ベルモ、
コネも運も実力と才能のうちよ。たまたま純ちゃんはあなたとお友達、知り合いだったおかげでハタチ前に終わる生命を
この先、平均寿命以上に生きていけるかもしれないという大きなチャンスをつかまえたの。人生というのは、本人が生きたいのに生きられないという若いお気の毒な人々がいて、でも反面長生きして天寿をまっとうした人々のなかにも
この人と知り合いだったから死ななくて済んだという陰ながら本人が気づかないうちに支えられる縁や運やチャンスを持っている人がいる。。という
御本尊様の言葉が身に沁みる。。ベルモは、ただ。。。今は目の前のオーガストさんの話に集中しよう。
リリコさんや、純ちゃん本人には、大丈夫、大丈夫と言ってしまったけど。心配かけるわけにはいかない。そう、本当は純ちゃんに生命の危機、分岐点が迫っている事など。大丈夫。。。なんとも無いなんて。。でも、これは嘘じゃない。前向きな倫理よ。それに、大丈夫かもしれない。絶対ダメではない。
私はそう信じてる。
宝くじの高額当選が当たらないと言う人がいるが、絶対当たらないわけではない。買えばZERO %当たる確率がないわけではない。
例えわずかでも
可能性があるなら、希望を持つべきだ。だから私は万に少ない可能性でも、なくはないだろうの運の訓練と寄付の為に時々宝くじを買ってるんだし。そりゃ、お金は私も好きだけど。。
生きているうちにあるかないかの強運な出来事というのは、ほとんどの人がつかみたいものだと思う。なかなか掴めないけれど。そんな事が頭の片隅に浮かんでは消えていく。。。
健康な生活を送っている
人はある日突然死ぬかもしれないが病気でもないのに明日死ぬなんてほとんどの人は思っていない。だけど、誰だってある日突然死ぬかもしれない。だけど、反面、莫大な遺産を思いがけず受け継いだり宝くじを買えば高額当選する場合もある。ほとんどの人が妄想夢物語で本当に大金が入ってくるとは思っていない。だけど本当にまさか自分がという事が起きる場合があるのだ。なにもしなければZEROで終わるけど。。
傾聴修行で木蓮和尚の人生相談に同席して顔色を変えずにひたすら相談者の話を傾聴することに慣れていたベルモはうたかたのように浮かんでは消える不安と希望の攻防と闘いを顔色に出さずにオーガストさんの話を聴いていました。これは傾聴修行ではありませんが。
オーガストさんの過去にさかのぼり。
オーガストさんはちょうどフランスへの転勤辞令が出た時に信頼している繁昌さんという上司から、オーガストさんの奥さんが夜働いていろんな男性と一緒にいるところを目撃したという。。繁昌先輩にはお世話になってお酒にお付き合いしたり、家に行って奥様ともどもオモテナシをうけたりかなり可愛がってもらって。。。繁昌先輩の奥様の柴犬の麗子さんが妹分として小さな頃から可愛がってる友人の妹の夜のお店キャバクラの写真をたまたま見せて貰ったところ。。。オーガストさんの奥様らしき人が明らかにキャストさんとして映っていたのです。
あれっ。。これは、スーパーなんかで挨拶する青山さんの奥様では。。。繁昌家のマンションと青山家のマンションが近いので、繁昌夫妻と青山夫妻の普段の生活圏が重なり繁昌夫妻はたまたま近所のスーパーで青山夫妻とばったり出会い、オーガストさんは、
繁昌夫妻に奥さんの瞳を紹介しました。それから、近所で会うと繁昌夫妻は瞳と挨拶する関係でしたが
オーガストさんからは瞳さんが昔親の借金事情で水商売をやっていた事を聞いていました。しかしながら。。。なにかあって、今だに奥様も夜の仕事を続けているかもしれないし。オーガストさんは、ほとんど出張で、社宅マンションには、奥さんの両親と小さな子どもと暮らしていて確か奥さんは遅がけの子どもでお年寄りだしもしかして、男の子二人はこれからお金がかかるし、それに介護費用かなんかの為に働きに出ているかもしれないと繁昌夫妻はこの事は、よその家庭事情だし黙っていようと話し合いましたが。。。だけど。。。
出勤海外出張を重ねるオーガストさん。
繁昌夫妻は、それからちょくちょく夫婦とも瞳さんが若い男性やお金持ちそうな男性と歩いていたり一緒にいるところを見るようになりました。それも、オーガストさんの出張のとき。繁昌夫妻は、水商売の同伴やお付き合いだろうかと話していましたが、
とうとう。。。瞳さんがオーガストさん以外の若い男性とホテルに入るのを麗子さんが見てしまいますたまたま、近隣から少し離れた地域で、お友達とランチをしようとお店に向かった時に。瞳さんの方は、男性と親しげにするあまり麗子さんには気づいてないよう。
一緒にいた友達の妹というのが麗子さんに写真を見せてくれた瞳さんが働いているであろうクラブのキャストです。麗子さんは予約していたカジュアルフレンチのお店に入ると
「マキ、あの。。。こないだミッちゃんが私にお店の写真見せてくれたでしょう。キャバクラプリンセスの」ミッちゃんというのは麗子さんの友人美月の事で、アビシニアン姉妹のマキと美月は麗子さんの実家の近所の幼なじみです。「ウーン。。。美月はなかなか仕事が続かないのに水商売だけはなんとか続いてるのよ。まぁ。。。親も私も心配だけどね。ねぇ、麗子、美月の写真って麗子まさか夜のお仕事でも旦那さん、エリートでしょう」「あ、そういう事じゃないんだけど。。実はミッちゃんの写真に旦那の会社の後輩の奥様がキャストで写っているのよ。後輩君はほとんど出張で。それだけならこっちが触れる事じゃないんだけど、最近その奥様がいろんな男性といるのを見かけて。。。で。。。さっきねとうとう。。。旦那さんじゃない、貴方達みたいな感じのもうちょっと毛が長いタイプの若い男性とホテルへ入っていって。。。」「えっ。。。私達アビシニアンだから。。。ソマリって事かなで、でも。。。どうするの、それで。。よそのお家様の事だし。。。」
麗子とマキは、ランチのコースとワインをオーダーすると「そうよね。主人に相談してみるわ。主人が可愛がってる部下で。主人も飲み相手が欲しくてあまり飲めないのにわざわざ付き合ってくれるしウチにも連れてきたりで。なんとなくほっとけないのよ。子どもが小さいのに、奥様のご両親に預けっぱなしなのかしら。。。」二人とも飲めるのでワインが先に来るとまずは乾杯しながら。。。
「妹にチラッと聞いといてあげようか。まぁ、夜のお店だからプライベートまでは全然付き合いがないとか、その子と仲良くないならゴメンだけど。」「ウーン。。。まぁ、主人にも相談してみるけどミッちゃんなら私の相談も真剣に乗ってくれるわね。」麗子さんは、夜のお店の源氏名は知らないけど瞳さんという二十代半ばだけどじゅうぶんハタチぐらいに見えるロシアンブルーの女性だとマキさんに伝えました。ミッちゃんに見せて貰った写真の真っ赤なドレスの子よ。。。
そりゃあ。。。よそ様の問題だけれど奥様が夜働いてそれはそうだとしても。。。昼間も旦那さん以外の男性とという事は。。。青山さんの奥様と奥様のご両親はグルという事になる。幼い子持ちの主婦が自由自在に昼夜外出できるんだもん。こう言ってはなんだけど、人のいい青山さんをいいように奥さんが家族ぐるみで利用してないかしら。青山さんは、かなり人がいいし男は外に出れば7人の敵がいるじゃないけれど。なかなか、人を信用しない頑固なうちの旦那が可愛がってウチにまで会社の人を連れてくるのは珍しいし。他人様の家庭にヒビを入れるような事をするもんじゃないとはわかっているんだけど。
だけど。。。青山さんが騙されていたらあまりにも可哀想だわ
それに。。。ウチはなかなか子どもが授からない青山さんは授かり婚みたいだけど。妬んではいけないけれどどうしてあんな可愛い子どもが二人もいて浮気なんか旦那さんは真面目だし。。。言う事ないじゃないの。いろいろモヤモヤ思いをはりめぐらせて
麗子さんは、夜帰ってきた旦那さんの繁昌さんに昼間瞳さんが若い男性とホテルに入っていくのを見たと言いました。
さりげなく、キャバクラプリンセスのキャストの美月に姉のマキが瞳さんの様子を聞いてくれる事も。。。
これは幾らなんでも。。。青山さんをほおってはおけない。青山さんが奥さんに騙されているかもしれない。それも。。。奥さんの家族ぐるみで。。。青山さんは。。瞳さん家族の搾取と利用の為に結婚させられているかもしれない
麗子さんの友人マキさんは、妹の美月ちゃんに麗子さんに見せたキャバクラプリンセスの写真を持ってくるように頼むと、赤いドレスの瞳さんを指して「実は、写真の女の子、麗子が知ってる子みたいなんだけどさ。」とさりげなく聞いてみました。美月ちゃんは、
「あーミズキちゃん。。そうなの。可愛いし、甘え上手で人気があるけど。」美月はちょっとだけ浮かない顔をしました。「まあ。。あまり。。性格良くないの」「ウーン。。そうじゃないんだけど、私も猫だから結構ミズキちゃんとは喋るんだけどー。。まぁ、お店入って私はお仕事を周りに黙ってないし家族も知ってるからさ、入店した時に、私がミツキでって源氏名希望出したらミズキちゃんがいるからまぎらわしいからダメだって。で、私はアイちゃんって源氏名になったんだけどさ。」「それは仕方ないじゃないの、ミズキとミツキじゃまぎらわしいし。。」「うん、そうじゃなくて。それはいいんだけどー。。。ミズキちゃん。。。旦那もいるけど彼氏もいるし。。。まぁ、職業柄男性関係ができても仕方ないんだけど。、話を聞いてると旦那さんが可哀想なのよね。旦那さんは将来性と同じロシアンブルーだし、ルックスもいいし誠実だから結婚したんだけど。。。他に好きな男性がいてその人に貢いでるみたいだしまぁ。。。ミズキちゃん旦那さんがほとんど出張みたいだし、ミズキちゃんの両親は娘の結婚生活を壊したくないから両親ともミズキちゃんのアリバイづくりというか、お母さんにはパートを辞めさせて家事育児をさせて。。。旦那さんには夜働いてるのは内緒みたいなんだよね。」「えっ」
キャバクラプリンセス源氏名
ミズキちゃん。。。こと瞳さんは、どうも、自分の秘密をペラペラペラペラ。。。第三者にお喋りするようで。まさか、同僚のアイちゃんがうっすら旦那さん繋がりがあるなんて知るよしもなくアイちゃんこと美月ちゃんにプライベートの男性関係をペラペラ喋っていたようでした。キャストも猫同士はグループでいろいろ話しをするようです。
その美月ちゃんからの瞳さん情報を麗子さんが耳に入れて「こういう事みたいよ、これじゃあ、あまりにも青山さんが可哀想だわ。。。」と旦那さんの繁昌さんに伝えました。麗子さんから話しを聞いた繁昌さんは、「俺たちがわざわざ美月ちゃんから話しを聞き出して瞳さんを内偵してたなんて青山君にまずは言えないしさ。青山君には、
俺が学生時代のツレと付き合いで奥さんの知人がいるキャバクラへ行って瞳さんらしき人が働いてるのを見たって言って。。。まずはそう話しをしてみるよ。。。」地方出身でも
繁昌先輩は東京の大学を出ているので同じく東京の大学卒業後そのまま東京で就職した友人もたくさんいます。
「そうね。。。。。。このまま青山さんをほおっておくのはしのびないわ。」麗子さんも言います。
それで。。。ある日突然、昼休みに重大な話しを繁昌先輩から聞かされたオーガストさんは、その帰りしな繁昌先輩の家に招かれて。。。繁昌夫妻から瞳さんの情報を聞くと。
信じられないという思いもあったけれど、同時にそれよりも。。。瞳は本当に子どもが好きで子どもが欲しくて産んだのだろうか。自分は仕事にかまけて家庭を顧みないというやるせなさと家族に対して申し訳ない気持ちがあるけれど。。。家はキッチリピカピカに掃除され息子たち、子どももキチンと手入れされてるけど。
下の息子の奏はまだ赤ちゃんだけど上の息子の禅は2歳で、だけどあまり瞳にはなついていないような違和感を感じて。。。
オーガストさんは特に好き嫌いはないけど料理に関してかなり舌が敏感で瞳が作ったという料理がまるっきり義母の料理と同じにしか思われないのだ。学生時代同棲していた頃は、瞳は水商売というのはわかっていたし、オーガストさんは喫茶店でまかないを食べていたからお互い忙しくてほとんど瞳は料理はしなかったけど
たまに、帰ってきて料理が作られていたことがあったけど。。。あれはもしかしてオーガストさんがバイトでいない時間義母が作ったものではないのか。そうだ、ある日瞳らしくない年配女性用のハンカチが落ちていたりした事もあった。。。
派手好きな瞳には変だと思いながらも女物だし。それか夜のお店のセンスの悪いお客の若い女性のセンスもわからずどこかの出張か旅行のイヤゲモノで、趣味じゃないからキッチンの布巾にでも使うのか程度にしか思わなかったけど。
あれは。。。義母が忘れたハンカチで義母が料理や掃除をしていたのではないか。義母は、瞳の話しだと食堂や掃除やクリーニングとにかくパートは家事料理関係ばかりだったらしいし、当時のマンションは瞳の実家からそれほど離れていない。瞳が仕送りするからとお給料を支援する代わりに義母が家事代行を。。。
学生時代、同棲していた時はオーガストさんも掃除や洗濯は機械だし、家事をやってはいたし。。そういえば。。。自分の目の前では瞳はあんまり家事をやらなかった。
さらに。。そんな疑惑が可愛いくらいで耐えきれないほどに。。。瞳には男がいるかもしれないと。。。
3ヶ月後のフランス転勤も迫る。。。息子二人にはこれからの将来がある。。。
「とりあえず、私はあのときはっきりした事実確認を、と興信所に依頼しました。怖くて。。。でも、瞳にはずっと前からどこか違和感があったので。。。」オーガストさんは、繁昌先輩に相談して繁昌先輩の知人の興信所に瞳さんの調査を依頼しました。
結果を待つ日々。。。苦しみながらも、苦し紛れ。。襲ってくる不安や恐怖と闘いながら。。。なんとか平生を無理やり装って家族には、まだフランス転勤は伏せていました。
繁昌先輩の後輩という事で、興信所はかなり親切にサービス価格にしてくれたもののついに。。調査結果を開いてみれば。。。
クラクラ。。。
オーガストさんは、あまりの結果や証拠の写真に思わず吐いてしまいました。
2021年05月16日
2021年05月11日
マリッジcelebration271いつか哀しみが思い出に変わるまで。。。
リリコからLINEだ。
駿栄が昼過ぎに起きるとちょうど昨夜お店に遊びに来た地元の同級生のリリコからLINEが入っていました。そう、LINE交換したっけな。
あー
リリコからのだいたいの内容は、オーガストさんを一日貸し切りにしたので、アシスタントもお願いして木蓮寺の取材に同席してる、やっぱりオーガストさんはミーシャの祖父さんで
離婚した祖母さんに騙されたよう。。。みたいな事だった。あー。。。やっぱり。。。
「起きてたんか、」ホストクラブ熱帯夜の新人寮、シェアハウス同室の饗が寝ぼけまなこで起きてきて。。。「リリコからLINEが来てた。。。」
「えーなんだよーなんで流星になんだよー。俺もLINE交換したぞー」そうだ。。。饗は恐らくリリコみたいな女の子がタイプなのだ。。。「や、別に同級生の地元の友人って事で、LINEくれただけですよ。例の、ほら、オーガストさん。リリコ業務中みたいで簡単にLINEで来たけど、やっぱり青山のおじさん。。。あ、青山奏氏のお父さんみたいで。やっぱりなんというか。。。奥さんにまんまと騙されてたみたいだし。」「ほら、やっぱそうだろう、あの人、悪い人なら俺はオヤジでって、青山奏に金の無心にとっくに行ったり、金に困ってなくても俺は天下の青山奏のオヤジだって吹聴するだろう。。。そんな有名人の。。。しかも実の父親ってさ。。。それを隠すようにしてるんだぜ。まぁ、確かに世間では青山社長は両親に捨てられて祖父母に育てられたってなってるけどさ。」そう、饗はオーガストさん贔屓というか、自分の父親をオーガストさんに重ねたんだろう。。。離婚して養育費を使い込んだ母親に虐待されて父親に助けられて。。。それに、饗も自分も。。。饗と駿栄ことホストクラブ熱帯夜源氏名流星はオーガストさんから名刺を貰って、「へー、会社番号24ですか、オーガスト24で、俺と流星の誕生日みたい。偶然にも同い年の同じ誕生日って事もあり必然的に仲良くなったのもあるけど。すると、あの時オーガストさんは嬉しそうにそりゃあ偶然だ。会社に入って会社員番号の空き番号がいろいろ選べて。名刺の下に番号が振られる。あっ、ちょうど、自分の誕生日の24番がいま空いていてオーガストという名前もあり8月24で、自分の誕生日もあって、会社員番号の24を選んだと言っていたのだ。ゾロ目ではないけど、偶然乗ったタクシーに同じ誕生日の人々が揃うのは縁起がいい。
いろいろ話して親しくなりホストクラブ熱帯夜に極楽鳥花の切り花をいただき。
饗も流星も、自分の誕生日のようなオーガスト24と書かれた名刺はなんとなく縁起がいい気がした。
「だろー、言った通りだろ。昔なんか今より男は不利なんだって。俺は有責を男になすりつけるBBAが大っ嫌いなんだって。ホントに許せんうちの店の客にもいるだろう。俺らにボケて遊び歩いて借金作る癖に子ども寄越せとか、養育費使い込んで遊びに来るとか」そうそう、酔っ払って子どもの養育費を使い込んで熱帯夜に通ってるだの元旦那を騙しただの調子づいてわめく先輩のお客にブチ切れそうになった饗を必死で流星が止めたって事があった。
俺は幾ら金持ってる客でもそういう養育費で遊び歩く女はいらない相手にしたくないし金はいらないから喋りたくないからさっさと帰れと思うと饗は言います。
そんな饗を流星は羨ましくすら思いました。流星。。。駿栄の実家は四面楚歌一家総出で虐待そのもの。奇跡的に家以外の人間関係がめちゃくちゃ恵まれてきているのでだからこそ、ここまで来たけれど饗にはちゃんと父親やきょうだいの味方がいる。
それにしても。。。オーガストさんは青山のおじさんのお父さんか。。。流星は家族から叩き出されると隣の家の純ちゃんの神野家にも世話になっていたけどそのまた隣のミーシャの家の青山家も、青山奏社長は多忙であまり家にいないものの、隣の純ちゃんの祖母の喜美さんをハウスキーパーとして雇うと、喜美さんにもしも駿栄君になにかあったらうちに入れて一緒にご飯を食べさせてあげてくださいと頼んでくれていたようだし。もっぱら純ちゃんのお母さんの環さんも、いつも家にいる喜美さんには、駿栄君をお願いと気にかけてくれたけど、もしも、家を追い出されて困ったら仕事を世話するからと、青山のおじさんは言ってくれた。
流星こと駿栄は、リリコのLINEになにか返信しようとすると饗が、「リリコちゃんまた来てくれるかなぁ3泊4日なんだろ。今日か明日、。。」「ま、アイツは家が金持ってるからね。でもさ、饗はどうせリリコの金がどうのこうのじゃなくってタイプなんだろう」流星はからかうと、「だってさ。お前につく客ってやたらと俺のタイプなんだよなぁ。客やめて彼女になってくれって感じの、ほら、最近も、札幌から来た双子のアザラシのミルクちゃんとくるみちゃんとか。まぁ、ナンパで一見さんだったけどさー。」「リリコはいい子だし、でも、全く女として見たことないし。饗だって双子ちゃんとも友達んなってLINE交換してるんだろ。でも、あの子らたまたま弟に会いにこっちきて札幌住まいだし。お客にももーちょいマメになったら。」饗はあまり自分のお客にLINEや連絡をしない。それもそう、母性をくすぐる甘い容姿と甘えっ子でヤンチャな弟キャラクターがウリで
母性本能が強い世話好きなお客に気に入られるタイプだし、饗からすると、「女は惚れた男には尽くしたり世話をやくもんだからさ。」と涼しい顔して勝手に世話をやかせる。
時間と金を投資させればさせるほどズブズブにハマるんだと。一方で、流星は、知性的で誠実なジェントルマンキャラで売っている。ホストクラブで働きそうにないタイプだが、世の中の社会勉強と広い視野見聞で将来事業を興したいからホストをしていると語る。これまた、知性的だの誠実だの多くの女性に好まれやすいし実業家の夢があるからホストをやっているのであって、目先の遊びの為にホストをやっているのではないというのがなんとも女心をくすぐると、言っても饗も流星もキャラを作るより自の個性をうまく活かしている。タイプは全然違うけど、女性ウケするヴィジュアルも欠かせない。
そんな時。。。流星のスマホが鳴るう。。うわー朔夜社長
「ど、ど、どうしよし、社長から。。。」ホストクラブ熱帯夜の黒豹の朔夜社長。。。現役ホストではなくホストクラブ熱帯夜と他にも飲食店を経営していて店にはあまり来ないんだけどだから流星は面接の時以外あまり話したことがないし。。たまたま、面接が店長でなく社長で。。。社長という立場も黒豹というのも。。。かっこいいけど近寄りがたいし
怖いよー。
な、なんでそれにしてもなんで店長からじゃないんだま、まさかクビそれなら一応在宅の副業はあるけど住む場所が流星は面接の時に社交辞令的一応形式的に交換した黒豹の朔夜社長のLINE電話が鳴ってると焦りまくりました。「ひ、ヒェッ社長からお前なんかあったのえーホストの割に品行方正な流星が。。。心あたりはと、とにかく相手は社長だ。。早く出ろ」饗が促し、流星は覚悟を決めて腹をくくり電話にでると。。。
エイヤッ
「お、おはよう御座います。流星です。」「おう、久しぶりだながんばっとるみたいだけど。」「あ、ありがとうございます。。。」社長の声が妙に明るいドキドキ。。。流星はそれでもなおのこと緊張しました。
「お前、青山奏社長の近所のボウズなんだって」「え、えっ、あ、あ、はい。青山奏社長は子どもの頃から可愛がって貰ってます。」「青山社長の娘さんが、お前がウチの店にいる事を社長に喋って、まぁ、クラスメイトや信頼できる人にはホストの仕事喋っていいってお前が言ったから喋ったって。お前が安心無事の意味も込めて。お前家出したんだろ」「あ。。。あ、あの、す、すみません。家出しました。」「別に怒ってるわけじゃない、ホストなんて家出してきた奴なんてザラだろう、そんなもん。家出してきた時に以前の携帯番号やら全部変えただろ。。。」「はい。。。新しくやり直すつもりで心機一転。。。」
「青山社長が、俺に電話してきて、あ、俺元々東京だし、歳も近いし若い頃から青山社長知ってるし。俺新宿生まれであちらは渋谷だろ。青山社長の経営者の塾にいたし、最近あまり連絡取ってなかったんだけど、これでもツレだから。まぁ、あっちは大成功こっちは小金持ちで次元が全然違うけど知らんかったわー、お前が青山社長の近所の小僧だって。。。」「そ、そうなんですか青山のおじさんと。。あ、青山の社長とうちの社長が」「そうそう。青山社長が、嫌じゃなければ、流星のLINEでも知らせてくれないか、って、あ、強制的じゃない。すぐにじゃなくてもいい、もちろんプライバシーには干渉しないって。ただ、困った時は力になるって。。。」
なんだか、涙が出そうになったいい意味で昔から変わってない。。青山社長も違った意味で親には相当苦労したんだろう。
青山奏社長のエピソードで、両親に捨てられたというのは世間の知るところ。実際はいろいろ裏事情があったようだけど。むかし、中学生ぐらいの時に流星は、青山奏の優しさが身に染みて、「ごめんなさい青山のおじさんは両親に捨てられた事が羨ましくて羨ましくてって思ってしまうんだ。僕なんかもう、親元に家にいる限り不幸でおじさんだってツラかったろうに。それでも僕は、親から捨てられた人が自由で羨ましく思えてしまう。きっと、頭がおかしいんだ普通は円満な両親に恵まれた人が羨ましいんだろうに。親が死んでくれたらっていつも思うし。」と、大泣きしたことがあったかと言って、流星は、グレる勇気もないし、ましてや家庭内暴力や親殺しをする様な性格でもない。「わからんでもないよ。自由がないほど意思を削がれるほどツライ事はないし。高校までは行って、大学は奨学金か俺が金を貸すから早く家を出な。それまでは、お隣の神野さんもだし、ウチも協力するから。。。」と言ってくれた。
その、恩人の青山奏社長にも黙ってプルメリア島に来てしまった
朔夜社長の声があまりにも大きいので、隣にいた饗に電話内容はすっかり丸聞こえだっただけど。。。饗も、流星が青山奏の知り合いというのを話されて知っていたけどそれにしてもじきじきに連絡を、という話にはさすがに驚くばかりでした。「ところでさ、ウチの店の店長ブログ見たんだけどお前と饗が、昨日ストレチア持ってきたんだって。」「はい。あ。。あの。。。たまたま帰りのタクシーで朝ドライバーさんと話し込んで。。」そう、その極楽鳥花をくれたタクシードライバーのオーガストさんは青山奏の父親らしいんだって。。と流星が言いたいのを黙りこんで「懐かしー俺、東京でホスト始めたのって。。もー20年以上前だけど。。。あん時、なんもしてなくって。女いっぱいいて勝手に貢いでくれてたしさ。クズだったねーで、クラブ。。踊る方のな、そこで毎晩ナンパして。で、女から小遣い貰ってさ。アホみたいな個人事業主のジゴロみたいな生活してて。。それを風の噂で。。風邪の噂か。ホストクラブ、極楽鳥夜の社長がスカウトしにきたわけ。」「す、ストレチヤ??」「ストレチア、極楽鳥花なんだけど、シャレで極楽鳥夜って書いて、ストレチヤって読む。社長のマヒルさんって人が極楽鳥花が好きで名付けたんだと。あー、自分はマヒルの癖に、俺らホストの源氏名は、ほとんど名前の最後に夜がついて。。。」
伝説のジゴロ生活みたいだった若造の朔夜社長は、ホストクラブ極楽鳥夜のロングコートチワワのマヒル社長に、「君は朔夜だね。」といきなり言われたそうだ。なんだこのオッさん。チワワのチンコロリンじゃんと思っていたら、いきなり名刺を出して「失礼。私はホストクラブ極楽鳥夜の社長、マヒルと言うものだ。」「はホスト興味ねーよ。俺は組織が嫌いでね。サヨナラ、ナンパの邪魔なんでね。」と初日は適当にあしらったけど、それから何度も何度も熱心に、朔夜社長を口説き落とす為にクラブに通ってきた。こいつ馬鹿かと思ったわ。
他人にコントロールされるなんぞ冗談じゃねーぞと、思ってだけどある日ヤクザの女に手を出して一悶着あった時に、マヒル社長が幼なじみのヤクザの幹部に話しをつけてあっさり事なきを得て。。
で、朔夜社長はこー見えても借りはそのままにしておけんので。まぁ、女に関しては相手してやってるからあちらが世話しようが借りも貸しもないけどよ。一か月ぐらいなら働いてやってもいいぞと腹をくくり、朔夜社長は、かりを返す為にホストクラブの世界に足を踏み入れたそうだ。
マヒルも、女から勝手に寄ってきて世話を焼き、自分は好きでもない女性の相手をしているんだからビジネスみたいなもの、だってあっちも喜んでるんだぜという朔夜がおおいに気に入った。世間では最低男かもしれないが、ホストはそれでいい。
もちろん、お客様には感謝しきりだけど。
なし崩しに好きでもない女の熱意に押し倒されてズルズル妥協で付き合う男よりよほどいい。冷酷かもしれないが、片思いの相手なんてビジネスになるんだ。ファンとスターのもうちょっと身近な。。。女がいっときの夢を見て。。。それが最低なら飲みに来なきゃいいし、顔を見に来なきゃいい。
綺麗ごとぬきで、誰しもあちらが一方的に自分に惚れてきてこちらはなんとも思わないという相手は下に見てしょうがないと思う。それを無視するか、商売にするか、利用するか妥協するかは本人しだいだし。俺らは最初からホストだ、と言っているんだ騙したも騙されたもないだろう。
思えば暴走族やったりぶらぶらジゴロしていた自分が、ホストクラブへ入って負けず嫌いの性格に火がつき一か月、2ヶ月と。。。そのまま続き。。こんな長続きする仕事なんか。。と楽しい事ばかりじゃないけど、元々女扱いは上手いし女に苦労はした事ないし。好きでもない女性に夢を見させて、期待をさせて時間と労力を代償にしているんだから、女性から金を貰うのは全く罪悪感もないし。
朔夜、朔夜。。。極楽鳥夜のマヒル社長が最初っから勝手に朔夜社長の源氏名を名付ける。
聞けば、朔夜は新月の夜の意味らしい。黒豹の朔夜社長らしいし。一目見て勝手に名付けられた。新月の夜は縁起がいいらしい。朔夜社長もホストを辞めて経営者になってからも気に入っているのか、ずーっと本名ではなく源氏名の朔夜を名乗っている。
そんな、マヒル社長も還暦になる前に肝硬変で亡くなった久しぶりに、東京に戻って、マヒル社長の墓前に極楽鳥花を捧げたいそんな気持ちになったと、朔夜社長は言う。だから、ウチのお店の名前は熱帯夜だと言っていた。なんだかんだで、チンコロリンには世話になった。あー、チンコロリンは、内緒な、俺をホストの世界に引き摺り込もうと何度も何度も通ってきた頃にしつこいマヒル社長にウザいから、最初は顔を見るたび生意気にも
お前はマヒルというよりヒルだの、アヒルだの
チンコロリンだのチワ公だのボロカス言っていたらしい。勿論、朔夜社長がホストになってからはマヒル社長を尊敬したけど。。。だって、マヒル社長がしつこくなかったら俺は当時あった半グレの東京邪神軍にでも入ってヤクザになっていたろうし。まぁ、ヤクザだと思われてるかもしれないが、堅気ではないけどヤクザじゃないし。とっくに今頃もう死んでたかもしれないしな。あのとき。。。何度もしつこいスカウトのマヒル社長には。。
