 2
D 表2と同じ。 3 2 1
E 表2と同じ。 3 2 1
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
貧乏育ちの将棋馬鹿が下放の時代に将棋を通じて本当の人生や幸せを感じる物語。主役の王一生は、仕事をして金が稼げるようにと高校を卒業してから将棋をやるように母親からいわれ、のっぽに勝つも地区のトーナメントに参加せず、最後になって九面指しでめいっぱい力を発揮するため、購読脳の「平凡と真の人生」から執筆脳の「知恵の結集と達成感」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
同上 情報の認知1 情報の認知2 情報の認知3
A 表2と同じ。 3 2 2
B 表2と同じ。 2 2 2
C 表2と同じ。 3 2 2
D 表2と同じ。 3 2 1
E 表2と同じ。 3 2 1
A:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
E:情報の認知1はBその他の条件、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
貧乏育ちの将棋馬鹿が下放の時代に将棋を通じて本当の人生や幸せを感じる物語。主役の王一生は、仕事をして金が稼げるようにと高校を卒業してから将棋をやるように母親からいわれ、のっぽに勝つも地区のトーナメントに参加せず、最後になって九面指しでめいっぱい力を発揮するため、購読脳の「平凡と真の人生」から執筆脳の「知恵の結集と達成感」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える6
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える5
分析例
1 チャンピオンとの対決も含め九面指しの後でへとへとになっている。
2 この小論では、「棋王」の購読脳を「平凡と真の人生」と考えているため、意味3の思考の流れ、知恵の結集に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3知恵の結集@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @知恵の結集A達成感。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「平凡と真の人生」を作る。
ステップ2:チャンピオンとの対決も含め九面指しが行われ、王一生がへとへとになっている様子。チャンピオンの老人による調整で引き分けとなり、泣けるほどに幸せを感じるため、執筆脳の「知恵の結集と達成感」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
C:@視覚+C楽+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
1 チャンピオンとの対決も含め九面指しの後でへとへとになっている。
2 この小論では、「棋王」の購読脳を「平凡と真の人生」と考えているため、意味3の思考の流れ、知恵の結集に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3知恵の結集@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @知恵の結集A達成感。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「平凡と真の人生」を作る。
ステップ2:チャンピオンとの対決も含め九面指しが行われ、王一生がへとへとになっている様子。チャンピオンの老人による調整で引き分けとなり、泣けるほどに幸せを感じるため、執筆脳の「知恵の結集と達成感」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
C:@視覚+C楽+Aなし+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
D:@視覚+C楽+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@知恵の結集とA達成感という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える4
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
チャンピオンとの対決後でへとへとの場面
A "妈,儿今天…妈"。大家都有些酸,扫了地下,打来了,劝了。王一生哭过,滞气调理过来,有了精神,就一起吃饭。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 画家竟喝得大醉,也不管大家,一个人倒在木床上睡去。电工领了我们,脚卵也跟着,一齐到礼堂台上去睡。意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
C 夜KK的,伸手不见五指。王一生已近睡死。我却还似乎耳边人声嚷动,眼前火把通明,山民们铁了脸,肩着柴禾在林中,咿咿呀呀地唱,我笑起来,想:意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
