「失礼、モンタージュの彼の情報の詳細が来たわね。。。」
福の神笑〜がただいま今夜マスコミ関係で青の洞窟のほとり接待である事を笑〜のTV局のメトロポリタンTVの上層部は当然ながら知っていたので、通話ではなくスマホに文書で一報が入ってきました。
「でもさ、笑〜はこないだプルメリア警察署に呼ばれてモンタージュの。。。吾朗太さんだっけ、その吾朗太さんのお兄さんがわざわざ東京から来て会ったんでしょ。。。葉月さんやベルモちゃんと。。。」茶目コが言います。
「ええ。。。そう、吾朗太さん。。。それがいろいろ複雑な家庭環境でお兄さんの三太夫さんと吾朗太さんは愛人の息子さんで本妻さんにも3人の男性ばかりの兄弟がいたんだけど。。。お父様がヤー様の組長で。。。愛人さんが吾朗太さんを産んですぐに亡くなったんで本妻さんに引き取られたんだけど、その三太夫さんって人が、小さい頃から神童でヤクザにも向かないし、三太夫さんの将来の為にお父様がいい家庭に養子に出して外務省のお役人だったのよ。。。」笑〜が言うと、「あのモンタージュの。。。ドクロの入れ墨のパッキンキンのオニイチャンのお兄ちゃんがですかぁ。。。信じられないなぁ。。。」同席していたマスコミ関係の幹部が言うと
笑〜は、
「剣崎組の組長さんの剣崎蓮気氏は、愛人のなつめさん、三太夫さんと吾朗太さんを愛してたようね。だからこそ、本妻の要さんの子供たちに比べて三太夫さんを反社会から出して吾朗太さんを剣崎組の跡取りにしようとして特別待遇したのよね。。。」ヴィーナスが、「ソリャあ本妻が面白くないわよね。だって、寵愛は愛人で亡くなったかと思えば。。。寵愛はその息子達なんだもん。。美味しいとこミゴト掻っ攫われたジャナイ」
「なんだけど。。仕方ないでしょう。三太夫さんが言うには、一般家庭じゃないしヤー様の奥様達って旦那さんに逆らえないでしょうし、愛人がいてもあたりまえでしょうし。子供たちも絶対君主制で父親の言う通りでしょうし。。。」笑〜が言いました。
笑〜がスマホの報告を開くと、新宿歌舞伎町のホストクラブのあるオーナーさんが、現役ホスト時代に吾朗太さんは未成年で働いていたらしい。極楽鳥花、ストレチアが好きなオーナーさんの働いていた店の経営者は、店の名前を極楽鳥夜と書いてストレチヤと名付けた。名前通りにキャストのホストの源氏名の最後には夜がついて、そのオーナーさんは麗夜ウルヤという名前で、吾朗太さんは氷室終夜で極楽鳥夜のオーナーのマヒル氏に寵愛を受けていたんだけど。。
結局は氷室終夜が未成年というのがばれてマヒル氏は警察に逮捕されたらしい。
氷室終夜は未成年者というのもあるけど、ほとんど酒が飲めなくて飲めてもカクテル程度。
それでも甘え上手で可愛い顔をしていたのでファンも多かったらしいけど何より極楽鳥夜のオーナーのマヒル氏が寵愛していた。マヒル社長逮捕てそれで氷室は店を辞めたんだけど、マヒル社長の愛人女性を奪ったという噂もあるし、
だけどもともと半グレ集団の東京邪神軍に関わってた
氷室は遊び歩いてたのか、人脈が広いのかマヒル社長にあそこに金になる男がいるぞと、結構マヒル社長にいいキャスト発掘の手助けをしていたらしいし。。。
「お気に入りに。。。お気に入りに裏切られたのか。白骨死体になって。。。そのマヒルってあやしくないですかね。。。」幹部が言うと、笑〜は、「そうかもしれないけど。。。仮にもマヒル社長が吾朗太さんを殺害したとしても。。。このマヒル社長って方はもう鬼籍って事だしね。。。それに、店を輝かせた超逸材の発掘に一役買ったりかなりマヒル社長にも寵愛されていたって話しだから。。。愛人一人寝取ったぐらいで。。。そんな大事な人材を殺害するかしら。」笑〜が愛人だの寝取っただの言うのでおぼこい茶目コは、「寝とるって笑〜。。。ちょっと、もう」
「現実バナシよ。茶目ちゃんは、少しぐらい男女のアレコレに興味を持たないと女優としてそれぐらいの方がさらに磨きがカカルわよー。」ヴィーナスがそう言う。
なんとなく会話が隣から聞こえて来るリリコとオーガストさんは思わず顔を見合わせて吹き出しそうになるのをこらえました。
確かに社会に出て一線で活躍している面々、笑〜茶目コ、ヴィーナスですが全員小学生だし。ガキンチョのする会話ではないし。ヴィーナスもヴィーナスで、全く体型は違うもののベルモと三つ子のきょうだいでありチワワのようなあどけない顔をして男女がどうのこうのだとか不釣り合いな話しをするので
可愛い
アホみたいな顔の人が、シリアスな話しをするのがあの顔でと笑のツボなんだけどーけど、ここは笑ってはいけない
オーガストさんは、隣からチラチラと聞こえてくる話に「ああ、笑〜さん達はどうもパッキンキンだのハリネズミだの髑髏の入れ墨だの、私が時々見かける男性の幽霊の生前の話をしているんですね。ホストだどうだって言ってるけど、私もやっぱりホストの幽霊だと思って、自分達はホストだと言うタクシーに乗車したリリコさんのお友達の駿栄さんと同僚の饗さんに思わず貴方達と同業者みたいな幽霊を見たって言ってしまったんです。やっぱりあの人は。。。殺害されたんでしょうかね。」
リリコも
「ウーン。。。自殺は絶対ないんじゃないの。あるわけないと思うわ。事故か事件でしょうね。見かけで判断して悪いけどとてもじゃないけど自殺できるタイプじゃない。というか、自殺なんて全く考えた事すらないでしょう。言っては悪いけどホストやってれば周り敵だらけでもおかしくないんじゃない。偏見かもしれないけど男からも女からも売れれば売れる程妬みや嫉みや怨みを買ってもおかしくないわよ。それだけじゃなくて。。。多分、子供の頃から相当横着してきたんじゃないかしら。なんか、さっきからヤーさんの組長の末っ子だの寵愛だのチラチラ聞こえてくるけどやり放題やってきたんじゃない。」
どうも、白骨死体の男性の身元は判明したようなもの。。。都王新聞社にも聞こえてきている。
残念ながら、プルメリア島の白骨死体について身元に関してはまだ報道協定が敷かれている。都王新聞社の親の手伝いをしているリリコとしては気になるところだけど。いろいろ笑〜に聞き出したいものの、都王新聞社としては報道規制や緘口令はキチンと守るべしだし。
「だけど可哀想ですよ。。。自分が死んでいるのはわかっていてこの世をさまよって。。。で、日々をプルメリア島で自分と同じや若い子達が今を生きていてキラキラ輝いているのを目の当たりに生活してるんだしね。確かにいろいろ悪い事をしてきた人だったかもしれないけど血の繋がった養子に出されたお兄さんがわざわざ東京から身元確認に来てたしね。私があのハリネズミの幽霊さんと話しても本人は生きているうちの記憶はないからって。。。思い出せないのが本人にとって幸せな事かもしれないですけどね。」
オーガストさんは悲しそうに言いました。
そして。。。木蓮寺では。。。
「なんだ、電話繋がらないのかよ。ピスタチオとかいう犬に。」吾朗太さんが言うので、ベルモは、「いやいや、ピスタチオはうちのヒヨコ組のベーグルの男の子の名前でいま電話してるのはホストのベーグルの駿栄さんでしょ。」「馬鹿か。ベーグルはパンだろ何度言ったらわかるんだ」「もう意味はなんとなく通じるからいいじゃない、駿栄さんは時間帯的にお仕事中よ。やっぱりLINEのトークに入れるわよ」
やっぱり電話をしてみようと駿栄に、生前の記憶ナシの吾朗太さんがなんとなく引っかかっているマヒルについてなんなのか、誰なのかを知りたい為に電話をしてみました。まぁ、ただいま仕事場で出ないでしょうけど。。。
と、思ったら。
「こんばんは、お久しぶりです。その節はありがとうございました。どうも、ベルモさん流星です。」なんと折り返し流星からすぐにLINEの電話がかかってきた。まぁ、LINEの電話は無料なのでこちらの用事で電話して折り返されても失礼にならないかと。
隣で吾朗太さんがジッと睨んでるのでベルモはスマホをスピーカーに切り替えて。。
「お久しぶりです。駿栄さん、あ、もしかして今お仕事中では。。。電話大丈夫なのかしら。」「それが、ちょうどいいタイミング今日リリコが木蓮寺に取材に行ったでしょ。昨日リリコが店に来て結構お金を落としてくれたんだけど。。。僕のお客様があれは誰よ気になるって。。ベルモさん、今から電話かわるからお客様に僕とリリコの関係を説明してくれない」どうも駿栄は太客に絡まれているらしい。確かに見知らぬ全くの見慣れない客の可愛らしいリリコがたくさんお金を落としたら駿栄の太客としてはヤキモキするだろう。ホストクラブでお金をたくさん使うのは別にお客さんの自由なんだけどね。
そこで、ある程度著名人で木蓮寺の僧侶として名高いベルモが駿栄とリリコは小さい頃からの故郷の幼なじみでありリリコはプルメリア島の取材でこちらに来ただけであり、幼なじみを代表して流星の安否確認がてら飲みに行き大手新聞社の令嬢である程度な大金を使うのは特になんでもない事というのを説明しました。
まぁ、木蓮寺の僧侶のベルモが嘘をついたり隠蔽やアリバイを工作したりやそういう事はやらないと、電話を代わった女性はすぐに納得したようです。
再び駿栄がまた電話を代わると、「それでなんでしたっけ、なんかありました」と言うので、「あの。。。こんな事言うとかなり頭がおかしいと思われても仕方ないんだけど。。。ちょっとうちに住んでる幽霊が。。。」
「あ、ああ、あ大丈夫。僕は霊感とかそういうのはないから幽霊について相談されてもなんの力にもなれないかもしれないけど、ただ別に幽霊がどうのこーのと言っても全然変な人だとは思わないし。」「そう。。。それは良かったわ。あの、その幽霊が、昼間に駿栄さんとお友達らしき男の子が喋っているのを見かけて同業者かもしれないって興味を持って。。」
「あー同業者幽霊こないだタクシーに乗った時もドライバーさんが派手な若い幽霊がいて僕らと同業者って言ってたけど、あ、リリコが今日木蓮寺に乗ってったドライバーさんだと思う。貸切にするって言ってたし。。。その人も言ってた僕らと同業者みたいな。。。派手なハリネズミの幽霊かな」
「そうそう、その幽霊よ。訳があってうちに住んでるのよ。その幽霊が生前記憶がないんだけど、駿栄さんとお友達がマヒルって言ったら、なんか、ビビビっときたっていうか、なんだか知ってる誰かかよくわかんないんだけど、マヒルってキーワードに強く反応してるのよ。」ベルモの言葉に、電話の向こうの流星こと駿栄は、「マヒルえた、確かに饗と一緒に朔夜社長からの電話でマヒル社長がって話ししてた。、え、やっぱりじゃ、幽霊ってホントにいるの」
というと、突然電話の向こうから、わっ、社長
駿栄は、
どうもテーブルでスマホで話しているのを社長に見つかったらしい。音量は低だけど、スピーカーにしてあるらしくあちらの様子が聞こえてくる。。
ベルモは、しまったそりゃ、怒られるわ相手の時間帯を考えて業務中すぐに電話を切って後からまたかけ直すべきだった。。ごめんなさいうわー夜の仕事の社長って言ったら暴走族あがりかなんかで怖いんじゃないだろうか
と、杞憂したものの
例の
太客女性が電話したのは有識者の木蓮寺の僧侶大福様ことベルモさんに誤解を解いて貰ったからとフォローが入ったのと、
だけどそれ以上に。。その社長という男性の声で、「マヒル、マヒルってマヒル社長が、って流星なんの話をしてるんだ」どうも話の流れ社長が流星のテーブルに来たらしいけど声は全く怒ってないようで。。。それどころか声はかなり驚いた感じで。。。
「あ、いや、その。。ベルモさんが木蓮寺にいるなんか派手なハリネズミの幽霊が記憶喪失でって。。。」駿栄は、ベルモから聞いた話しを簡単に説明しました。そして、確かに朔夜社長も昼間に駿栄に電話してマヒル社長の話しをチラッとしたし、そのマヒルという言葉を記憶喪失の幽霊が聞いてなんだか知ってるかもしれない。。。と。だからマヒル社長をなんにも知らないはずのベルモさんからいきなりそういう電話がかかってきて幽霊が普段全く僕が言わないマヒル社長という言葉を聞いていたというのだから、
やっぱり幽霊はいるのかもしれないと言い
幽霊の話なのでバカバカしい話しをわざわざ電話で仕事中にするなと朔夜社長から怒られるのを覚悟したものの。。。朔夜社長は、
「ハリネズミの幽霊だってハリネズミの、」朔夜社長が言うと「はい。饗とこないだ朝の掃除当番でタクシーで朝タクシーで帰ったんです、その時のドライバーさんが、ハリネズミの若い僕達とどうも同業者の幽霊を見たみたいな話しをしてて。。。その幽霊じゃないでしょうか。僕や饗は霊感もないので幽霊はみえないからわかりませんがとにかく派手だと。。。」駿栄が言うと「ちょっといい、これ、木蓮寺のあのたまにマスコミに出てくるあの黄色いおデブちゃんの、おデブちゃんに繋がってるんだろ」
朔夜社長はアチラもスピーカーと気づいてなく、あのとかアレとか、おデブちゃん、おデブちゃんと言う。。
「朔夜社長、木蓮寺の大福様、ベルモさんです、」駿栄が言う。
コノヤロウ
聞こえてるってベルモは今さらおデブだのなんだの言われても確かにだけどさーでもデブデブわざわざ繰り返されるのはいい気はしないわねムッとはしたものの、突然電話口から、
「あの、すみません、木蓮寺のベルモさんですよね、私は流星の職場の熱帯夜のオーナーの此花朔夜と申しますが、」とおデブおデブ言っていた声の社長が出た。
「はい。すみませんお仕事中にお電話致しまして。。」ベルモが言うと
「木蓮寺にいる派手なハリネズミの幽霊って。。。キンキンでドクロの入れ墨でしょう。。あの、、、パーフェクトサーズディで放送されたモンタージュの人。。。」「はい。。全くその通りです。」ベルモが返事をすると
「それ、私の昔働いていた歌舞伎町のホストですね、氷室終夜と言って、私が彼を知ってる時は16か7歳で彼は未成年者だったんですが、それで働いてた店のマヒル社長が未成年者を採用して逮捕されたんです。」
「あっ。。。マヒル、マヒル社長って。。。吾朗太さん、いえ、その氷室さんの働いてたお店のオーナーさんだったんですか」
「そうです。。。私が当時出入りしていたクラブでフラフラしてたんだけど。その時マヒル社長に声をかけられて拾って貰いました。歌舞伎町のストレチヤって店で。。マヒル社長がストレチアが好きなんで、当て字で極楽鳥花からとって極楽鳥夜で、ストレチヤって読んだんですが、で、その時にマヒル社長が可愛がっていた氷室終夜です。氷室がマヒル社長にいきつけのクラブに金になりそうな奴がいるからと私のスカウトを勧めたらしいし。。」
ベルモもスマホをスピーカーにしている。
そばで吾朗太さんには珍しく黙って聞き耳を立てていました。
「そこに。。。いるんですか、あの氷室が、、。私は最初はホストなんかなるって考えも及ばなかったんだけどストーカーみたいにシツコイマヒル社長にほだされてなんとなくホストになって。。。でも、今思えばあの時フラフラして結局はそのまま反社の東京邪神軍にでも入って今頃ヤクザかヤクザにもなれなかったかもしれない。。マヒル社長に私のスカウトをけしかけたのは氷室です。金になるからって理由かもしれないとは言っても。。。でも、マヒル社長も氷室も恩人です。。。」
吾朗太は、此花朔夜に目を付けて単に金儲けになると睨みオーナーのマヒルにスカウトをけしかけたという。大きく化けるし即戦力になると。
吾朗太は顔が可愛く昔から甘やかされてきた為か、惚れてきた女にはコキ使って金をむしり取り厳しいけど、男兄弟で育って、父親や父親の組の若い衆や
三太夫や四朗の兄達に可愛がられてきたし
顔が良いとか、頭がキレるとか、不細工でも優しいとか、なにかキラリと光るものがある男に対してかなり鷹揚で余裕があるところがある。嫉妬するどころか、奴らをこっちに引き入れて金にしろという考えなのだ。
そういう金になりそうな男に目をつけてオーナーにスカウトさせてホストとして戦力にするのだ。すると、オーナーのマヒルはますます吾朗太を可愛がる
吾朗太だって、自分の働いている店は切磋琢磨して凌ぎを削る突き抜けた逸材のイケてる男たちでないと。
「ホスト飲み屋。。」吾朗太は納得したようなしていないような。。。その表情からはどうにも読み取れない。。。
なんとも。。。
どうにも。。
2021年08月12日
2021年08月03日
マリッジcelebration281とメドなくトドメとばかりに。。。
「そのへんにしといたら。2人も反省してることだし。。。」
ベルモが妹分の
チワワのミーナとココナの
お尻を叩いて叱っていると木蓮和尚がやってきて、またまたミーナとココナをかばうかばう。。。
ヴヴヴヴヴヴううう。。。もぉしませーん。。。
もぉしませーん2人のもうしません、何度聞いた事だろう。。。そして約束は破られてる。。。木蓮和尚がやってきてチワワのミーナやココナをかばい助け出すのも。。。コテコテのパターンで
木蓮和尚は、今から蕎麦打ちがあるから、と、叱られているミーナとココナをベルモの元から連れ出しました。コッテリ絞ろうと思っても、だいたいは爺婆、誰かがミーナやココナをかばって叱られ途中に連れ去っていく。
木蓮和尚は、蕎麦打ちやうどん打ちのお手伝いにミーナやココナを連れ去るし紫子夫人は、近所のドラッグストアへ行くからとかお散歩とか。濃紫婆さんは、もうおやすみなさいの時間だとか、庭をお散歩しましょうとか、チワワ達がベルモに叱られているのを見るとかわいそうになってきてなんだかんだで無理矢理にでも
理由をつけてはその場からチワワを連れ出す。。。
そっと、天から助けの蜘蛛の糸を垂らす人々ばかりなのだ。爺ばあは、可愛い子だからこそ、時には本気で叱ることも大事だと頭ではわかっているものの。。。
行動が伴わないのだ。。。ハァご縁があって、2年前に赤ちゃんの時に木蓮寺の境内で早朝捨てられていた2人のチワワのミーナとココナ。。。2人とも、若い母親がお金が欲しくて繁殖業者に女の子だから高く売れると売ったらしい。繁殖業者の仲間のマトモな人の一人が可哀想になって置き手紙とともにミーナとココナを早朝、小坊主達が稼働する前に境内に置き去りにしていきました。捨て子と言えばお寺というか、木蓮寺幼稚園もあるし、国宝クラスの由緒あるお寺が赤ちゃんを悪いようにはしないだろうと。。。
あの時は、2歳だった掃除当番のベルモが発見してミーナは、3月7日生まれココナは9月7日産まれで産まれたばかりの、姉妹ではない2人の親に売られた可哀想なチワワ。。。あのままうちに、森沢家に引き取られる事になった。ベルモで里親解禁になったのであと二、三人身寄りの無い里子を迎えようかという話しがちょうど持ち上がっていたタイミングだったのだ。
木蓮寺には、住み込みの小坊主達がいるので森沢家は、わざわざ里子を迎える事はありませんでした。裕福な森沢家で小さい子が育てられるのを目の当たりにするのは親から修行に出された小坊主さん達が可哀想だからという理由で。
だけど、福の神の街神楽町市やプルメリア島は、裕福な余裕がある家庭は出来るだけ身寄りない子どもの里親になって欲しいと福の神が推奨していたのです。偶然にも木蓮寺にベルモがやってきた事で今一度、里親について見直そうという運びになったのですが。。。
チワワの女の子達ねぇ。
ミーナやココナが来るまでは、
ベルモは、小型犬や仔猫の女の子を里親候補から外すように提案していたんです。
だって、どう考えても紫子夫人や濃紫婆さんが確実に甘やかすでしょうフリフリの変な服を買って連れ回したり。。。きちんと叱ることもできないでしょうし。絶対だめあの頃は、木蓮寺幼稚園新任副担任で木蓮幼稚園の生徒に小型犬の園児はたくさんいて、可愛いけれども。。。森沢家の子どもにするなら、話しは別ですから森沢家の嫁姑がデレデレ甘やかす小型犬なんか絶対反対
だったんだけどねー、絶対ダメダメ、なんて言ってると引き寄せられるが如くだし。。。木蓮寺の境内に捨てられたという事でこれもご縁という事で。。。
ベルモだって。。。海に捨てられていたとは言え、ベルモの場合は悪い女。。サイコパスみたいな女が母親の葉月に三つ子のうちベルモとミリオンは死んでいるからと嘘をついてお弔いしますと騙して流されたのでそれはそれで恐ろしいけど、親が金欲しさに娘を売り飛ばすようなチワワ達よりはそれでも随分とマシなのだ
自分がサイコパス女に騙されて死にかけたそれよりも、ミーナとココナの母親が遊び金欲しさに赤ちゃんを産んで女の子だから高く売り飛ばすという方がベルモはどうにも恐ろしくて卒倒してしまったし。
時々、ベルモはミーナとココナのイタズラに手を焼いて「あんた達なんか、うちの子じゃない元あったところに捨ててくる」とブチ切れるけどそうすると、木蓮和尚にベルモが叱られる「だって。。。元あったところにってたかが境内じゃない。」とベルモが言うのだけど。「そういう言い方はないじゃろに。」木蓮和尚はたしなめると、「だって、昔の人は、あんたなんかうちの子じゃない橋の下で拾ってきた子だから橋の下に捨てに行くみたいに子どもが手に負えないと叱るでしょう。」ベルモが言い訳すると。。。「あの子達は本人が気づかないかもしれないけど、故意に親に捨てられたんじゃよ。それに比べてベルモは酷い目にあったとは言え、悪い奴が悪いんだし親は被害者だし、そういうセリフは、自分が産んで育てたからって子どもに対して余裕があるから怒って言えるのであって。。。本当に親が手放した子に対してそういう捨てるだなんだのって冗談でもそんな話をあの子達に決して出すでないよ。」
結局は、木蓮和尚もチワワ達には甘いのだ確かにそりゃあ可哀想なんだけどさー
今夜は小坊主さん達も伴って木蓮和尚が蕎麦打ちをするのだろう。木蓮寺では、もともと木蓮和尚が大の料理好きだし、檀家さんや近所からの
寄付や贈答がひっきりなしたくさんあるので、
食べ物や命をいただきます事の感謝を含めて
料理修行をしたり、蕎麦打ちやうどん打ちもしたりやで。。。木蓮幼稚園でも、保護者と園児で料理教室や時々蕎麦打ちやうどん打ちを木蓮和尚が行ったり開催しています。ベルモの妹分の
ミーナやココナは、蕎麦打ちやうどん打ちのお手伝いを自らやりたがりよくしていました。
叱っていたミーナやココナは、救世主な木蓮和尚に連れ出されて濃紫婆さんは母屋にいるしで、離れでベルモはひとりきり。あー、そろそろ。。。
そろそろ、パッキンキンの吾朗太さんが帰ってくる。。。な。。。と思ったらイヤな視線を感じる。。。振り返ると
窓の外に、吾朗太さんが映っていた。。。チワワ達を叱る事に夢中になってベルモは吾朗太さんには気づかずに。。。
うわぁ暫く一部始終を見られていたんだ
木蓮和尚は、吾朗太さんの気配に気づく時も気づかない時もあるぐらいの霊感で、吾朗太さんに気づかなかったか、あるいはチワワのミーナやココナが怖がるのであえて木蓮寺に住んでいてあたりまえなぐらいの居候幽霊だし
気配を感じようが
わざわざ話題に出さなかったのかも。。。
でも、。。。
ベルモは
なんだか。。ギクっとした。。特別やましいことなんかないって言うのに。。。
あっそうそう。。。吾朗太さんは、どうもベーグルの。。。いやいやビーグルの駿栄さんを見かけてマヒルって言葉になんらかの反応をしめしたんだっけ
駿栄さんの名刺があるから、後から電話かLINE入れようとしたらヴィーナスから電話があったからその話しすっかり飛んじゃってた。。
マヒル。。。人の名前かお店の名前なんだろうか、それをキーワードにしマスターキーのように連鎖的に吾朗太さんの記憶が蘇るのか。。
それはわからないけど、なんだか大事なキーワードかも、マヒル。。。
「おいっ。。。」吾朗太さんに話しかけられて。。。「あ、あー、ごめんなさい、ちょっときょうだいから電話が入ったから、駿栄さんに連絡してないけど、これからしてみるからね。」
「おまえ。。。なかなか苦労してんな。。朝から晩までアタオカの世話して。。。」ハァ。。。。。
「アレでも。。。可愛い妹達だし。。。幼稚園は幼稚園で大事な生徒たちだし。。。小さいからおかしくても仕方ないわよ。苦労ってわけじゃないわよ。ちょっと名刺を調べて、確か駿栄さんの名刺にLINEや連絡先が。。。」ベルモはテキトーに吾朗太さんを流します。ベルモの生徒たちに、手のかかりそうな小型犬が集中しているのをアタオカ達と吾朗太さんはからかうし。どうも、吾朗太さんは小型犬を馬鹿だと思ってる
少し会っただけで暫く会っていないホストクラブ熱帯夜の駿栄さんにいきなり電話するのも気が引けるのでベルモはLINEを入れてみました。
お久しぶりです。木蓮寺の森沢ベルモです。からはじまって。。。でも。。。
うちに住み着いてる記憶喪失の若いハリネズミの幽霊があなたを見かけて貴方がマヒルと言っているのを聞いて幽霊がなにか深く反応する事があったようですが、盗み聞きしたようですみません。。。みたいにLINEの文章を書いてみようとしたものの。。。
幽霊がとか、記憶喪失のとか完全に頭がおかしいと思われる
まぁ、駿栄さんは、一度会った時には駿栄さんの先祖の守護霊がという話しを真面目に聞いてくれたから、幽霊の話をしても別に大丈夫だとは思いますが。。。
やっぱり、電話にしよう。いきなりだけど。。。ベルモは、頭のおかしい人扱い覚悟して駿栄さんに電話してみました。。。
変なことを言って頭がおかしいと思われ電話を
切られたら切られたで、。。駿栄さんの幼なじみの東京に帰省している純ちゃんに連絡してみればいい。。。だけど。。。駿栄さんは話を聞かずに電話を切るタイプじゃない。。。
東京都、渋谷区松濤。。。。
「えっ」青山奏の次女の青山ミーシャは、神楽町市から東京に帰省している隣の家の幼なじみの純を自宅に呼んで話し込んでいました。
一階のキッチンからは
隣の家の純の祖母の喜美が青山家のハウスキーパーのパートで作っているビーフシチューの香りが漂ってきます。喜美は働かなくても余裕がある暮らしなものの家事が得意で昔からミーシャ達姉弟の世話や青山家で家政婦をしています。
ミーシャが、行方不明だった祖父、青山オーガスト氏の話をしていましが、
話の流れで。。。純が最近わかった事で実は母親環と父親邦彦の特別養子縁組をして実子ではあるものの。。。本当は環の義母妹の緋夏という叔母の娘であり喜美の実の孫である事を打ち明けました。
えっ
ミーシャはまさかと驚くよりほかならないけどどおりで純は喜美さんに似ているんだけど環さんには全然違うタイプだし。。。その話しを親友にする為にも東京へ帰省したと。。。
ただ。。。実の母親である緋夏さんという喜美さんの娘さんは若い頃から家出したらしいとミーシャも話しには聞いたことがある程度でした。純ちゃんは、「もう、産んだ人の事は産んでくれた事だけには感謝して後は忘れる事にしたのよ。反社会って言うのか、チンピラって言うのかとにかく酷い男性と一緒だったみたいで。その男性から逃げるぐらいに。。。新しい男性を見つけて暫くかぶっていたみたいで。。
でも、その男性って言うのもね。。。初めてできた彼氏のお父さんで、それで慌ててお母さんが私の出生を打ち明けて。。。」
そう。。。なにもなかったんだけど、付き合ってた喫茶店南風のマスターは俊さんの最初の結婚でできた息子。。。
本来なら、付き合いが深まれば東京に遊びに連れてきて親友のミーシャに彼氏を紹介するつもりだった。。。
「えっ」
ミーシャは驚くよりほかならないばかり。。父親の奏もそうなんだけど。。。人というのは事実は小説よりもイロイロあるんだと。純ちゃんは、父親がどちらかわからないんだと。。。
ああ。。。でも、純が。。。まさか反社会のチンピラの娘なんてあり得ないわ。幾らなんでも想像つかない。娘は父親に似るという。。。そんな
私より穏やかでおっとりの純が。。ミーシャは、純ちゃんが以前に送ってきた彼氏だった人の写メを思い出しました。神楽町市の喫茶店南風のマスター
あの人と。。。兄妹。。ってか、異母兄妹メロドラマか韓流ドラマにでもなりそうだけど。。でも。。。
当の本人である純ちゃんは、既にふっきってる。。。彼氏と別れた事は連絡で知っていたけど。。。その割にはあまりショックを受けてはないようで。。。良かったなんて言ってはいけないかもしれないけど。。。
ミーシャ自身の行方不明の祖父の話しが。。。
いつのまにか、思いもよらない純の出自の話しになって。
だけど。。お父さんや叔父さんが祖父のオーガストさんを訪ねてプルメリア島へ行くなら。。。私も行こう。。今あちらにいる幼なじみのリリコから、オーガストさんのプレゼンスタクシーを貸し切りにして取材してるし。。
私がオーガストさんの様子を伺うから、という連絡がちょこちょこ来るけどおおむねいい感じの印象しか来ない。。。
まぁ。。。大切なお客様商売の人であるからそれもあるかもしれないんだけど。。。
ベルモが妹分の
チワワのミーナとココナの
お尻を叩いて叱っていると木蓮和尚がやってきて、またまたミーナとココナをかばうかばう。。。
ヴヴヴヴヴヴううう。。。もぉしませーん。。。
もぉしませーん2人のもうしません、何度聞いた事だろう。。。そして約束は破られてる。。。木蓮和尚がやってきてチワワのミーナやココナをかばい助け出すのも。。。コテコテのパターンで
木蓮和尚は、今から蕎麦打ちがあるから、と、叱られているミーナとココナをベルモの元から連れ出しました。コッテリ絞ろうと思っても、だいたいは爺婆、誰かがミーナやココナをかばって叱られ途中に連れ去っていく。
木蓮和尚は、蕎麦打ちやうどん打ちのお手伝いにミーナやココナを連れ去るし紫子夫人は、近所のドラッグストアへ行くからとかお散歩とか。濃紫婆さんは、もうおやすみなさいの時間だとか、庭をお散歩しましょうとか、チワワ達がベルモに叱られているのを見るとかわいそうになってきてなんだかんだで無理矢理にでも
理由をつけてはその場からチワワを連れ出す。。。
そっと、天から助けの蜘蛛の糸を垂らす人々ばかりなのだ。爺ばあは、可愛い子だからこそ、時には本気で叱ることも大事だと頭ではわかっているものの。。。
行動が伴わないのだ。。。ハァご縁があって、2年前に赤ちゃんの時に木蓮寺の境内で早朝捨てられていた2人のチワワのミーナとココナ。。。2人とも、若い母親がお金が欲しくて繁殖業者に女の子だから高く売れると売ったらしい。繁殖業者の仲間のマトモな人の一人が可哀想になって置き手紙とともにミーナとココナを早朝、小坊主達が稼働する前に境内に置き去りにしていきました。捨て子と言えばお寺というか、木蓮寺幼稚園もあるし、国宝クラスの由緒あるお寺が赤ちゃんを悪いようにはしないだろうと。。。
あの時は、2歳だった掃除当番のベルモが発見してミーナは、3月7日生まれココナは9月7日産まれで産まれたばかりの、姉妹ではない2人の親に売られた可哀想なチワワ。。。あのままうちに、森沢家に引き取られる事になった。ベルモで里親解禁になったのであと二、三人身寄りの無い里子を迎えようかという話しがちょうど持ち上がっていたタイミングだったのだ。
木蓮寺には、住み込みの小坊主達がいるので森沢家は、わざわざ里子を迎える事はありませんでした。裕福な森沢家で小さい子が育てられるのを目の当たりにするのは親から修行に出された小坊主さん達が可哀想だからという理由で。
だけど、福の神の街神楽町市やプルメリア島は、裕福な余裕がある家庭は出来るだけ身寄りない子どもの里親になって欲しいと福の神が推奨していたのです。偶然にも木蓮寺にベルモがやってきた事で今一度、里親について見直そうという運びになったのですが。。。
チワワの女の子達ねぇ。
ミーナやココナが来るまでは、
ベルモは、小型犬や仔猫の女の子を里親候補から外すように提案していたんです。
だって、どう考えても紫子夫人や濃紫婆さんが確実に甘やかすでしょうフリフリの変な服を買って連れ回したり。。。きちんと叱ることもできないでしょうし。絶対だめあの頃は、木蓮寺幼稚園新任副担任で木蓮幼稚園の生徒に小型犬の園児はたくさんいて、可愛いけれども。。。森沢家の子どもにするなら、話しは別ですから森沢家の嫁姑がデレデレ甘やかす小型犬なんか絶対反対
だったんだけどねー、絶対ダメダメ、なんて言ってると引き寄せられるが如くだし。。。木蓮寺の境内に捨てられたという事でこれもご縁という事で。。。
ベルモだって。。。海に捨てられていたとは言え、ベルモの場合は悪い女。。サイコパスみたいな女が母親の葉月に三つ子のうちベルモとミリオンは死んでいるからと嘘をついてお弔いしますと騙して流されたのでそれはそれで恐ろしいけど、親が金欲しさに娘を売り飛ばすようなチワワ達よりはそれでも随分とマシなのだ
自分がサイコパス女に騙されて死にかけたそれよりも、ミーナとココナの母親が遊び金欲しさに赤ちゃんを産んで女の子だから高く売り飛ばすという方がベルモはどうにも恐ろしくて卒倒してしまったし。
時々、ベルモはミーナとココナのイタズラに手を焼いて「あんた達なんか、うちの子じゃない元あったところに捨ててくる」とブチ切れるけどそうすると、木蓮和尚にベルモが叱られる「だって。。。元あったところにってたかが境内じゃない。」とベルモが言うのだけど。「そういう言い方はないじゃろに。」木蓮和尚はたしなめると、「だって、昔の人は、あんたなんかうちの子じゃない橋の下で拾ってきた子だから橋の下に捨てに行くみたいに子どもが手に負えないと叱るでしょう。」ベルモが言い訳すると。。。「あの子達は本人が気づかないかもしれないけど、故意に親に捨てられたんじゃよ。それに比べてベルモは酷い目にあったとは言え、悪い奴が悪いんだし親は被害者だし、そういうセリフは、自分が産んで育てたからって子どもに対して余裕があるから怒って言えるのであって。。。本当に親が手放した子に対してそういう捨てるだなんだのって冗談でもそんな話をあの子達に決して出すでないよ。」