ボロカスに言ってもマヒル社長はニコニコしてたし、まぁ、俺のナンパを観察してたんだろうな。と朔夜社長はいう。朔夜社長の思い出長話につきあったあと、青山奏社長にLINEのアドレスを知らせていいって伝えてもらった。
純にはLINEのアドレスを教えたけど、クラスメイトには落ち着くまで待ってほしいと、ミーシャには連絡先をまだ教えてないし。確かに昨日店に来てくれたリリコにも教えたけど
同級生に教えるといっきに連絡が来るので申し訳ないけど対応しきれないし。元気でやってるからほとぼりがさめるまで、待って欲しいと純やリリコにお願いしました。そうそう。。。純は、いま東京に帰省してるっけ。
懐かしい。もう自分には故郷は無いと振り切ったはずだけど。
確かに、人生を仕切り直す為に。。とにかく実家から命懸けで逃げたけど。実家以外に支えてくれた人や恩がある人。。。考えてみればたくさんいるんだよなぁ。もう、ウチの実家の親や兄姉は。。僕を見捨てたようだけどさ。本当に、小さな頃からびっくりするほど家族以外の学校や社会の人間関係には奇跡的に恵まれてきたし。
みんなには感謝しきりさ
そして、一方で、木蓮寺では、静かにさかのぼる過去をオーガストさんがポツリぽつりと話始めました。
リリコさんのインタビューのお仕事中で、大丈夫なんでしょうか。と遠慮しましたが。。
ありがたく
だいたいの木蓮寺については興味深いお話がたくさん聞けました。私の幼なじみのミーシャも青山奏社長も。。。オーガストさんと連絡を取る事を前向きに検討しているような雰囲気でした。はっきりと確定したわけではありませんが。。。木蓮寺様方が、お許しいただけるならオーガストさんがお話しできる事をご相談されてはいかがでしょうか。
とリリコが言いました。木蓮和尚がお話ししていただける事があればお話しくださいと促がして。若い頃のオーガストさんの話をはじめます。
ベルモは戸惑いながらもあー、これは、お互い、会って話し合う方向に行くと未来が見えてきましたが、オーガストさんが幸せになるのを願っているけど
純ちゃんは大丈夫なのかしら。あさっての正午までに純ちゃんの父親がどちらかを御本尊様に知らせる。。。というか、純ちゃんの父親に、純ちゃん本人にイヤガラセをしろだなんて。
でも、それが純ちゃんの命を守る為の唯一の方法だなんて。タイムリミットは、あさっての正午。。。
2021年05月03日
マリッジcelebration270理由なく惹かれて忘れられない。
そうか。。。瞳は亡くなったのか。
オーガストさんは、なんとも複雑な思いで
若かった頃。。。出張、海外出張が多くて家を空けがちで。給料は同世代に比べるとまぁまぁだったけど。禅と奏。。。
オーガストさんが学生時代に瞳は禅を妊娠して、長男が産まれたので名前はどうするんだと瞳に聞くと、「あなたが名付けてちょうだい。」と言われて。。。えっ。。。いまどきの子どもを産む母親は喜んで進んで名前を考えるもんじゃないかと。オーガストさんは、親が年寄り昔の世代で
4月産まれの姉はエイプリル。3月産まれの兄はマーチで
末っ子の自分は
8月産まれだからそのままオーガストと名付けられたんだけど。今時の母親なんてワクワクして産まれた子どもの名前はおろか、産まれる前からウキウキ名前を考えるのではないかと思い込んでいた。現に。。。年代世代、歳の離れた嫁いだ姉や兄嫁ですら。。旦那と喜んで進んで子どもの名前を考えていたのに。
なんだか、瞳は本当に子どもが好きなんだろうかと。妊娠したと言われて。。あれっ。。。安全な日じゃなかったんだと、思って。。少し瞳を不審に思ったものの
自分にも責任があるでも、もしかして。。。まさか瞳は、妊娠して中絶するからお金を寄越せって女なのか。。。夜の世界の海千山千の百戦錬磨の女なのか。。。でも、そんな女がわざわざ学生の自分を相手にするだろうか。騙すなら歳の離れた金を稼ぐ男を騙すだろう。。。モヤモヤ考えていると、瞳は子どもを産みたいと言って。。。それで、オーガストさんが学校を辞めて働くと覚悟したら、学校は卒業してと言われ瞳の実家の楠家の両親も、借金ももう終わるしめどがついたから娘には生活を支えて貰っているから協力するからと。オーガストさんは、両親の生活の為に働いている親孝行な一人娘の瞳という虚像にまんまと騙されていました。諦めていた頃
歳を取ってからやっとできた娘の瞳に両親はすっかり言いなりです。下町の借家の長屋住まいの土方と清掃婦の一人娘。。。貧乏は嫌い冗談じゃない四十代半ばに歳老いて産まれさらには貧乏な両親を瞳は散々責めるばかり。。。貧乏は子どもに罪はない家庭環境がコンプレックスになった瞳は、家出したり、手っ取り早く歳を誤魔化して水商売で働いたり華やかな都会の女性でいたいし
小学校の授業参観も、だいたいの両親は若いし中にはお金持ちの親や優雅に専業主婦の綺麗なお母さんもいるので、年代的にもお爺おばあでもなんらおかしくない瞳は両親には学校に来るなとキツく言いました。オーガストさんは。。。姉や兄と歳がかなり離れてはいるもののさすがに両親三十代での子どもだし、近所は、学校の先生のところの歳の離れた末っ子と知ったところですので、瞳の悩みもわかりませんでした。
瞳は、将来はエリートを早く捕まえて結婚する両親のように貧乏でとか、歳を取ったら子どもとか絶対イヤでも、私は歳が離れた男性はお客ならお金さえ落とせばそれでよしだけど、あくまでもお客。それこそオジサンみたいでイヤ若いパパとママじゃなきゃイヤというところ、学生ではあるものの相当ないい大学の将来有望株のオーガストさんと知り合う事になるのです。こういうタイプはまずは気さくに友達になり、ある程度仲良くなったら苦労貧乏話しをしても情が深くて真面目だから引かないだろう。芽が出るうちに手にかけて落としておかないと誠実で物腰が柔らかく、暴力とは無縁瞳は画策を張り巡らせ。。。青田買いに見事成功しました。
強引に妊娠して勝負に出ましたこういう男はまず子どもを堕ろせとは言わない子どもなんか嫌いだけど自分の一生が変わるなら仮にオーガストさんは自分は学生だからと堕胎を言われても
彼に罪悪感や責任とか良心の呵責や深い傷は残る。。。
瞳はまずは、長男の禅を産みました。ところが、産まれた子どもが男の子だと知ると。。「なんだ、女の子じゃないの」と。。。オーガストさんは、えっと瞳に驚きながらも、あっ瞳はお洒落だからきっと娘が産まれて独立するまで一緒に出かけたり可愛くお洒落して育てたかったんだろうな。と思う事にしました。オーガストさんは健康なら赤ちゃんは男女どちらでも良かったのですが。中にはやはりどうしても女の子がいいとか、男の子がいいとか。。。わからないでもないかな。
しかしながら、瞳は赤ちゃんの命名すらしないので、オーガストさんは、息を呑むほど美しい大好きな京都の禅寺の風景にちなんで禅と名付けました。次男も、瞳はなんだまた男の子なの。。。と、チラッと言って。。。なかなか命名すらしようとしないのでオーガストさんは、長男に続き雅やかな和風の名前を付けました。自分が単に8月産まれだからと単純に名付けられた反動かもしれません。
本当に瞳は子どもが可愛くて子どもの世話しているんだろうかとは言え、自分はほとんど出張で家にいないし長男も次男もキチンと世話されているようす。。。
それもそのはず、オーガストさんの好意の瞳の実家への仕送りを瞳は母親のパートを辞めさせて仕送りが給料だからと瞳の母親に子どもの面倒を丸投げしていたのですから。
瞳の両親も両親。。。孫が可愛いのももちろんあるけれど一人娘の瞳の言いなりで
瞳は両親に
出張が多い旦那は、ほとんど家に居ないし子どもの面倒もあるから同居話を持ちかけるから生活もラクになるしとまるめこみ、実際、オーガストさんがほとんど出張なので仕送りするならもうちょっと広いマンションに住んで親と同居したいと頼みました。親もこのままどうなるかと振り回されて泣かされっパナしだったヤンチャな一人娘の瞳が真面目な旦那さんを捕まえて孫ができて、この幸せを逃すまいと、瞳をかばい続けます。オーガストさんは、多忙で家をあけがちなのと楠家の一人娘を嫁に貰った申し訳なさと、博多の自分の実家と絶縁になり息子たちにとっての祖父母は瞳の両親だけ。表向きには瞳は、両親の借金が終わって夜の仕事を辞めた事にしていました。
という事で、瞳の両親とも同居してくれる事になりました。
瞳の両親の楠夫妻は若いのに真面目で人のいいオーガストさんには申し訳ないと、心の中で手を合わせるものの結婚してもなお、自分の贅沢の為に夜の仕事を続けて息子を両親に押し付けて育児放棄する瞳をさらに甘やかし続けていました。オーガストさんがほとんど出張をいいことに両親と
同居してますます瞳がギャンブルしたり、夜の仕事をしたり、育児放棄を親がフォローし続けています。大企業勤務のオーガストさんは新入社員なものの、万が一会社の上司が接待にお店を使うと良くないので瞳は結婚前の高級クラブを辞めて
高級クラブと変わらない
お客様の層がいい高級なキャバクラにお店を変えました。もちろん、オーガストさんには内緒でオーガストさんが出張の時を狙ってです。
ところが。。。瞳の両親と同居が安定してきたころある日、オーガストさんがヨーロッパの出張から戻ってきたお昼休みにミニチュアシュナウザーの繁昌先輩から、「お前の奥さん、専業主婦って言ってたよな??確か。。」「はい、息子がまだ二人とも小さいので。僕は博多で遠方出身で家を空けがちでうちの実家には頼れないので。都内出身の妻の両親とも一緒に住んでるんですが、」
オーガストさんは
瞳を会社のパーティーに連れて行ったりはしませんでした。もともと夜の高級クラブで働いていたのでもしもオーガストさんの会社の人にお店を利用していた人で顔を知った人がいたら見つかるのもなんだか嫌だからと会社の行事も家族まで参加はうるさく言われませんでしたし。でも、割と近くに住んでいるオーガストさんを可愛がってくれている会社の先輩は、オーガストさんと瞳が買い物中に何度か会って挨拶して瞳の顔見知りです。
繁昌先輩からは。。。
「あのさ、学生時代のツレとキャバクラ行ったんだけど。。まぁ、ツレの付き合いでって事で嫁さんも嫁さんの友達の妹が働いてる飲み屋ならって条件でたまには行ってきな、って許可くれて。そこで。。。キャバクラで瞳さん見たんだよ。キャストで。。。それだけなら仕事だし、事情があるかもしれないから黙ってたんだけど俺と嫁さんが、どうもホストかいかにも夜の男と一緒に歩いてる瞳さんや、お金持ちそうな歳の離れた男性と瞳さんが歩いてるのを見たりした事があったから。。。ちょっと。。お客なんだろうかでもやりすぎじゃないかって。。アフターとか同伴とかそういうやつか、って嫁さんによその家のことだからひっかきまわすのも。。。って言われたんだけどでも。。。あまりにも、何度かお前じゃない男性と瞳さんが一緒にいるのを見て。。。ちょっとたまりかねてさ。」
「えっ。。。いや、、。確かに瞳は親の借金で昔はクラブで働いていましたけど。でも、借金も終わり僕も働いて子どもができたし。。。いまは。。。子育てに専念って。。。まさか。。借金。。。」
「お前が知らない金銭問題が絡むなら。。。早くキチンとしたほうがいいぞ。」
瞳は
借金でも作ったのかそれとも浮気
ともかく。。。大事な事なので素早い事実確認を。。どう言う事だ
確かに。。。おかしいなと思う事は多々あった。瞳が作ったと言う出されたご飯がどうも義母さんが作ったものと全く味が変わらず母親に料理を習った、一緒に作ったと瞳は言うけどそんなものかと思う反面、もしかしてこれは全部義母が作ったものなんじゃないかとか。瞳は昼間子どもをみていて疲れたからと、
オーガストさんが帰宅するとだいたい義両親が息子たちの面倒をよくみている。
息子たちは、オーガストさんが帰ってくると嬉しそうに寄ってくるけどママとは。。あまり言わないでも、息子たちはちゃんと世話されているようだ。。。貯金も大丈夫だ。。。オーガストさんは昼休憩中だし、銀行にすぐ電話して貯金を確認しましたが特に不要不急で高額な金額を引き出された形跡はありませんでした。定年退職した義父も働き、義母が週2、3回パートとその他は家にいて専業主婦の瞳を手伝いますっていう話しで。瞳と義両親は、そういう生活をしているんだと思ってるけど。。。すっかりそういうライフスタイルが盤石の砦と安心して。。。目先の仕事を追いかけてきたけど。。でも。。。
繁昌先輩がイヤガラセの嘘をつくわけがない。あまりにもみるに見かね、可愛がっている後輩を救おうとしている感じの忠告で。。。先輩は仕事の指導も丁寧だしオーガストさんはあまりお酒は飲めないけど飲む場の雰囲気は好きで。先輩はお酒が好きらしく飲みに誘ってくれたりわざわざ飲みに付き合ってくれたからとご馳走してくれる事も結構ある誘われて家に行った事もあり、柴犬の奥さんともどもオモテナシされて。。。
だけどー。。なんで。。。義両親の借金は終わったんじゃないのか
まさかの。。。青天の霹靂仕事終わったら先輩に相談に乗って貰おうか、でも先輩も急に今日の今日時間ありますかというのも気が引けるのですがと思っていると、先輩の方から、「あれなら相談に乗るぞ。嫁に電話して、なにか用意させるし。」という事でお言葉に甘える事にしたけれど。。。
「青山君、青山君。。。」
お昼休みが終わり
オーガストさんが部長に呼ばれたかと思えば。。。
3ヶ月後、フランス、パリへ転勤辞令
海外転勤フランス。。。
ど、どうしよう。。子どもはまだまだほんのちいさいし。。それに。。。なんだか。。瞳への疑惑が。。。。
確かに多忙であまり細かく気づかないにしろ、おかしいなと思う事が瞳にはあった、気づかないフリをしてたかもしれない。
モヤモヤ。。。家庭が壊れてしまうかもしれない。
なんだろうか、自分が築いてきたのは幻影か、砂の城だったのか。瞳が。。。瞳が夜働いたりなんの事情で。。。でも、親切によくしてくれる楠の義両親は。。。アリバイを作ったり。。。
瞳とグルで。。。自分を騙していたのか。。
海外転勤と妻の疑惑。。。義実家の裏切り。。心の準備すらないままにあまりにも予想外の出来事が一度に押し寄せる。。。
そう。。。今現在、瞳の訃報が入り亡くなった時に日記帳みたいなものが発見されそれには。。。子どもや元旦那を騙した事が書かれていたと。。。リリコさんが言うけれど。
やはり、あの時も若かったあの時も隠された赤い日記帳を発見して、オーガストさんは瞳の裏切りを確信しました。
日記帳だけではなく、確かに銀行に確認して預金は減っていなかったものの、瞳が借りたサラ金の明細までも一緒に発見して。。。やっぱりオーガストさんに内緒の借金を瞳はしていた。。。
。再婚してからも、酔っ払った時に過去の不貞やら裏切りを再婚した後の子どもにぶちまけていたようだけど。日記帳にも、瞳は自分の思うままに本音を刻んで。。。
今更ながら、
裏切られていたんだ。でも、あの瞳は亡くなっていて
もう帰ってはこない。
果てしなく
意識が遠のくような気持ち。。。
オーガストさんは、なんとも複雑な思いで
若かった頃。。。出張、海外出張が多くて家を空けがちで。給料は同世代に比べるとまぁまぁだったけど。禅と奏。。。
オーガストさんが学生時代に瞳は禅を妊娠して、長男が産まれたので名前はどうするんだと瞳に聞くと、「あなたが名付けてちょうだい。」と言われて。。。えっ。。。いまどきの子どもを産む母親は喜んで進んで名前を考えるもんじゃないかと。オーガストさんは、親が年寄り昔の世代で
4月産まれの姉はエイプリル。3月産まれの兄はマーチで
末っ子の自分は
8月産まれだからそのままオーガストと名付けられたんだけど。今時の母親なんてワクワクして産まれた子どもの名前はおろか、産まれる前からウキウキ名前を考えるのではないかと思い込んでいた。現に。。。年代世代、歳の離れた嫁いだ姉や兄嫁ですら。。旦那と喜んで進んで子どもの名前を考えていたのに。
なんだか、瞳は本当に子どもが好きなんだろうかと。妊娠したと言われて。。あれっ。。。安全な日じゃなかったんだと、思って。。少し瞳を不審に思ったものの
自分にも責任があるでも、もしかして。。。まさか瞳は、妊娠して中絶するからお金を寄越せって女なのか。。。夜の世界の海千山千の百戦錬磨の女なのか。。。でも、そんな女がわざわざ学生の自分を相手にするだろうか。騙すなら歳の離れた金を稼ぐ男を騙すだろう。。。モヤモヤ考えていると、瞳は子どもを産みたいと言って。。。それで、オーガストさんが学校を辞めて働くと覚悟したら、学校は卒業してと言われ瞳の実家の楠家の両親も、借金ももう終わるしめどがついたから娘には生活を支えて貰っているから協力するからと。オーガストさんは、両親の生活の為に働いている親孝行な一人娘の瞳という虚像にまんまと騙されていました。諦めていた頃
歳を取ってからやっとできた娘の瞳に両親はすっかり言いなりです。下町の借家の長屋住まいの土方と清掃婦の一人娘。。。貧乏は嫌い冗談じゃない四十代半ばに歳老いて産まれさらには貧乏な両親を瞳は散々責めるばかり。。。貧乏は子どもに罪はない家庭環境がコンプレックスになった瞳は、家出したり、手っ取り早く歳を誤魔化して水商売で働いたり華やかな都会の女性でいたいし
小学校の授業参観も、だいたいの両親は若いし中にはお金持ちの親や優雅に専業主婦の綺麗なお母さんもいるので、年代的にもお爺おばあでもなんらおかしくない瞳は両親には学校に来るなとキツく言いました。オーガストさんは。。。姉や兄と歳がかなり離れてはいるもののさすがに両親三十代での子どもだし、近所は、学校の先生のところの歳の離れた末っ子と知ったところですので、瞳の悩みもわかりませんでした。
瞳は、将来はエリートを早く捕まえて結婚する両親のように貧乏でとか、歳を取ったら子どもとか絶対イヤでも、私は歳が離れた男性はお客ならお金さえ落とせばそれでよしだけど、あくまでもお客。それこそオジサンみたいでイヤ若いパパとママじゃなきゃイヤというところ、学生ではあるものの相当ないい大学の将来有望株のオーガストさんと知り合う事になるのです。こういうタイプはまずは気さくに友達になり、ある程度仲良くなったら苦労貧乏話しをしても情が深くて真面目だから引かないだろう。芽が出るうちに手にかけて落としておかないと誠実で物腰が柔らかく、暴力とは無縁瞳は画策を張り巡らせ。。。青田買いに見事成功しました。
強引に妊娠して勝負に出ましたこういう男はまず子どもを堕ろせとは言わない子どもなんか嫌いだけど自分の一生が変わるなら仮にオーガストさんは自分は学生だからと堕胎を言われても
彼に罪悪感や責任とか良心の呵責や深い傷は残る。。。
瞳はまずは、長男の禅を産みました。ところが、産まれた子どもが男の子だと知ると。。「なんだ、女の子じゃないの」と。。。オーガストさんは、えっと瞳に驚きながらも、あっ瞳はお洒落だからきっと娘が産まれて独立するまで一緒に出かけたり可愛くお洒落して育てたかったんだろうな。と思う事にしました。オーガストさんは健康なら赤ちゃんは男女どちらでも良かったのですが。中にはやはりどうしても女の子がいいとか、男の子がいいとか。。。わからないでもないかな。
しかしながら、瞳は赤ちゃんの命名すらしないので、オーガストさんは、息を呑むほど美しい大好きな京都の禅寺の風景にちなんで禅と名付けました。次男も、瞳はなんだまた男の子なの。。。と、チラッと言って。。。なかなか命名すらしようとしないのでオーガストさんは、長男に続き雅やかな和風の名前を付けました。自分が単に8月産まれだからと単純に名付けられた反動かもしれません。
本当に瞳は子どもが可愛くて子どもの世話しているんだろうかとは言え、自分はほとんど出張で家にいないし長男も次男もキチンと世話されているようす。。。
それもそのはず、オーガストさんの好意の瞳の実家への仕送りを瞳は母親のパートを辞めさせて仕送りが給料だからと瞳の母親に子どもの面倒を丸投げしていたのですから。
瞳の両親も両親。。。孫が可愛いのももちろんあるけれど一人娘の瞳の言いなりで
瞳は両親に
出張が多い旦那は、ほとんど家に居ないし子どもの面倒もあるから同居話を持ちかけるから生活もラクになるしとまるめこみ、実際、オーガストさんがほとんど出張なので仕送りするならもうちょっと広いマンションに住んで親と同居したいと頼みました。親もこのままどうなるかと振り回されて泣かされっパナしだったヤンチャな一人娘の瞳が真面目な旦那さんを捕まえて孫ができて、この幸せを逃すまいと、瞳をかばい続けます。オーガストさんは、多忙で家をあけがちなのと楠家の一人娘を嫁に貰った申し訳なさと、博多の自分の実家と絶縁になり息子たちにとっての祖父母は瞳の両親だけ。表向きには瞳は、両親の借金が終わって夜の仕事を辞めた事にしていました。
という事で、瞳の両親とも同居してくれる事になりました。
瞳の両親の楠夫妻は若いのに真面目で人のいいオーガストさんには申し訳ないと、心の中で手を合わせるものの結婚してもなお、自分の贅沢の為に夜の仕事を続けて息子を両親に押し付けて育児放棄する瞳をさらに甘やかし続けていました。オーガストさんがほとんど出張をいいことに両親と
同居してますます瞳がギャンブルしたり、夜の仕事をしたり、育児放棄を親がフォローし続けています。大企業勤務のオーガストさんは新入社員なものの、万が一会社の上司が接待にお店を使うと良くないので瞳は結婚前の高級クラブを辞めて
高級クラブと変わらない
お客様の層がいい高級なキャバクラにお店を変えました。もちろん、オーガストさんには内緒でオーガストさんが出張の時を狙ってです。
ところが。。。瞳の両親と同居が安定してきたころある日、オーガストさんがヨーロッパの出張から戻ってきたお昼休みにミニチュアシュナウザーの繁昌先輩から、「お前の奥さん、専業主婦って言ってたよな??確か。。」「はい、息子がまだ二人とも小さいので。僕は博多で遠方出身で家を空けがちでうちの実家には頼れないので。都内出身の妻の両親とも一緒に住んでるんですが、」
オーガストさんは
瞳を会社のパーティーに連れて行ったりはしませんでした。もともと夜の高級クラブで働いていたのでもしもオーガストさんの会社の人にお店を利用していた人で顔を知った人がいたら見つかるのもなんだか嫌だからと会社の行事も家族まで参加はうるさく言われませんでしたし。でも、割と近くに住んでいるオーガストさんを可愛がってくれている会社の先輩は、オーガストさんと瞳が買い物中に何度か会って挨拶して瞳の顔見知りです。
繁昌先輩からは。。。
「あのさ、学生時代のツレとキャバクラ行ったんだけど。。まぁ、ツレの付き合いでって事で嫁さんも嫁さんの友達の妹が働いてる飲み屋ならって条件でたまには行ってきな、って許可くれて。そこで。。。キャバクラで瞳さん見たんだよ。キャストで。。。それだけなら仕事だし、事情があるかもしれないから黙ってたんだけど俺と嫁さんが、どうもホストかいかにも夜の男と一緒に歩いてる瞳さんや、お金持ちそうな歳の離れた男性と瞳さんが歩いてるのを見たりした事があったから。。。ちょっと。。お客なんだろうかでもやりすぎじゃないかって。。アフターとか同伴とかそういうやつか、って嫁さんによその家のことだからひっかきまわすのも。。。って言われたんだけどでも。。。あまりにも、何度かお前じゃない男性と瞳さんが一緒にいるのを見て。。。ちょっとたまりかねてさ。」
「えっ。。。いや、、。確かに瞳は親の借金で昔はクラブで働いていましたけど。でも、借金も終わり僕も働いて子どもができたし。。。いまは。。。子育てに専念って。。。まさか。。借金。。。」
「お前が知らない金銭問題が絡むなら。。。早くキチンとしたほうがいいぞ。」
瞳は
借金でも作ったのかそれとも浮気
ともかく。。。大事な事なので素早い事実確認を。。どう言う事だ
確かに。。。おかしいなと思う事は多々あった。瞳が作ったと言う出されたご飯がどうも義母さんが作ったものと全く味が変わらず母親に料理を習った、一緒に作ったと瞳は言うけどそんなものかと思う反面、もしかしてこれは全部義母が作ったものなんじゃないかとか。瞳は昼間子どもをみていて疲れたからと、
オーガストさんが帰宅するとだいたい義両親が息子たちの面倒をよくみている。
息子たちは、オーガストさんが帰ってくると嬉しそうに寄ってくるけどママとは。。あまり言わないでも、息子たちはちゃんと世話されているようだ。。。貯金も大丈夫だ。。。オーガストさんは昼休憩中だし、銀行にすぐ電話して貯金を確認しましたが特に不要不急で高額な金額を引き出された形跡はありませんでした。定年退職した義父も働き、義母が週2、3回パートとその他は家にいて専業主婦の瞳を手伝いますっていう話しで。瞳と義両親は、そういう生活をしているんだと思ってるけど。。。すっかりそういうライフスタイルが盤石の砦と安心して。。。目先の仕事を追いかけてきたけど。。でも。。。
繁昌先輩がイヤガラセの嘘をつくわけがない。あまりにもみるに見かね、可愛がっている後輩を救おうとしている感じの忠告で。。。先輩は仕事の指導も丁寧だしオーガストさんはあまりお酒は飲めないけど飲む場の雰囲気は好きで。先輩はお酒が好きらしく飲みに誘ってくれたりわざわざ飲みに付き合ってくれたからとご馳走してくれる事も結構ある誘われて家に行った事もあり、柴犬の奥さんともどもオモテナシされて。。。
だけどー。。なんで。。。義両親の借金は終わったんじゃないのか
まさかの。。。青天の霹靂仕事終わったら先輩に相談に乗って貰おうか、でも先輩も急に今日の今日時間ありますかというのも気が引けるのですがと思っていると、先輩の方から、「あれなら相談に乗るぞ。嫁に電話して、なにか用意させるし。」という事でお言葉に甘える事にしたけれど。。。
「青山君、青山君。。。」
お昼休みが終わり
オーガストさんが部長に呼ばれたかと思えば。。。
3ヶ月後、フランス、パリへ転勤辞令
海外転勤フランス。。。
ど、どうしよう。。子どもはまだまだほんのちいさいし。。それに。。。なんだか。。瞳への疑惑が。。。。
確かに多忙であまり細かく気づかないにしろ、おかしいなと思う事が瞳にはあった、気づかないフリをしてたかもしれない。
モヤモヤ。。。家庭が壊れてしまうかもしれない。
なんだろうか、自分が築いてきたのは幻影か、砂の城だったのか。瞳が。。。瞳が夜働いたりなんの事情で。。。でも、親切によくしてくれる楠の義両親は。。。アリバイを作ったり。。。
瞳とグルで。。。自分を騙していたのか。。
海外転勤と妻の疑惑。。。義実家の裏切り。。心の準備すらないままにあまりにも予想外の出来事が一度に押し寄せる。。。
そう。。。今現在、瞳の訃報が入り亡くなった時に日記帳みたいなものが発見されそれには。。。子どもや元旦那を騙した事が書かれていたと。。。リリコさんが言うけれど。
やはり、あの時も若かったあの時も隠された赤い日記帳を発見して、オーガストさんは瞳の裏切りを確信しました。
日記帳だけではなく、確かに銀行に確認して預金は減っていなかったものの、瞳が借りたサラ金の明細までも一緒に発見して。。。やっぱりオーガストさんに内緒の借金を瞳はしていた。。。
。再婚してからも、酔っ払った時に過去の不貞やら裏切りを再婚した後の子どもにぶちまけていたようだけど。日記帳にも、瞳は自分の思うままに本音を刻んで。。。
今更ながら、
裏切られていたんだ。でも、あの瞳は亡くなっていて
もう帰ってはこない。
果てしなく
意識が遠のくような気持ち。。。
2021年04月27日
マリッジcelebration269本日は青天の霹靂なり。。。
はっ。。。
フワフワの酔い酔い酔いのリリコも、オーガストさんに対して。。もしかして、よく知っている近所の青山奏社長のお父さんではないのか、と。。。その話は、。。
決して焦らずにゆるやかに。。。慎重に聞いていく予定だったや。。。やっちゃったーあああーお酒の勢いに任せてなんとなくよくあるパターンの話題似ている芸能人ではないけど、似ている有名人の話題をふり。。。それからさらにお酒の勢いに乗って。。。口がすべり。。。
それにしても、リリコは新聞社の社長令嬢に産まれて現場が好きで子どもの頃から会社に出入りしたり、新聞記者のアルバイトを中学生の頃からしているせいか、なんかあると口より先に体が動いてしまう。今回もプルメリア島の取材の仕事で、つい同級生の純から、行方不明の同級生の駿栄がプルメリア島でホストをやっていると聞いて、本人が純ちゃんを通して同級生によろしくと言っているのを聞いてつい、駿栄が勤務しているホストクラブ熱帯夜に行ってしまうし。しかしながら、ホストクラブ熱帯夜で、駿栄と再開した事でさらには同級生ミーシャの祖父かもしれないオーガストさんの情報も入ってきて。。。本当なら、青の洞窟のほとりで、オーガストさんに御礼がてらの食事でそれとなしにミーシャの話をふるところだったんだけど。
滂沱の涙を流すオーガストさん。。。