D 不做俗人,哪儿会知道这般乐趣?加破人亡,平了头每日荷锄,识到了,即是幸,即是福。意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 衣食是本,自有人类,就是每日在忙这个。可囿在其中,终于还不太象人,倦意渐渐上来,就拥了幕布,沉沉睡去。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
チャンピオンとの対決後でへとへとの場面
A "妈,儿今天…妈"。大家都有些酸,扫了地下,打来了,劝了。王一生哭过,滞气调理过来,有了精神,就一起吃饭。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 画家竟喝得大醉,也不管大家,一个人倒在木床上睡去。电工领了我们,脚卵也跟着,一齐到礼堂台上去睡。意味1 1、意味2 3、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
C 夜KK的,伸手不见五指。王一生已近睡死。我却还似乎耳边人声嚷动,眼前火把通明,山民们铁了脸,肩着柴禾在林中,咿咿呀呀地唱,我笑起来,想:意味1 1、意味2 4、意味3 2、意味4 1、人工知能 2
D 不做俗人,哪儿会知道这般乐趣?加破人亡,平了头每日荷锄,识到了,即是幸,即是福。意味1 1、意味2 4、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 衣食是本,自有人类,就是每日在忙这个。可囿在其中,终于还不太象人,倦意渐渐上来,就拥了幕布,沉沉睡去。 意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「棋王」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「情動と畏敬」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 知恵の結集と達成感 エキスパートシステム 知恵の結集とは、合体して理を悟り処理すること、達成感とは、目的を達し成功すること。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
【データベースの作成】
表1 「棋王」のデータベースのカラム
項目名 内容 説明
文法1 態 能動、受動、使役。
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形。
文法3 様相 可能、推量、義務、必然。
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚。
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の共有点。構文や意味の解析から得た組「情動と畏敬」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 知恵の結集と達成感 エキスパートシステム 知恵の結集とは、合体して理を悟り処理すること、達成感とは、目的を達し成功すること。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える2
阿城(1949−)の「棋王」(1984)は、彼の他の短編と同様に文化革命時代の自身の経験に基づいている。知識青年という都市の学校の卒業生を対象に行われた上山下郷運動によるいわゆる下放体験である。毛沢東による指示は、貧農や下層中農について再教育を受けることであり、1968年12月に出された。小説の舞台は、作者が下放した雲南省の西南端のベトナム、ラオスに近い辺境地帯である。
阿城は、作中差別されている人に温かい眼差しを注ぐ。これは、作者による一種の抗議である。将棋を愛する青年王一生やその師匠の紙屑拾いの老人は、決して社会的地位が上層ではない。しかし、彼らの持っている知恵も確かに捨てがたい。場合よっては有効利用できるからである。上山下郷運動は、毛沢東の死後の1977年文革終了とともに終わる。
語り手のぼくは、作者の代弁者で二十代前半の年恰好である。文革の時期(1966−1976)に作者が過ごした年齢である。この特異な時代にこそ皆の知恵を集結させた。将棋馬鹿の王一生の母、王一生の師匠の紙屑拾い の老人、将棋王の老人など、知恵が集まれば幸せになれる。
王一生の母は、仕事あっての人生だから高校を出てから将棋をやるようにと歯ブラシの柄でこさえた将棋の駒を彼に渡し、紙屑拾いの老人は、将棋道に生きる道があると王一生に説き、将棋王の老人は、九面指しもさること棋道が神機妙算で古今の名棋士も確約たると王一生を褒め、平和たる引き分けをもたらす。特異な時代に平凡であることが本当の人生を引き寄せ幸福感が得られるという下りは、将棋好きが多い中国ならではの結末か。
王一生は、愛されたり、褒められたり、喜びや達成感から精神的な報酬としてドーパミンの分泌が高まっている。因みに目標を立てたときと目標を達成したときの二回ドーパミンの分泌が高まる。九面指しの将棋とそれを達成した喜びからこの神権伝達物質の分泌が見られる。
そこで「棋王」の購読脳は「平凡と真の人生」、執筆脳は「知恵の結集と達成感」にし、シナジーのメタファーは「阿城と真の人生」にする。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城は、作中差別されている人に温かい眼差しを注ぐ。これは、作者による一種の抗議である。将棋を愛する青年王一生やその師匠の紙屑拾いの老人は、決して社会的地位が上層ではない。しかし、彼らの持っている知恵も確かに捨てがたい。場合よっては有効利用できるからである。上山下郷運動は、毛沢東の死後の1977年文革終了とともに終わる。