結局は、木蓮和尚もチワワ達には甘いのだ確かにそりゃあ可哀想なんだけどさー
今夜は小坊主さん達も伴って木蓮和尚が蕎麦打ちをするのだろう。木蓮寺では、もともと木蓮和尚が大の料理好きだし、檀家さんや近所からの
寄付や贈答がひっきりなしたくさんあるので、
食べ物や命をいただきます事の感謝を含めて
料理修行をしたり、蕎麦打ちやうどん打ちもしたりやで。。。木蓮幼稚園でも、保護者と園児で料理教室や時々蕎麦打ちやうどん打ちを木蓮和尚が行ったり開催しています。ベルモの妹分の
ミーナやココナは、蕎麦打ちやうどん打ちのお手伝いを自らやりたがりよくしていました。
叱っていたミーナやココナは、救世主な木蓮和尚に連れ出されて濃紫婆さんは母屋にいるしで、離れでベルモはひとりきり。あー、そろそろ。。。
そろそろ、パッキンキンの吾朗太さんが帰ってくる。。。な。。。と思ったらイヤな視線を感じる。。。振り返ると
窓の外に、吾朗太さんが映っていた。。。チワワ達を叱る事に夢中になってベルモは吾朗太さんには気づかずに。。。
うわぁ暫く一部始終を見られていたんだ
木蓮和尚は、吾朗太さんの気配に気づく時も気づかない時もあるぐらいの霊感で、吾朗太さんに気づかなかったか、あるいはチワワのミーナやココナが怖がるのであえて木蓮寺に住んでいてあたりまえなぐらいの居候幽霊だし
気配を感じようが
わざわざ話題に出さなかったのかも。。。
でも、。。。
ベルモは
なんだか。。ギクっとした。。特別やましいことなんかないって言うのに。。。
あっそうそう。。。吾朗太さんは、どうもベーグルの。。。いやいやビーグルの駿栄さんを見かけてマヒルって言葉になんらかの反応をしめしたんだっけ
駿栄さんの名刺があるから、後から電話かLINE入れようとしたらヴィーナスから電話があったからその話しすっかり飛んじゃってた。。
マヒル。。。人の名前かお店の名前なんだろうか、それをキーワードにしマスターキーのように連鎖的に吾朗太さんの記憶が蘇るのか。。
それはわからないけど、なんだか大事なキーワードかも、マヒル。。。
「おいっ。。。」吾朗太さんに話しかけられて。。。「あ、あー、ごめんなさい、ちょっときょうだいから電話が入ったから、駿栄さんに連絡してないけど、これからしてみるからね。」
「おまえ。。。なかなか苦労してんな。。朝から晩までアタオカの世話して。。。」ハァ。。。。。
「アレでも。。。可愛い妹達だし。。。幼稚園は幼稚園で大事な生徒たちだし。。。小さいからおかしくても仕方ないわよ。苦労ってわけじゃないわよ。ちょっと名刺を調べて、確か駿栄さんの名刺にLINEや連絡先が。。。」ベルモはテキトーに吾朗太さんを流します。ベルモの生徒たちに、手のかかりそうな小型犬が集中しているのをアタオカ達と吾朗太さんはからかうし。どうも、吾朗太さんは小型犬を馬鹿だと思ってる
少し会っただけで暫く会っていないホストクラブ熱帯夜の駿栄さんにいきなり電話するのも気が引けるのでベルモはLINEを入れてみました。
お久しぶりです。木蓮寺の森沢ベルモです。からはじまって。。。でも。。。
うちに住み着いてる記憶喪失の若いハリネズミの幽霊があなたを見かけて貴方がマヒルと言っているのを聞いて幽霊がなにか深く反応する事があったようですが、盗み聞きしたようですみません。。。みたいにLINEの文章を書いてみようとしたものの。。。
幽霊がとか、記憶喪失のとか完全に頭がおかしいと思われる
まぁ、駿栄さんは、一度会った時には駿栄さんの先祖の守護霊がという話しを真面目に聞いてくれたから、幽霊の話をしても別に大丈夫だとは思いますが。。。
やっぱり、電話にしよう。いきなりだけど。。。ベルモは、頭のおかしい人扱い覚悟して駿栄さんに電話してみました。。。
変なことを言って頭がおかしいと思われ電話を
切られたら切られたで、。。駿栄さんの幼なじみの東京に帰省している純ちゃんに連絡してみればいい。。。だけど。。。駿栄さんは話を聞かずに電話を切るタイプじゃない。。。
東京都、渋谷区松濤。。。。
「えっ」青山奏の次女の青山ミーシャは、神楽町市から東京に帰省している隣の家の幼なじみの純を自宅に呼んで話し込んでいました。
一階のキッチンからは
隣の家の純の祖母の喜美が青山家のハウスキーパーのパートで作っているビーフシチューの香りが漂ってきます。喜美は働かなくても余裕がある暮らしなものの家事が得意で昔からミーシャ達姉弟の世話や青山家で家政婦をしています。
ミーシャが、行方不明だった祖父、青山オーガスト氏の話をしていましが、
話の流れで。。。純が最近わかった事で実は母親環と父親邦彦の特別養子縁組をして実子ではあるものの。。。本当は環の義母妹の緋夏という叔母の娘であり喜美の実の孫である事を打ち明けました。
えっ
ミーシャはまさかと驚くよりほかならないけどどおりで純は喜美さんに似ているんだけど環さんには全然違うタイプだし。。。その話しを親友にする為にも東京へ帰省したと。。。
ただ。。。実の母親である緋夏さんという喜美さんの娘さんは若い頃から家出したらしいとミーシャも話しには聞いたことがある程度でした。純ちゃんは、「もう、産んだ人の事は産んでくれた事だけには感謝して後は忘れる事にしたのよ。反社会って言うのか、チンピラって言うのかとにかく酷い男性と一緒だったみたいで。その男性から逃げるぐらいに。。。新しい男性を見つけて暫くかぶっていたみたいで。。
でも、その男性って言うのもね。。。初めてできた彼氏のお父さんで、それで慌ててお母さんが私の出生を打ち明けて。。。」
そう。。。なにもなかったんだけど、付き合ってた喫茶店南風のマスターは俊さんの最初の結婚でできた息子。。。
本来なら、付き合いが深まれば東京に遊びに連れてきて親友のミーシャに彼氏を紹介するつもりだった。。。
「えっ」
ミーシャは驚くよりほかならないばかり。。父親の奏もそうなんだけど。。。人というのは事実は小説よりもイロイロあるんだと。純ちゃんは、父親がどちらかわからないんだと。。。
ああ。。。でも、純が。。。まさか反社会のチンピラの娘なんてあり得ないわ。幾らなんでも想像つかない。娘は父親に似るという。。。そんな
私より穏やかでおっとりの純が。。ミーシャは、純ちゃんが以前に送ってきた彼氏だった人の写メを思い出しました。神楽町市の喫茶店南風のマスター
あの人と。。。兄妹。。ってか、異母兄妹メロドラマか韓流ドラマにでもなりそうだけど。。でも。。。
当の本人である純ちゃんは、既にふっきってる。。。彼氏と別れた事は連絡で知っていたけど。。。その割にはあまりショックを受けてはないようで。。。良かったなんて言ってはいけないかもしれないけど。。。
ミーシャ自身の行方不明の祖父の話しが。。。
いつのまにか、思いもよらない純の出自の話しになって。
だけど。。お父さんや叔父さんが祖父のオーガストさんを訪ねてプルメリア島へ行くなら。。。私も行こう。。今あちらにいる幼なじみのリリコから、オーガストさんのプレゼンスタクシーを貸し切りにして取材してるし。。
私がオーガストさんの様子を伺うから、という連絡がちょこちょこ来るけどおおむねいい感じの印象しか来ない。。。
まぁ。。。大切なお客様商売の人であるからそれもあるかもしれないんだけど。。。
2021年07月17日
マリッジcelebration280ただ、死んだ様に眠りたい。。。
再び、現在では。。。
「あ。。。あの。。わ、私はそういうの。。。苦手なんですっ、TVに出るなんて。。。」
青の洞窟を眺める高級フレンチレストラン
青の洞窟のほとりでたまたま、オーガストさんの顔見知りの福の神笑〜や、女優の茶目コ、美術家のヴィーナスと隣の席になり、
人気番組パーフェクト・サーズディのプロデューサーがオーガストさんを見て
あの人、年齢は親子ぐらい違うけどあの青山奏氏にそっくりじゃありませんそっくりさんに出て貰ったらみたいな事を言う。。。
それを聞いたオーガストさんはギクっとしてお断りする、笑〜達の話からオーガストさんがプレゼンスタクシー勤務と知りますますプロデューサーは、「貴方の会社や仕事の宣伝にもなるし。」とさらにふっかけるのだけど、
ところが、茶目コは、プロデューサーにコソッと「あの。。。本当のところはよくわからないけどあの青山奏さんのお父さんって。。。青山兄弟が子どもの頃に子どもを置いていなくなったってエピソードが有名でしょ。。。年代的にオーガストさんを、青山奏社長のお父さんだと勘違いする人達も出てくるんじゃない。。。」
そう、世間では青山奏の父親は子どもを置いて行方不明になった自己中な奴で、年齢的に青山奏にオーガストさんが父親だと勘違いされ、
プレゼンスタクシーやオーガストさんの
宣伝どころか、イメージダウンになりかねないのだ
「あっ。。。そうか。。」プロデューサーは焦り
笑〜が、はっとして、お店のスタッフを呼びお店の菓子折りを用意して貰って
リリコやオーガストさんの方を向いて頭を下げて「雰囲気に水を差して申し訳ありませんでした。。。」お店のスタッフが笑〜に言われて青の洞窟のほとりの菓子折りを二人に手渡しました。
福の神笑〜は、オーガストさんを見てなにか思うところありでこれ以上、オーガストさんが青山奏そっくりだという話しを進めたらまずい気分壊したかもとなんらかを察したのでしょう。プルメリア島で何度かオーガストさんのハイヤーに乗って話した事もあるけれど。。。まぁ、確かオーガストさんはあまりお酒が飲めず、すぐ赤くなるし、甘いものが大好きだけどでも、ウィスキーボンボンやアルコール入りのチョコレートさえフラフラするアルコールが美味しいと思えないしそれに、車の運転が好きだから、こっちに来てプレゼンスタクシーに入ったみたいな事を言っていて、コソッとスタッフにリリコ達のコースを聞いてスイーツが入っていたのでリリコも甘いものは大丈夫だと察してすぐに菓子折りを用意して貰いました。
おふたりに非礼の
お詫びに飲み物を一杯づつ、だとリリコはアルコールでいいけどオーガストさんはごちそうしてもミネラルウォーターになるし。
スイーツだと、デザートもコースにあるし。それに細い二人は、コースでもうオナカイッパイになるかもしれないし。それなら、お詫びにお土産で。、、
「あ。。。あのそんな、お気遣いなく。。」リリコもオーガストさんも恐縮したものの、笑〜は、「い、いえこっちがでしゃばったお話しをしてお邪魔してしまって。。心苦しい限りです。どうぞ、納めください。」すると、ヴィーナスも、はっとなにかに気付いて、「どうぞ、ごゆっくり失礼致しました」と頭を下げました。
こっちの話し。。。というか、それからは、笑〜達のテーブルは、再び仕事の話に戻ったようです。もうあちらのテーブルは仕事の話に夢中なので、オーガストさんは、ホッとした様な顔をしましたが、あまり気にしていない様で、「得しちゃいましたねー」と笑っただけでしたが、リリコは、
笑〜さん。。。まるで地雷を踏んじゃったみたいな顔で慌てて。。。オーガストさんの事。。。有名人、青山奏の父親って気づいたんだろうか。わざわざ菓子折りまで用意するって。。
さて。。。時同じくして木蓮寺。。
「嘘をつくな」敷地内の木蓮幼稚園から離れに帰ってきたベルモの妹分のチワワのミーナとココナは、ベルモに問い詰められて住まいの離れの冷蔵庫のヨーグルトを勝手に食べた言い訳をしはじめましたが、
「ウンコが。。。ウンコが出ない」「ウンチが出ないから。。ヨーグルトを食べれば大丈夫だと思っただけ」二人はモゴモゴ想定通りのウンチが出ないからヨーグルトが薬みたいな言い訳をしはじめましたが
「これはなんなのよあんた達」
それは、木蓮幼稚園に配られた幼児の教育サンプルの雑誌すくすくチルドレンで生活や躾、各種勉強などなど日々日替わりで課題が出ているまるで夏休みの日誌の様な物で、
企業から複数サンプルを配られて、ミーナとココナにも与えたのですが、
ほら、やっぱり今月号、計算問題のある日は二人とも白紙。。。字の練習の日は途中でやめたり日記を書く日は、ねーたんのジュスをかってにのみました。だいえととをてつだいます。
と冷蔵庫泥棒した自爆文が書かれていたり。さすがに勉強嫌いなふたり。別に毎日の課題を強制しているわけじゃないんだけど
歯抜けというか、おそらく二人とも、夏休みの日誌は好きなページや簡単なページだけやってあとは白紙で知ったこっちゃないわかりませんも、そういう回答なんだし。
それより調べたらカンニングだし、と開き直るタイプなんだろう。
それが、後ろのページのトイレトレーニングで、
ウンコの出た日、快便花丸、普通まる、少し出た三角、お腹を壊した四角、出ないバツと。。、、そのページだけは2人とも馬鹿正直に真面目に記録を几帳面に毎日毎日付けているのだベルは、寝る前に、2人ともキャーキャーいいながら記録しているのを何度も見ているので。。2人が便秘でない事なんてお見通しだし。
ふたりともに。
花丸や丸、せいぜい三角が並ぶトイレトレーニングのページ。。。
なにがウンコが出ないだ大概にしろいウンコの記録だけ毎日毎日真面目に馬鹿正直に。。。確かに子どもはウンコの話が大好きだし、木蓮寺僧侶兼幼稚園教論のベルモの副担任クラスのヒヨコ組の生徒達も、粘土など自由課題を与えると必ずウンコを作る生徒が何人かいます。。確かに自由課題だからねぇ。
木蓮寺に住み着く霊体の吾朗太さんからは、ひよこ組の園児の悪口でしょっちゅうからかわれデブは、手に負えない系の掃き溜めのアタオカの頭のおかしい奴らをていよく幼稚園から押し付けられたんじゃねーのとバカにされ
心配になって他のクラスの先生たちに相談しても
自由課題なので、ウンチのオブジェを作る園児はうちにのクラスにも一定数いるのでラブリーウンチ、園児なんてそんなもんですよむしろ、ウンチでもなんでも一生懸命作ったことを褒めてあげてくださいとアドバイスされ。。。まぁ、なんだかそんなものか、子どもはウンチが大好きなんだと。。。
でも、ミーナやココナは、いつまでもいつまでも。。。
なぜ、確実にバレる嘘をつくんだその度に、ベルモは2人のお尻を警策でペンペンするその度に2人は泣きながらもうしませ〜んとごめんなさいしても、しばらくするとまたイタズラをし。
イタチごっこのトカゲのしっぽ切りだし
ウチの森沢家ときたら
木蓮和尚や、濃紫婆さん、紫子夫人
爺ばあはそろって誰もがチワワ達には甘いし叱らない教育をしているわけじゃ無いし、爺ばあキチンと躾はしているけど
本気ではチワワ達には怒らないんだよねだからさ。。。あたしが目を光らせてお尻を叩く程度には
私が鬼役になるしかないじゃないのベルモは妹分の憎まれ役を買って出ます
それはさておき冷蔵庫の中の名前が書いてあるものは食べるなと口をすっぱくして躾けてるのに
それに。。。ね。ベルモに珍しく、虫のいどころ悪くイライラするのは先程かかってきた三つ子のきょうだいの美術家のヴィーナスとの電話でほんとに珍しく口論になりちょっと
そこまで言う事ないじゃないという様な事まで言われて
そりゃデブだのぶーちゃんだの、そういう事を言われてもなんとも思わないアタシハ本当にデブだし。宗教だの洗脳だのそういう事をからかわれたり言われても、うちは見ての通りのお寺で私は僧侶で宗教には間違いないし。
喧嘩になって、そういう事を言われても平気だけどさ。。。
だけどさ、口論のあげく、電話の向こうからヴィーナスが「なによっアンタみたいな結婚もしませんからって言ってる奴に限ってクズオに騙されてけつのけまで抜かれてボロボロになってコロッと騙されて借金まみれよって」そういうふうにキレだしたのだ
コノヤロウだからアタシは結婚なんぞ絶対しないと言うてるに例え親に泣かれわめかれようともさ。ソッチに話しを持っていくな
ベルモは、恋愛や結婚なんて興味もないしメンドクサ冗談じゃないって言ってるのに勝手にそういう話しをされるのがマジでムカつく
なんでそんなあさっての方向へ話が飛ぶのよー
そして。。。
さらにまた、再び。。。遠く離れた東京。。。
京都落ちして。。。東京を捨てたはずなのに。。。なんでまた戻ってきたんだろう。
東京には顔向けできない。。環姉さんや。。純がいるのに。。。身を隠して淡々と片隅で働きひっそりと生きていけるには。。。東京が一番だけど。。
失うものはもうなにもないし。
最初の旦那の
吾朗太は死んだ死んでいた。。。次の旦那の俊とは別れて
息子のコウは轢き逃げで亡くして。。。
居場所が無くて。。。実家の神野家から若いうちから逃げて。。。
吾朗太の子どもならどうしよう背負いきれない業を背負わせた女の子かと怖くなって。。。せめて裕福な実家の優秀な環姉さんの元でならあの子は幸せなんじゃないかと純を実家に捨てて。。。
ツケが回ってきたのだ私の愚かな自己中な行動が周りを不幸にする。。。
娘も息子も不幸にした。。。
緋夏は、死んだ様に眠りたく思う。。。
でも。。。あの時久しぶりに会った純は、元気だった。。。私は間違って勘違いして峰さんをかばって環姉さんを刺してしまい。。
怒った純に刺されそうになったけれども。。
純は。。元気だった。。。
純は、いま19歳。。女の厄年だ。。吾朗太の娘なら、吾朗太の生家の剣崎家の呪いで夭折していてもおかしくはない。
というか、そんな迷信を信じる方が馬鹿なんだけど。。
そうだ。。。
あの子は。。大丈夫なんじゃないか、俊の娘なんじゃないか。。。
しかし。。。俊の娘だとて。。。環姉さんから聞いた。。。
純が
俊の前の奥さんとの息子さんと付き合っていて。。。大ごとになる前に。。悲しいけれど。。。
純は、環姉さんの子どもじゃない事を話して
純は、俊の娘の可能性があるから。。
俊の前の奥さんとの息子さんとも付き合ってはならないと諭したって。。、
どっちにしろ、どう転んでも私は純を不幸にした。父親が吾朗太でも俊でも。。。あの子は。。。
もう死んだように眠りたい。。このまま目が覚めなくてもいい。。。
だって。。。生きがいだった息子のコウは幼いうちに死に
娘の純を不幸にして。。。それなのに。。子どもたちを不幸にしといてなんで、私は生きているんだろう
散々悪さして生きていた吾朗太は若いうちに死んでいた次は。。。私かもしれない。。
でも。。。死ねる人はいい。。死ぬ勇気がない。死んだっていいのに。。。緋夏は奈落の底にいつまでも堕ちていく様な得体の知れない恐怖に包まれながらも
いつのまにか眠っていました。
2021年07月06日
マリッジcelebration279時代は変われども。。。消えない思いは。。。
約
20年ぐらい前。。。東京。。。
夜明け未明
「ちょっと、ちょっと、そこのにいさん。。。」
複数いる愛人のうちの1人の家から
朝帰りの吾朗太。。。「ハァ」吾朗太が振り返ると、雑居ビルの片隅に。。何やら怪しげな黒いフードを被った声からして恐らくは老婆が小さなテーブルに置かれた水晶玉を前にしてちょこんと座っている。。。あっ。。。いかにもドラマや映画に出てくる疲れたビジネスマン相手に説教しては
小銭を稼ぐ占いBBAかよ。。。
馬鹿か
吾朗太は、占いやスピリチュアルや宗教など全く生理的に受け付けず蛇蝎の如く嫌悪した。ばっかじゃなかろうか。と、思う反面女の所へ行き懐がホクホクしている。いわゆる上機嫌で。ちょっと試しにこのBBAをからかってやろうかとも。。。女殺しの俺だしなぁ。。
と、思うと、「アンタ。。また。。随分とえらい。。。どんだけ女を泣かせて。。あー」BBAが言う。。
でも、吾朗太は、自分の色男ぶりに自信がありわざわざ占うまでもなく
今までの俺の過去なんか、そんなの見りゃわかる事だ。
馬鹿馬鹿しいな。本当に。
吾朗太は昔っから異性に強い事なんか自信があった。。「バーさん、悪いけどさ、俺占いなんか信じないからな。そーやって勝手に声をかけて絡むのかよ。あんたやり方がチンピラだぜ。」吾朗太が毒付くと、「いんや。。。にいさん、ワシは商売で言ってるんじゃない。素直にきけ、あんた、どれだけの女に因果を背負ってるか。。。というか。。あんたんちだよ。代々の。。あんたの家系。あんたをはじめ相当に女に怨まれてるね、どうだい、あんた、男きょうだいしかいないだろ。あんた、どう考えても長男じゃないね。。」
BBAに凄まれて吾朗太は。。。
「は。。。」
そうだ。。。死んだオヤジが言っていた。うちは、女が育たない。ヤクザで女を騙したり売ったり喰い物にしてきたからだ。。。本妻の要も二度ぐらい女の子を流産したらしいし、吾朗太の母親の愛人のなつめは、三太夫と吾朗太の男の子しか産まなかった。
その他、身内も男しか産まれず剣崎家から、婚家へ婿養子に行った男性は、女の子が産まれてもせいぜいハタチかそれぐらいで、夭折しているらしい。
ただ、兄の三太夫みたいに、本人が結婚前からよその家に養子に行った人にはそんな災いは降りかかって来ないらしい。。。ふと、そんな事を思い出して。。吾朗太は黙り込んだが、でも、自分はせいぜいひとりっ子に見える事はあるかもしれないが、兄弟がいるなら誰が
どう見たって長男には見えないだろう。
剣崎家の呪いみたいに死んだオヤジから女が育たないと聞いたけど。。。俺は迷信だと思う。
しかし、その黒マントは、「アンタね。。。女で遊ぶのは仕方ない。。女の方もアンタを求めて美味しい思いをしてるからね。。。だけど、ほどほどにしときな。女は怖いよ。そのうちに返り討ちにあうよ。ま、女と遊ぶなんざ、あんたにとったらていのいい小遣い稼ぎだろうけどね。。。」
ハァ。。あらかたこのBBAは、若い頃水商売か風俗にでも男に堕とされて、今や女を売れなくなってここでくすぶって女好きしそうな男を捕まえてはくだをまいてるのか。。吾朗太は、ボケているのかこのBBAは。。
それで、ホストやジゴロや素人でも女ウケする男を捕まえては逆恨み事をするのだろう。それで、悪い事が起きるぞーみたいに言って高額な祈祷をすれば助かるとか、変な壺やら印鑑やら売りつけるのか。。?落ちぶれたもんだ。。
しかしながら、ふと、剣崎家の呪いが頭によぎった。。確かに俺は迷信だと思うが、オヤジもうちはヤクザだし跡取りの男さえいればいいと強がりはするものの。。。
よくわからんが、仏壇に流産したという水子かなんかのなんとか、みたいなのをきちんと祀ってある。。そう、ガキの頃にオヤジにキモいみたいに言ったら、いつもは俺に甘々デレデレなオヤジにぶん殴られそうに激怒された。。。
馬鹿タレお前の産まれて来れなかった姉ちゃん達だ
実際には
殴られなかったけど本気で怖かったオヤジは、本妻の息子の上の2人の長男次男はよくぶん殴っていた。アイツらも本妻のBBAも嫌いなんでザマァと思ったけど、
で、もう1人の本妻の息子の四朗は、大人しい奴でコイツは本妻要の息子の癖にかなりいい奴だ。俺や三太夫の兄貴とも仲はいい。オヤジに殴られる様な事は一切しないし。。。
吾朗太が黙っていると、その黒マントの老婆が続ける。。。
「アンタね。。。まぁ、アンタに関わる女は色ボケしてるから自業自得だ。。。だけど、あんた子どもは作るな。。。あんたの子は、可哀想に、女の子は業を背負うよ。アンタの家系の流れでね、あんた、悪さして女の籍に入ってるだろう。」
ゾクッ確かに俺は。。。借金を踏み倒し逃げ、惚れてきた便利な女の籍に入って剣崎から神野になった。。。だが、俺みたいなヤンチャして行き場に詰まる奴が悪さして名字を変えるなんてじゅうぶんにありふれた事だろ。。。珍しくねーよ。
家系のことをズバズバ言われて少しゾクッとしたが、「うるせ〜な。俺はガキなんて嫌いだしガキなんか持たねーよ。」
キモ。。。実家の事で思い当たるフシが。。。だけどそんなもんは偶然だっ馬鹿野郎糞婆
そうだコイツは。。。色男にボケて散々痛い目にあった元色ボケだどうせ。。。チッ
吾朗太は、天に向かって唾を吐きました。。。
時を同じくして、20年ぐらい前の神野緋夏、東京。神田。
早く逃げなきゃ。。。俊の事がバレたら。。。
吾朗太は今日も帰っては来ない。。。どうせ、何人かいる女の家を転々としては小遣いを貰っているんだから。
職場の
新宿からアパートの神田駅付近までほぼ毎日フラフラになって歩く帰りは終電が無くなるし、送りはお金を取られるし。。タクシーなんてもってのほか。稼いだお金はフラッと帰ってくる吾朗太に巻き上げられるのに
最低限の化粧や衣装代、キャバ嬢の仕事に必要な経費を除いては、全て吾朗太に巻き上げられる。吾朗太が
いつ帰ってくるかわからないので、緋夏はビクビクしながらも、伝書鳩の様に仕事が終わったら
トボトボ。。。新宿から神田まで歩いて帰る。
つい先日は、記憶を無くした男性を助けて、うちの店のボーイに紹介したのだ。同じくハリネズミで、吾朗太とはまた違うタイプのイケメンで。。。
彼は俊という名前で、緋夏と同い年である事以外はなんの覚えもないようで。。。
新宿の寮に入ったのだけど、あれこれと彼の為に隙間時間に世話を焼いたり
彼も世話をした私に恩があるのか、親しくなり俊とは吾朗太やお店に内緒で付き合っている。。。
俊は、私が既婚者である事を知っているし吾朗太がとんでもないチンピラで反社会である事も。。。
東京邪神軍とかいう反社会のグループに入っているらしい。。。
緋夏は、母親の喜美の結婚で2歳の時に渋谷の神野家に入ったのだけれど。。。
実は、連れ子ではなく父親神野ジローの実の娘という事で婚外子から、母親の喜美が正式にジローと結婚して神野家の次女になった。
後から聞いたのだけれど神野家の先妻の峰が、離婚して次女の舞だけを名古屋の実家に連れ帰ったらしい。
舞は、
緋夏の異母妹になる。。。
環姉さんという7歳歳上の先妻との長女は姑志乃のお気に入りで神野家に残されたらしい。
この環姉さんは、優しくてとにかく賢いし、後妻の喜美にも異母妹の緋夏にも優しいけれど。。。なんだか、姉さんを見てるととてもじゃないけどコンプレックスが募るばかりで。。。
姑の志乃は、キツい性格で大人しい後妻の喜美をイビリ女腹だと罵倒して。。。
だけど、喜美は、念願の元恋人のジローと結婚できただけでもありがたいので耐える事にした。もともと、ジローと喜美は、小さい頃から知った仲で、ある程度の歳になり付き合ったのだけれど、天涯孤独で施設育ちの喜美なんか
うちの神野家に釣り合わないと、姑の志乃の大反対で別れさせられて
名古屋の大手企業花咲グループの親族の令嬢の峰とジローは結婚する事になったのだけれど。。。
神野家より格上の花咲家のこれまた男系家系の珍しく生まれた女の子で、紅一点のお姫様育ちの峰に、志乃はコテンパンにやられた様だ
ジローが愛人の喜美と婚外子の緋夏発覚で、ジローと峰は離婚する。。。
ところが。。。てっきり怒鳴られ殴られて慰謝料を取られるかと思っていた先妻の峰から後妻の喜美に連絡があり、
「志乃は、精神的に叩いておいたから。あなた、身分がどうだのバカバカしい事を言われてジローと結婚を反対されたんですってまぁ、もうそんな事言わないはずよ。あの女は私でそういうの懲りたでしょうからね。貴方の恋人を奪って悪かったわ。でも、貴方は優しそうだし、私でジローの再婚は、何より人柄を重視しなきゃって事に気づくわよ。あんな馬鹿女でもね。」
後妻の喜美は、ぽかーんとした。。写真で見る明らかに綺麗だけど相当気の強い峰が。。。そして、はっ
じんわりと胸が熱くなります。
峰は、神野家に置いていった長女の環はいい子だから、貴方たちの味方になってくれるだろうし。あと、私も言われたけど貴方の娘さんのこと、
志乃から女腹だの男は産めないのかだのギャンギャン責めてくるだろうけど、
ジローが女種だからネェ。男か女かは男性で決まるみたいなんだけどねぇ。って言ってやったけどね。ホントの事だし。。。それすらわかんないのよ。今時馬鹿だとしか言いようがないわ。
緋夏は、先妻の峰の話を母親の喜美から聞きました。
姑の
志乃は、ジローに似た長女の環には優しいけど後妻の娘の緋夏にはきつくあたり、環は緋夏をかばうものの、超優秀な環と自分を比較してしまってますます惨めになるし。
緋夏は、登校拒否になったり思春期になると家出したりしました。悪いグループと付き合って、年齢をごまかしてキャバ嬢として働いて。。。
母親の喜美や異母姉の環が止めるのも聞かずに。。。高校へは行かずに吾朗太と知り合って同棲します。。。
吾朗太はひとつ歳下のチンピラのゴロツキで、女がたくさんいました。気に入らないと殴る蹴る、暴力を振るったり、稼ぎは女性から貢いで貰っているようで。。。年齢をごまかしてホストクラブで働いたり
女性に
借金を支払わせたり、18歳になり結婚出来る様になると借金を踏み倒す為なのか、緋夏の名字の神野として緋夏と入籍しました。
ある日、緋夏が子どもが欲しいというと、吾朗太に思いっきりぶん殴られました。
「どうして。。。私たちは夫婦よ子どもの面倒なら私が見るし、私がもっと働くのに。。。。」緋夏が泣きわめくと、吾朗太は、「てめー、俺はガキなんか大っ嫌いだっつーの」
「貴方には迷惑かけないし、私が一人で育てるから。。。」「ばかやろうテメー、ガキが女で俺みたいな奴に引っかかったらどうするってんだよ。お前は自分の事しか考えてねーのかよ」
えっ。。。おかしいかもしれないけど、その言葉に、緋夏は、なんとなく思いやりを感じました。
あれっ。。。
自分の事しか考えてないのか、とか。自分みたいな男性に娘が惚れたらどうするんだ
「そんな。。。娘が産まれて貴方みたいな男性に惚れてもそれはそれで娘の人生だわ。。。」
吾朗太は相当な女性慣れで、他の複数の女性達も避妊しているらしい。。。
だけど、
吾朗太は、お酒に弱い。かなり弱い。。唯一カクテルが飲めるけど、酩酊して記憶を無くすぐらい弱い。。。ある程度して、眠れば酒を飲んだ事すら忘れるし。。。
どうしても子どもが欲しかった緋夏は、
甘いものに目がない吾朗太に、
ジュースと嘘をつきカクテルを飲ませて。。。。。
普通はカクテルに薬を入れたり騙して飲ませるのは悪どい男のやる事だけど。。。
だけどー。。。私たちは夫婦よ。。なんの罪も無いわ。。。
子どもができるかと。。。
何度も何度も、
そんなこんなのうちに。。。俊と知り合い俊とも付き合って。。。
吾朗太はしょっちゅうフラフラ家に帰らない事も多いので
素知らぬ顔をして。。。
ある日。。。
そう、あれは。。。吾朗太が逮捕され収監される日に近く、そして私と俊が吾朗太が収監されている間にプルメリア島へ逃亡する日にも近い日だった。。。
吾朗太は、久しぶりに家に帰ってきてすっかりジュースだと信じ込んでいるカクテルをあおる。。。
カクテルの風当たりが良かったのか、
吾朗太は奇妙な話をしはじめた。
剣崎家、吾朗太の実家はできにくいしできても女の子が育たないし流産か死産か幼児で死ぬ。。。
俺みたいに女の籍に入ったり婿養子の奴のガキの女も若いうち、ハタチぐらいで死ぬ。俺の兄貴みたいに本人が結婚する前に里親先に養子になれば関係ない。。。
ヤクザな家で女を泣かせたバチらしいとよ。。。
バカバカしい。。。
俺はそんなバケモノみたいなアホな話は信じてないが。。。
だけどなんか気持ち悪い。。。
だから、ガキはいらん。
お酒にめっぽう弱くて酔って無ければ吾朗太はこんな発言は一切しないだろう。。。
怪談だの占いだのスピリチュアルだの、そういう話が吾朗太は生理的に嫌いだった。
不思議で貴重な話し。
えっ。。。緋夏はゾクッとしました。。。
あれから。。。20年ぐらい経った。。。
そう。。。私はどうしても。。。
あの話が、バカバカしいながらにも引っかかって。。。
子どもがどうぞ、男の子であります様に、とか。俊の子どもでありますように、とか。
祈るばかりだけれど。。。
産まれてきた子は女の子であって。。。
私は怖くなり吾朗太の子どもだったらどうしようと。
しかしながら、久しぶりに再開した純には刺されそうになって。。というのも仕方ないわ。
私が息子のコウを轢き逃げした鷹さんを、一卵性双生児の峰さんと勘違いして刺そうとして
峰さんを
かばった環姉さんを刺してしまったのだから。。。
あの時に完全に純とは親子の縁が切れたあたりまえよ。。。
人を刺しそうになるなんて、絶対吾朗太の子どもだわとは、言い切れない。
だって、大事に育てられた母親を目の前で刺されたのだから。無意識に誰でもその場で刺し返したりそれでなくとも、刺した犯人を殴りつけるぐらいはおかしくはない。
あの日再開した
純は、うちの母親の喜美や私には似ているけど、、、
吾朗太にも俊にも似てないし。。。
だけど。。。もしも純が吾朗太の娘なら。。。
緋夏のなかにずっと。。。ドス黒い澱のようなものがあの日以来広がっては深くなっていき。。。消える事なくまるで悪性の癌のようにどこか、心のしこりの様に重くのしかかる。。。
20年ぐらい前。。。東京。。。
夜明け未明
「ちょっと、ちょっと、そこのにいさん。。。」
複数いる愛人のうちの1人の家から
朝帰りの吾朗太。。。「ハァ」吾朗太が振り返ると、雑居ビルの片隅に。。何やら怪しげな黒いフードを被った声からして恐らくは老婆が小さなテーブルに置かれた水晶玉を前にしてちょこんと座っている。。。あっ。。。いかにもドラマや映画に出てくる疲れたビジネスマン相手に説教しては
小銭を稼ぐ占いBBAかよ。。。
馬鹿か
吾朗太は、占いやスピリチュアルや宗教など全く生理的に受け付けず蛇蝎の如く嫌悪した。ばっかじゃなかろうか。と、思う反面女の所へ行き懐がホクホクしている。いわゆる上機嫌で。ちょっと試しにこのBBAをからかってやろうかとも。。。女殺しの俺だしなぁ。。
と、思うと、「アンタ。。また。。随分とえらい。。。どんだけ女を泣かせて。。あー」BBAが言う。。
でも、吾朗太は、自分の色男ぶりに自信がありわざわざ占うまでもなく
今までの俺の過去なんか、そんなの見りゃわかる事だ。
馬鹿馬鹿しいな。本当に。
