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2024年09月14日

魯迅とカオス4 狂人日記

 「魯迅をシナジーで読む」の中では、認知言語学が処理するメタファーとして、@慣習のメタファー、A汎用のメタファー、BイメージのメタファーそしてC詩のメタファーを認めている。@は「陽はまた昇る」のような日常経験を基にしているため、あまり意識されることなく使用される。Aは「時間は空間である」といったメタファーのことであり、時空が表す出来事へと拡張される。例えば、「弟が眠っている」は「眠る」と「いる」により空間の中で弟の状態が継続的に捉えられる。Bは文学作品に多く見られるが、慣習化の度合いが低いために、創造的なイメージがつきまとう。Cは複数のメタファーが幾重にも同時に作用するため、少ない数のことばから豊かな表現が生まれる。
 このブログでは、これらのメタファーの上位概念として、シナジーのメタファーを考えている。伝統的な縦の研究は、AとBからA’とB’を出すことが目標である。一方、シナジーの研究は、AとBから異質のCを出すことが目標になる。シナジーのメタファーも通常の写像関係を踏襲し、Aが根源領域、Cが目標領域、Bはその写像という対応関係を取る。そして、シナジーの組み合せとしては、文学と論理計算を想定しているため、Aは人文科学、Bは認知科学、そしてCは脳科学になる。

花村嘉英(2015)「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」より
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花村嘉英
花村嘉英(はなむら よしひさ) 1961年生まれ、立教大学大学院文学研究科博士後期課程(ドイツ語学専攻)在学中に渡独。 1989年からドイツ・チュービンゲン大学に留学し、同大大学院新文献学部博士課程でドイツ語学・言語学(意味論)を専攻。帰国後、技術文(ドイツ語、英語)の機械翻訳に従事する。 2009年より中国の大学で日本語を教える傍ら、比較言語学(ドイツ語、英語、中国語、日本語)、文体論、シナジー論、翻訳学の研究を進める。テーマは、データベースを作成するテキスト共生に基づいたマクロの文学分析である。 著書に「計算文学入門−Thomas Mannのイロニーはファジィ推論といえるのか?」(新風舎:出版証明書付)、「从认知语言学的角度浅析鲁迅作品−魯迅をシナジーで読む」(華東理工大学出版社)、「日本語教育のためのプログラム−中国語話者向けの教授法から森鴎外のデータベースまで(日语教育计划书−面向中国人的日语教学法与森鸥外小说的数据库应用)」南京東南大学出版社、「从认知语言学的角度浅析纳丁・戈迪默-ナディン・ゴーディマと意欲」華東理工大学出版社、「計算文学入門(改訂版)−シナジーのメタファーの原点を探る」(V2ソリューション)、「小説をシナジーで読む 魯迅から莫言へーシナジーのメタファーのために」(V2ソリューション)がある。 論文には「論理文法の基礎−主要部駆動句構造文法のドイツ語への適用」、「人文科学から見た技術文の翻訳技法」、「サピアの『言語』と魯迅の『阿Q正伝』−魯迅とカオス」などがある。 学術関連表彰 栄誉証書 文献学 南京農業大学(2017年)、大連外国語大学(2017年)
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