語り手のぼくは、作者の代弁者で二十代前半の年恰好である。文革の時期(1966−1976)に作者が過ごした年齢である。この特異な時代にこそ皆の知恵を集結させた。将棋馬鹿の王一生の母、王一生の師匠の紙屑拾い の老人、将棋王の老人など、知恵が集まれば幸せになれる。
王一生の母は、仕事あっての人生だから高校を出てから将棋をやるようにと歯ブラシの柄でこさえた将棋の駒を彼に渡し、紙屑拾いの老人は、将棋道に生きる道があると王一生に説き、将棋王の老人は、九面指しもさること棋道が神機妙算で古今の名棋士も確約たると王一生を褒め、平和たる引き分けをもたらす。特異な時代に平凡であることが本当の人生を引き寄せ幸福感が得られるという下りは、将棋好きが多い中国ならではの結末か。
王一生は、愛されたり、褒められたり、喜びや達成感から精神的な報酬としてドーパミンの分泌が高まっている。因みに目標を立てたときと目標を達成したときの二回ドーパミンの分泌が高まる。九面指しの将棋とそれを達成した喜びからこの神権伝達物質の分泌が見られる。
そこで「棋王」の購読脳は「平凡と真の人生」、執筆脳は「知恵の結集と達成感」にし、シナジーのメタファーは「阿城と真の人生」にする。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
阿城の「棋王」で執筆脳を考える1
1 はじめに
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
花村嘉英(2023)「阿城の『棋王』で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える9
4 まとめ
王安憶の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「小鮑包」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ189号 ヘルスケア出版 2022
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学へのアプローチを考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021
谌容 谌容集 海峡文艺出版社 1986
谌容 北京の女医−人、中年に至れば(田村年紀訳)第三文明社 1984
谌容 Wikipedia
看護師の用語辞典
王安憶の執筆時の脳の活動を調べるために、まず受容と共生からなるLのストーリーを文献により組み立てた。次に、「小鮑包」のLのストーリーをデータベース化し、最後に文献で止めたところを実験で確認した。そのため、テキスト共生によるシナジーのメタファーについては、一応の研究成果が得られている。
この種の実験をおよそ100人の作家で試みている。その際、日本人と外国人6対4、男女比4対1、ノーベル賞作家30人を目安に対照言語が独日であることから非英語の比較を意識してできるだけ日本語以外で英語が突出しないように心掛けている。
参考文献
片野善夫 ほすぴ189号 ヘルスケア出版 2022
花村嘉英 計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか? 新風舎 2005
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む 華東理工大学出版社 2015
花村嘉英 日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用 日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで 南京東南大学出版社 2017
花村嘉英 从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默−ナディン・ゴーディマと意欲 華東理工大学出版社 2018
花村嘉英 シナジーのメタファーの作り方−トーマス・マン、魯迅、森鴎外、ナディン・ゴーディマ、井上靖 中国日語教学研究会上海分会論文集 2018
花村嘉英 川端康成の「雪国」に見る執筆脳について-「無と創造」から「目的達成型の認知発達」へ 中国日語教学研究会上海分会論文集 2019
花村嘉英 社会学の観点からマクロの文学を考察する−危機管理者としての作家について 中国日語教学研究会上海分会論文集 2020
花村嘉英 三浦綾子の「道ありき」でうつ病から病跡学へのアプローチを考える 中国日語教学研究会上海分会論文集 2021
谌容 谌容集 海峡文艺出版社 1986
谌容 北京の女医−人、中年に至れば(田村年紀訳)第三文明社 1984
谌容 Wikipedia
看護師の用語辞典
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える8
表3 情報の認知
A 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
仁義の村鲍庄を舞台にした小英雄捞查を愛し村で一番高い碑文つきの墓を建てる物語。主役は、金持ちを敬わず権勢を恐れることなく仁義を大切にしてきた村人たちである。その一例として、記者の取材からも分かるように、人助けで死んでしまった捞查について皆が語り継げるような工夫があるため、購読脳の「仁義と多数の主役たち」から執筆脳の「観察者と原点」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