瞳は。。。元の奥さんは亡くなったんだ。。と、や、やっぱり。。やっぱり。。オーガストさんは。。。
リリコは、いったん取材のICレコーダーを止めました。
水を打ったようにその場は静まり返り、オーガストさんに注目しました。いったい。。。突然、なにが起こったのか。。。
目の前の穏やかな老紳士が。。。
「その通りです。。。わたしは。。。青山奏の父親です。私の忙しさと妻の瞳の浮気で若い頃に離婚しました。私は忙しくて家庭を顧みない生活をしていましたので妻に。。。寂しい思いをさせて。」オーガストさんが言いました。
「あの、リリコさん、リリコさんのお友達の青山社長の娘さん、、。は。。。失礼ながら、世間では、青山社長は、両親に小さな時に捨てられたというのは嘘で。。。。酷い親じゃなく複雑な事情が絡んでいたと証言したんじゃろ」木蓮和尚が言いました。「はい。。。確かに、青山社長のお母さんは、旦那さんやお子さんを騙して青山社長とお兄さんは、薄々再婚で再婚するからあんた達はいらないからと言ってきたお母さんがどうもおかしいんじゃないか、お父さんが借金をして逃げたと青山社長兄弟に言っていたようだけど。憎い旦那なら、普通はサッサと籍を抜くだろうに。それに。。。母親は、水商売でなかなか家に帰らず実家に預けっぱなしだし。変だとは思ってたけど、なにぶん子どもで。。。母方の祖父母もあまり裕福じゃなくてとにかく兄弟は生きるのに必死で。って聞きました。どうも、親権を取ったのは母子家庭手当てと養育費目当てで、養育費は母親の借金の返済や遊びに消えていたそうです。」
ベルモが、「そういうの、人生相談でたまにいらっしゃるわよ。離婚してからずーっと会ってない子どもがシブシブ結婚の挨拶に嫌々来たと思ったら、実は親権を取った方が別れた方を一方的に悪者にしていたって。。。二度と会わないつもりをいい事に。。。離婚してそれ以来会わないとか亡くなった場合後からどうとでも言えるもんね。ましてや、親権を取られたとなるとやっぱり悪い事をしたから親権を取られたんだ、って誤解も受けやすいし。悲しい事に、有責配偶者に子どもの親権を取られたって理不尽な目に遭わされて、さらに悪者に仕立てられる人って。。。いるのよね。」
「だけど、私が仕事にかまけて家庭を顧みないぐらいだったのは。。否定できません。」
オーガスト若かりし頃。。。
博多から進学の為に東京に出てきたオーガストさんは学生時代、24時間の喫茶店でアルバイトしていました。そこによく深夜にお店が終わってからお客として来ているクラブホステスの瞳と、歳が同じで同じロシアンブルーとしてよく話すようになってなんとなく仲良くなって付き合うようになって。。。いつか
そのままの流れで同棲する事になって。学校の校長先生の父親と学校の先生の兄の厳しい家庭のオーガストさんは夜の仕事の瞳と同棲しているのを内緒にしていました。
両親が厳格な硬い家で育ってきたので早く家を出たくてオーガストさんはワザと東京の学校に進学しました。東京行きは反対されたものの、長男は地元で働いているし、次男でもあるしこれでも兄より成績が良くて返済無しの奨学金の制度も受けれましたので親には最低限の仕送りのみして貰い後は生活費を少し稼ごうと喫茶店でバイトしていて。
明るくて活発な
東京の都会の女性の瞳が華やかで新鮮にまぶしく見えた夜の仕事で最初は別世界の人だと思って恋愛の対象ではなかったけれど。。。多分歳上のお金持ちのお客が何人かいるだろうし。でも、よくよく考えると瞳は将来有望で好みのタイプで同世代でこちらが尻に敷けるタイプの暴力やヤンチャとは無縁の安全なオーガストさんに目を付けて店のお客はあくまでも収入源オーガストさんに内緒の浮気相手と割り切って瞳はオーガストさんには、実家が貧乏で親が病気で親に借金があり一人娘なので親の為に水商売をしているとオーガストさんに嘘をついてうまくまるめこみ。。。そのまま夜の仕事を続けていました。オーガストさんはその時学生でしたし、経済力もないので。瞳の家庭事情が可哀想になり卒業したら早く働くからと。。。瞳の夜の仕事について何も言えませんでした。
でも、実際には瞳は贅沢やカジノをしたいが為と東京産まれなのに貧乏で下町の実家にいたくないから都会の女性として華やかな夜の仕事をしたいだけであって。実際には実家に仕送りをせず、でも、長年オーガストさんには実家の親の為に水商売をしている嘘をついていました。
瞳と同棲している事は、博多の硬い実家には言えなかったオーガストさん。でも、オーガストさんが在学中に瞳が妊娠してしまいます。瞳は、ウチの実家にいろいろ世話して貰うからあなたは学校を辞めないでちょうだいとしおらしく言いますが、
実は。。。いい学校に進学していたオーガストさん、学校を卒業すれば就職先は卒業しないのとは比べ物にならない事を瞳は計算していました。オーガストさんが学生時代、喫茶店のアルバイトと瞳が収入で生活を支えて
オーガストさんは、瞳の優しさだとまんまと騙されたのと父親の責任で。。。
学校を
卒業して就職するまでは、厳しいオーガストさんの実家には、子どもができた事は黙っておこうと。とりあえず世話になる瞳の実家の両親には挨拶をしにいきましたが
娘が水商売をしてまで仕送りをしているのに。下町の瞳の実家の古い長屋はみすぼらしくそれほどまでに借金があるのかと。実際には瞳は一円も仕送りなんかしていませんが
ワガママで親すら手のつけようがない水商売の娘の瞳がいい学校の良家の男の子を連れてきたという事で、瞳の両親はオーガストさんをまるで救いの神のように感じて瞳が、水商売は彼には親の借金や病気を助ける為にやっていると言っているんだから、ボロを出すなという忠告を守りそのような設定として話を合わせて
オーガストさんには優しくしてくれました。気の弱い
瞳の両親は、男好きな瞳がとんでもないヤクザとか、店のお客の歳の離れた男やヒモみたいなロクデナシを連れてきたらどうしようとビクビクしていたものの、連れてきたのは有名大学の学生。穏やかな柔らかい物越しで育ちもよく、瞳がホステスだろうが、家が古くて貧乏だろうが全く気にしてない様子で。
瞳の彼氏は
確かにまだまだ学生だけど、このままいけばいい就職先も見つかるし真面目だし、実家も九州で離れて次男らしいし、東京で就職を考えているという事で。歳も同じだしちょうどいい
大学を卒業して就職するまでオーガストさんの実家に子どもができた事を内緒にし結婚もそれからにするのは不安があったものの。。。子どももできた事だし、この縁談を逃すまいと、瞳の両親の楠夫妻は団結して瞳とオーガストさんをバックアップしました。子どもを諦めていた楠夫妻が40歳半ばでやっと出来た一人娘の瞳は散々両親に甘やかされました。
たとえ、厳しいオーガストさんの親の結婚反対にあって結婚できなくてもオーガストさんは真面目に子どもを認知して養育費をきちんと支払うでしょう。瞳は、自分が横着い割には暴力やヤンチャな男が嫌いで自分に害があるモラハラパワハラ犠牲を出す豹変しそうな男性もなんとなく鋭い勘で見抜きそういう男性とは付き合いませんでした。強面の男性も嫌いだったので、しかしながら、お金も大好きな瞳は、夜の世界だし気まぐれな瞳は両親がヤバい男を連れて来ないかとヒヤヒヤでしたが
瞳が連れてきたオーガストさんに安堵しました。
現在の今日も
木蓮寺の境内から夢と現実を行ったり来たりする様な蝉時雨がたちのぼり降り注いでいます。幼稚園の運動場側からは、きゃあきゃあピィピィ石をどけたら〜だの、うひゃーイルイルだの、木蓮寺幼稚園のお掃除時間にまた運動場の石拾い軍団が、掃除の合間に
木蓮寺では、我が寺の仏様のお使いのヒグラシは獲ってはいけませんという事になっていて参拝客や幼稚園でも教えられていますが、石をどけたらいるいるとは。。。蟻の巣をほじくっているのか、おそらく園児がまる虫でも見つけて遊んでいるのでしょう。
普段なら、木蓮和尚やベルモが園児達に、今あなた達は大事なお掃除時間ですだの、まる虫にも生活があるので邪魔しないで離してあげましょうと園児にめざとく注意するのですが、
今日は。。。子どもたちがきゃっきゃっと掃除の合間に遊んだり虫にじゃれても降ってわいた
青天の霹靂にそんな声はまったくかき消されて。。。
オーガストさんは続けます。
結局は、親に黙って学生時代に子どもを作り卒業後大手商社勤務のオーガストさんは水商売で派手な瞳と勝手に結婚し事後報告になったので。。
博多の実家から勘当されてしまいました。
出張や海外出張も多かったオーガストさん。自分の実家から縁を切られたので結局は、子どもの面倒は、瞳の両親がほとんどみていました。瞳は、両親に子どもを預けて遊び歩きます。忙しいのでオーガストさんは妻の不貞や育児放棄に気付きません。瞳の両親が瞳に注意しながらも、ヤンチャ娘に出来た仕送りもしてくれる真面目な旦那さんを逃したくないので瞳と口裏を合わせて孫の面倒を見てなんとか真面目なオーガストさんの目をごまかすのでした。
週に出張が何度か必ずあったりするので、瞳はオーガストさんに内緒でオーガストさんが帰らない夜にお店に事情を話して水商売をやめませんでした。
息子は二人2歳違いで産まれたましたがオーガストさんは
多忙な出張も多い身で、瞳の両親も瞳の体たらくには、綺麗にフォローして隠蔽にさらに隠蔽を重ねるので
家庭の詳細や瞳の育児放棄はなかなか気づかないでいました。
フワフワの酔い酔い酔いのリリコも、オーガストさんに対して。。もしかして、よく知っている近所の青山奏社長のお父さんではないのか、と。。。その話は、。。
決して焦らずにゆるやかに。。。慎重に聞いていく予定だったや。。。やっちゃったーあああーお酒の勢いに任せてなんとなくよくあるパターンの話題似ている芸能人ではないけど、似ている有名人の話題をふり。。。それからさらにお酒の勢いに乗って。。。口がすべり。。。
それにしても、リリコは新聞社の社長令嬢に産まれて現場が好きで子どもの頃から会社に出入りしたり、新聞記者のアルバイトを中学生の頃からしているせいか、なんかあると口より先に体が動いてしまう。今回もプルメリア島の取材の仕事で、つい同級生の純から、行方不明の同級生の駿栄がプルメリア島でホストをやっていると聞いて、本人が純ちゃんを通して同級生によろしくと言っているのを聞いてつい、駿栄が勤務しているホストクラブ熱帯夜に行ってしまうし。しかしながら、ホストクラブ熱帯夜で、駿栄と再開した事でさらには同級生ミーシャの祖父かもしれないオーガストさんの情報も入ってきて。。。本当なら、青の洞窟のほとりで、オーガストさんに御礼がてらの食事でそれとなしにミーシャの話をふるところだったんだけど。
滂沱の涙を流すオーガストさん。。。
瞳は。。。元の奥さんは亡くなったんだ。。と、や、やっぱり。。やっぱり。。オーガストさんは。。。
リリコは、いったん取材のICレコーダーを止めました。
水を打ったようにその場は静まり返り、オーガストさんに注目しました。いったい。。。突然、なにが起こったのか。。。
目の前の穏やかな老紳士が。。。
「その通りです。。。わたしは。。。青山奏の父親です。私の忙しさと妻の瞳の浮気で若い頃に離婚しました。私は忙しくて家庭を顧みない生活をしていましたので妻に。。。寂しい思いをさせて。」オーガストさんが言いました。
「あの、リリコさん、リリコさんのお友達の青山社長の娘さん、、。は。。。失礼ながら、世間では、青山社長は、両親に小さな時に捨てられたというのは嘘で。。。。酷い親じゃなく複雑な事情が絡んでいたと証言したんじゃろ」木蓮和尚が言いました。「はい。。。確かに、青山社長のお母さんは、旦那さんやお子さんを騙して青山社長とお兄さんは、薄々再婚で再婚するからあんた達はいらないからと言ってきたお母さんがどうもおかしいんじゃないか、お父さんが借金をして逃げたと青山社長兄弟に言っていたようだけど。憎い旦那なら、普通はサッサと籍を抜くだろうに。それに。。。母親は、水商売でなかなか家に帰らず実家に預けっぱなしだし。変だとは思ってたけど、なにぶん子どもで。。。母方の祖父母もあまり裕福じゃなくてとにかく兄弟は生きるのに必死で。って聞きました。どうも、親権を取ったのは母子家庭手当てと養育費目当てで、養育費は母親の借金の返済や遊びに消えていたそうです。」
ベルモが、「そういうの、人生相談でたまにいらっしゃるわよ。離婚してからずーっと会ってない子どもがシブシブ結婚の挨拶に嫌々来たと思ったら、実は親権を取った方が別れた方を一方的に悪者にしていたって。。。二度と会わないつもりをいい事に。。。離婚してそれ以来会わないとか亡くなった場合後からどうとでも言えるもんね。ましてや、親権を取られたとなるとやっぱり悪い事をしたから親権を取られたんだ、って誤解も受けやすいし。悲しい事に、有責配偶者に子どもの親権を取られたって理不尽な目に遭わされて、さらに悪者に仕立てられる人って。。。いるのよね。」
「だけど、私が仕事にかまけて家庭を顧みないぐらいだったのは。。否定できません。」
オーガスト若かりし頃。。。
博多から進学の為に東京に出てきたオーガストさんは学生時代、24時間の喫茶店でアルバイトしていました。そこによく深夜にお店が終わってからお客として来ているクラブホステスの瞳と、歳が同じで同じロシアンブルーとしてよく話すようになってなんとなく仲良くなって付き合うようになって。。。いつか
そのままの流れで同棲する事になって。学校の校長先生の父親と学校の先生の兄の厳しい家庭のオーガストさんは夜の仕事の瞳と同棲しているのを内緒にしていました。
両親が厳格な硬い家で育ってきたので早く家を出たくてオーガストさんはワザと東京の学校に進学しました。東京行きは反対されたものの、長男は地元で働いているし、次男でもあるしこれでも兄より成績が良くて返済無しの奨学金の制度も受けれましたので親には最低限の仕送りのみして貰い後は生活費を少し稼ごうと喫茶店でバイトしていて。
明るくて活発な
東京の都会の女性の瞳が華やかで新鮮にまぶしく見えた夜の仕事で最初は別世界の人だと思って恋愛の対象ではなかったけれど。。。多分歳上のお金持ちのお客が何人かいるだろうし。でも、よくよく考えると瞳は将来有望で好みのタイプで同世代でこちらが尻に敷けるタイプの暴力やヤンチャとは無縁の安全なオーガストさんに目を付けて店のお客はあくまでも収入源オーガストさんに内緒の浮気相手と割り切って瞳はオーガストさんには、実家が貧乏で親が病気で親に借金があり一人娘なので親の為に水商売をしているとオーガストさんに嘘をついてうまくまるめこみ。。。そのまま夜の仕事を続けていました。オーガストさんはその時学生でしたし、経済力もないので。瞳の家庭事情が可哀想になり卒業したら早く働くからと。。。瞳の夜の仕事について何も言えませんでした。
でも、実際には瞳は贅沢やカジノをしたいが為と東京産まれなのに貧乏で下町の実家にいたくないから都会の女性として華やかな夜の仕事をしたいだけであって。実際には実家に仕送りをせず、でも、長年オーガストさんには実家の親の為に水商売をしている嘘をついていました。
瞳と同棲している事は、博多の硬い実家には言えなかったオーガストさん。でも、オーガストさんが在学中に瞳が妊娠してしまいます。瞳は、ウチの実家にいろいろ世話して貰うからあなたは学校を辞めないでちょうだいとしおらしく言いますが、
実は。。。いい学校に進学していたオーガストさん、学校を卒業すれば就職先は卒業しないのとは比べ物にならない事を瞳は計算していました。オーガストさんが学生時代、喫茶店のアルバイトと瞳が収入で生活を支えて
オーガストさんは、瞳の優しさだとまんまと騙されたのと父親の責任で。。。
学校を
卒業して就職するまでは、厳しいオーガストさんの実家には、子どもができた事は黙っておこうと。とりあえず世話になる瞳の実家の両親には挨拶をしにいきましたが
娘が水商売をしてまで仕送りをしているのに。下町の瞳の実家の古い長屋はみすぼらしくそれほどまでに借金があるのかと。実際には瞳は一円も仕送りなんかしていませんが
ワガママで親すら手のつけようがない水商売の娘の瞳がいい学校の良家の男の子を連れてきたという事で、瞳の両親はオーガストさんをまるで救いの神のように感じて瞳が、水商売は彼には親の借金や病気を助ける為にやっていると言っているんだから、ボロを出すなという忠告を守りそのような設定として話を合わせて
オーガストさんには優しくしてくれました。気の弱い
瞳の両親は、男好きな瞳がとんでもないヤクザとか、店のお客の歳の離れた男やヒモみたいなロクデナシを連れてきたらどうしようとビクビクしていたものの、連れてきたのは有名大学の学生。穏やかな柔らかい物越しで育ちもよく、瞳がホステスだろうが、家が古くて貧乏だろうが全く気にしてない様子で。
瞳の彼氏は
確かにまだまだ学生だけど、このままいけばいい就職先も見つかるし真面目だし、実家も九州で離れて次男らしいし、東京で就職を考えているという事で。歳も同じだしちょうどいい
大学を卒業して就職するまでオーガストさんの実家に子どもができた事を内緒にし結婚もそれからにするのは不安があったものの。。。子どももできた事だし、この縁談を逃すまいと、瞳の両親の楠夫妻は団結して瞳とオーガストさんをバックアップしました。子どもを諦めていた楠夫妻が40歳半ばでやっと出来た一人娘の瞳は散々両親に甘やかされました。
たとえ、厳しいオーガストさんの親の結婚反対にあって結婚できなくてもオーガストさんは真面目に子どもを認知して養育費をきちんと支払うでしょう。瞳は、自分が横着い割には暴力やヤンチャな男が嫌いで自分に害があるモラハラパワハラ犠牲を出す豹変しそうな男性もなんとなく鋭い勘で見抜きそういう男性とは付き合いませんでした。強面の男性も嫌いだったので、しかしながら、お金も大好きな瞳は、夜の世界だし気まぐれな瞳は両親がヤバい男を連れて来ないかとヒヤヒヤでしたが
瞳が連れてきたオーガストさんに安堵しました。
現在の今日も
木蓮寺の境内から夢と現実を行ったり来たりする様な蝉時雨がたちのぼり降り注いでいます。幼稚園の運動場側からは、きゃあきゃあピィピィ石をどけたら〜だの、うひゃーイルイルだの、木蓮寺幼稚園のお掃除時間にまた運動場の石拾い軍団が、掃除の合間に
木蓮寺では、我が寺の仏様のお使いのヒグラシは獲ってはいけませんという事になっていて参拝客や幼稚園でも教えられていますが、石をどけたらいるいるとは。。。蟻の巣をほじくっているのか、おそらく園児がまる虫でも見つけて遊んでいるのでしょう。
普段なら、木蓮和尚やベルモが園児達に、今あなた達は大事なお掃除時間ですだの、まる虫にも生活があるので邪魔しないで離してあげましょうと園児にめざとく注意するのですが、
今日は。。。子どもたちがきゃっきゃっと掃除の合間に遊んだり虫にじゃれても降ってわいた
青天の霹靂にそんな声はまったくかき消されて。。。
オーガストさんは続けます。
結局は、親に黙って学生時代に子どもを作り卒業後大手商社勤務のオーガストさんは水商売で派手な瞳と勝手に結婚し事後報告になったので。。
博多の実家から勘当されてしまいました。
出張や海外出張も多かったオーガストさん。自分の実家から縁を切られたので結局は、子どもの面倒は、瞳の両親がほとんどみていました。瞳は、両親に子どもを預けて遊び歩きます。忙しいのでオーガストさんは妻の不貞や育児放棄に気付きません。瞳の両親が瞳に注意しながらも、ヤンチャ娘に出来た仕送りもしてくれる真面目な旦那さんを逃したくないので瞳と口裏を合わせて孫の面倒を見てなんとか真面目なオーガストさんの目をごまかすのでした。
週に出張が何度か必ずあったりするので、瞳はオーガストさんに内緒でオーガストさんが帰らない夜にお店に事情を話して水商売をやめませんでした。
息子は二人2歳違いで産まれたましたがオーガストさんは
多忙な出張も多い身で、瞳の両親も瞳の体たらくには、綺麗にフォローして隠蔽にさらに隠蔽を重ねるので
家庭の詳細や瞳の育児放棄はなかなか気づかないでいました。
2021年04月23日
マリッジcelebration268人は変わりゆく時の流れのままに。。。
「あのーベルモさんの、魅力をどーしてそんな、魅力的なんですかぁー。なんだか、みょうに惹きつけられるわ。」リリコはどうも、ビールでカンパイしてから出された冷酒がクーっと喉越し涼やかに効いてだんだんと酔いが
まわってきて。フワフワと酔っ払ってきたらしい。
それもそう、昨夜は同級生の駿栄が、プルメリア島の都心部プルメリアリゾートのホストクラブ熱帯夜でホスト流星をしているので、励ましと再会に会いに行って結構飲んできたのだ。ちょっとぽわんとしはじめました。チャンポンだし。。。
「まぁ。。。リリコさん、だいぶ酔っ払ってしまったのかしら。。。」ベルモが言うと、「イエ、イエいえ。。。イェーい。。酔っ払ってるわけじゃないんだけど酔っ払って言うわけじゃないですが、ベルモさん、かなり魅力的ですよ。」「あのう。。。リリコさんみたいに綺麗な人がアタシに言っても。。。女の子が言う可愛いとか、綺麗って。。。綺麗な人は余裕があるからね。。。」とは言え、ベルモは、女性の綺麗だとか、可愛いとかそう言う問題にほとんどコンプレックスがありませんでした。私は綺麗じゃないとか、私は太っているとか。。。綺麗な子が羨ましいとか。。。 そうやって綺麗な人を羨み比較して落ち込んでる女性は世の中にいるのでしょう。しかしながら、ベルモはワタシはぶーちゃんだし、ちんちくりんのチンクシャだし。と、自分で言うものの。。。
魅力について、ベルモは、あるがままのわたし。あるがままだと言ってなんにもしないわけじゃない。自分らしく日々生きて日々バージョンアップしてますます私になっていくわたし。
ベルモにとって
綺麗な女性、スタイルが良い女性は他人様の問題だし。他人が綺麗でスタイルがよい美しい女性ならそれはそれで素晴らしい事だし。
いちいち可愛い子を妬んでいては。。。
でないとフワフワコロコロした可愛らしい赤ちゃんや、幼児が集まってくる木蓮寺幼稚園の先生なんかやってられません。それに、ベルモは友達も美人や可愛い人が多いわけですし。産みの親が、アマゾネスサンクチュアリィのオーナーの葉月さんだと知られるとギョッとされますが、事実なんだからしょうがないし。お母さんは細くて綺麗なのにみたいなニュアンスで驚かれてもあまりなんとも思わないんだよね。プルメリア島の海でミリオンと拾われて産まれてすぐに木蓮寺に来たしお母さんと、暮らしたわけでもなく。最近になって、ミリオンときょうだいという事や美術家のヴィーナスとも三つ子のきょうだいという事や、母親が金星人で父親は、プルメリア島のタコプルメリアンスキューバーズで既に亡くなった、母親は葉月という事を知ったばかりです。はっきり言って。。。
自分の正体やら出生の秘密を知るまでは周りからはミリオンと一緒の多分どっかの星の宇宙人の赤ちゃん、子どもではないかと考えられていて。自分の正体やらは。。。と悩んだ事も知りたいと思った事も、親はどこにいるのかとか。。。普通は考えなければならない事も全く考えたことすらなく。。ベルモは赤ちゃんだった頃もなかなか記憶がありすぐに、周りとコミニュケーションが取れたり喋る事ができましたがただ、環境この木蓮寺に来て、毎日毎日。。。仏様や御神仏とも話しをするようになったりして。。木蓮寺にやって来た事は。
まるで水を得た魚のようにスイスイと。クラクラめまいがするほどに快適な環境に置かれた事を。。魂が震え揺さぶられ。。。明らかに自分でも魂が喜んでぴょんぴょん飛び跳ねるような。。実感があり。。。
魂に従うままの自分にピタッとフィットした感覚
本当に
雷に撃たれた様な衝撃的な感激と感動の連続で。。
ただもう、この木蓮寺に来た時はなんせ、ミリオンの里親の桑田氏が、てっきり海で拾われた真っ青で冷たいベルモを亡骸かと思い可哀想なので菩提寺の木蓮寺でお葬式でもあげてやってくださいと、それがきっかけでこの木蓮寺に来た身だし。。。ミリオンは拾われてすぐに息を吹き返し、桑田氏に引き取られ、亡骸かと思われ木蓮寺に連れてこられたベルモは、木蓮和尚が、お経をあげると、ピクッと動いて仮死状態で実は生きている事がわかり、そのままこの木蓮寺に引き取られる事になり
ただもう、その時点で死んでいたかと思われたのに。。。なんでこんな幸せなありがたやー命があるだけでも感謝、感謝というのにお寺というベルモにとって至福の夢のような環境を与えられて。
見るものすべて生きとし生けるものに感謝して一度は死んだ身。。。仏様に無条件降伏し。。。足りないだの不幸だの文句を言うのを辞めて
もう、そんな女子力高いだの綺麗だの可愛いだの。。。痩せたい、スタイルが良いだの。。。
女性に産まれるがゆえのつきまとう悩みだの
そんな事どうでもよく、自分が何者かとか親が誰だとかも考えている隙もなくただ、いまこうしてご縁があってこの木蓮寺森沢家に来て家族になって僧侶になった事しか考えてなくて。生きているだけでありがたやーと思うだけだった。だから、木蓮寺に養女ができた、里子のベルモという宇宙人らしき子どもが。。と、ちまたの噂に聞いてベルモを知らない人たちが勝手に
どんだけ可愛い美少女が来るんだろうと、ワクワクして木蓮寺にベルモを見に行くと餅かマンジュウみたいなおデブが出てきてひっくり返る人々もいるけど。。。
そんな事、気にしない事にした。
島から少し離れて北側の陸地
神楽町市に住んでいる天才美術家のヴィーナスが、まさか自分と三つ子のきょうだいでヴィーナスは有名人でマスコミにもなかなか知られていて、周りからは、ベルモやミリオンは、あのヴィーナスは金星人とプルメリアンスキューバーズのハーフらしいけど、二人ともヴィーナスに
似てるし、貴方達も、同じ種族では尋ねれば、あなた達の出生も判明するかも。と言われてはいたものの。。。
あちらさんは雲の上の成功している超有名人。。いきなり訪ねていけば、卑しくも、有名人になれば親族も増えるで、図々しい押しかけにわか親族みたいな
いかにも有名人の金目当て、利権目当ての
ゲスな輩に思われたらとミリオンやベルモの里親を含めて
なかなか躊躇してましたが、ひょんなきっかけとご縁により結局は、
ミリオンもベルモも
ヴィーナスと会う事になって。。。
それによって自分の出生の秘密が明かされたけど。。母親葉月の出産時元看護師の悪い女に騙されて元気ピンピンのヴィーナスだけは助かったと見せかけて。仮死状態の
ミリオンとベルモは死産と嘘をつかれて笹舟に乗せられてお弔いだと海へ流されたのだけど。。
そんな自分を騙して海に流した罪人でさえ。。。この木蓮寺に導かれたのも悪い人が悪役をやってくれたんだからここにいるんだと感謝したり。なんて事をベルモは、ほろ酔いのリリコさんに取材のうちとしてアレコレと語っていました。リリコさんは、お酒がすすんでかなりゴキゲンサンのようだ。「大丈夫ですか。。。リリコさん、このあと青の洞窟の取材できます」リリコの臨時アシスタントをしているタクシードライバーのオーガストさんが心配しました。「青の洞窟は、暗くなってからでもライトアップの写真が撮れればいいだけだからね。オーガストさん。お仕事延長いいかしら。」本当は、木蓮寺を訪問してお昼過ぎに青の洞窟でオーガストさんにお礼としてランチをごちそうして、で、夜は時間があれば、また駿栄のいるホストクラブの熱帯夜に顔を出してみようかどうしようかと。。リリコは最初はざっくりとそういう予定だったものの。。。あくまでもそれは、見立てていた予定でした。
「今日はリリコさんの貸し切りの仕事のみをしようと思っていたので会社に連絡すれば延長は大丈夫ですよ。私も今はもう一人もんだしね。」
キレのいいフルーティーなおすすめの冷酒が効いてきたのかリリコは、ついつい、気が大きくなり口が滑らかになり。。。
「あのー、オーガストさん。。。オーガストさんって。。。ウチの近所の幼なじみんちのお父さんにそっくりなんです。。。って言っても、その人四十代半ばだと思うんですが。。。」リリコはお酒の勢いでか、あまり考えもなく切り出しました。本当はもっとじっくりと慎重に。。。オーガストさんに聞いてみようかと考えていたのですが。
「えっ」
ぎくっ気まづいというより驚きの表情でオーガストさんはリリコを見ます。
さっき。。。リリコは、純ちゃんが透き通るみたいに写っていると、ミーシャからの同窓会の飲み会を写した写メを送られてきて、オーガストさんは、
驚くべきの透けた
純ちゃんよりも、隣に映るミーシャに驚きの表情をしていたのを。。確かにリリコは感じていました。。。
「というか、おそらくここにいる誰もが知っていると思われます。有名人ですからね。」酔っ払っているリリコはあまり考えなく話しをすすめて。。すると、驚くほど即座に。。
「オーガストさんに似てる有名人って。。ホラホラ、あ、わかったー、飲食の飲食王。。えーっと、名前、名前は。。」お酒の入った木蓮和尚が言います。すると福ちゃんが、「マスコミに時々出てる真っ赤なランボルギーニ乗ってる人じゃないウチのにいちゃんもランボルギーニ乗ってる奴がいて、僕も将来ランボルギーニが欲しいんだけど。。。えーっと。。。青山さん、青山奏社長じゃない。」
