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2021年02月27日

マリッジcelebration261喜びも悲しみも南風に乗って。。。

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オーガストさんは、木蓮寺から指示された
参拝客用ではなくて
森沢家の方の駐車場にタクシーを停めると、「平日なのに朝から結構参拝客さんがみえますね。と言いながらお客のリリコとタクシーを降りました平日なのに境内は賑わっています。吾朗太さんに会った後すぐに木蓮寺に向かいがてらにだいたい吾朗太さんが何をどう言っていたかを霊感があるオーガストさんが通訳のようにリリコにさきほどの吾朗太さんとの会話を話していましたが、

木蓮寺に到着したリリコは、「あら、だけどさー、木蓮寺幼稚園は敷地内って言ってもだいぶ木蓮寺は広いのよ。見てほら、」
とリリコが言う、「確かに広大ですねー。」ひぐらしの鳴く境内で、南風に乗って幼稚園児の合唱が聴こえてきました。「こんなに広ければ、吾朗太さんは、わざわざ幼稚園スペースに行かずとも、境内や反対側の方に居たらいいんじゃない。昼間の木蓮寺がそんなに嫌なの。。。」「そう言う次元の問題じゃないと思いますよ。吾朗太さんはこの木蓮寺で寝泊まりしていて敷地内に幼稚園がある事を知っていてこうやって、風に乗って幼稚園児の歌声や楽しそうな歓声も聴こえてくるんです。また、昼間は幼稚園スペースじゃなくても、楽しそうな観光客や家族連れがたくさん来るんです。。。多分。。そういう前途洋洋な今を生きる人や、明るい未来を背負ってる愛される子どもを目の当たりにするのが身を斬られる思いなんでしょうね。」「でもじゃあ、なんでお寺にわざわざ寝泊まりするのかしら。」「おそらく。。。会話からして、何度もデブがって言ってたんで。失礼ながらこちらのお寺のお嬢様のお大福様と親しいのでは。。。お大福様は霊感があってある程度のお喋りを吾朗太さんとできるんじゃないでしょうかね。だから居場所みたいになって頼りにしてるんじゃないでしょうか。」そろそろ時間になって、リリコはオーガストさんも木蓮寺に住む吾朗太さんの幽霊を見て喋ったので、後でベルモに吾朗太さんについて聞いてみるし、良かったら取材に同席してくださいとお願いしました。9616B252-855E-43E6-8983-CF091D5EFE5B.jpeg

10時きっかりに、リリコはチャイムを鳴らしました。森沢家本宅と渡り廊下の離れがあります。

玄関が開くと、穏やかそうな太めの木蓮和尚が、

「こんにちは。ようこそ、いらっしゃいませ。どうぞ、お入りください。」にこやかに歓迎してくれました。「こんにちは。叶リリコです。本日はご貴重なお時間をいただきまして、お招きいただきありがとうございます。こちらは、取材をお手伝いいただきますプレゼンスタクシーのオーガストさんです。」「こんにちは。」「こんにちは、オーガストさん、今日は取材のお手伝いですか。」木蓮和尚が言いました。お仕事柄オーガストさんは、木蓮寺に檀家さんや参拝客さんを迎えに来る事もあり、木蓮夫妻とは顔見知りでした。

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リリコとオーガストさんが
木蓮和尚に涼しげな奥座敷に通されると、ふすまが開き、抹茶を入れた木蓮和尚の奥さまが「いらっしゃいませ、奥の紫子でございます。

紫子夫人がお抹茶をいれてオモテナシしてくれたのはいいのですが、ふすまがまた開き茶菓子を持ってきたベルモを見て
クククククっ。。
ぷ。。。ぷぷっぷぷっぷぷっぷぷっ。。ぷー。

あーアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハアハハハハハ6D30D9EF-D2D2-4806-A5E2-4DC5CD1C8F8A.png

し、しまったーっ。ベルモの姿はネットで見てるのでこんなものかとなんとなくリリコは把握していました。初対面の人に笑われたりするとホームページのベルモのエッセイに書いてあり、もはやベルモ自身はネタにしているようでしたが、まがりにも女の子でお気の毒だし
失礼なので笑わない心構えじゅうぶんだったのに。。まんじゅうがまんじゅうを運んできたー餅みたいな人が饅頭を運んでくるなんてルール違反蟻がエサを運んでくるより新鮮
キャー
な。。無いわー1653CD3C-620B-4FF1-96C2-8FD8E6D0DB22.jpegもはやボケ

しかしながら、ベルモは初対面の人から笑われたりからかわれたりするのは鍛錬に鍛えられた筋肉の様にびくともしない修行を積んでいるようで。。。不動心だか平常心で余裕に溢れた笑顔でにっこりとおー。福々しい神々しいこういうところが、このお大福様の尊敬されて人気があるところなんだろう。。。器や次元が違うかもしれない。。まるで悟りの境地なベルモにリリコは感動しました。ところがまた。。。

「森沢ベルモ、木蓮寺僧侶大福でございます。」ベルモはお利口に挨拶しました。ベルモが大福です。と言ったので、僧籍大福さんというのはわかっていましたが、リリコは名は体を表す、文字どおりととうとうさらなる不可抗力かのボケ倒しにひっくり返って笑いが堪えなくなりました。

オーガストさんは、ベルモを何度かは見かけた事があるようで笑わらうことはありませんでした。

「ごめんなさい、本当に失礼しました、はじめまして東京から来ました都王新聞文化部叶リリコです。こちらは、本日アシスタントいただきますプレゼンスタクシーのオーガストさんです。

紫子夫人はお茶を木蓮和尚とベルモ、向き合ったリリコ、オーガストさんに出すとごゆっくりと席を離れました。ベルモもお茶菓子を出すと木蓮和尚の横にちょこんと座りました。C19565AE-D5B5-4B14-A558-FAF17E89DAED.png

リリコは、地元渋谷の小洒落たスイーツの手土産を木蓮和尚にお渡しすると、深々と御礼をしたのち

「遠方からわざわざお越しいただきまして。住職の木蓮と、娘のベルモ、僧籍大福でございます。本日はよろしくお願い申し上げます。」木蓮和尚とベルモが挨拶をして、よろしくお願い申し上げます。と、リリコとオーガストさんも頭を下げました。「私、ハリネズミの神野純の幼なじみです。近所で。プルメリア島に来ているホストクラブ熱帯夜の流星も純の隣の家ですし。二人とも幼稚園以前からよく知ってます。純がベルモさんと仲がいいとかで、流星からは、昨日お店へ顔を出したらプレゼンスタクシーのオーガストさんを紹介していただきました。
あっ、流星というのはキャストとしての源氏名ですね。本名駿栄です。」リリコが言うとベルモが、「あっ、ウチのお寺に純ちゃんと話し合いに来てたベーグルの。。。」というので、木蓮和尚が、「何度もゆうとるのに。。。駿栄さんはビークルじゃ。」「てへっ。そうだった。。。うちの幼稚園も生徒に何人かベーグル。。。ビークルちゃんがいるけど、ベーグルとビークルを間違えて。。。メインクーンとメークインを間違えるし。。。」ベルモはそう笑う
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木蓮寺については。。。
遥か大昔、神々の遊び場として福の神が別荘地としてプルメリア島をつくり。不思議な事に周りの地域は四季があるのにプルメリア島だけは常夏で。天国に一番近い島というか、生きているのにまるで極楽にいるような絶景の島になり。それを祝福するかのように島中に
花盛り。。。
プルメリアが咲き乱れました。96B8B6FF-3548-41E2-8368-DDD0BCC09C9A.jpeg
木蓮寺の裏庭にある生命の女神の井戸は、くめども尽きぬ美しい湧き水がある日突然溢れて今は汲み放題でペットボトルやタンクを持って参拝客や近所の人々が水を汲みにきています。プルメリア島に
突然湧き出た
聖なる幸せの水が溢れる記念に
その場所にお寺を建てた美術や建築系の福の神達が、さらにお寺を建てた記念に他の福の神々達を集めてお寺で飲めや歌えの祝宴をはじめました。福の神のラブは薔薇、笑〜は芍薬のように、昔っからF65779C9-DF90-40A6-8768-7FE2F1B3B497.jpeg

女性の福の神の福の女神達は、それぞれ自分のイメージフラワーがあり、福の女神達が、祝宴に飾る為にそれぞれの花を持ち寄りました。

お祝いの福の女神が自分の可愛がっているおめでたい紅白の甘い香りがする美しい木蓮の花びらを木蓮吹雪に撒き散らしました。すると、
常夏には普通は生えない大好きな
おめでたい紅白両方ともの
木蓮の木の群れがプルメリア島の中で木蓮寺の境内だけには一年中常に咲き誇るように生え出しました。福の女神達の花の中でも木蓮の花だけが、お寺に残り根付いて繁栄したので、このお寺は木蓮寺となりました。喜んだ祝福の女神は、木蓮寺に無数のヒグラシを住まわせ、長い歴史から今まで木蓮寺の境内には、ヒグラシの鳴き声がします。
そして遥か昔の森沢家の先祖の一人が、数人の仲間たちとたまたまプルメリア島を発見して福の神々の酒宴を覗き見て宴に参加させられると、その中のリーダーだった森沢家の森沢無限心(むげんしん)が、代表として
福の神に依頼されてお寺を預かる事になります。僧侶なんて滅相もございません。と森沢家のご先祖はお断りしますが、木蓮寺は、結婚もしていい、むしろ子孫繁栄おめでたいので愛し合う二人が結婚し、温かい家庭を持つ事を賞賛するし、結婚もしたくなきゃしないでいい。

肉や魚も命をいただくと感謝していただいて良い植物だって命に過ぎないし。断食なんかないし、やりたきゃやればいいし腹がいっぱいになったら断食して腹が減ったら断食は辞めればいい。酒も般若湯と嘘をつくぐらいなら飲みますと飲んでよろしい。お神酒で神様だってお酒を供えられ飲んでいるだろう。いいものだから神様が飲むんだし、仏様だって下戸ばかりじゃあるまいに。

楽しい前向きなお酒なら。。。
この世にいる人それぞれが、お互い様の違いを尊重し合ってその人らしく輝いて世の中を照らして豊かにする。うちは、女性が生理だから仏様に参拝するなとか生理だから穢らわしいなんて狭い気持ちの仏様はいないし、置きません。夫婦やカップルで来ると嫉妬して別れさせるなんて下世話な御神仏はうちの寺にふさわしくないので一切敷居をまたがせないから。。。

と熱心に頼まれて、楽天的でおおらかなで愛と感謝に溢れている宗派なら、と森沢家の遥か昔のご先祖様の森沢無限心が木蓮寺の住職になりました。木蓮和尚は、木蓮寺の馴れ初めを語りながら
「私は本当は、料理人になりたくて仕方ありませんでした。だけど、男児は私だけ。姉が三人、妹が一人います。昔から、檀家さんやご近所さん全国の檀家様から贈り物や食材の贈答やご寄付をいただきまして、私は子どもの頃から大好きな料理ばかりしていました。うちは、神様だってスルメをお供えされてるわけだし。植物も生命体だし、植物も土に還った動植物を養分にしているので、生きとし生けるもの、お互い様に命をいただいている、感謝していただきなさいで、肉も魚も食べて良い宗派でしたし子孫繁栄賛成の結婚も子どもも賛成の宗派でしたので、私はお寺を継ぐのはどうしても嫌という事はありませんが、本来は料理人になりたかったですね。後から妹が私がお寺を継いでも良かったんだけどー、と言われてしまったとは思ったもののこれも仏様のご縁なんでしょう。
木蓮和尚は満更でもなさそうです。リリコは、ICレコーダーで木蓮和尚の会話を録音しています。
「うちの住職候補は、代々若い頃2、3年北海道の風蓮寺に修行に出されます。神楽町市の睡蓮の池が美しい水蓮寺の兄弟子の水蓮和尚と私は三年ほど風蓮寺で修行をしました。神楽町市は四季がありますが、プルメリア島は常夏です、あえて北国の北海道に修行に行きます。うちの母親の濃紫は、100歳過ぎましたが、元々札幌の人間で若い頃風蓮寺のお手伝いをしていた時に風蓮寺で修行中の亡くなった先代の翡翠仁と知り合って結婚しました。濃紫は、木蓮寺の檀家ですが、かなり遠方なので風蓮寺がなにかと木蓮寺の代行をしてくれます。そのご縁で母親濃紫は風蓮寺の手伝いに出ていましたが、それも私が産まれてくる仏様の巡り合わせでしょう。若い修行僧が、お寺にお手伝いに来た若い娘と恋に落ちて結婚など。。。なんたる事かとおっしゃる方々もいらっしゃるかもしれません。しかしながら、風蓮も木蓮も、両方ともお寺は仏縁、ご縁、良縁、子孫繁栄を大事にしている宗派です。父親がハタチ、母親が16歳の時に二人は結婚しました。
木蓮和尚はさらに続けて
こんなはずじゃなかったなんて事が人生には誰にもあると思いますが、今ここにいる幸せに感謝できるのが幸せなのです。後からあの時嫌だった事や失敗など、今思えばあれで良かったと思える成長の気づきなど誰にもございましょう。私なんぞ、料理人になりたかったと言っても生来職人気質ではありません。むしろ人と話すのも料理と同じぐらい大好きですからね。趣味として料理もできて、僧侶としてたくさんの方々と交流させていただき、なんとまぁ幸せで贅沢な事でしょうか。私もウチの寺があれいかんこれいかんの厳しい宗派でしたらグレて家出して逃げていたでしょうね。妹や姉も厳しい宗派には合わないでしょうし、それ以前に女人禁制で女性はダメでしょうしね。。。」「もちろん否定はしません、他人様の信心は。。。しかし。。あまりに厳しいと変態のドMかしらと思っちゃうもん。」リリコがかなりズレた事を言うと「リリコさん、バチあたりですぞ。。しかし、私どもは、縁結びのお寺として良縁を結び悪縁を切るお寺でもございますし、結婚や出産、子孫繁栄をおめでたい事として称賛し婚活のイベントもしています。ここ最近近年は婚活をするお寺や仏前結婚式を行ったり、男女の結びつきを祝福するお寺が多くありまして、家族連れで訪問していただく方々も大変多いです。反面、私どもは、人生相談としてお寺の一室で悩める人と面談ご相談を行なっております。」木蓮和尚が言うと、オーガストさんは、「私もご家族連れやお子様と和気藹々とした方々を乗せて木蓮寺に来る事もあれば、今にも大丈夫かな。。。という方々を乗せてここに来る事があります。なんとも言えない複雑な気持ちです。」「天国と地獄って言ったら変なんだけど。。。病院でも、出産と堕胎と、亡くなった人が混在する不思議な場所だけど。。お寺も縁結びと死者へのお弔いと。。。なんだか、陰陽が激しい不思議な場所ですね。。」リリコが言います。「因果な商売です。」ベルモが言います。「ベルモさんは、このお寺の僧侶になられる時に、随分と和尚様ご夫婦に反対されたとか。。。」リリコが言いますと、ベルモは、
「もう大変でしたよ。精神病院に入院させられる寸前でしたし。」「えっ」「若い女の子がこれから成長する今時の女の子が僧侶ってって。。。木蓮和尚様ご夫婦の時代は結婚して出産するのがステータスな時代で、和尚様のお子様達も独立して家庭がありますし、私は女の子として育てられる事になりましたから、木蓮寺幼稚園を手伝っているのは微笑ましく思われましたが、でも、僧侶になりますと言った時は。。。私は一生結婚する事もありませんから、と宣言した時は。。。和尚様ご夫婦に泣かれましたね。なぜ幼稚園の先生が良くって僧侶になるののが悪いのか私は理解できませんでした。。。私は生まれながら読経に安らぎを感じるというのに。

ベルモの言葉にゲストのリリコとオーガストさんは顔を見合わせてボー然としました。「なぜ。。。結婚したくないのでしょうか。」リリコが言いますと、「結婚したい方がわかりません。いちいち赤の他人に顔色を伺って監視しあって。。どこがいいのでしょうか。全く育った環境の違う人間が暮らして主導権の取り合いですよ。うちの木蓮和尚夫妻は持ちつ持たれつでうまくやってますが、私は結婚はしませんね。興味もありません。女の子なのに花嫁さんになりたく無いなんてと特に和尚夫人は嘆きましたが、時代を考えてください。長女の姉様、木蓮幼稚園の副園長の中村紅子先生は嫁いでお子さんもいるのでそれで良いし、和尚夫人の趣味のフリフリの服なら私の妹2人、チワワのミーナやココナに着せればいいのですよ。

あたしが、デブがピンクを着ると漫才師ですし。私はお笑い芸人ではありません、僧侶です。

うちは厳しくない宗派ですが、結婚生活ほど厳しい修行はないと思います。わざわざ厳しい修行をしたがる方々も多いのです。もちろん、私は他人様が結婚したいと思うのは全く否定しませんし、したければすれば良いと思います。」「幼稚園の先生ならベルモさんは子ども好きってわけじゃないのですか。子ども欲しくないんでしょうか、、」オーガストさんが聴くとベルモは、

「子どもは好きですが、自分の子どもを産んで育てたいって人とは違った意味の子ども好きでしょうね。世の中は、子どもが嫌いじゃないけどわざわざ産んで育てるほど好きじゃないって人もたくさんいるでしょうし、私みたいに子どもを産みたくはないけど、子どもに携わっている女性も結構いらっしゃるんでしょうね。働く女性もたくさんの世の中ですから、子どもはいないけど子どもに携わる仕事をする女性がたくさんいてもいいと思います。介護も子育てもやれない事は一人で抱え込まず、こじれる前にお金を払ってプロにお任せするのも私は良い事だと思っています。F5671546-1DD2-4716-997B-06439F0C904C.jpegベルモがこのお寺にやってきた経緯を説明しはじめると。。。


GU goo。。。グー。。。「お。。。お腹の虫が」11時を過ぎて、ベルモのお腹の虫が騒ぎ出しました。BB8ABFBF-80A7-4C66-A5D1-AE665133D048.jpeg

