「あのーベルモさんの、魅力をどーしてそんな、魅力的なんですかぁー。なんだか、みょうに惹きつけられるわ。」リリコはどうも、ビールでカンパイしてから出された冷酒がクーっと喉越し涼やかに効いてだんだんと酔いが
まわってきて。フワフワと酔っ払ってきたらしい。
それもそう、昨夜は同級生の駿栄が、プルメリア島の都心部プルメリアリゾートのホストクラブ熱帯夜でホスト流星をしているので、励ましと再会に会いに行って結構飲んできたのだ。ちょっとぽわんとしはじめました。チャンポンだし。。。
「まぁ。。。リリコさん、だいぶ酔っ払ってしまったのかしら。。。」ベルモが言うと、「イエ、イエいえ。。。イェーい。。酔っ払ってるわけじゃないんだけど酔っ払って言うわけじゃないですが、ベルモさん、かなり魅力的ですよ。」「あのう。。。リリコさんみたいに綺麗な人がアタシに言っても。。。女の子が言う可愛いとか、綺麗って。。。綺麗な人は余裕があるからね。。。」とは言え、ベルモは、女性の綺麗だとか、可愛いとかそう言う問題にほとんどコンプレックスがありませんでした。私は綺麗じゃないとか、私は太っているとか。。。綺麗な子が羨ましいとか。。。 そうやって綺麗な人を羨み比較して落ち込んでる女性は世の中にいるのでしょう。しかしながら、ベルモはワタシはぶーちゃんだし、ちんちくりんのチンクシャだし。と、自分で言うものの。。。
魅力について、ベルモは、あるがままのわたし。あるがままだと言ってなんにもしないわけじゃない。自分らしく日々生きて日々バージョンアップしてますます私になっていくわたし。
ベルモにとって
綺麗な女性、スタイルが良い女性は他人様の問題だし。他人が綺麗でスタイルがよい美しい女性ならそれはそれで素晴らしい事だし。
いちいち可愛い子を妬んでいては。。。
でないとフワフワコロコロした可愛らしい赤ちゃんや、幼児が集まってくる木蓮寺幼稚園の先生なんかやってられません。それに、ベルモは友達も美人や可愛い人が多いわけですし。産みの親が、アマゾネスサンクチュアリィのオーナーの葉月さんだと知られるとギョッとされますが、事実なんだからしょうがないし。お母さんは細くて綺麗なのにみたいなニュアンスで驚かれてもあまりなんとも思わないんだよね。プルメリア島の海でミリオンと拾われて産まれてすぐに木蓮寺に来たしお母さんと、暮らしたわけでもなく。最近になって、ミリオンときょうだいという事や美術家のヴィーナスとも三つ子のきょうだいという事や、母親が金星人で父親は、プルメリア島のタコプルメリアンスキューバーズで既に亡くなった、母親は葉月という事を知ったばかりです。はっきり言って。。。
自分の正体やら出生の秘密を知るまでは周りからはミリオンと一緒の多分どっかの星の宇宙人の赤ちゃん、子どもではないかと考えられていて。自分の正体やらは。。。と悩んだ事も知りたいと思った事も、親はどこにいるのかとか。。。普通は考えなければならない事も全く考えたことすらなく。。ベルモは赤ちゃんだった頃もなかなか記憶がありすぐに、周りとコミニュケーションが取れたり喋る事ができましたがただ、環境この木蓮寺に来て、毎日毎日。。。仏様や御神仏とも話しをするようになったりして。。木蓮寺にやって来た事は。
まるで水を得た魚のようにスイスイと。クラクラめまいがするほどに快適な環境に置かれた事を。。魂が震え揺さぶられ。。。明らかに自分でも魂が喜んでぴょんぴょん飛び跳ねるような。。実感があり。。。
魂に従うままの自分にピタッとフィットした感覚
本当に
雷に撃たれた様な衝撃的な感激と感動の連続で。。
ただもう、この木蓮寺に来た時はなんせ、ミリオンの里親の桑田氏が、てっきり海で拾われた真っ青で冷たいベルモを亡骸かと思い可哀想なので菩提寺の木蓮寺でお葬式でもあげてやってくださいと、それがきっかけでこの木蓮寺に来た身だし。。。ミリオンは拾われてすぐに息を吹き返し、桑田氏に引き取られ、亡骸かと思われ木蓮寺に連れてこられたベルモは、木蓮和尚が、お経をあげると、ピクッと動いて仮死状態で実は生きている事がわかり、そのままこの木蓮寺に引き取られる事になり
ただもう、その時点で死んでいたかと思われたのに。。。なんでこんな幸せなありがたやー命があるだけでも感謝、感謝というのにお寺というベルモにとって至福の夢のような環境を与えられて。
見るものすべて生きとし生けるものに感謝して一度は死んだ身。。。仏様に無条件降伏し。。。足りないだの不幸だの文句を言うのを辞めて
もう、そんな女子力高いだの綺麗だの可愛いだの。。。痩せたい、スタイルが良いだの。。。
女性に産まれるがゆえのつきまとう悩みだの