アザラシの
福ちゃんが言いますと
「はぁ。。。あの。。。」オーガストさんは、お好み焼きを食べる箸を止めました。
なにか。。。気まずい事を。。。聞いてしまったかな。。ただ。。。青山奏に似ているねという話を出して。
オーガストさんに似ている有名人という話しをすればすぐに、木蓮和尚も福ちゃんも口をそろえて青山奏社長と言います。でも。。。飲食業界ブルーモーメントの社長青山奏と言えば。。。
お兄さんの禅さんと子どもの頃から両親に捨てられて祖父母に育てられたが、祖父母もまもなく亡くなりというエピソードが世間では知られ渡っております。小さな子どもを捨てた親。。。
木蓮和尚も紫子夫人も濃紫婆様も、けっこう木蓮寺にタクシー業務でお客様を送迎し顔見知りのオーガストさんが、まさか。。。たしかに。。。マスコミで見る青山奏社長とオーガストさんはそっくりで、青山奏が歳を取ればこんな感じオーガストさん。。。
とは思うものの、とてもじゃないけれどこの穏やかで物腰柔らかい老紳士が昔ちいさな子どもを捨てるなんぞ。。。青山奏がマスコミに発表しているエピソードの小さな子どもを捨てて養育費すら支払わないような父親の印象がどうしても目の前のタクシードライバーのオーガストさんに結びつかなくて。。。
だからどうしても。。。確かに似ているけれどまさかこのオーガストさんが青山奏の関係者だとは。。。ちょっと想像がつかない。ので、その場はただ有名人の誰々に似てますねー、というよくありがちの軽い社交話題を酔っ払ってリリコがなんとなく振ったという空気でした。
「時々。。。お客さんに言われますね。あれ、青山奏社長に似てませんか、って。」ぽつりとオーガストさんが言いました。「あら、そうでしょう。」紫子夫人が言います。「お客様には、そう。。。ですか。。ねェ。。私はそんな才能なんか全然無いし、別世界の人ですねって言うんですが。。。」オーガストさんが言いました。
この話題はここで自然に消える。。。と誰もがその場。。。しかしながらリリコは酔っ払って。。。「あのね、青山奏社長って世で知られたエピソードは、両親に捨てられたってそうなってるんだけど。アタシの幼なじみのミーシャ、青山家の次女の話しだと、奏社長とお兄さんがお母さんに騙されたんだって。お母さんが再婚して、異父弟から連絡があったんだけど、事実を書いた日記帳やら酔っ払ってお母さん本人がペラペラと、養育費目当てに息子達の親権を取り再婚に不利なので自分の親に押し付けたって。。で、養育費を使い込んだり奏社長やお兄さんには、お父さんが酷いやつで借金があったから逃げたって嘘をついたけど、ホントはお父さんが海外に行くので英語やフランス語ができないお母さんはどうしても日本にいたくて、浮気相手の親しい男性もいたみたいだし。。海外に行きたくないのとお母さんの浮気で、お父さんと離婚したのに、全部別れたお父さんが悪いみたいに子どもを洗脳していたみたいよ。でも、再婚する時お母さんからいらないと言われた奏社長とお兄さんは。。。父親と離婚してからも母親が旧姓に戻さず。。普通酷い旦那と離婚したら厄払いで旧姓にサッサと戻すよな。それに離婚してから、母親は息子達を実家に押し付けて。。。面倒を全くみず。。。夜の仕事で派手な母親の日頃の態度や行いが。。
薄々お母さんに不信感を持っていたものの。。。お母さん側の祖父母に引き取られたんで。。。お父さんとも会ってないし、そのままだったんだけど。。どうも。。、、最近になって、お父さんに対して誤解していたんだって。お母さんは再婚で息子達を捨てたくせに、息子が成功したら何度もお金の無心に来て。。。奏社長兄弟は、お母さんとは手切金を渡して絶縁したみたい。」
リリコが言えば。。ベルモが、
「まぁ、ウチのお寺の人生相談も。。時々あるけど有責なのに離婚して親権を取ったもん勝ちで。相手に子どもを全然会わせずにずーっとお父さんが悪いだのお母さんが悪いだの、会わない人を悪者にして親権を取った親から長年の
嘘をつかれていたって。。。あるのよね。酷い話しだわ。。子どもは親を選べないというのに。。。」
リリコは、「だからね。奏社長。。。青山のおじさんは。。。多分、実のお父さんに会ってみたいんじゃないかなぁ。。。オーガストさんが、青山のおじさんに似ているし。。。オーガストさんからいただいた名刺に、青い山のスタンプが押してあるでしょ。だから。。。もしかして。。オーガストさんは。。。青山さんって思ったんだけどー、そんなドラマじゃあるまいし。。でも。。。青山のおじさんも最近絶縁したお母さんが亡くなったのを知って、いろいろ考えてるみたい。。。」
リリコが言うと。。。
「ひ。。。瞳が。。瞳が亡くなったんですか。。。」
そのとき。。。オーガストさんは、気がつくと止めどなく滂沱の涙を流していました。
まわってきて。フワフワと酔っ払ってきたらしい。
それもそう、昨夜は同級生の駿栄が、プルメリア島の都心部プルメリアリゾートのホストクラブ熱帯夜でホスト流星をしているので、励ましと再会に会いに行って結構飲んできたのだ。ちょっとぽわんとしはじめました。チャンポンだし。。。
「まぁ。。。リリコさん、だいぶ酔っ払ってしまったのかしら。。。」ベルモが言うと、「イエ、イエいえ。。。イェーい。。酔っ払ってるわけじゃないんだけど酔っ払って言うわけじゃないですが、ベルモさん、かなり魅力的ですよ。」「あのう。。。リリコさんみたいに綺麗な人がアタシに言っても。。。女の子が言う可愛いとか、綺麗って。。。綺麗な人は余裕があるからね。。。」とは言え、ベルモは、女性の綺麗だとか、可愛いとかそう言う問題にほとんどコンプレックスがありませんでした。私は綺麗じゃないとか、私は太っているとか。。。綺麗な子が羨ましいとか。。。 そうやって綺麗な人を羨み比較して落ち込んでる女性は世の中にいるのでしょう。しかしながら、ベルモはワタシはぶーちゃんだし、ちんちくりんのチンクシャだし。と、自分で言うものの。。。
魅力について、ベルモは、あるがままのわたし。あるがままだと言ってなんにもしないわけじゃない。自分らしく日々生きて日々バージョンアップしてますます私になっていくわたし。
ベルモにとって
綺麗な女性、スタイルが良い女性は他人様の問題だし。他人が綺麗でスタイルがよい美しい女性ならそれはそれで素晴らしい事だし。
いちいち可愛い子を妬んでいては。。。
でないとフワフワコロコロした可愛らしい赤ちゃんや、幼児が集まってくる木蓮寺幼稚園の先生なんかやってられません。それに、ベルモは友達も美人や可愛い人が多いわけですし。産みの親が、アマゾネスサンクチュアリィのオーナーの葉月さんだと知られるとギョッとされますが、事実なんだからしょうがないし。お母さんは細くて綺麗なのにみたいなニュアンスで驚かれてもあまりなんとも思わないんだよね。プルメリア島の海でミリオンと拾われて産まれてすぐに木蓮寺に来たしお母さんと、暮らしたわけでもなく。最近になって、ミリオンときょうだいという事や美術家のヴィーナスとも三つ子のきょうだいという事や、母親が金星人で父親は、プルメリア島のタコプルメリアンスキューバーズで既に亡くなった、母親は葉月という事を知ったばかりです。はっきり言って。。。
自分の正体やら出生の秘密を知るまでは周りからはミリオンと一緒の多分どっかの星の宇宙人の赤ちゃん、子どもではないかと考えられていて。自分の正体やらは。。。と悩んだ事も知りたいと思った事も、親はどこにいるのかとか。。。普通は考えなければならない事も全く考えたことすらなく。。ベルモは赤ちゃんだった頃もなかなか記憶がありすぐに、周りとコミニュケーションが取れたり喋る事ができましたがただ、環境この木蓮寺に来て、毎日毎日。。。仏様や御神仏とも話しをするようになったりして。。木蓮寺にやって来た事は。
まるで水を得た魚のようにスイスイと。クラクラめまいがするほどに快適な環境に置かれた事を。。魂が震え揺さぶられ。。。明らかに自分でも魂が喜んでぴょんぴょん飛び跳ねるような。。実感があり。。。
魂に従うままの自分にピタッとフィットした感覚
本当に
雷に撃たれた様な衝撃的な感激と感動の連続で。。
ただもう、この木蓮寺に来た時はなんせ、ミリオンの里親の桑田氏が、てっきり海で拾われた真っ青で冷たいベルモを亡骸かと思い可哀想なので菩提寺の木蓮寺でお葬式でもあげてやってくださいと、それがきっかけでこの木蓮寺に来た身だし。。。ミリオンは拾われてすぐに息を吹き返し、桑田氏に引き取られ、亡骸かと思われ木蓮寺に連れてこられたベルモは、木蓮和尚が、お経をあげると、ピクッと動いて仮死状態で実は生きている事がわかり、そのままこの木蓮寺に引き取られる事になり
ただもう、その時点で死んでいたかと思われたのに。。。なんでこんな幸せなありがたやー命があるだけでも感謝、感謝というのにお寺というベルモにとって至福の夢のような環境を与えられて。
見るものすべて生きとし生けるものに感謝して一度は死んだ身。。。仏様に無条件降伏し。。。足りないだの不幸だの文句を言うのを辞めて
もう、そんな女子力高いだの綺麗だの可愛いだの。。。痩せたい、スタイルが良いだの。。。
女性に産まれるがゆえのつきまとう悩みだの
そんな事どうでもよく、自分が何者かとか親が誰だとかも考えている隙もなくただ、いまこうしてご縁があってこの木蓮寺森沢家に来て家族になって僧侶になった事しか考えてなくて。生きているだけでありがたやーと思うだけだった。だから、木蓮寺に養女ができた、里子のベルモという宇宙人らしき子どもが。。と、ちまたの噂に聞いてベルモを知らない人たちが勝手に
どんだけ可愛い美少女が来るんだろうと、ワクワクして木蓮寺にベルモを見に行くと餅かマンジュウみたいなおデブが出てきてひっくり返る人々もいるけど。。。
そんな事、気にしない事にした。
島から少し離れて北側の陸地
神楽町市に住んでいる天才美術家のヴィーナスが、まさか自分と三つ子のきょうだいでヴィーナスは有名人でマスコミにもなかなか知られていて、周りからは、ベルモやミリオンは、あのヴィーナスは金星人とプルメリアンスキューバーズのハーフらしいけど、二人ともヴィーナスに
似てるし、貴方達も、同じ種族では尋ねれば、あなた達の出生も判明するかも。と言われてはいたものの。。。
あちらさんは雲の上の成功している超有名人。。いきなり訪ねていけば、卑しくも、有名人になれば親族も増えるで、図々しい押しかけにわか親族みたいな
いかにも有名人の金目当て、利権目当ての
ゲスな輩に思われたらとミリオンやベルモの里親を含めて
なかなか躊躇してましたが、ひょんなきっかけとご縁により結局は、
ミリオンもベルモも
ヴィーナスと会う事になって。。。
それによって自分の出生の秘密が明かされたけど。。母親葉月の出産時元看護師の悪い女に騙されて元気ピンピンのヴィーナスだけは助かったと見せかけて。仮死状態の
ミリオンとベルモは死産と嘘をつかれて笹舟に乗せられてお弔いだと海へ流されたのだけど。。
そんな自分を騙して海に流した罪人でさえ。。。この木蓮寺に導かれたのも悪い人が悪役をやってくれたんだからここにいるんだと感謝したり。なんて事をベルモは、ほろ酔いのリリコさんに取材のうちとしてアレコレと語っていました。リリコさんは、お酒がすすんでかなりゴキゲンサンのようだ。「大丈夫ですか。。。リリコさん、このあと青の洞窟の取材できます」リリコの臨時アシスタントをしているタクシードライバーのオーガストさんが心配しました。「青の洞窟は、暗くなってからでもライトアップの写真が撮れればいいだけだからね。オーガストさん。お仕事延長いいかしら。」本当は、木蓮寺を訪問してお昼過ぎに青の洞窟でオーガストさんにお礼としてランチをごちそうして、で、夜は時間があれば、また駿栄のいるホストクラブの熱帯夜に顔を出してみようかどうしようかと。。リリコは最初はざっくりとそういう予定だったものの。。。あくまでもそれは、見立てていた予定でした。
「今日はリリコさんの貸し切りの仕事のみをしようと思っていたので会社に連絡すれば延長は大丈夫ですよ。私も今はもう一人もんだしね。」
キレのいいフルーティーなおすすめの冷酒が効いてきたのかリリコは、ついつい、気が大きくなり口が滑らかになり。。。
「あのー、オーガストさん。。。オーガストさんって。。。ウチの近所の幼なじみんちのお父さんにそっくりなんです。。。って言っても、その人四十代半ばだと思うんですが。。。」リリコはお酒の勢いでか、あまり考えもなく切り出しました。本当はもっとじっくりと慎重に。。。オーガストさんに聞いてみようかと考えていたのですが。
「えっ」
ぎくっ気まづいというより驚きの表情でオーガストさんはリリコを見ます。
さっき。。。リリコは、純ちゃんが透き通るみたいに写っていると、ミーシャからの同窓会の飲み会を写した写メを送られてきて、オーガストさんは、
驚くべきの透けた
純ちゃんよりも、隣に映るミーシャに驚きの表情をしていたのを。。確かにリリコは感じていました。。。
「というか、おそらくここにいる誰もが知っていると思われます。有名人ですからね。」酔っ払っているリリコはあまり考えなく話しをすすめて。。すると、驚くほど即座に。。
「オーガストさんに似てる有名人って。。ホラホラ、あ、わかったー、飲食の飲食王。。えーっと、名前、名前は。。」お酒の入った木蓮和尚が言います。すると福ちゃんが、「マスコミに時々出てる真っ赤なランボルギーニ乗ってる人じゃないウチのにいちゃんもランボルギーニ乗ってる奴がいて、僕も将来ランボルギーニが欲しいんだけど。。。えーっと。。。青山さん、青山奏社長じゃない。」
アザラシの
福ちゃんが言いますと
「はぁ。。。あの。。。」オーガストさんは、お好み焼きを食べる箸を止めました。
なにか。。。気まずい事を。。。聞いてしまったかな。。ただ。。。青山奏に似ているねという話を出して。
オーガストさんに似ている有名人という話しをすればすぐに、木蓮和尚も福ちゃんも口をそろえて青山奏社長と言います。でも。。。飲食業界ブルーモーメントの社長青山奏と言えば。。。
お兄さんの禅さんと子どもの頃から両親に捨てられて祖父母に育てられたが、祖父母もまもなく亡くなりというエピソードが世間では知られ渡っております。小さな子どもを捨てた親。。。
木蓮和尚も紫子夫人も濃紫婆様も、けっこう木蓮寺にタクシー業務でお客様を送迎し顔見知りのオーガストさんが、まさか。。。たしかに。。。マスコミで見る青山奏社長とオーガストさんはそっくりで、青山奏が歳を取ればこんな感じオーガストさん。。。
とは思うものの、とてもじゃないけれどこの穏やかで物腰柔らかい老紳士が昔ちいさな子どもを捨てるなんぞ。。。青山奏がマスコミに発表しているエピソードの小さな子どもを捨てて養育費すら支払わないような父親の印象がどうしても目の前のタクシードライバーのオーガストさんに結びつかなくて。。。
だからどうしても。。。確かに似ているけれどまさかこのオーガストさんが青山奏の関係者だとは。。。ちょっと想像がつかない。ので、その場はただ有名人の誰々に似てますねー、というよくありがちの軽い社交話題を酔っ払ってリリコがなんとなく振ったという空気でした。
「時々。。。お客さんに言われますね。あれ、青山奏社長に似てませんか、って。」ぽつりとオーガストさんが言いました。「あら、そうでしょう。」紫子夫人が言います。「お客様には、そう。。。ですか。。ねェ。。私はそんな才能なんか全然無いし、別世界の人ですねって言うんですが。。。」オーガストさんが言いました。
この話題はここで自然に消える。。。と誰もがその場。。。しかしながらリリコは酔っ払って。。。「あのね、青山奏社長って世で知られたエピソードは、両親に捨てられたってそうなってるんだけど。アタシの幼なじみのミーシャ、青山家の次女の話しだと、奏社長とお兄さんがお母さんに騙されたんだって。お母さんが再婚して、異父弟から連絡があったんだけど、事実を書いた日記帳やら酔っ払ってお母さん本人がペラペラと、養育費目当てに息子達の親権を取り再婚に不利なので自分の親に押し付けたって。。で、養育費を使い込んだり奏社長やお兄さんには、お父さんが酷いやつで借金があったから逃げたって嘘をついたけど、ホントはお父さんが海外に行くので英語やフランス語ができないお母さんはどうしても日本にいたくて、浮気相手の親しい男性もいたみたいだし。。海外に行きたくないのとお母さんの浮気で、お父さんと離婚したのに、全部別れたお父さんが悪いみたいに子どもを洗脳していたみたいよ。でも、再婚する時お母さんからいらないと言われた奏社長とお兄さんは。。。父親と離婚してからも母親が旧姓に戻さず。。普通酷い旦那と離婚したら厄払いで旧姓にサッサと戻すよな。それに離婚してから、母親は息子達を実家に押し付けて。。。面倒を全くみず。。。夜の仕事で派手な母親の日頃の態度や行いが。。
薄々お母さんに不信感を持っていたものの。。。お母さん側の祖父母に引き取られたんで。。。お父さんとも会ってないし、そのままだったんだけど。。どうも。。、、最近になって、お父さんに対して誤解していたんだって。お母さんは再婚で息子達を捨てたくせに、息子が成功したら何度もお金の無心に来て。。。奏社長兄弟は、お母さんとは手切金を渡して絶縁したみたい。」
リリコが言えば。。ベルモが、
「まぁ、ウチのお寺の人生相談も。。時々あるけど有責なのに離婚して親権を取ったもん勝ちで。相手に子どもを全然会わせずにずーっとお父さんが悪いだのお母さんが悪いだの、会わない人を悪者にして親権を取った親から長年の
嘘をつかれていたって。。。あるのよね。酷い話しだわ。。子どもは親を選べないというのに。。。」
リリコは、「だからね。奏社長。。。青山のおじさんは。。。多分、実のお父さんに会ってみたいんじゃないかなぁ。。。オーガストさんが、青山のおじさんに似ているし。。。オーガストさんからいただいた名刺に、青い山のスタンプが押してあるでしょ。だから。。。もしかして。。オーガストさんは。。。青山さんって思ったんだけどー、そんなドラマじゃあるまいし。。でも。。。青山のおじさんも最近絶縁したお母さんが亡くなったのを知って、いろいろ考えてるみたい。。。」
リリコが言うと。。。
「ひ。。。瞳が。。瞳が亡くなったんですか。。。」
そのとき。。。オーガストさんは、気がつくと止めどなく滂沱の涙を流していました。
2021年04月08日
マリッジcelebration。。。266複雑に考えるのはもうおしまい。
「今日ちゃん。。。間一発って言ったら変だけど。。今日ちゃん達が帰ってどうかな、20分もしないぐらいに。。慶子さんが来たのよ。慶子さん、いろいろお客様連れて来てくださるから。、」
東京恵比寿の北海道犬の今日子の元に銀座のバーラナンキュラスのママを任せている妹の澪から電話がありました。澪は三度目の結婚で、10歳年下のチワワの旦那とお台場で暮らしています。
「慶子が。。。」
あの日、高校時代の親友環と一緒に銀座のバーラナンキュラスに飲みに行った今日子。
知人の家具職人兼オーナーのアポロン先生の顔を久しぶりに伺ったと思えば、アポロン先生のお連れ女性のダイヤさんは、環も知っていて。。それで。
偶然にも世田谷の成城育ちのダイヤさんが
高校時代環の初めての彼氏の伊集院三太夫君の近所の育ちで。。。
なんという偶然という事で、四人で話が盛り上がって。。でお開きになって解散して間もなく。。
高校時代に仲良し三人組でいたペルシャ猫の女医慶子がラナンキュラスに飲みに来たらしい。。。
今日子は、少し気まづいかなと。確かに昔から。。三人組とは言え。。
慶子はちょっと違うかなというところがあり。。高校卒業して、大学進学先は、今日子も慶子も帝王大学なものの。。。
慶子は医学部だし。今日子は、教養学部で環だけKO大学だったものの。。
高校を卒業しても、今日子と環の方が慶子よりお互い仲が良いし。決して偏見ではないものの、慶子はスカウトされたとかで銀座のクラブでも働いていたり。
環と今日子は既婚で離婚歴なし、慶子は男性関係が派手な割に一度も結婚歴無し。。
勿論、高校卒業後三人で会う事が有るけれど
女医の慶子が忙しいのもあるけど、慶子抜きで環と今日子が二人で会う事があって。別に慶子を仲間外れにしている訳ではないし。。やましくはないんだけど。
でもねぇ。。慶子は昔、ホストクラブにハマったり。銀座のクラブや女医をしていたらそりゃ、経済的に余裕があるでしょうし。。慶子は独身だし。だけど、環や私にホストクラブの良さを語られてもねぇ。
学生時代
バーでバーテンダーをして翻訳家傍銀座のバーのオーナーの今日子だけど。。
夜のお店と言ってもバーテンダーとホストやホステスはお店の色も次元も違うし。
あの、環や家具職人のアポロン先生と彼女のダイヤさんとラナンキュラスで飲んだ後に。。慶子が来たらしい。今日子の妹の澪ママは、さっきまで姉と親友の環がラナンキュラスにいた事は、慶子に内緒にしていた。慶子が知ったら、なんで誘ってくれなかったのという空気になるし。。
それにさ。。。環の高校時代の彼氏の伊集院三太夫君って、慶子に全くなびかなかったし。
プレイガールの慶子でも、さすがに親友環や今日子の彼氏を略奪する事はなく。。
かと言って。。目をつけていた伊集院三太夫君にはフラれて。。それから伊集院三太夫君は、
環と仲良くなって。。ま。慶子はモテるし恋多き女性だから、
その時は慶子に大学生の彼氏がいて、伊集院君の事も忘れたのか、環と揉める事も無かったしね。それに、男ウケするタイプの女性が苦手とか好みじゃない人だっているわけよ。だけど、環とラナンキュラスに行ったあの晩は誘ってない慶子と鉢合わせしなくてよかった慶子に声を掛けてないのもきまずいし、アポロン先生や彼女のダイヤさんと
伊集院君の話しが出るのも気まづい。伊集院三太夫君は、慶子を袖にして環と仲良くなり。。そんな高校時代の淡い思い出でも。。。
プライドの高い
慶子は絶対面白くないだろうし。
代官山のタワマンで一人暮らししている慶子。。。恵比寿のうちから結構近いんだけ最近どころか、ここ何年かは、全然疎遠なのよね。。。
まぁ、慶子の職業柄、休日も不安定だし呼び出しされたりや。。。環と3人で会いましょうって時も結局は慶子が病院に呼び出されて慶子だけ来れなくなったしって事も何度かありで。
なんて。。今日子がぼんやり考えていると。。。澪は、「慶子さん、かなり歳下のダックスの男性。。。というか男の子連れてきてたわよ。勿論、慶子さんのプライバシーだし、こっちは商売だし。わざわざどんな関係って干渉する筋合いもないし。しないけど。。ま、私も旦那は10歳年下だから人の事あれこれ言えないかもしれないけど。。。慶子さんと親子ぐらいの年齢差だしさ。かと言って、慶子さんって反対に父親ぐらいの男性紳士とお店に来たりね。。。パトロンかしら。。。ま、慶子さん独身だし。プライバシーだしねー。、」
やれやれ。。。慶子は結婚する気がないんだろうか。まぁ、女医で自立してるし。結婚に向いてなさそうだし。余計なお世話よね。。。今日子はそう思いながら、「異性関係はなんとも言えないわ。自分の彼氏や配偶者に手を出されない限りは、私は他人様の異性関係はあれこれ言うべきじゃないし、関心もないな。お盛んな女性だっているしね。それはそういう人なんじゃない。異性と親子年齢差も。。。他人がどうこう言う事でもないしさ。」「もちろん、私もそう思うんだけど。慶子さんは、ドクター仲間やいいお客様たくさん連れてきてくれてありがたいしね。」
妹のラナンキュラスの澪ママと
あれこれ話すと今日子は電話を切って。。。
翻訳家の今日子は独立して在宅で仕事してるし。ジャーマンシェパードの旦那さんはニューヨークで仕事してるし。社会人の娘は自立してるし、息子は京都の大学へ進学して、今日子の姉の涼子の嫁ぎ先の持っているマンションに下宿して東京から離れてるし。事実上気楽な独身一人暮らしみたいなもの。今日子は、白い純北海道犬の三姉妹の次女で三姉妹とも嫁いでいます。三姉妹は純北海道犬なのに、姉の涼子は柴犬、妹の澪はチワワ、今日子はジャーマンシェパードと、姉妹3人とも違う犬種と結婚しました。
午前中に来たお客様がくださったリビングの極楽鳥花がふと今日子の目に入りました。京都に嫁いだ姉が子どもの頃に小学校の図書館で誕生花の本を借りて来てさりげなし今日子も自分の誕生花を調べたら
極楽鳥花で、それをたまたまお客様が極楽鳥花を育てているという話になった時に、今日子は、私は12月6日産まれで誕生花は極楽鳥花なんです。と言ったらそのお客様が極楽鳥花が咲く頃に切り花を差し入れてくれるようになりました。子どもの頃。。。
ドキドキしながら誕生花を調べて
正直言って薔薇とか、チューリップやカーネーションとか、芍薬とかピンクや赤の可愛らしい誕生花じゃない事にがクッときたものの。。
エキゾチックで華やかで
明るい南国の南向きなムードや、なによりとても縁起の良い花言葉や意味合いを持つ花でじわりじわりとだんだん極楽鳥花が好きになり。
えーっと。。。あ。。。そう言えば。。
昔むかし、慶子がホストにハマっていた頃。。。極楽鳥夜。。。ストレチリヤっていうお店の。。。ホスト
興味ないし。。。誰だったか。。
名前忘れちゃったんだけど。歳下のホストにボケてかなり貢いで相談されたっけ。。
もちろん、今日子は一切興味ないしそのホスト自身は一度も会った事もないのだけど。超硬すぎる環にはホストに行ってるの知られると軽蔑されたら嫌だから内緒にしてって。。
別に環は他人様は他人様のプライベートを割り切りそんな事で軽蔑するような子じゃないし。私は夜のバーテンダーのアルバイトしてるけど。。。かと言って。。ホストの事を相談されたとて。
ホストはご商売で夢とサービスと労力や時間を提供しているのであって。慶子には言えないけど。誰が好きでもない女性にタダで動くのよ。と。慶子だって銀座のクラブで夜の蝶をしお店サイドの罠を仕掛ける側の体験を積んでおきながら。。そんな事もわからないのかしら。極めて簡単な事なんだけどー。自分は特別って勘違いするのか。あちらさんからしたらワンノブゼムなのに、お客は自分こそがオンリーワンだと思い込むのよね。
だいたい。。本気で付き合おうもんならお客と区別してお店に呼ばないでしょうそれも彼らの仕事の内のたかがリップサービスの甘い言葉を都合の良い解釈をするのだろう。
確かに好きやターゲット、好みの異性にちょっとだけでも気のある素振りを見せられると誰しも針小棒大に都合の良い解釈をするってわからないでもない。今日子も若い頃アクセサリー感覚の癖で携帯の古いタイプの絵文字にあまり可愛いのがなくて、ハートマークをさりげにメッセージに送っていた事があり、ただ可愛らしい絵文字がないので、あえて若い女性のアクセサリー感覚で友人知人にメッセージを送っていたら、その中のなんとも思わないただの知人男性から、ハートマークの絵文字があるね、と、わーキャーした返信を送られてきてげっとキモくなった事がある。
だからもう、自分が関心ないのにあちらが一方的に興味を持ってくる異性というのは針小棒大に過大評価で期待されるので下手な事を言ったりやったりしないどこと思って。
でも、そういう錯覚や自惚れ可能性があるかも感覚をうまく収入や稼ぎに繋げるのが。。彼らホストなんだろう。
あんな聡明な慶子が。。。ホストさんって例え新人でも相手はお金で動いているんだし。お付き合いするというより、社交として気晴らしで行くにとどめるのが無難なものだと全く異性を相手にする系の夜の店に興味がない今日子は傍観する。
でも、その錯覚やお客様の自惚れや勘違いで儲けるお仕事なんだろうに。そりゃ、例外でお客様と結婚しましたってあるでしょうけれど。もしも、たくさん店に通えば結婚できる保証があるならば、金に物を言わせる奴が勝つし、でも現実はたいていそうじゃない。飲み屋婚活で、借金してでも好みや好きなキャストの夜の店に通う人なんてわんさか出てくるでしょうに。
なんて思いながらも口には出せないので、
やんわりと、「私が思うによ。あくまで私の想像ね、私はホストクラブは行かないし
そりゃホストというお仕事だし、
お客様とホストはあくまでもスターとファンという間柄じゃないかしらね。お客様は好きな男性を応援しながらその男性との時間を楽しむみたいなさ。自分の好みやお気に入りの王子様が出てくるお芝居に自分が姫として参加する演技っていうのか。。
なんだろう。非日常性を買うっていうのか。
わたしにはよくわからないけど、気晴らしを楽しめない、応援できないと思ったなら行くべきではないと思うし。ちょとわかんない、ごめん。
」
みたいな事言ったかなぁ。飽きっぽいプレイガールの慶子が、歳下のホストに夢中なんて。。。あー、そういや、ハリネズミだって言ってなかったかなぁ
環の初めての彼氏
伊集院くん。。タイプだったんだろうか。誰にでも好みのツボってあるわよね。。。