「リリコさん達、お昼のご予定は。。」と、木蓮和尚が聞くので、「この後、青の洞窟へ行くんですが、オーガストさんに御礼を兼ねて青の洞窟でランチを。。。ご遠慮するオーガストさんに、それじゃ私はお酒を飲みますから、話し相手とオーガストさんの取材もさせてくださいと。。。あっしまった予約してなかった」とリリコがいうので、木蓮和尚はニヤリとして、「青の洞窟は取材ですか」「取材というか、写真を撮ったり地元の人にインタビューしてみようかと。。。」

木蓮和尚はルンルンとして
「それじゃ、今から巨大鉄板焼きしましょう。明日はまた桑田さんのところで海鮮でしょうから、お好み焼きなんかどうですかね。おふたり様はアレルギー大丈夫ですか。」とにかく木蓮和尚はアホかと思うぐらいに病気のように料理モテナシが大好きなようで。。。リリコが、「でも、いろいろしていただきましては。。。」
しかし、木蓮和尚は強引に、「リリコさんがご予約をしなかったのも、ベルモの腹の虫が騒いだのも全て仏様の思し召しでしょうね。あっ、リリコさんはお酒を嗜むご予定でしたら、お酒も出しますよ。オーガストさんは申し訳ないですが、お仕事中なので、お茶かお水で申し訳ないですが。。。」「あら、和尚もお仕事中に飲む気がまんまんだわね。。。キラキラお目目で。。。」ベルモが言います。「まぁ、私がお昼の準備してきますから、このベルモに経緯の話をその間になんでも聞いてやってくださいませ。」そういうと木蓮和尚は席を立ちました。。。


すると、ベルモが、「あの、オーガストさん。。。オーガストさんは。。。変な事を聞いて申し訳ないんですが。。。幽霊が見えたり霊感があるんですか。」「えっ」「たまにうちに来る霊がいまして。。。タクシー運転手さんに話しかけられてそれが、ロシアンブルーで、極楽鳥花を供えてくれたとか。。。どうも貴方の事を言ってるんじゃないかと思うんですが。オーガストさんは、極楽鳥花の古民家住まいですよね。」「それが。。。朝、リリコさんとここへ来る前に見ましたよ。リリコさんには見えませんが、確かに話しました。なんでも、昼間の木蓮寺にいるのが嫌だみたいな気持ちらしいですね。ハリネズミの派手なお兄ちゃんでしょう。」「そうでしたか。。。幸せそうな幼稚園児が嫌みたいですね。私のクラスなんか特に小さくてふわふわの子が多いんでいつも私に生徒をいじり倒してきたり叩かれてます。別に子どもに何かするわけじゃないんで、害は無いしあちらから出て行くのでほおっておきますが。」「それじゃ、木蓮寺にいなくても。。他に行けばいいんじゃない。幽霊ならどこへでも行けるでしょうに。」リリコが非難すると、「とりあえずは安全安心なんでしょうね、あの人は。。。私と会話できますし。」「あの人。。。身元が判明したんでしょう。私はあの人のお兄さんという人をタクシーに乗せましたし。お兄さんからいろいろ聞きましたよ。。。お兄さんとプルメリア港でお弔いしました。。。吾朗太さんというんでしょう。。。」オーガストさんがいうと、

「確かに身元は判明したんですが、本人に言ってもそれを思い出せないんです。お兄さんの名前を言っても。。。本人が生前の自分を自覚すれば成仏できますのにね。


だけど、木蓮寺は結界が張ってあり。悪い霊や、さまよう霊が寄り付かないようにはしてあるものの。。。それでもこの木蓮寺に寄り付くというのは何か意味があるという事だそうだ。

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僕は。。。
あのお兄ちゃんを。。。必ず幸せにしてあげる。。。

天使のコウちゃんが、身を隠しながら森沢家の奥座敷を覗いています。南の風に乗ってまた、楽しそうな幼稚園児の歌声が聴こえてきました。

大きくなったらなんになる〜わーたしたちは宝もの、なりたいものになんでもなれる〜楽しいな〜、嬉しいな〜ニコニコ笑顔のお日様の中幸せいっぱい、夢いっぱい。。今日も元気にありがとう

キャアキャアパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
僕も。。。もしも生きていたらこの幼稚園であの歌をパパとママに。。聞かせてあげたかったなぁ。楽しそうだなぁ。。。
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あの子達は。。笑顔でぬくぬくといい香りのする木蓮幼稚園に通って。。。あのお兄ちゃんも。。。あんな幸せそうな子達が、いつも未来に希望溢れたキラキラした歌をうたう。

将来の夢をお絵描きして発表しあったり。。。


お昼間のここは天国にして。。。

あのお兄ちゃんには地獄だろう。。。可哀想なお兄ちゃん。


お兄ちゃんを早くラクにしてあげる。。待っていて。。。もうすぐ。。。626CE4B3-E57C-4C0F-A7F2-5E4217DE3BA2.jpeg





2021年02月20日

マリッジcelebration260そう言われても。。。記憶には少しもございませんが。。

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プルメリア島のラグジュアリーステイアマゾネスサンクチュアリィで宿泊するリリコは、

朝ごはんを食べると、目を覚ましがてらに地下の海底水槽のルームで色とりどりな魚の舞う海が見える水槽がある贅を尽くした海底スペースのルームで考えごとをしていました。「おはようございます。あら、貴女、昨日熱帯夜にいらしたわね。」美容業界の実業家白い清楚なワンピースを着たライオンの白鳥玲緒奈でした。「あっ、おはようございます。お見かけしましたね、こちらのホテルにご宿泊なんですね。私、学生なんですが、都王新聞の取材で東京からこちらに参りました叶リリコです。」リリコは玲緒奈に名刺を差し出して言いました。DDC8907A-33CA-42CB-BEC5-0E1CD9EF2CA3.png
「ありがとうございます。東京から。。私も、東京から来ました。エステや美容関係の会社を経営しています白鳥玲緒奈です。あら、叶、都王新聞ってもしかしてオーナーのお嬢様」玲緒奈がリリコに名刺を差し出して言いますと、ありがとうございます、とリリコは受け取ってあっ、そういえばTVでやり手の女性実業家としてチラッと拝見したような。。と思いました。

「ええ。父親の手伝いで。文化部の取材ですが。。。都王快遊記のね。私がプルメリア島の取材の担当になったんです。」「へぇ凄いお嬢様なんですね。。。流星君とかなり親しいみたいだったんだけど。。。わざわざ東京からこちらへ飲みに通ってるの」玲緒奈は大手の新聞社の令嬢ならそれもあるんでしょうねと思いましたが、リリコは、

「まさか、あの子は同級生なんです。家が近所で、こっちでホストで働いているって耳に入れて来がてらにちょっとご機嫌伺って。。」「まあっ、そうだったの。。」「いろいろあって。。。流星は東京を離れてやっと自分を取り戻せたみたいで。。元気で安心したわ。私たち、近所の同級生は幼稚園から中学校までずーっと一緒の子が多くってクラスが違っても仲がいいんです。流星も私も幼稚園から一緒で、昨夜は渋谷で同窓会だったんですが、残念ながらこっちのお仕事で私は欠席でしたけど。。まぁ、元気な流星にも会えたしね。白鳥さんは、熱帯夜にわざわざ通っているんですか」「私は美容業界のお仕事だから、定期的に美の福の神様の祈祷とアドバイスと勉強とリラクゼーションにこっちへ来るのよ。たまたま接待で行った熱帯夜でTOKIOがお気に入りになったわ。まぁ。。。でも、年齢的にはもう気晴らしの気分転換のお気に入りで応援してるってだけで夢中にとか情熱は無いわね。昔は。。。私もホストにハマったのよ。痛い目見てるからね。」「あらまぁ。」「クラブで働いて結構お金持ちのお客さん持ってたんだけど。。。そのホストにぜーんぶ吸い取られたしね。吸い取られるのがわかっていてやめられないんだもん。もう、懲り懲りのトラウマになったんだけど。遥か時を超えて。。。熱帯夜の接待で躊躇したけど。今はもう、お戯れのお喋りや遊びと気晴らしと励みになってますからね。なんか、世代もフィールドも違う人ってこんな考えも感覚もあるのか、って視野が広がるでしょう。それに、イケメンは目の保養だわ。」もう。。。恋をしていたのは遠い昔の夢のよう。夢から目覚めて現実で。。儚い夢はもう見る事がない。「そうなん。。。ですね。。成功してお綺麗で羨ましいのに。。」リリコは意外そうな顔をすると、はっと時計を見て、

「そろそろ行かなきゃだわ。取材のタクシーが門の外にお迎えに来るんで。」「あら、よろしかったらお時間があったらまた飲みません。熱帯夜じゃなくても。。。」玲緒奈が言いますと、

「今夜取材した事でまた熱帯夜の流星に相談に行くかも。ちょっとはっきりとはしないんですが。。こちらはあとプルメリア島に2泊するんです。こちらが無理でも。。。東京に戻った時に。ランチでも。今日は行き先でお酒を飲むかもしれないし、ある程度案内をしていただけるんでタクシーを貸し切ったんです。ほら、昨日熱帯夜で極楽鳥花が飾ってありましたでしょう。あれ、流星と饗君がそのタクシー運転手さんにいただいたんだって。港の近くの極楽鳥花の古民家の人だそうでちょうどこっちによそから来て住んでる人のインタビューもしなきゃいけないし。もしもドライバーさんがオッケーなら、取材をさせて貰おうかなって。」「あら、港の近くの古民家なら、送迎の時に通ったわ。へーあの古民家の。。。雰囲気あるわね。なんか、天国みたい。死んでないのに天国って変だし贅沢なんだけど。。。」

と、言いながらも魅惑的な風に揺らめいたプルメリア港の極楽鳥花の群れを思い出しました。甘酸っぱいような。。。。なんでだろ。あの花を見ると氷室終夜を思い出す。。。F491CBF9-952B-4D71-8F59-D0C9219153FC.jpeg
痛みを伴うめくるめく懐かしさだけど。。決して嫌いになれない。。。ゴージャスでわがままでエキゾチックで謎めいて神秘的で。。。

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リリコは玲緒奈と名刺交換をして挨拶をして別れると、庭園を歩き門の外でターコイズブルーのプレゼンスタクシーが停まっていました。

ドライバーがリリコに気づくと降りてきて、「おはようございます。ありがとうございます。プレゼンスタクシーのオーガストでございます。」と一礼し、

た、確かにっ。確かに青山のおじさんにそっくりだだけど、いきなりその話を出してはいけない。実業家青山奏は、世間的には親に捨てられたというエピソードが蔓延してるから。。

ミーシャにそれはどうも誤解だし、祖父は祖母に騙されたようだと聞いてるけど。


リリコはなんとか動揺を抑えつつ、「はじめまして、都王新聞社のアルバイトですが、叶リリコと申します。よろしくお願い申し上げます。
「はじめは、会社から上座、木蓮寺とお聞きしておりますが。よろしいでしょうかプルメリア島は初めていらっしゃるんですか。。」「はい。今回初めてのプルメリア島で東京から来ました。えっと、上座ってなんですか。
「上座って言うのは木蓮寺の住所みたいなものですね。プルメリア島は、北が白蝶貝地区南が黒蝶貝地区で木蓮寺は北の白蝶貝地区なんですが、木蓮寺はプルメリア島上座だけで郵便物やタクシーも着くんですよ。木蓮寺の事を上座って言う人もいるし。ちなみに下座って言う住所はないんですが。」「あら、そうなんですね。お寺で仏様だし、神様の神じゃなくて上座下座の上座ね、」リリコはなにやらメモをしていました。そして続けて、「あの、私ね、ホストクラブ熱帯夜の流星からオーガストさんをご紹介いただいたんです。」「あっ、流星さん、そうなんですねあの子は話していてびっくりするほどかなり賢いし、イケメンですね。知性派というのか、それなのに素直だし。」「ええ。あの子、幼稚園の時から知ってるんです。近所の幼なじみで。」あたりまえだけど、オーガストさんはリリコが流星のお客でわざわざ東京から仕事がてら飲みに来てるんだろうかぐらいに考えていたんでしょう。リリコは大手新聞社の裕福な家庭に生まれ育ち富裕層特有の富気というのか富裕オーラがでていると言われまた若くて活発なのでそう見えても仕方ないし、だいたいはホストのお客と考えられるのが一般的なんでしょう。「へぇー、そうなんですね。流星さんもはるばる東京から一念発起して自分の人生を生きるって私に言ってましたね。いろいろ大変だったみたいだけど、あの子ならリリコさんの様ないいお友達さんがたくさん遠くから励ましているでしょうね。」「わたし達、地元の同級生がみんな仲良いんです。ほとんど幼稚園から知ってて中学校も一緒みたいな。うちの中学校自慢ですが、私立より環境が良かったんで裕福な家庭の子達や、勉強熱心な家庭の子達もそのまま公立の中学校へ進学したんです。まぁ、私もあまり賢くはないんだけど賢い子もそれほどでもって子も公立の中学校へ好んで行ったんです。

もちろん、流星も一緒だったしすぐ近所に住んでて。本当は昨晩渋谷で同窓会だったんです。私はこのお仕事が入ってたんで。。。代わりに熱帯夜で流星に会ってきました。東京から離れて元気でイキイキしててみんな心配だったんですが、新しい門出を応援してますんで。」「まだまだお若いですしね。あの子ならきっと前途洋々、明るい将来性が望めるでしょうね。今も夜の仕事がメインだけど、いい先輩や同僚に恵まれてるから、幸せだって言ってましたね。

タクシーは、東側のアマゾネスサンクチュアリから、北の木蓮寺に向かいました。リリコはあらかじめ木蓮寺の木蓮和尚にインタビューを申し込んでいました。娘のベルモも修行僧なので僧籍大福の娘にも話を聞く事になっています。地元の幼なじみの純が、プルメリア島の近い神楽町市に東京から進学して純は結構ベルモと仲がいいという話は聞いていました。
アマゾネスサンクチュアリのオーナー葉月さんの子どもで美術家ヴィーナスと3つ子のきょうだいらしいんだけど木蓮寺のホームページで見るとヴィーナスよりかなりデカく太っている後から訪れる海の家クワタのミリオンも海の家クワタ関係のホームページで見る限りはおなじ三つ子のきょうだいなのに細いし。

確かに顔はじゅうぶんに可愛いけど。。。だいたい人なんて、イケメン美男美女、知性的な品のある人がパッパラパーな事を言ってるとドン引きするけどその逆にお世辞にも賢そうじゃなくアホみたいな顔をした人が相当賢い真面目な事を言うと感激するけどそれ以前に、その顔でと笑いを堪えられなくなる。A9F40A8E-A720-407E-BE0A-127958F55FFE.jpeg

突然オーガストさんが、「あっ」というので、「えっ、どうかしましたか。」とリリコが言うと、

「いえ、あの。。。ちょっとこういう話しは頭がおかしいって思われるんかもしれないんですが、いま、流星さん達をタクシーに乗せた日に会った。。。。亡くなった夜のお商売系のお兄ちゃんが立ってたんですよ。。。私はたまに幽霊が見えるけど、それが生きてる人みたいに見えて。。。こないだ気分が悪そうだったからお金はいらないから病院まで乗って行きなさいと声をかけたら、もうそんな必要がない。死んでるからって言われて。」「えーこ、怖くないんですか。。。」「怖いと言うより可哀想でしたね。リリコさん達よりは歳上でしょうけどじゅうぶん若いし、ホストかもしかしたら反社会かヤクザかもしれないんだけど。ヤンチャな人かもしれないけど、まだまだやりたい事もあったろうに。リリコさん、やっぱりさっきあんな目立ってる外見だけど誰も見えませんでしたかさっきのモスグリーンのクリーニングの看板の前。。。」「いいえ。。それより。。そんな目立ってる外見なんですか、その幽霊って。。。」「ええ。。。顔は可愛いけど、キンキラキンのハリネズミです。ドクロの入れ墨も入ってて。。。二十代半ばでしょうかね。」「えーそ、それって、あの、先日パーフェクトサーズディで。。霊視の特番のそれってパーフェクトサーズデイのプルメリア島で発見された白骨死体の生前のモンタージュの人じゃない。」「そうなんですか確かにプルメリア港の白骨死体発見のニュースは知ってますが。。。モンタージュとか霊視とか私は番組を見ておりませんので。。。」「まあっ。。。まだいるかしら私は霊感が無いからだめなんだけど。。
東京の都王新聞にもプルメリア島の白骨死体事件の情報は入ってきて、のちのち霊視番組でモンタージュが出て芸能欄3面記事にモンタージュが載りました。これは
好奇心ついでに先日の事件の
ちょっとした記事を書いてみようとリリコは思いました。タクシーを止めて、オーガストさんはタクシーから出て振り返りましたが、しかしもう