吾朗太は昔っから異性に強い事なんか自信があった。。「バーさん、悪いけどさ、俺占いなんか信じないからな。そーやって勝手に声をかけて絡むのかよ。あんたやり方がチンピラだぜ。」吾朗太が毒付くと、「いんや。。。にいさん、ワシは商売で言ってるんじゃない。素直にきけ、あんた、どれだけの女に因果を背負ってるか。。。というか。。あんたんちだよ。代々の。。あんたの家系。あんたをはじめ相当に女に怨まれてるね、どうだい、あんた、男きょうだいしかいないだろ。あんた、どう考えても長男じゃないね。。」
BBAに凄まれて吾朗太は。。。
「は。。。」
そうだ。。。死んだオヤジが言っていた。うちは、女が育たない。ヤクザで女を騙したり売ったり喰い物にしてきたからだ。。。本妻の要も二度ぐらい女の子を流産したらしいし、吾朗太の母親の愛人のなつめは、三太夫と吾朗太の男の子しか産まなかった。
その他、身内も男しか産まれず剣崎家から、婚家へ婿養子に行った男性は、女の子が産まれてもせいぜいハタチかそれぐらいで、夭折しているらしい。
ただ、兄の三太夫みたいに、本人が結婚前からよその家に養子に行った人にはそんな災いは降りかかって来ないらしい。。。ふと、そんな事を思い出して。。吾朗太は黙り込んだが、でも、自分はせいぜいひとりっ子に見える事はあるかもしれないが、兄弟がいるなら誰が
どう見たって長男には見えないだろう。
剣崎家の呪いみたいに死んだオヤジから女が育たないと聞いたけど。。。俺は迷信だと思う。
しかし、その黒マントは、「アンタね。。。女で遊ぶのは仕方ない。。女の方もアンタを求めて美味しい思いをしてるからね。。。だけど、ほどほどにしときな。女は怖いよ。そのうちに返り討ちにあうよ。ま、女と遊ぶなんざ、あんたにとったらていのいい小遣い稼ぎだろうけどね。。。」
ハァ。。あらかたこのBBAは、若い頃水商売か風俗にでも男に堕とされて、今や女を売れなくなってここでくすぶって女好きしそうな男を捕まえてはくだをまいてるのか。。吾朗太は、ボケているのかこのBBAは。。
それで、ホストやジゴロや素人でも女ウケする男を捕まえては逆恨み事をするのだろう。それで、悪い事が起きるぞーみたいに言って高額な祈祷をすれば助かるとか、変な壺やら印鑑やら売りつけるのか。。?落ちぶれたもんだ。。
しかしながら、ふと、剣崎家の呪いが頭によぎった。。確かに俺は迷信だと思うが、オヤジもうちはヤクザだし跡取りの男さえいればいいと強がりはするものの。。。
よくわからんが、仏壇に流産したという水子かなんかのなんとか、みたいなのをきちんと祀ってある。。そう、ガキの頃にオヤジにキモいみたいに言ったら、いつもは俺に甘々デレデレなオヤジにぶん殴られそうに激怒された。。。
馬鹿タレお前の産まれて来れなかった姉ちゃん達だ
実際には
殴られなかったけど本気で怖かったオヤジは、本妻の息子の上の2人の長男次男はよくぶん殴っていた。アイツらも本妻のBBAも嫌いなんでザマァと思ったけど、
で、もう1人の本妻の息子の四朗は、大人しい奴でコイツは本妻要の息子の癖にかなりいい奴だ。俺や三太夫の兄貴とも仲はいい。オヤジに殴られる様な事は一切しないし。。。
吾朗太が黙っていると、その黒マントの老婆が続ける。。。
「アンタね。。。まぁ、アンタに関わる女は色ボケしてるから自業自得だ。。。だけど、あんた子どもは作るな。。。あんたの子は、可哀想に、女の子は業を背負うよ。アンタの家系の流れでね、あんた、悪さして女の籍に入ってるだろう。」
ゾクッ確かに俺は。。。借金を踏み倒し逃げ、惚れてきた便利な女の籍に入って剣崎から神野になった。。。だが、俺みたいなヤンチャして行き場に詰まる奴が悪さして名字を変えるなんてじゅうぶんにありふれた事だろ。。。珍しくねーよ。
家系のことをズバズバ言われて少しゾクッとしたが、「うるせ〜な。俺はガキなんて嫌いだしガキなんか持たねーよ。」
キモ。。。実家の事で思い当たるフシが。。。だけどそんなもんは偶然だっ馬鹿野郎糞婆
そうだコイツは。。。色男にボケて散々痛い目にあった元色ボケだどうせ。。。チッ
吾朗太は、天に向かって唾を吐きました。。。
時を同じくして、20年ぐらい前の神野緋夏、東京。神田。
早く逃げなきゃ。。。俊の事がバレたら。。。
吾朗太は今日も帰っては来ない。。。どうせ、何人かいる女の家を転々としては小遣いを貰っているんだから。
職場の
新宿からアパートの神田駅付近までほぼ毎日フラフラになって歩く帰りは終電が無くなるし、送りはお金を取られるし。。タクシーなんてもってのほか。稼いだお金はフラッと帰ってくる吾朗太に巻き上げられるのに
最低限の化粧や衣装代、キャバ嬢の仕事に必要な経費を除いては、全て吾朗太に巻き上げられる。吾朗太が
いつ帰ってくるかわからないので、緋夏はビクビクしながらも、伝書鳩の様に仕事が終わったら
トボトボ。。。新宿から神田まで歩いて帰る。
つい先日は、記憶を無くした男性を助けて、うちの店のボーイに紹介したのだ。同じくハリネズミで、吾朗太とはまた違うタイプのイケメンで。。。
彼は俊という名前で、緋夏と同い年である事以外はなんの覚えもないようで。。。
新宿の寮に入ったのだけど、あれこれと彼の為に隙間時間に世話を焼いたり
彼も世話をした私に恩があるのか、親しくなり俊とは吾朗太やお店に内緒で付き合っている。。。
俊は、私が既婚者である事を知っているし吾朗太がとんでもないチンピラで反社会である事も。。。
東京邪神軍とかいう反社会のグループに入っているらしい。。。
緋夏は、母親の喜美の結婚で2歳の時に渋谷の神野家に入ったのだけれど。。。
実は、連れ子ではなく父親神野ジローの実の娘という事で婚外子から、母親の喜美が正式にジローと結婚して神野家の次女になった。
後から聞いたのだけれど神野家の先妻の峰が、離婚して次女の舞だけを名古屋の実家に連れ帰ったらしい。
舞は、
緋夏の異母妹になる。。。
環姉さんという7歳歳上の先妻との長女は姑志乃のお気に入りで神野家に残されたらしい。
この環姉さんは、優しくてとにかく賢いし、後妻の喜美にも異母妹の緋夏にも優しいけれど。。。なんだか、姉さんを見てるととてもじゃないけどコンプレックスが募るばかりで。。。
姑の志乃は、キツい性格で大人しい後妻の喜美をイビリ女腹だと罵倒して。。。
だけど、喜美は、念願の元恋人のジローと結婚できただけでもありがたいので耐える事にした。もともと、ジローと喜美は、小さい頃から知った仲で、ある程度の歳になり付き合ったのだけれど、天涯孤独で施設育ちの喜美なんか
うちの神野家に釣り合わないと、姑の志乃の大反対で別れさせられて
名古屋の大手企業花咲グループの親族の令嬢の峰とジローは結婚する事になったのだけれど。。。
神野家より格上の花咲家のこれまた男系家系の珍しく生まれた女の子で、紅一点のお姫様育ちの峰に、志乃はコテンパンにやられた様だ
ジローが愛人の喜美と婚外子の緋夏発覚で、ジローと峰は離婚する。。。
ところが。。。てっきり怒鳴られ殴られて慰謝料を取られるかと思っていた先妻の峰から後妻の喜美に連絡があり、
「志乃は、精神的に叩いておいたから。あなた、身分がどうだのバカバカしい事を言われてジローと結婚を反対されたんですってまぁ、もうそんな事言わないはずよ。あの女は私でそういうの懲りたでしょうからね。貴方の恋人を奪って悪かったわ。でも、貴方は優しそうだし、私でジローの再婚は、何より人柄を重視しなきゃって事に気づくわよ。あんな馬鹿女でもね。」
後妻の喜美は、ぽかーんとした。。写真で見る明らかに綺麗だけど相当気の強い峰が。。。そして、はっ
じんわりと胸が熱くなります。
峰は、神野家に置いていった長女の環はいい子だから、貴方たちの味方になってくれるだろうし。あと、私も言われたけど貴方の娘さんのこと、
志乃から女腹だの男は産めないのかだのギャンギャン責めてくるだろうけど、
ジローが女種だからネェ。男か女かは男性で決まるみたいなんだけどねぇ。って言ってやったけどね。ホントの事だし。。。それすらわかんないのよ。今時馬鹿だとしか言いようがないわ。
緋夏は、先妻の峰の話を母親の喜美から聞きました。
姑の
志乃は、ジローに似た長女の環には優しいけど後妻の娘の緋夏にはきつくあたり、環は緋夏をかばうものの、超優秀な環と自分を比較してしまってますます惨めになるし。
緋夏は、登校拒否になったり思春期になると家出したりしました。悪いグループと付き合って、年齢をごまかしてキャバ嬢として働いて。。。
母親の喜美や異母姉の環が止めるのも聞かずに。。。高校へは行かずに吾朗太と知り合って同棲します。。。
吾朗太はひとつ歳下のチンピラのゴロツキで、女がたくさんいました。気に入らないと殴る蹴る、暴力を振るったり、稼ぎは女性から貢いで貰っているようで。。。年齢をごまかしてホストクラブで働いたり
女性に
借金を支払わせたり、18歳になり結婚出来る様になると借金を踏み倒す為なのか、緋夏の名字の神野として緋夏と入籍しました。
ある日、緋夏が子どもが欲しいというと、吾朗太に思いっきりぶん殴られました。
「どうして。。。私たちは夫婦よ子どもの面倒なら私が見るし、私がもっと働くのに。。。。」緋夏が泣きわめくと、吾朗太は、「てめー、俺はガキなんか大っ嫌いだっつーの」
「貴方には迷惑かけないし、私が一人で育てるから。。。」「ばかやろうテメー、ガキが女で俺みたいな奴に引っかかったらどうするってんだよ。お前は自分の事しか考えてねーのかよ」
えっ。。。おかしいかもしれないけど、その言葉に、緋夏は、なんとなく思いやりを感じました。
あれっ。。。
自分の事しか考えてないのか、とか。自分みたいな男性に娘が惚れたらどうするんだ
「そんな。。。娘が産まれて貴方みたいな男性に惚れてもそれはそれで娘の人生だわ。。。」
吾朗太は相当な女性慣れで、他の複数の女性達も避妊しているらしい。。。
だけど、
吾朗太は、お酒に弱い。かなり弱い。。唯一カクテルが飲めるけど、酩酊して記憶を無くすぐらい弱い。。。ある程度して、眠れば酒を飲んだ事すら忘れるし。。。
どうしても子どもが欲しかった緋夏は、
甘いものに目がない吾朗太に、
ジュースと嘘をつきカクテルを飲ませて。。。。。
普通はカクテルに薬を入れたり騙して飲ませるのは悪どい男のやる事だけど。。。
だけどー。。。私たちは夫婦よ。。なんの罪も無いわ。。。
子どもができるかと。。。
何度も何度も、
そんなこんなのうちに。。。俊と知り合い俊とも付き合って。。。
吾朗太はしょっちゅうフラフラ家に帰らない事も多いので
素知らぬ顔をして。。。
ある日。。。
そう、あれは。。。吾朗太が逮捕され収監される日に近く、そして私と俊が吾朗太が収監されている間にプルメリア島へ逃亡する日にも近い日だった。。。
吾朗太は、久しぶりに家に帰ってきてすっかりジュースだと信じ込んでいるカクテルをあおる。。。
カクテルの風当たりが良かったのか、
吾朗太は奇妙な話をしはじめた。
剣崎家、吾朗太の実家はできにくいしできても女の子が育たないし流産か死産か幼児で死ぬ。。。
俺みたいに女の籍に入ったり婿養子の奴のガキの女も若いうち、ハタチぐらいで死ぬ。俺の兄貴みたいに本人が結婚する前に里親先に養子になれば関係ない。。。
ヤクザな家で女を泣かせたバチらしいとよ。。。
バカバカしい。。。
俺はそんなバケモノみたいなアホな話は信じてないが。。。
だけどなんか気持ち悪い。。。
だから、ガキはいらん。
お酒にめっぽう弱くて酔って無ければ吾朗太はこんな発言は一切しないだろう。。。
怪談だの占いだのスピリチュアルだの、そういう話が吾朗太は生理的に嫌いだった。
不思議で貴重な話し。
えっ。。。緋夏はゾクッとしました。。。
あれから。。。20年ぐらい経った。。。
そう。。。私はどうしても。。。
あの話が、バカバカしいながらにも引っかかって。。。
子どもがどうぞ、男の子であります様に、とか。俊の子どもでありますように、とか。
祈るばかりだけれど。。。
産まれてきた子は女の子であって。。。
私は怖くなり吾朗太の子どもだったらどうしようと。
しかしながら、久しぶりに再開した純には刺されそうになって。。というのも仕方ないわ。
私が息子のコウを轢き逃げした鷹さんを、一卵性双生児の峰さんと勘違いして刺そうとして
峰さんを
かばった環姉さんを刺してしまったのだから。。。
あの時に完全に純とは親子の縁が切れたあたりまえよ。。。
人を刺しそうになるなんて、絶対吾朗太の子どもだわとは、言い切れない。
だって、大事に育てられた母親を目の前で刺されたのだから。無意識に誰でもその場で刺し返したりそれでなくとも、刺した犯人を殴りつけるぐらいはおかしくはない。
あの日再開した
純は、うちの母親の喜美や私には似ているけど、、、
吾朗太にも俊にも似てないし。。。
だけど。。。もしも純が吾朗太の娘なら。。。
緋夏のなかにずっと。。。ドス黒い澱のようなものがあの日以来広がっては深くなっていき。。。消える事なくまるで悪性の癌のようにどこか、心のしこりの様に重くのしかかる。。。
2021年06月28日
マリッジcelebration278世はすべてこともなしに。。。
「今日はお付き合いいただきましてありがとうございました。ご延長までお付き合いいただきまして。」丁重に厚くお礼を申し上げた新聞社の取材のリリコは、木蓮寺から、オーガストさんのタクシーで
青の洞窟へ。リリコは、目に染みる美しい夕焼けをバックに何枚か青の洞窟の写真を撮りアシスタントを務めるオーガストさんと共に小さな船で、青の洞窟に入りライトアップされた青の洞窟内を撮影しました。「タクシーで送迎や、昼間に観光タクシーでこの洞窟内にお付き合いはかぞえきれないぐらいありますが、わざわざ夜洞窟の中に入ったのは初めてです。住んでると自分からは、わざわざあえて観光名所には行かないもんですね。プルメリア島に来た時は、まず最初に、美しい青を見たくて。。。どうしてもここへ行ってみたくなりまして。一人で日中にここへ来ました。日中と、今ライトアップされた時間帯では絶妙に雰囲気が違うもんですね。なんだか、夜の方がより神秘的な。。。昼間よりもっと青の臨場感が迫ってくるというか。。。」「へぇ。。。そうなんだ、じゃあ。。。もしかして、最初の予定みたいに日中にここに入るより、夕方過ぎで良かったのかな。。」リリコが言うと、
「好みはあるでしょうが、私は昼間より、グッとこの夜の雰囲気がいいと思いますね、秘密の隠れ家を探検しているようで。。。昼間は昼までもうちょっと開放的な感じなんだけど、夜の方が奥深いですね。。それにしても。。。青が目に染み入りますね。。。」オーガストさんは、洞窟の天井を見上げて黙り込みました。。。なにか思うところあるというのか、考え事をしているのか。。。
ひんやりとして
どこまでも吸い込まれる様な飲み込まれる様な幻想に包まれた目の前に広がる青。。。
あっ。。。リリコは、ふと、オーガストさんがチラッと漏らした。。。青山奏氏の。。。青山禅、奏兄弟の子どもの頃のアルバムに何枚か、大好きなブルーモーメントという無限の青。。。
ブルーの時間帯。。。
朝焼けか夕焼けの写真を残してきたようで。。、
まるで海の様な空。。。果てしない青。。。
オーガストさんが何度か
見た事がある昼間の青の洞窟の中よりも今の時間帯の方が、よりひときわ青が目に染み入るのかもしれない。。。
ブルーモーメント。。。青山奏氏のブルーモーメントの名前の由来はたまたまなのか、それとも、オーガストさんが残した子どもの頃のアルバムに何枚か貼ってあった夜明けの時間帯の青が好きなのか。。。何枚か写真を撮り、やっと船は出口に出て船着場に戻ってきました。木蓮寺で、青の洞窟のフレンチレストラン青の洞窟のほとりで急遽だけど今夜2人予約できますかと問い合わせたところ、なんとかキャンセルが出れば大丈夫だからと。
さらに現地で、電話した者ですが、と
無理を承知で、お店に問い合わせると、2人ならなんとか大丈夫だと。
うやうやしくスタッフが、リリコとオーガストさんを案内します。年齢も種族も全く違うリリコとオーガストさんですが、かと言って、お客様の層は見るからに超一流でも、
いろいろな種族や関係の人々が来て当たり前の場なんでしょう。特別に変な目で見られる事もありませんでした。二人は向かいあって席に座ると。。。
ほんのり優しげに薄暗い隠れ家の様な非日常な高級感の漂うお店は
ガラス窓のの向こうは、宝石の様に青の洞窟がキラキラライトアップされています。
「いいんですか、こんな。。。貴方の様な若いお嬢さんと。。。彼氏さんと来るべきでしょう。。。その。。。今日は特別なお仕事もじゅうぶんにいただきまして。。。私は場違いなんじゃないでしょうか。。。」と、オーガストさんは躊躇したものの。。。
「いいえ、本当にお礼です。産まれも育ちものプルメリアンの方々だけではなくて、オーガストさんの様なちょうどプルメリア島に移住してこられた方のお話しも聞きたいですし。
明日もまた宜しければ、明日はプルメリア島の反対側の南側、海の家クワタさんの海の灯りの宿の取材もお願いしたいので、プレゼンスタクシーさんにオーガストさんのご指名のお電話をしました。お嫌でなければ明日もまたよろしくお願いします。」
プレゼンスタクシーに、
リリコはちゃっかりと明日の予約までオーガストさんを指名していました。大変今日は親切にしてくださいましたし、私の取材の一つ、移住民さんのお話も聞きたいので、ぜひ。と、タクシー会社には、御礼を言って、それもあるし。おせっかいなんでしょうけれども。。。オーガストさんは、近所の幼なじみミーシャの祖父という事で。。。オーガストさんは、いまさらながらと会うのを躊躇してるみたいなんだけど。。。。。。それもそうね。。。本人にしてみれば。いきなり会うにしても、会う心の準備は、おいそれと整うわけじゃない。。ましてや、子どもには罪はないし。
例え有責配偶者でなくても、離婚して
親には子どもを傷つけた後悔と自責の念があるし。。。不利な立場でもある。
すると。。。隣りの席から興味を引くような何やら話し声が。。。
あ、あれっ。。。あれは。。。
アレは。。。間違いない。。。雑誌やTVで観る美術家の先生のヴィーナスで、さっきまで一緒にいた木蓮寺のベルモの三つ子のきょうだい。。ベルモとはびっくりする程体格が違う。。。小さいし細い。。ナンの神様のいたずらか、育った環境の違いか。。、まるで、一方的に養分を吸い取られたかの様に可哀想に吹けば飛ぶように。。。小さいし。。。イヤイヤ。。。ベルモがでっかいから。。それに、よく見れば、ベルモがぽやっとしているけど、ヴィーナスと一緒にいたら、確実にヴィーナスの尻に敷かれる様な。。。そんな気の強さをヴィーナスから感じ取り。。。
そうだ、このお店なら有名人もおしのびで来て当たり前だけど。。。あっ、あれは、ヴィーナスのグループは、複数人で来ているが、間違いなく、TVや雑誌で見たあ、あれは福の神の笑〜さんじゃない。で、う、うわー女優の茶目コさんまで。。。リリコは、新聞社の仕事や産まれ柄有名著名人には慣れているのだけど。。。
それにしても、飛ぶ鳥を落とす勢いの天才美術家と、国際的人気女優と、それを携える神様。。女神様と。。。もう、クラクラめまいがしそうでした。
あと何人か、仕事関係のお偉いさん方々みたいな人がいて。。。ヴィーナスがひとりプンスカ怒っている様です。と、言っても怒っているのは今いる周りの人にではない様で。。。興味を引くような話題が聞こえてきたのは、
ヴィーナスが、ベルモにここに来る前に電話してきょうだい大喧嘩になったベルモのわからずやみたいな事を。。かなり怒っています。
え。。
な、なんなのかしら。。。リリコは、コースを2人分オーダーし、オーガストさんに断ってから自分はシャンパン、オーガストさんにはミネラルウォーターをオーダーしながらも、ソワソワ。。。隣の席を気にしています。リリコは、小声で、
「ね、あれって、さっき会ったベルモさんの三つ子のきょうだいの美術家さんだし、女優の茶目コさんだし。。。福の神さん。。。ですよね。。。」「ええ。。。福の神の笑〜さんは、私の会社のプレゼンスタクシーは、笑〜さんのお兄さんの大蔵さんがオーナーですから、時々こちらに来た時は、笑〜さんも茶目コさんも、乗せた事はありますよ。ヴィーナスさんもあるし。」「ええっ。そ、そうなんですか、」「ええ。私はだいたい今日みたいなハイヤーを運転してます。でも、どうしても人が足りない時は通常のタクシー業務で、たまたまリリコさんのお友達の流星さん達を朝乗せた時は、通常のタクシーを運転していました。」
「あっ、偶然だったのね。。。流星、駿栄でしょ。駿栄に、青山奏氏のお父さんじゃないかって気づかれたのね。。。私も青山奏さんは、近所のおじさんだし、よく知ってるもんだから、えっじゃあ、世間で言われてる。。その。。。ごめんなさいね、よく知らなかったから。。世間でエピソードで出てる青山奏氏を捨てた父親の可能性ですって。。。と思って。。。だけど駿栄は、いや。。。かなりの穏やかそうな感じだったよ。。そんな子どもを捨て借金をしてって荒んだ感じでも全くなくて。。。。生まれながらさらに育ちも品があるって感じ。。。でも、あのドライバーさんは青山のおじさんに似てるから、って。」
それにしても。。。あの穏やかなベルモが。。。どうして。。美術家のきょうだいと電話で大喧嘩したんだろうか。。ヴィーナスと言えば、美術家といっても好きで人前に出たり、マスコミに出たり。。人当たりいいし、芸術家といっても気難しいイメージが全然ないんだけどな。。確かに勝ち気なイメージはあるんだけど。。きょうだいには違うか。。。所詮は4歳児の他愛無い子どもの喧嘩。。。だもんね。。負けられません、勝つまでは。。のその場にはいないベルモにプンスカプンスカとめどなく怒るヴィーナス。。。
それを、福の神笑〜と女優の茶目コがなだめているって感じで。。。
オーガストさんは、ヴィーナスや笑〜や茶目コとも顔見知りでしたが、あちら様はお客様だしこちらは運転手なので、挨拶するのもなと控えていたら、
あっリリコとオーガストさんは、こちらを見たヴィーナスと目が合って。。。
「あっ、、。プレゼンスタクシーの。。。今日もお客様とのお付き合いですか。。。今日は、可愛いお嬢さんですねー。」と、ヴィーナスは、今までカッと怒っていたのを無かった事の様にごまかすように、にこやかにこちらに話しかけてきました。「あらっ、オーガストさんだ、」笑〜も茶目コもオーガストさんに気づいたので、
「これは、皆様こんばんは。いつもお世話になっております。」オーガストさんが丁寧にお辞儀をすると、
リリコも、「こんばんは。私は都王新聞の取材の者です。プルメリア島の取材に訪れました。美術家のヴィーナス先生ですよね、さきほどは、木蓮寺の取材でごきょうだいのベルモさんに大変お世話になって。。」と、御礼を申し上げますと言えば。。。
「あの、くそデブ。。。いんちきどぼうず。。。あっ、ごめんなさい、あいつの取り柄は耳の中が宝箱なだけ。。。。あっ、ごめんなさい」耳の中が宝箱なだけ。。。ってナンのことだろう。。。
リリコは意味が通じませんが、それもそのはず、耳掃除マニアのヴィーナスにとって、耳掃除のしがいのある耳だといっても耳掃除キチではない普通の感覚の人には通じないでしょうね。。。
「えっ。。。あの、ベルモさんと。。。喧嘩なさったんですか。。。」リリコが驚いて聞くと、「たまに、喧嘩します。なんだけど。。。今日は許せないわ。。。ここじゃあちょっと言えないんですが。。。ちょっといろいろありまして。つい電話で口論になったんです。まぁ。。。耳掃除もしたばかりだし、アイツらの解禁日まで暫くあるし。。あちらが反省してくれればいいんですが。」ヴィーナスは、かなり通話したベルモに対しての怒りを抑えているようで。。
えっ。。。嘘でしょう。。ベルモさんが、そんな人をそこまで怒らせる様なことをするかしら、と思わず、オーガストさんと顔を見合わせました。
あちら側のテーブルでは、オードブルが運ばれてきて、「会長、また、メトロポリタンTVに例の白骨死体の身元について心当たりの電話がさっきあったとか、やっぱり東京の人で。。。」どうやらプロデューサーらしき人が、笑〜に報告しています。「あっ。。。」笑〜は、こちらのテーブルをチラッとは見たものの。。「先だって、既にお兄さんという方がわざわざプルメリア島にお越しくださいました。その情報を下さった人とは。。。」「飲み屋。。。昔ホストだったみたいですね。今はホストクラブのオーナーです、なんかね、未成年で働いててそのせいで当時のオーナーが逮捕されて。。。で、オーナーにかなり可愛がられてたみたいなんですがね。。。オーナーの女を取っちゃった。。みたいですね。まぁ。。。しょうがないですよね。歳の離れた歳上男なんかより、
若い可愛い男の方がいいに決まってるしね。金持ってる女性ならね、なおさら、あっ、会長すいません、会長の事じゃなくって。。。その。。。」プロデューサーは、金を持ってる女と言って、おっとっとっと。。。と口をつむぎました。明らかに女神の笑〜は、人間や生物を遥かに凌駕する様なとんでもない桁外れの大富豪です。なんてったって神々だし。。。
どうやら。。。あの、プルメリア島の白骨死体発見事件の話をしているようで。。どうも、あらかた身元が割れてきたよう。。。「そうなの。。。やっぱり。。吾朗太さんは、ホストをやっていたのね。ウーン。。。未成年で。。ね。そう。。。」と笑〜が言うと、プロデューサーが、リリコ達の方を見て
「あっ、そうそうその電話してきたホストクラブのオーナー。。。あの青山奏も、昔チラッとだけホストクラブで一緒に臨時のアルバイトしてたみたいですよ。もう、若いオーナーだからする必要ないけどヘルプというか、ほんの少しだけ。
て、言うか。。。あの。。。」
プロデューサーは声を落として
リリコとオーガストさんは、またもや顔を見合わせてしまいました。そう、多分、青山奏の話題が出て、こっちをチラッと見て、オーガストさんが青山奏に似てるんじゃないか、そんな話をしてるな。。。そうだろうなぁ。。と、なんとなくあちらの空気がうっすら伝わる様に読めました。
すると、ヴィーナスは、
「だからね、私が以前オーガストさんに言ったのよ。。。はじめてオーガストさんの運転するハイヤーに乗って、え、運転手さん、あなた青山奏さんに似てませんかもしかして、身内の方お父さんか、なんかって。。そしたら後から隣の笑〜さんに怒られて。。。私は。。。知らなかったのよ。私は若いし。。青山奏さんの両親のエピソードを。。ただ有名人の青山奏さんの顔は知ってたから。。。青山奏氏は、シブいイケメンだし、成功者だし。。。世間話もあって、お褒めの言葉でそう言ったのよ。。でも、笑さんが、オーガストさんは確かに青山奏さんに似てるけど、お父さんのわけないじゃない。こんな紳士な方が、、って青山奏さんの生い立ちのエピソードを聞いたのよ。。。あー。そっか、そういう事か。。。身内の方だとか、お父さんみたいに言うのは失礼なんだってその時初めて知って。。。でも。。。単にシンプルに青山奏氏に似てますねー、は、だいたいの男性なら嬉しいはずよ。」
「ですねーあっちの方、パーフェクトサーズディのそっくりさんのコーナーにスカウトしませんか確かに、青山奏氏と親子ほど年齢的に離れてはいるけど、似てません会長、」プロデューサーが笑〜に言い始める。。。
さて。。。こちらは。。。うってかわり、東京都内。。。
あれは。。。あれは。。絶対に吾朗太だわ。。。
先日、掃除の仕事の住み込みで仕事が終わりチラッと部屋に戻って。。疲れて見るともなくTVをつければ。。。
パーフェクトサーズディ。。ああ、あの人気番組ね。。。
プルメリア島で発見された若いハリネズミの男性の白骨死体。。。
エミコ・デラックスという
霊能者という化け物並みに声が美しいラベンダー色のモンスターが、クリエイターにあれこれ指図して、グラフィックのモンタージュができあがる。。。
あっ
なんですって。。。あれは。。アレは。。あれは。。。
あれは吾朗太。。。
あの人。。。死んでたのね。。。どうりで私を追いかけて来ないはずだった。。。だけど。。。死んでた。。。って。。
あの人、逮捕されて出てきて。。。暫くして亡くなったの。。。長生きするようなタイプじゃないとは思うけど。。。
霊能者の言う事なんか、とそれまではそんなものは一切信じなかったのに。。
でも。。なぜかあの霊能者番組は、ホンモノだ、と確信する。。
そして。。。この世にはもう、あの人もいない事も。。。
でも。。。殴られたり蹴られたりお金を取られたり。。。勿論他に女はたくさんいたけど。。。
どうして涙が出てくるの私は他に男を作ってあの人の服役中に逃げたというのに。。。。
もう、私には失う物は何も無いわ。。。
新しい旦那も無くして。。。息子も交通事故で無くして。。それ以前に娘を捨ててしまったのよ。
現実に向き合う事が出来なくて娘を捨てて。。。
後悔してもしきれないし、償っても償い切れない。。。私なんか、子どもを持つ資格が無かったのよ。。
後悔も償いも今となっては。。。
ごめんね。。。純。。。
緋夏は、机に突っ伏して。。。
2021年06月23日
マリッジcelebration277時の流れを感じるままに。。。今。。
その日の夕方。。。
リリコが木蓮寺をおいとました後に、ベルモは、離れの自室で名刺ホルダーから一枚の名刺を取り出して、退庁されたかしら。。。まぁ、電話するだけしてみよう。
しかしながら、ベルモが電話しようとすると、ベルモの妹分のチワワのミーナとココナが襖を細っそりとコソッと開けて隙間から盗み見をしている。
はっベルモと目が合って二人は襖を閉めてコバエの様にどこかへ散っていきました。
あー、バカ。どうせ、冷蔵庫のヨーグルトを盗んで食べた事でしょう。ミーナやココナは、気まずい事をするとベルモの様子を伺ってチラッと覗きにきて目が合うとコバエの様に飛んでいく。。。そ、今回はベルモのヨーグルトを勝手に食べた事なんだろう。プリンやケーキを勝手に食べると全くの言い訳できないけど、ヨーグルトを勝手に食べるとアイツらは、
ウンコが出ていないウンコが出ないからヨーグルトを食べたヨーグルトは身体にいいから、薬だと思ったと泣きながらおバカな言い訳するだろう。
あれほど冷蔵庫の名前が書いてあるものは食べるなと再々口を酸っぱくして言ってるのに森沢家の
離れで濃紫婆さんとチワワのミーナとココナと暮らすベルモは、冷蔵庫に飲み物やお菓子など補充するのですが、名前の書いてあるものは個人のものだから食べると泥棒になると何度もチワワ達を叱ってもその場で反省するのみ。。、、
まぁ、今はともかくお仕置きは後で。ザコにかまっている場合ではないわ。。。
名刺の電話番号にベルモは電話を掛けました。
呼び出し音が鳴って。。。
「はい、伊集院です。」「三太夫さん、こんばんは。先日はありがとうございました。森沢ベルモでございます。今、お電話は大丈夫ですか」「あっ、ベルモさん。先日はありがとうございました、いやいや、こちらこそわざわざ弟の為に貴重なお時間をいただきご足労いただきまして。あの。。。少しならお話しできますが、なんか。。。吾朗太の問題で。。ございましたのでしょうか。。」
電話の向こうは、先日プルメリア警察署に、海で発見された白骨死体のTV公開のかなり特徴的なモンタージュを見て、これはウチの弟かもしれないとわざわざ東京からやってきた三太夫さんです。
「あの。。。ご多忙のおり、つかぬ事をお伺い致します。。三太夫さんと五郎太さんのご実家、三太夫さんが伊集院家様に里親に出るまでの剣崎家様は、男系なのでしょうか。。」三太夫さんは驚いて「えっ。。。」「女の子は産まれにくいとか、そういうのありますか」
「な、なんで、それを。ベルモさん。。私は中学校に上がる前に剣崎から伊集院家に養子に来ましたが。。。実家の剣崎家は代々、女の子ができても流産するか、産まれたと喜んでも幼くして亡くなるか。。。
婿養子で剣崎から外れた男性の子どもの女の子ですら、
成長したと喜んでもハタチ前後で若くして亡くなり女の子がうまく育たず夭折すると言われております。私本人そのものが、剣崎から外れて伊集院になりましたので、おかげさまで私は幸い娘が無事に成長しております。剣崎家は。。。代々ヤクザですからね、女性を騙したり売ったり愛人を作ったり、暴力を振るったりと女性から相当怨まれていると思いますよ。まぁ、剣崎の実のオヤジ、蓮気と本妻要も何回か女の子を流産していたらしく私たちは、本妻と私の母親で愛人の子ども5人全員男ですね。蓮気は、そんなの迷信だの、男さえいれば良いみたいに言ってたけど。本心では、やっぱり女の子も欲しかったと思うし。私を伊集院家に養子に出したのも、自分の血が繋がった女の子が欲しかったんじゃないでしょうか。男系の中に、なかなか産まれなかった女の子が産まれたって、あまり跡取り跡取りと言わない親子別々の今の時代に女系の中になかなか産まれなかった男の子が産まれたより、そりゃあ花が咲いたようなもんでしょう。」
三太夫さんの言葉に、思わずベルモは、木蓮幼稚園の副担任受け持ちクラス、ひよこ組の生徒のぴいなを思い出しました。
ひよこ組のボスのぴいなは、マルチーズの父親とブルドックの母親のハーフで、一番上の兄さんと20歳近く歳が離れていますが、ぴいな以外は全員兄で、両親がなかなか女の子が産まれなく諦めていた頃にやっとできた女の子で、
ブルドックの母親のマゼンダさんが、特に女の子を産む事に執着してぴいちゃんが、ぴいちゃんが、と些細な事で幼稚園に相談に来ますかと言って、モンスターペアレントではなくいい人なんだけど。。。