そう、慶子が若い頃極楽鳥夜。。ストレチリヤというホストクラブに通っている事を知り
あまりホストクラブにいい印象が無い今日子は
なんだか、私の誕生花の極楽鳥花が汚されたような気になって。ハァ。まぁ、でも人に愛されて縁起がいい花だからわざわざ店名になるんだわ。とも思ったり。。
で、銀座のバーを開く時は極楽鳥花やストレチリアは慶子ご執心だったホストクラブと被るので、自分はオーナーで妹の澪に店長を任せるので、澪の誕生花5月25日のラナンキュラスにしました。
子どもの頃、誕生花の本を一緒に見ていた澪の誕生花のラナンキュラスが、カラフルでフワフワで上品で可愛くておまけに、花言葉が、あなたの魅力に目を奪われるとか、とにかくとても魅力的なという感じで、それから澪はラナンキュラスが大好きになったし。ラナンキュラスって響きもいいのよね。
そして。。。プルメリア島。
木蓮寺森沢ベルモ。。。
あー。。考えても。。。考えても。。ベルモは、奥座敷で取材を受けながらみんなでランチしています。
東京から取材に来たリリコは、プルメリア島付近の福の神の街、神楽町市で就労児童をしながら小学校に通う真珠養殖と販売の社長の福ちゃんにインタビューし都王新聞で
試験はあるけど、福の神のお弟子として、持って産まれた素質素材を活かして学校に通いながら働く就労児童制度についてアピールする事にしました。
十人十色で、様々な能力や資質素質才能を持って産まれてきた子どもが、自分の素質を知り磨きながら社会に貢献して成長していける。
誰しも持って生まれた傾向や資質を鍛錬し研磨しながらそれを天職に繋いで生きて社会に貢献して成長するのは大きな目指したい夢のひとつなんだろう。生きがいや夢、目標は生きる活力や糧になります。
などと、アザラシの福ちゃんはさきほどから就労児童制度と自身の体験などなど話して。。。
常日頃ベルモもそう思ったりしているものの。
どうも。。頭に入ってこない。。。なんで。。。
そう。。純ちゃんの事を気にして。
純ちゃんは、俊さんの娘か、それとも吾朗太さんの娘か。。。
誰にも内緒でおくびにも出せないけれども。
大事な事、純ちゃんの生死が決まる。。
ゆっくり一人になりたい。
一人になりたくてもそうはさせてくれないのだ。
なんだか、自分だけ蓮の花の香りに取り込まれているのかと感じると、ベルモの頭の中でご本尊様らしき声がする。。。
゛ね、ベルモ。。。あなた。。大事な考えやいいアイデアって。。なにも一人でジーっと考えている時ばかり浮かんでくるわけじゃないよね。。。そうじゃない一人で考える時間が欲しいって。。それだけが、大事な事を考える方法でもないわよ。。
友人知人と話している時にハッとさせられるヒントを貰ったり思いついたり、歩いていて突然浮かんでくる場合もある。。。あなたは頭デッカチなのよ。。。それに、あなたは、頭で考えるだけでなくて、もっと自分のハートを信じたら。”
ご本尊様。。。
だって。。。そんな事言われたって。だって。。純ちゃんの
森沢家宅の敷地内の
そんな頃。。。木蓮寺幼稚園児達は給食時間になり。みんな園舎に入って準備していました。
運動場は誰もいなくなりましたが。。。
果樹園と芋畑で、吾朗太さんは、天使のこうちゃんに見つめられて、まるで催眠術をかけられているように意識が薄らいでいきます。。
ウゥッな、なんだコイツ意識を飛ばさないように、必死に眠気のような湧いてくるものと吾朗太さんは闘っています。
こ。。。お。。コイツ。。ま、まさかヤバいヤツなんかた、助けてくれ、デブなにやってんだ、ベルモのデブ飯食ってるのかのんきにバカヤロウ
こうなりゃ、俺が見えるなら。。。あのぴいな、ぴーコロクソぴーさっきまでオレを見つけて喜んどいてオレに散々絡んどいて助けやがれ
天使のこうちゃんは、ゴローちゃんあそぼ、ゴローちゃん。。催眠術をかけるかのように、
吾朗太のインナーチャイルドを呼び出します。
さ、子どものゴローちゃん出てきて。。
うわぁ
と、とんでもないヤツなのか
吾朗太さんはもう亡くなっているのに得体の知れない今日恐怖が湧いてきたかと思うと
スーッと意識を失いました。
2021年04月02日
マリッジcelebration265優しい嘘を必要とし、そして人は未来に羽ばたき成長する。。。
げ。
「キンキンみーっけミャハ。ミャハ。」ウゲ
「ピィちゃん、早く給食の準備しないと、ねぇー、なにやってるの。」 給食当番のぴいなをひよこ組の同じく給食当番の友達が呼ぶ。
正午少し前に。。。
霊感のある
木蓮寺幼稚園ひよこ組のボスのブルドックとマルチーズミックスの星月姫奈。。ほしづきぴいなは、お弁当を配る給食当番の準備に手を洗いに行ったところ、手洗い場から少し遠く離れた芋畑や果樹園の茂みにキンキンの。。。影を見つける
あれはキンキン
だけど。。ベルモ先生とキンキンはお化けなので他の子には見えないし、他の子が怖がるので、キンキンを見た事はみんなに内緒にしてね、と約束しています。「なんでもないよー、ラムネちゃんもかりんちゃんもピイちゃんすぐ行くから、ちょっとだけ」ぴいなは勝手に靴を履き、吾朗太がいる運動場の隅っこの果樹園や芋畑の方にに近寄る。
ば。。。馬鹿女だ。パッパラパーコだ。しかしながら、わざわざ避けている日中のわずらわしいぬくぬく木蓮寺幼稚園児達も。。。
そう思いながらも
吾朗太はなぜか、今日はふらっと帰ってきてしまう。まるで誰かに呼ばれたように。。。
身体が勝手に。。。
「キンキン。どこへ行ってたの。ずっと見てなかったよ。」ぴいなが吾朗太に話しかける。。当たり前だ、お前たち馬鹿っつらがいる昼間はウザいから寺から逃げてたんだから。。ぴいなに特に俺が見えるお前がと言いたくなるのを我慢して。「あ。。。ああ、仕事。出張。」適当に吾朗太は答えました。
ギクっまさかこのピィ公は俺がぶらぶらしてるから。。。仕事って言っても嘘だと思ってんのかこのチビと思いつつも。。。あー。。。こんなおバカそこまで考える脳みそもオツムもないか。。。。
「ふーん。キンキン、コソコソしてるからサンタクロースでもやってるの。お仕事。サンタクロース。。。あっ、キンキンは、お兄さんだし、まだおじいさんじゃないからサンタクロースじゃないか。」
えっ。。。
サンタクロース。。。あっ。ズキンぴいながサンタクロースの話をした時に、吾朗太の胸がズキンと痛む
な。。。なんなんだ。バカやろう。な。。。なんなんだコノヤロウさ。。。サンタクロースだと。。。クラクラクラ。。と、吾朗太はなぜかめまいがする。以前、ベルモのデブと大喧嘩した。デブの幼稚園では、クリスマスに木蓮和尚がサンタクロースに化けて
常夏の島プルメリア島から少し離れて神楽町市など近隣の冬には雪が降る冬にちゃんと寒い地域に水上バスやバスで行ってクリスマス会をする。プルメリア島は、福の神が作った特別な島なので常夏島でも、近隣地域はちゃんとフォーシーズンに四季があるし。
出かけて行った
その地域に雪が降る年は、雪が降るのはサンタクロースからのプレゼントと言って常夏の暮らしのプルメリア島の木蓮寺の園児を喜ばすのだ。「なにやってんだ、詐欺師集団。ガキを騙しこんで。お前ら寺だろうに。坊さんがサンタクロースに化けるとか、そのサンタクロースが魔法でプレゼントで雪を降らすとか。。。嘘ばっかりついて馬鹿じゃねえか、お前の宗教。。。クソ坊主が嘘をついていいのか。騙してもいいぐらい悪いやつどころかガキを騙していいのか。。坊主がキリスト祭りにかぶれてボケていいのか。」何気にクリスマスについて吾朗太に話したベルモに、吾朗太は強い拒否反応を示しました。幼稚園児はだいたいは、まだまだサンタクロースを信じています。仮にもサンタクロースが木蓮和尚と気づいている子も、あれは木蓮和尚だとは気づいていない子にはわざわざ言いません。子どもながらにして暗黙のルールとちゃんと知っているのです。
「馬鹿ね。必要な嘘や演出は人間情緒に必要なのよ。それが欠けるとどんな人間性になるかだんだんと成長するうちに子どもはサンタクロースが身近なおじさんや身内だと気づいたとしても。それで、成長して今度は、だんだんと自分が誰かのサンタクロースの側の人になろうと考える。その順番よ。サンタクロースの事を園児にバラしたら、アタシはあなたを許さないし、即座に寺から叩き出しますからね。」
坊さんがクリスマスを祝って悪いのか別にうちはキリスト教を目の敵にしてるわけじゃない。だいたい、坊さんは肉や魚を食べないとか結婚しないとか。。。クリスマスを祝わないとか。。。今時そんな事を思っている人がいる。たしかにそういう宗教や坊さんもいるけれど。。。ウチは違うし。。うちは宗旨宗派を問わず受け入れるし。。。それが生臭坊主というなら生臭坊主上等だわ。幾ら坊さんだって、倫理的に必要な嘘はつく。例えば末期の癌を本人が知らない人の前で、あんたはもうダメだ手の施し用がない。。なんて坊さんが言うかよく考えろ。アホうが杓子定規で生きて行けるんなら生きてみろ。
と。。。言っても、吾朗太氏は、とっくに亡くなっているけれど。しかし。。
何事も締めすぎそれが自分だけならそれでいいけどギュウギュウに締め付けそれをやりたくない人までに強制強要する宗教こそ不幸なのよ。
ベルモが珍しく顔を真っ赤にして本気で猛烈に吾朗太をキツく叱る温厚なベルモは、人を叩き出すなんてそんな事普段は言わない、あんなに怒ったベルモを見るのは初めてなんだけど。。。
いつも、ひよこ組の生徒がパーだの底辺だのからかってそれでベルモが怒るには怒るけど。。その時ほどブチ切れる事はない。そんなベルモに噛み付くと思えた吾朗太。
ベルモは
いっそ
警策を持ち出してバチンとハエ叩きみたいに吾朗太さんをぶっ叩いてやろうとすら思ったけど。。。
吾朗太さんを叩こうがあの人は身体を霊体で空振りするだけ。。。それに。。ベルモは暴力を振るったりは反対だし。躾で妹分のチワワ達が悪さしたら警策でお尻を叩くのみだし。
いかん、いかん。殴ってやろうなんてと思えば。。。ダメダメ暴力をなんてっと、思えば吾朗太さんが。。
あ。。。ウゥッ。。。頭が痛いような。。クラクラベルモがサンタクロースの話をした気分が悪くなりそのまま。。何も言わずにその場を離れて。。。吾朗太さんは、なぜか逃げ出した。。。
そんな事を、吾朗太さんは思い出しまして。
そ。。。そだ。。多分、俺はクリスマスやサンタクロースとかそんなんに嫌な思い出があるんだろう。いま、目の前のぴいなが、サンタクロースの話題を出す
「キンキンもーそのうちサンタクロースになれるよ。今日はふわふわの白い子いないんだね。」「ふわふわの。。。あ、あああの天使の。。どっか行ってるんじゃねーか。」
天使のコウちゃんってコだろう。
吾朗太は。。。ぴいなコイツはガキだからしょうがないけど。あの天使のコウって子はコイツぐらいで天に召されたわけなのに。お前みたいな生きてヌクヌクうんこだピィちゃんだとアホな事言ってるリア充なクソガキ見たないわなこいつはそれをわかっていない、ガキだからしょうがないけど。
「ふわふわのあの子もサンタクロースだね。キンキン、誰かのおうちにこっそり入って泥棒はダメだよ。サンタクロースだよ。ピィちゃん女の子だからサンタクロースにはなれないけど、ペズも先生みたいにお坊さんになるもん。サンタクロースみたいに、みんなのためになるし。。。」そのとき、
ワッセ、ワッセ、と蟻が餌を運ぶ様に給食当番の園児達が、お弁当を運び出しました。
「おやブーン。なにしてるんですか。一人で。」ひよこ組の給食当番の男の子のロングコートチワワの武蔵が運動場の片隅の果樹園に一人でいる組長のぴいなを大声で呼びます。
「武蔵。。。すぐ行く」ぴいなが言うと、
「なにが、武蔵だコロコロのふわふわのちんちくりんで。見栄張って男くさい名前つけるなよ。武蔵というか、むさ苦しいだろ。」吾朗太がぴいなに子分の武蔵の悪口を言いました。キラキラネームじゃないけど、モコモコの毛玉みたいなチワ公に。。。武蔵なんてどんな闘犬系か軍用犬のガキかと思うだろうに。。。毛玉って舐めとんのか。。。
まぁ、キラキラネームといえば、ぴいなも
星月姫奈といかにもアイドルみたいな名前してるけど。どういう親だ馬鹿は遺伝かよ。。どうせ、自分のガキを姫だの王子だの呼んでるんだろ。。。
ベルモの話しだと。。。
ぴいなは、男系の家でやっと産まれた末っ子の女の子だと親は弁護士や不動産収入でホクホクのヌクヌクらしい。
ベタベタのコテコテに甘やかしやがって
そう、幽霊の吾朗太さんは他の園児達には見えないんでしょう。ぴいなは、吾朗太さんの事はみんなに内緒なのであまりよろしくないと思い。。
「今日はぴいちゃんの大好きな酢豚だよ。」ぴいなの親友の木蓮寺のチワワのミーナが手を振って言うと
ぴいなは急激にシッポをフリフリして。
「ピィちゃんお手手洗ってすぐ行く。」と言って、「キンキン、バイバイ。またね。また遊ぼうぴいちゃんお腹すいちゃったし。」にっこりしました。
クソガキ。馬鹿女。ウンコ
なんで俺はわざわざ真昼の木蓮寺に戻ってきたのか。
オーライ、オーライ。
わっせ、わっせ、わっせ、わっせ。。。手を洗いに行ったぴいなが、給食を運ぶ給食当番の園児に合流しました。
ご本尊様の魂がユラユラと、木蓮寺の境内から幼稚園の敷地内を散策しつつも迷えるさまよえる霊の吾朗太を見つめていました。
プルメリア島から
遥か離れた
東京。。。霞が関。官庁街。。。
「にいちゃん、さんちゃん。」
誰だ。。。この声は。。な、懐かしい。まさか。
「ご、吾朗太。。。」「にいちゃん。。にいちゃんよその子になっちゃうんだろう。」「ご。。。吾朗太。。あ。。あの。。」「とうちゃんが、三太夫はもういなくなる。うちの子じゃなくなる。三太夫のためだ。って言われた」
にいちゃん、僕が、
うちの子じゃなくなるって。こんな小さな子どもに、なにも遠くへ行ったとか、外国に勉強しに行くだとか。。。親父はそうやって上手いこと言えばいいのに。
だけど。。。それは無理な話し。親父は、僕と吾朗太を産んだ愛人のなつめも、吾朗太にストレートにお前の母ちゃんは死んだとはっきり言ってある。。、
まぁ。。事実だし。あの本妻のキツい要さんが実母じゃないだけマシといえばマシだけど。でもなぁ。
「。。。。。。。」親父。。な、なにもこんな小さな子にストレートに言わなくてもどうして親父は。。。成長の糧になる優しい嘘がつけないんだろうか。。。三太夫は育った環境を悔しく思いました。
子どもは親を選べない
そうだ。。こんな小さな吾朗太に。。僕もだけど小さな頃からわざわざ僕も吾朗太も大事にしてくれているけど、お前ら二人は愛人の子ってはっきり言うし。
そりゃ。。。もう愛人だった母さんのなつめは吾朗太を産んで亡くなったし。。。言わなくても僕と吾朗太に対する本妻の要さんの塩対応を見ていればわかるんだけど。
でも。。なんで親父はそうなんだろう。893だからか。僕を反社会や、893の社会から抜け出させる為に里親に出されるのは優しさかもしれないけど。。。
うちの園では手に負えませんそうやって
幼稚園をクビになった吾朗太。。。サンタクロースがいない。サンタクロースなんて、子どもが寝ている間に親がこっそりとプレゼントを枕元に置いていくだけなんだそ。
喧嘩でクラスメイトを泣かせてばかりだし。
吾朗太は、散々幼稚園の先生が手に負えないヤンチャでしかも、最近893という事がバレたあげく。。。
あんな子と遊ぶなと。。保護者の親から忌み嫌われ。。。
今回親父からサンタクロースなんていない。キリスト教にかぶれるなアホらしい。と教え込まれて、幼稚園でクリスマス会に浮かれるクラスメイトを尻目にサンタクロースの正体をバラして。。極め付け積もり積もった悪事に
もう無理です。と、吾朗太は幼稚園児ながらに幼稚園を追放された。
お前なんか、悪い奴だからサンタクロースなんか来るか。だから父ちゃんからそうやってサンタクロースがいないって言われるんだろと、喧嘩になったクラスメイトをボコボコにして。。。
いつも、サンちゃんと言ってくる吾朗太が、今日はにいちゃんと言う。
籍の母親は本妻の要だけど。
三男の三太夫と五男の吾朗太は、亡くなった愛人なつめの子ども。
歳が離れた長男次男の太朗や次水とは吾朗太はあまり接点もない。四男の四朗は、本妻の子どもだけど優しい穏やかな性格なので、吾朗太が懐いて四朗、四朗と呼び捨てにしています。
絶対君主の組長の父親でも、最愛の愛人の息子で末っ子で893の素質の充分ありそうな吾朗太を猫っ可愛がりしているのと、
本妻の要の冷たい対応からかばう四朗さんがいるから。。。吾朗太と離れてもひとまずは安心なものの。。。
吾朗太は。。。やっぱり親父みたいにヤクザになるんだろうか。
ヤンチャでわがままで。。周りを振り回すし。親父に寵愛されて。。。
そんな。。吾朗太がまさか泣いていたにいちゃん、にいちゃん行かないでって。
だけどー。。。893の家を出されて優秀な家庭に里子に出されていくのは、親父蓮気の思いやりだし。
吾朗太も、三太夫も、父親の命令は絶対に躾けられて。。。
さよなら。。。
お前はもう、この家の事は絶対忘れろ。お前に実家はない。新しい伊集院家がお前の全てだ。
お前に893はできない。。。
親父蓮気が言う。。サヨナラ。。いつも暴れまわってヤンチャな吾朗太が泣いてる。。。このまま。。。吾朗太を置いていっていいのか。日の当たる場所の影になる窺い知れない闇社会に。。。
吾朗太は、幼いながらも。。自分達が社会からはみ出して忌み嫌われる反社会集団みたいな感覚をなんとなく感じ取ってる。。だけど。。
親父の言うことは絶対だし。。親父は末っ子の吾朗太を寵愛してるし。。
それはそれで吾朗太は幸せなんだ。自分は。。。自分。
父親の剣崎蓮気は、最愛の女性の息子の三太夫を可愛がってくれたけど、。もっともっと吾朗太を寵愛している。。。
伊集院さん。。。伊集院さん、伊集院さん。。。
はっ
「伊集院さん、かなり。。。おつかれの様ですね。、大丈夫ですか。。」
そうだ、昼休憩後にすぐ同僚から書類を受け取ると。。。
その同僚に起こされて。。。
あっ。。。はっ。昼休憩から戻って少し時間があるから。。デスクでなんとなくウトウトした。気がつけば、一睡の夢を見て。。。
泣いていた。。伊集院三太夫はさっ、とハンカチを出して
「あっ。。昨日、ちょっと泣けてくる映画を観ながら寝て。。。で。。いま夢に出てきちゃって。。。す、すみません。。。」
「ロマンチストなんですね。伊集院さんは。。。」
「そ。。。そうかな。。。」
吾朗太の夢を見るなんて。まだ、あいつが成仏してないからか。。どうしたら成仏するんだ。
あのタクシー運転手さんのオーガストさんは、吾朗太の霊を見たらしい。吾朗太そのまんまな感じだし。。。
吾朗太はプルメリア島で発見された。オーガストさんが嘘をついているようには思えない。プルメリア警察署に来てくれた篤志家のおデブさんのお坊さんも、吾朗太が見えると言っていたし。。。でも、霊って事は。。。
成仏してないんだ。吾朗太は。。。どうして亡くなったんだろうか。それがわかれば。。。吾朗太は成仏するんだろうか。。。
そりゃ。若いうちから亡くなれば。。この世に未練は。。。そうだ。。吾朗太は。。。吾朗太は、、、
吾朗太は。。誰かに殺害されたんだ。もともと人から恨まれる様な事をしてきたのは。。否めないけれど。。。それでも。。。それでも。。。
吾朗太は。。。吾朗太は絶対自殺しない。。。するわけがない。言い方悪いけど自殺するぐらいなら、人を傷つけるというか。。。
だから、人から恨まれて殺される可能性は無限大だ。。。
でも。。。そんなろくでもない奴。。。
それでも吾朗太は弟に違いない。血を分けた。。。
さらにまた。。。木蓮寺。。
「ボウズかよ。ボウズが俺を呼んだのか。。。」
吾朗太の前には。。。天使のコウちゃんが現れると「そうだよ。お兄ちゃん、」
早く亡くなったコウちゃんには。。。吾朗太はさすがに可哀想だという気持ちがあった。確か。。。3歳で亡くなったらしい。
「昼間は。。。呼ばないでほしい。昼間はここに居たくない。」吾朗太はコウちゃんにはキツく当たれないしあまり強い事を言えなかった。
可哀想だと思う気持ち。。。俺にもそんな気持ちが。。でも、そうやって可哀想だと思われてるコイツはどうなんだ。なんか。。惨めだな。
可哀想だと思われているって。。。そうだよ。。、、
あのデブのベルモも俺を可哀想だと思っていやがるし。。。ベルモが言う俺の兄貴の三太夫って奴も
俺を可哀想だと思ってるんだろ幸せに今を生きている奴らは高見の見物で上から。。。
この、天使のコウってボウズ。。
そんな邪神のない純粋無垢な目で見つめるなよ。。。吸い込まれる様な透明な輝き
なんだよー、なんでこいつは。。
こいつは自分が可哀想な奴なのに。。
俺を天国に連れて行くとか、余計なことするんだよ。。。こんなガキが仏さんみたいな性分のわけないだろ。。。
可哀想。。。
嫌な響き。。。
だけど。。。もう関わらないでくれとこの天使のボウズに言えない。
昼間からこんな今を生きる家族連れや幼稚園児のるつぼ。。。ヌクヌクリア充地獄みたいな昼間の木蓮寺に呼ぶなって。。。惨め。。。
嫌がらせかよ。。。そりゃ、どうせ。。俺は。。
生前悪さをしてきたろうよ。記憶はねーけど。。
でも。。。なんだかこの天使のボウズ。。。
抗えない。。。果てしない闇に沈んでいくように。。。吾朗太氏は、全身の力が抜け落ちていく。。。
2021年03月27日
マリッジcelebration264そこはかとなくもあふれます怒涛のように。。。
「もうね、私がよく観ていたお昼のメロドラマがありまして。。。ベルモはそれに出てきたチンピラ息子の真似して僧侶になれないなら、パチンコと競馬で生計を立てると脅してきたんですよ。主人の説法の親と子は別々の人生みたいな話しの切り取りCDをわざわざ作って街宣車みたいに流したり。。。」渋い顔をして奥座敷の紫子夫人が言いました。「は。。。アハハ」インタビューをしているリリコとアシスタントのオーガストさんはもう笑うしかありませんでしたが。
濃紫婆様が、「ベルはギャンブルなんぞ、所詮は宝くじを買うぐらいしか度胸はないわな。ワシはのう、息子夫婦に別にベルモが坊さんになろうが、ヤクザになるって言ってるんじゃあるまいし。どうして子どもの夢を反対するんじゃとど叱ったのよう。ダメじゃのう。息子夫婦は。。。」
「だって。。。お義母さん、今どきの若い娘がですよ。結婚はしないってごねるし。。。幼稚園のお手伝いが好きでしてくれてるなら、なにもわざわざお坊さんじゃなくても幼稚園の先生で働けばいいじゃないですか。みんなピンクに可愛い服を着てこれからの成長が楽しみな時にそりゃショックで変なドラマに出てくるいかにも馬鹿息子のモノマネして脅すし。。。」「じゃから。。。紫子はいつも子どもがマネするから奥さん向けのミーハードラマやワイドショーは控えよと万に注意されとるがのう。子どもに悪影響な番組は観るでないというとるのに。」万というのは、木蓮和尚の本名が万緑なので、濃紫婆様は昔っから息子を万や、バンスケと呼びました。
「それをいうなら。。ベルモに絵本を読んでもかぐや姫は嫌な男の断り方を女の子に教えている最初っから結婚するつもりがないからめちゃくちゃな事をふっかけてそれは遠回しに断ってるのに馬鹿男は美貌に目がくらみまに受けてそれをアレコレごまかして余計なもんをさも本物と騙して持ってくるからますます女性に嫌われるんだわ。手に入れられない物を要求する女も女だけど、男も男でヤバいしこれって本当に純粋な子ども向けの話しなのって言うから主人と一緒にぽかーんとしちゃって童話や子ども向け話にはつっこむし。幼稚園にある子どもがにんじんが嫌いピーマンが嫌いって絵本にも、最初から子どもがピーマン嫌いだのにんじんが嫌いだの絵本って反対だわ。そんなの刷り込みで子どもはピーマンが嫌いなものって認定してるし、わざわざ言わなきゃそうでもない子どももいるし。子どもはピーマンが嫌いなもんなんだと先入観を与えて洗脳されるじゃないとか、アレコレぶつぶつ言って、それならお経の方がありがたいわ。って怒るしこの子はどうしたものかなぜこんな考えなのかと悩みましたよ。」紫子さんは深いため息をつきました。
「まぁ、でも人生なんてギャンブルかもしれませんね。思えば。あらゆる選択の毎日と日々だし。何を食べるかとかから行く、行かないプライベートから仕事まで。小さな事や重大な選択の連続で。本当にギャンブルみたいなものだわ。私も新聞記者関係の仕事は親から強制的にさせられているわけじゃないし、うちの親は子どもの人生設計は全く口出ししないんですが。。。それでも自分で選んで学校や新聞記者のアルバイトをやってるわけですからね、学生でもなく新聞記者でもない人生を選んでもいいわけなんですが。。。どうもそれは私らしくないし、私が選んだからそれでいいと思ってるんです。。。」リリコが言いました。
「人生。。。選べたらやり直せたら。。。か。。ねぇ。。。」オーガストさんは遠い目をしました。
心なしか、オーガストさんが先程ミーシャの写メを見てリリコがミーシャと同級生と知ってソワソワしている感じもする。。。
いっぽうで。
ご本尊様と自室で対話し向き合うベルモ。
゛時間まで。。。じっくりお考えなさい。。。答えはみえてくるはずよ。。。なにもしないならそれで終わり。でも、なにかしたら。。。怖いし勇気がいるけど。。。もしかしたらいい方向へ。。。なんてことは人生にたくさんあるわ。やるのが怖いから最初からなにもしないでそのまま沈む運命を静かに受け入れるだけの儚く散る人もね。。。ベルモ。。。ひとかわもふたかわも剥けないと。。。貴方は決して個人だけのために生まれてきたわけじゃないのよ。あなたは仏門の人です。自由主義気取りで個人だけ、という生き方は良くも悪くも貴方に組み込まれていないわ。。。あなたは答えを知ってます。。。前進あるのみ。。”
はっ。。。スーッと蓮の強い香りがしたかと思えば。。。だんだんと薄らいでやがて消えていきました。。。
夢を見ていたように。。。静寂がまた戻り。目の前の机には小さなご本尊様がいつものように佇んでいました。魂が抜けてまた本堂のご本尊様に還っていったようです。純ちゃんが。。。
どちらの娘さんか。。。それは。。。あの優しくて穏やかな。。純ちゃん。。ヤンチャで荒れ狂い反社会で。。。って吾朗太さんとは似ても似つかない。。。
だけど。。。頭ではそう思ってはいるものの。。。
いっぽう俊さんに頼み事をした場合、レンタルユーフォーでスペースシールドを借りれば一瞬で東京の純ちゃんの元へ連れて行けるけど。
ベルモも俊さんも瞬間移動のユーフォーのスペースシールドを借りる審査に受かる自信はあるけれど。。。
純ちゃんに嫌がらせをする。。果たしてあの俊さんに純ちゃんの嫌がらせをする事ができるんだろうか。
それにしても。。。ご本尊様に。。。ベルモは。。。
純ちゃんの運命を変えるのはいいのか。そりゃ、私は純ちゃんに生きて元気でいて欲しい。大事な友達の一人だし。だけど。。。友達だからと言って。。私が純ちゃんだけを助けるのは良いのでしょうか
という疑問をぶつけてみたところ。。。
゛誰かと知り合いだと特別な事や奇跡やチャンスが起きるというのもそれまた運だから。。。。友人知人が有名無名を別として。。
縁やコネが大事な分岐点、人生を変えるという場合もあるの。。人が幸せも不幸も運んでくるという。
純さんがベルモの友達であった事で、純さんには特別なチャンスが与えられたのです。でもね、それはたまたまこの人と知り合い友達だったからと運命が開けたり不幸になったりは誰でもあるのですよ。。。”とシレッと言われた。それも運とご縁。誰しも多かれ少なかれご縁の力をうまく借りる時もある。。。そんなもんなんだって。
とりあえず、今日、明日1日明後日正午まで。。限られた時間の中でじっくりと。そう、今はお客様を待たせているんだった誠実に対応しないと。戻ろう。。。早く戻ろう。。で、純ちゃんの事を聞かれても大丈夫だからと言い通すしかない。普通にしてなきゃ。。。
奥座敷に戻るといい香りがしてきました。どうやら。。。お昼ごはんの準備ができたようです。お昼ごはんを食べながら取材の続き。。。と思えば、あれっ
紫子夫人や濃紫婆様も起きてきたかと思えば
「こんにちはー。お久しぶりです。ベルちゃん」あっ、
それは、アザラシの福ちゃんでした。小学校中学年にして神楽町市の福の神笑〜のお店の一つであるマーメードティアーズという真珠屋の雇われ社長です。ベルモのみつごのきょうだいの美術家ヴィーナスと、海辺の白い家に暮らしています。
「あらあら、お久しぶりです。福ちゃん。今日は。。あっ、そうか、お守りの真珠のお話しを榊さん達とお話しあいしにきたんだわね。」
福ちゃんは、木蓮寺の新しいアコヤ真珠付きのお守りの事で小坊主のリーダーの榊中心に商談をしにきたところ、雲の子タクシーなのでたくさん手土産に牡蠣を差し入れたら
木蓮和尚が、ちょうどお昼ごはんがお好み焼きなので食材として使わせて欲しいし一緒にランチして行きな。小学校はお仕事で今日お休みされたんじゃろいと誘われたみたいで。木蓮和尚にランチ食べてけと足止めをくらったみたい。木蓮和尚はちゃっかりカキフライまで作り、お好み焼きの食材としても牡蠣を準備していました。