そんな事どうでもよく、自分が何者かとか親が誰だとかも考えている隙もなくただ、いまこうしてご縁があってこの木蓮寺森沢家に来て家族になって僧侶になった事しか考えてなくて。生きているだけでありがたやーと思うだけだった。だから、木蓮寺に養女ができた、里子のベルモという宇宙人らしき子どもが。。と、ちまたの噂に聞いてベルモを知らない人たちが勝手に
どんだけ可愛い美少女が来るんだろうと、ワクワクして木蓮寺にベルモを見に行くと餅かマンジュウみたいなおデブが出てきてひっくり返る人々もいるけど。。。
そんな事、気にしない事にした。
島から少し離れて北側の陸地
神楽町市に住んでいる天才美術家のヴィーナスが、まさか自分と三つ子のきょうだいでヴィーナスは有名人でマスコミにもなかなか知られていて、周りからは、ベルモやミリオンは、あのヴィーナスは金星人とプルメリアンスキューバーズのハーフらしいけど、二人ともヴィーナスに
似てるし、貴方達も、同じ種族では尋ねれば、あなた達の出生も判明するかも。と言われてはいたものの。。。
あちらさんは雲の上の成功している超有名人。。いきなり訪ねていけば、卑しくも、有名人になれば親族も増えるで、図々しい押しかけにわか親族みたいな
いかにも有名人の金目当て、利権目当ての
ゲスな輩に思われたらとミリオンやベルモの里親を含めて
なかなか躊躇してましたが、ひょんなきっかけとご縁により結局は、
ミリオンもベルモも
ヴィーナスと会う事になって。。。
それによって自分の出生の秘密が明かされたけど。。母親葉月の出産時元看護師の悪い女に騙されて元気ピンピンのヴィーナスだけは助かったと見せかけて。仮死状態の
ミリオンとベルモは死産と嘘をつかれて笹舟に乗せられてお弔いだと海へ流されたのだけど。。
そんな自分を騙して海に流した罪人でさえ。。。この木蓮寺に導かれたのも悪い人が悪役をやってくれたんだからここにいるんだと感謝したり。なんて事をベルモは、ほろ酔いのリリコさんに取材のうちとしてアレコレと語っていました。リリコさんは、お酒がすすんでかなりゴキゲンサンのようだ。「大丈夫ですか。。。リリコさん、このあと青の洞窟の取材できます」リリコの臨時アシスタントをしているタクシードライバーのオーガストさんが心配しました。「青の洞窟は、暗くなってからでもライトアップの写真が撮れればいいだけだからね。オーガストさん。お仕事延長いいかしら。」本当は、木蓮寺を訪問してお昼過ぎに青の洞窟でオーガストさんにお礼としてランチをごちそうして、で、夜は時間があれば、また駿栄のいるホストクラブの熱帯夜に顔を出してみようかどうしようかと。。リリコは最初はざっくりとそういう予定だったものの。。。あくまでもそれは、見立てていた予定でした。
「今日はリリコさんの貸し切りの仕事のみをしようと思っていたので会社に連絡すれば延長は大丈夫ですよ。私も今はもう一人もんだしね。」
キレのいいフルーティーなおすすめの冷酒が効いてきたのかリリコは、ついつい、気が大きくなり口が滑らかになり。。。
「あのー、オーガストさん。。。オーガストさんって。。。ウチの近所の幼なじみんちのお父さんにそっくりなんです。。。って言っても、その人四十代半ばだと思うんですが。。。」リリコはお酒の勢いでか、あまり考えもなく切り出しました。本当はもっとじっくりと慎重に。。。オーガストさんに聞いてみようかと考えていたのですが。
「えっ」
ぎくっ気まづいというより驚きの表情でオーガストさんはリリコを見ます。
さっき。。。リリコは、純ちゃんが透き通るみたいに写っていると、ミーシャからの同窓会の飲み会を写した写メを送られてきて、オーガストさんは、
驚くべきの透けた
純ちゃんよりも、隣に映るミーシャに驚きの表情をしていたのを。。確かにリリコは感じていました。。。
「というか、おそらくここにいる誰もが知っていると思われます。有名人ですからね。」酔っ払っているリリコはあまり考えなく話しをすすめて。。すると、驚くほど即座に。。
「オーガストさんに似てる有名人って。。ホラホラ、あ、わかったー、飲食の飲食王。。えーっと、名前、名前は。。」お酒の入った木蓮和尚が言います。すると福ちゃんが、「マスコミに時々出てる真っ赤なランボルギーニ乗ってる人じゃないウチのにいちゃんもランボルギーニ乗ってる奴がいて、僕も将来ランボルギーニが欲しいんだけど。。。えーっと。。。青山さん、青山奏社長じゃない。」
アザラシの
福ちゃんが言いますと
「はぁ。。。あの。。。」オーガストさんは、お好み焼きを食べる箸を止めました。
なにか。。。気まずい事を。。。聞いてしまったかな。。ただ。。。青山奏に似ているねという話を出して。