あのモスグリーンの看板の前には若い派手なにいちゃんはいませんでした。
「あら。。。いなくなったか。残念だなぁ。」リリコは残念だけど、でもそれはそれで、タクシー運転手さんがモンタージュの男性の幽霊を目撃したという話しは記事にしようと思いました。「あのね。。。実はなんですが。。。その弟さんのお兄さんという人がプルメリア署へ確認に来たんです。私は個人的にお兄さんが心あたりがあるからDNA検査にでも来たのかと思ってましたが、そうか、TVでモンタージュが出たんですね。
それを見たからお兄さんが。。。
都王新聞社さんにも白骨死体の男性の身元判明の情報がもう入るか入ってると思いますよ。」「わ。多分もう警察署から入ってるかな。えー、そうなんだ」「その人確か弟さんの名前が吾朗太さんって言ってたなぁ。実家はヤー様みたいだけど、でもね、お兄さんは将来性の為に子どものうちに里親に出されたみたいで。なんかもう、どう見ても品が良くって。。兄弟は離れ離れに住まわされたみたいだけど、お兄さんは弟さん思いだと思いますよ、プルメリア港でプルメリアの花束でお弔いをされるというんで私は思わず、港近くのうちの極楽鳥花で一緒にお弔いをさせていただきました。私も弟さんの姿を見たし、お兄さんと偶然巡り逢ったわけですから、これもご縁ですしね。」「あらまぁ。そのお話後から伺っていいですか、木蓮寺の後でランチをご馳走しますから。それと、オーガストさんは、極楽鳥花の古民家住まいなんですね、こちらに来られた感想など、よろしければ、よそから移住した人としてのご意見を取材したいんですが。」「私ですか?平凡ですよ。。そんな。。。」遠慮がちに言うと、「いえ、こちらに移住されてきた方々の日常生活を送るご意見ご感想も欲しいんです。オーガストさんは素敵な民家にお住まいだし。木蓮寺の取材が終わりましたら、ランチでもしましょう。なにかアレルギーや好き嫌いがありますか無ければ、青の洞窟へ行くので青の洞窟のほとりででもランチしませんか。」「アレルギーも好き嫌いも食べ物にありませんが、あそこはフレンチで、結構いいお値段だし。。。私の日常的な意見なら全然問題ないですが、若いお嬢さんのお客様にいろいろご負担ありましては。。。」とオーガストさんが言うので、「大丈夫ですよ。父親の会社の必要経費ですから。」「あっ。。。リリコさん。。叶リリコさんで。。。そうか、都王新聞社の御令嬢なんですね。。。」都王新聞社の今のオーナーは、ヨークシャテリアの叶蔵之介だった。「とにかく、私も一人でランチするのもなんだし、木蓮寺にもお付き合いしていただくので、嫌でなければあまり気にしないでくださいね。そのかわりわたしは仕事に差し支えない程度お酒をいただきますから。

お酒に強いリリコは喋りだすとお酒が欲しくなる今日もレンタカーをやめて途中でいいお酒があれば嗜みたいのもありタクシーにしました。今は駆け出しのアルバイト記者ですが、目指している職業柄にいろいろな年代や地域の人々と話すのは視野見聞を広めて感性を豊かに感覚を新鮮かつ柔軟にするのにとてもよい財産と経験になります。リリコは、都王新聞社幹部の姉や兄がいるし、姉や兄に負けたくもなし、もともと社長令嬢だからと言うコネではなく、自分の実力として新聞記者を目指して成長していきたいのです。
身内だからといって幹部の姉や兄と一緒にされたくありません。
本日は、木蓮寺の後は青の洞窟へ行く予定です。

そろそろ。。。タクシーが木蓮寺に近づいてきたころ。。。。「あっ。。。」オーガストさんが言うので、「どうしたんですか」リリコが言うと、「ちょっとだけ、失礼します。」オーガストさんは車を傍に停めました。

「例の、吾朗太さんです。リリコさんには。。。見えないでしょう。。」木蓮寺まであと1キロを切った時でした。
「会話できますか、少しお時間があるので。。。私は知らん顔して寝たふりしてますから。木蓮寺にこのお客を送りに来て、常連で料金先払いで貰っててまだ約束の時間じゃないからみたいに適当に言って話しができたらしてください。無理には言わないので、」とリリコが言うとリリコは寝たふりをはじめました。F98E14B7-0544-4EEC-8799-F9A445DA0F58.png

10時に森沢家のチャイムを鳴らす約束なので、まだまだあまる時間は約束時間までは境内を散策したり参拝でもしようかと考えていたのですが。


プップー、おやっ、吾朗太がフラフラしていると一台のタクシーがサーッと停まりクラクションを鳴らしたかと思えば「こんにちは。お元気そうで。」と、運転手のオーガストさんは、窓から顔を出して吾朗太さんに挨拶しました。

さきほど離れた距離のモスグリーンの看板前にいた吾朗太さんも幽霊なので即座に違う場所に消えたり移動できるのでしょう。死んでる自分に声をかけられてギョッとした吾朗太さんは、ジーっとタクシードライバーの顔を見て、「あ、あー。。。ああっ、あー、どうも。
後部座席の
リリコにはオーガストさんが独り言を言っているように見えます、吾朗太さんの姿も声も全く見も聞こえもしないものの。。。聞き耳を立てて寝たふりをしました。

「え。あー、死んだのに元気そうって」なかなか笑わない吾朗太さんが思わず笑います。「それもそうですねー。。」「お、あっ、お客が。。仕事中」と吾朗太が後部座席の寝ているリリコに気づいたので、「あっ、この方は常連さんの会社関係者で既に木蓮寺までの料金をいただいてますので、まだまだお時間があるので着いて時間になったら起こしてくれと頼まれて。朝早かったので寝かせてほしいみたいで。。。まだまだ時間があるんですよ。。

「木蓮寺」再び渋そうな顔を吾朗太さんはしました。「あっ、だめですか。。あのお寺は。。
「いやもう。。。定宿だよ。。夜は。。ね。だけど昼間はフラフラしてる。」「ああ、観光客さんがたくさん来て昼間はわずらわしいんですか。。人気あって地域の自慢の良いところなんですが。。。
「まぁ。。。それもあるけどな。ガキがうるさいからな。ピィピィピィピィ、」「あっ、木蓮寺幼稚園ですね、子どもは好きじゃないんですか。

すると。。。吾朗太さんは黙ってしまいました。しまったなんか、小さな子でも亡くしたとか嫌な思い出でも生前トラウマがあるんだろうか。とオーガストさんは焦りましたが。。。

「嫌いだね。。。なんか、ここの奴らは食う寝る騒ぐの甘やかしパリピのボンボンみたいだし。特にここのデブのヒヨコ組は最低。。。」「はぁ。。。
「なんかもう、オツムが弱いのの特殊なクラスなんじゃねーか、ここのデブの坊主のクラスのガキは。。。パピーかキティか知らんけど。。。犬ってだいたいは賢いだろうに。わざわざめんどくせーちっこいのアホ系の奴らばっかり集めてよーで、ウッザイし見たくねーから、昼間はフラフラしてんですって。

あ。。。この人は、なんか嫉妬してるな。可哀想に。。。ここの木蓮寺幼稚園は比較的に富裕層の子どもが多い。。躾や礼儀作法や情操教育も全体的に教育が素晴らしいし豊かな成長が楽しみですと評判がよいし。デブというのは、木蓮寺の娘さんのあのお大福様の事だろう。夜になって定宿って事は、この木蓮寺を気に入っているんだ。だけど。。。幸せそうな子どもを見るのはツラくて忍びないか。

オーガストさんは、
吾朗太さんのお兄さんをプルメリア港までタクシーに乗せた事を思い出しました。兄の三太夫さんを養子に出されて本妻の異母兄とヤクザの組に残って育てられて。。。愛人の母親は吾朗太さんを産んですぐ亡くなり。。。本妻が愛人そっくりの吾朗太さんをよく思わなくて
ほとんど若い衆や若い衆の内妻に育てられたらしいし。みたいなことを言ってたな。「そうなんですね。」「まぁよ。俺は生きていた時の事はさっぱり忘れた名前を聞いても、兄弟がいるってきいてもな。でもな、なんか、ガキはむかつくな。

ああ、吾朗太さんは。。。生きていた時の記憶がないんだな深層心理潜在意識の魂レベルで。。。温かい家庭とか、ほのぼのとか幼稚園とか、幸せな幼稚園児が嫌なんだろう。オーガストさんはそう感じました。

吾朗太さんは不思議なもので、オーガストさんと話していると少年の気持ちみたいな子ども心を感じはじめ、いつもは口にしない事すら子どものようにはなします。


自分をわかって欲しいのに、だーれもわかってくれないんだとか、誰にも言えないけど言いたいとか誰かが聞いてくれるだけでスッキリするとか。。それは誰にでもある事なんでしょう。

吾朗太さんは
霊感があるベルモと話しはしますが、オーガストさんと話すのはそれとはまた違う気持ちや感覚でした。
「あ、そうそう、あの、トリ頭ってのかなオレンジのやつ。派手な花。あれ、オッちゃんがくれたんだろありがとう。」「あっ。。あ、鳥の頭って。。うちの極楽鳥花か。。。C47AE21F-DBDD-4A2C-892F-5835CB4D9677.jpeg海へ投げたはず。。。

吾朗太さんの冥福を祈って。。。

「兄貴と。。。兄貴がいるらしいが、そいつと俺を弔ってくれたんだろ。兄貴がプルメリアで。。。41786B26-4A55-429B-B3F3-1F423002C29E.jpeg

オーガストさんは、吾朗太さんが傷つくかもしれないとお兄さんの三太夫さんに会った事は吾朗太さんには伏せていました。

「見ていた。。。んですか。お兄さんの三太夫さんと私がプルメリア港で貴方のお弔いを。。。」「夢で見たよ。夢の中で、オッちゃんと、カタギになって四十歳とかそれ以上の俺が。。。死人に祈るって言うの。。。で、目が覚めたら目の前にトリ頭とプルメリアがあったんだけど。、。

しかしながら。あのデブが言うには。カタギになって成功した俺がじゃなくて、それは、兄貴の三太夫って奴が俺の幸せを祈っていたって事で。俺はもしかして、このまま死なずに生きていたら。。あんな感じまっとうになっていたのかを夢でも見たのかと思ったが。。どうやら、俺は。。。死ぬべき社会のクズで。。。」そんなふうに吾朗太さんがスネ出したので、「そんなふうに思うのは違うと思います。わざわざお兄さんは東京から来て、あなたがどんな形であれ身元や居場所がわかった事には安堵して、ご冥福をお祈りして。。本気で泣いてどんな形にしろあなたを本当に思いやってあなたの幸せだけを考えてましたよ。

「でも、兄貴って奴、三太夫って奴がいると言われても全然思い出せないし。おデブにしろ、優しくて俺を思いやってくれるのはわかるんだけど兄貴ってやつについての話を聞いてもあのデブにしても、奴らばっかり生きてるしこっちは情け無い。デブも兄貴も、親から手離されようが奴らはさっさと勝ち組環境に乗せられてラットレースから外れて悠々自適で余裕だからあいつら上から思いやれるんだって思うし。奴らは金も仕事も思いのままだから。。。高見の見物なんだろうし。あいつらに罪はないのはわかってるけど。。なんでこうも不公平かと。」やるせない。。。

オーガストさんにも、悲しみに果てる吾朗太さんの悲痛な叫びがみに染みてきました。この子は死にたいから死んだんじゃないんだろうな。。「もう。。。俺は行くよ。。。いいんか、そのお客は、」と吾朗太さんが心配するので、

「このお客様は熟睡されていると思うし、起きていらっしゃいましても霊感がないそうであなたの姿も見えないし声も聞こえないと思いますよ。お仕事で木蓮寺の取材なんで。。。」「そ。まぁ、昼間の木蓮寺なんてバカの集まりだからな写メ撮るインスタ蝿って奴か、ミーハー客やら。。。デブの生徒のウンコの話しをして喜んでる頭の弱いくそガキの集会みたいだし。。客もガキもいない夜はまんだマシだから。。。あそこは無料のテイのいい寝床だし。。。あんたら昼間のあそこへ行くのか、わざわざ取材の仕事とは。。。物好きだね。。それはご愁傷様。。。

それじゃあ、と言って、また吾朗太さんはどこかへ消えてしまいました。「行ってしまいましたよ。。。」オーガストさんはリリコに言うと

「なんだか。。。見えないんだけど。オーガストさんの声だけしか聞こえないんだけど、悲しい雰囲気というか。確かに悲壮感がジワジワきたの。。ひとりぼっちというか、誰もわかってくれないというか。。悲しみに包まれたようだったわ。そんな気持ちが。私も感じるものがあるのかしら、、」「誰にも第六感はありますしね。確かに吾朗太さんは。。。孤独と闘ってる感じでしたねぇ。

吾朗太さんの兄の三太夫さんと。。吾朗太さんをお弔い、しかしまだ吾朗太さんはこの世をさまよう。

やはり、吾朗太さんは、生前の記憶はないみたいだけどこの世に未練があるのか。

タクシーは木蓮寺に向かいました。E24E8AAB-9098-4219-BBAF-76D1CEE9EBBD.jpeg




2021年02月12日

マリッジcelebration259喪われた記憶と哀しみが思い出に変わるまで。。。

あら。。。

リリコは、
17530EA0-F16A-407C-AE4B-E59A912F7745.pngホストクラブ熱帯夜からタクシーで帰ってきて。少し酔い覚ましてから、お風呂へと、
88D07105-D48A-467C-BC10-B4DA23B83176.jpegバスタブにお湯をとスイッチを入れるとLINEの電話が鳴り出しました。

純かしら。。。と思うとあらっミーシャCCAB0C42-58DB-4C9B-8D82-2BFA29A4DE99.jpegリリコがスマホに出ると。。。

「ねぇ、リリコ、駿栄のホストクラブへ行って酔ったんでしょ。純とあたしのLINEを間違えて送ってるわ。。」「あっ」あーし、しまったっ

「わたしに気遣ったんでしょ。あの。。。アタシのお爺さんって。。どういう事なの。。それらしきって。。」ミーシャの父親は、自叙伝などマスコミで両親に捨てられた事は知られています。

「あのね。。駿栄のホストクラブへ行ったんだけど、取材でタクシーを頼みたいしって話になって、駿栄と同僚のキャストさんがよくしてくれたタクシーの運転手さんがいるって話で、駿栄とキャストさんが言うには、青山奏さんにそっくりだって言うのよ。」「そうなの。。。」「それで、オーガストさんと言う名前なんだけど。。名刺に、青い山のスタンプが個人的に押してあるのよ。。。8D69792B-970D-498B-BCAD-82198BBE4946.jpeg「そう。。。なの。。。」「だから。。。それだけじゃわからないんだけど。。もしかして、青山奏さんのミーシャのお父さんの方のお爺ちゃんじゃないかなって思ったんだけど。。でも、ミーシャんちのお父さん達は、今ご両親とどんな状況かわからないから。。。ワンクッション置いて純にLINEしたんだけど。。。」70A453ED-D686-4135-82F9-EA0A0011A6FE.png

やっぱりそうなんだ。。。と思った

ミーシャは、実は父親の奏方の祖母の瞳が再婚先の大阪で亡くなっていて古い日記帳が見つかりA9DB11CC-D04B-49D7-88F0-9FA9FB3A68B1.png母親の瞳とは手切れ金を支払って縁切りしたのだけど、奏の兄の禅にこれだけは黙っているのは忍びないから。と瞳の日記帳を送ってきたそうで。

瞳が、旦那さんの海外転勤についていきたくないのと派手な男性関係や浮気で離婚する事になったらしいけど。アメリカへ行かなければならない父親が、幼い兄弟を連れて行けないし。瞳の両親の楠家が、禅と奏を面倒見る事になって籍はそのまま青山として楠家に引き取られる事になって。

だけど。。。瞳が再婚した時に兄弟は、捨てられたので薄々おかしいとは思ったものの兄弟を引き取った楠の祖父母もあまりお金がなく病気がちで目の前の生活に必死だったみたい。で。。。かいつまむと、多忙で帰国できない祖父と会えない事をいい事に、祖母が祖父が借金を作って逃げただのめちゃくちゃな嘘をパパや伯父さんに洗脳したみたいなのよ。。。

「で。。。おじさんと、お爺さんは和解したの。。。」「いいえ。。それが、ほんのさっき。。。横浜の伯父さんから連絡があって。。祖母の瞳が幼い頃の伯父さんとパパをうまく言いくるめて騙していたという事を知ったばかりで。。。祖母の再婚先の大坂の家族から訃報があったんだけど。うちのパパが、結構な手切れ金を生前に無心してきた祖母に手渡して絶縁したから。。。大坂の人達は、パパには連絡せずに横浜の伯父さんに連絡してきたみたい。

「そうなの。。。なんという巡り合わせ。。。駿栄が同僚さんとタクシーに乗って、誰かに似てるって気づいて。。良くして貰って名刺を貰ったみたいで、気さくで親切な人だし、ってそれじゃ私も明日仕事でって話になって。。。で、プレゼンスタクシーの青山オーガストさんの予約したんだけど。」「パパが。。。興信所に依頼しようか伯父さんに相談する。。って話してたわ。。」ミーシャが言うと。。

「それじゃ、ミーシャのおじさん達はお爺さんが会う気があれば会いたいとか探したいって気なのね。。。」「そう言う事だと思うわ。。

「もしかして。。。の段階ではあるけど、私は明日ミーシャのお爺さんらしき人に会うんだけど。。私がミーシャのお爺さんかどうか、さりげなく自然に持っていって。。。手引きするわ。。」「ウーン。。。大丈夫かなぁ。全然関係ない人なら。それまでなんだけど。あちら様がいきなり過去の生き別れた子どもがでてきたら嫌がる人もいるわけでしょ。生活があるし。。。」「子どもに罪はないわよ。親の事情で離婚したり手放した親に罪はあるけれどね。ねぇ、私の父親もだけどミーシャの父親も、世間では名の知れた有名人だわよね、いちおう。。。生き別れの世間に面が割れた子どもがいて自分が親です、って名乗りでないって事は誠実か今が幸せか、って証拠だと思う。

「そうね。パパも、有名になったら祖母がお金の無心に来て絶縁したもん。ちょっとパパに電話してみるわ。。それにしても。。プルメリア島に。。。やっぱり。。祖父なのかしら。。。

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「リリコ。。。どうだったの。」ひととおりスマホでリリコと話し終えたミーシャに純ちゃんが言いました。「ウーン。。。なんだか。。。アタシのお爺ちゃんかもしれない人と明日会うみたいなんだけど。。。タクシードライバーさんだから、お仕事で依頼するんだって。。。だけど。。実際は。。遠いよその人の話しみたいで。ほら、私は最初から祖父母は居ないものとして育ってるし。。純ちの喜美ばあちゃんやジローお爺ちゃんがベビーシッターや家政婦さんだとて。。祖父母みたいなもんだしね。だけど、うちのパパ達はわざわざ興信所を依頼する事も検討してるからさ。ちょっと、パパに電話してみる。。なんだか手がかりが掴めたかもって。。」