奥座敷のテーブルには
春サラダも綺麗に並べられて。
「ところで、福さんと私は遠い親戚みたいなのよ。と、言っても、福さんの北海道に嫁いだお姉さんの婚家だけどね。」リリコが言いました。福ちゃんが、「叶リリコさんってご挨拶されたんで。。。あれ〜、毎年繁忙期に手伝いに行く北海道の姉さんの旦那さんもヨークシャテリアで叶って名字なんですよって話したら、いろいろ話していくと。それ、石狩市の叶さんでしょ、遠いけどウチの親戚になるわよ、って言われて。」
「ランチしながら取材だけど、いろいろな話が聞けるなと思って。でも、木蓮寺様、和尚様もベルモさんもお忙しいでしょうに。。。私の方は、今日はこちらと青の洞窟とお時間のある時にオーガストさんのインタビューなんだけど。お時間押しちゃいそうで。」とリリコが言いました。
木蓮和尚は、
「別にワシもベルモも本日のメインはお仕事でなんとかなるしの。さ、焼きましょ。今の食べたい気分はご本人次第だから、セルフで失礼。。お好きなものを。そこのトッピングからご自由にお使いください。母さんのはワシが焼きましょう。」ホットプレートを何個か用意して、各自道具を配り、ランチのお好み焼きを作りながら取材をする事になりました。
「オーガストさんは、延長でお仕事頼めるかしら。ご予定がありますでしょう。」リリコが言いました。「会社に連絡すれば大丈夫ですよ。私は今はもう独り身生活ですし。今日は特にやる事ないしね。昼間もいいけど。夜のライトアップされた青の洞窟も人気スポットなんですよ。」「あら、じゃあランチじゃなくて、オーガストさんさえ良ければ青の洞窟ディナーをごちそうしようかしら。オーガストさんの取材もしたいし。」リリコはそう言いながら、業務のフリをしつつミーシャに
現在では、オーガストさんは独り身生活。とLINEしました。
山芋たっぷりの生地に、
フワフワの春キャベツをベースに、アレコレと、好きなものを各自焼いていきます。ベルモは純ちゃんの事を考えると気が逸れそうになりながらも。。。お餅やチーズをドバドバ入れていきます。
「ピザんなるぞ、餅やチーズやソーセージばっかり入れて」木蓮和尚がベルモに言いました。あっ。。。
「あ。。。ピザみたいな。。感じも良いなー。。って。」珍しく大好きないつものシンプルな豚玉じゃないベルモに、なんかあったんだろうかと、木蓮和尚はいぶかしく思いつつもこれも成長だと黙っておきました。
「和尚様がお料理はよくするんですか。」リリコは、トマトや新鮮な牡蠣やチーズの他はオーソドックスな具材を広島風に焼きながら言いました。別に決まりではないものの、その場は全員示し合わせたように広島風に順序よく具材を重ねています。
「これは、これは。具材を切っただけで。カキフライ以外は今回はお客様にお恥ずかしい。料理とは言えませんがませんが、急遽でしたのでね。私は趣味が料理で時間がありますと厨房に立ちますね。お裾分けや寄付も結構ございますので、小坊主どもと料理修行する場合もございますし。幼稚園の保護者さんの料理教室や、ホームレスの炊き出しボランティアなどをする事がございます。ウチは、肉魚も食べて良い宗派ですし。植物だけ生命ではないから食べるのが正しいという考えはおかしいし、お互い様に貴重な生命をちょうだいしているのですから。食には深い感謝を捧げないと。」
紫子夫人がビールと冷酒を運んできて、
「あら、リリコさんは可愛らしいカクテルの方が良かったかしら。でも、カクテルって言うとまた和尚が凝りだすととまらないし。」「あら、私はビールも日本酒も大好きです。なんでも飲めるんで。あまりお気を遣わないてください。ただでさえこんなごちそうされてますのに。」
それじゃあ、と。紫子夫人はビール瓶の栓を抜き木蓮和尚とリリコに注ぎました。「オーガストさんは、ドライバーのお仕事ですからね。お茶で失礼します。私もいただきますわ。」と紫子夫人がいうとリリコは、紫子夫人のコップにビールを注いで、「濃紫の大奥様は飲まれないのですか」
濃紫婆様は、「あたしゃ下戸だよ。90迄は車に乗ってたから。飲酒運転しようがないからそれでいいんじゃけど。そんな苦いものどこがいいのかねー。ふわふわ頭痛くなるし。」乾杯ジュウジュウお好み焼きをしながら談笑する。プルメリア島に住んでいないけど、近くの神楽町市の福ちゃんは、就労児童という事でリリコは、インタビューしました。プルメリア島にも福の神のお弟子という事で、自ら志願して試験を受けて
小さな頃から仕事をしながら学校に通う子がいます。
アザラシの
福ちゃんは、神楽町市で産まれたのですが、きょうだいがたくさんいすぎて。上の方の兄や姉でほとんど会った事がない人やよく知らない人すらいるらしく。駆け落ちして南極から来た両親が実家と和解して南極に戻り、きょうだいが多いので、福ちゃんはこちらに残り仕事をして将来的に進学もしたいしと神楽町市の港に残り、美の福の神の笑〜の真珠会社の社長になり
海辺の白い家をお祝いに笑〜から貰いました。普通にしていたら、平凡なんで子沢山家族のひとりでとても進学が難しいし就労児童になれば、10歳で車の運転免許を取得できるし。今9歳なので、早く車も免許も欲しいのもあるし。それも今から楽しみで。
親が
お金持ちの子どもが羨ましいと思った事はあるけれどそういう子どもはそういう子どもなんだし自分はもうこういう環境に産まれてきたのもご縁や運命だし、それなら前向かなきゃと。真珠専門店の社長なので、ある程度の収入は、実家の仕送りと兄や姉の学費などに使っています。
たくさんきょうだいがいるので、弟が兄や姉の学費を支払うなど情けなくてけしからんと口出しをして文句を言う奴もいますが、両親が、福が納得してやってる事に口を出すなとそういう姉や兄とはいつも喧嘩してますね。もうきょうだい大人数いるとロクデモナイというか、横着なのもいますよ。でもね、父親は、蟻が10匹ぐらいいたら2匹ぐらいはサボる奴がいて当たり前。そいつらを全部排除してもまた二割はグウタラな奴がいる。世の中は、だいたいなんでも二割八割で持っているし。そんなもんじゃねえか。。。ウチは全員揃えの強制軍隊じゃないんだから。犯罪者で人を傷つけたりするなら大問題だけどそうじゃなきゃほっとけ。犯罪者とか金融屋じゃない癖に金の貸し借りしたり
そういうとんでもない事したり
保証人だけにはなるな、後はもう
そいつの個性だし。大人数いたら色んな奴がいる横着い奴は横着者なんだ
って能天気に構えてて。自分や福はきちんと働く仕事好きサイドなら、自分は自分だし。サボる奴はサボる奴。横着い奴は横着者。それでいいんじゃないかって。
きょうだいには
結婚してない人も結婚離婚を繰り返す人も、異性関係が派手な人もいてますし、中には夜の仕事や、身体にタトゥーを入れてるのもいて、両親に言うなよって言われるんですが。両親も知っても別に何にも言わないと思うし。薄々は知ってるかもしれませんね。
成人した子どもに細かく
わざわざそんな事どうこう言うならたくさん子どもを産むなって事になるし。きょうだいの
横着い奴らをアリンコに例えた事は脱落したサボりアリンコなんて本人達には父親は絶対言うなよって言ってるんですが。まぁ、でも横着めの兄さん達は僕を可愛がってくれるし車に詳しいし。僕は嫌いじゃありません。そういうヤンチャなのに限って実家の面倒みてくれて悪いなって僕にわざわざお小遣いも送ってくれたりお年玉送ってくれたりするし。会うと車に乗せてくれたり。
福ちゃんの母親は63歳で、福ちゃんは下から6番目。さすがにもう母親のアヤコは還暦で出産を辞めましたが、安産多産で表彰されて、縁起がよいという事で安産の女神として助産師をしています。子ども何人も妊娠している事を気付かず産んだパターンも何度かあり。福ちゃんも、それこそ北海道のヨークシャテリアの農家に嫁いだ愛姉さんの出産と農家の手伝いを兼ねてアヤコが愛の婚家に出向いていたところ、朝起きたらなんか這いずってるモゴモゴしてる。。。と寝ぼけながら思えば
寝ている間に夜中か明け方ぐらいに福ちゃんを出産していたらしい。
最初
隣に寝ている妊婦の娘が出産したのかと思ってたらそうじゃなかった、自分がまた子どもを出産していたらしい。またか。。。と言う事でアヤコさんにとっては何度かあった事なんだけど。
「なんて感じなんです。僕は家族の仕送りの事もあるけど神楽町市産まれで、親の都合で南極に帰るのも嫌だったし。こっちには家も友達も仕事もあるし。僕より下の親と一緒に南極に戻ったチビ達が将来の為に神楽町市に来て就労児童になる可能性も出てきました。兄や姉はだいたいは東京北海道中心ですが、海外や全国に散らばっています。」福ちゃんは、器用にオーソドックスなお好み焼きを作りながら言いました。
ベルもは、「アタシも働いていい許可があるなら、子どものうちから才能を見極めて修行しつつも社会貢献した方がいいと思います。押さえつけられるままに僧侶大福ではなく、森沢ベルモのみでぬくぬく幼稚園児をやっていたら、今の私はないでしょうし、おのおの生まれながらにして持っている才能はばらばら。それは社会を良くする為に、みんなで共栄共存すべきものでしょう。私が足りない事苦手な事は、得意な人がやれば良い。私は僧侶でいいのです。その為にこのお寺に導かれたのです。それは仏様と私の魂が決めた事です。」
ベルモは、そう言いながらも、福ちゃんも来たし濃紫婆さんも起きてきた。福ちゃんも人懐っこいし、お客さん商売で愛嬌があって弁が立つ。
今日も
天ぷらを食べたようにペラペラよく喋るタイプの人が集まってるし
木蓮和尚も今日のお仕事はメインはこの取材だと張り切っている。
リリコさんは、今日のスケジュールは、後は青の洞窟だけで、それは遅い時間にでも良し。。。
取材。。。絶対長くなるわ。大事な大事な、考え事をしなければならないけど。どうしたらいいの。。。時間がない。明後日なんて。。。すぐに来るでも、私もわざわざ東京からはるばるプルメリア島に取材に来ていただいたリリコさんに真摯にしっかり取材にお応えしたいし。
でも。。。
それに。。。それに。。。ワタシは。。さっきから。。
さっき。。。から。。。
東京渋谷。。。
「良かったーベルちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫だわ。私。。びっくりした。死ぬのかと思った」純ちゃんが言いました。
「まさか。だって、ピンピンして。健康そのものでしょうそんなわけないし、お友達のお坊さんのベルモちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫でしょう。
そうそう、リリコからLINEが来てるけど、どうもオーガストさんというお爺ちゃんかもしれない男性は、今は一人暮らしらしい。タクシーのお仕事柄かもしれないけど、かなり親切で人当たりがいいって。いちおうパパにも報告したけどね。。。
さっき、それこそ純が写メを送ったらリリコと一緒に見ていて、どうも私を見て驚いていたっぽいのよね。ほら、私は青山奏の子どもとしてマスコミに出た事あるでしょう。本当の祖父なら、青山奏の情報をチェックしていて私の顔も知っててもおかしくはないしね。。。やっぱり。。。この人お爺ちゃんかなぁ。。。パパはどうも会う気まんまんみたいなんだけど。。。」
プルメリア島から遥か
遠く離れた東京渋谷の純ちゃんの自宅で、純ちゃんと親友ミーシャがそんなお喋りをしているなどいざ知らずに。。。
プルメリア島の木蓮寺の森沢ベルモは、止まらない取材の傍で。。。
どうして。。。
どうして私はそうやって。。そんな気持ちが湧いてくるんだろう。
とめどなくあふれる怒涛のように。。
打ち消しても、打ち消しても。。寄せては返す波のように。。止めることも、打ち消す事もできない。
純ちゃん。。。ワタシは。。。
濃紫婆様が、「ベルはギャンブルなんぞ、所詮は宝くじを買うぐらいしか度胸はないわな。ワシはのう、息子夫婦に別にベルモが坊さんになろうが、ヤクザになるって言ってるんじゃあるまいし。どうして子どもの夢を反対するんじゃとど叱ったのよう。ダメじゃのう。息子夫婦は。。。」
「だって。。。お義母さん、今どきの若い娘がですよ。結婚はしないってごねるし。。。幼稚園のお手伝いが好きでしてくれてるなら、なにもわざわざお坊さんじゃなくても幼稚園の先生で働けばいいじゃないですか。みんなピンクに可愛い服を着てこれからの成長が楽しみな時にそりゃショックで変なドラマに出てくるいかにも馬鹿息子のモノマネして脅すし。。。」「じゃから。。。紫子はいつも子どもがマネするから奥さん向けのミーハードラマやワイドショーは控えよと万に注意されとるがのう。子どもに悪影響な番組は観るでないというとるのに。」万というのは、木蓮和尚の本名が万緑なので、濃紫婆様は昔っから息子を万や、バンスケと呼びました。
「それをいうなら。。ベルモに絵本を読んでもかぐや姫は嫌な男の断り方を女の子に教えている最初っから結婚するつもりがないからめちゃくちゃな事をふっかけてそれは遠回しに断ってるのに馬鹿男は美貌に目がくらみまに受けてそれをアレコレごまかして余計なもんをさも本物と騙して持ってくるからますます女性に嫌われるんだわ。手に入れられない物を要求する女も女だけど、男も男でヤバいしこれって本当に純粋な子ども向けの話しなのって言うから主人と一緒にぽかーんとしちゃって童話や子ども向け話にはつっこむし。幼稚園にある子どもがにんじんが嫌いピーマンが嫌いって絵本にも、最初から子どもがピーマン嫌いだのにんじんが嫌いだの絵本って反対だわ。そんなの刷り込みで子どもはピーマンが嫌いなものって認定してるし、わざわざ言わなきゃそうでもない子どももいるし。子どもはピーマンが嫌いなもんなんだと先入観を与えて洗脳されるじゃないとか、アレコレぶつぶつ言って、それならお経の方がありがたいわ。って怒るしこの子はどうしたものかなぜこんな考えなのかと悩みましたよ。」紫子さんは深いため息をつきました。
「まぁ、でも人生なんてギャンブルかもしれませんね。思えば。あらゆる選択の毎日と日々だし。何を食べるかとかから行く、行かないプライベートから仕事まで。小さな事や重大な選択の連続で。本当にギャンブルみたいなものだわ。私も新聞記者関係の仕事は親から強制的にさせられているわけじゃないし、うちの親は子どもの人生設計は全く口出ししないんですが。。。それでも自分で選んで学校や新聞記者のアルバイトをやってるわけですからね、学生でもなく新聞記者でもない人生を選んでもいいわけなんですが。。。どうもそれは私らしくないし、私が選んだからそれでいいと思ってるんです。。。」リリコが言いました。
「人生。。。選べたらやり直せたら。。。か。。ねぇ。。。」オーガストさんは遠い目をしました。
心なしか、オーガストさんが先程ミーシャの写メを見てリリコがミーシャと同級生と知ってソワソワしている感じもする。。。
いっぽうで。
ご本尊様と自室で対話し向き合うベルモ。
゛時間まで。。。じっくりお考えなさい。。。答えはみえてくるはずよ。。。なにもしないならそれで終わり。でも、なにかしたら。。。怖いし勇気がいるけど。。。もしかしたらいい方向へ。。。なんてことは人生にたくさんあるわ。やるのが怖いから最初からなにもしないでそのまま沈む運命を静かに受け入れるだけの儚く散る人もね。。。ベルモ。。。ひとかわもふたかわも剥けないと。。。貴方は決して個人だけのために生まれてきたわけじゃないのよ。あなたは仏門の人です。自由主義気取りで個人だけ、という生き方は良くも悪くも貴方に組み込まれていないわ。。。あなたは答えを知ってます。。。前進あるのみ。。”
はっ。。。スーッと蓮の強い香りがしたかと思えば。。。だんだんと薄らいでやがて消えていきました。。。
夢を見ていたように。。。静寂がまた戻り。目の前の机には小さなご本尊様がいつものように佇んでいました。魂が抜けてまた本堂のご本尊様に還っていったようです。純ちゃんが。。。
どちらの娘さんか。。。それは。。。あの優しくて穏やかな。。純ちゃん。。ヤンチャで荒れ狂い反社会で。。。って吾朗太さんとは似ても似つかない。。。
だけど。。。頭ではそう思ってはいるものの。。。
いっぽう俊さんに頼み事をした場合、レンタルユーフォーでスペースシールドを借りれば一瞬で東京の純ちゃんの元へ連れて行けるけど。
ベルモも俊さんも瞬間移動のユーフォーのスペースシールドを借りる審査に受かる自信はあるけれど。。。
純ちゃんに嫌がらせをする。。果たしてあの俊さんに純ちゃんの嫌がらせをする事ができるんだろうか。
それにしても。。。ご本尊様に。。。ベルモは。。。
純ちゃんの運命を変えるのはいいのか。そりゃ、私は純ちゃんに生きて元気でいて欲しい。大事な友達の一人だし。だけど。。。友達だからと言って。。私が純ちゃんだけを助けるのは良いのでしょうか
という疑問をぶつけてみたところ。。。
゛誰かと知り合いだと特別な事や奇跡やチャンスが起きるというのもそれまた運だから。。。。友人知人が有名無名を別として。。
縁やコネが大事な分岐点、人生を変えるという場合もあるの。。人が幸せも不幸も運んでくるという。
純さんがベルモの友達であった事で、純さんには特別なチャンスが与えられたのです。でもね、それはたまたまこの人と知り合い友達だったからと運命が開けたり不幸になったりは誰でもあるのですよ。。。”とシレッと言われた。それも運とご縁。誰しも多かれ少なかれご縁の力をうまく借りる時もある。。。そんなもんなんだって。
とりあえず、今日、明日1日明後日正午まで。。限られた時間の中でじっくりと。そう、今はお客様を待たせているんだった誠実に対応しないと。戻ろう。。。早く戻ろう。。で、純ちゃんの事を聞かれても大丈夫だからと言い通すしかない。普通にしてなきゃ。。。
奥座敷に戻るといい香りがしてきました。どうやら。。。お昼ごはんの準備ができたようです。お昼ごはんを食べながら取材の続き。。。と思えば、あれっ
紫子夫人や濃紫婆様も起きてきたかと思えば
「こんにちはー。お久しぶりです。ベルちゃん」あっ、
それは、アザラシの福ちゃんでした。小学校中学年にして神楽町市の福の神笑〜のお店の一つであるマーメードティアーズという真珠屋の雇われ社長です。ベルモのみつごのきょうだいの美術家ヴィーナスと、海辺の白い家に暮らしています。
「あらあら、お久しぶりです。福ちゃん。今日は。。あっ、そうか、お守りの真珠のお話しを榊さん達とお話しあいしにきたんだわね。」
福ちゃんは、木蓮寺の新しいアコヤ真珠付きのお守りの事で小坊主のリーダーの榊中心に商談をしにきたところ、雲の子タクシーなのでたくさん手土産に牡蠣を差し入れたら
木蓮和尚が、ちょうどお昼ごはんがお好み焼きなので食材として使わせて欲しいし一緒にランチして行きな。小学校はお仕事で今日お休みされたんじゃろいと誘われたみたいで。木蓮和尚にランチ食べてけと足止めをくらったみたい。木蓮和尚はちゃっかりカキフライまで作り、お好み焼きの食材としても牡蠣を準備していました。
奥座敷のテーブルには
春サラダも綺麗に並べられて。
「ところで、福さんと私は遠い親戚みたいなのよ。と、言っても、福さんの北海道に嫁いだお姉さんの婚家だけどね。」リリコが言いました。福ちゃんが、「叶リリコさんってご挨拶されたんで。。。あれ〜、毎年繁忙期に手伝いに行く北海道の姉さんの旦那さんもヨークシャテリアで叶って名字なんですよって話したら、いろいろ話していくと。それ、石狩市の叶さんでしょ、遠いけどウチの親戚になるわよ、って言われて。」
「ランチしながら取材だけど、いろいろな話が聞けるなと思って。でも、木蓮寺様、和尚様もベルモさんもお忙しいでしょうに。。。私の方は、今日はこちらと青の洞窟とお時間のある時にオーガストさんのインタビューなんだけど。お時間押しちゃいそうで。」とリリコが言いました。
木蓮和尚は、
「別にワシもベルモも本日のメインはお仕事でなんとかなるしの。さ、焼きましょ。今の食べたい気分はご本人次第だから、セルフで失礼。。お好きなものを。そこのトッピングからご自由にお使いください。母さんのはワシが焼きましょう。」ホットプレートを何個か用意して、各自道具を配り、ランチのお好み焼きを作りながら取材をする事になりました。
「オーガストさんは、延長でお仕事頼めるかしら。ご予定がありますでしょう。」リリコが言いました。「会社に連絡すれば大丈夫ですよ。私は今はもう独り身生活ですし。今日は特にやる事ないしね。昼間もいいけど。夜のライトアップされた青の洞窟も人気スポットなんですよ。」「あら、じゃあランチじゃなくて、オーガストさんさえ良ければ青の洞窟ディナーをごちそうしようかしら。オーガストさんの取材もしたいし。」リリコはそう言いながら、業務のフリをしつつミーシャに
現在では、オーガストさんは独り身生活。とLINEしました。
山芋たっぷりの生地に、
フワフワの春キャベツをベースに、アレコレと、好きなものを各自焼いていきます。ベルモは純ちゃんの事を考えると気が逸れそうになりながらも。。。お餅やチーズをドバドバ入れていきます。
「ピザんなるぞ、餅やチーズやソーセージばっかり入れて」木蓮和尚がベルモに言いました。あっ。。。
「あ。。。ピザみたいな。。感じも良いなー。。って。」珍しく大好きないつものシンプルな豚玉じゃないベルモに、なんかあったんだろうかと、木蓮和尚はいぶかしく思いつつもこれも成長だと黙っておきました。
「和尚様がお料理はよくするんですか。」リリコは、トマトや新鮮な牡蠣やチーズの他はオーソドックスな具材を広島風に焼きながら言いました。別に決まりではないものの、その場は全員示し合わせたように広島風に順序よく具材を重ねています。
「これは、これは。具材を切っただけで。カキフライ以外は今回はお客様にお恥ずかしい。料理とは言えませんがませんが、急遽でしたのでね。私は趣味が料理で時間がありますと厨房に立ちますね。お裾分けや寄付も結構ございますので、小坊主どもと料理修行する場合もございますし。幼稚園の保護者さんの料理教室や、ホームレスの炊き出しボランティアなどをする事がございます。ウチは、肉魚も食べて良い宗派ですし。植物だけ生命ではないから食べるのが正しいという考えはおかしいし、お互い様に貴重な生命をちょうだいしているのですから。食には深い感謝を捧げないと。」
紫子夫人がビールと冷酒を運んできて、
「あら、リリコさんは可愛らしいカクテルの方が良かったかしら。でも、カクテルって言うとまた和尚が凝りだすととまらないし。」「あら、私はビールも日本酒も大好きです。なんでも飲めるんで。あまりお気を遣わないてください。ただでさえこんなごちそうされてますのに。」
それじゃあ、と。紫子夫人はビール瓶の栓を抜き木蓮和尚とリリコに注ぎました。「オーガストさんは、ドライバーのお仕事ですからね。お茶で失礼します。私もいただきますわ。」と紫子夫人がいうとリリコは、紫子夫人のコップにビールを注いで、「濃紫の大奥様は飲まれないのですか」
濃紫婆様は、「あたしゃ下戸だよ。90迄は車に乗ってたから。飲酒運転しようがないからそれでいいんじゃけど。そんな苦いものどこがいいのかねー。ふわふわ頭痛くなるし。」乾杯ジュウジュウお好み焼きをしながら談笑する。プルメリア島に住んでいないけど、近くの神楽町市の福ちゃんは、就労児童という事でリリコは、インタビューしました。プルメリア島にも福の神のお弟子という事で、自ら志願して試験を受けて
小さな頃から仕事をしながら学校に通う子がいます。
アザラシの
福ちゃんは、神楽町市で産まれたのですが、きょうだいがたくさんいすぎて。上の方の兄や姉でほとんど会った事がない人やよく知らない人すらいるらしく。駆け落ちして南極から来た両親が実家と和解して南極に戻り、きょうだいが多いので、福ちゃんはこちらに残り仕事をして将来的に進学もしたいしと神楽町市の港に残り、美の福の神の笑〜の真珠会社の社長になり
海辺の白い家をお祝いに笑〜から貰いました。普通にしていたら、平凡なんで子沢山家族のひとりでとても進学が難しいし就労児童になれば、10歳で車の運転免許を取得できるし。今9歳なので、早く車も免許も欲しいのもあるし。それも今から楽しみで。
親が
お金持ちの子どもが羨ましいと思った事はあるけれどそういう子どもはそういう子どもなんだし自分はもうこういう環境に産まれてきたのもご縁や運命だし、それなら前向かなきゃと。真珠専門店の社長なので、ある程度の収入は、実家の仕送りと兄や姉の学費などに使っています。
たくさんきょうだいがいるので、弟が兄や姉の学費を支払うなど情けなくてけしからんと口出しをして文句を言う奴もいますが、両親が、福が納得してやってる事に口を出すなとそういう姉や兄とはいつも喧嘩してますね。もうきょうだい大人数いるとロクデモナイというか、横着なのもいますよ。でもね、父親は、蟻が10匹ぐらいいたら2匹ぐらいはサボる奴がいて当たり前。そいつらを全部排除してもまた二割はグウタラな奴がいる。世の中は、だいたいなんでも二割八割で持っているし。そんなもんじゃねえか。。。ウチは全員揃えの強制軍隊じゃないんだから。犯罪者で人を傷つけたりするなら大問題だけどそうじゃなきゃほっとけ。犯罪者とか金融屋じゃない癖に金の貸し借りしたり
そういうとんでもない事したり
保証人だけにはなるな、後はもう
そいつの個性だし。大人数いたら色んな奴がいる横着い奴は横着者なんだ
って能天気に構えてて。自分や福はきちんと働く仕事好きサイドなら、自分は自分だし。サボる奴はサボる奴。横着い奴は横着者。それでいいんじゃないかって。
きょうだいには
結婚してない人も結婚離婚を繰り返す人も、異性関係が派手な人もいてますし、中には夜の仕事や、身体にタトゥーを入れてるのもいて、両親に言うなよって言われるんですが。両親も知っても別に何にも言わないと思うし。薄々は知ってるかもしれませんね。
成人した子どもに細かく
わざわざそんな事どうこう言うならたくさん子どもを産むなって事になるし。きょうだいの
横着い奴らをアリンコに例えた事は脱落したサボりアリンコなんて本人達には父親は絶対言うなよって言ってるんですが。まぁ、でも横着めの兄さん達は僕を可愛がってくれるし車に詳しいし。僕は嫌いじゃありません。そういうヤンチャなのに限って実家の面倒みてくれて悪いなって僕にわざわざお小遣いも送ってくれたりお年玉送ってくれたりするし。会うと車に乗せてくれたり。
福ちゃんの母親は63歳で、福ちゃんは下から6番目。さすがにもう母親のアヤコは還暦で出産を辞めましたが、安産多産で表彰されて、縁起がよいという事で安産の女神として助産師をしています。子ども何人も妊娠している事を気付かず産んだパターンも何度かあり。福ちゃんも、それこそ北海道のヨークシャテリアの農家に嫁いだ愛姉さんの出産と農家の手伝いを兼ねてアヤコが愛の婚家に出向いていたところ、朝起きたらなんか這いずってるモゴモゴしてる。。。と寝ぼけながら思えば
寝ている間に夜中か明け方ぐらいに福ちゃんを出産していたらしい。
最初
隣に寝ている妊婦の娘が出産したのかと思ってたらそうじゃなかった、自分がまた子どもを出産していたらしい。またか。。。と言う事でアヤコさんにとっては何度かあった事なんだけど。
「なんて感じなんです。僕は家族の仕送りの事もあるけど神楽町市産まれで、親の都合で南極に帰るのも嫌だったし。こっちには家も友達も仕事もあるし。僕より下の親と一緒に南極に戻ったチビ達が将来の為に神楽町市に来て就労児童になる可能性も出てきました。兄や姉はだいたいは東京北海道中心ですが、海外や全国に散らばっています。」福ちゃんは、器用にオーソドックスなお好み焼きを作りながら言いました。
ベルもは、「アタシも働いていい許可があるなら、子どものうちから才能を見極めて修行しつつも社会貢献した方がいいと思います。押さえつけられるままに僧侶大福ではなく、森沢ベルモのみでぬくぬく幼稚園児をやっていたら、今の私はないでしょうし、おのおの生まれながらにして持っている才能はばらばら。それは社会を良くする為に、みんなで共栄共存すべきものでしょう。私が足りない事苦手な事は、得意な人がやれば良い。私は僧侶でいいのです。その為にこのお寺に導かれたのです。それは仏様と私の魂が決めた事です。」
ベルモは、そう言いながらも、福ちゃんも来たし濃紫婆さんも起きてきた。福ちゃんも人懐っこいし、お客さん商売で愛嬌があって弁が立つ。
今日も
天ぷらを食べたようにペラペラよく喋るタイプの人が集まってるし
木蓮和尚も今日のお仕事はメインはこの取材だと張り切っている。
リリコさんは、今日のスケジュールは、後は青の洞窟だけで、それは遅い時間にでも良し。。。
取材。。。絶対長くなるわ。大事な大事な、考え事をしなければならないけど。どうしたらいいの。。。時間がない。明後日なんて。。。すぐに来るでも、私もわざわざ東京からはるばるプルメリア島に取材に来ていただいたリリコさんに真摯にしっかり取材にお応えしたいし。