ぴいなの兄達四人は、三男、四男の妊娠時には、さすがに上ふたりが男の子だし、早く女の子が欲しい、どうしても欲しいと
マゼンダさんは妊娠すると、まだまだ女の子か男の子か性別がわからないうちから、ピンクの洋服や女の子用の赤ちゃんの用具やオモチャを買いはじめ、女の子に決まってると言い始めたのでした。
旦那さんが、「まだ、性別がわからないし健康なで元気なら男の子でもいいじゃないか、ピンクじゃなくて、どっちの性別でもいいようにせめて白とか、黄色い服にしよう。」というと、マゼンダさんは、「ほらほら、女の子は男の子みたいな服や青や黒を着せても可愛いけど、男の子はスカートもはけないし、ピンクも変よ。。最初から男の子なんて言うのはやめて。もう男の子はいい。。」と周りが止めようとピンクや赤の女の子ようの服を買ってきます。
しかしながら、旦那さんの弁護士のメルセデスさんは、自分も男ばかりの兄弟で男系なので、最初マゼンダさんに、男系を理由に結婚を断られて
やっとのことマゼンダさんに結婚して貰った立場であまり強い事を言えません。マゼンダさんもマゼンダさんで。。。上2人兄と下に弟で、両親がやっと授かった待望の女の子として産まれて、末っ子の弟が産まれる時は両親とも張り切ってピンクの服を買いまくって、また男の子が産まれてガッカリ。。。妹が欲しい妹が欲しいお兄ちゃんばっかりでヤダと親にねだって、親もマゼンダが産まれたからまた女の子が産まれるのではないかと期待しましたが、やっぱり男の子で。
女の子が産まれにくい家系のマゼンダさんは、明らかに男系の男兄弟ばかりのメルセデスさんをフりましたが諦めきれないメルセデスさんは、マゼンダさんは専業主婦でいいし、
女の子が産まれるまで何人でも子供はきちんと席に持って養うからという約束でやっと結婚してもらえたらしいし。。。贅沢を言ってはバチが当たるけれど非難集中かもしれないけど。。。やっぱり女の子が欲しい。。
ベルモも、
まぁ。。。木蓮寺の和尚夫人の紫子夫人も、女の子を産んどいて良かったわー末っ子の紅子が女の子で良かった。とよく言っている。紅子さんは嫁いで近所に住んで木蓮幼稚園も手伝ってるし、上2人の息子たちより頼りになる。ベルモも、性別不明で木蓮寺に拾われてきたけど、一方的に女の子として育てられてきた。それに文句はないし。チワワのミーナやココナは女の子だけど、あの子達が来る前に里子を迎えようかみんなで相談しあった時も、濃紫婆さんも紫子夫人も、里親なら女の子がいいって言うし。。。木蓮和尚からは、幼稚園見学に親と一緒に
性別の判らない赤ちゃんが来たら、女の子ですかと言いなさい、と言われていました。男の子ももちろん可愛いけれど、女の子に対して男の子ですかと言うと親は気を悪くするが、男の子に対して女の子ですかと言って間違えても、あんまり可愛いので女の子かと思いましたよーとごまかせるからです。
ベルモは。。。女の子がいいって。。なかなか
思うところあるなぁと思いながら、「代々男性が早死にするとか、男性が育たない呪われた家系って聞いた事がありますが。。。女の子が呪われた家系ってあるんですね。。。」「まぁ、昔は、一般家庭でも跡取りにこだわる家があったでしょうから。。。男の子が育たない呪いや恨み、ってあるのかもしれませんね。私はそういうのは、呪いや霊だの。。ちょっとわかりませんが。。。ただ、あのタクシーの運転手さんが、うちの弟の霊を見たとか、ベルモさんが吾朗太の霊を見たとかは、信じたいと思ってます。
でも、いまは、親と子どもとは別々の生活が当たり前だし、うちは女も男も両方ともいてバチが当たるけど、世の中、女の子が欲しい人の方が多いんじゃないですかねー。結婚ともなると、息子はお嫁さんとの関係がめんどくさいし。和久さん。。あ、ダイヤさんちもあれでしょ、女の子だからって甘やかされたみたいな事をこないだプルメリア署で言ってましたもんね。。。しかし、ベルモさん、あの、なんかうちの家系の事がなにか。。問題でも。。。」「問題。。。というか、あの、吾朗太さんに、、、ただ、子どもはいなかったのかなと。。。考えたり。。。」「どうなんでしょうね。吾朗太は、昔から女性関係が派手でしたからね。。私も伊集院家に養子に出てから心配でしばらくは。。家庭教師のアルバイト代で弟の素行調査を依頼したりしてましたが。、、弟は弟の人生だと割り切りました。あ、すみません、仕事に戻らなきゃ、ベルモさん、またなにか有ればお電話か、メールでも入れてくださいね、」
「ありがとうございました、お手間取らせてすみませんでした。。。」ベルモが電話を切ると。。。
窓の外をふと、見ると今度はチワワではなく、
吾朗太さんが戻ってきて吾朗太さんと目が合ってしまいました。
「ふわっ。。。」窓が開いていましたし、さっきまで電話で話題になっていた人が急に目の前に現れたのでベルモは思わず変な声を出してしまいました。
「キモ変な声出して。。。お前誰に電話してたんだ」と、吾朗太さんが睨んでくるので、なんとなく吾朗太さんのお兄さんの三太夫さんだと言うのがきまずく。。。「ほ、保護者相談よ。幼稚園の生徒さんの。。プライバシーよ。。」
「ガキなんかどうでもいいだろ。お前のクラスはどうせ甘やかされてる毛玉みたいな奴ばっかりだし。」「な、なによ。そんな悪口ウチの生徒はみんなお利口さんよ」ベルモがカチンときて言い返すと、「それでさ、お前のクラスにはいないかもしれないけど、耳の垂れたマシな犬がいるだろ、茶色と白や黒の、毛玉達みたいにアホみたいな感じじゃなくってよぉ」「毛玉、毛玉ってなによ。ましな犬。。って、耳が垂れてって。。。あっ、ベーグルかしら、三色ぐらいで。。ウチのクラスにもベーグルはいるわよ。ピスタチオ君。。。」「食いもんの話をしてるんじゃねーぞ、腹減らんからなんも買わんけど、暇潰しにフラフラコンビニや、店に行く事があるけど、ベーグルもピスタチオも食いもんだろうに。食いもんの話ばっかりで、だからお前はデブなんだ」
吾朗太さんの言葉にベルモは、はっとして。。。
「あ、あっ、ベーグルじゃない、ビール、ビーグルだった。。。。ピスタチオは、ピスタチオって名前だから仕方がないわよ。」「その、ビーグルの飲み屋のにいちゃんと、連れのコギツネの飲み屋のにいちゃんが、マヒルだとかなんとか言ってて。。。プルメリア港の近くの。。。お前、マヒルって名前になんか、心あたりねーか多分、男だと思う。。」
「吾朗太さん、なんか、思い出したの。。。」「思い出してないけど。。。マヒルって名前に、なんかよくわからないけど。。モヤモヤモヤモヤして。。。ビーグルのにいちゃんは、熱帯魚かなんかって、名前の女を相手にする飲み屋で、あー、イケメンのにいちゃん達が、金になるタイプの、女が金を払ってもいいというか、払う価値がある男が働いてる様な店。。俺も生きてりゃ働いてやるけどよ。で、そのビーグルのにいちゃん、
そういう店の割には、、、あれはどう見ても賢いな。なんでそんな事やってんだろう普通はあの人の年齢なら、大学行ってるだろうどう考えてもあのにいちゃんは、いい大学行ってもおかしくないって感じな。。。って思ったら、ビーグルのにいちゃんは、どうも家がやばいらしい。親がおかしいってやつ。。。
そのにいちゃんは、賢そうだけど、連れはそうでもない。コギツネはいい男だけどチャラいな。けど。。奴らは仲はいい。。ハタチ前後ぐらいで。。都会のカッコいいモテそうなにいちゃん。。。そいつらが、マヒルって言ってて。。。」
「ね、熱帯魚飲み屋のあっ、それって、ホストクラブ熱帯夜じゃない」ベルモが言うと、「あ、そうそう、そんな感じ、熱帯魚じゃなくて熱帯夜。。。なんだ、お前ガキのくせに詳しいな。所詮はお前も女、イケメンのにいちゃんには弱いのかま、俺にもよく話しかけてくるしなぁ。」吾朗太さんがベルモをからかうと。。
「馬鹿ねーあたしがホストクラブに興味あるわけないでしょう。イケメンでも金持ちでも、彼氏なんかウザイし結婚なんかしないわよ。
ホストに入れ上げてお寺の人生相談に来る人がいるし、プルメリア島にあるホストクラブなら熱帯夜って名前ぐらい知ってるわよ。あっ、もしかしてベーグルって駿栄さんじゃない、メガネで、品のいいイケメンでしょ。家がやばいって、駿栄さん東京の親がやばくて逃げてきたみたいだし。コギツネさんの方は知らないけど。。。」
「だから、さっきから、ベーグルってなんだよービーグルだろ、そ、メガネの、確か駿栄って言ってた、駿栄とか流星とか、って。。。お前、知り合いなのか。。。」
吾朗太さんに
知り合いなのかと聞かれたベルモ。。。
毒親のもと
東京から逃げて行方不明になりプルメリア島でホストになった駿栄、東京からプルメリア島の近くの神楽町市に進学してきた駿栄の幼なじみの純ちゃんに見つかり、木蓮寺で駿栄と純ちゃんは話し合いをしました。
そう。。。純ちゃん。。
もしかしたら、この吾朗太さんの娘さんである可能性がある。。。
はっ
だけど、そのことは、さすがに吾朗太さんには言えません。だって、吾朗太さんは生前逮捕され札幌で服役していた時に純ちゃんが産まれて、吾朗太さん服役中に奥さんの緋夏さんは逃げました。
吾朗太さんは、緋夏さんが妊娠していた事を知らないでしょう。
確かにもう、吾朗太さんは幽霊で亡くなっていて、生前の記憶もありませんが。。
いま。。。ここで
純ちゃんが。。純ちゃんが吾朗太さんか、緋夏さんの新しい旦那さんの俊さんかどちらの子どもかわからない
なんて事は、本人を目の前にして言えない
純ちゃんの話しは伏せて
「駿栄さんは、東京から家出してきたみたいで、ウチのお寺に相談しに来たから、ホストクラブの名刺を置いていったと思うわ。私も貰ったと思うから。。。名刺ホルダーから探して、、、ちょっと聞いてみるわ。。。私も協力するんだからあんまりギャアギャア言わない事ね。駿栄さんから相談を受けた時に、駿栄さんの守護霊の話をしたら、まじめに駿栄さんは聞いてとから。。。幽霊のあなたの話をしても、幽霊の話をするなんて頭がおかしいとか思わないはずだわ。幽霊なんて言って、頭のおかしい人みたいに偏見を持たず幽霊の話を話せる人は、いいわよ。幽霊を信じない人に幽霊の話を真剣にすれば、
幽霊うんぬんやどころか、私がバケモノみたいに思われるし。
でも、案外、若い人って怪談が好きな人多いのよ。。。」
「そりゃまぁ。太ったおデブなインベーダーなんかバケモノみたいなもんじゃねーかよ。」吾朗太さんがベルモをからかうのでベルモはむっ。。。としましたが。。。
でも。。。もしかしたら、吾朗太さんには、協力してもらわねばいけなくなる可能性もあるわ。。。でも。。。そんな。。。
純ちゃんの父親である可能性。。。純ちゃんの本物の父親が、純ちゃんに嫌がらせをすれば
純ちゃんの生命は助かるんだって。。。
俊さんか。。。吾朗太さんか。。。純ちゃんの性格からしたら確実に俊さんが実の父親なんじゃないかとは思ってたけど。。
でも。。。
悩ましいベルモ。憎まれ口を叩いたのにベルモが無反応で、吾朗太さんは拍子抜けします。「調子狂うわ。」吾朗太さんはちぇっと言ってどこかへ行ってしまいました。
ちょうど、その時に、ベルモのスマホが鳴り
あっベルモの三つ子のきょうだいの美術家の先生ヴィーナスです。三つ子のうちヴィーナスだけは、プルメリア島ではなく、島から北側の陸地神楽町市の港町に住んでいます。
ベルモがスマホに出ると、「お久しぶりってわけじゃないけど、月一回の次はいつ。。。」と突然ヴィーナスが言い出すので、
ベルモが
「月、月一回って。。あ、あのねー、幾ら私がおデブだからってまだ4歳よそんなものあるわけないじゃないの。幾ら耳年増って言われても。。」
「は何言ってんだ、。。アタシは。。耳掃除の次回の予定を聞いてるのに。。いったいアンタは何をどう勘違い。。」
「えー。。。あ、あそう、月に一回ってあのアレ。。女の人の生理の話かと思ったわそれにしても、耳掃除って最近耳掃除に来たばっかりでしょうに。まだまだ先のことなのに。。。あんたも好きねぇ。」
ヴィーナスは、月に一度木蓮寺の人々の耳掃除にやってきます。ヴィーナスは、とにかく耳掃除マニアで、ベルモやチワワのミーナやココナが、耳掃除のしがいがある耳垢で終わってもまたすぐに次の予約日はいつなのか、一か月ぐらいは期間を空けないといけないのですが、その先の予約をいつなのか、としつこく聞いてきます。「いいじゃないの、先のことでも立て続けに予定を入れられるとのびのびになるし。それより、今日は木蓮寺のお守りの真珠の話で福ちゃんが木蓮寺に行ったみたいね。」ヴィーナスが言うと、
ベルモが、
「ちょうど、ウチの取材の新聞記者さんが東京からみえて、貸切のタクシードライバーさんも一緒だったし、福ちゃんも一緒にウチでランチしてたわよ。今度耳掃除にヴィーナスが来るって言ったら、また和尚が夜に腕を振るうんじゃない。料理狂いのオモテナシマニアだし。また、その時は時間が合えば福ちゃんやシュナ坊やグリちゃんも連れてきたらいいじゃん。ね、そうそう。。。話しは変わるんだけど。。ちょっと。。。相談があってさ。。」
「相談珍しいわね。ベルモ、あんたっていつも相談される側で相談するって事があるんだ。。。」ヴィーナスが意外にもなように驚くと
「純ちゃんの事でね。。。」「純ちゃんまぁ、いろいろ南風のマスターともお母さんともあったけど立ち直ったんじゃないの。。。スッキリふっきれたみたいに元気そうだったけど、最近会ってないわ。。。学校でも忙しいのかしら、」ヴィーナスが言うと。。
「いまは、純ちゃんは、東京の渋谷に帰省してるわよ。ほら、純ちゃん、もしかしたら南風のマスターのお父さんの俊さんの娘の可能性もあるし。。。。って事で純ちゃんマスターと別れたんだけど。。。純ちゃんの実の母親緋夏さんの元旦那さんの吾朗太さんの娘さんでもあるかもしれないって。。。ヴィーナス、あんたがプルメリア港で見つけた白骨死体の男性ね。。。」
「あー。。。あのチンピラ、って言ったら悪いけどナイナイ、あの人が純ちゃんのパパってそりゃないでしょうモンタージュで確かに顔は可愛いけどさだけど、緋夏さんの裁判とかで元旦那さんの吾朗太さんは行方不明だが、暴力や浮気、ヒモ、とんでもないチンピラだったみたいじゃない。そんなのあんなおっとりしたいい子の純ちゃんのパパのわけないでしょうに。。」
「そう。。。やっぱりヴィーナスも。。。そうやって思うのね。。。」
「えっ。。。ベルモ。。。ベルモは、、どう思ってるの。。。まさか、あんないい子、純ちゃんのパパが、刑務所に入ったりチンピラしたり、
女を泣かせたりって。。そっちの方の男だって言うの」ヴィーナスが問い詰める。。。
ベルモは。。。「あたしは。。。。。。」
リリコが木蓮寺をおいとました後に、ベルモは、離れの自室で名刺ホルダーから一枚の名刺を取り出して、退庁されたかしら。。。まぁ、電話するだけしてみよう。
しかしながら、ベルモが電話しようとすると、ベルモの妹分のチワワのミーナとココナが襖を細っそりとコソッと開けて隙間から盗み見をしている。
はっベルモと目が合って二人は襖を閉めてコバエの様にどこかへ散っていきました。
あー、バカ。どうせ、冷蔵庫のヨーグルトを盗んで食べた事でしょう。ミーナやココナは、気まずい事をするとベルモの様子を伺ってチラッと覗きにきて目が合うとコバエの様に飛んでいく。。。そ、今回はベルモのヨーグルトを勝手に食べた事なんだろう。プリンやケーキを勝手に食べると全くの言い訳できないけど、ヨーグルトを勝手に食べるとアイツらは、
ウンコが出ていないウンコが出ないからヨーグルトを食べたヨーグルトは身体にいいから、薬だと思ったと泣きながらおバカな言い訳するだろう。
あれほど冷蔵庫の名前が書いてあるものは食べるなと再々口を酸っぱくして言ってるのに森沢家の
離れで濃紫婆さんとチワワのミーナとココナと暮らすベルモは、冷蔵庫に飲み物やお菓子など補充するのですが、名前の書いてあるものは個人のものだから食べると泥棒になると何度もチワワ達を叱ってもその場で反省するのみ。。、、
まぁ、今はともかくお仕置きは後で。ザコにかまっている場合ではないわ。。。
名刺の電話番号にベルモは電話を掛けました。
呼び出し音が鳴って。。。
「はい、伊集院です。」「三太夫さん、こんばんは。先日はありがとうございました。森沢ベルモでございます。今、お電話は大丈夫ですか」「あっ、ベルモさん。先日はありがとうございました、いやいや、こちらこそわざわざ弟の為に貴重なお時間をいただきご足労いただきまして。あの。。。少しならお話しできますが、なんか。。。吾朗太の問題で。。ございましたのでしょうか。。」
電話の向こうは、先日プルメリア警察署に、海で発見された白骨死体のTV公開のかなり特徴的なモンタージュを見て、これはウチの弟かもしれないとわざわざ東京からやってきた三太夫さんです。
「あの。。。ご多忙のおり、つかぬ事をお伺い致します。。三太夫さんと五郎太さんのご実家、三太夫さんが伊集院家様に里親に出るまでの剣崎家様は、男系なのでしょうか。。」三太夫さんは驚いて「えっ。。。」「女の子は産まれにくいとか、そういうのありますか」
「な、なんで、それを。ベルモさん。。私は中学校に上がる前に剣崎から伊集院家に養子に来ましたが。。。実家の剣崎家は代々、女の子ができても流産するか、産まれたと喜んでも幼くして亡くなるか。。。
婿養子で剣崎から外れた男性の子どもの女の子ですら、
成長したと喜んでもハタチ前後で若くして亡くなり女の子がうまく育たず夭折すると言われております。私本人そのものが、剣崎から外れて伊集院になりましたので、おかげさまで私は幸い娘が無事に成長しております。剣崎家は。。。代々ヤクザですからね、女性を騙したり売ったり愛人を作ったり、暴力を振るったりと女性から相当怨まれていると思いますよ。まぁ、剣崎の実のオヤジ、蓮気と本妻要も何回か女の子を流産していたらしく私たちは、本妻と私の母親で愛人の子ども5人全員男ですね。蓮気は、そんなの迷信だの、男さえいれば良いみたいに言ってたけど。本心では、やっぱり女の子も欲しかったと思うし。私を伊集院家に養子に出したのも、自分の血が繋がった女の子が欲しかったんじゃないでしょうか。男系の中に、なかなか産まれなかった女の子が産まれたって、あまり跡取り跡取りと言わない親子別々の今の時代に女系の中になかなか産まれなかった男の子が産まれたより、そりゃあ花が咲いたようなもんでしょう。」
三太夫さんの言葉に、思わずベルモは、木蓮幼稚園の副担任受け持ちクラス、ひよこ組の生徒のぴいなを思い出しました。
ひよこ組のボスのぴいなは、マルチーズの父親とブルドックの母親のハーフで、一番上の兄さんと20歳近く歳が離れていますが、ぴいな以外は全員兄で、両親がなかなか女の子が産まれなく諦めていた頃にやっとできた女の子で、
ブルドックの母親のマゼンダさんが、特に女の子を産む事に執着してぴいちゃんが、ぴいちゃんが、と些細な事で幼稚園に相談に来ますかと言って、モンスターペアレントではなくいい人なんだけど。。。
ぴいなの兄達四人は、三男、四男の妊娠時には、さすがに上ふたりが男の子だし、早く女の子が欲しい、どうしても欲しいと
マゼンダさんは妊娠すると、まだまだ女の子か男の子か性別がわからないうちから、ピンクの洋服や女の子用の赤ちゃんの用具やオモチャを買いはじめ、女の子に決まってると言い始めたのでした。
旦那さんが、「まだ、性別がわからないし健康なで元気なら男の子でもいいじゃないか、ピンクじゃなくて、どっちの性別でもいいようにせめて白とか、黄色い服にしよう。」というと、マゼンダさんは、「ほらほら、女の子は男の子みたいな服や青や黒を着せても可愛いけど、男の子はスカートもはけないし、ピンクも変よ。。最初から男の子なんて言うのはやめて。もう男の子はいい。。」と周りが止めようとピンクや赤の女の子ようの服を買ってきます。
しかしながら、旦那さんの弁護士のメルセデスさんは、自分も男ばかりの兄弟で男系なので、最初マゼンダさんに、男系を理由に結婚を断られて
やっとのことマゼンダさんに結婚して貰った立場であまり強い事を言えません。マゼンダさんもマゼンダさんで。。。上2人兄と下に弟で、両親がやっと授かった待望の女の子として産まれて、末っ子の弟が産まれる時は両親とも張り切ってピンクの服を買いまくって、また男の子が産まれてガッカリ。。。妹が欲しい妹が欲しいお兄ちゃんばっかりでヤダと親にねだって、親もマゼンダが産まれたからまた女の子が産まれるのではないかと期待しましたが、やっぱり男の子で。
女の子が産まれにくい家系のマゼンダさんは、明らかに男系の男兄弟ばかりのメルセデスさんをフりましたが諦めきれないメルセデスさんは、マゼンダさんは専業主婦でいいし、
女の子が産まれるまで何人でも子供はきちんと席に持って養うからという約束でやっと結婚してもらえたらしいし。。。贅沢を言ってはバチが当たるけれど非難集中かもしれないけど。。。やっぱり女の子が欲しい。。
ベルモも、
まぁ。。。木蓮寺の和尚夫人の紫子夫人も、女の子を産んどいて良かったわー末っ子の紅子が女の子で良かった。とよく言っている。紅子さんは嫁いで近所に住んで木蓮幼稚園も手伝ってるし、上2人の息子たちより頼りになる。ベルモも、性別不明で木蓮寺に拾われてきたけど、一方的に女の子として育てられてきた。それに文句はないし。チワワのミーナやココナは女の子だけど、あの子達が来る前に里子を迎えようかみんなで相談しあった時も、濃紫婆さんも紫子夫人も、里親なら女の子がいいって言うし。。。木蓮和尚からは、幼稚園見学に親と一緒に
性別の判らない赤ちゃんが来たら、女の子ですかと言いなさい、と言われていました。男の子ももちろん可愛いけれど、女の子に対して男の子ですかと言うと親は気を悪くするが、男の子に対して女の子ですかと言って間違えても、あんまり可愛いので女の子かと思いましたよーとごまかせるからです。
ベルモは。。。女の子がいいって。。なかなか
思うところあるなぁと思いながら、「代々男性が早死にするとか、男性が育たない呪われた家系って聞いた事がありますが。。。女の子が呪われた家系ってあるんですね。。。」「まぁ、昔は、一般家庭でも跡取りにこだわる家があったでしょうから。。。男の子が育たない呪いや恨み、ってあるのかもしれませんね。私はそういうのは、呪いや霊だの。。ちょっとわかりませんが。。。ただ、あのタクシーの運転手さんが、うちの弟の霊を見たとか、ベルモさんが吾朗太の霊を見たとかは、信じたいと思ってます。
でも、いまは、親と子どもとは別々の生活が当たり前だし、うちは女も男も両方ともいてバチが当たるけど、世の中、女の子が欲しい人の方が多いんじゃないですかねー。結婚ともなると、息子はお嫁さんとの関係がめんどくさいし。和久さん。。あ、ダイヤさんちもあれでしょ、女の子だからって甘やかされたみたいな事をこないだプルメリア署で言ってましたもんね。。。しかし、ベルモさん、あの、なんかうちの家系の事がなにか。。問題でも。。。」「問題。。。というか、あの、吾朗太さんに、、、ただ、子どもはいなかったのかなと。。。考えたり。。。」「どうなんでしょうね。吾朗太は、昔から女性関係が派手でしたからね。。私も伊集院家に養子に出てから心配でしばらくは。。家庭教師のアルバイト代で弟の素行調査を依頼したりしてましたが。、、弟は弟の人生だと割り切りました。あ、すみません、仕事に戻らなきゃ、ベルモさん、またなにか有ればお電話か、メールでも入れてくださいね、」
「ありがとうございました、お手間取らせてすみませんでした。。。」ベルモが電話を切ると。。。
窓の外をふと、見ると今度はチワワではなく、
吾朗太さんが戻ってきて吾朗太さんと目が合ってしまいました。
「ふわっ。。。」窓が開いていましたし、さっきまで電話で話題になっていた人が急に目の前に現れたのでベルモは思わず変な声を出してしまいました。
「キモ変な声出して。。。お前誰に電話してたんだ」と、吾朗太さんが睨んでくるので、なんとなく吾朗太さんのお兄さんの三太夫さんだと言うのがきまずく。。。「ほ、保護者相談よ。幼稚園の生徒さんの。。プライバシーよ。。」
「ガキなんかどうでもいいだろ。お前のクラスはどうせ甘やかされてる毛玉みたいな奴ばっかりだし。」「な、なによ。そんな悪口ウチの生徒はみんなお利口さんよ」ベルモがカチンときて言い返すと、「それでさ、お前のクラスにはいないかもしれないけど、耳の垂れたマシな犬がいるだろ、茶色と白や黒の、毛玉達みたいにアホみたいな感じじゃなくってよぉ」「毛玉、毛玉ってなによ。ましな犬。。って、耳が垂れてって。。。あっ、ベーグルかしら、三色ぐらいで。。ウチのクラスにもベーグルはいるわよ。ピスタチオ君。。。」「食いもんの話をしてるんじゃねーぞ、腹減らんからなんも買わんけど、暇潰しにフラフラコンビニや、店に行く事があるけど、ベーグルもピスタチオも食いもんだろうに。食いもんの話ばっかりで、だからお前はデブなんだ」
吾朗太さんの言葉にベルモは、はっとして。。。
「あ、あっ、ベーグルじゃない、ビール、ビーグルだった。。。。ピスタチオは、ピスタチオって名前だから仕方がないわよ。」「その、ビーグルの飲み屋のにいちゃんと、連れのコギツネの飲み屋のにいちゃんが、マヒルだとかなんとか言ってて。。。プルメリア港の近くの。。。お前、マヒルって名前になんか、心あたりねーか多分、男だと思う。。」
「吾朗太さん、なんか、思い出したの。。。」「思い出してないけど。。。マヒルって名前に、なんかよくわからないけど。。モヤモヤモヤモヤして。。。ビーグルのにいちゃんは、熱帯魚かなんかって、名前の女を相手にする飲み屋で、あー、イケメンのにいちゃん達が、金になるタイプの、女が金を払ってもいいというか、払う価値がある男が働いてる様な店。。俺も生きてりゃ働いてやるけどよ。で、そのビーグルのにいちゃん、
そういう店の割には、、、あれはどう見ても賢いな。なんでそんな事やってんだろう普通はあの人の年齢なら、大学行ってるだろうどう考えてもあのにいちゃんは、いい大学行ってもおかしくないって感じな。。。って思ったら、ビーグルのにいちゃんは、どうも家がやばいらしい。親がおかしいってやつ。。。
そのにいちゃんは、賢そうだけど、連れはそうでもない。コギツネはいい男だけどチャラいな。けど。。奴らは仲はいい。。ハタチ前後ぐらいで。。都会のカッコいいモテそうなにいちゃん。。。そいつらが、マヒルって言ってて。。。」
「ね、熱帯魚飲み屋のあっ、それって、ホストクラブ熱帯夜じゃない」ベルモが言うと、「あ、そうそう、そんな感じ、熱帯魚じゃなくて熱帯夜。。。なんだ、お前ガキのくせに詳しいな。所詮はお前も女、イケメンのにいちゃんには弱いのかま、俺にもよく話しかけてくるしなぁ。」吾朗太さんがベルモをからかうと。。
「馬鹿ねーあたしがホストクラブに興味あるわけないでしょう。イケメンでも金持ちでも、彼氏なんかウザイし結婚なんかしないわよ。
ホストに入れ上げてお寺の人生相談に来る人がいるし、プルメリア島にあるホストクラブなら熱帯夜って名前ぐらい知ってるわよ。あっ、もしかしてベーグルって駿栄さんじゃない、メガネで、品のいいイケメンでしょ。家がやばいって、駿栄さん東京の親がやばくて逃げてきたみたいだし。コギツネさんの方は知らないけど。。。」
「だから、さっきから、ベーグルってなんだよービーグルだろ、そ、メガネの、確か駿栄って言ってた、駿栄とか流星とか、って。。。お前、知り合いなのか。。。」
吾朗太さんに
知り合いなのかと聞かれたベルモ。。。
毒親のもと
東京から逃げて行方不明になりプルメリア島でホストになった駿栄、東京からプルメリア島の近くの神楽町市に進学してきた駿栄の幼なじみの純ちゃんに見つかり、木蓮寺で駿栄と純ちゃんは話し合いをしました。
そう。。。純ちゃん。。
もしかしたら、この吾朗太さんの娘さんである可能性がある。。。
はっ
だけど、そのことは、さすがに吾朗太さんには言えません。だって、吾朗太さんは生前逮捕され札幌で服役していた時に純ちゃんが産まれて、吾朗太さん服役中に奥さんの緋夏さんは逃げました。
吾朗太さんは、緋夏さんが妊娠していた事を知らないでしょう。
確かにもう、吾朗太さんは幽霊で亡くなっていて、生前の記憶もありませんが。。
いま。。。ここで
純ちゃんが。。純ちゃんが吾朗太さんか、緋夏さんの新しい旦那さんの俊さんかどちらの子どもかわからない
なんて事は、本人を目の前にして言えない
純ちゃんの話しは伏せて
「駿栄さんは、東京から家出してきたみたいで、ウチのお寺に相談しに来たから、ホストクラブの名刺を置いていったと思うわ。私も貰ったと思うから。。。名刺ホルダーから探して、、、ちょっと聞いてみるわ。。。私も協力するんだからあんまりギャアギャア言わない事ね。駿栄さんから相談を受けた時に、駿栄さんの守護霊の話をしたら、まじめに駿栄さんは聞いてとから。。。幽霊のあなたの話をしても、幽霊の話をするなんて頭がおかしいとか思わないはずだわ。幽霊なんて言って、頭のおかしい人みたいに偏見を持たず幽霊の話を話せる人は、いいわよ。幽霊を信じない人に幽霊の話を真剣にすれば、
幽霊うんぬんやどころか、私がバケモノみたいに思われるし。
でも、案外、若い人って怪談が好きな人多いのよ。。。」
「そりゃまぁ。太ったおデブなインベーダーなんかバケモノみたいなもんじゃねーかよ。」吾朗太さんがベルモをからかうのでベルモはむっ。。。としましたが。。。
でも。。。もしかしたら、吾朗太さんには、協力してもらわねばいけなくなる可能性もあるわ。。。でも。。。そんな。。。
純ちゃんの父親である可能性。。。純ちゃんの本物の父親が、純ちゃんに嫌がらせをすれば
純ちゃんの生命は助かるんだって。。。
俊さんか。。。吾朗太さんか。。。純ちゃんの性格からしたら確実に俊さんが実の父親なんじゃないかとは思ってたけど。。
でも。。。
悩ましいベルモ。憎まれ口を叩いたのにベルモが無反応で、吾朗太さんは拍子抜けします。「調子狂うわ。」吾朗太さんはちぇっと言ってどこかへ行ってしまいました。
ちょうど、その時に、ベルモのスマホが鳴り
あっベルモの三つ子のきょうだいの美術家の先生ヴィーナスです。三つ子のうちヴィーナスだけは、プルメリア島ではなく、島から北側の陸地神楽町市の港町に住んでいます。
ベルモがスマホに出ると、「お久しぶりってわけじゃないけど、月一回の次はいつ。。。」と突然ヴィーナスが言い出すので、
ベルモが
「月、月一回って。。あ、あのねー、幾ら私がおデブだからってまだ4歳よそんなものあるわけないじゃないの。幾ら耳年増って言われても。。」
「は何言ってんだ、。。アタシは。。耳掃除の次回の予定を聞いてるのに。。いったいアンタは何をどう勘違い。。」
「えー。。。あ、あそう、月に一回ってあのアレ。。女の人の生理の話かと思ったわそれにしても、耳掃除って最近耳掃除に来たばっかりでしょうに。まだまだ先のことなのに。。。あんたも好きねぇ。」
ヴィーナスは、月に一度木蓮寺の人々の耳掃除にやってきます。ヴィーナスは、とにかく耳掃除マニアで、ベルモやチワワのミーナやココナが、耳掃除のしがいがある耳垢で終わってもまたすぐに次の予約日はいつなのか、一か月ぐらいは期間を空けないといけないのですが、その先の予約をいつなのか、としつこく聞いてきます。「いいじゃないの、先のことでも立て続けに予定を入れられるとのびのびになるし。それより、今日は木蓮寺のお守りの真珠の話で福ちゃんが木蓮寺に行ったみたいね。」ヴィーナスが言うと、
ベルモが、
「ちょうど、ウチの取材の新聞記者さんが東京からみえて、貸切のタクシードライバーさんも一緒だったし、福ちゃんも一緒にウチでランチしてたわよ。今度耳掃除にヴィーナスが来るって言ったら、また和尚が夜に腕を振るうんじゃない。料理狂いのオモテナシマニアだし。また、その時は時間が合えば福ちゃんやシュナ坊やグリちゃんも連れてきたらいいじゃん。ね、そうそう。。。話しは変わるんだけど。。ちょっと。。。相談があってさ。。」
「相談珍しいわね。ベルモ、あんたっていつも相談される側で相談するって事があるんだ。。。」ヴィーナスが意外にもなように驚くと
「純ちゃんの事でね。。。」「純ちゃんまぁ、いろいろ南風のマスターともお母さんともあったけど立ち直ったんじゃないの。。。スッキリふっきれたみたいに元気そうだったけど、最近会ってないわ。。。学校でも忙しいのかしら、」ヴィーナスが言うと。。
「いまは、純ちゃんは、東京の渋谷に帰省してるわよ。ほら、純ちゃん、もしかしたら南風のマスターのお父さんの俊さんの娘の可能性もあるし。。。。って事で純ちゃんマスターと別れたんだけど。。。純ちゃんの実の母親緋夏さんの元旦那さんの吾朗太さんの娘さんでもあるかもしれないって。。。ヴィーナス、あんたがプルメリア港で見つけた白骨死体の男性ね。。。」
「あー。。。あのチンピラ、って言ったら悪いけどナイナイ、あの人が純ちゃんのパパってそりゃないでしょうモンタージュで確かに顔は可愛いけどさだけど、緋夏さんの裁判とかで元旦那さんの吾朗太さんは行方不明だが、暴力や浮気、ヒモ、とんでもないチンピラだったみたいじゃない。そんなのあんなおっとりしたいい子の純ちゃんのパパのわけないでしょうに。。」
「そう。。。やっぱりヴィーナスも。。。そうやって思うのね。。。」
「えっ。。。ベルモ。。。ベルモは、、どう思ってるの。。。まさか、あんないい子、純ちゃんのパパが、刑務所に入ったりチンピラしたり、
女を泣かせたりって。。そっちの方の男だって言うの」ヴィーナスが問い詰める。。。
ベルモは。。。「あたしは。。。。。。」
2021年06月15日
マリッジcelebration276それって。。。つまり、どういうこと???