映画のように。。。例えば貧困にあえぐ天涯孤独の子どもが、窮地に陥って実は大富豪の祖父母がいたとか莫大な遺産を相続する事になるとか、はたまた逆にある日突然お金に困った親族が日頃付き合いが無いのに乗り込んでくるとかなら。。。日常生活が突然ひっくり返って上を下への大騒ぎ胸騒ぎなんだろうけれど。。

裕福な家庭に産まれてなに不自由なく育ったミーシャ。
最初から、親が祖父母さんに捨てられて祖父母さん達が居ないものだと言われて育って。。

あちらからは何もせず何も言ってこない祖父さんに。。。01031324-D74B-460A-B977-007FDAD58DAF.png

ミーシャ自身正直なところどう接していいのかがわからないと言ったところなんだろうな。

その日の深夜。。プルメリア島、木蓮寺。
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「思い出せないのね。。。」ベルモが寂しそうに言う。ベルモは、森沢家の離れにチワワのミーナとココナと濃紫婆さんを送り、毎晩のルーティンお風呂に入れておやすみなさーいと全員を寝かしつけると1289157E-F90F-4C85-9D53-82F7263B59FE.jpeg

吾朗太さんと落ち合うために離れを抜け出して
蓮池のほとりへやってきました。冷泉さんや本陣さんは程よく酔っ払って奥さん達への手土産を持たされてご機嫌に歩いて帰っていきました。冷泉さんも本陣さんも、警察官だけど子どもの頃から木蓮寺の檀家さんで、いろいろ木蓮寺や木蓮和尚からごちそうされたりいただいても、仏様からのおさがりという事で罪にはなりません。二人の奥さん達も木蓮寺に旦那が寄って遅くなってもどこに旦那さんがいるかわかってるしいろいろ手土産も持って帰るので怒りませんし
二人は歩いて目と鼻の先の近所の自宅に鼻歌まじりに帰っていきます。2C582E61-2C25-42EE-ADBE-8B68C17E7060.jpeg


もういい。。。どうせ、俺が死んだって悲しむ奴なんかいなかったんだから。お前とくっちゃべってると腹立つわ」吾朗太さんはベルモを睨みつけましたが、
それにしては約束通りに蓮池のほとりにやってきました。吾朗太さんは短い夢を見て。。。どう考えても、できるビジネスマンスーツの四十代ぐらいの男性が出てきた。。。もしかして、このまま順調に生きていれば、見事に更生しての自分が出てきたのかと思えば。。。
そうではなく。。。
あれは。。。兄貴というやつで俺と違って今も優秀に生きていて。。。それがわかって

なんだか惨めになった。兄貴がいると聞いても嬉しくない。あちらが幸せに生きていて虚しいだけ。。。


ベルモの話しだと親に可愛がられたのは吾朗太さんの方で。。。兄貴とやらは里子に出されたらしいのに。だけどこのベルモという馬鹿デブも、里親育ちでぬくぬくこの寺で大きい顔をしている。兄貴という奴もこいつも。。。所詮は水を得た魚。。。自分の天賦の才能を発揮できる持ち場で偶然生まれ育ったか、産まれた環境よりもずーっと適した持ち場にたまたま引き取られた水を得た運のある魚ほど強い奴はいない。。。

同じ親に産まれて兄貴は出世魚、俺は雑魚。


ぼろぼろになってやっと。。。自分に適した水を得る奴やくすぶったままでふらふらさまよって人生終了の奴や。。俺みたいに突然若いのに死ぬ奴もいる。。

天上天下の出世魚軍団は
自分が幸せでなお余りある、それで他人まで世話をやく。本人たちは幸せのおすそ分けと言っているが。。。そういう底辺の気持ちなんぞ1ミリたりとも味わった事すらなく高みの見物の余計なお世話の奴らなんだろう。

「あなたは、お兄さんに愛されてるわよ。あなたが亡くなってもなお。。。今日私は。。。わざわざ東京からこっちに来た吾朗太さんのお兄さんの三太夫さんにプルメリア署で会って。。。」
ベルモが言います。
そうか。。。警察署。。。兄貴って奴が来てたのか

あと少しでその兄貴とやらに会ったかもしれないがすれ違い。。。でも、会っていたらいたで。。。やり切れないあの時ベルモの後をつけていき警察署が近くなって急激に気持ち悪くなったのは。。。

生前に警察関係がトラウマになってるのか、兄貴というやつが近くにいるから拒否反応を起こしたのか。。。いずれにせよ、兄貴というやつを思い出せないし。三太夫という名前を聞いても。。誰だそれ。。。だし。「もう寝ろなんにも思い出せない、以上。お前は朝から馬鹿ガキどもの面倒を見てりゃいいんだお前なんか、馬鹿みたいにあたおかな親からぬくぬく甘やかされたオツムの弱い馬鹿なガキのオムツの世話と、あんたは幸せですかー、みたいに言って寺にくる不幸な奴らの話を聞いて幸せな奴目線で上から説教してズブズブに洗脳しまくって金を巻き上げてますます他人の不幸で儲けた金で金持ちでますますデブになればいいんだ、お前はそういうゲスな人生がお似合いだろ。CE948031-E0B9-4989-A0CC-AFAB92A62C14.jpeg

こいつは俺の為に動いてるってわかってはいるけれど。。かなりいい奴だって、わかってる。。。だけど、生きてるだけで、幸せって福々しいこいつ見てるとムカついてくる。

ベルモも、痛いほど。。。ヒシヒシと。。。ボロカスにこき下ろされても、罵倒している吾朗太本人が痛々しく思うだって。。。この人は。。。この人の言うように本当は死にたくなかったんだろうし。毎日毎日、木蓮寺の僧侶と幼稚園の先生を家族や僧侶仲間や檀家さんや、幼稚園の保護者とニコニコ過ごすベルモをお寺の隅からぽつんと一人でたたずんで来る日も来る日も笑顔をやり切れない思いでまのあたりにし。。。

未来の輝かしい可能性を背負って保護者にぬくぬくとこれでもかという愛情を注がれた子供たちを見たくないので。。。昼間は木蓮寺から出かけてさまよう。。吾朗太さんは、ベルモが副担任をしているヒヨコ組の生徒の悪口を言ってきますがヒヨコ組はだいたい小型犬のパピーが多いので、ぬくぬく可愛い可愛い愛される為に生まれてきてそれだけで喜ばれる命や存在価値に腹が立っているのでしょう。ベルモは、吾朗太さんが生徒の悪口を言うといつもムキになって真っ赤になって本気で怒りますが。。。なんだか。。。やり切れない。。
いつものように命懸けに大事なヒヨコ組を馬鹿にされても
怒る気にもならない。吾朗太さんには言う事は言って情報は提供した。。あちらから心を開くまで。。なにか思い出すまで。。そっとしておくしかないかな。いちおう、緋夏さんと結婚していたと言ったんだけど知らんし、生前に付き合ってたり関わった女なんか全然思い出せない。という事で。。。まぁ。。。ね。吾朗太さんは命懸けの恋愛をしてきたようには見えない。それどころか。。。女性に苦労しなくてたくさんの女性と関わっても自分の方が大事で常に自分中心。。。女性を財布かATMか、便利な道具にしか思ったことないぐらいなんだろうな、結婚していたというのに、緋夏さんの事すら覚えてないなんて。。。

「わかったわ。なんかあったら、言ってね。。。」ベルモはそう言うとまた離れに戻っていきました。

ひとりぼっちで佇む吾朗太さんに
哀しいほどまぶしい
月明かり。。。

フワリと天使が舞い降りました。8B5A6BCC-A16C-4F2C-999B-F3599FF23663.png

また。。。めんどくせい奴が来やがった吸い込まれるように純粋な瞳に見つめられると気が狂いそうになる。確かに。。。コイツは俺よりずっと先にガキの頃に轢き逃げで理不尽に死んで良い子みたいだし。。

俺より可哀想かもしれないけどさ。
こいつは。。。こんな可愛い罪がない子がなぜ死ななきゃいけなかったんだとたくさんの人に惜しまれて死んだんだろう。俺とは違って天使のコウちゃんというガキ。こいつは、昼間デブのイキイキ生きている自分と同じくらいの歳の教え子のたくさんいるこの木蓮寺やら木蓮幼稚園に来てもなんとも思わないのか。虚しくないのか。それでもなお。。。天国へ連れてて行く俺を幸せにって。

「なんだよう。」ブスっとした顔で吾朗太さんが言います。「綺麗なお花だね。いいにおいがする。」月明かりに輝いている、吾朗太さんの為に供えられたプルメリアと極楽鳥花を見てコウちゃんがいいます。「お兄ちゃんへ。。。のだね。お兄ちゃんがもっと幸せになるために。。」「馬鹿だなぁ。俺らはもう死んでるだろ。幸せだろうが不幸だろうが、どうだっていいだろうが。」「亡くなったけど、その人が天国で幸せであります様にってお祈りされるのは、誰かに愛されるのは幸せなことなんだよ。」コウちゃんがにっこりするので、思わず

「お前もこの寺でデブに洗脳されたのか。、幸せですかとか。幸せになる為にって。。あの偉そうなおデブは自分が生きてやり放題に好きな事やって。。。そんな奴に幸せにって言われても。。。虚しいだけだろ。俺らもう死んでる。。。」しかしながら
コウちゃんは不貞腐れた吾朗太氏を意に介さず

「三日後に迎えに来るよ。」とニッコリ笑う。

「なにしに。天国でも地獄でも行くのか。

「東京へ行くんだよ。お兄ちゃんが産まれて育った東京へ。僕に掴まれば一瞬で東京に行ける。一緒に行くんだよ。」「そんなとこ、行ってもなんも思い出せないだろ。もういい。」吾朗太さんは首をふります。


しかし。。。「いいから、迎えに来るからね。東京に行けば、全てが変わるから

そう言うと、コウちゃんは消えてしまいました。。。

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まるで、突然舞い降りてきたプルメリアと極楽鳥花のように。。。
白い羽根が月明かりから降るように舞い降りてきました。

余計な。。。お世話だだけど。。。反抗しつつも。。。それでもなお。。。吾朗太さんの気持ちにもわずかばかりにあたたかいものがジワっとこみ上げて無限に広がっていきました。。。




2021年02月05日

マリッジcelebration257無限に広がる彼方にあらためて乾杯。。。

流星は。。。一瞬固まる

ヴヴヴあの、真面目っこシャイの僕が恥ずかしいホスト子どもの頃からホストなんてイメージはないっ、ない、断じてないましてや、リリコは、幼稚園から中学校まで同じだし。。。歩いてすぐのまぁまぁ近所。。。しかし。。なんで、リリコが。。。F46AA07C-BE93-4254-B1F6-8C70B9115CCA.jpeg


「お可愛いじゃん。流星、お前よー、突然姫を連れて来るというか。」ヘルプに饗がやってきます。TOKIOと玲緒奈さんを二人きりにする気遣いも兼ねて。。。

そう、流星はこないだも突然ナンパというか、たまたま青の洞窟に珈琲を飲みに行って
すすきののキャバ嬢と札幌のOLの可愛い双子のアザラシの女の子達と同伴してきた。突然可愛い子を連れて来る

リリコは、「駿え。。。じゃなくて、流星さんこんばんは。お久しぶりでーす。」屈託なく嬉しそうに笑います。「あ。。。あれー、流星の知り合い違う店の時え、流星ここの店が初めてだよな。。」饗が言いました。「ど。。。同級生。。東京の。。」まさか。。。夜の商売なんてっと、説教をしに来たんだろうか。いやいや。。リリコはどう考えてもそんなタイプじゃないなー。確かに、純にはこっちで新しい人生を仕切りなおしている皆には世話になった、同級生に会ったら元気でやってるからと心配しないでと聞かれたらそう言ってくれとは言ってありました。でも。。。実際には急激にホストの姿を見られるのは。。。恥ずかしい別に、事情があってホストをやってるからホストである事は、新しく人生やり直す為だし、純に同級生には黙っといてとは言ってないけどさ。。。「ようこそ。熱帯夜へいらっしゃいませ、饗と申します。流星とは同期です。」饗がリリコに挨拶をしました。どうも。。。饗は、流星のお客を取るというわけではないけど、流星を気に入って来るお客様が、自分の好みの傾向にあるようです。少し前の札幌から来たアザラシの双子の姉妹には、お試しであまりお金にならないと言うのに、ずーっとヘラヘラしていました。「饗は一番仲がいいんだよ。。。それにしてもさ、どうして、旅行リリコ。。。いや、リリコさん。」と流星が言うので、リリコは、「いや、リリコでいいってば。あー、旅行じゃないのよ、仕事。バイトウチの都王新聞社の、文化部の記者のお手伝いしてるのよ。」そうだった。。。リリコは、大手の都王新聞社の社長令嬢だった。確か、東京の文学部に進学したみたいで。こいつ。。何回か一緒のクラスになったけど、学級新聞とかいつもリリコがまとめてたっけ。。。さすが超新聞屋だと思ったけど。。。「バイトこっちでなんかやってんのか」「ルポライターよ。全国を巡って、毎月変わりの日々コラム。月に一回の取材。都王快遊記。。来月は神々の遊び場プルメリア島なのよね。。私が担当になったのよ。」リリコはそう言うとシャンパンをオーダーしました。「今日さ、地元の奴ら同窓会だったんだろ。純から聞いてるけど。。。」流星が言うとリリコは、「うん。残念ながら、純ちゃんとはすれ違い。ひさびさに会えるかなと思ってたんだけどな。あちらが東京帰省の時に私がこっちに取材だしね。あっ、貴方達もなんか飲みなさいよ。」「ありがとうございます。同じもので、饗は」と流星が言うと、「頼むから敬語はやめてちょうだい堅苦しいわ」とリリコがいうので、饗は、「俺もおなじのを、ありがとう。リリコさんは、ホスト、東京でも行くの」「お付き合いでね、私学生だけど、家の関係で新聞社のアルバイトしてるし。めちゃくちゃは行かないけど、社会勉強で行った事あるぐらいよ。」リリコは、プルメリア島で、話題のアマゾネスサンクチュアリに宿泊するらしい。。さすが、大手新聞社の令嬢。。。プルメリア島では、アマゾネスサンクチュアリィと、文化遺産の木蓮寺。旅館は、海の家クワタの海のあかりを取材するらしい。「あとさー、こっちに住んでる人で、こっちの暮らしについて、というか。筋金入りの地元民。。プルメリアンって言うのかな、産まれも育ちもプルメリア島の人の事を、こっちの人の言葉で。木蓮寺の和尚様がプルメリアンだから、海のあかりのオーナーさん達もプルメリアンみたいだからね。。。あとは、真反対に
外からこっちに
移住してきた人やリタイアしてこっちに来た人にも話を聞きたいのよ。。。このプルメリア島を多角的にとらえたいのよ。」ボーイがシャンパンを運んできました。7D9BE66C-D2A8-45E4-915C-860826227FF6.jpeg「んで。。。こっちに新しく来た人の取材って僕らなわけ。。。」流星が言います。「いや。。。ここへは気分転換に来ただけよ。流星さんもいると純から聞いてたしね。。新聞ってお堅い人読者がメインでしょ。私は全然偏見ないんだけど、やっぱり夜のお店けしからんって爺もいるじゃない。」「まぁ、男もあんまり面白くないだろうな。。。ホストはなー。」饗が言います。リリコは裕福な贅沢な暮らしに慣れているのか、値段も見ずに、チョコレートやピザをオーダーしました。D8770A6F-EA87-4958-9813-28E1705E86DF.jpeg「貴方達もどうぞ、適当につまんで。それにしても、凄いわねー、玄関の極楽鳥花今日夕方前にこっちに着いて、リムジンでアマゾネスサンクチュアリの支配人さんに、プルメリア港にお迎えに来て貰ったんだけど。港近くにスっごく感じいい極楽鳥花の群れに包まれた古民家があったのよ。」とリリコはにっこりしました。饗と流星は顔を見合わせて、「それ、プレゼンスタクシーの運転手のオーガストさんだよ。ちなみに、あの玄関のも朝僕らな、掃除当番で寝過ごして寮に帰る時に乗ったタクシーのドライバーさんとたまたま話し込んで励ましにいただいたんだよ。」流星が言います。「あらっ、そうなの、えー、じゃあ、あの古民家の取材させて貰いたいなー、プルメリア島の素敵な風景のひとつとして。。。それに、タクシーのドライバーさんなんでしょご迷惑やお休みじゃなければ、ついでに、取材でタクシー貸し切りにしていただけるとありがたいんだけど。」リリコが言います。「それは、電話して確認しないとな。名刺は貰ってきたから、」と、饗がオーガストさんの名刺をリリコに渡しました。
「あ、だけどさ。リリコ、ちょっと、実はさ、そのオーガストさんって、ミーシャの父方の祖父さんかもしれないんだって」流星が言うと、「えーだ、だって。。。ミーシャのお父さんの、って青山のおじさんは。。。あれでしょ。。確か。。。両親に捨てられたって。。」リリコがうわっとした顔をしましたが、「だけどさ、完全に、青山のおじさんの父親って確認したわけじゃないんだけど、青山のおじさんにかなり似てるし、その名刺見てみろよ。山のマークの青いスタンプが押してあるだろ、」流星が言います。「うわー、ホントだえー、でも。。。それ。。って青山のおじさん捨てた。。。人なの。。」これはインタビューしてみようとした在住人があまりよろしくない過去の持ち主か。。。と、リリコは戸惑いますが、饗が、「リリコさんも。。。裕福にご苦労なくお幸せに育ってきたからわからないと思うけどさ、俺ね、本なんか全然読まないし嫌いだけど、ただ憧れたり心のメンターみたいな人の自叙伝みたいなやつは何度か読んだ事があるけど、青山奏のも読んだんだよ。でさ、両親が離婚して兄と一緒に母親に引き取られた青山さんが、突然母親の再婚で捨てられるんだよ。。。悪いけどまともな女じゃないと思う。いるだろう、子ども引きって新しい男と虐待したり殺す馬鹿女が。。。馬鹿女は、俺も母親で経験者だけど。。。母親が母子家庭手当てと養育費目当てで姉や兄と引き取られて。。。別れたオトンが悪い奴だったから私は可哀想だから遊んでもいいんだとかアホな事言ってパチンコばっかりやってて。。。めちゃくちゃ別れた父親の悪口を洗脳してきたけどな。後で全然会わせてもらえてなかった父親に会って最終的に父親に引き取られたけど。。。父親、めちゃくちゃ普通の人だったよ。。まんまと金喰いBBAに騙されてて。。」リリコは、「あらまあ。。でも、そうねー。。二度と父親に会わないとしたら、めっちゃ悪い奴だったとか、洗脳して子どもを父親に二度と会いたくない様にさせて、自分は可哀想な被害者だから、私を大切にするのよーって女はいなくはないでしょうね。私も新聞社の記事の手伝いで、子ども虐待の記事まとめたり、本当に冗談じゃないそれなら最低限の命の保証として施設に子どもを預けるか可能なら元旦那に親権を渡すか。。。母親だからってなんで子どもの命まで奪う権利があるのよ。ってとんでもない女の話には何度か触れてるからさ。いちがいに。。。男女、夫婦のどうのこーのってどっちがいい悪いは言えないんだけど、」リリコはそう言うと流星に、「私のイメージのカクテルちょうだい」と笑い、しかし流星が、「あのねー、お姫様友達応援目当てで来てくれてめっちゃありがたいけど、そういうのは友人ではなく、王子様に聞かないとね。」と、笑って返すとすると、通りがかりのTOKIOが、サッと「こんばんは、お嬢さんには、白雪姫はどうだろう日本酒ベースだけど、大丈夫ですか」とにっこりしました。「わっ。饗さんもだけど、、、カッコいいわね。」「TOKIOです。どうも、」「TOKIO先輩、饗や僕に良くしてくれるんだよ。No.IIIだしね。」流星が言いました。