でも。。。
それに。。。それに。。。ワタシは。。さっきから。。
さっき。。。から。。。
東京渋谷。。。
「良かったーベルちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫だわ。私。。びっくりした。死ぬのかと思った」純ちゃんが言いました。
「まさか。だって、ピンピンして。健康そのものでしょうそんなわけないし、お友達のお坊さんのベルモちゃんが大丈夫って言うなら大丈夫でしょう。
そうそう、リリコからLINEが来てるけど、どうもオーガストさんというお爺ちゃんかもしれない男性は、今は一人暮らしらしい。タクシーのお仕事柄かもしれないけど、かなり親切で人当たりがいいって。いちおうパパにも報告したけどね。。。
さっき、それこそ純が写メを送ったらリリコと一緒に見ていて、どうも私を見て驚いていたっぽいのよね。ほら、私は青山奏の子どもとしてマスコミに出た事あるでしょう。本当の祖父なら、青山奏の情報をチェックしていて私の顔も知っててもおかしくはないしね。。。やっぱり。。。この人お爺ちゃんかなぁ。。。パパはどうも会う気まんまんみたいなんだけど。。。」
プルメリア島から遥か
遠く離れた東京渋谷の純ちゃんの自宅で、純ちゃんと親友ミーシャがそんなお喋りをしているなどいざ知らずに。。。
プルメリア島の木蓮寺の森沢ベルモは、止まらない取材の傍で。。。
どうして。。。
どうして私はそうやって。。そんな気持ちが湧いてくるんだろう。
とめどなくあふれる怒涛のように。。
打ち消しても、打ち消しても。。寄せては返す波のように。。止めることも、打ち消す事もできない。
純ちゃん。。。ワタシは。。。
2021年03月14日
マリッジcelebration263信じるもしんじないも。。人生はいつも選択とギャンブルの繰り返しで。。。
オーガストさんは。。。確実にミーシャに見入って動揺してる。。。
や。。。やっぱり今すぐそれとなく思う事を、ってのは時期尚早リリコはオーガストさんにいろいろ言いたいのを我慢して。。。今は純ちゃんの心霊写真らしきものが気になりますだけ。
リリコは霊感は全然ないものの、新聞社のアルバイトで新聞社に不可解な写真やら不思議な写真を拝読者から送られてくるのを何度か目にした事があり、細工やらインチキやらあるかもしれないけど、どう考えても変だなぁと説明のしようがないほど加工するにはどうも加工しきれない様な不思議な写真も送られてくるので。。。まるっきりの神霊否定派というわけではなく。。。
ベルモは、すぐに折り返し純ちゃんに電話で、「あの。。。純ちゃん、これは守護霊様からの警告みたいなものだから暫くは身体や事故に気をつけてね、というものなので気をつけておけばよいんであまり心配しない事ですね。私もお祈りしますからね、あまり心配する事ないわ。。。注意してくださいって意味だから、うん。ウン。。」ホッコリと安心させる様な安らかな事を丁寧に言って純ちゃんに注意を促がし電話を切ったかと思えば。。。
ベルモは真剣な顔をして「ちょっと、失礼します」と奥に引っ込んだかと思えば紫子夫人を連れてきました。
「私は少し、すぐに、本堂で用事を済ませばなりません。木蓮寺の事について、少しの間紫子夫人にお聞きくださいまし、出来るだけ早めに済まします、本当にごめんなさい」とベルモが言うので、「あ。。。あの。。。あのまさか、さっきの純の写真がかなり。。。ヤバいんですか。。純には大丈夫って電話してたんだけど。。。」リリコは恐る恐る聴くと、「は。。はぁ、だ、大丈夫です。すぐ取り掛かれば。。。今から仏様にお祈りしてお尋ね申します、あまり気になさらないでください。それから終わればすぐ戻りますから。」大丈夫だからというベルモの言葉に反して顔は穏やかではありませんでした。「ここは。。。私が言うのもお友達さんの為にも、リリコさん、今は和尚夫人にお話しをお聞きしましょう。。」霊感のあるオーガストさんまで言うので、リリコは、
「あ、勿論すぐ様しなきゃいけない事は、和尚夫人が取材を受けてくださるなら、和尚夫人のお話を聞きますので、ベルモさん急がねばいけないなら、どうぞ、早く。私たちは気にせずに。」リリコは心配になってきました。いったい。。。純の身になにか。。。悪い事でも、と。
「お心遣いお気遣い恩に切ります。紫子夫人すぐ来るように言ってありますので。。」ベルモは本当に申し訳なさそうにペコリとすると慌てて本堂の方へ行ってしまう。
「あ。。。あのう。。。オーガストさんは霊感あるって事だけど、あの純の友達の写真のパターンってなんらかわかりますか。。。」リリコが聞くと「あー。。。わ、私は素人ですし、除霊や浄霊はできないですし。。。霊が見える時と見えない時やまばらですし。。詳しい事は。。。」なんだか言いにくそうにしています。「そう。。。ですか。。。あの。。ああいう写真は。。。」「見た事が。。。あります。しかし。。。」「ベルモさん。。。深刻だったわ。ベルモさん顔に出るというタイプというか、末期の癌の人に治りますからとか純真無垢な子どもにサンタクロースがいるとか、そういう必要最低限の優しい嘘ぐらいしか言わないかなり正直なタイプに見えるんだけど。。。口は大丈夫って言っても顔色かなり悪かったわ。」リリコが心配しましたが、「あ。。。ああいう写真はケースバイケースですし。。。わ。。。私が見た時は。。。透明に写真に写っていた人は、一週間後にその人は亡くなりました。ただ、その人は年齢も年齢ですし、持病もあったので、お友達とはまた。。。状況が違うんじゃないでしょうか。お大福様のおっしゃる様に、守護霊様からのなんらかの警告かも。。。お大福様を信じましょうよ。。。」「そうね。。。今は。。。ベルモさんを信じるしかないわ。」
というと、紫子夫人がやってきました。
「お待たせしております。ベルモもすぐに戻らせる様にしますので、本当にお仕事中に申し訳ありません。」と謝罪しました。「いいえ。。。和尚様やベルモさんのお話も大変参考になりますが、いろいろな方々からの視点でお話を聞いた方が記事にもより深みがまし、新鮮な発見がありますわ。紫子夫人も、ベルモさんが僧侶になるのは大反対だったのですね。かなり揉めましたとか。、。」リリコが言います。
「はい、私はもう、老後の子育てというか、若い頃の独立した子ども達の子育てはお寺の奥さん業務を兼ねてドタバタでしたけど、もう子育てが終わりひと段落した時に。。。まるでペットみたいなベルモがやってきてのんびりゆるりと女の子を育てようとしたんです。あれでも、ベルモはここにきた頃は小さな粒で目も大きくて。。。期待できたんです。。。フリルちゃんと名づけてフーちゃん、フーちゃんと呼ぼうと思ってました。」「ふ。。。フリルちゃ。。。ん。」紫子夫人の言葉にリリコとオーガストさんは顔を見合わせます。「ところが、火がついたようにイヤイヤと全身全霊で泣き出しピンクのフリフリの服は拒否するわ私はもう絶望感いっぱいでした。しかも、ディズニーなど赤ちゃん向けのミュージックや童謡は嫌がり聴くのはお経や和尚の説法ばかりで仕方なくシンプルな作務衣や白い服を着せれば喜ぶし。。。黒や紺や深緑。。。もう頭がおかしいって思いましたわ。」「そう。。。ですか。。でも、それぞれ好みはありますから。」リリコがなだめると、「ベルモだって、来たばかりの頃は小さなリリコさんみたいなヨーキーか、チワワの赤ちゃんみたいに目がぱっちりしてこじんまりしてたんですよ。それが。。。お経だの仏像が好きだの木魚が大好きだのショックじゃないですかこれから一緒に生活するチワワの赤ちゃんみたいなものがいきなりワシはシブい服しか着んと可愛さ全面否定断固拒否をされてごらんなさい。」「普通は。。。ちっちゃい女の子が赤やピンクを否定する事は。。。なくもないけどかなり少数派ですよね。かと言ってベルモさんはボーイッシュというわけじゃないのでしょう。」リリコが言いますと、「渋い趣味なんです。本当に頭は大丈夫かしらと思いました。」
すると、廊下から、電動のカートの音が聞こえてきました。離れの渡り廊下から廊下へ濃紫婆さんが起きてやってきたようです。「あら、お義母様だわ。」紫子夫人は襖を開けました。
「大奥様お久しぶりでございます。」オーガストさんは、何度かタクシーで濃紫婆さんを乗せた事があり顔見知りでした。「大奥様お邪魔させていただいています。東京から取材に来た叶リリコです。」
「あら、こんにちは。可愛いお客さんじゃのう。オーガストさんも、観光タクシーの担当さんになったんかいの。」濃紫婆さんが言うので、「私が頼んだんです。友人がこちらにいまして、オーガストさんが評判が良いみたいで。アシスタントもお頼みしました。」リリコが言いますと、濃紫婆さんが、
「今日は、東京からお寺の取材の方がいらっしゃるんで、起きていたら答えてくださいと息子夫婦に言われとって。。。万緑はキッチンじゃろうが、、、ベルモは。。。」「ベルモさんは。。。緊急事態に。。。恐らく私の同級生で神楽町市住まいの純の写真を見て。。本堂の方へ行ったようです。」「あらまあ。。。その子になにかあるんじゃろか。。。よっぽどベルモはお客さんを差し置いて中座する様な子じゃない。」「早急に対応したベルモさんを信じましょう。」リリコが言います。
本堂では。。。たくさんのお客様や観光客が、境内を回ったり、小坊主さんに案内されたりと。。。
あー。。。昼間じゃ。。。よほどの儀式や決まり事以外には観光客を封鎖できない。仏様と向き合えない仏様は誰一人としてお休みにない。どの仏様や七福神様にも相談できない。
ど。。。どうしようで。。。でも仏様に後押しをされた時の仏様の御告げのある強い蓮の香りがします。。早く私の所へ来なさい。。仏様がベルモを誘っています。誰だろ。。本堂の仏様や七福神様達はお客様に開放してるし。
突然。。。
むせかえる様な鮮やかな蓮の香りが漂ったかとおもうと。。。
あっ。もしかすると。。。ベルモは離れの自分の部屋に入りました。
テーブルの上には、ベルモの3つ子のきょうだいのひとり美術家のヴィーナスが趣味で掘った仏像。木蓮寺のメインの本堂に大きく座る御本尊様をモチーフに。。
木蓮寺の美しさに感動したのを讃えたのと、定期的に来る耳掃除のお礼にベルモにヴィーナスがプレゼントしたものです。耳掃除のお礼とは言え、耳掃除をされるのはベルモですが、ベルモは乾燥耳で耳穴の新陳代謝が活発なので、耳掃除キチのヴィーナスには美味しい獲物です。
そのヴィーナスが創造した小さなモチーフご本尊がキラキラキラキラここにいるわ。ベルモは机の上の御本尊様の前にスマホを持ったまま正座しました。
「御本尊様ですね。。。本堂の御本尊様の魂がここに。。。」すると。。。
頭の中で、男性か女性かはわかりませんが高貴で神々しい人間離れした様な不思議な声が響きます。
その通りよ。。。よくわかったわね。どうしてここにって。。。貴方が一番よく知ってますよ。″
「お仕事中ですよね。。。まさに。。。大切な。。皆さん」ベルモが言うので御本尊様は
仕事というか、私は自由気ままにここにいるだけ。いつも本堂で座っていたら退屈でしょう。うちは残念ながら式年遷宮もないし。魂だけ抜け出すなんてザラだわよ。本堂の御本尊様を拝みに来てくれた方々の願いは別に私がどこに抜け出しても。。。ちゃんと届きますからね。″
「あの。。。私のお友達が。。。多分。。大変な状況だと思って。このスマホに送られてきたんですけど。」というと、ベルモはスマホに送られてきた純ちゃんの同窓会の写メを見せます。純ちゃんだけ半透明で消えそうな感じでした。
ベルモはどう思うの。そのお友達がどうなると″
と御本尊様の質問にベルモは答えづらそうにしかし、「近いうちに。。。命が消えるというか危ない状況ではないかと。。。でも、わかりませんが、彼女は健康だし。いい子だし。事故にでも遭うのかと」鋭いわね。、、、さすが、私が強引に仏門へ誘導しただけあるわ。その通りよ。その子は。。。命が消え掛かっているわね、残念ながら。。、それは父親の因果ね、。その子は、実の父親とは暮らしてないようだわね。。。でも助からない事もないわ。″「えっ。。。それはどういう。。。」
実の父親に頼むしか無いわ″
「実の父親。。。で。。でも。。純ちゃんは、実の父親らしき人が二人いてどちらかわからないんです、しかも一人は亡くなってるし。」ベルモは、亡くなってる人とも話そうと思えば話せるでしょう。″
「というか、この木蓮寺に住み着いてる夜に帰ってくるあのキンパのお化けの吾朗太さんです。」
あの人ね。。。いつも幼稚園とベルモに減らず愚痴の。。。じゃああなたと喋るのをよく見るからそちらは大丈夫だわ。。。″
「まぁ。。。でも。。。どう考えても多分吾朗太さんが、純ちゃんの父親という事は。。無いと思うのだけど。」
あとは、生きていてる父親かも知れない人にはあなたは連絡取れるの″
「はい。このお寺にお越しいただきましたし名刺をいただいております。」
そのどちらかね。。。そのどちらかの本当の父親の方にだけ頼むの。″
「どちらかって。。。はっきりとDNA鑑定を純ちゃんはしていないわ。だから。。。2人ともに頼むって。。」
二人ともやDNA検査は無しだわよ。アナタの直感だけ。。。期限は明後日。。正午まで。違うほうに頼めば。。残念ながら。。その子の死の運命は変えられなくなるわ。。。″
「そんな。。。」言わずと知れた人生はギャンブルだわ。。。右へ行くか左へ行くか、あの時ああしてたらで。。。たくさんの人が助かりまたたくさんの人が傷つき、さらに命を落とし。。。また、仕事なんかだと会社や上司の采配に従って
言われるがままに
兵隊や将棋の駒となり天国と地獄になる場合がある。。。でもそれまた選択しなければならない。兵隊として従わなければならないの繰り返し。。。″
「そんな。。。そんな。。。わたしに。。そんな誰か一人の生死をどうこう左右する事なんて。。。」
それをしなきゃ本人が確実に死ぬというのにあなたは見捨てるのですか。それができるあなたですか。。。時には戦闘や他人の命を預かり指揮する軍師にならなければならない事があるのですよ。。。聡明で勘の鋭い貴方にチャンスを託されただけです。チャンネルには乗りなさい。自分の事だけ失敗してもそれは自分の事だからそれでよしと、自分の事だけ積極的に行動するのではなく、あなたは僧侶ですよ。おおやけの人ですよ。。。誰にも相談せず自分と向き合って決断なさい。明後日の正午までに彼女の本当の父親に頼みなさい。″
「でも。。。なにをどう頼むんですか。そんな。。ゲームみたいに。人生はギャンブルだなんて。」ベルモは首を振りました
それは。。。娘に嫌がらせをしなさい。″
「えっ」
や。。。やっぱり今すぐそれとなく思う事を、ってのは時期尚早リリコはオーガストさんにいろいろ言いたいのを我慢して。。。今は純ちゃんの心霊写真らしきものが気になりますだけ。
リリコは霊感は全然ないものの、新聞社のアルバイトで新聞社に不可解な写真やら不思議な写真を拝読者から送られてくるのを何度か目にした事があり、細工やらインチキやらあるかもしれないけど、どう考えても変だなぁと説明のしようがないほど加工するにはどうも加工しきれない様な不思議な写真も送られてくるので。。。まるっきりの神霊否定派というわけではなく。。。
ベルモは、すぐに折り返し純ちゃんに電話で、「あの。。。純ちゃん、これは守護霊様からの警告みたいなものだから暫くは身体や事故に気をつけてね、というものなので気をつけておけばよいんであまり心配しない事ですね。私もお祈りしますからね、あまり心配する事ないわ。。。注意してくださいって意味だから、うん。ウン。。」ホッコリと安心させる様な安らかな事を丁寧に言って純ちゃんに注意を促がし電話を切ったかと思えば。。。
ベルモは真剣な顔をして「ちょっと、失礼します」と奥に引っ込んだかと思えば紫子夫人を連れてきました。
「私は少し、すぐに、本堂で用事を済ませばなりません。木蓮寺の事について、少しの間紫子夫人にお聞きくださいまし、出来るだけ早めに済まします、本当にごめんなさい」とベルモが言うので、「あ。。。あの。。。あのまさか、さっきの純の写真がかなり。。。ヤバいんですか。。純には大丈夫って電話してたんだけど。。。」リリコは恐る恐る聴くと、「は。。はぁ、だ、大丈夫です。すぐ取り掛かれば。。。今から仏様にお祈りしてお尋ね申します、あまり気になさらないでください。それから終わればすぐ戻りますから。」大丈夫だからというベルモの言葉に反して顔は穏やかではありませんでした。「ここは。。。私が言うのもお友達さんの為にも、リリコさん、今は和尚夫人にお話しをお聞きしましょう。。」霊感のあるオーガストさんまで言うので、リリコは、
「あ、勿論すぐ様しなきゃいけない事は、和尚夫人が取材を受けてくださるなら、和尚夫人のお話を聞きますので、ベルモさん急がねばいけないなら、どうぞ、早く。私たちは気にせずに。」リリコは心配になってきました。いったい。。。純の身になにか。。。悪い事でも、と。
「お心遣いお気遣い恩に切ります。紫子夫人すぐ来るように言ってありますので。。」ベルモは本当に申し訳なさそうにペコリとすると慌てて本堂の方へ行ってしまう。
「あ。。。あのう。。。オーガストさんは霊感あるって事だけど、あの純の友達の写真のパターンってなんらかわかりますか。。。」リリコが聞くと「あー。。。わ、私は素人ですし、除霊や浄霊はできないですし。。。霊が見える時と見えない時やまばらですし。。詳しい事は。。。」なんだか言いにくそうにしています。「そう。。。ですか。。。あの。。ああいう写真は。。。」「見た事が。。。あります。しかし。。。」「ベルモさん。。。深刻だったわ。ベルモさん顔に出るというタイプというか、末期の癌の人に治りますからとか純真無垢な子どもにサンタクロースがいるとか、そういう必要最低限の優しい嘘ぐらいしか言わないかなり正直なタイプに見えるんだけど。。。口は大丈夫って言っても顔色かなり悪かったわ。」リリコが心配しましたが、「あ。。。ああいう写真はケースバイケースですし。。。わ。。。私が見た時は。。。透明に写真に写っていた人は、一週間後にその人は亡くなりました。ただ、その人は年齢も年齢ですし、持病もあったので、お友達とはまた。。。状況が違うんじゃないでしょうか。お大福様のおっしゃる様に、守護霊様からのなんらかの警告かも。。。お大福様を信じましょうよ。。。」「そうね。。。今は。。。ベルモさんを信じるしかないわ。」
というと、紫子夫人がやってきました。
「お待たせしております。ベルモもすぐに戻らせる様にしますので、本当にお仕事中に申し訳ありません。」と謝罪しました。「いいえ。。。和尚様やベルモさんのお話も大変参考になりますが、いろいろな方々からの視点でお話を聞いた方が記事にもより深みがまし、新鮮な発見がありますわ。紫子夫人も、ベルモさんが僧侶になるのは大反対だったのですね。かなり揉めましたとか。、。」リリコが言います。
「はい、私はもう、老後の子育てというか、若い頃の独立した子ども達の子育てはお寺の奥さん業務を兼ねてドタバタでしたけど、もう子育てが終わりひと段落した時に。。。まるでペットみたいなベルモがやってきてのんびりゆるりと女の子を育てようとしたんです。あれでも、ベルモはここにきた頃は小さな粒で目も大きくて。。。期待できたんです。。。フリルちゃんと名づけてフーちゃん、フーちゃんと呼ぼうと思ってました。」「ふ。。。フリルちゃ。。。ん。」紫子夫人の言葉にリリコとオーガストさんは顔を見合わせます。「ところが、火がついたようにイヤイヤと全身全霊で泣き出しピンクのフリフリの服は拒否するわ私はもう絶望感いっぱいでした。しかも、ディズニーなど赤ちゃん向けのミュージックや童謡は嫌がり聴くのはお経や和尚の説法ばかりで仕方なくシンプルな作務衣や白い服を着せれば喜ぶし。。。黒や紺や深緑。。。もう頭がおかしいって思いましたわ。」「そう。。。ですか。。でも、それぞれ好みはありますから。」リリコがなだめると、「ベルモだって、来たばかりの頃は小さなリリコさんみたいなヨーキーか、チワワの赤ちゃんみたいに目がぱっちりしてこじんまりしてたんですよ。それが。。。お経だの仏像が好きだの木魚が大好きだのショックじゃないですかこれから一緒に生活するチワワの赤ちゃんみたいなものがいきなりワシはシブい服しか着んと可愛さ全面否定断固拒否をされてごらんなさい。」「普通は。。。ちっちゃい女の子が赤やピンクを否定する事は。。。なくもないけどかなり少数派ですよね。かと言ってベルモさんはボーイッシュというわけじゃないのでしょう。」リリコが言いますと、「渋い趣味なんです。本当に頭は大丈夫かしらと思いました。」
すると、廊下から、電動のカートの音が聞こえてきました。離れの渡り廊下から廊下へ濃紫婆さんが起きてやってきたようです。「あら、お義母様だわ。」紫子夫人は襖を開けました。
「大奥様お久しぶりでございます。」オーガストさんは、何度かタクシーで濃紫婆さんを乗せた事があり顔見知りでした。「大奥様お邪魔させていただいています。東京から取材に来た叶リリコです。」
「あら、こんにちは。可愛いお客さんじゃのう。オーガストさんも、観光タクシーの担当さんになったんかいの。」濃紫婆さんが言うので、「私が頼んだんです。友人がこちらにいまして、オーガストさんが評判が良いみたいで。アシスタントもお頼みしました。」リリコが言いますと、濃紫婆さんが、
「今日は、東京からお寺の取材の方がいらっしゃるんで、起きていたら答えてくださいと息子夫婦に言われとって。。。万緑はキッチンじゃろうが、、、ベルモは。。。」「ベルモさんは。。。緊急事態に。。。恐らく私の同級生で神楽町市住まいの純の写真を見て。。本堂の方へ行ったようです。」「あらまあ。。。その子になにかあるんじゃろか。。。よっぽどベルモはお客さんを差し置いて中座する様な子じゃない。」「早急に対応したベルモさんを信じましょう。」リリコが言います。
本堂では。。。たくさんのお客様や観光客が、境内を回ったり、小坊主さんに案内されたりと。。。
あー。。。昼間じゃ。。。よほどの儀式や決まり事以外には観光客を封鎖できない。仏様と向き合えない仏様は誰一人としてお休みにない。どの仏様や七福神様にも相談できない。
ど。。。どうしようで。。。でも仏様に後押しをされた時の仏様の御告げのある強い蓮の香りがします。。早く私の所へ来なさい。。仏様がベルモを誘っています。誰だろ。。本堂の仏様や七福神様達はお客様に開放してるし。
突然。。。
むせかえる様な鮮やかな蓮の香りが漂ったかとおもうと。。。
あっ。もしかすると。。。ベルモは離れの自分の部屋に入りました。
テーブルの上には、ベルモの3つ子のきょうだいのひとり美術家のヴィーナスが趣味で掘った仏像。木蓮寺のメインの本堂に大きく座る御本尊様をモチーフに。。
木蓮寺の美しさに感動したのを讃えたのと、定期的に来る耳掃除のお礼にベルモにヴィーナスがプレゼントしたものです。耳掃除のお礼とは言え、耳掃除をされるのはベルモですが、ベルモは乾燥耳で耳穴の新陳代謝が活発なので、耳掃除キチのヴィーナスには美味しい獲物です。
そのヴィーナスが創造した小さなモチーフご本尊がキラキラキラキラここにいるわ。ベルモは机の上の御本尊様の前にスマホを持ったまま正座しました。
「御本尊様ですね。。。本堂の御本尊様の魂がここに。。。」すると。。。
頭の中で、男性か女性かはわかりませんが高貴で神々しい人間離れした様な不思議な声が響きます。
その通りよ。。。よくわかったわね。どうしてここにって。。。貴方が一番よく知ってますよ。″
「お仕事中ですよね。。。まさに。。。大切な。。皆さん」ベルモが言うので御本尊様は
仕事というか、私は自由気ままにここにいるだけ。いつも本堂で座っていたら退屈でしょう。うちは残念ながら式年遷宮もないし。魂だけ抜け出すなんてザラだわよ。本堂の御本尊様を拝みに来てくれた方々の願いは別に私がどこに抜け出しても。。。ちゃんと届きますからね。″
「あの。。。私のお友達が。。。多分。。大変な状況だと思って。このスマホに送られてきたんですけど。」というと、ベルモはスマホに送られてきた純ちゃんの同窓会の写メを見せます。純ちゃんだけ半透明で消えそうな感じでした。
ベルモはどう思うの。そのお友達がどうなると″
と御本尊様の質問にベルモは答えづらそうにしかし、「近いうちに。。。命が消えるというか危ない状況ではないかと。。。でも、わかりませんが、彼女は健康だし。いい子だし。事故にでも遭うのかと」鋭いわね。、、、さすが、私が強引に仏門へ誘導しただけあるわ。その通りよ。その子は。。。命が消え掛かっているわね、残念ながら。。、それは父親の因果ね、。その子は、実の父親とは暮らしてないようだわね。。。でも助からない事もないわ。″「えっ。。。それはどういう。。。」
実の父親に頼むしか無いわ″
「実の父親。。。で。。でも。。純ちゃんは、実の父親らしき人が二人いてどちらかわからないんです、しかも一人は亡くなってるし。」ベルモは、亡くなってる人とも話そうと思えば話せるでしょう。″
「というか、この木蓮寺に住み着いてる夜に帰ってくるあのキンパのお化けの吾朗太さんです。」
あの人ね。。。いつも幼稚園とベルモに減らず愚痴の。。。じゃああなたと喋るのをよく見るからそちらは大丈夫だわ。。。″
「まぁ。。。でも。。。どう考えても多分吾朗太さんが、純ちゃんの父親という事は。。無いと思うのだけど。」
あとは、生きていてる父親かも知れない人にはあなたは連絡取れるの″
「はい。このお寺にお越しいただきましたし名刺をいただいております。」
そのどちらかね。。。そのどちらかの本当の父親の方にだけ頼むの。″
「どちらかって。。。はっきりとDNA鑑定を純ちゃんはしていないわ。だから。。。2人ともに頼むって。。」
二人ともやDNA検査は無しだわよ。アナタの直感だけ。。。期限は明後日。。正午まで。違うほうに頼めば。。残念ながら。。その子の死の運命は変えられなくなるわ。。。″
「そんな。。。」言わずと知れた人生はギャンブルだわ。。。右へ行くか左へ行くか、あの時ああしてたらで。。。たくさんの人が助かりまたたくさんの人が傷つき、さらに命を落とし。。。また、仕事なんかだと会社や上司の采配に従って
言われるがままに
兵隊や将棋の駒となり天国と地獄になる場合がある。。。でもそれまた選択しなければならない。兵隊として従わなければならないの繰り返し。。。″
「そんな。。。そんな。。。わたしに。。そんな誰か一人の生死をどうこう左右する事なんて。。。」
それをしなきゃ本人が確実に死ぬというのにあなたは見捨てるのですか。それができるあなたですか。。。時には戦闘や他人の命を預かり指揮する軍師にならなければならない事があるのですよ。。。聡明で勘の鋭い貴方にチャンスを託されただけです。チャンネルには乗りなさい。自分の事だけ失敗してもそれは自分の事だからそれでよしと、自分の事だけ積極的に行動するのではなく、あなたは僧侶ですよ。おおやけの人ですよ。。。誰にも相談せず自分と向き合って決断なさい。明後日の正午までに彼女の本当の父親に頼みなさい。″
「でも。。。なにをどう頼むんですか。そんな。。ゲームみたいに。人生はギャンブルだなんて。」ベルモは首を振りました
それは。。。娘に嫌がらせをしなさい。″
「えっ」
2021年03月05日
マリッジcelebration262計り知れない。一人ひとりのその事情に。。。
は。。。はぁ。。。ペラペラベルモは自分の事を語ると熱くなるようで、再びベルモのインタビューをはじめたリリコとオーガストさんは圧倒して顔を見合わせました。「私はね、ICレコーダーで木蓮和尚の御説法を録音して言質を取りワザと流しました。親は親、子どもは子ども。。。子どもは親の便利な道具ではないし、素質も性質も全く別のもの。。。子どもも自我や意思がある生き方や将来設計思考はねじ曲げず、その子らしくある才能を伸ばしてやり輝かしい幸せな人生を歩むように成長を見守って祝福しましょうだの、親が自分の希望や期待を子どもに押し付けるのは虐待です、毒親ですなどそれらしき内容のご説法をそういう言質な美味しい部分を楽しく喜んで繋ぎあわせました。まるで離婚したいご夫婦が相手のアラや暴言をコレぞと楽しく録音したり集めるように。。。
「あら、嫌がらせみたいに。。。和尚様に聞かせたのね。」リリコが言いますと