「あっ。。。あ、その。。。」
まさか。。。青山のおじさんからいきなりオーガストさんの事を聞いてくるなんて。流星こと駿栄は、青山奏氏が、いったいオーガストさんをどうとらえているのか読めなかったので戸惑うばかりでした。「ミーシャから聞いたんだけど。タクシードライバーやってる男性が、どうも俺の父親なんじゃないかって駿ちゃんが気づいたみたいだって。。。リリコちゃんから連絡があったってミーシャが言ってたんだけど。。。」「あ、ああ、うん。。同僚と掃除当番で遅くなって。。マネージャーやボーイさんが先に帰ってるから送迎無いし、飲むし、車通勤しないから二人でタクシーで帰る事にしたんだ。で、店の近くで朝方タクシー拾ったら、ちょうど名刺にオーガストって書いてあって、プレゼンスタクシーなんだけど、社員の番号があるみたいで、それに24番って書いてあったから、同僚の饗に、これさ、オーガスト24って、僕らの誕生日じゃん。って喋ってたから、そしたら、ドライバーさんが、あなたたちも8月24日産まれなんですかって、話しになって。で、赤信号でドライバーさんが振り返ったら。。。おじさんにすっごく似てて。。。オーガスト24の名刺に青い山のハンコが押してあったんだけど。。。これって。。。まさか、青山って思って。。」
「青山奏に似てますねみたいな事言ったの」奏が聞くと、駿栄は、「いや、年齢的に。。。もしかして、まさかだけど。。。おじさんのお父さんかもみたいに思ったんだけど、おじさんって世間では、こんな言い方しちゃいけないかもしれないけど、両親から捨てられた事になってるでしょ。。。だから、もしも、そういう事があったとして青山奏氏のお父さんだったとしてそれに触れてはいけないタブーかもと思って言いたいけど黙ってたんだよ。いくらこっちがお客でも、触れると地雷の最低限のマナーがあるというか、金を払ってるんだ何を言ってもいいみたいな下品なお客って僕もけっこう見てきてウンザリしてるからさ。」「そうか。。。」「で、店にリリコが来て。都王新聞の文化の取材らしい。それでなんとなくオーガストさんの話しになったんだ。。。そしたら、リリコがオーガストさんを今日タクシー貸し切りにしてるみたいで。。。だけどさ、穏やかな感じのいい人だったんだよね。ほら、僕たちはまだまだだけどある程度の年齢になるとだいたいの人って外見に性格がにじみでるもんじゃない。生きた証みたいにさ。。おじさんは、どう思ってるかわからないけど。。。どうも。。。悪い人だと思えないんだよね。。一度会っただけだけどさ。。」「ああ、リリコちゃんの話しはミーシャから聞いたんだけど。。。ウーン。。。俺は祖父母に育てられてきたけど。。。祖父母が、娘と別れた婿の悪口言ってるのを全く聞いた事がないんだよね。母親からは、別れた旦那が養育費を払わず借金を踏み倒して逃げたから、私はいつまでも夜の仕事なんだみたいな愚痴を言われ続けて、母親の再婚で再婚するから、あんた達はいらないみたいに兄貴と二人捨てられて。。。でも、どうもキチンと養育費の支払いがあってそれを母親の瞳が全部使い込んでたらしいし。。。」「まぁさ。。僕の店にも馬鹿女みたいなお客が来て。。。有責の離婚して親権取って子ども育児放棄で平気で飲みにくるのもいるけど。別れた旦那に二度と会わないのをいいことにやり放題って女の人いるでしょ?職業柄僕は女性の嫌な面々も目の当たりにするけどさ。女性って。。多くはなにかと被害者になりたがるし。。。自分が有責側でも離婚したら無条件に女性が慰謝料貰えると思い込んでる頭がおかしい人もいるみたいだしね。あっ、ごめんなさい、おじさんのお母さんの事じゃなくって。。。」
「いや、いいんだよ。つくづくとんでもないBBAだったからさ。途中から兄貴と、もしかしてBBAが嘘をついているんじゃないかって話してて。。俺らの名字は父親姓だし、ヤバい父親ならさっさと姓を変えられたり、祖父母が婿の悪口を全く言わないし。だけど、育てて貰ってる祖父母を問い詰めるのもと。それに、BBAは何度も金の無心はしてくるし。手切金でけっこうくれてやったんだけど。。」「オーガストさん、仕事で海外へ長いこと行ってたみたいだよ。、、そういう環境だと、男が離婚したら子育てなんかできないんじゃないの。確か福岡が地元って言ってたんだけど、次男だし地元に戻らずにプルメリア島に老後暮らす為に移住したって言ってたけど。。。身内とも疎遠というか、身内に頼れなかったんじゃない。。。」「ウーン。。。確かに。。。BBAが、父親は駆け落ちして。。。父親の九州の家とは絶縁して結婚したみたいな事を言ってた。。。まぁな、昔の九州って相当な偏見かもしれないけど九州男児って言葉があるぐらいだし、男尊女卑の長男教というか。。。どうも学校の先生の家みたいで。。。学生時代に上京して勝手に子ども作って絶縁されたらしいけど。。。まぁ、でも瞳のBBAみたいなちゃらんぽらんの派手な飲み屋の女を連れてこればそりゃあ、ウチの息子をたらし込んだと昔カタギの人は普通は怒るわな。物心ついた頃は、祖父母と暮らして父親の事はいないもんだと諦めてたし、良くは知らないけど、それは聞いた事はあった。」「おじさんが一歳か2歳ぐらいに、ご両親が離婚してるんでしょ。そりゃ、ずーっと父親と会ってないなら。。。そりゃ。。。覚えてないよ、」「兄貴は3歳か、それぐらいだったんだけど。。。父親は時々帰ってくるが、結構可愛がってくれていた記憶がうっすらとあり、母親からは、遊び歩いてたまにしかろくでもない父親が帰ってこなかった。みたいに離婚後言われたんだけど、あれは今考えると、多分父親が出張か単身赴任でもしてたんじゃないかと思うって。。。後から、もしかして家庭がある男性との間に俺たち兄弟ができたから、父親があまり家にいないのかとも考えたけど、どう考えても、それにしては、若いお兄さんみたいな人だったし。。。やっぱり出張や単身赴任とかかなって言ってた。もしも、父親が
暴力を振るったりとか酷いことをしたとかそうなら3歳ぐらいだと強烈にトラウマになるだろうけど。。。そういうのも全然なかったし。。。それよりも子どもの頃、母親もあまり家に居なかった記憶もあるって兄貴も言ってたんだ。」「名前は、覚えてるのオーガストさん、なの」「聞いてないからなぁ。。。自分を捨てた男性なんか、というか、俺は父親なんか全く覚えてないし。まぁ、瞳のBBAの旦那だからさ。。正直チンピラだと思ってたんだけど。ヤクザとかチンピラとかそっち系で。。。絶対会いたくないし、家から出て行った様な奴はどうでもいいって思ってた。。。ただ、兄貴がおぼろげに、反社なんて、そんな感じじゃなかったような気がする、育ちが良さそうな感じがする、でも、父親は、家にあまりいなかったから、はっきりよくわからないんだけど。。みたいな事をたまに言ってて。。。」「名前は、戸籍謄本とか、取り寄せて調べたらわかるんじゃないかなぁ。僕なんか、あまりに親から酷い扱いを受けるんでわざわざ中学生ぐらいで戸籍謄本取り寄せたし。もしかして、ここまで両親や親族が僕に冷たいのは、わざわざサンドバッグにする為によそから貰われてきたのかもしれないって思って。。。でも、実の両親だと知った時はスッゴいショックでさどっかに優しい両親がいて、助けに来てくれるんじゃないんだ、あんな人たちの血が流れてるんだって変な物語を自分で想像したり。。作っては、希望を持ってたんだけど。。。」
駿栄は、幼稚園でディズニー映画のシンデレラを見てシンデレラが、継母と連れごにいじめられているのを見てその時。。。もしかして、僕が家族にいじめられる理由は。。。うちの両親が本当の両親じゃないからかもしれないと、思いました。
しかしながら、幾ら辛くても。。。家を出る事なんて幼児にできるはずもなくて。
普通は子どもが、実の親と血の繋がりがないと絶望するのだけど、駿栄は、両親が実の両親である事に絶望しました。戸籍謄本の二男の欄にバツ印をつけ、自分で養子と書き込んでみたのです。
駿栄が学校へ行った隙に勝手に駿栄の部屋に入った
親に戸籍謄本を取り寄せた事がばれて、さらには養子と落書きしたのを見つけられて。。どうしてこんな事をするんだと叱られて、あまりにも厳しく問い詰められてパニックになり、あまりに両親が兄や姉との扱いが違うから。。。もしかして、自分はよその子ではと思ったとついそのままストレートに言ってしまったところ。。。駿栄は父親の帝に殴られて吹っ飛びました。「こっちがお前なんかよその子って言いたいのに、お前なんかクソ生意気だ出来の悪い貴様が全て悪いんだろうに、お前は頭だけでなく性格まで悪いんか今日から三日間飯を食うなさっさと家中隈なく掃除しろ」
その日は、夜ちょうどミーシャの双子の弟達の家庭教師をする日で、ミーシャの家、青山家は、2軒隣の駿栄の家庭事情を知っている為に、青山家のハウスキーパーの純ちゃんの祖母の喜美さんが、駿栄の晩ごはんの用意もしていました。ずば抜けて頭のいい駿栄は、同級生や同級生の兄弟の家庭教師のアルバイトを親に内緒でしていて、同級生も、駿栄の家は怖いので、駿栄に小遣いもなく、お年玉も親に取り上げられるのを知っていて、駿栄をかばいました。隣の家の神野家、純ちゃんの家が、主に純ちゃんをかばい、またその隣の青山家も協力しました。神野家は、同級生の純ちゃんの兄と弟がいるので、純ちゃんの兄弟の渡海とケイトとも仲が良かったし。純ちゃんの母親の環さんも、ご飯が食べれないならウチに来なさい。と、言って昔から駿栄をかばいました。
駿栄が友達の家に行こうと、駿栄の両親は何も言わないというか、両親とも接待や出張外泊も多く、兄や姉には外食のお金を渡したり
駿栄は、家のあまりものでも食べろとお金を駿栄だけ渡さず、
驚く事に外食や旅行に駿栄だけ置いてきぼりにするのです。
しかしながら、駿栄は家族と旅行や外食に行くぐらいなら何も食べない方がマシだと思いました。純ちゃんの祖母の喜美さんは、隣の青山家でハウスキーパーをするので、こっそりと駿栄のディナーまで用意していました。
家の掃除は、ほぼ毎日毎日、小さい頃から駿栄の役割で、そのせいか当たり前に掃除する習慣が身につき元の性質もあり、とにかく超綺麗好きになりました。料理は作らせるとつまみ食いしたり、仕返しに何を入れられるかわからないので駿栄は一切の料理はさせてもらえません、
食べる物といえば、冷や飯や余ったもの、残飯。時にはご飯がない時もありました。
あるときは、駿栄は、自分が
父親が外に作った子どもでもいい、半分はうちの両親の子どもじゃないのであれば。。。と、思ったけれど残念ながら、戸籍謄本で駿栄は正真正銘の父親の子どもであり、それから高校生の時に、じゃあ托卵で母親と他のタネでできた子が僕という事はあるのか、とにかく、半分だけでも、よその子でありますように。と、駿栄は、家の掃除がてらに母親、ついでに父親の毛を拾いDNA鑑定に出しても。。。
残念ながら、超毒親の正真正銘の正統な次男でした。
電話の向こうで
「瞳のBBAが無くなって、再婚先の大阪の異父弟から電話があって。。。これはあまりにも兄さん達に、黙っているのは忍びないから、と横浜の兄貴に瞳の日記帳が送られてきたし、瞳が酔っ払うと、昔っから過去の結婚についてペラペラと異父弟に話していたらしいんだ。。。日記には、BBAの字で最初の旦那を騙して子どもさえ作れば結婚して専業主婦になれると思って作ったとか、旦那の親と絶縁していて旦那の実家は遠方でラクだとか、旦那は海外国内問わず飛び回って、亭主元気で留守がいいとか、離婚したのは旦那がフランス赴任の時で、海外移住で実家と絶縁の旦那は子どもの親権を私に渡すしかなかった、私は子どもなんかいらないけど、養育費が入るし、親が面倒見てくれるし、みたいに書いてあって。。。もう、悲しいというより、呆れて物が言えないし。。。薄々嘘をついて父親を悪者に仕立ててるなと感じてたんだけど。。。」青山奏氏は、ため息をつく。それもそうだろう、再婚で相手が初婚だから、子どもは面倒みれない、親の面倒をみれない、親の面倒は、娘は嫁ぐし親ができるだけ自力で自分の老後はキチンとすべきかもしれない事かもしれないけど。。。
親権を取った子どもを捨てるかねぇ。そりゃ、再婚で殺されたり虐待されるぐらいなら最低限施設に預けるかもしれないけど。
それで、青山奏氏が飲食店グループ、ブルーモーメントの異能の経営者として成功してマスコミにではじめると、母親の瞳は金の無心にくるし。。。
「親の話は。。。僕も毒親育ちだからね。だけど。。。やっぱり、オーガストさんは、言い訳も出来ない不利な立場だったんじゃない。。家庭を顧みないって言われたらそれまでだけど、仕方ないじゃん。遊んでいる訳にいかないし、男は社会が軸だよ。遊び人で働きもせず、だけど遊んでくれる父親なら、ちょっと冷たい関係かもしれないけど、断絶仕事人間の父親の方がいいじゃん。彼らだって家族を守る為に命懸けなんだよ。企業戦士として生きる男性や、仕事より家庭重視の家庭人として生きる男性や、遊び人の男性がいるけど、企業戦士が悪い訳じゃない。」「リリコちゃんからいろいろと様子を聞こうと思う。。。ただ、俺が有名になったからと言って急に尋ねて来るような性格じゃないという事なんだろうとは思う。。。」「どうするの。。。これから。。」
駿栄が聞くと、「リリコちゃんから話しを聞いて。。。兄貴にも相談してみる。」「また、報告聞かせてください。。。本当に心配ばっかりかけてごめんなさい。。。そうそうそう、同僚のルームメイト、いま、ここにいる饗がおじさんのファンなんだって。。。電話かわろうかな。」側で、同僚流星が、自分の憧れの雲の上の有名人との電話に圧倒されて珍しく無言な饗が、「え、ええほ、ホンモノの青山奏」あらためてとにかくキンチョーしている。「ファンって芸能人じゃないし。。。アハハハハハ。。。でも、駿ちゃんの友人なら。。。」
電話を代わった饗がええっとパニックになっている。。。活字嫌いで漫画すら途中で疲れる饗が、青山奏の自叙伝だけは真面目に読んだのだ。高校を中退した饗は。。。高校すら行った事がない、中卒で大成功した青山氏に興味と希望を持ちました。
饗と正反対で大人しく読書家の姉が持っていた本を、あっ、青山奏だマスコミに結構出演する中卒の異能の経営者。。。活字嫌いが嘘の様に夢中で読み大感激饗の姉も父親も、漫画すら途中でめんどくさくなり、TVしか見ないような饗が青山奏の自叙伝に引き込まれてびっくり
電話の向こう、東京の青山奏は、優しく饗に、「はじめまして、駿栄の近所の者です。駿栄がお世話になってます。子どもの頃から駿栄を知ってますが、私が言うのも変ですが、素直でめっちゃいい子ですよ、」「あー、あー、あっ、はじめ、はじめまして。。。こちらこそ、流星、いや駿栄君にお世話になってます、饗と申します。このたびは。。えーと。。。あ、あの。。。実業家の青山奏さん、ですよね」「あ、まぁ、そう、だねぇ。それより。。。駿栄の近所のおじさんなんだけど。。。」「あ、あの、流星には感謝してます。そ、それから、俺、いや僕は、昔っから。。。青山さんの大ファンです」
憧れの人を相手にしていつもヤンチャな饗もしどろもどろ。。。それから、、、青山氏は、俺がプルメリア島へ行ったら、朔夜社長と駿栄と饗でメシでも食おうと言いました。。。
そうは言うものの。。。
プルメリア島へ来るって。。。青山のおじさんは、やっぱり
オーガストさんに。。。会いに来るって事なんだろうか。駿栄はそう感じました。青山氏は、本人は無意識かもしれないけど行くかわからない、行けたらいく、と言う時には昔っから今後そこへ行く機会があればね、みたいな社交辞令を婉曲に言うし。。。だけど違うのだ。。。無意識かもしれないけど、青山のおじさんは、オーガストさんとの再会を前向きにとらえてるのではないか。
ああ、なんだかんだで、幼い頃家庭環境が複雑であり、恵まれない家庭と言っていた青山奏氏も、自分の家庭は円満だし。。。父親から捨てられたというのも誤解だった可能性があり。。。
駿栄は
いいなぁ。僕だけ天涯孤独か。。。かと言って、若いうちにオーガストさんや青山奏氏のように自分の家庭を作りたいとは思わないし。家庭を持つのは怖いし恐怖感がある
以前好きになった舞さんは、かなり歳上の人妻で失恋したし。かと言って、自分に一方的に惚れてくる何人かのお客様を自分の方が好きになった事なんて一度でもないし。流星は、働かなくても大丈夫だからとか、貯金を全部あげるとか。。。
お客様とか、好かれるのはありがたいし感謝してるけど、幾ら金持ちの女性でも
そう言われるとドン引きしてよけいに恋愛対象から外れるし。金に物を言わすのか。。。怖いな。。この人達は、男性から本気で愛されるという事にプライドはないんだろうかとすら思う。。。
僕は、家庭は最終的に持たないかもしれないな。子どもも嫌いじゃないけど、めちゃくちゃ欲しいわけじゃないし。
さて。。同じくプルメリア島。
熱帯夜オーナー此花朔夜。
あれっ今日は、なんだよー暫く連絡していない、東京の大先輩青山奏氏から連絡があったかと思えば。。。
スマホの表示には、東京で現役ホストの頃の同僚の麗夜。。グレートピレニーズのレイヤではなく、ウルヤからの着信が入っている。新宿にホストクラブを持っていて、現役時代から仲が良く麗夜も朔夜もホストクラブ経営者で未だに繋がりがあるけど、お互い忙しいので暫く連絡していなかった。
朔夜社長は電話にでると、あまりに暫くぶりの麗夜社長に、「生きてたかー。」と、からかうと、麗夜社長は、
「お、お前さ、パーフェクトサーズディって観るTVの」「見るわけねーだろ。夜は仕事だし、そもそもTVなんぞ、観る時間もない。かかっててもBGMだぞ、なんだお前の店のTV撮影でもあったのか、なら、観てやらん事もねーぞ」
「いや、いやいやいやそうじゃない、全然そうじゃない。そっちのプルメリアの白骨死体発見のニュースが最近あったろう。」「あー、なんとなくチラッとね。」
「パーフェクトサーズディの、話をホスト達が何気なくしてて、最近番組の霊能力者の霊視でパッキンきんのまっきんきんのハリネズミ。。。あれ、ホストだろ、可愛い顔してるし、ドクロの入れ墨が、って言ってて。。俺、
パッキンキンだの、ハリネズミだの髑髏の入れ墨だの、はっとして。。。
思わず、なんだその話しはってホスト達に聞いたら、
お客が、プルメリア島の白骨死体発見の死体の生前の姿を霊視するって番組が放送されて
その話ししてたんでなんとなく帰ってから動画を見たんです、ホラーとか霊の番組好きなんでって言う奴がいて。。。番組で、霊能者がプルメリアの白骨死体の生前の霊視でモンタージュを作成してたんだけど、その、モンタージュが、
俺らがいた、極楽鳥夜の。。。アイツ、あいつそっくりなんだよ氷室終夜。。。」
「はなんだそれ。。。氷室終夜がちょっとまて、ここにパソコンがある。。。霊視バカバカしいが。。オイオイ。。頭大丈夫かよ、ウル。
俺は、霊視なんか信じないからな」
と、言いながらもパソコンで、朔夜社長は、
パーフェクトサーズディ、プルメリア島、白骨死体霊視、モンタージュ写真と検索しました。
すると。。。あるモンタージュ写真が出てきて
「うわっま、マジで。。これ、これって氷室終夜が、あの時は、俺らが会った時は未成年で。。。
その氷室終夜が、二十代超えたぐらいの。感じ。。ま、マジで。。あ、アイツじゃん」
そうだ。。。氷室終夜は、未成年でホストクラブで働き、採用していた極楽鳥夜のマヒル社長は逮捕された。マヒル社長が警察署で暫く勾留されているうちに、
氷室終夜は、マヒル社長の女を寝とったのだ。。。
まさか。。。青山のおじさんからいきなりオーガストさんの事を聞いてくるなんて。流星こと駿栄は、青山奏氏が、いったいオーガストさんをどうとらえているのか読めなかったので戸惑うばかりでした。「ミーシャから聞いたんだけど。タクシードライバーやってる男性が、どうも俺の父親なんじゃないかって駿ちゃんが気づいたみたいだって。。。リリコちゃんから連絡があったってミーシャが言ってたんだけど。。。」「あ、ああ、うん。。同僚と掃除当番で遅くなって。。マネージャーやボーイさんが先に帰ってるから送迎無いし、飲むし、車通勤しないから二人でタクシーで帰る事にしたんだ。で、店の近くで朝方タクシー拾ったら、ちょうど名刺にオーガストって書いてあって、プレゼンスタクシーなんだけど、社員の番号があるみたいで、それに24番って書いてあったから、同僚の饗に、これさ、オーガスト24って、僕らの誕生日じゃん。って喋ってたから、そしたら、ドライバーさんが、あなたたちも8月24日産まれなんですかって、話しになって。で、赤信号でドライバーさんが振り返ったら。。。おじさんにすっごく似てて。。。オーガスト24の名刺に青い山のハンコが押してあったんだけど。。。これって。。。まさか、青山って思って。。」
「青山奏に似てますねみたいな事言ったの」奏が聞くと、駿栄は、「いや、年齢的に。。。もしかして、まさかだけど。。。おじさんのお父さんかもみたいに思ったんだけど、おじさんって世間では、こんな言い方しちゃいけないかもしれないけど、両親から捨てられた事になってるでしょ。。。だから、もしも、そういう事があったとして青山奏氏のお父さんだったとしてそれに触れてはいけないタブーかもと思って言いたいけど黙ってたんだよ。いくらこっちがお客でも、触れると地雷の最低限のマナーがあるというか、金を払ってるんだ何を言ってもいいみたいな下品なお客って僕もけっこう見てきてウンザリしてるからさ。」「そうか。。。」「で、店にリリコが来て。都王新聞の文化の取材らしい。それでなんとなくオーガストさんの話しになったんだ。。。そしたら、リリコがオーガストさんを今日タクシー貸し切りにしてるみたいで。。。だけどさ、穏やかな感じのいい人だったんだよね。ほら、僕たちはまだまだだけどある程度の年齢になるとだいたいの人って外見に性格がにじみでるもんじゃない。生きた証みたいにさ。。おじさんは、どう思ってるかわからないけど。。。どうも。。。悪い人だと思えないんだよね。。一度会っただけだけどさ。。」「ああ、リリコちゃんの話しはミーシャから聞いたんだけど。。。ウーン。。。俺は祖父母に育てられてきたけど。。。祖父母が、娘と別れた婿の悪口言ってるのを全く聞いた事がないんだよね。母親からは、別れた旦那が養育費を払わず借金を踏み倒して逃げたから、私はいつまでも夜の仕事なんだみたいな愚痴を言われ続けて、母親の再婚で再婚するから、あんた達はいらないみたいに兄貴と二人捨てられて。。。でも、どうもキチンと養育費の支払いがあってそれを母親の瞳が全部使い込んでたらしいし。。。」「まぁさ。。僕の店にも馬鹿女みたいなお客が来て。。。有責の離婚して親権取って子ども育児放棄で平気で飲みにくるのもいるけど。別れた旦那に二度と会わないのをいいことにやり放題って女の人いるでしょ?職業柄僕は女性の嫌な面々も目の当たりにするけどさ。女性って。。多くはなにかと被害者になりたがるし。。。自分が有責側でも離婚したら無条件に女性が慰謝料貰えると思い込んでる頭がおかしい人もいるみたいだしね。あっ、ごめんなさい、おじさんのお母さんの事じゃなくって。。。」
「いや、いいんだよ。つくづくとんでもないBBAだったからさ。途中から兄貴と、もしかしてBBAが嘘をついているんじゃないかって話してて。。俺らの名字は父親姓だし、ヤバい父親ならさっさと姓を変えられたり、祖父母が婿の悪口を全く言わないし。だけど、育てて貰ってる祖父母を問い詰めるのもと。それに、BBAは何度も金の無心はしてくるし。手切金でけっこうくれてやったんだけど。。」「オーガストさん、仕事で海外へ長いこと行ってたみたいだよ。、、そういう環境だと、男が離婚したら子育てなんかできないんじゃないの。確か福岡が地元って言ってたんだけど、次男だし地元に戻らずにプルメリア島に老後暮らす為に移住したって言ってたけど。。。身内とも疎遠というか、身内に頼れなかったんじゃない。。。」「ウーン。。。確かに。。。BBAが、父親は駆け落ちして。。。父親の九州の家とは絶縁して結婚したみたいな事を言ってた。。。まぁな、昔の九州って相当な偏見かもしれないけど九州男児って言葉があるぐらいだし、男尊女卑の長男教というか。。。どうも学校の先生の家みたいで。。。学生時代に上京して勝手に子ども作って絶縁されたらしいけど。。。まぁ、でも瞳のBBAみたいなちゃらんぽらんの派手な飲み屋の女を連れてこればそりゃあ、ウチの息子をたらし込んだと昔カタギの人は普通は怒るわな。物心ついた頃は、祖父母と暮らして父親の事はいないもんだと諦めてたし、良くは知らないけど、それは聞いた事はあった。」「おじさんが一歳か2歳ぐらいに、ご両親が離婚してるんでしょ。そりゃ、ずーっと父親と会ってないなら。。。そりゃ。。。覚えてないよ、」「兄貴は3歳か、それぐらいだったんだけど。。。父親は時々帰ってくるが、結構可愛がってくれていた記憶がうっすらとあり、母親からは、遊び歩いてたまにしかろくでもない父親が帰ってこなかった。みたいに離婚後言われたんだけど、あれは今考えると、多分父親が出張か単身赴任でもしてたんじゃないかと思うって。。。後から、もしかして家庭がある男性との間に俺たち兄弟ができたから、父親があまり家にいないのかとも考えたけど、どう考えても、それにしては、若いお兄さんみたいな人だったし。。。やっぱり出張や単身赴任とかかなって言ってた。もしも、父親が
暴力を振るったりとか酷いことをしたとかそうなら3歳ぐらいだと強烈にトラウマになるだろうけど。。。そういうのも全然なかったし。。。それよりも子どもの頃、母親もあまり家に居なかった記憶もあるって兄貴も言ってたんだ。」「名前は、覚えてるのオーガストさん、なの」「聞いてないからなぁ。。。自分を捨てた男性なんか、というか、俺は父親なんか全く覚えてないし。まぁ、瞳のBBAの旦那だからさ。。正直チンピラだと思ってたんだけど。ヤクザとかチンピラとかそっち系で。。。絶対会いたくないし、家から出て行った様な奴はどうでもいいって思ってた。。。ただ、兄貴がおぼろげに、反社なんて、そんな感じじゃなかったような気がする、育ちが良さそうな感じがする、でも、父親は、家にあまりいなかったから、はっきりよくわからないんだけど。。みたいな事をたまに言ってて。。。」「名前は、戸籍謄本とか、取り寄せて調べたらわかるんじゃないかなぁ。僕なんか、あまりに親から酷い扱いを受けるんでわざわざ中学生ぐらいで戸籍謄本取り寄せたし。もしかして、ここまで両親や親族が僕に冷たいのは、わざわざサンドバッグにする為によそから貰われてきたのかもしれないって思って。。。でも、実の両親だと知った時はスッゴいショックでさどっかに優しい両親がいて、助けに来てくれるんじゃないんだ、あんな人たちの血が流れてるんだって変な物語を自分で想像したり。。作っては、希望を持ってたんだけど。。。」
駿栄は、幼稚園でディズニー映画のシンデレラを見てシンデレラが、継母と連れごにいじめられているのを見てその時。。。もしかして、僕が家族にいじめられる理由は。。。うちの両親が本当の両親じゃないからかもしれないと、思いました。
しかしながら、幾ら辛くても。。。家を出る事なんて幼児にできるはずもなくて。
普通は子どもが、実の親と血の繋がりがないと絶望するのだけど、駿栄は、両親が実の両親である事に絶望しました。戸籍謄本の二男の欄にバツ印をつけ、自分で養子と書き込んでみたのです。
駿栄が学校へ行った隙に勝手に駿栄の部屋に入った
親に戸籍謄本を取り寄せた事がばれて、さらには養子と落書きしたのを見つけられて。。どうしてこんな事をするんだと叱られて、あまりにも厳しく問い詰められてパニックになり、あまりに両親が兄や姉との扱いが違うから。。。もしかして、自分はよその子ではと思ったとついそのままストレートに言ってしまったところ。。。駿栄は父親の帝に殴られて吹っ飛びました。「こっちがお前なんかよその子って言いたいのに、お前なんかクソ生意気だ出来の悪い貴様が全て悪いんだろうに、お前は頭だけでなく性格まで悪いんか今日から三日間飯を食うなさっさと家中隈なく掃除しろ」
その日は、夜ちょうどミーシャの双子の弟達の家庭教師をする日で、ミーシャの家、青山家は、2軒隣の駿栄の家庭事情を知っている為に、青山家のハウスキーパーの純ちゃんの祖母の喜美さんが、駿栄の晩ごはんの用意もしていました。ずば抜けて頭のいい駿栄は、同級生や同級生の兄弟の家庭教師のアルバイトを親に内緒でしていて、同級生も、駿栄の家は怖いので、駿栄に小遣いもなく、お年玉も親に取り上げられるのを知っていて、駿栄をかばいました。隣の家の神野家、純ちゃんの家が、主に純ちゃんをかばい、またその隣の青山家も協力しました。神野家は、同級生の純ちゃんの兄と弟がいるので、純ちゃんの兄弟の渡海とケイトとも仲が良かったし。純ちゃんの母親の環さんも、ご飯が食べれないならウチに来なさい。と、言って昔から駿栄をかばいました。
駿栄が友達の家に行こうと、駿栄の両親は何も言わないというか、両親とも接待や出張外泊も多く、兄や姉には外食のお金を渡したり
駿栄は、家のあまりものでも食べろとお金を駿栄だけ渡さず、
驚く事に外食や旅行に駿栄だけ置いてきぼりにするのです。
しかしながら、駿栄は家族と旅行や外食に行くぐらいなら何も食べない方がマシだと思いました。純ちゃんの祖母の喜美さんは、隣の青山家でハウスキーパーをするので、こっそりと駿栄のディナーまで用意していました。
家の掃除は、ほぼ毎日毎日、小さい頃から駿栄の役割で、そのせいか当たり前に掃除する習慣が身につき元の性質もあり、とにかく超綺麗好きになりました。料理は作らせるとつまみ食いしたり、仕返しに何を入れられるかわからないので駿栄は一切の料理はさせてもらえません、
食べる物といえば、冷や飯や余ったもの、残飯。時にはご飯がない時もありました。
あるときは、駿栄は、自分が
父親が外に作った子どもでもいい、半分はうちの両親の子どもじゃないのであれば。。。と、思ったけれど残念ながら、戸籍謄本で駿栄は正真正銘の父親の子どもであり、それから高校生の時に、じゃあ托卵で母親と他のタネでできた子が僕という事はあるのか、とにかく、半分だけでも、よその子でありますように。と、駿栄は、家の掃除がてらに母親、ついでに父親の毛を拾いDNA鑑定に出しても。。。
残念ながら、超毒親の正真正銘の正統な次男でした。
電話の向こうで
「瞳のBBAが無くなって、再婚先の大阪の異父弟から電話があって。。。これはあまりにも兄さん達に、黙っているのは忍びないから、と横浜の兄貴に瞳の日記帳が送られてきたし、瞳が酔っ払うと、昔っから過去の結婚についてペラペラと異父弟に話していたらしいんだ。。。日記には、BBAの字で最初の旦那を騙して子どもさえ作れば結婚して専業主婦になれると思って作ったとか、旦那の親と絶縁していて旦那の実家は遠方でラクだとか、旦那は海外国内問わず飛び回って、亭主元気で留守がいいとか、離婚したのは旦那がフランス赴任の時で、海外移住で実家と絶縁の旦那は子どもの親権を私に渡すしかなかった、私は子どもなんかいらないけど、養育費が入るし、親が面倒見てくれるし、みたいに書いてあって。。。もう、悲しいというより、呆れて物が言えないし。。。薄々嘘をついて父親を悪者に仕立ててるなと感じてたんだけど。。。」青山奏氏は、ため息をつく。それもそうだろう、再婚で相手が初婚だから、子どもは面倒みれない、親の面倒をみれない、親の面倒は、娘は嫁ぐし親ができるだけ自力で自分の老後はキチンとすべきかもしれない事かもしれないけど。。。
親権を取った子どもを捨てるかねぇ。そりゃ、再婚で殺されたり虐待されるぐらいなら最低限施設に預けるかもしれないけど。
それで、青山奏氏が飲食店グループ、ブルーモーメントの異能の経営者として成功してマスコミにではじめると、母親の瞳は金の無心にくるし。。。
「親の話は。。。僕も毒親育ちだからね。だけど。。。やっぱり、オーガストさんは、言い訳も出来ない不利な立場だったんじゃない。。家庭を顧みないって言われたらそれまでだけど、仕方ないじゃん。遊んでいる訳にいかないし、男は社会が軸だよ。遊び人で働きもせず、だけど遊んでくれる父親なら、ちょっと冷たい関係かもしれないけど、断絶仕事人間の父親の方がいいじゃん。彼らだって家族を守る為に命懸けなんだよ。企業戦士として生きる男性や、仕事より家庭重視の家庭人として生きる男性や、遊び人の男性がいるけど、企業戦士が悪い訳じゃない。」「リリコちゃんからいろいろと様子を聞こうと思う。。。ただ、俺が有名になったからと言って急に尋ねて来るような性格じゃないという事なんだろうとは思う。。。」「どうするの。。。これから。。」