「リリコです。東京から来ました。駿え。。。じゃなくて流星さんの幼なじみです。白雪姫、それ気になります。。」「可愛らしいね、ゆっくりしてってね。あ、白雪姫、持ってくるから。」そう言ってTOKIOは行ってしまいました。「あら、シャンパンもう無いわね。じゃ、貴方達ビールでもどう」とリリコが言いますので、「ごちそうさま。」と、饗と流星はにっこりします。「ねぇ。。。でもさ、その極楽鳥花の運転手さん、気になるし。一応明日だけでも予約しとこうかしら。。。明日いろいろ話した感じで、明後日もお願いするって感じで。で、それとなくワザとらしくなく、青山奏に似てませんかー、なんて話を持ってくのよ。。それで気まづいなら話をサッと切り替えるし。。」リリコはまるで家政婦は見たのように、なんだかお家事情を覗くような感じだが、記者向きの人は野次馬根性が旺盛でないとやっていけないのだろう。本人は好奇心旺盛だと綺麗に盛るけれど。。。「一応、俺たちには、東京に息子がいるってはっきり言ってたから。。青山さんとは和解したかもしれないけど」饗が言いますが、リリコは、「再婚してできた息子の事を言ってる可能性もあるわね。それ、若いうちに別れたら再婚でまた子どもができても今時変じゃないし。」流星が、「まぁ、とにかくさー、ほら、さりげなく、青山のおじさんの事を。。あ、ホラホラ、リリコ、一応タクシー会社に予約の問い合わせしなよ。僕がしてやろうか。」というので、「まぁ、仕事の事もあるから私が今から電話するね。ちょっと失礼するけど。。。」というと、リリコは、プレゼンスタクシー会社に電話しました。都王新聞社の者です。プルメリア島取材で、9時から、15時ぐらいまで、場合によっては延長でタクシーを貸し切りにして欲しい、友人からそちら様の24番オーガストさんが、大変評判よく、勤務時間も朝から夕方が殆どと聞いておりまして、ぜひお願いしますと言う旨を伝えました。
どうやら、プレゼンスタクシー会社からオッケーが出たようです。宿泊のアマゾネスサンクチュアリは、男性が入れないので、門の外で9時にお伺いしますという事で。。。

「そうそ、ミーシャに、LINEしてみよっか。」と、リリコが言いますので流星が、「いや、ワンクッション置いて純にLINEした方がいいかも。。。いちおうさ、青山のおじさんは実の親に捨てられたって話しだし。。。現状どうなってるかわかんないしさ、純に、こっちにミーシャのお爺さんかもしれない人がいるんだけどさ。どうなんだろうね、みたいにさりげなくフッと世間話するみたいに話題に出したら。あくまでも、確定はしないけど、らしき人みたいどうかなー、みたいに世間話風を装って。。。あっ、来た来た。。先輩、ありがとうございます。」TOKIOが、真っ白な日本酒ベースのカクテル白雪姫を運んできてくれました。D11128BA-767E-4FFE-9743-EF17F4508D51.jpeg

「うわー可愛い。ありがとうTOKIOさん、さすがだわ。」「わざわざ東京からありがとうね、」TOKIOはにっこり笑ってまた自分担当のテーブルに戻っていきました。「トキさん、No.Oneにしたいよなぁ。」饗が言うので、「ウン。そうそう、だよねー。」流星も言いました。不思議なもので、後輩や同期達は、TOKIOを慕い押し上げようとします。TOKIOのお客さんも、ほかのキャストがTOKIOを慕うのを見て、トキはモテるわねー、オトコにまで取られちゃいそうだし。とにっこりします。ボーイがビールを持ってきたので、リリコは、饗と流星と改めてカンパイしました。「じゃさ、あたし、純にLINEしてみるわ。同窓会どう??って。。。ガヤガヤ飲んでるだろーから。。気づかないかもしれないけど。。。」文章を書くのが大好きというリリコは、純が、リリコはいつも長文LINEが来る読むの楽しいからいいけど。。って言ってたなぁ。病気みたいな長文がうざいってタイプもいるけど、たしかにリリコは文章力があって嫌がられないタイプかもしれないな。流星は、まぁ、自分も仕事終わったら純にLINEしとくかな。。。

東京。バー銀座ラナンキュラス。

「そうそう、夕方ぐらいプルメリア港にお客様のお迎えに行ったんだけど、純ちゃんの同級生らしかったわよ。」ダイヤさんが言いました。「あら、そうなの。。。今夜は純は渋谷で同窓会みたいなんだけど。。。旅行かしら。。。」環さんが言いました。

「いいえ、学生さんだけど新聞社のアルバイトでこっちのルポがどうしても今日から3泊4日の都合だったんだって。新聞社のアルバイトって言っても、都王新聞社の社長令嬢さんみたいね。」「あ、ああ、リリコちゃんじゃない。リリコちゃんもご近所だわ。子どもの頃から良く知ってるの。可愛い子でしょう。」「ええ。とっても可愛い子ですね。それに凄いですね、都王新聞社の社長令嬢って」ダイヤさんが言うと、今日子が、「そりゃ、ダイヤさんの実家の世田谷の成城も凄いですが、環も渋谷の一等地ですからね。お隣は青山奏で、純ちゃんと同級生の女の子がいるんですよ。」「えー、うわぁ。あ、あの青山奏さん。。」とダイヤさんが驚くものの環さんは笑って、「そんな、ダイヤさんは、女性実業家の葉月さんや、アマゾネスサンクチュアリィには、女性の有名人もたくさんいらっしゃるでしょうし、福の神の笑〜さんや、女優の茶目コさんもいらっしゃるんでしょう。」「あら、言われてみれば。。。確かに自分の親しい人がいくら超有名人でも見慣れてると。。。麻痺してきて全然有名人と触れ合ってる感覚が無いわね」「そんなもんなんじゃない。ハーちゃんや、ヴィーナス見ても、有名人ともなんとも感覚ないし。」アポロンはバーボンでいい感じになっていました。環さんが現れて恋人ダイヤさんが、伊集院さんとは、全くの地元の同級生という事が鮮明になり、安心の余裕のせいかニコニコしています。少し時間をさかのぼり先程、あのパッキンキンパのモンタージュ男性が、伊集院三太夫の実弟の剣崎吾朗太(神野吾朗太)であり、環さんの異母姉妹の緋夏さんの最初の旦那である事がわかり、その場は緊迫しましたが、

ダイヤさんが、「言っては失礼だけど。。。伊集院君の話しだと、吾朗太さんは女性に不自由しなかったようよ。女性を追いかけるどころか、女性の方から寄ってきたって。。。だから出所してわざわざ緋夏さんを執着して追いかけるってまず、無いと思うんだけど。出所しても吾朗太さんはまだまだ若かったんだし、葉月さんが、笑さんから聞いた話し、TV局に吾朗太さんについての情報提供があって吾朗太さんの入ってた札幌刑務所の刑務官だった人によると、何人かわざわざ東京から女が面会に来てたみたいだしね。」「それに、緋夏さんには、新しい俊さんという男性がいたんでしょ。緋夏さんの方が、吾朗太さんの女関係を恨んでなんて無いと思うわだって、女なんか昔の男なんか今好きな男性がいたらどうでもいいし。」今日子が言います。「でも。。。緋夏は。。。轢き逃げ犯の鷹さんと間違えて私の母親を刺そうとしたし、木蓮寺のベルモさんが、自分はイキイキ元気な癖に、子どもでお亡くなりになる方は魂のレベルが高く社会を改善する問題提供を命を張って投げかけているとネットに載せて、お前は子どもで生きている癖にと本気で刺しに行こうとしたのよ。」母親の峰をかばって緋夏に刺された環の傷跡がズキンとしました。
「それはまた、特殊なケースだよ。。可愛い盛りの自分の子どもが轢き逃げされたんだから、母親は異常になって犯人に殺意を持っても仕方ないとは語弊があるけど。そういう場合は誰だって相手を殺してやりたいって気が狂うんじゃないかな。だけど。。。もう女性に新しい好きな男性がいて、男性は女性関係が派手ならドロドロした殺人沙汰にはならないと思う。」アポロンが言いました。
「そうよ。。。環は考えすぎよ。。。緋夏さんが吾朗太さんを殺害なんて。。なんのメリットもないわ。」今日子が言います。「そうね。。。でも。。。純は。。純はどちらの娘なのかしら。。。」ぽつんと環さんが言いますので、ダイヤさんが、「あら、純ちゃんに何度か会った事があるけど、とてもじゃないけどヤンチャしてた男性の娘さんには見えないわよ。品がいい礼儀正しいこだし、俊さんじゃない。」今日子さんも、「それに、吾朗太さんが女性関係が派手なのに子どもがいないなら。。。種がないかもしれないし、でも、俊さんには前の奥さんに二人も子どもがいるんでしょ。
今日子も以前は純ちゃんが俊さんの前妻の息子の南風のマスターとお付き合いし、異母兄妹だったらどうしようと環から相談されましたが、結局全く何もないまま別れてしまったと環から聞いていました。

アポロンも、「いずれにせよ、もうお嬢さんは環さんご夫妻の娘さんでしかないのでは。」と言うので、環さんは笑って、「そうね。

B3CB4333-B83C-441F-B2B0-4295D9B37FBA.jpegカラオケ。渋谷、パーフェクション

「うちのお店を使ってくれるんだから、一次会だけで帰れないわ。」ミーシャは、父親に無理を言って2次会のカラオケパーフェクションのパーティールームを貸し切りにしてもらいました。
ブルーモーメントグループは、カラオケやレンタルルーム業も手掛けています。「おじさんってミーシャに甘くない弟ちゃん達より。。。」牝牛の真琴が言います。
「そうねー。そうかも。お姉ちゃんはもう嫁いだし、弟よりわたしの方がパパの事業に興味があるし。わたしも。。。うちのグループの仕事を将来考えてるのよ。」「それも良いけど、純ちゃん大丈夫」キツネのほのりが少し飲み過ぎた純ちゃんを心配します。「ウーン、大丈夫、もうここは、ソフトドリンクだし。。。トイレ行く。。。」

「あ、アタシも行くわ」ミーシャが言いました。

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純ちゃんは個室に入りましたが、ミーシャが先に個室から出て手を洗ったあとに。。。

「あらっ。」スマホを見ると、今日残念ながらどうしてもバイトでクラス会に来れなかったリリコからLINEが入っています。。。確か。。取材のお仕事だったよね。。
プルメリア島
もしかしたら、駿栄の店に行くかもって言ってたから、その話しかな。

なにげなく、リリコからのLINEを確認します。

えー、あら、リリコ。。純、って送信先を純と間違えてアタシに送ってきてるみたい。

リリコは相変わらず長文で、駿栄のお店に来た元気そうで、みたいな話とそれでさ、どうもミーシャのお爺さんかもしれないってタクシー運転手さんがこっちにいるみたいなのよ。お父さんの方のね。

もしかしたらもしかしてで。。青山のおじさんの両親の事情は現状わからないからミーシャには聞けないけど。。。素敵なお家にお住まいなのでインタビューを兼ねて明日。。。

え。

純ちゃんも個室から出て手を洗いました。

「えっ。。どうしたの。。」スマホの画面を割れんばかりに真剣に見つめているミーシャ。。。「リリコが。。さ。。多分酔っ払って。。純に送るLINEを私に間違えて送ってきて。。。」「あらら。。。

純ちゃんは、そう言うものの。。男女の夫婦恋人の浮気打ち間違いのLINEじゃあるまいし。リリコが、私とミーシャと勘違いしてミーシャにLINEを送っただけで。。ミーシャはどうして動揺してるのかしら。

どう考えてもだけど、まさか、リリコがミーシャの悪口みたいなことを考えたり、私に陰口で送ってくるなんて考えれないのに。なにをミーシャは真剣なかおで。。。

「パパの。。。パパの方のお爺ちゃんかもしれない人が。。。プルメリア島にいるって。。。」「えっ。。。」「多分。。。当事者家族にストレートに言っていい事なのかと。。戸惑って純にLINEしたんだと思う。」「そうよね、。。多分。。

「リリコに。。。電話してみる。。。」ミーシャが言いました。13CE25F0-4398-400C-A669-D389379D3332.png





2021年01月30日

マリッジcelebration256いつも心に満開の花束を。。。

ミーシャ。。。裕福なお嬢様に見えて大変だったんだ。。。

同窓会は皆んなでシメのオーナーの差し入れのケーキを食べて目玉焼きには何をかけて食べるかという平和であるベタな話題で盛り上がっている傍では。。。


純ちゃんとミーシャが深刻な表情をしていました。なんて言ったらいいんだろう。純ちゃんは口を挟まず話しを聞くだけにしました。。。あまりここでは。。。内輪の話だからと。。。純ちゃん、ミーシャはお互い様はっ、と顔を見合わせて慌てて素知らぬフリをして。。目玉焼きの話しに参加する。。。はっきり言ってさ。。。目玉焼きに何をかけているかなんて、幼稚園でも小学校中学校でもみんなの話題になった。クラス替えメンバー変わるけど、誰かしら忘れた頃に。。。ぽつんと話題を投げる人がいるの。。その度に、ミーシャも純ちゃんも、気分と時と場合によりけりと答えていました。純ちゃんも喜美がベビーシッターや家政婦をしていた隣の家のミーシャも、志乃やジローや喜美が、気分によってソースだの醤油だの、塩コショウだの。。ドレッシングだの。テーブルに置いてある調味料を日に日に気ままに使い分ける環境で育てられていたので。。。こだわりの頑固オヤジみたいに。。。これだけ。。。
醤油だ、ソースだ、にこだわってギャアギャア言う方が変だと思っていました。基本的にはメダルにほとんど塩胡椒の環ですら気分で、醤油やソースをかけています。
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まぁ、そんなんはどうでもいい。。。喜美さんは、週何日か、ミーシャの家の家政婦として掃除洗濯や料理をしたり、ミーシャや高校生の双子の弟のお弁当を作っています。例え雇われとは言え、赤ちゃんの頃からベビーシッターをしていた喜美さんはもうミーシャにとっては祖母みたいなものだし。旦那のジローも、祖父みたいなものでした。

ミーシャは。。。
急にお爺さんがいる、しかも、騙されて子どもと引き離されて養育費を祖母に使い込まれて。。。

ミーシャの母親の祖父母も、母親の椿が高校生で妊娠出産したので、縁切りして疎遠なんだけど。。。それはまぁ、あちらから勘当だというので。。どうでもいいって言っては語弊だけど。騙されて子どもを取られて一方的に悪者にされた。。。と言うお爺ちゃんの方は

なんだか、可哀想な気がしました。もう新しい家庭ができて元気でいるならそれでいいんだけどね。実業家のミーシャの父親の青山奏は、マスコミに顔も出してるある意味有名人だし。。。マスコミに、兄が2つ歳上の禅というのも両親に捨てられたみたいなのも自叙伝に載せています。