オーガストさんに似ている有名人という話しをすればすぐに、木蓮和尚も福ちゃんも口をそろえて青山奏社長と言います。でも。。。飲食業界ブルーモーメントの社長青山奏と言えば。。。
お兄さんの禅さんと子どもの頃から両親に捨てられて祖父母に育てられたが、祖父母もまもなく亡くなりというエピソードが世間では知られ渡っております。小さな子どもを捨てた親。。。
木蓮和尚も紫子夫人も濃紫婆様も、けっこう木蓮寺にタクシー業務でお客様を送迎し顔見知りのオーガストさんが、まさか。。。たしかに。。。マスコミで見る青山奏社長とオーガストさんはそっくりで、青山奏が歳を取ればこんな感じオーガストさん。。。
とは思うものの、とてもじゃないけれどこの穏やかで物腰柔らかい老紳士が昔ちいさな子どもを捨てるなんぞ。。。青山奏がマスコミに発表しているエピソードの小さな子どもを捨てて養育費すら支払わないような父親の印象がどうしても目の前のタクシードライバーのオーガストさんに結びつかなくて。。。
だからどうしても。。。確かに似ているけれどまさかこのオーガストさんが青山奏の関係者だとは。。。ちょっと想像がつかない。ので、その場はただ有名人の誰々に似てますねー、というよくありがちの軽い社交話題を酔っ払ってリリコがなんとなく振ったという空気でした。
「時々。。。お客さんに言われますね。あれ、青山奏社長に似てませんか、って。」ぽつりとオーガストさんが言いました。「あら、そうでしょう。」紫子夫人が言います。「お客様には、そう。。。ですか。。ねェ。。私はそんな才能なんか全然無いし、別世界の人ですねって言うんですが。。。」オーガストさんが言いました。
この話題はここで自然に消える。。。と誰もがその場。。。しかしながらリリコは酔っ払って。。。「あのね、青山奏社長って世で知られたエピソードは、両親に捨てられたってそうなってるんだけど。アタシの幼なじみのミーシャ、青山家の次女の話しだと、奏社長とお兄さんがお母さんに騙されたんだって。お母さんが再婚して、異父弟から連絡があったんだけど、事実を書いた日記帳やら酔っ払ってお母さん本人がペラペラと、養育費目当てに息子達の親権を取り再婚に不利なので自分の親に押し付けたって。。で、養育費を使い込んだり奏社長やお兄さんには、お父さんが酷いやつで借金があったから逃げたって嘘をついたけど、ホントはお父さんが海外に行くので英語やフランス語ができないお母さんはどうしても日本にいたくて、浮気相手の親しい男性もいたみたいだし。。海外に行きたくないのとお母さんの浮気で、お父さんと離婚したのに、全部別れたお父さんが悪いみたいに子どもを洗脳していたみたいよ。でも、再婚する時お母さんからいらないと言われた奏社長とお兄さんは。。。父親と離婚してからも母親が旧姓に戻さず。。普通酷い旦那と離婚したら厄払いで旧姓にサッサと戻すよな。それに離婚してから、母親は息子達を実家に押し付けて。。。面倒を全くみず。。。夜の仕事で派手な母親の日頃の態度や行いが。。
薄々お母さんに不信感を持っていたものの。。。お母さん側の祖父母に引き取られたんで。。。お父さんとも会ってないし、そのままだったんだけど。。どうも。。、、最近になって、お父さんに対して誤解していたんだって。お母さんは再婚で息子達を捨てたくせに、息子が成功したら何度もお金の無心に来て。。。奏社長兄弟は、お母さんとは手切金を渡して絶縁したみたい。」
リリコが言えば。。ベルモが、
「まぁ、ウチのお寺の人生相談も。。時々あるけど有責なのに離婚して親権を取ったもん勝ちで。相手に子どもを全然会わせずにずーっとお父さんが悪いだのお母さんが悪いだの、会わない人を悪者にして親権を取った親から長年の
嘘をつかれていたって。。。あるのよね。酷い話しだわ。。子どもは親を選べないというのに。。。」
リリコは、「だからね。奏社長。。。青山のおじさんは。。。多分、実のお父さんに会ってみたいんじゃないかなぁ。。。オーガストさんが、青山のおじさんに似ているし。。。オーガストさんからいただいた名刺に、青い山のスタンプが押してあるでしょ。だから。。。もしかして。。オーガストさんは。。。青山さんって思ったんだけどー、そんなドラマじゃあるまいし。。でも。。。青山のおじさんも最近絶縁したお母さんが亡くなったのを知って、いろいろ考えてるみたい。。。」
リリコが言うと。。。
「ひ。。。瞳が。。瞳が亡くなったんですか。。。」
そのとき。。。オーガストさんは、気がつくと止めどなく滂沱の涙を流していました。
2021年04月23日
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