A 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
B 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
C 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
D 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 2
E 表2と同じ。 情報の認知1 2、情報の認知2 2、情報の認知3 1
A:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
B:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
C:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
D:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3はA問題未解決から推論へである。
E:情報の認知1はAグループ化、情報の認知2はA新情報、情報の認知3は@計画から問題解決へである。
結果
仁義の村鲍庄を舞台にした小英雄捞查を愛し村で一番高い碑文つきの墓を建てる物語。主役は、金持ちを敬わず権勢を恐れることなく仁義を大切にしてきた村人たちである。その一例として、記者の取材からも分かるように、人助けで死んでしまった捞查について皆が語り継げるような工夫があるため、購読脳の「仁義と多数の主役たち」から執筆脳の「観察者と原点」という組を引き出すことができる。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える7
【連想分析2】
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
情報の認知1(感覚情報)
感覚器官からの情報に注目することから、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。このプロセルのカラムの特徴は、@ベースとプロファイル、Aグループ化、Bその他の条件である。
情報の認知2(記憶と学習)
外部からの情報を既存の知識構造へ組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。未知の情報は、またカテゴリー化される。このプロセスは、経験を通した学習になる。このプロセルのカラムの特徴は、@旧情報、A新情報である。
情報の認知3(計画、問題解決、推論)
受け取った情報は、計画を立てるプロセスでも役に立つ。その際、目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。しかし、獲得した情報が完全でない場合は、推論が必要になる。このプロセルのカラムの特徴は、@計画から問題解決へ、A問題未解決から推論へである。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える6
分析例
1 捞查を探しあて引き上げるとすでに息を引き取っていた。
2 この小論では、「小鮑包」の購読脳を「仁義と多数の主役たち」と考えているため、意味3の思考の流れ、仁義に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3仁義@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @観察者A原点。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「仁義と多数の主役たち」を作る。
ステップ2:水に飛び込んで捞查を引き上げた。しかし、すでに息を引き取っていた。村に変えると村人も母親も泣けば気が休まるとし、執筆脳の「観察者と原点」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
C:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
D:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
1 捞查を探しあて引き上げるとすでに息を引き取っていた。
2 この小論では、「小鮑包」の購読脳を「仁義と多数の主役たち」と考えているため、意味3の思考の流れ、仁義に注目する。
3 意味1@視覚A聴覚B味覚C嗅覚D触覚 、意味2 @喜A怒B哀C楽、意味3仁義@ありAなし、意味4振舞い @直示A隠喩B記事なし、人工知能 @観察者A原点。
テキスト共生の公式
ステップ1:意味1、2、3、4を合わせて解析の組「仁義と多数の主役たち」を作る。
ステップ2:水に飛び込んで捞查を引き上げた。しかし、すでに息を引き取っていた。村に変えると村人も母親も泣けば気が休まるとし、執筆脳の「観察者と原点」と組になるため、解析の組と相互に作用する。
A:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
B:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
C:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
D:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
E:@視覚+B哀+@あり+@直示という解析の組を、@観察者とA原点という組と合わせる。
結果 表2については、テキスト共生の公式が適用される。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える5
【連想分析1】
表2 受容と共生のイメージ合わせ
捞查を探しあて引き上げる場面
A 前边白茫茫的地方,有一丛乱草,草上趴着个人影。几条筏子一齐划过去。划到眼前,才看清,那是庄东最高的大柳树梢梢,上面趴着的是鲍五爷手指着树下喃喃地说;捞查,捞查!树下是水,水边是鲍山,鲍山阴沉着。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 男人们脱去衣服,一个接一个跳下了水。一个猛子扎下去,再上来,空着手,吸一口气,再下去,,,足足有一时辰。最后,拾来一个猛子下去了好久,上来,来下及说话,大口喘着气,又下去,又是好久,上来了,手里抱着个东西,游到近处才看见,是捞查。筏子上的人七手八脚把拾来拽了上来,把捞查放平,捞查早已没气了,眼睛闭着,嘴角却翘着,象是还在笑,再回头一着,鲍五爷趴再筏子上早咽气了。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 筏子上比来时多了一老一小,都是不会说活的。筏子慢慢地划出庄子,十来个水淋淋的男人抬着筏子刚一露头,人们就呼啦地围上了。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
D 一老一小静静地躺在筏子上,脸上的表情都十分安详,睡着了似的。那老的眉眼舒展开了,打社会子死,庄上人没再见过他这么舒眉展眼的模样。那小的办是非常恬静,比活着时脸上还多了点红晕。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 鲍彦山家里的瞪着眼,一字不出。大家围着她,劝她哭,哭出来就好了。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 2
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
表2 受容と共生のイメージ合わせ
捞查を探しあて引き上げる場面
A 前边白茫茫的地方,有一丛乱草,草上趴着个人影。几条筏子一齐划过去。划到眼前,才看清,那是庄东最高的大柳树梢梢,上面趴着的是鲍五爷手指着树下喃喃地说;捞查,捞查!树下是水,水边是鲍山,鲍山阴沉着。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
B 男人们脱去衣服,一个接一个跳下了水。一个猛子扎下去,再上来,空着手,吸一口气,再下去,,,足足有一时辰。最后,拾来一个猛子下去了好久,上来,来下及说话,大口喘着气,又下去,又是好久,上来了,手里抱着个东西,游到近处才看见,是捞查。筏子上的人七手八脚把拾来拽了上来,把捞查放平,捞查早已没气了,眼睛闭着,嘴角却翘着,象是还在笑,再回头一着,鲍五爷趴再筏子上早咽气了。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
C 筏子上比来时多了一老一小,都是不会说活的。筏子慢慢地划出庄子,十来个水淋淋的男人抬着筏子刚一露头,人们就呼啦地围上了。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
D 一老一小静静地躺在筏子上,脸上的表情都十分安详,睡着了似的。那老的眉眼舒展开了,打社会子死,庄上人没再见过他这么舒眉展眼的模样。那小的办是非常恬静,比活着时脸上还多了点红晕。
意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 1
E 鲍彦山家里的瞪着眼,一字不出。大家围着她,劝她哭,哭出来就好了。意味1 1、意味2 3、意味3 1、意味4 1、人工知能 2
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える4
【データベースの作成】
表1 「小鮑包」のデータベースのカラム
文法1 態 能動、受動、使役
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形
文法3 様相 可能、推量、義務、必然
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし 。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の接点。購読脳「仁義と多数の主役たち」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 観察者と原点 エキスパートシステム 観察者とは、ものごとの事態を注意して詳しく見る(見極め)こと、原点とは、基準になる点のこと。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
表1 「小鮑包」のデータベースのカラム
文法1 態 能動、受動、使役
文法2 時制、相 現在、過去、未来、進行形、完了形