生きていたとして、ある意味で有名人で成功している奏に私が父親だ、とすり寄ってくる様な性格の人では間違っても無いのでしょう。。。

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プルメリア島、ホストクラブ熱帯夜

「あー」「どうしたのよ。。。突然に。。。」エステ社長、ライオンの白鳥玲緒奈担当ホストのTOKIOが他の席に行ってしまって、ヘルプの新人の流星と、もう一人、TOKIOのグループのフェネックの饗がやってきました。突然、流星が何か思い出したような様子なので。。。「どうしたんだよ。」饗が言うと、「あの、タクシーの運転手さんさ、誰かに似てるかなー、って思ってたんだけど。。。地元の近所の社長にそっくりだよ。。。歳を取ったらあんな感じだ。。東京に息子がいるって言ってたけど。。まさか。。。そうなんかも。。。」流星がそう言いました。「そうなのか。。。」饗が言うと流星は変な顔をして、「ウーン。。。あの運転手さん。。。人生教訓みたいなことを言ってたけどさ。。僕も慰めて励まされたけど。。。でもさぁ。。。思い過ごしかな。。。」「あらら。。。失礼だけど、近所の人変なオッちゃんなのー」玲緒奈がヘネシーを飲みながら言うわかってはいるけど、お目当てのTOKIOが他の女の子について少し機嫌が悪いかも。。。しかしながら、流星は首を横に振り「ウウン、それどころか、皆んな知ってると思う。玲緒奈さんも、饗も、ここにいるみんなも知ってるさ、多分」「お、おいっ、有名人そか、お前は東京出身って言ってたから。。。地元や近所に有名人はいない事も珍しくないだろうな。。。。」饗が言うと、「飲食業界の異端児だよ。。。青山奏、ロシアンブルーの。。。」「えーあたし、ブルーモーメント系列結構接待で使うけど。。。あの。。。青山氏。。。ご近所さんなの???流星君は。。」「ご近所って言うか、実家の隣の隣の家だし。隣もその隣も、同級生の女の子がいるよ。僕んち、親が親だから。。。隣の家の人が親切にしてくれて、2軒先の青山さんちは、お金もってるし、隣のお婆ちゃんが青山さんちの家政婦や、ベビーシッターやってて。。。えっ。。。でもさ。。。青山のおじさんって。。波瀾万丈の人生で、両親に捨てられたってマスコミにも言ってるよね。。。なんか。。。あの。。タクシー運転手さんのオーガストさんが、家庭を捨てて出奔なんて。。全然イメージないし。。。思い過ごしかな。」「でもよ。。?オーガストさんは、東京に息子がいるって言ってたから。。。和解したんじゃねそれか。。。青山奏とは全然関係ないんじゃねーの、和解した息子があんな金持ちなら、わざわざタクシー運転手するか。。。たしかに。。。似てるって言われたら似てるけどさ。そんな有名人なら俺がオーガストさんなら言ってるかも。。。」饗は言うが、7C3B5B0D-8CE6-40ED-AC68-5B4998BC760F.png「だけどさ。オーガストさんって、自分の息子は有名人みたいに、自慢する様に見えないし、子ども捨てるように見えなかったよ。。。」流星が言うと、「ま。。。まぁ。。言われて見ればなぁ。。たしかにあの青山奏が、素朴で穏やかに歳を取った感じ。。。だけどな。」饗が納得する。。。「わざわざ有名人の息子がいる、とまでは知られたくないのかもよ。息子がいる、と言ってもね。」玲緒奈が言います。饗が、「俺さ、あんまり頭良くないし本を読むの嫌いだけど。。。ただ、成功した社長の自叙伝は好きで読んでるんだよね。ネットのエッセイとかもね、モチベーションになるじゃん。全然親しくない雲の上かもしれんけど、メンターって言うのか、気持ち的に。。あの木蓮寺のおデブさんのサイトの渋い説教もクセになるけど。。。見た目はオツム弱そうなのに、あの顔で賢くてクソ真面目な事を言われたらコタエる。。。青山奏も好きだし、読んだよ。。本。俺に珍しく。。。あ」突然、叫びだす。叫び出した饗が、水色の名刺を取り出しました。プレゼンスタクシーのイメージカラーは、天空、冷静、誠実の水色です。
オーガストさんの名前が書いてあり、24と書いてあります、これは背番号みたいなものでしょう。そのあとに、個人が押した様な青いインクの山のマークの印が押されていました。「これこれ、青い山のマークって。。ほらさ、。青山って意味じゃね」響が言います。1E10A48A-2AE0-40C7-B1B8-57AB9E5F9957.jpeg「あらっ、そうかも。。。へー、じゃあそのドライバーさん。。。あの青山奏の。。。父親なのかしら。」そう言いながら玲緒奈は、ボーイにシャンパンをオーダーしました。「えー、そうなん。。かなぁ。なんか、ショックだなぁ。いい人そうだったんだけど。。。青山のおじさんが子どもの頃に借金を踏み倒して。。逃げた。。。って。似てるから。。やっぱり、オーガストさんか。。な。人は見かけによらないなぁ。」玲緒奈からヘネシーをススメられて呑んでいる流星が、がくっとしながらも言いました。すると、意外にも饗は、「おめーは、流星、あめーよ。。。俺は親が離婚して、最初はオカンに引き取られたけど。。。オカンなんか、オトンから養育費を取り上げて、別れた旦那をボロカスに言ってたぜ。で、BBAはネグレクトで男を作って帰って何日もこねーしよ。。。

俺はグレて。。。慌てて父親が兄弟を引き取りに来たけど。。。オカンは、オトンは浮気して暴言は酷いしお前らの成長に悪いからと俺ら兄弟に嘘を洗脳して子どもを父親に会わせる面会を拒否してたんだけどな。
後から
父親に会ったら、全然普通の人だったし、母親が養育費目当てで兄貴や姉貴や俺を引き取り。。。オカンは子ども三人分養育費と母子家庭手当で働かずパチンコばっかりやってたし。結局は、真実暴露父親が有責は大嘘で、母親のギャンブルや浮気で離婚したんだけど。有責の馬鹿女が元亭主を一方的に悪者にして、子どもには、そんな悪い奴には会うなと丸め込んで金と子どもをまんまと巻き上げて吹聴して元亭主や子どもを騙すってパターンいくらでもあるぞ」同じくヘネシーを飲みながら饗が言う。饗は、どうもオーガストさん贔屓のようで。。。「それは、わかんないけど、あーあー、父親サイドに引き取られた方が絶対幸せなのに。ってパターンの子どもは、私も見てるからね。ほら、父親だとだいたいは仕事やお金あるし、割と自立しようとするけど母親だと子どもの結婚に女手一つで育ててくれたからって、最初から働かず子どもが養って当たり前みたいな顔して平気でくっついてくるパターンあるじゃない。」玲緒奈が渋い顔をしました。なにか、過去にとんでもなく嫌なことがあったのでしょう。「まぁ。。。ちょっと違うけど。。。絶対生涯一切会わないなら別れた彼氏の悪口や、自分が悪かろうが被害者みたいに言う女っているもんね。」流星が言う。「俺なんか、母親がむかついて、女に騙されるぐらいなら、女を手のひらで転がすってホストになったし。まぁ。。。それ以前に、性分的になかなか地道な仕事できないからな。。。オトンは最初カンカンに怒ってたけど。。俺が俺らしいのはホストしかないってわかって。。泥棒や詐欺をしてるわけじゃないし、最初からホストですって店に所属しているから必要な女性がホストってわかって飲みに来るわけで、罪はないし。適当に将来企業するから、社会勉強と資金稼ぎを兼ねてって上手いことオトンを言いくるめたし。マジでさ、青山奏の自叙伝を持ってたから、オトンが、お前読書するのかってびっくりしてさ。本なんか漫画しか読まない俺が。。。そりゃ、将来的に事業家になるには、幅広い人脈と時短的に社会の裏や人の気持ちの裏を読まなきゃ。幸い俺は女ウケ悪くねーし、口から産まれた様な奴だし。長所は長所として磨くべしだと、いずれ青山奏みたいに成功する、ホストはほんの若いうちの貴重な体験をし、成長するとオトンを洗脳したさ。オトンは単純だからね。最初性悪なオカンに騙されて子ども取られて養育費真面目に支払ってたぐらいだし。

「あらま。。でもまぁ。。。親を騙してるわけじゃないしね。男女が別れる時って、男性だと俺がみんな悪かったみたいな事を嘘でも言う人いるけど女性はなかなかないもんね。それどころか、女性は、可哀想な被害者でありたがるし。」玲緒奈はため息をつく。「今度。。。オーガストさんのタクシー呼んだら、もしかして、青山奏さんのお父さんファンなんです。ってチラッと聞いてみよ。」饗が言います。玲緒奈の担当のTOKIOが戻ってくると同時に、ボーイがトルテを運んできました。「よぉ、お待たせ玲緒奈さん、お待ちいただいてありがとう。こちらのスイーツもありがとう。」TOKIOが言います。「流星君も饗ちゃんも、食べてから他の席に行きなさいね。」玲緒奈が言いますので、流星と饗は、「ありがとうございます。」とにっこりしました。「随分盛り上がってたじゃん。」TOKIOが言いますと、コソッと饗が、「や、あのストレチアをくれたタクシードライバーさんが、もしかして。。。って」「もしかしてって」「飲食の実業家の青山奏のお父さんかもしれない。。。って言ってたのよ。。。」玲緒奈が言いますと、トルテを切り分けたTOKIOは、「おーカッコいいじゃん。青山奏。。」中卒で成功したから、ある意味でホストで憧れているキャストもたくさんいる。TOKIOは、最近ホストクラブ熱帯夜でNo.4からNo.3に昇格しました。66841908-3BBB-4AD8-B213-1AB2F3C3B9BE.jpeg「改めて、乾杯025CCDEA-AF04-416B-BE69-56FF999A1E0A.pngTOKIOが言います。「流星君、それどころか、青山奏のご近所さんで、子どもの頃から知ってるんだって」玲緒奈が言います。「へー、すげ〜な。」TOKIOが驚くと「近所のおじさんみたいなもんで可愛がってくれてたよ。忙しくて自宅にあまり居ないけど、僕の隣の隣の家だし。すぐ隣と青山のおじさんには同級生の女子が両家にいたし。」流星が言います。「でもさ、確か、青山奏って。。。両親に捨てられた。。。って生い立ちだろ。。。ストレチアのタクシーさん。。やばい毒親なんじゃあ。。」と、TOKIOが言いますと、饗は、「先輩は甘いなぁ。青山氏は、母親に引き取られてのちに再婚の邪魔だと兄弟で捨てられたって生い立ちエピソードだよ。。。そんな性悪女。。。そんなん二度と旦那に会わないなら、悪口言い放題じゃん。俺、モロ経験者だし。ま、最終的に嘘つきBBAから父親に兄貴や姉貴と引き取られたけどさ。TOKIO先輩は夫婦家庭円満な家の子でわかんないんだろうけどさ。」すると玲緒奈が、「トキちゃんは、夫婦円満過ぎて産まれたからね。」TOKIOは、上の姉や兄と20歳前後年齢が離れて母親のガーベラさんが46歳の時に突然できた子どもでした。「そ。。。か。そうかもなぁ。ホストたるものが表面的に事情も知らずに勝手に判断しちゃいけないんだけど。それにしても、青山氏が近所のおじさんってスゴイね。」「先輩だって、女性投資家のアマゾネスサンクチュアリのオーナーの葉月さんと親しいじゃないですか。玲緒奈さんも先輩の繋がりで、アマゾネスサンクチュアリィ宿泊でしょ。」流星が言います。「アレは、オカンのコネだよ。ウチのオカン、あそこで清掃スタッフのおばちゃんしてるし。もー働かなくて仕送りあるだろ、ゆっくりしたらって言っても働いてんなー、スタッフルームで泊まりも結構してるらしいし。」TOKIOが言います。


なんだかんだで。。。みんな。。羨ましい。僕は全くもう。。捨てられた。ハタチで成人したし、追いかけて来られるのは困るけどさ。流星は胸が熱くなります。近所の優しい青山のおじさんみたいに。。。

親に早く捨てられたいと思ってた。放置されて罵倒されて、両親や兄や姉のサンドバッグだったから。。。ようやく逃亡してプルメリア島に逃げた。。

ホッとする反面虚しい。。。
純からの情報だと。。。
今日は、確か幼なじみの純が東京に帰ってそれこそ青山のおじさんの店で同窓会だった。。

流星は偶然プルメリア島で、神楽町市に進学してきた幼なじみの純ちゃんと再会して、純だけとはLINE交換して連絡を取っています。同級生には、元気でいる事だけ伝えてまだ落ち着いたら連絡しますってアドレス伏せといて。。と純ちゃんに頼みました。今夜はブルーモーメントで同窓会。。本当は行きたいんだけど

そう、同級生が流星の親にプルメリア島にいるとかホストとかチクる事はないだろうし、万が一親の耳に流星の今現状の様子が入っても、
両親は無視されるだろう。数々の親殺しのニュースがあるけれど流星には、殺す人の気持ちがわかるし

自分だって、人殺しにならなかったのは、人に恵まれてきたから。昔から、隣の純の神野さんちや、クラスメイトや青山さんち、

そして。。。こっちへきてからも、今は運良くホストクラブの先輩が、上司としてTOKIOだし、グループは、饗が親切にしてくれるし。家庭の反動反比例するように。。。

なぜか、社会の人には恵まれ過ぎてる流星は、人は運の傾向やパターンがあって、自分は家庭運が最低のどん底だけれど、恐らく社会の運や家族以外の人間関係にはかなり恵まれているんだろうなと、目に見えない運気を感じていました。


純に、どうだった同窓会ってLINEしようかなぁ。。あと、ミーシャんちの爺さんかもしれない人に会ったぞ、とも。。。青山奏。。。青山のおじさんは、仕事であまり家にいなかったけど、ウチの親に内緒で時々職場の料理を差し入れしてくれてたし。親で酷い目に合った同情かもしれないけど。。。
青山のおじさんは、
隣の純ちの神野家共々、子どもは地域で育てなきゃって。。。お店が終わったら、純に。。。LINEしてみよ。


うちの両親は、代々地元で、両親がエリートの純の家、神野家を尊敬していたけどミーシャが生まれる頃に突然神野家の右隣の土地を買って、学歴がなく成り上がり成功のミーシャの家。。。青山家をあまりよく思っていない。本当に腐った親たち。。。流星は、トルテをいただきますと玲緒奈に御礼を言って席を立ちました。そろそろ。。。指名の女性が来るらしい。少しづつ指名の女性が来てくれるようになってありがたいんだけど。。


今日は、店に初めての来店で指名したいと予約が来た。ご来店初めてで。。。こんな新人ホストを。。。ありがたいような。。。怖いような。。


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「流星、お客様ご来店。。。」ボーイが知らせに来ました。

流星は、指示されたテーブルに行くと。。。

「あら、お久しぶり元気そうじゃない。。」にっこり

えー
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「な、なんで。。お、お前。。。学校は。。確か、東京。。。

目の前には。。。小中学一緒で割と近所のヨークシャテリアのリリコがにっこりしている。なんでこいつ。。。こんなとこにいるんだよ。東京の大学へ。。。今日、純達と同窓会じゃねーのかよ。。。




2021年01月24日

マリッジcelebration255そうしっかりと。。。もしくはぼんやりと。。。

「お母さんからLINEだ。。。今日子さんと、銀座で飲んで帰る。。か。あっ、今日子さんのお店にいってるんだわ。」スマホを見てほろ酔いになった純ちゃんが言います。


居酒屋ブルーモーメントで、駿栄の話題で一瞬シリアスなしんみりとした空気感になったものの。。。駿栄が無事で自宅にいた頃よりハツラツイキイキしてるという事で、遠くから駿栄の門出をお祈りし、再び同窓会は盛り上がりました。時間が経ちお酒が進み、近い席同士の個別な話になっていきます。 76B584C4-CB79-48F9-997A-32CA63FF2F0F.jpeg

「あ。環おばさんの親友の今日子さんってあの銀座のバー、ラナンキュラスだっけ。ウチの両親も今日子さんとは知り合いよ。」ミーシャの家、青山家は大手の飲食店ブルーモーメントで、飲食店やバー経営者の友人知人がたくさんいます。「ミーシャ、みんなもいつかラナンキュラス行こうね。もちろん、ミーシャんちのお店もいいけど。」純ちゃんが言いますと、「行ってみたいわ。今日は、二次会はカラオケだし大人数で押しかけると雰囲気壊すし。。。また改めて行きたいね。それにしても、環おばさんカッコいいわね。」ミーシャは、幼なじみでしたが、両親が多忙な飲食店経営で、父親が社長で奥さんが専務です。青山夫妻は、お金を支払うのでと純ちゃんの祖母の喜美がベビーシッターとして預けられている時期がありました。子ども好きな喜美さんは、専業主婦をしながら自宅でベビーシッターをする事がありました。
あの頃はまだまだ
難しい性格の姑、純ちゃんの大祖母の志乃がいましたが。ロシアンブルーのミーシャは大手の飲食店経営の子どもであり、成り上がりでもこの一頭地地域にポンと豪邸を買えるぐらいの家の子どもだしミーシャの姉のルーナは、志乃と出会った幼稚園児の頃からいつも志乃ににこやかに挨拶して志乃になついていたし、ミーシャもミーシャの双子の弟二人もとっても可愛らしいなにより志乃はブルーモーメントグループの大ファンだし志乃は、昔から猫とは相性が良いし志乃にとって猫は縁起が良いと言われていましたし。自分でも猫と関わるといい事があったので、子どもの頃から猫贔屓のジンクスもありました。414C060B-8120-45E3-8DBB-B097D197071A.jpeg
青山家からは、
お食事券や贈答品のお裾分けをされたり、充分な謝礼を支払ってくれているようだし、嫁が家の事をおろそかにしないならいいとベビーシッターを許可しました。左隣の家の駿栄も、親から放置されて環や喜美さんが面倒をみましたが、
志乃は
駿栄の家の夏目家は帝王大学卒業が当たり前の天才で、たしかに駿栄は私立幼稚園は落ちたけど、それでも賢いし
駿栄の兄や姉より可愛くて礼儀正しいし大事な跡取り孫の渡海や、男孫のケイトの勉強を見てくれるようだし、家族が、駿栄を無償で面倒みるのには何も言いませんでした。ああ見えても志乃は、自分になつく子どもが好きでしたし。息子の前妻の峰から環を取り上げて独占して育てていましたし嫁の喜美に家事をさせて、自分が子どもの面倒を見る事すらありました。

優秀で息子に似た長女の環は別格として。
内孫がまたの女の子だった
自分になつかないような緋夏や舞に冷たかっただけであり、緋夏が環に預けた純ちゃんは、環の娘に特別養子縁組されたし、内孫で唯一の女の子で可愛がっていました。

言うなれば、純ちゃんは、ミーシャや駿栄と兄妹のように一緒に育ったようなもの。「そう。。。ありがとう、ここはそんな事ないって言うべきなんだろうけど、私の自慢のお母さんなの。」普段自慢しない謙虚な純ちゃんも、環の事だけは自慢します。
だけど。。。
親友のミーシャにすら、本当は、環は伯母であり、実の母親では無い事を言っていませんでした。しかし、捨てられた純ちゃんの中ではすでに実の母親の緋夏さんは死んだものだし、無かった事ですらあるのです。思うところはあるけれど。。。