「嫌がらせじゃありませんよ。和尚も目を覚させないと他人様にご説法する癖に自分はそれを棚に上げて子どもにあれこれ指図するのは人として許せないでしょう私たちは詐欺師じゃないんですから。私はお食事の時など、和尚様の後説法は為になるので録音して聴いているから、聞けば聞くほど身に染みて五臓六腑に染みてありがたくて涙が出ますのであまりに感激しまして日頃聴くようにしております、とワザと家族に聴かせるように流していたのです。繰り返し繰り返し、重要視しなければいけないサビの部分だけ集めて。。。そう、サビの部分。親子と言えどお互いに別の人格だのその人らしいと私としての使命を果たす為に産まれてきたと言う事、そういう話しです。木蓮和尚夫妻はアワアワしていました。」「ウーン。。。私は和尚夫妻様とだいたい同じぐらいの年齢ですから、家庭を作る子どもをつくる、違う世代なのに子どもに結婚してくれって言うのはわかります。それが幸せ。。。というかあたりまえというか。。。自分は失敗したのにね。」と、オーガストさんが言うので、リリコはハッとしましたが、突然オーガストさんのプライバシーに突っ込むのもと思い直して、「私たちと親世代は違いますもんね。和尚様夫婦と私の親世代も全然違う感覚でしょうね。
うちは姉や兄も含めて私もですが自分ちの新聞社に携わっていますが、誰一人として親からは強制的に進路を決められたわけじゃないですし、兄は男だからつげって言われた事もないし。私は人と話して取材したり文章を書くのが昔っから好きで時効ですが、よく兄や姉の夏休みの読書感想文を書いてお小遣いを貰いましたからね。別に無料でも書いてあげても良かったんですが。。でも、そういう人っているでしょ。人の読書感想文まで喜んで書いてあげるって主張好きというのかな。。ベルモさんも、ホームページでエッセイを書かれていらっしゃるからわかるでしょう。お坊さんにどうしてもなりたかったんですね。。。」リリコが言うとベルモは、「はい。私はホームページにも生い立ちや経緯を掲載していますが、はっきり言って私は死人で葬式を出す為に木蓮寺に連れてこられたんです。今は笑い話ですが、仮死状態で可哀想だからお経をあげてくれって。釣り人のお客さんがミリオンと私を拾って海の家クワタの桑田の大将さんが、元気になったミリオンと暮らす事にして私は死体だと思われて木蓮寺にお弔いに連れてこられたんですから。
今じゃ嘘だろと言われますが、私は小さな粒で色も真っ青でした。しかし、木蓮寺の和尚様がお経を詠むとどんどん私は元気になって目を覚ましたんです。死者を弔う為のお経で、、。私はお経があまりに心地よいのでお経が大好きになりました。今時の女の子に育てようと思われ、小さかったですから両親はまるでペットのつもりで何にもしなくていい、ただいてくれるだけでありがとうって目線で育てようとしていたらしいのです。俗に言う、小型犬でしょうか。あっ、リリコさん気を悪くしないでくださいね、才能うんぬんの前に本当にまずいるだけで喜ばれる可愛さとか、良い意味で言ったのですから。美しいとか、可愛いは、もうそれだけでも誇らしげな大きな長所や優れた才能の一つですし。
私も女の子として育てるからには、
今時の女の子らしくしてくれればそれでいいようだったんです。しかし、私はそんな両親の夢も希望も木っ端微塵に打ち砕きました。もう、みごとに。。。私は和尚夫人の買ってくるフリフリやピンクの服を全面拒否断固拒否したのです。思いっきり嫌だ嫌だと心を鬼にして
「なぜ。。。ですか。。。あの。。失礼ですが、その。。ベルモさんは。。小さかったのでしょう。、あの、本当に失礼言うとデブがピンクを着れば漫才師ってわけじゃない、小さな粒だった。。んでしょう、、。」リリコが言いますと「それは、私がそういう、ピンクだのフリフリだの。。愛だの恋だの恋愛だの。。。女子力だのとそういうものを私の魂が持っていないからです。なんだかそういうものって。。。
生理的に無理なんです。。。他の女の子が着たり身につけるのは一向にかまいません。かと言っても、私は男性になりたいというわけでは一切ありませんし。ボーイッシュでもありません。女性に産まれて男性になりたいと言った女性でもありません。ただのベルモです。自分が気持ち悪いと思ったものはテコでも着ません。」「しかし、木蓮寺は婚活寺でもあるし、なにもそんなお若いうちから結婚を否定しなくてもですねぇ。将来はコロッと気が変わるかもしれませんよ。。。」オーガストさんが言うと、「結婚は否定してませんよ。私がしないだけです。」「まぁ、しないにしろ親にはするって言っておけば良いのでは。将来の話しですから。」
「オーガストさん、あなたはやはり和尚夫妻世代の人ですね。世間様にはハイハイって上手いこと言っておけって。わからなくもありませんが、変な期待を親にさせておいて。。。で、いざ最終的にそこんところどうなってるかと問い詰めたら最初からそんな気ありませんでした。と、昔の日本人によくあるその気はないけど場の空気でお上手に世間様を喜ばせろ、親を喜ばせろ、でもその実はそんなサラサラありませんで揉めに揉めたり信用を無くしたりもうそんな社交辞令か嘘つきかで人間関係をこじらせたり、他人軸で生きる必要がないのです。自分がどうありたいかと自分軸を持たないと他人様と。。。親ですらうまくやっていけません。。そこまで親に媚びて嘘をついて良い子になって偽りの自分でいるのは親孝行ではありません。私らしく今を幸せにいるのが親孝行でございます。」「まぁ。。。私は結婚に失敗した身です。やっと家庭がと。。。再婚した妻も病気で亡くしまして。。。なにが子どもに結婚しろって偉そうに言えませんが。。。でもやっぱり。。。正直なところそんな自分ですら子どもには幸せな家庭をとか、孫をとか。。。」あっ。。。
オーガストさんがチラッと現状らしき話を漏らしたのでリリコは、「すみません、お話しをお続けください、お話し中失礼ですが、一報会社に重要事項をLINEしますので。。」と会社に連絡事項する顔をしてミーシャに、LINEで、
いま、木蓮寺でオーガストさんといます。アシスタントを引き受けてくださいました。木蓮寺のベルモさんと話していますが、どうも
オーガストさんは、結婚に失敗して再婚した奥様を亡くされたようです。子どもは。。。再婚した奥様との子どもがいるかどうかは不明ですが。。。おそらくはいてもお爺さんは、多分一人暮らしでしょうね。だから、この人がミーシャのお爺さんだとして会っても今の幸せや家庭が壊れるという事もまずはよっぽどないと思うんだけど、また何かわかったら会社報告のフリして知らせます。
東京都渋谷区神野家。
「あ。。。あらまぁ。。。そうだったの。。。」午後から出勤で午前中はテレワークの環と、午後から授業のミーシャ、帰省で里帰りしている純は、喜美が早めにランチを作って神野家でランチをしています。喜美はランチを作ると旦那のジローの入院している病院に行きました。純もランチをしたら、会社や学校へ行く環やミーシャと一緒に家を出てジローのお見舞いに行きます。ジローが入院したことから、環が生き別れになった妹の舞を興信所で探してからいろいろ右往左往と展開しましたが。。。
舞は、2歳で別れた父親ジローの事は全く覚えてないしそれに。。。母親の峰がごまかしてるけど、どうも自分は義理の父親の焔の子どもであるような気がする。。。DNA検査だけど、なかなか義父には言い出せなくて母親の峰がまたうるさいし。東京のジローのお父さんの方は気持ちが落ち着いたら。。。お見舞いにお伺いしますという事でした。舞は、ジローに対してどう接していいのかわからないというのが本当のところなんだろう。DNA鑑定と言えば。。。純は。。父親が吾朗太なのか、俊さんなのか。。。
そんな事を本人から一切言わなくてそのままそっとしてあるけれど。。。と考えていると、なんだかお隣の家、ミーシャの青山家も大変なようでした。ミーシャやミーシャの弟のベビーシッターやハウスキーパーを継母の喜美もやっていたし。純が産まれる少し前の頃にお隣のうちの土地を買い家を建てた成功した若夫婦でしたが、駆け落ち結婚で、旦那さんの奏の方は両親に捨てられたというエピソードです。その奏の絶縁した母親が亡くなっていて絶縁したし手切金を支払っているので連絡してこなくても遺産があったとて遺産も借金も放棄すると公正証書を出しているのでと大阪の母親の瞳の再婚相手から奏の兄の禅に送り付けられたのは瞳の日記帳でした。「さすがに。。。黙っていられないので。」と。筆跡からして亡くなった瞳の書いたものは間違いなく瞳は口が軽くペラペラいろいろ喋る性格だけど、今まで子どもや元旦那にしてきた事をペラペラ喋ると自分に不利になる事はわかってはいるんだけど。。。
それでも黙っているのはツラいと王様の耳はロバの耳みたいに秘密の日記をつけていて。。。大事に隠していたようで。悪いですが目を通しましたら。。元の旦那さんやお子さんが可哀想で。それに、酔っ払って前の結婚で酷い事をしただの騙しただの。。。子どもの時はさすがに録音しませんでしたが。。。ある程度の年齢になって。。あまりにも。。。瞳の元旦那さんが可哀想になり録音もしています。私は貴方達を尊敬してますから。と、大阪の異父弟から連絡がありました。
子どもがいると再婚できないの。かと言って、養育費はいただかなきゃ。はぁ。。。
大阪の異父弟は、さすがに有名人の奏の方は遠慮して兄の禅に連絡を取ってきました。
という、青山家。お隣さんの事情をこれからランチがてらにミーシャが頼りになる環に相談しています。
スペアリブのいい香りがします。喜美が、朝からスペアリブとサラダとサンドイッチを作ってミーシャの高校生の双子の弟にお弁当を持たせて、後は環や純やミーシャのランチにしました。朝から「駿ちゃんもいると、もっと張り合いがあるんだけどねぇ。」と喜美はそう言いながらスペアリブを作ります。駿ちゃんというのは駿栄で、プルメリア島で元気にしていると聞いて喜美も泣いて喜んだものの。。。駿栄は、小さい頃から喜美のスペアリブや豚の角煮が大好きで。
夏目さん。。。お隣の駿栄の家庭は一癖も二癖もあるし。家出して正解で、遠くから駿ちゃんの成長を見守るしかないけど。もう。。東京には帰って来ないのかなと。そんな喜美の朝からの手作りランチを食べながら、ミーシャが、
「多分。。。オーガストさんというタクシードライバーさんが。。。私のお爺さんだと思う。再婚したけど、再婚した奥さんはお亡くなりになったみたいで、再婚した後の子どもまではわからないけど、今はプルメリア島のプルメリア港の極楽鳥花の古民家で一人暮らしみたいだわ。リリコが木蓮寺に取材でオーガストさんにタクシーを依頼して、オーガストさんに取材やアシスタントも頼んだみたいだし。頃合いを見計らって聞いてみるって。。。」
純ちゃんが思い出したように
「あっ、極楽鳥花の古民家は見たことあるわよ。プルメリア港の近くでしょ。そうなんだ。。。そこに住んでるんだ。。。」「私からしたら。。。二度と会う事は無いと思ってたお爺さんだったんだけど。亡くなったお婆さんに騙されてたみたいなんだよね。なんか。。。ちょっと可哀想な気がして、あちらが私達に会いたいかどうかはわかんないけど。。。」
環が、「悪い人ってわけじゃないと思うわ。だって。。ミーちゃんのお父さんが有名人って知っていてあちらからは何もせず何も言ってこないんでしょ?酷い人なら親だから。。。って。。有名人の子どもと疎遠でもすり寄ってくると思うし。」ミーシャは、「私も。。。それは、そう思うんです。」ミーシャは、いまどきの子らしく、スペアリブやサラダをスマホに撮っていました。純ちゃんが、ピッチャーからグラスにレモン水を入れると。。。
「あ。。。あらっ」さりげなく。。昨日の同窓会写メを見ていたミーシャがギョッとします。
再び木蓮寺。。。
あらっベルモが、オーガストさんにお説教中に、なぜか長いことスマホのマナーモードがboob〜ブーいい初めています。ずーっと
ベルモに子どもと上手くいかない旧社会的な考え方の小言を言われたオーガストさんは、「お大福様。。。それほど呼び出し音が長いとは。。。緊急事態ではリリコさんさえ大丈夫ならお電話に出られては。。、」とスマホに話をそらすとリリコも、「私は大丈夫よ。それにしても、出たほうがいいんじゃないのあまらに呼び出し音が。。。誰から」リリコが言うと。。。「えっ。。。純ちゃんからだわ。。どうしたのかしら。純ちゃんならLINEを知ってるはずだし。わざわざ掛けてくるって。。。」「純なら出て。。。話しづらい事ならすぐお部屋から出られたら大丈夫だし。」リリコが言います。
いったい。。。何があったの。。。
「はい。もしもしベルモです。」ベルモが電話に出ると「ごめんなさい、ベルちゃん、いま確か、もしかしてリリコと打ち合わせだっけ」「ええ。。。そうなんだけど。。。」
「あの。。。お仕事中ごめんなさい。ちょっと。。。いいですかあの。。。邪魔かなぁ。。。」
純ちゃんには珍しく沈んだ声で。。。「大丈夫よ。。リリコさん達には許可を得てるわ。。何か。。あったの。」
えっ。
純ちゃんの話だと昨日同窓会があり、写メを何枚か撮ったのだけど。。。その写メの純ちゃんが半透明に透けているらしく。。。怖くなって霊感があるベルモにどういう事か、どうしたらいいの、怖いとの事で、ベルモはとにかく写メをLINEに送ってちょっと見てみてすぐ折り返すからと。
「どうしたの。。なんか、大変そうだけど、」とリリコが言うとベルモが簡単に状況を説明しました。
すると、純ちゃんからの写メが送られてきて。。。
「オーガストさんも。。。霊感はあるわよね。」ベルモが言うと。。。オーガストさんは、「お大福様ほどじゃないですし。。私はそれらしきものを見るという事があるというだけで。。。リリコさんの同級生の方なんですか。。。」
ベルモが、LINEで純ちゃんから送られてきた写メを見ると確かに。。。どこか雰囲気がいい居酒屋でガヤガヤ若い子達が飲んでいる様子で。。。確かに。。。純ちゃんが。。半透明に、。。「これは。。。。」と
ベルモが全く不釣り合いな渋い気難しい顔で
かなり深刻な様子で
写メを穴が開くように見つめると。。。
オーガストさんが目を見開き。。。
リリコははっとしました。半透明な純ちゃんの事もびっくりして気になったものの。。。それより。。
オーガストさんは。。。純ちゃんの不思議な写メではなくて
あれは。。。
間違いなく
オーガストさんは。。。一緒に写ってるミーシャに。。。写メに写ってるミーシャに気づいて驚いてるわ。。。そうよ。。。あの子青山奏の娘でチラッとマスコミで紹介された事あるし。オーガストさんがお爺さんなら内緒でチェックぐらいしてるわよね。。。アタシが。。。ミーシャと同級生って驚いてるのかしら。。。
「あら、嫌がらせみたいに。。。和尚様に聞かせたのね。」リリコが言いますと
「嫌がらせじゃありませんよ。和尚も目を覚させないと他人様にご説法する癖に自分はそれを棚に上げて子どもにあれこれ指図するのは人として許せないでしょう私たちは詐欺師じゃないんですから。私はお食事の時など、和尚様の後説法は為になるので録音して聴いているから、聞けば聞くほど身に染みて五臓六腑に染みてありがたくて涙が出ますのであまりに感激しまして日頃聴くようにしております、とワザと家族に聴かせるように流していたのです。繰り返し繰り返し、重要視しなければいけないサビの部分だけ集めて。。。そう、サビの部分。親子と言えどお互いに別の人格だのその人らしいと私としての使命を果たす為に産まれてきたと言う事、そういう話しです。木蓮和尚夫妻はアワアワしていました。」「ウーン。。。私は和尚夫妻様とだいたい同じぐらいの年齢ですから、家庭を作る子どもをつくる、違う世代なのに子どもに結婚してくれって言うのはわかります。それが幸せ。。。というかあたりまえというか。。。自分は失敗したのにね。」と、オーガストさんが言うので、リリコはハッとしましたが、突然オーガストさんのプライバシーに突っ込むのもと思い直して、「私たちと親世代は違いますもんね。和尚様夫婦と私の親世代も全然違う感覚でしょうね。
うちは姉や兄も含めて私もですが自分ちの新聞社に携わっていますが、誰一人として親からは強制的に進路を決められたわけじゃないですし、兄は男だからつげって言われた事もないし。私は人と話して取材したり文章を書くのが昔っから好きで時効ですが、よく兄や姉の夏休みの読書感想文を書いてお小遣いを貰いましたからね。別に無料でも書いてあげても良かったんですが。。でも、そういう人っているでしょ。人の読書感想文まで喜んで書いてあげるって主張好きというのかな。。ベルモさんも、ホームページでエッセイを書かれていらっしゃるからわかるでしょう。お坊さんにどうしてもなりたかったんですね。。。」リリコが言うとベルモは、「はい。私はホームページにも生い立ちや経緯を掲載していますが、はっきり言って私は死人で葬式を出す為に木蓮寺に連れてこられたんです。今は笑い話ですが、仮死状態で可哀想だからお経をあげてくれって。釣り人のお客さんがミリオンと私を拾って海の家クワタの桑田の大将さんが、元気になったミリオンと暮らす事にして私は死体だと思われて木蓮寺にお弔いに連れてこられたんですから。
今じゃ嘘だろと言われますが、私は小さな粒で色も真っ青でした。しかし、木蓮寺の和尚様がお経を詠むとどんどん私は元気になって目を覚ましたんです。死者を弔う為のお経で、、。私はお経があまりに心地よいのでお経が大好きになりました。今時の女の子に育てようと思われ、小さかったですから両親はまるでペットのつもりで何にもしなくていい、ただいてくれるだけでありがとうって目線で育てようとしていたらしいのです。俗に言う、小型犬でしょうか。あっ、リリコさん気を悪くしないでくださいね、才能うんぬんの前に本当にまずいるだけで喜ばれる可愛さとか、良い意味で言ったのですから。美しいとか、可愛いは、もうそれだけでも誇らしげな大きな長所や優れた才能の一つですし。
私も女の子として育てるからには、
今時の女の子らしくしてくれればそれでいいようだったんです。しかし、私はそんな両親の夢も希望も木っ端微塵に打ち砕きました。もう、みごとに。。。私は和尚夫人の買ってくるフリフリやピンクの服を全面拒否断固拒否したのです。思いっきり嫌だ嫌だと心を鬼にして
「なぜ。。。ですか。。。あの。。失礼ですが、その。。ベルモさんは。。小さかったのでしょう。、あの、本当に失礼言うとデブがピンクを着れば漫才師ってわけじゃない、小さな粒だった。。んでしょう、、。」リリコが言いますと「それは、私がそういう、ピンクだのフリフリだの。。愛だの恋だの恋愛だの。。。女子力だのとそういうものを私の魂が持っていないからです。なんだかそういうものって。。。
生理的に無理なんです。。。他の女の子が着たり身につけるのは一向にかまいません。かと言っても、私は男性になりたいというわけでは一切ありませんし。ボーイッシュでもありません。女性に産まれて男性になりたいと言った女性でもありません。ただのベルモです。自分が気持ち悪いと思ったものはテコでも着ません。」「しかし、木蓮寺は婚活寺でもあるし、なにもそんなお若いうちから結婚を否定しなくてもですねぇ。将来はコロッと気が変わるかもしれませんよ。。。」オーガストさんが言うと、「結婚は否定してませんよ。私がしないだけです。」「まぁ、しないにしろ親にはするって言っておけば良いのでは。将来の話しですから。」
「オーガストさん、あなたはやはり和尚夫妻世代の人ですね。世間様にはハイハイって上手いこと言っておけって。わからなくもありませんが、変な期待を親にさせておいて。。。で、いざ最終的にそこんところどうなってるかと問い詰めたら最初からそんな気ありませんでした。と、昔の日本人によくあるその気はないけど場の空気でお上手に世間様を喜ばせろ、親を喜ばせろ、でもその実はそんなサラサラありませんで揉めに揉めたり信用を無くしたりもうそんな社交辞令か嘘つきかで人間関係をこじらせたり、他人軸で生きる必要がないのです。自分がどうありたいかと自分軸を持たないと他人様と。。。親ですらうまくやっていけません。。そこまで親に媚びて嘘をついて良い子になって偽りの自分でいるのは親孝行ではありません。私らしく今を幸せにいるのが親孝行でございます。」「まぁ。。。私は結婚に失敗した身です。やっと家庭がと。。。再婚した妻も病気で亡くしまして。。。なにが子どもに結婚しろって偉そうに言えませんが。。。でもやっぱり。。。正直なところそんな自分ですら子どもには幸せな家庭をとか、孫をとか。。。」あっ。。。
オーガストさんがチラッと現状らしき話を漏らしたのでリリコは、「すみません、お話しをお続けください、お話し中失礼ですが、一報会社に重要事項をLINEしますので。。」と会社に連絡事項する顔をしてミーシャに、LINEで、
いま、木蓮寺でオーガストさんといます。アシスタントを引き受けてくださいました。木蓮寺のベルモさんと話していますが、どうも
オーガストさんは、結婚に失敗して再婚した奥様を亡くされたようです。子どもは。。。再婚した奥様との子どもがいるかどうかは不明ですが。。。おそらくはいてもお爺さんは、多分一人暮らしでしょうね。だから、この人がミーシャのお爺さんだとして会っても今の幸せや家庭が壊れるという事もまずはよっぽどないと思うんだけど、また何かわかったら会社報告のフリして知らせます。
東京都渋谷区神野家。
「あ。。。あらまぁ。。。そうだったの。。。」午後から出勤で午前中はテレワークの環と、午後から授業のミーシャ、帰省で里帰りしている純は、喜美が早めにランチを作って神野家でランチをしています。喜美はランチを作ると旦那のジローの入院している病院に行きました。純もランチをしたら、会社や学校へ行く環やミーシャと一緒に家を出てジローのお見舞いに行きます。ジローが入院したことから、環が生き別れになった妹の舞を興信所で探してからいろいろ右往左往と展開しましたが。。。
舞は、2歳で別れた父親ジローの事は全く覚えてないしそれに。。。母親の峰がごまかしてるけど、どうも自分は義理の父親の焔の子どもであるような気がする。。。DNA検査だけど、なかなか義父には言い出せなくて母親の峰がまたうるさいし。東京のジローのお父さんの方は気持ちが落ち着いたら。。。お見舞いにお伺いしますという事でした。舞は、ジローに対してどう接していいのかわからないというのが本当のところなんだろう。DNA鑑定と言えば。。。純は。。父親が吾朗太なのか、俊さんなのか。。。
そんな事を本人から一切言わなくてそのままそっとしてあるけれど。。。と考えていると、なんだかお隣の家、ミーシャの青山家も大変なようでした。ミーシャやミーシャの弟のベビーシッターやハウスキーパーを継母の喜美もやっていたし。純が産まれる少し前の頃にお隣のうちの土地を買い家を建てた成功した若夫婦でしたが、駆け落ち結婚で、旦那さんの奏の方は両親に捨てられたというエピソードです。その奏の絶縁した母親が亡くなっていて絶縁したし手切金を支払っているので連絡してこなくても遺産があったとて遺産も借金も放棄すると公正証書を出しているのでと大阪の母親の瞳の再婚相手から奏の兄の禅に送り付けられたのは瞳の日記帳でした。「さすがに。。。黙っていられないので。」と。筆跡からして亡くなった瞳の書いたものは間違いなく瞳は口が軽くペラペラいろいろ喋る性格だけど、今まで子どもや元旦那にしてきた事をペラペラ喋ると自分に不利になる事はわかってはいるんだけど。。。
それでも黙っているのはツラいと王様の耳はロバの耳みたいに秘密の日記をつけていて。。。大事に隠していたようで。悪いですが目を通しましたら。。元の旦那さんやお子さんが可哀想で。それに、酔っ払って前の結婚で酷い事をしただの騙しただの。。。子どもの時はさすがに録音しませんでしたが。。。ある程度の年齢になって。。あまりにも。。。瞳の元旦那さんが可哀想になり録音もしています。私は貴方達を尊敬してますから。と、大阪の異父弟から連絡がありました。
子どもがいると再婚できないの。かと言って、養育費はいただかなきゃ。はぁ。。。
大阪の異父弟は、さすがに有名人の奏の方は遠慮して兄の禅に連絡を取ってきました。
という、青山家。お隣さんの事情をこれからランチがてらにミーシャが頼りになる環に相談しています。
スペアリブのいい香りがします。喜美が、朝からスペアリブとサラダとサンドイッチを作ってミーシャの高校生の双子の弟にお弁当を持たせて、後は環や純やミーシャのランチにしました。朝から「駿ちゃんもいると、もっと張り合いがあるんだけどねぇ。」と喜美はそう言いながらスペアリブを作ります。駿ちゃんというのは駿栄で、プルメリア島で元気にしていると聞いて喜美も泣いて喜んだものの。。。駿栄は、小さい頃から喜美のスペアリブや豚の角煮が大好きで。
夏目さん。。。お隣の駿栄の家庭は一癖も二癖もあるし。家出して正解で、遠くから駿ちゃんの成長を見守るしかないけど。もう。。東京には帰って来ないのかなと。そんな喜美の朝からの手作りランチを食べながら、ミーシャが、
「多分。。。オーガストさんというタクシードライバーさんが。。。私のお爺さんだと思う。再婚したけど、再婚した奥さんはお亡くなりになったみたいで、再婚した後の子どもまではわからないけど、今はプルメリア島のプルメリア港の極楽鳥花の古民家で一人暮らしみたいだわ。リリコが木蓮寺に取材でオーガストさんにタクシーを依頼して、オーガストさんに取材やアシスタントも頼んだみたいだし。頃合いを見計らって聞いてみるって。。。」
純ちゃんが思い出したように
「あっ、極楽鳥花の古民家は見たことあるわよ。プルメリア港の近くでしょ。そうなんだ。。。そこに住んでるんだ。。。」「私からしたら。。。二度と会う事は無いと思ってたお爺さんだったんだけど。亡くなったお婆さんに騙されてたみたいなんだよね。なんか。。。ちょっと可哀想な気がして、あちらが私達に会いたいかどうかはわかんないけど。。。」
環が、「悪い人ってわけじゃないと思うわ。だって。。ミーちゃんのお父さんが有名人って知っていてあちらからは何もせず何も言ってこないんでしょ?酷い人なら親だから。。。って。。有名人の子どもと疎遠でもすり寄ってくると思うし。」ミーシャは、「私も。。。それは、そう思うんです。」ミーシャは、いまどきの子らしく、スペアリブやサラダをスマホに撮っていました。純ちゃんが、ピッチャーからグラスにレモン水を入れると。。。
「あ。。。あらっ」さりげなく。。昨日の同窓会写メを見ていたミーシャがギョッとします。
再び木蓮寺。。。
あらっベルモが、オーガストさんにお説教中に、なぜか長いことスマホのマナーモードがboob〜ブーいい初めています。ずーっと
ベルモに子どもと上手くいかない旧社会的な考え方の小言を言われたオーガストさんは、「お大福様。。。それほど呼び出し音が長いとは。。。緊急事態ではリリコさんさえ大丈夫ならお電話に出られては。。、」とスマホに話をそらすとリリコも、「私は大丈夫よ。それにしても、出たほうがいいんじゃないのあまらに呼び出し音が。。。誰から」リリコが言うと。。。「えっ。。。純ちゃんからだわ。。どうしたのかしら。純ちゃんならLINEを知ってるはずだし。わざわざ掛けてくるって。。。」「純なら出て。。。話しづらい事ならすぐお部屋から出られたら大丈夫だし。」リリコが言います。
いったい。。。何があったの。。。
「はい。もしもしベルモです。」ベルモが電話に出ると「ごめんなさい、ベルちゃん、いま確か、もしかしてリリコと打ち合わせだっけ」「ええ。。。そうなんだけど。。。」
「あの。。。お仕事中ごめんなさい。ちょっと。。。いいですかあの。。。邪魔かなぁ。。。」
純ちゃんには珍しく沈んだ声で。。。「大丈夫よ。。リリコさん達には許可を得てるわ。。何か。。あったの。」
えっ。
純ちゃんの話だと昨日同窓会があり、写メを何枚か撮ったのだけど。。。その写メの純ちゃんが半透明に透けているらしく。。。怖くなって霊感があるベルモにどういう事か、どうしたらいいの、怖いとの事で、ベルモはとにかく写メをLINEに送ってちょっと見てみてすぐ折り返すからと。
「どうしたの。。なんか、大変そうだけど、」とリリコが言うとベルモが簡単に状況を説明しました。
すると、純ちゃんからの写メが送られてきて。。。
「オーガストさんも。。。霊感はあるわよね。」ベルモが言うと。。。オーガストさんは、「お大福様ほどじゃないですし。。私はそれらしきものを見るという事があるというだけで。。。リリコさんの同級生の方なんですか。。。」
ベルモが、LINEで純ちゃんから送られてきた写メを見ると確かに。。。どこか雰囲気がいい居酒屋でガヤガヤ若い子達が飲んでいる様子で。。。確かに。。。純ちゃんが。。半透明に、。。「これは。。。。」と
ベルモが全く不釣り合いな渋い気難しい顔で
かなり深刻な様子で
写メを穴が開くように見つめると。。。
オーガストさんが目を見開き。。。
リリコははっとしました。半透明な純ちゃんの事もびっくりして気になったものの。。。それより。。
オーガストさんは。。。純ちゃんの不思議な写メではなくて
あれは。。。
間違いなく
オーガストさんは。。。一緒に写ってるミーシャに。。。写メに写ってるミーシャに気づいて驚いてるわ。。。そうよ。。。あの子青山奏の娘でチラッとマスコミで紹介された事あるし。オーガストさんがお爺さんなら内緒でチェックぐらいしてるわよね。。。アタシが。。。ミーシャと同級生って驚いてるのかしら。。。