文法3 様相 可能、推量、義務、必然
意味1 五感 視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚
意味2 喜怒哀楽 情動との接点。瞬時の思い。
意味3 思考の流れ 実現ありなし 。
意味4 振舞い ジェスチャー、身振り。直示と隠喩を考える。
医学情報 病跡学との接点 受容と共生の接点。購読脳「仁義と多数の主役たち」と病跡学でリンクを張るためにメディカル情報を入れる。
情報の認知1 感覚情報の捉え方 感覚器官からの情報に注目するため、対象の捉え方が問題になる。また、記憶に基づく感情は、扁桃体と関係しているため、条件反射で無意識に素振りに出てしまう。
情報の認知2 記憶と学習 外部からの情報を既存の知識構造に組み込む。この新しい知識はスキーマと呼ばれ、既存の情報と共通する特徴を持っている。その際、未知の情報については、学習につながるためカテゴリー化する。記憶の型として、短期、作業記憶、長期を考える。
情報の認知3 計画、問題解決、推論 受け取った情報は、計画を立てるときにも役に立つ。目的に応じて問題を分析し、解決策を探っていく。獲得した情報が完全でない場合、推論が必要になる。
人工知能 観察者と原点 エキスパートシステム 観察者とは、ものごとの事態を注意して詳しく見る(見極め)こと、原点とは、基準になる点のこと。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える3
3 データベースの作成・分析
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
データベースの作成方法について説明する。エクセルのデータについては、列の前半(文法1から意味5)が構文や意味の解析データ、後半(医学情報から人工知能)が理系に寄せる生成のデータである。一応、L(受容と共生)を反映している。データベースの数字は、登場人物を動かしながら考えている。
こうしたデータベースを作る場合、共生のカラムの設定が難しい。受容は、それぞれの言語ごとに構文と意味を解析し、何かの組を作ればよい。しかし、共生は、作家の知的財産に基づいた脳の活動が問題になるため、作家ごとにカラムが変わる。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える2
2 「小鮑包」でLのストーリーを考える
王安憶(1954−)は、南京に生まれ上海で育ち、母も作家で父も演劇活動に従事していた。1969年に上海の中学を卒業し翌年母の反対を押し切り安徽省宿県に下郷した。しかし、1975年に農村の脱出を図り文工団の演劇に参加した。文革(1976)が終わりを告げた翌々年に上海に戻り、児童向けの雑誌の編集に携わる。児童文学の作品を発表し、中国作家協会上海分会に加入した。北京の文学講習所にも参加する。
「小鮑包」は1985年に発表された。母親と短期間米国に滞在し帰国した王安憶は、異文化の影響もあり心の変動から中国について書くことを選んだ。都会の青年や青春もさることかつての下郷から農村についてイメージした。その際、客観性を上げるために村の外から村人たちを観察した。佐伯(1989)は、特定の主人公がいるわけでもなく、鮑庄村の仁義こそがヒロインであるとしている。先祖代々、皆金持ちを敬わず権勢を恐れることがなかった。しかし、仁義だけは大切にしてきた。
全村人が同姓で悪人はおらず善人ばかりである。例えば、死産を繰り返す女の悪口は言わない。むごい仕打ちだからである。また、毎年洪水があり、ある年外界から得体の知れない力がかかり、村は見渡す限りの大湖になった。大変動である。子供にしてよくできた鮑彦山の七番目の末息子捞查は、大洪水の際、先に木に登っていたら死ななかった。先に逃げていたら助かった。しかし、身寄りのない年寄り鮑五爺を助けようとして死んでしまう。この話を聞きつけた村では、葬式の際二百人が隊列に並んだ。
子供にして仁義である。大人はどうか。皆で捞查のために墓を建てることになった。こうした話は広まるもので、作家志望の鮑仁文が捞查について放送用の原稿を書く。捞查は、毎日放課後豚の草刈りが済むと机にかじりついて宿題を書いていた。冬手が凍えても、夏蚊にかまれても書いていた。毎日毎日書いていた。
取材に来た県の女性記者も捞查が喧嘩一つしなかったことを村の仁義の一例として書き留めた。残念ながら遺品がすべて焼却され残っていない。県の新聞に「小英雄鮑仁平の記」という題で記事が載った。写真はなくとも肖像画があった。捞查の棺は、水辺から村の広場に移され、数段の石段の上に大きな墓を築き、レンガを積み高い石碑を建て碑文も添えられた。鮑庄村で一番高いのは柳の木ではなくこの石碑になった。
ここに王安憶の原点を見ることができる。つまり客観性が大きく上がっている。作家の頭の使いようとして執筆脳を考える一例になる。そこで「小鮑包」の購読脳は「仁義と多数の主役たち」にし、執筆脳は「観察者と原点」とする。「小鮑包」は、王安憶の原点だからである。シナジーのメタファーは、「王安憶と基準」にする。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶(1954−)は、南京に生まれ上海で育ち、母も作家で父も演劇活動に従事していた。1969年に上海の中学を卒業し翌年母の反対を押し切り安徽省宿県に下郷した。しかし、1975年に農村の脱出を図り文工団の演劇に参加した。文革(1976)が終わりを告げた翌々年に上海に戻り、児童向けの雑誌の編集に携わる。児童文学の作品を発表し、中国作家協会上海分会に加入した。北京の文学講習所にも参加する。