駿栄が聞くと、「リリコちゃんから話しを聞いて。。。兄貴にも相談してみる。」「また、報告聞かせてください。。。本当に心配ばっかりかけてごめんなさい。。。そうそうそう、同僚のルームメイト、いま、ここにいる饗がおじさんのファンなんだって。。。電話かわろうかな。」側で、同僚流星が、自分の憧れの雲の上の有名人との電話に圧倒されて珍しく無言な饗が、「え、ええほ、ホンモノの青山奏」あらためてとにかくキンチョーしている。「ファンって芸能人じゃないし。。。アハハハハハ。。。でも、駿ちゃんの友人なら。。。」
電話を代わった饗がええっとパニックになっている。。。活字嫌いで漫画すら途中で疲れる饗が、青山奏の自叙伝だけは真面目に読んだのだ。高校を中退した饗は。。。高校すら行った事がない、中卒で大成功した青山氏に興味と希望を持ちました。
饗と正反対で大人しく読書家の姉が持っていた本を、あっ、青山奏だマスコミに結構出演する中卒の異能の経営者。。。活字嫌いが嘘の様に夢中で読み大感激饗の姉も父親も、漫画すら途中でめんどくさくなり、TVしか見ないような饗が青山奏の自叙伝に引き込まれてびっくり
電話の向こう、東京の青山奏は、優しく饗に、「はじめまして、駿栄の近所の者です。駿栄がお世話になってます。子どもの頃から駿栄を知ってますが、私が言うのも変ですが、素直でめっちゃいい子ですよ、」「あー、あー、あっ、はじめ、はじめまして。。。こちらこそ、流星、いや駿栄君にお世話になってます、饗と申します。このたびは。。えーと。。。あ、あの。。。実業家の青山奏さん、ですよね」「あ、まぁ、そう、だねぇ。それより。。。駿栄の近所のおじさんなんだけど。。。」「あ、あの、流星には感謝してます。そ、それから、俺、いや僕は、昔っから。。。青山さんの大ファンです」
憧れの人を相手にしていつもヤンチャな饗もしどろもどろ。。。それから、、、青山氏は、俺がプルメリア島へ行ったら、朔夜社長と駿栄と饗でメシでも食おうと言いました。。。
そうは言うものの。。。
プルメリア島へ来るって。。。青山のおじさんは、やっぱり
オーガストさんに。。。会いに来るって事なんだろうか。駿栄はそう感じました。青山氏は、本人は無意識かもしれないけど行くかわからない、行けたらいく、と言う時には昔っから今後そこへ行く機会があればね、みたいな社交辞令を婉曲に言うし。。。だけど違うのだ。。。無意識かもしれないけど、青山のおじさんは、オーガストさんとの再会を前向きにとらえてるのではないか。
ああ、なんだかんだで、幼い頃家庭環境が複雑であり、恵まれない家庭と言っていた青山奏氏も、自分の家庭は円満だし。。。父親から捨てられたというのも誤解だった可能性があり。。。
駿栄は
いいなぁ。僕だけ天涯孤独か。。。かと言って、若いうちにオーガストさんや青山奏氏のように自分の家庭を作りたいとは思わないし。家庭を持つのは怖いし恐怖感がある
以前好きになった舞さんは、かなり歳上の人妻で失恋したし。かと言って、自分に一方的に惚れてくる何人かのお客様を自分の方が好きになった事なんて一度でもないし。流星は、働かなくても大丈夫だからとか、貯金を全部あげるとか。。。
お客様とか、好かれるのはありがたいし感謝してるけど、幾ら金持ちの女性でも
そう言われるとドン引きしてよけいに恋愛対象から外れるし。金に物を言わすのか。。。怖いな。。この人達は、男性から本気で愛されるという事にプライドはないんだろうかとすら思う。。。
僕は、家庭は最終的に持たないかもしれないな。子どもも嫌いじゃないけど、めちゃくちゃ欲しいわけじゃないし。
さて。。同じくプルメリア島。
熱帯夜オーナー此花朔夜。
あれっ今日は、なんだよー暫く連絡していない、東京の大先輩青山奏氏から連絡があったかと思えば。。。
スマホの表示には、東京で現役ホストの頃の同僚の麗夜。。グレートピレニーズのレイヤではなく、ウルヤからの着信が入っている。新宿にホストクラブを持っていて、現役時代から仲が良く麗夜も朔夜もホストクラブ経営者で未だに繋がりがあるけど、お互い忙しいので暫く連絡していなかった。
朔夜社長は電話にでると、あまりに暫くぶりの麗夜社長に、「生きてたかー。」と、からかうと、麗夜社長は、
「お、お前さ、パーフェクトサーズディって観るTVの」「見るわけねーだろ。夜は仕事だし、そもそもTVなんぞ、観る時間もない。かかっててもBGMだぞ、なんだお前の店のTV撮影でもあったのか、なら、観てやらん事もねーぞ」
「いや、いやいやいやそうじゃない、全然そうじゃない。そっちのプルメリアの白骨死体発見のニュースが最近あったろう。」「あー、なんとなくチラッとね。」
「パーフェクトサーズディの、話をホスト達が何気なくしてて、最近番組の霊能力者の霊視でパッキンきんのまっきんきんのハリネズミ。。。あれ、ホストだろ、可愛い顔してるし、ドクロの入れ墨が、って言ってて。。俺、
パッキンキンだの、ハリネズミだの髑髏の入れ墨だの、はっとして。。。
思わず、なんだその話しはってホスト達に聞いたら、
お客が、プルメリア島の白骨死体発見の死体の生前の姿を霊視するって番組が放送されて
その話ししてたんでなんとなく帰ってから動画を見たんです、ホラーとか霊の番組好きなんでって言う奴がいて。。。番組で、霊能者がプルメリアの白骨死体の生前の霊視でモンタージュを作成してたんだけど、その、モンタージュが、
俺らがいた、極楽鳥夜の。。。アイツ、あいつそっくりなんだよ氷室終夜。。。」
「はなんだそれ。。。氷室終夜がちょっとまて、ここにパソコンがある。。。霊視バカバカしいが。。オイオイ。。頭大丈夫かよ、ウル。
俺は、霊視なんか信じないからな」
と、言いながらもパソコンで、朔夜社長は、
パーフェクトサーズディ、プルメリア島、白骨死体霊視、モンタージュ写真と検索しました。
すると。。。あるモンタージュ写真が出てきて
「うわっま、マジで。。これ、これって氷室終夜が、あの時は、俺らが会った時は未成年で。。。
その氷室終夜が、二十代超えたぐらいの。感じ。。ま、マジで。。あ、アイツじゃん」
そうだ。。。氷室終夜は、未成年でホストクラブで働き、採用していた極楽鳥夜のマヒル社長は逮捕された。マヒル社長が警察署で暫く勾留されているうちに、
氷室終夜は、マヒル社長の女を寝とったのだ。。。
2021年06月08日
マリッジcelebration275過去はひとしきり笑い終えた遠い昔。。。
だから、マヒルだって、マヒルマヒルマヒルったら、ま、ひ、るっ
幽霊の吾朗太さんは、海沿いを歩いてく二人に必死に念じました。
プルメリア港の近くで偶然見かけた可愛い顔した二人のお兄ちゃん達。。。なんだか不思議と懐かしいような空気にそそられて幸い二人とも霊感が無さそうだなんとなく暇つぶしがてらにくっついていった。
犬とコギツネ、若いな。ハタチぐらいか。二人とも異性に強いというか、これはモテるだろうなぁ。まぁ、俺も自分で言うのもだけど多分、生前女には苦労しなかっただろう。だからこの二人が妙に懐かしいのか。。。
二人がプルメリア港の常連らしい大衆食堂でランチを買ったときの店の主人とのやりとりで、どうもこの二人は飲み屋のにいちゃん達だと。。。その飲み屋のにいちゃんの会話の中に。。。マヒルという名前が出てきて。。吾朗太さんは、そのマヒルという名前にビビビびっときました。
俺は東京出身らしいが、そのマヒルとやらも話からすると東京らしい。なんかよくわからんが、その、マヒルって奴を。。。もしかしたら、、、
だからこのにいちゃん達が、マヒルって奴の話題をもっと出しやがれと念じたり言っているのですが。。いかんせん。こいつら全く霊感が。。。あー、こんな時にあの親切な猫のタクシーのおっちゃんとか、デブのベルモとか霊感がある奴がいたら、こいつらにマヒルについて知ってる事があるのかと通訳して貰えるというのに。。。
でも、マヒル。。。まさか、俺が死んだ原因である犯人じゃねーだろうなぁ。
しかしながら、犬とコギツネは、吾朗太さんの存在など全く感じもしないで「あっ、コンビニ寄ろう。アイス買おう。俺、おごる」コギツネの方が言います。「いいよー、ちゃんと自分の出す。」「なに言ってるんだよ。車貸してくれたり、車に乗せてくれたりあるだろう。そんなタダでよくないって。女には金を出させても仕事だからハートなんか傷まないけどさ。友人からタダでどうこう世話になりっぱなしはよくないだろう」おー色男は言う事が違うねー吾朗太さんは、女から金を出させてそれでいいって発想に妙に納得しました。世間では最低男かもしらんが、俺もそれでいいと思うわ。一般の男性じゃない感覚が妙に心地いい。
それは。。。
俺も生前はやっぱりそーゆー、あのにいちゃん達みたいな生活してたんだろうか。
あっ。。。まさか、俺は。。。そーゆー生活してて。。。女に刺されたとか。そんな死に方してないだろーな
まぁ、今はそれは置いといて、マヒル、マヒル、マヒルマヒル吾朗太さんは怒ったようにピッタリふたりの若者に張り付いて叫びますが
全く霊感がゼロの二人には全然吾朗太さんの叫びは届かないようです。
ノンキだなぁ。。コイツらコギツネが促すようにして二人はコンビニへはいる。
吾朗太さんは、ふと
少し前、プルメリア港をさまよって、この二人のにいちゃん達ぐらいの全然別の若いにいちゃんを見つけてスマホを覗いてやったら。。。
あの時は、この目の前のにいちゃん達とは対照的な感じのどうも学生らしい元気のないにいちゃんで。。。スマホの中身は生きるのに疲れた死にたいみたいな事を。。。
あの時は妙に怒りがわいてきたテメーオレは生きる事すらできないんだ死にたいだと命があるのがどれほど奇跡的な事か考えろ気づけ、このアホンだら死にたいなら代わりに命をオレによこせと、オレは怒鳴ってやっただけど。。。死にたい本人はやっぱり二人の飲み会のにいちゃん達とおんなじで霊感が全くないのだろう。。。オレには気づかず。
どうも、学校か、なんか人間関係に悩んでって感じだったんだけど。若いなら嫌ならその人間関係からさっさと逃げてもいいだろうに。バカじゃねーか奴の言い分もあるだろうがさ。この目の前の飲み屋のにいちゃん達みたいに柔軟に生きれば違ったものが見えてくるだろうに。しかも、大学だろ。わざわざ金出して全く行く義務ないやん。向かない癖に。親に金出して貰いやがって。嫌なら辞めて働けばいいじゃねーか。バカだなぁコイツ。。。学歴とテメーの生命どっちが大事だと思ってるんだもっとバカになれ
若ければ若い方が、失敗に取り返しがつくだろうに。この飲み屋のにいちゃんみたいに、社会からハズレていようが、親に甘えてばかりいずさっさと社会に出て鍛えろいつまでも親からなんかしてもらって与えられて当たり前だと思ってんじゃじゃねーよ。与えられたものを活かせないならさっさと手離せいつまでも執着するな。だから、自称不器用だからで済ますゴチゴチのバリ硬の潰しのきかないフットワークの重いヤツは嫌いなんだ、俺は
他にもいろいろやって
それでもダメならダメだととことん納得してから死ねと思ったが。。。
やめよう。。。幾ら死にたい奴に文句言ってもオレの命は戻ってはこない。。。虚しい。。。後悔すらできないなんてな。
あー。。普通ならリア充って言うのか、この夜のにいちゃん達がムカつくんだろうが、俺はそうは思わない。グズグズくよくよ、社会に出て親から自立できる年齢でその場に立ち止まって文句ばっかりほざいて生命を大事にしない奴の方がよっぽどムカつくわ。だから、なんとなくこの飲み屋のにいちゃん達にフラフラついていってしまったか。
「うひゃー」とは言うものの。。あふれるぐらいにカゴいっぱいに、スイーツを入れたコギツネに犬が驚きもせず、またか、この人みたいな感じでからかってこづいた。げ。アイツらあんなもんばっか食って夜酒飲んで。。あんな細いんかよーまぁ。。。アイツら
でも。。なんか、いい感じだわ。チキショウ。。俺もこんな時があったのか、なかったのか。。。ジワリと熱いものが込み上げる。。そして。。いまさらどうしようもない、けど
誰が俺を殺したんだ吾朗太さんは自分の死因が、誰かに殺されたほぼ殺人である可能性が高いと確信しました。
生前のことなんか全く覚えてねーよ。だけどよ、自殺なんかするタイプじゃないし。一人で海へ行くタイプでもねーと思うわ、俺。。。吾朗太さんはそうふと思いました。
悔しいもうなんとしてでも、俺を殺した奴を探し出して地獄に道連れにしてやる
幸せな若々しいこの2人を目の当たりにし、自分だって大学に進学できない飲み屋のにいちゃんだったかもしれないが、俺の生きる権利を奪った奴がいる
相変わらず、犬とコギツネの若い二人はアイスが溶けるからサッサと帰ろー、とはしゃいでいる。二人はあまり大きくはないけど、こ綺麗なデザイナーズマンションに入っていきました。こーなったら俺も入ってやる。。。テメーら早く、マヒルの話をしやがれよ。。
短気な吾朗太さんは2人にイライラします。クソ鈍感なにいちゃん達め。。。霊感すらねーのかよ。。。
デザイナーズマンション
エンジェリアプレミアム。。。どうもこの2人の会話はこのマンションは飲み屋の寮で2人は共同生活をしているらしい。。。オートロックを犬が開けると2人はエレベーターに乗り301の部屋に入っていきました。
うひゃーこっれは、このにいちゃん達。。。部屋の中はきっちり掃除が行き届いていて、本当に男の暮らしか病的な綺麗好きかと思うほど整理整頓されていました。
しかしながら、吾朗太さんもこう見えて綺麗好きな方なので、だから毎日きっちりと掃除されて景観良しの木蓮寺で寝泊まりしているのでこの部屋は居心地がいいんだけど。。。
まぁ、隣人というか共同生活のルームメイトガチャは重要だからなぁ運良く綺麗好き同士がたまたま行き当たったのか。。。
2人の若者は手を洗うと、コギツネが買ってきたスイーツの要冷蔵品を冷蔵庫に入れ替えるようにわざわざ沸かしたような冷やしたお茶を取り出して、犬がテーブルをふき、コップをテーブルに並べました。2人はテーブルにテイクアウトした品を並べると、
「今日はお互い魚の気分だったねー」犬が言うと、「ああ、食べたい物を食べたい時に食べなきゃ後悔するって。俺なんか、ガキの頃夏休み給食無くて、母親が全然帰って来なくって餓死しそうになったり、今だからだけど食いもん万引きしてしのいだり雑草を兄妹で食べてた事あるんだからさ。」「マジで。ウチもテストで100点取らないとご飯抜きとか寒いの暑いの関係なしで殴られたり外に放り出されたりしてたなぁ。でもまぁ。。。隣の家の人や、もう一軒隣の青山のおじさん所がいろいろしてくれて。。。でも、ミジメだったよ。コジキみたいだったし。一方的に世話になるんだよ。親は近所の人が親切にするのを感謝どころかダメ息子を甘やかしているとか、余計なことをしているぐらいにしか思ってないし。。。うちの実家、変なカルト宗教みたいな規制ばっかりだったし。もうそれが嫌で嫌でさ。。。死ぬ前に天国を見てもいいじゃないか、ってこのプルメリア島に死ぬ覚悟を決めて来たんだし。」「えっ死ぬ気まさか」コギツネがギョッとしましたが、犬が、「まさか。。。このプルメリア島って天国に一番近い島って言われるほど楽園な極楽浄土で、死ぬ前に一度天国を見たいって人が訪れれば死ぬ気が無くなるって言われてるだろ。それに賭けていたんだ。だから、なりふり構わず過去の自分や東京を捨ててここに来たんだ。だから、根本的には僕は例え死にたいと思っていた時にもここに来たって事は、どうしても生きたかったんじゃないかな。最後の可能性としてここに逃げてきて。。。なんだ、そうか、家族を捨てれば新しい人生やり直せるんだって目が覚めたし。それまで、いろいろ世話してくれた地元の人々に世話になりっぱなしで逃げるのか、って思い込んでいたんだけど、まずは自分自身の軸をきっちり作らないと。。。後から遅くなるけど倍にして恩は返せるからと。幸い、高校生の時からアルバイトみたいにパソコンで仕事してたし。万が一の時のために親に見つからない様に貯金してたしね。」
犬もコギツネも可愛い顔して事情があるわけアリで夜の仕事やってんだなぁしみじみ吾朗太さんが感慨にふけると。。。
「すげ〜な。。お前んちも。。。俺んちも。。俺んちなんか中学生と小学生の姉ちゃんと俺を借金のカタに母親が売り飛ばそうとして。。。にいちゃんはもう鑑別所入ったり色々あって手がつけようがないから売り飛ばすには商品にならないし、俺は横着だけど、まだ小学生だったしな。で、大人しい姉ちゃんですら我慢の限界で母親を刺して。。母親ケガで済んだけど、児童虐待で逮捕されて。。中学生だし、過剰防衛で姉ちゃん少し年少入ってたんだけど。それで母親逮捕でオトンの方に引き取られて。。オカンの日頃の話しの別れた父親が酷い暴力男どころか、人の良さげな全く普通の人だったから。。びっくりして。。あー、でも納得したわ。母親が全部養育費使い込んで借金まみれで父親に会わせないのをいい事に嘘ばっかりついてて。。。未成年の子どもに売春させようとしたんだぜ本当に殺してやろうかと思った」父親の暴力で離婚したみたいな嘘話を母親が子どもの頃はずーっと洗脳していたし、コギツネは覚えてないが、兄が子どもの頃は父親が単身赴任で、母親にアザができている事がよくあり。。。
実際には、浮気相手から殴られたりしていたのを父親に殴られたと嘘をついていたらしい。母親がしょっちゅういなくなるので、子どもたちは、てっきり父親の単身赴任先へ行っていると思い込んでいたが、実は浮気相手と半同棲していたし。。。子ども達には、父親が単身赴任先へ来ないと金を渡さないし殴られるからと嘘をついて浮気相手に会いに行っていました。
たまにあう父親に母親は、自分のアザは酔っ払って転んだだのぶつけただのごまかしていたらしい。コギツネが父親の顔を覚えていない小さい頃で、父親が単身赴任であまり家にいなかったまま両親が離婚になったので、コギツネの兄弟は引き取られた
母親から、父親の暴力や浮気のせいで離婚したと聞かされていたが。。。それは全く嘘の話しで、母親が父親が単身赴任で家庭を顧みないからとイチャモンをつけて
実際には、母親が新しい男を作り離婚になったんだ、とコギツネが言う。
犬が、
「でもさ。。饗んちはいいよ。父親も兄も姉も饗の味方って事だろ。僕なんか、身内は誰一人僕の味方はいないし。まぁ、縁切ったし、あっちも勘当したろうし、もう身内はいないけどね。誰も探しにも来ないし。探して気にかけてくれるのは、同級生や、青山のおじさんや近所のおじさんだよ。」「それで、青山社長からは、なんてLINEが入ったんだよ。。。」
「駿ちゃん、急に居なくなって心配したけど、朔の店で元気にしてるらしいな。困った事があればすぐ連絡してくれ。」犬がスマホをコギツネに見せるとコギツネは、驚き「スゲー、青山奏から直接LINEあー、そうか、駿ちゃん、って流星って本名駿栄だもんなぁ。いまどきでカッコいいじゃん。店で駿栄で働いてもおかしくないじゃん。俺なんか歳三だよ。」「えー、別に歳三でもいいと思うけど、」「父親が俺が生まれて少しした時に大河ドラマで新撰組見てて土方歳三カッコいいって付けたらしいけどさ。兄や姉の下の三番目の末っ子でちょうどいいし、って。なんか、それ適当じゃん。」「そうかなぁ。。。いいと思うんだけど、僕なんか。。。名前負けだ、名前負けだって両親から罵倒されまくったよ。」
駿栄。。。すぐれて栄える。。そう、誕生して名付けられた頃は両親も駿栄には散々期待に胸を膨らませていた。。だけど、私立幼稚園のお受験に失敗して。
兄や姉はすんなりお受験に受かり、日本一の帝王大学を卒業して。。駿栄の家は帝王大学を卒業しない者は人に在らずというカルト宗教みたいな親族で。。。幼稚園のお受験の時も。。帝王大学の受験の時も、まさかの熱が出たり緊張したりパニックになったりでまるでこの学校に来るなというなにかに妨害されたように試験運が全くない。
父親や母親は末っ子の駿栄に怒って小学校から高校までお前なんか公立へ行け金がもったいないそれで帝王大学に合格しなきゃ許さんからなと、子どもの頃から駿栄は実家のスケープゴートにされていた。そう、恐らくあの世間体を重んじ世間で立派な顔をするあの実家の人々は、どこかで鬱憤を晴らすサンドバッグやスケープゴートのはけ口がないと生きていけないのだろう。
だいたいまぁ。。。父親も母親も遠慮や謙虚を知らないらしい。兄は名前がマサト、聖人で。。。聖人君子の聖人と言われても、プライドが高くて意地が悪いし人を馬鹿にしてるし、姉の美麗も、綺麗と言えば綺麗だけど、美麗というほど、女優やモデルになるほど綺麗でもないし、麗しくもない。
意地悪でプライドが高いしきらきらネームではないとは思うけど。。。よくもまぁ、どう考えても完全なる名前負けも全く考えずに大胆にも遠慮ない名前を付けたなぁと思う。。。似つかわしくない。私は聖人だの、美麗だの言って恥ずかしくないんだろうか。。。父親からしておかしい。帝、ミカドって名前だけど。。。名付けた祖父母は何様なんだろうかと。。。普通名付けるだろうか。。。どっか、暴走族の大げさだったりぶっ飛んでるキラキラネームを付ける人みたいに。。。感覚や感性がかなりズレた人々なんだろう。
犬とコギツネはランチしながら、あれこれ昔話をする。昔話なんて言っても、こいつら若造だから、子どもの時の話し。。。聞くに耐えないまぁ。。夜の仕事を本職にする奴らはどこか事情や影がある奴が結構いるのかもしれない。だけど、このお兄ちゃん達は、ランチを食べながらさも世間話でもするかのように、昔の自分達の話をしている。。。多分彼らは今は幸せなんだろう。だけど、やっぱり吾朗太さんにはあまりにも聞くに耐えない。。。
吾朗太さんは、ベルモに言われた吾朗太さんの生前はヤクザの子で、ずいぶんと父親から可愛がられたという言葉を思い出して俺の方がマシか。。。三太夫という兄さんがいたらしくわざわざプルメリア島までやってきたらしい。三太夫という兄と自分は父親の愛人の子どもだったらしいのだが、父親が本妻より愛人を愛していて俺は父親から寵愛を受けていたらしいのだ。
結局は、三太夫は神童でこの先反社会と縁を切らせる為に養子に出されたらしいし。官僚らしいが、そんな奴でもわざわざ自分を思ってプルメリア島に出向いてくれたらしいのか、若いにいちゃん達の酷い幼少時代の話をBGMにしがてら。。。ふと、吾朗太さんがそんな事を考えると、
犬が、「青山のおじさんに返信しとこ。。。オーガストさんの事は。。。リリコが多分、おじさんの娘のミーシャに喋ってるだろうし、こっちからは。。。デリケートな事だし言う事じゃないか。」と言いながらスマホで返信しているらしい。
ご心配をおかけしました。お世話になってばかりで挨拶もせずに居なくなってすみませんでした。朔夜社長は東京の出身でおじさんの後輩みたいですね。
それからまた、犬とコギツネは、今度はその青山という犬が世話になった有名人かなんかの話しをしだした。こいつらは職場も一緒で一緒に住んでいてよくもこれだけ喋る事があるなというぐらい喋っている。。。
「食後のアイス」と、コギツネが冷蔵庫からアイスを取り出そうとすると、犬の方のスマホが鳴りだし「あっ電話、青山のおじさんから。。。」と、コギツネは冷蔵庫を開けようとしたのを閉め直して、「出れば俺は部屋に戻ろうか」というと、犬が、「嫌じゃなければ、別にそこにいてもいいよ、ちょっとだけごめん、電話に出るから」
犬が電話に出た。
「駿ちゃん、駿ちゃん久しぶり」懐かしい声。。。「どうもご心配をおかけしました。ごめんなさい、僕はもうどうしても東京にはいたくなくて。。。つい。。」「ミーシャが純ちゃんから、駿ちゃんがプルメリア島にいるってだいぶ前から聞いてはいたんだけど。。。朔の店にいるとは。。。いらん心配なんだけど。。。大丈夫なのか、朔はいい奴だし、俺も若い頃ホストの連れはいっぱいいたし、俺もたまにちょっとホストやった事あるんだけど。。。」「うん、たまたまいい先輩や同僚に恵まれたというか。。。僕はもうさ、家庭が最悪な反面、東京にいた頃から。。子どもの頃からだけど、社会の他の人に対しては、びっくりするぐらい恵まれ過ぎてきたんだし。。。変な話し、そういう星のもとに生まれてきたって言うと宗教みたいで気持ち悪いかもしれないんだけど。。。なんだか、それなら早くとにかく実家から出なきゃって衝動的に。。。パソコンで仕事してるから、なんとかなるって。。。でも、社会と繋がっていたいし、住むところとか色々あってホストをやってみたんだよ。」「そうか。。。まぁ、駿ちゃんが元気でやってるなら安心した。それで。。。えっと。。。」
珍しく、青山氏が言葉に詰まり。。。どうしたんだろうかと思えば。。。
「ところで。。。駿ちゃん。。。。。俺の父親らしき人に。。。会ったんだって。。。」「えっ。。。あ、あの、オーガストさん。。。」
2021年05月29日
マリッジcelebratioん。。。274過去の傷、胸の痛み。。。。
う。。。わ、笑ったらダメっリリコは
く。。。苦しいけどっ私はアホみたいな顔をした人が。。あっアホみたいなとは語弊があるけど極稀に愛嬌にあふれた顔の人が。。。その顔で超絶に真面目な事を言うのが超絶笑いのスポットで。。。ベルモが蒸し立ての肉まんみたいな顔をしてシリアスで渋い真面目な話をすればする程笑えて笑えてしかたない。
もちろん、リリコは割と昔から実家の新聞社の手伝いで取材や人の話を聞くのに慣れていちおうそういう素敵なお顔の人々のインタビューや取材で笑わない様に訓練されているけど。。。
ファニーフェイス方のどシリアスな
どうしても笑いのツボ
ベルモさんは可哀想に、昔葬式に行くと遺族に叱られた事があるという僧侶になった頃はすっかりデブのベルモを連れてきた木蓮和尚に、喪主の檀家さんはベルモに聞こえない様に木蓮和尚を呼び出すと「幾ら和尚様とは言えなんですか今日は父親の葬儀ですよコントのお葬式じゃないんですよなんで僧侶のコスプレした豚まんみたいなインベーダーを連れてくるんですか葬儀の場でクスクス笑ってる弔問客すらいるじゃないですか」「あれはうちの娘であり、れっきとした僧侶です。」シーン。。。気まずくなったけど、ベルモの美しく麗しい読経に感激感涙あまりの美声に天地がひっくり返る様な大騒ぎになり豚まんを寄越しやがってと怒り心頭に発する喪主すら、「父親を送り出すのにもったいないほど。。。いやいやありがたいほどの素晴らしい歌声。。、いやいや読経父親が天国で微笑んでいるようです。」とベルモの読経に胸が震え、弔問客達の万雷の拍手とアンコールが鳴り止まず。。。なんて事があったらしい。。。でも。。。今はそんな事考えるのやめよっアホみたいな顔をした人が読経とか。。。
な。。。無いわー
笑が止まらなくなるっ
まぁ。。。今はもうそんな事は、いいとして、リリコは居住まいを正して
「オーガストさんの、息子さんやお孫さんに会う事を前向きに、考えてみませんか。。。みんな一生は一度きりなんです。。。可能性が無限でも、生涯は有限なんですよ。だから、無限の可能性に飛び込んでみませんか。」リリコは以前都王新聞の生き別れの再会企画、あの人に会いたいに携わった事があり。懐かしい恩師や親友、幼なじみ。。。生き別れになった兄弟姉妹などなど、抽選で当選した会いたい人がいる人探して再会のご縁を取り持つ仕事をした事があったのですが。。。。
一番難しくてデリケートなのは、離婚したり里親に出したりな親と離れ離れになった子ども。それぞれがそれぞれ個人の考えがあるので長年一緒に暮らしていないといまさらもうどうでも良くなったり、介護のあてや、借金の申込み、あるいは遺産狙いかなど変に勘繰ったり会うのが怖いとか、面倒事に巻き込まれるのが嫌だとかなかなか会いたいと言う人も限られてくるのだ。うまくいかない場合も多い。
「ベルモさんも、リリコさんも。。。あっ、ベルモさんはこちらのお嬢様に里親に来られたとて。。。お幸せに暮らしているでしょう。私は仕事と子どもで間違いなく仕事を取ったのです。子どもを捨ててしまったのには変わりません。義実家に預けて丸投げしたのです。お金さえ払えばなんとかして貰えるとおめでたい勘違いをして。。。息子たちを傷つけてしまったもう、いまさら会わない方がいいんです。私は再婚もしましたし。後妻は亡くなりましたが嫁いだ娘もいますし。」オーガストさんが渋ります。
そう、次男の奏は飲食業界で成功した、ブルーモーメントグループの社長だし。兄の禅の方は、弟の奏が働いて学校へ行かせたらしい。「なんて。。。情け無いんだ自分は大学を。。。一応授業料免除でバイトもしてたけど。。。親に多少の仕送りして貰ったくせに奏は中卒で苦労して兄の禅の学費を弟が支払って。。。親として情け無い私は離婚して散々禅や奏を傷つけといて。。。」オーガストさんは養育費を元妻の瞳さんが使い込んでいたのを知りませんでした
それを聞いていたアザラシの福ちゃんは、
「いいじゃないの。弟が兄の学費を支払っても。弟が支払いたいんだから。僕だって、兄や姉の学費を払ってるし。たくさんいる兄や姉で何人かすっごい金持ちもいるけど。。。彼らはみーんな、学校に行きたければ奨学金か働いていけ甘えるなって考えで親に支援や仕送りしても弟や妹の学費は一円も出さないし。だから、働いてる僕は学校行ってる兄や姉の学費の足しも支払ってるけどさ。親も子どもに兄妹
の学費を支払って貰ってるんだよ。そんなんうちの親は平気だよ?だけど、僕はそれを虐待だとも搾取だとも思わないし。むしろ就労児童として神楽町市に残って家も貰って福の神の弟子として働けるのは親のおかげだよ。うちの親なんか子どもに助けられるのをなんとも思ってないんだろうし、さすがにちょっとは感謝はしてるかもしれないけどさ。オーガストさんだって。。。信頼できる義実家さんに息子さんを預けたわけだし。結局は。。。息子さんたちに貧乏暮らしをさせて苦労させてしまったかもしれないけど。。。オーガストさんも、元の奥さんに騙されていたわけだし。。。青山奏社長は若いうちから大成功してるし。千尋の谷に獅子の子を突き落としただけなんじゃないの。僕なんか、親が賢くて計画的に子作りするタイプなら確実に産まれてないもん。もう、産まれただけでもありがたいしかないし。。。」
支払っても支払っても毎月また請求書が来るように、子どもが落ち着いたと思ったらまた親が子どもを作ったり。。。さすがに親も歳だから、もう3歳の妹が最後だけどね。
福ちゃんは淡々と言います。たくさんの兄妹姉妹で育って、いちいち小さな事で感情的や感傷的になっては生きてはいけません。子沢山すぎて。。。それを親にどうのこーのと言おうもんなら、じゃああんたは産まれて来なかった方がよかったんだねとか、あんたの弟や妹は産まれてこなかった方がいいって言うのかと逆ギレされるのがオチだし幸い、上の方の人々は歳がかなり離れていて自立したり、家に仕送りしたりで。。。中には成功してる人もいたりして、めちゃくちゃ貧乏だった事はないけれど。
「私だって。。。最近まで産みの母親の事なんか知らなかったし。気づいたらこのお寺にいたけど。後から、母親の出産の時に助産師の一人が死んだと嘘をついて海に流したって聞いたけど。。。後から親が悪くない、運が悪かったんだとか、運が悪かったから今の幸せがあるんだと思ったら事情を抱えた親を決して責められないはずよ。」ベルモも言います。
「そうは言っても。。。あちらはどうなんでしょうか。私は。。。決心がつかないんです。フランスにいる娘には相談した事がありますが、お父さんの好きなようにして。ただ、あちらは有名人だし突然急にアクセスしたら。。。介護だのお金の無心だの、全然そんな気がなくとも今までほっといていまさらなんなんだって事になるかもしれない。異母兄さん達は、親に捨てられたと思ってるんでしょう。と言われた事があって。。。私もそう思うしもう息子たちにとっては、私は死んだ者だと思い込むようにしていたんです。」
オーガストさんは、やっぱり、いまさらもう息子たちに会うのを躊躇しています。まさか、自分の息子が成功して世に出てエピソードなどが世間に知れ渡りそれで。。。両親に捨てられていた瞳が再婚するので、てっきり新しい再婚家族を子どもと一緒につくっていたと思い込んでいて。。。
今からもう20年近く前の。。。
過去のあの日。。。
世の中に。。。次男の息子の青山奏の名前が知れ渡った頃は、やっぱりフランスを中心にヨーロッパをあちこち転勤をしていて。。。