純ちゃんは、あまり飲み慣れないアルコール。。カクテルを飲みました。「おじさんもだけど、おばさんもかっこいいよ。。。ウチは。。。お父さん中卒で母子家庭で、お母さんの家に反対されて駆け落ちして。。親戚付き合いないからね。」ミーシャの父親は、母子家庭の為早くから社会に出ていました。飲食店で下積みから働いて頭角を表して飲食店経営を軌道に乗せました。ハタチで企業して、25歳にはもうすっかり何店舗か飲食店を経営していましたし、横浜から東京に駆け落ちの出来ちゃった結婚で娘がひとりいて

次の子どももまた産まれるので、生活も豊かに安定してきたミーシャの父親と母親は渋谷の一等地の純ちゃんの家の空いていた右隣の土地を純ちゃんちから購入して家を建てました。純ちゃんちの左隣りは駿栄の家の夏目家です。「ミーシャんちのおじさんやおばさんもかっこいいと思うんだけど。社会で才能を表現してたくさんの人を喜ばすって凄いわ。」純ちゃんが言います。「うちは。。。両親が中卒や中退して駆け落ちだから、子どもには進学しなさいって。。。私も学生だけど、この先どうしようかな。。」ミーシャが言います。「あら、ミーシャは、ブルーモーメントグループで仕事するんじゃないの社長秘書とか。。。」近くにいたウサギのルピナスが言います。1E02A242-E8BA-4DF7-B744-ECF9BCF1572D.png「それも考えてる。。。けど。。お姉ちゃんは嫁いじゃってるからもうウチの小場には関係ないけど。。。まだまだ弟達とも話し合ってないしね。いまどき跡取りが男性って事もないしね。私もたまにうちでアルバイトしてきたし。」高校のころ親友ミーシャに誘われて純ちゃんもブルーモーメントグループでアルバイトした事があります。ミーシャの両親は、昔高校生のアルバイトだった母親の椿とそのアルバイト先の中卒のバイトの店長だったひとつ歳上の父親の奏が付き合い椿
がミーシャの姉のルーナを妊娠してしまい椿が高校を辞めて赤ちゃんを産む事を決意して椿の両親から大反対されて駆け落ちしました。

父親の奏は、母子家庭で2歳歳上の兄の禅がいましたが、奏の母親の話しだと、兄弟が物心つかない頃父親が事業の失敗で借金を残して行方不明になったので、母親が再婚する時に、子どもがいない事が再婚の条件なのでと、母親に捨てられて母親方の祖父母に預けられて、
兄が中学生の時に祖父母が相次いで亡くなり
中学校を出てから兄弟は社会に出ざるを得ませんでした。禅と奏の母親は、再婚するまではずーっと水商売でした。母親は、奏が成功するとお金の無心にきたのである程度まとまった金額を手切れ金として渡して縁切りしました。ミーシャの父親の奏と兄の禅は、両親に捨てられたのです。それがゆえに。。

ミーシャの家の親戚付き合いは、父親雅の兄の禅一家のみです。「よぉ、みんないらっしゃい。ありがとうね。純ちゃんも暫くぶり。」奏がニコニコして、娘の同窓会をわざわざブルーモーメントで開催してくれるからという事で挨拶と差し入れに顔を出しました。
オーナーお久しぶりです。ありがとうございます。

ミーシャのつてでブルーモーメントグループでアルバイトしていた子も、近所のよく知った子もいたので、奏はケーキを差し入れました。「パパ忙しい中ありがとう一杯いかが」ミーシャがビールをすすめます。「運転だからね。。気持ちだけ。それにしても、皆んな元気で良かったあれっ。。。」失礼というと奏はスマホを確認します。「えっ」「どうしたの。。。パパ。。」「兄さんから。。。LINE。。。」「横浜のおじさんから。。。」「すぐ電話してだって。。。珍しいな、LINEで知らせてくればいいのに、ちょっとだけごめん。。。」奏は席を立ち、厨房の近くにやってきました。兄の禅にすぐ電話すると。。。「お、奏。。。久しぶり。。元気か」「兄貴。。。いったい。。いったいどうしたんだよ。。。」「大阪から連絡があって。。。馬鹿女が亡くなったらしい。。。まぁ。。。亡くなっても俺らは、葬儀に出ない遺産も相続放棄って約束だったんだけど。。。」馬鹿女が。。。母親の瞳の事です。しかしながら、母親が亡くなったと言われても再婚の時に捨てられたり無心されて散々な目に遭わされた奏の気持ちは何も動く事はありませんでした。「そうだなぁ。。。なんでわざわざ連絡してくるんだ。連絡はいらないから。借金がある時だけは、相続放棄するから言ってくれと言ってあるんだけどな。借金でもあったのか幾ら渡したって言うんだよ。。あいつには。。」奏はため息をつきました。「そうじゃなくて。。。それが、日記帳が送られてきたんだよ。。」「馬鹿女のか」「うん。。。さすがに。。これは貴方達ご兄弟にお知らせしないとって。。それが。。。中を読んだんだけど。。。どうやら。。俺ら兄弟は、くそBBAに騙されていたようだ。」「どういう。。。事だよ。。。兄貴。。。

奏の兄の禅の話によると。。。奏と禅の父親が借金を作って逃げたのは嘘で、瞳の育児放棄と浮気が原因で離婚した。有責は瞳だったけど、仕事が忙しくて子育てできない父親は、自分の両親もいないので、瞳の両親が子育てを手伝うと言っているので信用して泣く泣く禅と奏を手放して。。。でも、実際は母子家庭手当と父親から振り込まれる養育費目当てであり。。。禅と奏の父親は、
真面目に養育費を振り込んでいたが、瞳は養育費を使い込み、禅と奏を自分の両親に丸投げして再婚した時に、子どもを捨てました。。。

「じゃあさ。。。それほど。。。俺らの父親は、悪くなかったって事か。。。いまさらだけど。。。生きているのか。。。」奏が怒りで震えながら言います。

「旦那が海外に転勤するのが嫌で離婚したとも書いてあったな。。。海外でなかなか子どもに会いに来れないし。。。それをいい事に、俺らに借金をして逃げたとか無茶苦茶教え込んだんだろう。。。」禅が言いますと、「はぁ。俺らを捨てたり、金の無心をしたり、どうもあいつの有責で別れたんじゃないかと。。薄々そんな感じを。。。なんとなく。。。だったけど。。。やっぱり。。。そうだったのか爺ちゃん婆ちゃんには本当に世話になったから。。。あいつをそこまで憎むのはと思ってたんだけど。。。

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「パパ。。。おじさんどうしたの。。。」ミーシャがお手洗いに立った時に厨房の近くを通ると電話し終えた奏が複雑な顔をしていました。

「ミーシャ。。。その。。。祖母になる人が最近亡くなったみたいで。。」「えっ」とは言え、父親から伯父と一緒に両親に子どもの頃捨てられてもう祖母とは縁切りしたと聞いていましたので。。。祖母と言われても。。。亡くなったと言われても。。。どこか知らない人が亡くなった感じしか。。。「兄貴の話だと。。。すっかり。。。母親に騙されてたみたいだよ。俺の父親が。。。生きてるかどうかわからないけど。借金をして逃げたのは嘘だったらしい。二度と会う事がないから。。。オヤジを一方的に悪者にしていたらしい。。」「えーじゃあ、パパは、苦労しなくても。。お爺ちゃんの方について行ってたら。。。」ミーシャが言いますがしかしながら、

「そのへんはさ、きちんと事業を軌道に乗せたし、ミーシャだって。。。オヤジの方に兄貴とついて行ったら産まれていなかったから。。。それは、嫌な思いばっかりさせられた死んだBBAに感謝しなきゃいけないけど。。。オヤジの海外転勤があって、兄貴も俺もオヤジにはついていけなかったろうし。でもなぁ。。。
ミーシャは父親の奏から
物心ついた頃に既に奏の父親はいなかったと聞いていました。禅と奏の父親がどういう人かは。。。はっきりわからないみたいで。。。って話も。。

「海外に転勤したの。。。お爺ちゃんは。。。」「うん、昔オヤジの海外転勤について行くのとそれが嫌なのとBBAが浮気して。。。離婚したらしい。。。オヤジの借金はBBAの大嘘だったらしい。。生きてるのかわからないし、もう年齢考えたら多分定年退職してるかもしれないな。。海外にいるかもしれないし。。。新しい家庭や再婚相手がいるかもしれない。。。ただ。。。名前がわかったんだよ。。。出身地と。兄貴に興信所を頼むって話し合って。。

亡くなった母親を禅も奏も共に信頼していませんでした。何度か、父親が居なくなったのは母親の瞳の性格だろ借金は嘘じゃないだろうかどうもおかしいなんで、瞳は借金をなすりつけた男の姓を名乗るんだろう。瞳の両親で育てられている祖父母は、楠木で、瞳や禅や奏は青山で。。。

青山は父親の名字だろ普通そんなめちゃくちゃな酷い男の名字は離婚したらさっさと変えるぞ

と話し合ったことがありましたが。。。禅も奏もお互い家庭が出来て、父親の事など最初からいないと思って育っていたので。。。いつのまにか多忙な日々に追われて父親の話は片隅に追いやられていました。「そうなの。。。」いきなり祖父が。。。と言ってもミーシャには。。。ピンときませんでした。


お手洗いに立ってなかなか戻らないミーシャがやっと戻ると近くにいたチワワの歌麿が、かなり酔っ払って7A089EAB-D280-496B-88B3-51456F1350C2.png

「遅かったなー、ウンコか。」「やーねそうじゃないわよ。パパと話しをしてたのよ。。」ミーシャが席に座ると、みんな個別に飲んで話していたので

隣の純ちゃんに、「ねぇ。。。どうも。。。顔も知らないけど、お婆ちゃんが亡くなって。。。そのお婆ちゃんがお爺ちゃんやウチのパパや伯父さんを騙していたらしいの。。。」「えっ

「お爺ちゃんとかお婆ちゃんって。。あたしは純ちの志乃のお婆ちゃんや、ジローおじさんや喜美おばさんに可愛がられたけど。。。本当のお爺ちゃんがいるみたいで。騙されて全く非が無いらしいから、生きてるかどうか、わからないけど、パパが、興信所に依頼するって。。。」「そうなの。。。

「70歳で、亡くなったお婆ちゃんと同い年で、福岡の博多出身で。。。名前はオーガストだって。。。

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2021年01月18日

マリッジcelebration254儚き美しき。。遠い記憶の片隅で。。。

ベルモのスマホに電話がかかってきます。この音は。。。どう考えても。。。


い。。。家電。。それは、すぐそこの自宅森沢家からの電話でした。ベルモは、「ちょっと失礼します」と吾朗太に断り電話に出ました。0301CD17-BD54-406C-BF5A-E9A8ED31D2A0.png

「ベル。。。どおいう事じゃ。お客さんほっぽりだして」濃紫婆さんだベルモは、冷泉氏と本陣氏を玄関で出迎えるとそのまま吾朗太さんの気配を感じて二人を家に押し込むと思わず自分は境内へ飛び出してしまった。。。「お。。。お客さんって。。いつものミスター達でしょ。」「近所のボウズたちでも客は客。それに食事中に立ってそのまんまはいかんと言うとるのじゃ。そなたは、他人様のお子を預かる身で。。」濃紫婆さんが説教しはじめるそう、濃紫婆さんは立居振る舞いや行儀や礼儀、品位には厳しいので。。。100歳過ぎて。。主のように80年ぐらいはこの木蓮寺にいて。。近所の冷泉氏や本陣氏も赤ちゃんの頃から知っているので近所の坊やら近所のボウズたちなど言う。。。D4AF272F-479B-4AEE-9C77-C8682FF90815.png
ベルモははっとして。。。
「す。。。すみません。。。戻ります。」チワワ達がいなければ事情を話すところですが、チワワのミーナとココナの前では怖がるので幽霊の話しをしない事と、きつく濃紫婆さんと紫子夫人に言われています。濃紫婆さんも紫子夫人も、愛狂わしい小型犬にメロメロ甘々なので。。。ここはちょっと。。。「なんだよう。。お前は。。兄貴って。。そいつは。。いったいどういう事だよ。」「待って。食事中に席をたったままだと濃紫婆さんに叱られるのよ。チワワがいるからあなたの事も喋れないし。」「さっきの電話で言えば聞かれないだろうに、おめーは、どっか抜けてんな。」「それもそうだけど、あのチワワ二人はねーたん、何やってるのってこっそりこっちにくるわよ来たらあの子達は幽霊が見えないから、私が空中に向かって話してる様にしか見えないんで頭がおかしくなっただのギャアギャアわめくわよ。だから、幽霊の。。。吾朗太さんの事は、チワワが寝てからにしなさい、それを条件に濃紫婆さんに花瓶を貸して貰ったんだから。。。で、幽霊と話をしてるなんて言ったらもう大変なんだから。」「めんどくセーあのちっこいポメラニアンみたいな婆さんもチワワも小型犬にろくな奴はいないな。お前のクラスも。。ぴいなってガキがキンキンみーつけって言ってくるからもう俺が視える奴に見つからないかヒヤヒヤしてるしわかったよ、」「しょうがないわよ。アタシだって僧侶になる時に若い娘がって親に泣かれたのを、濃紫婆さんがこの子は仏様のお使いでこの寺にやってきたんじゃ。僧侶の何が悪いヤクザか泥棒になるって言ってるんじゃあるまいしって木蓮夫妻を叱ってくれたのよ。そうじゃなきゃ、精神病院へ強制入院させられてたかもしれないし。ポメラニアンみたいな婆さん。。。ってもう100歳だから仕方ないじゃない。色白で北国の札幌から南国にお嫁さんに来ても全然日焼けしないし。濃紫婆さんとチワワが寝たら話すから、離れの近くの蓮池のほとりで。いつも蓮池のほとりで寝泊まりしてるんでしょう。」つい、吾朗太さんを見つけて、早く彼が記憶を戻す助けになりたいと思いましたが。。。濃紫婆さんとの約束を思い出して、はっとして

ベルモはそう言うとさっさと戻っていきました。7A197406-DED6-44A6-8A49-1F9ECBBC6DC9.jpeg

そうだった。戻れば戻ったで、木蓮和尚が濃紫婆さんと紫子夫人に叱られていました。蔵の戸口でまとわりつくコバエの様に覗いていたチワワ達は、朝ベルモが出かけて行きましたので、木蓮和尚に、「ジーたん、ネーたんどこ行ったの。。。」と聞いたミーナとココナに、「ベルモは。。。ミーナとココナが叩くと通報したから警察に捕まったよ。」とチワワ二人を騙したからです。
ミーナとココナは顔を見合わせてこれは。。。まずい事になったと、二人の親友のぴいながベルモが逮捕された事を知ったらぴいなはベルモ先生命大好き過ぎるので、ミーナとココナは絶交されるでしょう。01251691-8AFB-4EA7-A2DA-8737E39CC847.png


どうしよう。。。ひよこ組のみんなから、あんた達のせいでベルモ先生を失った責任取れー924477A2-569E-4502-BC8E-71BE8D0E797C.png

ミーナもココナも大嫌いベルモを返せと非難轟々かも。。。

プルプル「ネーたんは、牢屋。。。」ココナが言うと、「さぁ。。。取調べだけで初犯だから執行猶予付きで帰ってくるかもしれんがのう。紫子婆さんは、この事は知らないからのう。ベルモは、ミリちゃんちにお手伝いに行ったと紫子婆さんには言ってある。紫子婆さんには内緒じゃぞ。幼稚園の友達にも内緒じゃぞ。」木蓮和尚は、ミーナやココナのイタズラやワガママが治るようにと、ベルモが逮捕されたからと深刻な顔をして嘘をつきました。ひゃあさすがにベルモに棒で叩かれたと警察に電話したのはやりすぎたっ。ミーナもココナもベルモに警策でお尻をペンペンされるのは、自分達が悪いことはわかっているんだけど、反面怒られるのを認めたくないので、とうとう先日プルメリア署にベルモに棒で叩かれたと通報したのです。20F5A799-F7AA-4746-B08D-199DD5944CA7.png

紫子夫人が、見ていたTVドラマで奥さんが旦那に殴られたと電話して警察に逮捕されたシーンを見ていたからです。女に手をあげるなだの、暴力反対だの散々非難された旦那がシュンと大人しくなりました。

「しばらくネーたんを警察に預かって貰えば怒られてもう叩かなくなる。」ミーナが言いました。「ネーたんは誰にも叩かれないくせに。。ジーたんばーたん、バァバは叩かないのにネーたんだけ叩くし」ココナも言います。チワワ達が、悪さ手にあまる時は、警策でお尻なら叩いてよいと木蓮和尚はベルモに言いました。それはもうどう考えても、母親や嫁さん。。濃紫婆さんも紫子夫人もチワワ達を甘やかすので、叱るのはイタズラやちょっかいをかけられるベルモしかいません。木蓮和尚はイタズラをされるわけではないし。。。それに、小さな女の子を怒るのはちょっとね。。。きちんと躾はしているし。。。躾役って事で。

それでベルモが叱り役なんだけど9A1DD558-7648-4F30-A224-EFD5D3912F27.jpeg

もともと木蓮寺にベルモがやってきたのがきっかけで木蓮和尚の子供達もとっくに独立してるし、ベルモの兄妹としても封印していた里子を育てようかという話しが出てきて
濃紫婆さんと紫子夫人は、チワワの女の子がいいと言い出して。。木蓮和尚が、「あんたらはチワワの女の子なんか迎えたら甘やかすからダメだって独立心強い猫にしよう。犬なら、柴犬とかシェパードとか、雑種で賢いのがいいかも。。。」と、木蓮和尚が言うと「自立する猫や賢いのは別にうちが面倒みなくてもよかろうに。。。ラクをしたがるな。。。あえて手助けしなきゃいけないぐらいのできが良くないのをウチがみないと。。。」濃紫婆さんが言うと紫子夫人は、「そうよ。チワワちゃんは小さいし家族がいないと可哀想じゃない。」