「小鮑包」は1985年に発表された。母親と短期間米国に滞在し帰国した王安憶は、異文化の影響もあり心の変動から中国について書くことを選んだ。都会の青年や青春もさることかつての下郷から農村についてイメージした。その際、客観性を上げるために村の外から村人たちを観察した。佐伯(1989)は、特定の主人公がいるわけでもなく、鮑庄村の仁義こそがヒロインであるとしている。先祖代々、皆金持ちを敬わず権勢を恐れることがなかった。しかし、仁義だけは大切にしてきた。
全村人が同姓で悪人はおらず善人ばかりである。例えば、死産を繰り返す女の悪口は言わない。むごい仕打ちだからである。また、毎年洪水があり、ある年外界から得体の知れない力がかかり、村は見渡す限りの大湖になった。大変動である。子供にしてよくできた鮑彦山の七番目の末息子捞查は、大洪水の際、先に木に登っていたら死ななかった。先に逃げていたら助かった。しかし、身寄りのない年寄り鮑五爺を助けようとして死んでしまう。この話を聞きつけた村では、葬式の際二百人が隊列に並んだ。
子供にして仁義である。大人はどうか。皆で捞查のために墓を建てることになった。こうした話は広まるもので、作家志望の鮑仁文が捞查について放送用の原稿を書く。捞查は、毎日放課後豚の草刈りが済むと机にかじりついて宿題を書いていた。冬手が凍えても、夏蚊にかまれても書いていた。毎日毎日書いていた。
取材に来た県の女性記者も捞查が喧嘩一つしなかったことを村の仁義の一例として書き留めた。残念ながら遺品がすべて焼却され残っていない。県の新聞に「小英雄鮑仁平の記」という題で記事が載った。写真はなくとも肖像画があった。捞查の棺は、水辺から村の広場に移され、数段の石段の上に大きな墓を築き、レンガを積み高い石碑を建て碑文も添えられた。鮑庄村で一番高いのは柳の木ではなくこの石碑になった。
ここに王安憶の原点を見ることができる。つまり客観性が大きく上がっている。作家の頭の使いようとして執筆脳を考える一例になる。そこで「小鮑包」の購読脳は「仁義と多数の主役たち」にし、執筆脳は「観察者と原点」とする。「小鮑包」は、王安憶の原点だからである。シナジーのメタファーは、「王安憶と基準」にする。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える1
1 はじめに
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと文理共生からなるクラウドからの社会学とを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
この種の分析は、作者の執筆脳を予測するためのものである。ここでの分析が大きな人工知能の入力となり、AIの出力が作家の執筆脳と認識されれば、シナジーのメタファーが将来的にはサイエンスと呼ばれるようになっていく。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より
文学分析は、通常、読者による購読脳が問題になる。一方、シナジーのメタファーは、作家の執筆脳を研究するためのマクロに通じる分析方法である。基本のパターンは、まず縦が購読脳で横が執筆脳になるLのイメージを作り、次に、各場面をLに読みながらデータベースを作成し、全体を組の集合体にする。そして最後に、双方の脳の活動をマージするために、脳内の信号のパスを探す、若しくは、脳のエリアの機能を探す。これがミクロとマクロの中間にあるメゾのデータとなり、狭義の意味でメタファーが作られる。この段階では、副専攻を増やすことが重要である。
執筆脳は、作者が自身で書いているという事実及び作者がメインで伝えようと思っていることに対する定番の読み及びそれに対する共生の読みと定義する。そのため、この小論では、トーマス・マン(1875−1955)、魯迅(1881−1936)、森鴎外(1862−1922)の執筆脳に関する私の著作を先行研究にする。また、これらの著作の中では、それぞれの作家の執筆脳として文体を取り上げ、とりわけ問題解決の場面を分析の対象にしている。さらに、マクロの分析について地球規模とフォーマットのシフトを意識してナディン・ゴーディマ(1923−2014)を加えると、“The Late Bourgeois World”執筆時の脳の活動が意欲と組になることを先行研究に入れておく。
筆者の持ち場が言語学のため、購読脳の分析の際に、何かしらの言語分析を試みている。例えば、トーマス・マンには構文分析があり、魯迅にはことばの比較がある。そのため、全集の分析に拘る文学の研究者とは、分析のストーリーに違いがある。言語の研究者であれば、全集の中から一つだけシナジーのメタファーのために作品を選び、その理由を述べればよい。なおLのストーリーについては、人文と理系が交差するため、機械翻訳などで文体の違いを調節するトレーニングが推奨される。
なお、メゾのデータを束ねて何やら予測が立てば、言語分析や翻訳そして資格に基づくミクロと文理共生からなるクラウドからの社会学とを合わせて、広義の意味でシナジーのメタファーが作られる。
この種の分析は、作者の執筆脳を予測するためのものである。ここでの分析が大きな人工知能の入力となり、AIの出力が作家の執筆脳と認識されれば、シナジーのメタファーが将来的にはサイエンスと呼ばれるようになっていく。
花村嘉英(2022)「王安憶の「小鮑包」で執筆脳を考える」より