ある日、
日本にいる繁昌先輩から電話があり、繁昌先輩とはよく連絡していたけど。。。何やらその日は様子が変でした。。。「大変な事になってるよ。。。青山君。青山君の手放した息子さんが。。。」と言われて。。ええっ
オーガストさんは、まさか息子が有名人になるなど夢にも思わず平凡な一般庶民の青年が大変だって事故か。。。それとも事件を起こしたか
自分の息子たちを疑ってはいけないものの。。。幼い頃に離婚して父親はまるで高飛びするように海外へ赴任して金銭で済ませて養育を放棄して。。。有責の母親側に子どもを置いて。。。自分は再婚までして。。。自分はこんな情け無い奴だけれど、瞳も気性が激しい
もしかして。。。息子たちはグレて少年院に入ったり親のせいで手のつけられない奴になって。。。なにか事件でも起こしたんじゃなかろうか。。。オーガストさんの電話を持つ手が震えて
ああ、許してくれ父親は子どもを捨てて海外へ逃亡。。凶悪犯。。。悪い想像のなか新聞記事が目に浮かびます。。
しかしながら。。。電話の向こうの繁昌先輩はどう考えても予想外の話しをする
「ブルーモーメントグループって知ってる日本の新進の飲食店グループ。。。」「なんとなく。。は、聞いた事があるんだけど。。。」「あれの社長、というか会長か、誰だと思う」「え。。。」一瞬、あまりにも予想だにしない話でなんの話をしてるんだろうと思った
「次男君だよ、奏君。。奏君がブルーモーメントグループの会長なんだよ。。。最近になって日本のマスコミに顔を出すようになって。。。あっ、私はTVもニュースをBGMにするぐらいで TVっこじゃないからあれだけど、泉から連絡があったんだ。覚えてるかな、繁昌泉、私の従兄弟、興信所のさ。。。」
「もちろんだよ、離婚の時は。。。相談に乗って貰って。。3人で。。。」
若かったあの頃。。。元妻の
瞳の身辺調査の結果が出た日は、今晩オーガストさんは、どうやって家に帰ろう自分の気持ちにどう対処し、これからどう対応したらいいのかと、取り乱すと。。。
繁昌先輩の従兄弟の泉が、「実はさ、瞳さんの調査で闇カジノへ行った時に時間潰しでちょっとやって、結構儲けたんだよ。ギャンブルは好きだけど、軽はとか表向きのしかやらないって操を立ててるんでビギナーズラックには乗っからない。。。で。。。今夜オーガストさんも家にすぐに帰りづらいだろうどうだい、こんな時だけど佑も一緒に個室で一杯やらないかと言うのはこんな時に語弊があるけど。。。あぶく銭の厄落としに。。。」
確かに。。。これから早めに決断しなければならない将来的に。。。飲みに付き合っている時じゃないかもしれないが。。。あえて、今は。。。誰かに相談したい。。。というか。。。このままどうしても会社から真っ直ぐに帰れない。若かった苦悩のあの日午後から出勤のオーガストさんは午前中泉さんの事務所に調査結果の報告を聞いて。。。
仕事帰りだと、そのまますぐ帰宅する心の準備が。。。午前中の休暇に泉さんに会いました。
で、その夜自宅には今夜は接待が入ったからと電話して。
泉さんの誘いで赤坂の料亭で。。。オーガストさんは、繁昌先輩と泉さんに今後の事を相談しました。泉さんは政治家の顧客が何人かいるため、料亭に顔が効いて料亭の接待も結構あるらしい。。。。
ああ、そんな事もあった。。。昨日の事のように沈むというか、これからどうしたらいいかという気持ちと投げやりな気持ちと。。圧倒される様な壮麗な空間の料亭のコントラストが胸にしみて。。。
「泉から連絡があって、あの最近マスコミに出てくるブルーモーメントの青山奏会長って。。。あれ、オーガストさんの息子さんでは。。。って言うんだ。。。最近になって、マスコミに顔を出すようになったらしいから。。。私はよく知らないから調べたら。。。あれ、君の次男だろう。君そっくりだし。。もうあれから20年以上経ってるし、会社の人は子どもが産まれたという報告とお祝いだけでその後君は離婚して親権を手放してるし。。。まさか気づかないだろうけど。。。」「えっな、なんで瞳は再婚するって連絡があったし。。確かに私と別れた時は青山姓をそのまま名乗るみたいだったけど。。。再婚したんだろ。。なんで。。。息子がなんで、青山奏のまま。。。婿養子にしろ、わざわざ別れた元旦那の姓を名乗る今の旦那というのも。。。よっぽど。。。世の中に顔向けできないとか。。。」
それにしても。。。
ブルーモーメント。。。朝焼けでもあり、夕焼けでもある青い不思議な時間帯。。。あの時間帯が昔っから好きで何枚か空の青いグラデーションを被写体にした。無限の可能性の青写真の意味を込めて。。。何枚か、息子たちのアルバムに貼って置いてきた。。。
私は、息子たちの写真が禅と奏が映った写真を一枚だけ持ちだして。。。
まさか。。。まさか。。。奏はあのブルーモーメントに関連づけてそんな名前を
ところが。。。
「でね、奏君は。。。その。。。成功者として自伝を出したらしいんだけど。。。君、やられたよ、泉がその本を読んだらしいんだけど。。。君、きちんと養育費も振り込んでたし。。。で、瞳さん、。。。子連れ再婚したわけじゃなかったようだよ。。。どうも、君と別れてから義両親に息子さん達を丸投げにしたらしく。。。再婚した時にあちらさんが初婚で子どもは再婚の条件にそぐわないから、と。。。奏君の本には再婚する母親に捨てられたと書いてあったらしくて。。だから、母親は実家に息子さん達を置いて出て、おそらくは瞳さんは、身一つで再婚して嫁いで息子さん達だけ青山姓をそのまま名乗っているんだろう。。。。。」
「えっな、なんてことを」「それに。。。言いづらいんだけど。。。自叙伝に書かれてたのは、父親が借金を作りどこかに逃げた。どうもろくでもない奴だったらしいと母親が言う。。。もちろん養育費も振り込まれずみたいな事も書いてあったらしいんだけど。。。奏君は、病気がちで高齢の祖父母の助けになる為に小学生から帰ると飲食店でアルバイトしてたらしい。。瞳さんがでたらめを教えて養育費を搾取してたんじゃないか。中学校卒業して、奏君は本格的に飲食業界に入ったようで。。。」「ち。。。中卒瞳も再婚するし、何年か経った時に早いうちにとまとめてきちんと養育費を支払ったはずなのに。。。瞳は再婚で息子達を捨てて養育費まで取り上げたのか。。。それで。。。養育費を自分で使い込んで。。。私は借金を作り養育費も支払わず迷惑をかけて逃げた父親だと息子達に教えて。。。」
確かに。。。自分はお金を払って逃げたようなものだけど結局は。。。
義父母だけでは、瞳をどうする事も出来なかったんだろう
再婚する、相手は初婚で連れ子は無理、勿論瞳の両親の面倒も同居も無理。。。世の中はそういう男もいるだろう。。自分はそうじゃないけど、そんな男はいくらでもいるだろう。
瞳は親と子どもを捨ててお金だけ搾取して逃げたんだ。奏が中学校卒業する頃、立て続けに祖父母の楠夫妻が亡くなったらしい。てっきり。。。瞳が再婚するので、前払いで息子達の養育費を支払っているし、大学ぐらいは。。。出来の悪い息子だとしても最低限高校ぐらいは行かせているだろうと思い込んでいたのに。。。
瞳は。。。そういう女だったんだ本心では、じゅうじゅうわかってはいたけれど。。。良くしてくれた義父母がいるから信用して息子たちを預けて。。。
義父母も息子たちも傷つけたんだ瞳に裏切られたけど同時に自分も子どもを捨てたのは変わりないし。。。いまさら言い訳に過ぎない
所は変わって、同じくプルメリア島内。
プルメリア島西。プルメリア港付近にて。。。
なんなんだ。チャラチャラシャガってよう。パッキンキン。。。吾朗太さんは。。。昼間の木蓮寺から逃げるようにして、プルメリア港方面へやってきました。。。
すると、二人の若い男の子が何やらお喋りしながら。。海の食堂へ入って行きます。2人ともかなり可愛い顔をした若い男の子。。。パッキンキンの吾朗太さんは、なんだか懐かしい気持ちになりました。
こいつらにも将来があると言うか。。。なんかんだろう、なんでコイツらが懐かしい気持ちになるのか、一人は犬で一人はコギツネみたいな感じの。。。犬の方が、賢い感じでコギツネはヤンチャな感じだけど。。。まぁ、ハタチ前後か、俺より少し若い。。。なんだろう。。。コイツら学生じゃねーな
その若者二人は霊感が無いタイプだと見えて近くにいる吾朗太さんには気づかないらしいので。。。なんとなく吾朗太さんは二人にぴったり付いていきました。
こういう時に店なんかに入ると、お客はお二人さんなのに店員が視える奴だと俺を含めてコントのネタみたいに3人分水なんかを出されるんだろう。。。だけど、まぁ、そん時はそん時だしよ。。。吾朗太さんがそう思うと、どうも二人は今流行りのテイクアウトをするらしい。犬が金目鯛の煮付け、コギツネがサバの味噌煮の定食を共に豚汁付きでテイクアウトしようとすると、店の主人が、「アンちゃんら、ハタチ過ぎてるだろ、酒は」とからかうので、「もう、マスターまたー、やめてくださいよ。。。夜、吐くほど飲まされてるんで。。。」と、二人ともそんな事を言って店の主人がアハハハハハと笑っている。。。どうも店の常連らしいな。。。「俺だって、若けりゃ夜働こっかなん、」と
細っそりした店の主人が若者たちをからかうとまるで漫画の夫婦みたいな対比のどうも嫁さんらしいおデブな同世代のオカミサンらしき女性が、「あんた鏡見なさいよっ」と横やりし。。。すると店の主人が
「なんだヤキモチなんじゃねーの」とさらにオカミサンをからかい。。
あっ夜。。。酒。。。吐くほど飲まされる。。。ウグッ
そのキーワードが耳に入り
なんだろう俺、、、吾朗太さんは何かを思い出すが如くに嘔吐しそうになり。。。
死んでいるので飲食とか、腹がへったとか喉が渇いたとかないけれど酒を吐くまで飲まされるみたいに言っている若者の話しでなにかトラウマの様に吐きそうで。。。。
こ、こいつら、学生じゃねーなと思ったら夜の仕事の奴らか飲み屋のにーちゃん達。。。な、なんだよ。。なんだよー。俺もなんか、、なんかやなトラウマというか。。こいつらみたいな。。。
それから少し店の人々と立ち話した若者は店を出て。。。
住んでいる家が近いらしく、二人は歩きベラベラ喋って道をゆく。。。思わず吾朗太さんは聞き耳を立てました。犬の方が、「あー、でも朔夜社長から連絡が来た時はビビった」コギツネが、「でもさ、お前クビとか注意とかそーゆー事は特に心当たりないだろうに。まぁ、普段からあんまり会わない社長から連絡って怖いわなぁ。それにしても。。朔夜社長も。。。青山会長と知り合いって。。。」「まぁ、朔夜社長って東京出張だし。。。新宿育ちで、青山のおじさんより一つ下ぐらいだしヤンチャ同士は顔見知りじゃない。ヤンチャって言ってもさ、青山のおじさんは中卒で既に働いていたけどね。若い頃は、朔夜社長みたいに多少ホストでもかじってたんじゃない。。」「あの、朔夜社長の言ってた恩人のアヒルだっけ、アヒル社長が。。。」「違う、違う。。朔夜社長の恩人はマヒル社長。。。」「アヒルじゃないよ、マヒルだよ〜」
歌うなよー
犬がマヒル社長。。と言うと。。
吾朗太さんは。。。
えっだ、誰だマヒル
マヒル、だって。。。だ、誰だ、なんだかマヒルという名前を聞いたような気がする飲み屋の関係か俺は飲み屋の関係で働いていたのか朔夜社長が同期出身で恩人のマヒルが。。。って。。。俺もあのデブベルモが、俺は東京出身だと言っていた。。。自分では覚えてないけど。。。東京。。。マヒル。。。なんか、なんか聞いた事あるぞ。。。
すると、犬の方がスマホを見て「あっ」「なんだよー」「青山のおじさんだ。。。これ、Blue momentって。。。LINEが来た。。。」「えええっあ、青山奏から。。。」
若い男の子のコギツネの方が青山奏と騒ぎだし
なにやら、すごい人か有名人かそんな感じらしいが。。。しかしながら、吾朗太さんはそんな事はどうだってよくて。。。
マヒル社長という名前の男性らしき人の事ばかりが気になっていました。
く。。。苦しいけどっ私はアホみたいな顔をした人が。。あっアホみたいなとは語弊があるけど極稀に愛嬌にあふれた顔の人が。。。その顔で超絶に真面目な事を言うのが超絶笑いのスポットで。。。ベルモが蒸し立ての肉まんみたいな顔をしてシリアスで渋い真面目な話をすればする程笑えて笑えてしかたない。
もちろん、リリコは割と昔から実家の新聞社の手伝いで取材や人の話を聞くのに慣れていちおうそういう素敵なお顔の人々のインタビューや取材で笑わない様に訓練されているけど。。。
ファニーフェイス方のどシリアスな
どうしても笑いのツボ
ベルモさんは可哀想に、昔葬式に行くと遺族に叱られた事があるという僧侶になった頃はすっかりデブのベルモを連れてきた木蓮和尚に、喪主の檀家さんはベルモに聞こえない様に木蓮和尚を呼び出すと「幾ら和尚様とは言えなんですか今日は父親の葬儀ですよコントのお葬式じゃないんですよなんで僧侶のコスプレした豚まんみたいなインベーダーを連れてくるんですか葬儀の場でクスクス笑ってる弔問客すらいるじゃないですか」「あれはうちの娘であり、れっきとした僧侶です。」シーン。。。気まずくなったけど、ベルモの美しく麗しい読経に感激感涙あまりの美声に天地がひっくり返る様な大騒ぎになり豚まんを寄越しやがってと怒り心頭に発する喪主すら、「父親を送り出すのにもったいないほど。。。いやいやありがたいほどの素晴らしい歌声。。、いやいや読経父親が天国で微笑んでいるようです。」とベルモの読経に胸が震え、弔問客達の万雷の拍手とアンコールが鳴り止まず。。。なんて事があったらしい。。。でも。。。今はそんな事考えるのやめよっアホみたいな顔をした人が読経とか。。。
な。。。無いわー
笑が止まらなくなるっ
まぁ。。。今はもうそんな事は、いいとして、リリコは居住まいを正して
「オーガストさんの、息子さんやお孫さんに会う事を前向きに、考えてみませんか。。。みんな一生は一度きりなんです。。。可能性が無限でも、生涯は有限なんですよ。だから、無限の可能性に飛び込んでみませんか。」リリコは以前都王新聞の生き別れの再会企画、あの人に会いたいに携わった事があり。懐かしい恩師や親友、幼なじみ。。。生き別れになった兄弟姉妹などなど、抽選で当選した会いたい人がいる人探して再会のご縁を取り持つ仕事をした事があったのですが。。。。
一番難しくてデリケートなのは、離婚したり里親に出したりな親と離れ離れになった子ども。それぞれがそれぞれ個人の考えがあるので長年一緒に暮らしていないといまさらもうどうでも良くなったり、介護のあてや、借金の申込み、あるいは遺産狙いかなど変に勘繰ったり会うのが怖いとか、面倒事に巻き込まれるのが嫌だとかなかなか会いたいと言う人も限られてくるのだ。うまくいかない場合も多い。
「ベルモさんも、リリコさんも。。。あっ、ベルモさんはこちらのお嬢様に里親に来られたとて。。。お幸せに暮らしているでしょう。私は仕事と子どもで間違いなく仕事を取ったのです。子どもを捨ててしまったのには変わりません。義実家に預けて丸投げしたのです。お金さえ払えばなんとかして貰えるとおめでたい勘違いをして。。。息子たちを傷つけてしまったもう、いまさら会わない方がいいんです。私は再婚もしましたし。後妻は亡くなりましたが嫁いだ娘もいますし。」オーガストさんが渋ります。
そう、次男の奏は飲食業界で成功した、ブルーモーメントグループの社長だし。兄の禅の方は、弟の奏が働いて学校へ行かせたらしい。「なんて。。。情け無いんだ自分は大学を。。。一応授業料免除でバイトもしてたけど。。。親に多少の仕送りして貰ったくせに奏は中卒で苦労して兄の禅の学費を弟が支払って。。。親として情け無い私は離婚して散々禅や奏を傷つけといて。。。」オーガストさんは養育費を元妻の瞳さんが使い込んでいたのを知りませんでした
それを聞いていたアザラシの福ちゃんは、
「いいじゃないの。弟が兄の学費を支払っても。弟が支払いたいんだから。僕だって、兄や姉の学費を払ってるし。たくさんいる兄や姉で何人かすっごい金持ちもいるけど。。。彼らはみーんな、学校に行きたければ奨学金か働いていけ甘えるなって考えで親に支援や仕送りしても弟や妹の学費は一円も出さないし。だから、働いてる僕は学校行ってる兄や姉の学費の足しも支払ってるけどさ。親も子どもに兄妹
の学費を支払って貰ってるんだよ。そんなんうちの親は平気だよ?だけど、僕はそれを虐待だとも搾取だとも思わないし。むしろ就労児童として神楽町市に残って家も貰って福の神の弟子として働けるのは親のおかげだよ。うちの親なんか子どもに助けられるのをなんとも思ってないんだろうし、さすがにちょっとは感謝はしてるかもしれないけどさ。オーガストさんだって。。。信頼できる義実家さんに息子さんを預けたわけだし。結局は。。。息子さんたちに貧乏暮らしをさせて苦労させてしまったかもしれないけど。。。オーガストさんも、元の奥さんに騙されていたわけだし。。。青山奏社長は若いうちから大成功してるし。千尋の谷に獅子の子を突き落としただけなんじゃないの。僕なんか、親が賢くて計画的に子作りするタイプなら確実に産まれてないもん。もう、産まれただけでもありがたいしかないし。。。」
支払っても支払っても毎月また請求書が来るように、子どもが落ち着いたと思ったらまた親が子どもを作ったり。。。さすがに親も歳だから、もう3歳の妹が最後だけどね。
福ちゃんは淡々と言います。たくさんの兄妹姉妹で育って、いちいち小さな事で感情的や感傷的になっては生きてはいけません。子沢山すぎて。。。それを親にどうのこーのと言おうもんなら、じゃああんたは産まれて来なかった方がよかったんだねとか、あんたの弟や妹は産まれてこなかった方がいいって言うのかと逆ギレされるのがオチだし幸い、上の方の人々は歳がかなり離れていて自立したり、家に仕送りしたりで。。。中には成功してる人もいたりして、めちゃくちゃ貧乏だった事はないけれど。
「私だって。。。最近まで産みの母親の事なんか知らなかったし。気づいたらこのお寺にいたけど。後から、母親の出産の時に助産師の一人が死んだと嘘をついて海に流したって聞いたけど。。。後から親が悪くない、運が悪かったんだとか、運が悪かったから今の幸せがあるんだと思ったら事情を抱えた親を決して責められないはずよ。」ベルモも言います。
「そうは言っても。。。あちらはどうなんでしょうか。私は。。。決心がつかないんです。フランスにいる娘には相談した事がありますが、お父さんの好きなようにして。ただ、あちらは有名人だし突然急にアクセスしたら。。。介護だのお金の無心だの、全然そんな気がなくとも今までほっといていまさらなんなんだって事になるかもしれない。異母兄さん達は、親に捨てられたと思ってるんでしょう。と言われた事があって。。。私もそう思うしもう息子たちにとっては、私は死んだ者だと思い込むようにしていたんです。」
オーガストさんは、やっぱり、いまさらもう息子たちに会うのを躊躇しています。まさか、自分の息子が成功して世に出てエピソードなどが世間に知れ渡りそれで。。。両親に捨てられていた瞳が再婚するので、てっきり新しい再婚家族を子どもと一緒につくっていたと思い込んでいて。。。
今からもう20年近く前の。。。
過去のあの日。。。
世の中に。。。次男の息子の青山奏の名前が知れ渡った頃は、やっぱりフランスを中心にヨーロッパをあちこち転勤をしていて。。。
ある日、
日本にいる繁昌先輩から電話があり、繁昌先輩とはよく連絡していたけど。。。何やらその日は様子が変でした。。。「大変な事になってるよ。。。青山君。青山君の手放した息子さんが。。。」と言われて。。ええっ
オーガストさんは、まさか息子が有名人になるなど夢にも思わず平凡な一般庶民の青年が大変だって事故か。。。それとも事件を起こしたか
自分の息子たちを疑ってはいけないものの。。。幼い頃に離婚して父親はまるで高飛びするように海外へ赴任して金銭で済ませて養育を放棄して。。。有責の母親側に子どもを置いて。。。自分は再婚までして。。。自分はこんな情け無い奴だけれど、瞳も気性が激しい
もしかして。。。息子たちはグレて少年院に入ったり親のせいで手のつけられない奴になって。。。なにか事件でも起こしたんじゃなかろうか。。。オーガストさんの電話を持つ手が震えて
ああ、許してくれ父親は子どもを捨てて海外へ逃亡。。凶悪犯。。。悪い想像のなか新聞記事が目に浮かびます。。
しかしながら。。。電話の向こうの繁昌先輩はどう考えても予想外の話しをする
「ブルーモーメントグループって知ってる日本の新進の飲食店グループ。。。」「なんとなく。。は、聞いた事があるんだけど。。。」「あれの社長、というか会長か、誰だと思う」「え。。。」一瞬、あまりにも予想だにしない話でなんの話をしてるんだろうと思った
「次男君だよ、奏君。。奏君がブルーモーメントグループの会長なんだよ。。。最近になって日本のマスコミに顔を出すようになって。。。あっ、私はTVもニュースをBGMにするぐらいで TVっこじゃないからあれだけど、泉から連絡があったんだ。覚えてるかな、繁昌泉、私の従兄弟、興信所のさ。。。」
「もちろんだよ、離婚の時は。。。相談に乗って貰って。。3人で。。。」
若かったあの頃。。。元妻の
瞳の身辺調査の結果が出た日は、今晩オーガストさんは、どうやって家に帰ろう自分の気持ちにどう対処し、これからどう対応したらいいのかと、取り乱すと。。。
繁昌先輩の従兄弟の泉が、「実はさ、瞳さんの調査で闇カジノへ行った時に時間潰しでちょっとやって、結構儲けたんだよ。ギャンブルは好きだけど、軽はとか表向きのしかやらないって操を立ててるんでビギナーズラックには乗っからない。。。で。。。今夜オーガストさんも家にすぐに帰りづらいだろうどうだい、こんな時だけど佑も一緒に個室で一杯やらないかと言うのはこんな時に語弊があるけど。。。あぶく銭の厄落としに。。。」
確かに。。。これから早めに決断しなければならない将来的に。。。飲みに付き合っている時じゃないかもしれないが。。。あえて、今は。。。誰かに相談したい。。。というか。。。このままどうしても会社から真っ直ぐに帰れない。若かった苦悩のあの日午後から出勤のオーガストさんは午前中泉さんの事務所に調査結果の報告を聞いて。。。
仕事帰りだと、そのまますぐ帰宅する心の準備が。。。午前中の休暇に泉さんに会いました。
で、その夜自宅には今夜は接待が入ったからと電話して。
泉さんの誘いで赤坂の料亭で。。。オーガストさんは、繁昌先輩と泉さんに今後の事を相談しました。泉さんは政治家の顧客が何人かいるため、料亭に顔が効いて料亭の接待も結構あるらしい。。。。
ああ、そんな事もあった。。。昨日の事のように沈むというか、これからどうしたらいいかという気持ちと投げやりな気持ちと。。圧倒される様な壮麗な空間の料亭のコントラストが胸にしみて。。。
「泉から連絡があって、あの最近マスコミに出てくるブルーモーメントの青山奏会長って。。。あれ、オーガストさんの息子さんでは。。。って言うんだ。。。最近になって、マスコミに顔を出すようになったらしいから。。。私はよく知らないから調べたら。。。あれ、君の次男だろう。君そっくりだし。。もうあれから20年以上経ってるし、会社の人は子どもが産まれたという報告とお祝いだけでその後君は離婚して親権を手放してるし。。。まさか気づかないだろうけど。。。」「えっな、なんで瞳は再婚するって連絡があったし。。確かに私と別れた時は青山姓をそのまま名乗るみたいだったけど。。。再婚したんだろ。。なんで。。。息子がなんで、青山奏のまま。。。婿養子にしろ、わざわざ別れた元旦那の姓を名乗る今の旦那というのも。。。よっぽど。。。世の中に顔向けできないとか。。。」
それにしても。。。
ブルーモーメント。。。朝焼けでもあり、夕焼けでもある青い不思議な時間帯。。。あの時間帯が昔っから好きで何枚か空の青いグラデーションを被写体にした。無限の可能性の青写真の意味を込めて。。。何枚か、息子たちのアルバムに貼って置いてきた。。。
私は、息子たちの写真が禅と奏が映った写真を一枚だけ持ちだして。。。
まさか。。。まさか。。。奏はあのブルーモーメントに関連づけてそんな名前を
ところが。。。
「でね、奏君は。。。その。。。成功者として自伝を出したらしいんだけど。。。君、やられたよ、泉がその本を読んだらしいんだけど。。。君、きちんと養育費も振り込んでたし。。。で、瞳さん、。。。子連れ再婚したわけじゃなかったようだよ。。。どうも、君と別れてから義両親に息子さん達を丸投げにしたらしく。。。再婚した時にあちらさんが初婚で子どもは再婚の条件にそぐわないから、と。。。奏君の本には再婚する母親に捨てられたと書いてあったらしくて。。だから、母親は実家に息子さん達を置いて出て、おそらくは瞳さんは、身一つで再婚して嫁いで息子さん達だけ青山姓をそのまま名乗っているんだろう。。。。。」
「えっな、なんてことを」「それに。。。言いづらいんだけど。。。自叙伝に書かれてたのは、父親が借金を作りどこかに逃げた。どうもろくでもない奴だったらしいと母親が言う。。。もちろん養育費も振り込まれずみたいな事も書いてあったらしいんだけど。。。奏君は、病気がちで高齢の祖父母の助けになる為に小学生から帰ると飲食店でアルバイトしてたらしい。。瞳さんがでたらめを教えて養育費を搾取してたんじゃないか。中学校卒業して、奏君は本格的に飲食業界に入ったようで。。。」「ち。。。中卒瞳も再婚するし、何年か経った時に早いうちにとまとめてきちんと養育費を支払ったはずなのに。。。瞳は再婚で息子達を捨てて養育費まで取り上げたのか。。。それで。。。養育費を自分で使い込んで。。。私は借金を作り養育費も支払わず迷惑をかけて逃げた父親だと息子達に教えて。。。」
確かに。。。自分はお金を払って逃げたようなものだけど結局は。。。
義父母だけでは、瞳をどうする事も出来なかったんだろう
再婚する、相手は初婚で連れ子は無理、勿論瞳の両親の面倒も同居も無理。。。世の中はそういう男もいるだろう。。自分はそうじゃないけど、そんな男はいくらでもいるだろう。
瞳は親と子どもを捨ててお金だけ搾取して逃げたんだ。奏が中学校卒業する頃、立て続けに祖父母の楠夫妻が亡くなったらしい。てっきり。。。瞳が再婚するので、前払いで息子達の養育費を支払っているし、大学ぐらいは。。。出来の悪い息子だとしても最低限高校ぐらいは行かせているだろうと思い込んでいたのに。。。
瞳は。。。そういう女だったんだ本心では、じゅうじゅうわかってはいたけれど。。。良くしてくれた義父母がいるから信用して息子たちを預けて。。。
義父母も息子たちも傷つけたんだ瞳に裏切られたけど同時に自分も子どもを捨てたのは変わりないし。。。いまさら言い訳に過ぎない
所は変わって、同じくプルメリア島内。
プルメリア島西。プルメリア港付近にて。。。
なんなんだ。チャラチャラシャガってよう。パッキンキン。。。吾朗太さんは。。。昼間の木蓮寺から逃げるようにして、プルメリア港方面へやってきました。。。
すると、二人の若い男の子が何やらお喋りしながら。。海の食堂へ入って行きます。2人ともかなり可愛い顔をした若い男の子。。。パッキンキンの吾朗太さんは、なんだか懐かしい気持ちになりました。
こいつらにも将来があると言うか。。。なんかんだろう、なんでコイツらが懐かしい気持ちになるのか、一人は犬で一人はコギツネみたいな感じの。。。犬の方が、賢い感じでコギツネはヤンチャな感じだけど。。。まぁ、ハタチ前後か、俺より少し若い。。。なんだろう。。。コイツら学生じゃねーな
その若者二人は霊感が無いタイプだと見えて近くにいる吾朗太さんには気づかないらしいので。。。なんとなく吾朗太さんは二人にぴったり付いていきました。
こういう時に店なんかに入ると、お客はお二人さんなのに店員が視える奴だと俺を含めてコントのネタみたいに3人分水なんかを出されるんだろう。。。だけど、まぁ、そん時はそん時だしよ。。。吾朗太さんがそう思うと、どうも二人は今流行りのテイクアウトをするらしい。犬が金目鯛の煮付け、コギツネがサバの味噌煮の定食を共に豚汁付きでテイクアウトしようとすると、店の主人が、「アンちゃんら、ハタチ過ぎてるだろ、酒は」とからかうので、「もう、マスターまたー、やめてくださいよ。。。夜、吐くほど飲まされてるんで。。。」と、二人ともそんな事を言って店の主人がアハハハハハと笑っている。。。どうも店の常連らしいな。。。「俺だって、若けりゃ夜働こっかなん、」と
細っそりした店の主人が若者たちをからかうとまるで漫画の夫婦みたいな対比のどうも嫁さんらしいおデブな同世代のオカミサンらしき女性が、「あんた鏡見なさいよっ」と横やりし。。。すると店の主人が
「なんだヤキモチなんじゃねーの」とさらにオカミサンをからかい。。
あっ夜。。。酒。。。吐くほど飲まされる。。。ウグッ
そのキーワードが耳に入り
なんだろう俺、、、吾朗太さんは何かを思い出すが如くに嘔吐しそうになり。。。
死んでいるので飲食とか、腹がへったとか喉が渇いたとかないけれど酒を吐くまで飲まされるみたいに言っている若者の話しでなにかトラウマの様に吐きそうで。。。。
こ、こいつら、学生じゃねーなと思ったら夜の仕事の奴らか飲み屋のにーちゃん達。。。な、なんだよ。。なんだよー。俺もなんか、、なんかやなトラウマというか。。こいつらみたいな。。。
それから少し店の人々と立ち話した若者は店を出て。。。
住んでいる家が近いらしく、二人は歩きベラベラ喋って道をゆく。。。思わず吾朗太さんは聞き耳を立てました。犬の方が、「あー、でも朔夜社長から連絡が来た時はビビった」コギツネが、「でもさ、お前クビとか注意とかそーゆー事は特に心当たりないだろうに。まぁ、普段からあんまり会わない社長から連絡って怖いわなぁ。それにしても。。朔夜社長も。。。青山会長と知り合いって。。。」「まぁ、朔夜社長って東京出張だし。。。新宿育ちで、青山のおじさんより一つ下ぐらいだしヤンチャ同士は顔見知りじゃない。ヤンチャって言ってもさ、青山のおじさんは中卒で既に働いていたけどね。若い頃は、朔夜社長みたいに多少ホストでもかじってたんじゃない。。」「あの、朔夜社長の言ってた恩人のアヒルだっけ、アヒル社長が。。。」「違う、違う。。朔夜社長の恩人はマヒル社長。。。」「アヒルじゃないよ、マヒルだよ〜」
歌うなよー
犬がマヒル社長。。と言うと。。
吾朗太さんは。。。
えっだ、誰だマヒル
マヒル、だって。。。だ、誰だ、なんだかマヒルという名前を聞いたような気がする飲み屋の関係か俺は飲み屋の関係で働いていたのか朔夜社長が同期出身で恩人のマヒルが。。。って。。。俺もあのデブベルモが、俺は東京出身だと言っていた。。。自分では覚えてないけど。。。東京。。。マヒル。。。なんか、なんか聞いた事あるぞ。。。
すると、犬の方がスマホを見て「あっ」「なんだよー」「青山のおじさんだ。。。これ、Blue momentって。。。LINEが来た。。。」「えええっあ、青山奏から。。。」
若い男の子のコギツネの方が青山奏と騒ぎだし
なにやら、すごい人か有名人かそんな感じらしいが。。。しかしながら、吾朗太さんはそんな事はどうだってよくて。。。
マヒル社長という名前の男性らしき人の事ばかりが気になっていました。
2021年05月24日
マリッジcelebration273邂逅する記憶の片隅で。。。
「青山さん。。。だ、大丈夫ですか。。。」オーガストさんは強烈な吐き気に襲われて。。。それからほんの短い時間なんだろうか、長い時間なんだろうか。。。それすらも感覚がない時間の流れ。。
気がつけば。。繁昌先輩の従兄弟の泉探偵事務所の所長の
ミニチュアシュナウザーの繁昌泉さんが心配そうに覗いていました。
泉さんも地方から上京して同い年の従兄弟の繁昌先輩と子どもの頃からずっと仲がいいようです。大手商社勤務の繁昌。。繁昌佑先輩と自由奔放で独立して探偵事務所を持った泉さんは180度違う世界で生きているようで。。。厳しい繁昌一族のはみ出しものみたいな泉さんは、若い頃はヤンチャをし、実家を勘当されて東京に家出しました。それでも不思議と。。。なぜか優秀な従兄弟の繁昌先輩とは仲が良く。。。繁昌先輩だけは、泉さんが繁昌家を勘当されても気が合って仲良く付き合っていました。
はっ繁昌探偵事務所で
目を覚ましたオーガストさんは
「も、申し訳ございません」思い出した、吐いて気を失ったんだっしかしながら、泉さんは、浮気調査で吐いたり気を失う人も見慣れているようで。。。ご綺麗な事務所は、何事もなかったかのようにキチンと掃除されていました。
