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2024年09月14日

魯迅とカオス1 狂人日記

【要旨】 
 「狂人日記」(1918)から見えてくるカオス効果を題材にして「魯迅とカオス」というシナジーのメタファーを考察する。最初に認知言語学における一般的なメタファーの分析について考える。シナジーのメタファーは、その上位概念である。「狂人日記」が執筆された当時の中国は、内戦と列強国との戦いを繰り返す二重の戦争状態にあり、中国人民の振舞いは無秩序で不規則なものであった。
 主人公の狂人は、被害妄想に罹っているため、当時の中国人民が決していわないような社会批判を繰り返す。狂人が受け取る入力は、一般の人の入力と少しずれていると考えてもおかしくない。
カオスの特徴は、文理を問わずどの分野でも非線形性と非決定論である。この2点を「狂人日記」から引き出すことができれば、作品を執筆している時の魯迅の脳の活動はカオスに通じることになる。作家の思いと人工知能が照合できれば、自ずと客観性が生まれる。

花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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