改めて、若いMIX犬の事務員が珈琲を入れてきたのでオーガストさんが病み上がりのようにフラフラして御礼を言うと泉さんは、
「あまり気にしないでください。吐いたり気を失う方々は日常茶飯事ですよ。因果な商売です。」泉さんは従兄弟の佑さん。。繁昌先輩から、オーガストさんが真面目で優秀な後輩だと聞いていました。頑固で几帳面な佑。。。あのこだわりのタスクが、わざわざ可愛がっている後輩だからなぁ。。。外資系商社でそれほど無駄な付き合いは煩わしい人間関係を避けたい、さっぱりした企業をわざわざ選んだぐらいの佑がわざわざ可愛がっている。。。かぁ。。。
しかしながら。。。調査員とともに、オーガストさんの奥さんの瞳さんの身辺を調べた泉さんは
うわぁ
同居していた瞳の両親の楠夫妻が、すべて孫の面倒や家事をみていて。。。瞳は遊び歩いたり、出張が多いオーガストさんの仕事生活を活かして夜の店で働いたり。。家族ぐるみで瞳の育児放棄や遊び歩いたりを隠蔽していた。瞳は、親孝行で実家の両親と同居したわけではない。遊び歩いたり、家事育児を押し付ける隠蔽工作のアリバイ要員の為。。。今は、瞳の父親豊が警備員、母親の節子が掃除のパートを週に2、3回代わる代わる行き家事や育児も代わる代わるに担当し瞳は旦那の出張時にキャバクラ嬢をするかカジノへ行くか昼間
男性と会っている。。。
厳しい躾を受けて育ったオーガストさんには親が子供を甘やかすという概念が全くなかった
瞳の父親豊や母親節子のパート先や元住んでいたご近所などに聞き込みをしたところ
四十半ばでやっと産まれた一人娘の瞳は甘やかされ放題で。鹿児島から上京した瞳の父親も青森から上京した瞳の母親も共に貧しいたくさんの兄弟の下のほうで中卒で親から放り出されるように集団就職で東京で知り合い結婚し親からどうでもいい様な扱いを受けて同じロシアンブルーで境遇が似ていて歳も同じで学歴もコネもない豊と節子の二人は傷を舐め合うように夫婦になって結婚したというか。。お互いに貧しい実家だったので二人は親の生きているうちは利用されるように馬鹿正直に実家に仕送りをさせられて。
鹿児島と青森で、お互いに遠方なのでほとんど帰らずお互いの親が亡くなると代も変わり用無しとばかりにお互いの実家とも疎遠になってしまって。やっと搾取から逃れたけどそんな地味な夫婦は子どもができないと諦めた頃に瞳を妊娠して産まれた一人娘の瞳が人に褒められるほど可愛かったのでそれだけが楠夫妻の心の拠り所になり娘のわがままはあたりまえ。。。貧乏な長屋育ちなもののスラム街育ちだし周りも貧乏があたりまえで瞳は気の弱い真面目な両親には全く似ないで相当気も強かったのでいじめられるどころか
小さな頃から姫、姫とチヤホヤされて育ったらしい。。。まぁ。。。確かに美人だよなぁ。泉さんは「あの。。。正直に申し上げて。。。オーガストさん、これが調査書ですが。。。」
オーガストさんは、「覚悟はしております。やはり瞳は。。。」
「瞳さんは、キャバクラ嬢として、キャバクラプリンセスであなたの出張の隙を狙って夜働いたり。。。同居の瞳さんのご両親も瞳さんをかばってどちらかがパートに行けば家事育児を片方が分担していたようですね。。。」「確かに。。。義両親はパートに2、3日出ている様な話しはしていました、僕一人の収入ですとなんだか負担がかかり申し訳ないからと。。。でも。。瞳が専業主婦で家の事はだいたい瞳がやっていたと思ってたので。。。」
「瞳さんのお母さんの節子さんは、今は掃除のパートに出ているようですが、昔から食堂や掃除、家政婦などほとんど家事関連のお仕事をしていた様ですね。瞳さんのご両親も瞳さんも。。。あなたには内緒にしている様ですが、第三者には。。。黙っておけない性質なんでしょうね。お母さんの節子さんが同僚の女性や近所の人に、瞳は料理も家事も苦手で自分が料理をして貴方には瞳さんが料理した事にして出していると。」「そう。。。だったん。。。ですか。。でも、なんとなくそんな気はしていました。」「節子さんは、大衆食堂だけではなくラブホテルの裏方でも働いていた様でいまどきの若い人向けの料理や盛り付けも作り慣れていた様ですね。それで、今時の人が作る料理も出したりいかにも瞳さんが料理をしたように。。。見せかけていたようです。貴方の学生時代、瞳さんと同棲していた頃から。。。貴方がいない時に内緒で掃除洗濯家事、料理などを節子さんがマメにしていかにも瞳さんが家の事をやっていた様に見せかけていたようです。。。」
「やっぱりそうでしたか。。。でも、そんな僕を騙してまで。。。」「それは。。。優秀で品が良くて。。。煩わしい親戚付き合いもない、将来性がある貴方という優良物件を家族ともども手に入れたかったんですよ。。。」「えっ。。。」
「娘が、少しでもいいところに嫁いで欲しいとか、旦那の親戚付き合いに煩わされないようにして欲しいとか。。。娘を、そんなに年齢差のある男性にやりたくないとか。。。誠実で紳士的な出来ればイケメンで生活のいい男性に嫁に出したいのは。。わたしもこの仕事で結婚調査をよくしますが、だいたい親はそんなものでしょう。自分を棚に上げてもいい男性と結婚して欲しいものですし。」「でも。。。そんな優良物件なんて。。。僕は。。。ほとんど出張だし。。実家から勘当されています。学生のうちから同棲して子どもも作ったし。。。」オーガストさんは、自分が優良物件である自覚はなく戸惑ってしまいましたが
泉さんは、
「あなたは、自覚はないでしょうが、かなりの優良物件ですよ。あっ、物件なんて言い方は失礼ですが。。。
出張が多いのは、語弊があるけど亭主元気で留守がいい、で瞳さんが遊び歩いたり夜働くのにもってこいです。それに、婿養子ではないものの、お嫁さんのご両親と同居してくれてお嫁さんのご両親もスラムから巣立ちたいのもあったでしょう。オーガストさんのご実家と絶縁したとて、あなたは大企業勤めで出張は多いけれど、同世代に比べてかなりお給料はいいでしょう。家族で住める社宅制度もあるし。それなら、いっそ旦那さんの実家との嫁姑問題なし、親戚付き合いなし、介護問題なし、貴方は次男で誠実で収入もいいし、面倒見が良くて優しいし。。。娘とは同い年。。娘を持つ親の誰がほっとくのでしょうか。」
そうだったオーガストさんは、自分では自覚は無いものの。。。地元の高校もいい学校へ通っていた時も
近所の人達がヒソヒソと。。。
青山さんちの次男君は長男さんよりいい学校へ通っている、学校の先生の家で身持ちも硬いが、次男なので親と同居もない、優秀で誠実でイケメン、将来性がらある、これは降るように縁談があるだろうと言うのを耳にした事があり親の決めた好きでもない女性と見合いなんかとんでもない
東京に進学して地元から逃げて親の敷いたレールから外れよう変な女性に物色されてはたまらないと、授業料免除で地元を離れて東京の大学に進学したのだけど、案の定。。。父親は
学生時代に勝手に結婚して子どもまでつくっていたオーガストさんに大激怒スラム街育ちで水商売あがりの瞳との結婚も大反対瞳の事は興信所で調べられて、スラム育ちや歳を誤魔化して未成年の頃から水商売をしていた事がばれてしまいました。子どもは認知するから、そんな水商売女とは離婚して福岡に戻り見合いしろそうでなければお前と縁を切るとオーガストさんは父親から宣戦布告されましたがそれなら、勘当してくれてもかまいません
冗談じゃないどうせ学校の校長をしている父親の事だから、東京へ出ていい学校へ行き大企業に入社した次男を自慢していろいろ縁談予約が集まってきていたのだろうそうはいくものかそれのアテがハズレで怒っているのだろうけど、サラサラ見合いなんかする気もない
冗談じゃないATMか安全保障の為に男性を狙う見合い女性なんぞ結婚の対象じゃない
と。。。そういうあちらから狙いを定めるような簡単に手に入る軽蔑していた金の亡者みたいな安っぽい女性とは結婚しないとんでもないオーガストさんは思っていたのだけれど。。恋愛で授かり婚をした妻の瞳と瞳の両親の楠夫妻が。。。スラム生活環境から抜けたし安定の為に。。。結婚瞳は自分を愛してない義両親の優しさは保身の為に。。。。。瞳は息子たちが可愛くないのか後から後から不審と疑惑が溢れてくる「騙されたんですかあの優しい謙虚な義両親も。。。。。瞳が遊び歩くのを見て見ぬ振りは愚か。。。援護してたなんて。。でも。。。なんで。。。なんで瞳は夜働いたりするんだ義両親の借金は綺麗に片付いたって。。。嘘だったって言うのかもっと金が必要なら正直に言ってくれれば
瞳が専業主婦で。。。息子たちを世話して義両親はどちらかパートが休みの時に瞳を手伝っている。。。そういう生活と思い込んでいて。。。」
思いもよらず平凡な生活を覆され
パニックになるオーガストさんに泉さんは、
「オーガストさん、、、申し上げにくいのですが、奥様には借金がありますよ。奥様は、街金でお金を借りていますね。」「えっ」「闇カジノがお好きなようですね。。。あなたの収入に手をつけるとバレてしまうので貯金には手をつけず街金で借りたんでしょうね。。。夜のお仕事キャバクラプリンセスのミズキちゃんという事でハタチぐらいにしか見えないし。。あっ、私は繁昌に結構似ているので、瞳さんの顔見知りの繁昌を思いださせてしまうのでスタッフに客として瞳さんのお店にいかせました。瞳さんの設定は独身で、昼間のお仕事で出張が多いのでシフトがバラバラという感じですね。。。OL設定ですね。可愛くて人気がありますので、お店もシフトはバラバラでも採用したのでしょうね。」「でも。。。どうしてそんな。。。」「闇カジノにはまり。。。あと、オーガストさんはあまりお詳しくないかもしれませんが。。。瞳さんはブランド物もお好きなようですね。それから。。。」
どうも。。。瞳さんにはお付き合いしている男性がいるらしい。。。カジノもだけど。。。ホストクラブの男性にも貢いでます。。。若いソマリの男の子ですね。。。」
若い頃から綺麗で男性関係は派手だったらしい。。。だけど、唯一の救いは同じ種族のロシアンブルー男性との付き合いはなく
息子二人はオーガストさんにそっくりだし、ほぼ間違いなくオーガストさんの子どもであること。。。
しかしながら。。。子どもを作ったのもガッチリとオーガストさんを手に入れる為だったんだろう。実際には義両親に子育てを丸投げした瞳は子どもはあまり好きじゃないらしい。。。産んだらオーガストさんという旦那さんの安定を手に入れて義両親に子どもの世話をさせれば良いと目論んでいたようだ。
邂逅する記憶。。。。。オーガストさんは、
「あの日、あの時の事は、昨日の事のように思い出してしまいます。。。」
それから、オーガストさんは。。。ボロボロに傷つき果てながらも事の真実に向き合う為に興信所の結果を持ち。。。自宅に戻って義両親と瞳さんに問いただし。。。
義両親は、娘や孫のかわいさにどうしても庇ってしまった事をオーガストさんに心底謝罪して私達は、貴方と女の家庭を壊したくなかったあなたには本当に感謝しきりだし、本当の息子の様に思っていると号泣しました
でも、瞳さんが他に好きな男性がいる事フランスに行きたくない、一人で行って欲しいあなたの事は好きだけど、もっと好きな人がいる。。。好きな男性とは別れたくないとはっきりと言われて。。。
どうにも埒があかなく、フランス転任も押し迫り
結局は離婚することになってしまった、息子2人の親権は欲しかったけれど
これからフランスへ転任の身。。。福岡の実家とは絶縁で両親には全く頼れない瞳さんは、子どもはいらないと言っているけど義両親はキチンと息子たちを育てるからと。確かに多忙すぎるオーガストさんでは子育てできない頼るのはやはり、真面目な義両親しかいない
それで、瞳にはギャンブルから足を洗うことを条件に瞳の借金を支払って住む所に困らない様に義両親にはマンションの住み込み管理人の仕事を紹介して息子たちを手離しました。養育費はキチンと支払って。。。
もう、プライベートのなにもかも無くしてただあるのは仕事のみ。。。なんのために働くのかフランスへ飛べば変わるのか
あの頃は現実の生活と直面したくなかった事に直面せざるを得ない状況と。。いっきに押し寄せるもので溢れていて。。。突然の事にどう生きていけばいいか、どう生活していけばいいのかという反面。。社会人として目の前の事を投げ出せず。自分の気持ちもどう説明したらいいかはっきりと見当もつかないし。。いっその事、人生終わらせてとふと頭をよぎったけれど例え別れても自分は人の親なんだここで自分が死んでしまえば。。。
例え別れていても息子たちがそれを知ったらどうなるんだ鬱々とした気持ちと必死に闘い。。。
フランスへ旅立つ少し前に、熱を出して会社を休んだ日とうとう幼い頃に一時期霊媒体質で幽霊らしきものをみたり声を聞いたりした時期が何年かあり消えたのに。。。オーガストさんはフランスへ旅立つタイミングでまたまた霊媒体質に戻ってしまった
「悲しい事で。。。私は自死したらしき霊がこの世にさまよって未練を残して苦しんでるのをみるようになって。。。はっとして、我にかえって自殺を考えるのをやめました。」
身も心も傷ついていたフランスで、一人で生きて行こうと決意して養育費の支払いをしながらなんとか持ち直した頃に、オーガストさんはアメショーの女性と出会って再婚します。娘が一人産まれますが、今はもうフランスで結婚していて
再婚した奥さんは今から10年ぐらい前に病気で亡くなりました。
定年退職で日本に戻ってきてずっと憧れてたプルメリア島に移住しました。古民家を買って。。。
オーガストさんは再婚してかも
養育費の仕送りはキチンとしていたけど、ある程度の歳になり瞳さんからは、「再婚するからあなたも再婚して子どもが出来たんだからその代わりもうウチには連絡しないでちょうだい。こちらにも新しい生活があるし。こっちはこっちでキチンとするから、ただ、養育費だけは支払ってちょうだい」と言われて。。。もちろん、別れた時の好きな男性のホストではなく普通のビジネスマンらしいので安心したけど。。。
まさか。。。瞳が、息子たちに再婚するからいらないと言って義両親に息子たちを預けたというか捨てて自分だけ嫁いだなんて思っていなくて。自分も再婚したし、あちらの家庭の邪魔もしてはいけないと連絡を控えていたけれど。。
後から。。。次男の奏は飲食業で成功して有名になって両親に幼い頃に捨てられたというエピソード。。。
貧乏生活をし。。。養育費を支払わない父親。。。えっ
養育費は確かにキチンと支払ってた瞳が使い込んだのか結局は楠の義両親と息子たちは生活していて瞳は再婚の時に息子たちを捨てていた
。。青山奏。。。あちらは超有名人。。。こちらは恨まれてる今更ながら言い訳したって子どもを置いて離婚してフランスへ行き再婚して
金だけ送り、そのお金もキチンと子どもに使われているかすら確認もせず。情け無い。いまさら合わす顔なんてないのこのこ会いに行っても塩をまかれてそれでよしだどの面下げて。。。会いに行けるというのだ
「すみません。。。若いお嬢さんやお子さんがいる前でこんな話」オーガストさんが泣きながら言うと
しかしながらベルモは、「いいえ。。。よくぞ打ち明けてくださいました。長年生きていらっしゃればいろいろございますわ。リリコさんがおっしゃる様に、オーガストさんのお孫さんはリリコさんのお友達です。オーガストさんへの誤解も解けているのではないでしょうか。これを機会に、差し支えなければ息子さんやお孫さんとお会いしてみてはいかがでしょうか。」
ベルモが
蒸したての肉まんの様な顔をしながらシリアスな事を言っているので。。。思わずリリコは笑いそうになりましたが
ここは笑うところじゃ決してないと。。。必死にこみあげる笑をがまんしていました。
気がつけば。。繁昌先輩の従兄弟の泉探偵事務所の所長の
ミニチュアシュナウザーの繁昌泉さんが心配そうに覗いていました。
泉さんも地方から上京して同い年の従兄弟の繁昌先輩と子どもの頃からずっと仲がいいようです。大手商社勤務の繁昌。。繁昌佑先輩と自由奔放で独立して探偵事務所を持った泉さんは180度違う世界で生きているようで。。。厳しい繁昌一族のはみ出しものみたいな泉さんは、若い頃はヤンチャをし、実家を勘当されて東京に家出しました。それでも不思議と。。。なぜか優秀な従兄弟の繁昌先輩とは仲が良く。。。繁昌先輩だけは、泉さんが繁昌家を勘当されても気が合って仲良く付き合っていました。
はっ繁昌探偵事務所で
目を覚ましたオーガストさんは
「も、申し訳ございません」思い出した、吐いて気を失ったんだっしかしながら、泉さんは、浮気調査で吐いたり気を失う人も見慣れているようで。。。ご綺麗な事務所は、何事もなかったかのようにキチンと掃除されていました。
改めて、若いMIX犬の事務員が珈琲を入れてきたのでオーガストさんが病み上がりのようにフラフラして御礼を言うと泉さんは、
「あまり気にしないでください。吐いたり気を失う方々は日常茶飯事ですよ。因果な商売です。」泉さんは従兄弟の佑さん。。繁昌先輩から、オーガストさんが真面目で優秀な後輩だと聞いていました。頑固で几帳面な佑。。。あのこだわりのタスクが、わざわざ可愛がっている後輩だからなぁ。。。外資系商社でそれほど無駄な付き合いは煩わしい人間関係を避けたい、さっぱりした企業をわざわざ選んだぐらいの佑がわざわざ可愛がっている。。。かぁ。。。
しかしながら。。。調査員とともに、オーガストさんの奥さんの瞳さんの身辺を調べた泉さんは
うわぁ
同居していた瞳の両親の楠夫妻が、すべて孫の面倒や家事をみていて。。。瞳は遊び歩いたり、出張が多いオーガストさんの仕事生活を活かして夜の店で働いたり。。家族ぐるみで瞳の育児放棄や遊び歩いたりを隠蔽していた。瞳は、親孝行で実家の両親と同居したわけではない。遊び歩いたり、家事育児を押し付ける隠蔽工作のアリバイ要員の為。。。今は、瞳の父親豊が警備員、母親の節子が掃除のパートを週に2、3回代わる代わる行き家事や育児も代わる代わるに担当し瞳は旦那の出張時にキャバクラ嬢をするかカジノへ行くか昼間
男性と会っている。。。
厳しい躾を受けて育ったオーガストさんには親が子供を甘やかすという概念が全くなかった
瞳の父親豊や母親節子のパート先や元住んでいたご近所などに聞き込みをしたところ
四十半ばでやっと産まれた一人娘の瞳は甘やかされ放題で。鹿児島から上京した瞳の父親も青森から上京した瞳の母親も共に貧しいたくさんの兄弟の下のほうで中卒で親から放り出されるように集団就職で東京で知り合い結婚し親からどうでもいい様な扱いを受けて同じロシアンブルーで境遇が似ていて歳も同じで学歴もコネもない豊と節子の二人は傷を舐め合うように夫婦になって結婚したというか。。お互いに貧しい実家だったので二人は親の生きているうちは利用されるように馬鹿正直に実家に仕送りをさせられて。
鹿児島と青森で、お互いに遠方なのでほとんど帰らずお互いの親が亡くなると代も変わり用無しとばかりにお互いの実家とも疎遠になってしまって。やっと搾取から逃れたけどそんな地味な夫婦は子どもができないと諦めた頃に瞳を妊娠して産まれた一人娘の瞳が人に褒められるほど可愛かったのでそれだけが楠夫妻の心の拠り所になり娘のわがままはあたりまえ。。。貧乏な長屋育ちなもののスラム街育ちだし周りも貧乏があたりまえで瞳は気の弱い真面目な両親には全く似ないで相当気も強かったのでいじめられるどころか
小さな頃から姫、姫とチヤホヤされて育ったらしい。。。まぁ。。。確かに美人だよなぁ。泉さんは「あの。。。正直に申し上げて。。。オーガストさん、これが調査書ですが。。。」
オーガストさんは、「覚悟はしております。やはり瞳は。。。」
「瞳さんは、キャバクラ嬢として、キャバクラプリンセスであなたの出張の隙を狙って夜働いたり。。。同居の瞳さんのご両親も瞳さんをかばってどちらかがパートに行けば家事育児を片方が分担していたようですね。。。」「確かに。。。義両親はパートに2、3日出ている様な話しはしていました、僕一人の収入ですとなんだか負担がかかり申し訳ないからと。。。でも。。瞳が専業主婦で家の事はだいたい瞳がやっていたと思ってたので。。。」
「瞳さんのお母さんの節子さんは、今は掃除のパートに出ているようですが、昔から食堂や掃除、家政婦などほとんど家事関連のお仕事をしていた様ですね。瞳さんのご両親も瞳さんも。。。あなたには内緒にしている様ですが、第三者には。。。黙っておけない性質なんでしょうね。お母さんの節子さんが同僚の女性や近所の人に、瞳は料理も家事も苦手で自分が料理をして貴方には瞳さんが料理した事にして出していると。」「そう。。。だったん。。。ですか。。でも、なんとなくそんな気はしていました。」「節子さんは、大衆食堂だけではなくラブホテルの裏方でも働いていた様でいまどきの若い人向けの料理や盛り付けも作り慣れていた様ですね。それで、今時の人が作る料理も出したりいかにも瞳さんが料理をしたように。。。見せかけていたようです。貴方の学生時代、瞳さんと同棲していた頃から。。。貴方がいない時に内緒で掃除洗濯家事、料理などを節子さんがマメにしていかにも瞳さんが家の事をやっていた様に見せかけていたようです。。。」
「やっぱりそうでしたか。。。でも、そんな僕を騙してまで。。。」「それは。。。優秀で品が良くて。。。煩わしい親戚付き合いもない、将来性がある貴方という優良物件を家族ともども手に入れたかったんですよ。。。」「えっ。。。」
「娘が、少しでもいいところに嫁いで欲しいとか、旦那の親戚付き合いに煩わされないようにして欲しいとか。。。娘を、そんなに年齢差のある男性にやりたくないとか。。。誠実で紳士的な出来ればイケメンで生活のいい男性に嫁に出したいのは。。わたしもこの仕事で結婚調査をよくしますが、だいたい親はそんなものでしょう。自分を棚に上げてもいい男性と結婚して欲しいものですし。」「でも。。。そんな優良物件なんて。。。僕は。。。ほとんど出張だし。。実家から勘当されています。学生のうちから同棲して子どもも作ったし。。。」オーガストさんは、自分が優良物件である自覚はなく戸惑ってしまいましたが
泉さんは、
「あなたは、自覚はないでしょうが、かなりの優良物件ですよ。あっ、物件なんて言い方は失礼ですが。。。
出張が多いのは、語弊があるけど亭主元気で留守がいい、で瞳さんが遊び歩いたり夜働くのにもってこいです。それに、婿養子ではないものの、お嫁さんのご両親と同居してくれてお嫁さんのご両親もスラムから巣立ちたいのもあったでしょう。オーガストさんのご実家と絶縁したとて、あなたは大企業勤めで出張は多いけれど、同世代に比べてかなりお給料はいいでしょう。家族で住める社宅制度もあるし。それなら、いっそ旦那さんの実家との嫁姑問題なし、親戚付き合いなし、介護問題なし、貴方は次男で誠実で収入もいいし、面倒見が良くて優しいし。。。娘とは同い年。。娘を持つ親の誰がほっとくのでしょうか。」
そうだったオーガストさんは、自分では自覚は無いものの。。。地元の高校もいい学校へ通っていた時も
近所の人達がヒソヒソと。。。
青山さんちの次男君は長男さんよりいい学校へ通っている、学校の先生の家で身持ちも硬いが、次男なので親と同居もない、優秀で誠実でイケメン、将来性がらある、これは降るように縁談があるだろうと言うのを耳にした事があり親の決めた好きでもない女性と見合いなんかとんでもない
東京に進学して地元から逃げて親の敷いたレールから外れよう変な女性に物色されてはたまらないと、授業料免除で地元を離れて東京の大学に進学したのだけど、案の定。。。父親は
学生時代に勝手に結婚して子どもまでつくっていたオーガストさんに大激怒スラム街育ちで水商売あがりの瞳との結婚も大反対瞳の事は興信所で調べられて、スラム育ちや歳を誤魔化して未成年の頃から水商売をしていた事がばれてしまいました。子どもは認知するから、そんな水商売女とは離婚して福岡に戻り見合いしろそうでなければお前と縁を切るとオーガストさんは父親から宣戦布告されましたがそれなら、勘当してくれてもかまいません
冗談じゃないどうせ学校の校長をしている父親の事だから、東京へ出ていい学校へ行き大企業に入社した次男を自慢していろいろ縁談予約が集まってきていたのだろうそうはいくものかそれのアテがハズレで怒っているのだろうけど、サラサラ見合いなんかする気もない
冗談じゃないATMか安全保障の為に男性を狙う見合い女性なんぞ結婚の対象じゃない
と。。。そういうあちらから狙いを定めるような簡単に手に入る軽蔑していた金の亡者みたいな安っぽい女性とは結婚しないとんでもないオーガストさんは思っていたのだけれど。。恋愛で授かり婚をした妻の瞳と瞳の両親の楠夫妻が。。。スラム生活環境から抜けたし安定の為に。。。結婚瞳は自分を愛してない義両親の優しさは保身の為に。。。。。瞳は息子たちが可愛くないのか後から後から不審と疑惑が溢れてくる「騙されたんですかあの優しい謙虚な義両親も。。。。。瞳が遊び歩くのを見て見ぬ振りは愚か。。。援護してたなんて。。でも。。。なんで。。。なんで瞳は夜働いたりするんだ義両親の借金は綺麗に片付いたって。。。嘘だったって言うのかもっと金が必要なら正直に言ってくれれば
瞳が専業主婦で。。。息子たちを世話して義両親はどちらかパートが休みの時に瞳を手伝っている。。。そういう生活と思い込んでいて。。。」
思いもよらず平凡な生活を覆され
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「オーガストさん、、、申し上げにくいのですが、奥様には借金がありますよ。奥様は、街金でお金を借りていますね。」「えっ」「闇カジノがお好きなようですね。。。あなたの収入に手をつけるとバレてしまうので貯金には手をつけず街金で借りたんでしょうね。。。夜のお仕事キャバクラプリンセスのミズキちゃんという事でハタチぐらいにしか見えないし。。あっ、私は繁昌に結構似ているので、瞳さんの顔見知りの繁昌を思いださせてしまうのでスタッフに客として瞳さんのお店にいかせました。瞳さんの設定は独身で、昼間のお仕事で出張が多いのでシフトがバラバラという感じですね。。。OL設定ですね。可愛くて人気がありますので、お店もシフトはバラバラでも採用したのでしょうね。」「でも。。。どうしてそんな。。。」「闇カジノにはまり。。。あと、オーガストさんはあまりお詳しくないかもしれませんが。。。瞳さんはブランド物もお好きなようですね。それから。。。」
どうも。。。瞳さんにはお付き合いしている男性がいるらしい。。。カジノもだけど。。。ホストクラブの男性にも貢いでます。。。若いソマリの男の子ですね。。。」
若い頃から綺麗で男性関係は派手だったらしい。。。だけど、唯一の救いは同じ種族のロシアンブルー男性との付き合いはなく
息子二人はオーガストさんにそっくりだし、ほぼ間違いなくオーガストさんの子どもであること。。。
しかしながら。。。子どもを作ったのもガッチリとオーガストさんを手に入れる為だったんだろう。実際には義両親に子育てを丸投げした瞳は子どもはあまり好きじゃないらしい。。。産んだらオーガストさんという旦那さんの安定を手に入れて義両親に子どもの世話をさせれば良いと目論んでいたようだ。
邂逅する記憶。。。。。オーガストさんは、
「あの日、あの時の事は、昨日の事のように思い出してしまいます。。。」
それから、オーガストさんは。。。ボロボロに傷つき果てながらも事の真実に向き合う為に興信所の結果を持ち。。。自宅に戻って義両親と瞳さんに問いただし。。。
義両親は、娘や孫のかわいさにどうしても庇ってしまった事をオーガストさんに心底謝罪して私達は、貴方と女の家庭を壊したくなかったあなたには本当に感謝しきりだし、本当の息子の様に思っていると号泣しました
でも、瞳さんが他に好きな男性がいる事フランスに行きたくない、一人で行って欲しいあなたの事は好きだけど、もっと好きな人がいる。。。好きな男性とは別れたくないとはっきりと言われて。。。
どうにも埒があかなく、フランス転任も押し迫り
結局は離婚することになってしまった、息子2人の親権は欲しかったけれど
これからフランスへ転任の身。。。福岡の実家とは絶縁で両親には全く頼れない瞳さんは、子どもはいらないと言っているけど義両親はキチンと息子たちを育てるからと。確かに多忙すぎるオーガストさんでは子育てできない頼るのはやはり、真面目な義両親しかいない
それで、瞳にはギャンブルから足を洗うことを条件に瞳の借金を支払って住む所に困らない様に義両親にはマンションの住み込み管理人の仕事を紹介して息子たちを手離しました。養育費はキチンと支払って。。。
もう、プライベートのなにもかも無くしてただあるのは仕事のみ。。。なんのために働くのかフランスへ飛べば変わるのか
あの頃は現実の生活と直面したくなかった事に直面せざるを得ない状況と。。いっきに押し寄せるもので溢れていて。。。突然の事にどう生きていけばいいか、どう生活していけばいいのかという反面。。社会人として目の前の事を投げ出せず。自分の気持ちもどう説明したらいいかはっきりと見当もつかないし。。いっその事、人生終わらせてとふと頭をよぎったけれど例え別れても自分は人の親なんだここで自分が死んでしまえば。。。
例え別れていても息子たちがそれを知ったらどうなるんだ鬱々とした気持ちと必死に闘い。。。
フランスへ旅立つ少し前に、熱を出して会社を休んだ日とうとう幼い頃に一時期霊媒体質で幽霊らしきものをみたり声を聞いたりした時期が何年かあり消えたのに。。。オーガストさんはフランスへ旅立つタイミングでまたまた霊媒体質に戻ってしまった
「悲しい事で。。。私は自死したらしき霊がこの世にさまよって未練を残して苦しんでるのをみるようになって。。。はっとして、我にかえって自殺を考えるのをやめました。」
身も心も傷ついていたフランスで、一人で生きて行こうと決意して養育費の支払いをしながらなんとか持ち直した頃に、オーガストさんはアメショーの女性と出会って再婚します。娘が一人産まれますが、今はもうフランスで結婚していて
再婚した奥さんは今から10年ぐらい前に病気で亡くなりました。
定年退職で日本に戻ってきてずっと憧れてたプルメリア島に移住しました。古民家を買って。。。
オーガストさんは再婚してかも
養育費の仕送りはキチンとしていたけど、ある程度の歳になり瞳さんからは、「再婚するからあなたも再婚して子どもが出来たんだからその代わりもうウチには連絡しないでちょうだい。こちらにも新しい生活があるし。こっちはこっちでキチンとするから、ただ、養育費だけは支払ってちょうだい」と言われて。。。もちろん、別れた時の好きな男性のホストではなく普通のビジネスマンらしいので安心したけど。。。
まさか。。。瞳が、息子たちに再婚するからいらないと言って義両親に息子たちを預けたというか捨てて自分だけ嫁いだなんて思っていなくて。自分も再婚したし、あちらの家庭の邪魔もしてはいけないと連絡を控えていたけれど。。
後から。。。次男の奏は飲食業で成功して有名になって両親に幼い頃に捨てられたというエピソード。。。
貧乏生活をし。。。養育費を支払わない父親。。。えっ
養育費は確かにキチンと支払ってた瞳が使い込んだのか結局は楠の義両親と息子たちは生活していて瞳は再婚の時に息子たちを捨てていた
。。青山奏。。。あちらは超有名人。。。こちらは恨まれてる今更ながら言い訳したって子どもを置いて離婚してフランスへ行き再婚して
金だけ送り、そのお金もキチンと子どもに使われているかすら確認もせず。情け無い。いまさら合わす顔なんてないのこのこ会いに行っても塩をまかれてそれでよしだどの面下げて。。。会いに行けるというのだ
「すみません。。。若いお嬢さんやお子さんがいる前でこんな話」オーガストさんが泣きながら言うと
しかしながらベルモは、「いいえ。。。よくぞ打ち明けてくださいました。長年生きていらっしゃればいろいろございますわ。リリコさんがおっしゃる様に、オーガストさんのお孫さんはリリコさんのお友達です。オーガストさんへの誤解も解けているのではないでしょうか。これを機会に、差し支えなければ息子さんやお孫さんとお会いしてみてはいかがでしょうか。」
ベルモが
蒸したての肉まんの様な顔をしながらシリアスな事を言っているので。。。思わずリリコは笑いそうになりましたが
ここは笑うところじゃ決してないと。。。必死にこみあげる笑をがまんしていました。