裕福な家庭では、神楽町市もプルメリア島も福の神から
里親推奨されますが、木蓮寺は年頃若い精舎に住み修行に励む小坊主さん達がいましたので、、その配慮として代々よほど寺に直接捨てられた子どもしか里親にしてきませんでした。ベルモは、幼稚園で赤ちゃんや幼児の世話して可愛いし小型犬でもいいんだけど、間違いなくお婆さん達が甘やかすに決まってるしアタシが女らしいのは拒否してるから喜んで変なフリフリの服でも着させるでしょうし。確実に躾や叱り役憎まれ役はこっちに回されるに決まってるんだもん。「ロットワイラーとか、マスティフとか、ピットブルにしましょ。うちの用心棒もしてくれそうだし。」ベルモが言うと、木蓮和尚は、「なんだ、ベルモ、相撲部屋の親方でもやるのか、土佐犬なんか、どうだー。」とからかってきたので、「なによーとにかく、小型犬にすると濃紫婆さんも紫子夫人も甘やかすから可愛いけど良くないと思う。」「だけど、小坊主さん達は今は男の子ばっかりだし、女の子でよかろうに。里子が男の子だと、親元離れた小坊主さん達も嫉妬するかもしれんじゃろう。」濃紫婆さんはどうしても可愛い方、可愛い方へ話を強引にでも持っていきたいようでした。

「母さん、ポメラニアンがチワワなんか飼ってどうするんだよ。」木蓮和尚がからかうと、白いポメラニアンみたいな濃紫婆さんは、「ベルモが女の子なんだから、女の子でよし、じゃろう。

そうやって里親の話しはなんとなくだけど、話しが出るだけ出るかなー、と言う感じだったのも、ある朝木蓮寺の境内に、赤ちゃんのチワワのミーナとココナが置き去りにされていたのを、早朝掃除当番のベルモが発見したのです。濃紫婆さんと紫子夫人の嫁姑は、手を取り合い喜びそのままこれも仏様の結んだご縁だからと木蓮寺の娘になり。。。

あんな事があってから2年が経ち。。。木蓮和尚が、今夜は濃紫婆さんからチワワを騙すなとガミガミ叱られてだけどこうもしないとチワワ二人のイタズラはやまないし。怒る様な事かしら。。。むしろミーナやココナが馬鹿なだけなのに。。。今日も変なイモ虫や蝶々の服を着て。。どうせまた服をミーハー婆さま達に買って貰ったんだろう。。。6652A06F-67D3-4B61-B2FD-BB663E88447A.png

仕事帰りに飲みにきた冷泉さんや本陣さんをミーナやココナが、おまわりさんが私たちに証言を取りに事情聴取に来たと勝手に勘違いして「ミーナとココナは悪くないからね。ミーナとココナはひがいしゃだから。パチンしたのはネーたんだからね。」冷泉さんと本陣さんは、ベルモが家があんこう祭りだからとペラっと喋ったから、仕事終わったら二人とも酒を飲みに木蓮寺に寄っただけなのに、いつものような挨拶もせずに必死に冷泉さんや本陣さんに言い訳するミーナとココナの様子がおかしいので、F9E6C227-80AD-41C6-A726-D2EA998B2D0F.png

「変ねぇ朝からミーナとココナが元気ないんだけど。ベルモに叱られてあれからもうだいぶ経つのに。。」と紫子夫人は思っていましたが、ミーナとココナが、「ネーたんが、逮捕されて怒られたのはしょうがない叩くネーたんのせい。」みたいな事を繰り返すので問いただし吐かせたら。。。

木蓮和尚が、ミーナとココナにベルモがプルメリア署に昼ま逮捕されたと嘘をついて二人を騙していた事を知り濃紫婆さんから叱られて縮こまるのをベルモはたまらなく必死に笑いをこらえていました。



さて。。。東京銀座のバー、ラナンキュラスでは偶然にもダイヤさんがアマゾネスサンクチュアリィのお客様の環さんと再会し、さらに偶然にも。。。中学校の同級生の伊集院三太夫氏が、環さんの高校生の時の彼氏と言う事を知ります。ダイヤさんは、葉月さんとの話や、プルメリア署で伊集院三太夫さんと久しぶりに再開した話をその場でお酒がてらに話しはじめました。



「お。。。弟がいたんですね。。。そう言えば。。。生家の話しは全く伊集院君は言わないし、両親が交通事故で亡くなったらしいからあまり聞いてはいけないって思ったんです。だけど、本人が品がよくて育ちがいい感じだし。大学助教授の伊集院さんの養子なら、身内も品や家柄がいいんだろうと思ってましたし。。。」環さんが言いました。「そうね。。。私も弁護士の母親は諸事情によりを存じてたみたいなんだけど。。。でも、娘には守秘義務をきっちり守って生家の話しは一切知らなかったし。弟がいるなんて知らなかったから。。。」ダイヤさんが言いました。「だけど。。。びっくりしたわ。。。弟にせよ。。。キンパの入れ墨って。。。どうしたら。。。」今日子が言いました。

「いまさらもう。。。だし。伊集院君のご両親も亡くなったし、組も亡くなったからもう別にいいんだけどって、伊集院君が言ってたし。。環さん達だから言うわね。。。伊集院君は、組の親分のお妾さんの子どもに産まれて。。。だけど、性分がとてもじゃないけどヤクザに向かないので本人の為に伊集院家に養子に出されたみたいよ。。。弟さんと伊集院君がお妾さんの子どもで本妻さんの子どもが、上に二人下に一人いたみたい。三番目だから三太夫で、末っ子の弟は気性が激しくて可愛がられてそのまま親元に残されたみたい。。。」「そうだったの。。。

環は過ぎ去りし青春の日々を思い出して。。。そうだ。。。伊集院君には言いようもない悲しみと影があったわ。光のように思えて実は影が。。というか。


高校生の時に初めてできた彼氏。。まぁ、高校生でまだなにも手も繋がない中だけど。。。このまま。。。付き合っているわけにもいかないしと思ったわ。昔ながらの家の環は長女で義母妹の緋夏は家出を繰り返してグレてしまったし。

伊集院家にわざわざ養子に来たという事は、三太夫は、伊集院家の跡取り息子さんなんだろう。環が家を出れば、祖母の志乃が継母の喜美をいじめるし、なにより志乃は環を跡取り娘と決めている。
KO大学時代の同級生の邦彦は、三男で理系だし家柄は良い方だけど神野家より少し下なので、志乃はこちらが主導権を握り尻に敷けるのでそれぐらいがちょうどいいって事を邦彦に内緒で環に言っていた。環はギョッとしながらも。。。
気難しい亡くなった祖母の志乃とも
なんだかんだでうまくやってきた。邦彦には感謝してる。。。ふと、喜びも悲しみも遥かに超越したような不思議な暖かい言い知れぬ感情が込み上げて。。。


ダイヤさんが。。。「緋夏さんの元旦那さんが吾朗太さんっておっしゃってましたね。。」

「ええ。。。供述でたしかに元旦那さんは、吾朗太、一つ歳下とか。。」「葉月さんの話しによると。。。その。。。吾朗太さんが、伊集院君の弟さんだったみたいなの。。。

「な、なんですって。。緋夏の。。緋夏の元旦那さんが。。あの。。モンタージュの。。えっ。。。じ、じゃあ。。。あ、もしかしたら純の。。。」環さんは、親友の今日子さんには、娘の純ちゃんを海外出張で産んだ事にして特別養子にしてあるのは昔から話してあるし、緋夏が暴力を振るう元旦那から逃げて今の旦那と一緒になったけど。。純ちゃんがどちらの子どもかわからないと言っていた話をしていたので。。

今日子さんが、「えっ。。。純ちゃんの父親かもしれない人が。。。亡くなってた。。。」

亡くなってた。。。んだけど。。でも。。


それは殺されたかもしれない。そうだ。。話からすると見た目も、吾朗太は、どうもあちら側反社会サイドだ。。。

そんな人が自殺するそんな事。。。そんな事まずないわ。。。誰かに。。。揉め事で。。。


まさか。。。まさか。。緋夏が。。環さんは身震いしました。





2021年01月12日

マリッジcelebration253甘過ぎず。。。それすらも優しい夜に乾杯。。。

「ウーン。。。やっぱり、エア・プレゼンスもスカイ・パッセンジャーも。。。羽田空港からだと取れないなぁ。

スマホで純ちゃんが東京から神楽町への帰りの航空券を検索しています。「純ちゃん、神楽町へ飛行機で帰るの新幹線にしといたら。。

昼間から遊びに来ていたロシアンブルーのミーシャとともにハリネズミの純ちゃんは、その夜
居酒屋ブルーモーメントで小、中学校の仲が良かった友達何人かとプチ同窓会をしていました。ブルーモーメントは、ミーシャの父親の経営している飲食店ブルーモーメントグループのお店のひとつです。代表的な知れた店なので店名そのものもブルーモーメントでした。CBCC1DFD-D3F8-4A93-B342-C6C69D35DD83.png


その日になんとかたまたま都合の良い10数人が集まりガヤガヤと積もる話に花を咲かせています。「新幹線だと。。乗り換えがあるのよね。時間がかかるし。」「他の会社の便は」「お母さんが、できるだけエア・プレゼンスか、スカイ・パッセンジャーにしなさいって言うのよ。福の神さんのところの会社で安全だし。」エア・プレゼンスは、交通の福の神大蔵の航空社で、スカイ・パッセンジャーは、エア・プレゼンスの子会社です。「ウッひゃー俺、飛行機って怖いわ25595CDC-C07B-4C10-8463-A439E0A8AFD1.jpegリスザルの大介が言うと「あんた馬鹿ねー車乗ってるんでしょ。あんたみたいな派手な車のにいちゃん達が結構あんたん家に出入りしてるけどさー、車の方がよっぽど事故率高いのに。。飛行機乗れないって。。情け無い。彼女できないわよ。」口の悪い大介の隣の家の牛の真琴が酔っ払っていいます。「真琴はガキの頃からぜーんぜんっ変わってないねーキツっいんだから。お前こそ彼氏できないんじゃないの。よく飲むしさー」大介が言い返すと、「ウーロン茶やコーラの下戸野郎に言われたくないわよ。43B9BB1D-4574-4742-9E89-10B24390739E.jpeg「下戸って俺、2月産まれでまだ19歳だし。車好きだから下戸で都合の良い体質だろ。酒が飲めるより飲めない方が犯罪の可能性低いし。」「アンタらお隣同士夫婦喧嘩やめて早くくっつけばー、」白ネコの真斗がビールを飲みながらからかいます。「純だって、三月早生まれでまだ未成年だけどちゃんと飲めるわよ。まぁ、仕方ないわね。下戸は体質だから。」ミーシャがいいます。産まれた頃から渋谷一等地住まいの純ちゃんの幼なじみ達はどこか、総じて仲良く和気藹々にのほほんとしていました。「そーいえば、駿栄。。。プルメリア島で見つかったんでしょ。心配してたけど。。。生活していけるなら東京から出た方が本人のためだわよね。」アライグマのパインが言います。「純が会ったみたいだよ。ホストやってるって。。。」ミーシャが言うと、えあまりの衝撃に飲んでいたアルコールを吹き出す人もいました。「ち。。。ちょっとーいっさ汚いなーアルコールで火を吹くパフォーマンスでもやるのかよー。」42260BB9-B937-407F-8778-489934366FB0.jpeg怪獣のいっさの隣のパンダのルリやがギャアギャア言うと
とっさにブルーモーメント
お店の令嬢のミーシャがスタッフに頼みおしぼりを持ってきてもらいました。あ。。。あのシャイで真面目な駿栄が。。ホストに小学校から駿栄を知っているその場がざわめきはじめましたが、純ちゃんが、「誤解しないで。。ホストと言っても、駿栄は家から離れて出来るだけ遠くでもう一度生まれ変わりたいのよ。。いいえ、生まれ変わるってより、本来の自分として生きていきたいって言えばいいのかな。ノマドワーカーとしての仕事も持ってるみたいだけど、住む場所や保証人に困ってすぐに飛び込めて住まいもあるホストをはじめたらしいのよ。東京から遠く離れたあっちでは全く知り合いも頼れる人もいないし。致し方ないわ。。。
「ホストって言っても社会勉強したり、駿栄みたいに突然家を出て若くてそこそこ女性ウケのいい感じで人当たりいいならまずは住まいに飛び込んで根を張るために割り切って基盤づくりの為にって場合もあるし、事情があってもある程度ならすぐ飛び込めるからじゃない。なにも高級車が欲しいとかモテたいとか遊び金が欲しいってギンギラギンな人ばっかりじゃないと思うし。」冷静なキツネのほのりも言います。もちろんだけど、一同は小学生から知っていて場合によっては幼稚園の頃から知っている子たちもいたので、駿栄の事を心から信じて彼の旅立ちを祝福しました。そう。。。駿栄の家庭が独特で特殊な環境である事は周りはよくわかっています。そんな駿栄が、自身の家庭から離れたほうが良いことも。。。遠くで見守るしかない。駿栄の家では落ちこぼれと叩かれても駿栄は充分常に学年トップの成績でしたし、しかしながら、駿栄の親は駿栄が、学年トップの癖に私立幼稚園はすべるし、帝王大学にはすべるし。。もう本当に恥ずかしいクズだと、身内から言われていたのですから。ただ、やっぱり駿栄の両親も昔から地元民だし相当なへんくつだし、なかなか近所の人も独特な駿栄の偏狭な親には意見を言いにくいし。プライバシーは超えてはいけない垣根だし、。。とりわけ駿栄の隣の家だった純ちゃんが家族ぐるみで駿栄の面倒をみたりかばってきました。大人数の飲み会だったので、飲食の好き嫌いに困らない為にお店は多国籍料理バリエーションが豊かなブルーモーメントにしましたが、純ちゃんが、「今は、駿栄も新しい生活の基盤づくりだから、私が東京に帰って同級生に会った時に自分の事を聞かれたら元気にやってるからって伝えて、親には言わないで。というか、親に言っても探したり家に連れ戻される事はないだろうけど。。。って。落ち着いたら連絡先もアドレス教えるからって言ってた。」駿栄は優しいし賢いしみんなから好かれてたんだよね。
学校で大人しくて家では元気な人って多いかもしれないけど、駿栄の場合は学校に来ると嬉しそうに元気になってた。「遅れてごめんよー、いまさ、入り口でマロと一緒になったから。」遅れてやってきた医大生の象の優之心と、マロ眉毛のチビのチワワの歌麿。賢くて身体がデカいのと、高卒フリーターのチビであまり賢くないのとが、子どもの頃から知っているので違和感なく仲良くやってくる。ちょうど、幾つかのお料理が運ばれてきました。15736DFA-FF49-494A-8CDC-51E24C649042.jpeg

優之心とマロが空いていた席に着くと、「アンタらは飲めるわよねー誰かと違ってさ。」既にアルコールでご機嫌さんの真琴が言うと、「ビールでいい」「俺も」と言うので大介がチャチャを入れて「そんなさー、キャバ嬢のねーちゃんみたいな酒の世話は、もっと可愛い子がやればいいだろうに。お疲れちゃんの優之心もマロもよけー、お疲れになるじゃん」というので真琴がキッと大介を睨んでバシッと背中を叩く「イテッ」「酒を呑めるようになってから一人前の口をききな」ビールを飲んでいる真斗から瓶ビールを渡された真琴が、優之心とマロにビールを注ぎました。868724CB-871E-462B-8DBF-74BE09CDF9A0.png「真琴は気遣い良くっていいお嫁さんになるだろ、大介も意地張らないでさー、好きな子ほどいじめたくなるんだろ。」みんなで改めて乾杯して優之心が言うと
「バカいじめられてるのはガキの頃から俺のほーだっつーの」「家が隣なだけよ。もうっ誤解しないでたかがそれだけでスキャンダルなら、駿栄と純だって彼氏彼女じゃない、」真琴がプンスカ怒るので
「あっ。。。そう、あ、駿栄、駿栄だけど。。大丈夫だったのか、なんか。。。大介からLINEでプルメリア島に住んでるらしいぞってこないだ入ってきたけどさ。」優之心が言う。地元民の特に男の子達はネットワークが強くて幼稚園の頃から知っているので、頭の良し悪し、性格の違い関係なくみんな仲良く誰かしらと繋がっている。今日も前々から純ちゃんが帰省するので、チラッと駿栄と会った事を聞いているので東京在住で用事がない子達はできるだけ時間を作って集まりました。


「元気だわよ。あちらにいた方がスッキリしてるわ。」純ちゃんが言うと、「実は。。。ずーっと気にしてたんだ、駿栄、あいつも俺と一緒にKO医学部受かったじゃん。だからさ、てっきり一緒に行けるじゃん、って言ったら、多分行けないって。金かお前んち金持ちだし、奨学金あるし、お前昔っから家庭教師やパソコンでバイトしてるだろ。。。って言ったら、帝王大学じゃないと親に殺されるみたいな事言ってて。。。まさか、KO医学部なら帝王大学とおんなじようなもんだぞーって言ったんだけど。」優之心もなんとなく駿栄の家庭環境を知っていたんだけど「さすがに医学部現役合格したんなら。。。帝王大学は理学部で落ちようが、親もなんにも言わないって」って励ましたんだけど。。。それが。。医学部だろうが帝王大学以外に行く奴はウチにはいらんうちの恥さらしだ、一年猶予をやるって両親から怒鳴られたのと、帝王大学以外に受験した事をこっ酷く罵倒されたらしいし。駿栄もさすが医大生なら帝王大学以外でも許されるんじゃないかって一緒にウキウキしてたのに。。。異常だよ。あそこの親は。。。なんか、帝王大学を絶対教祖として拝む悪徳宗教みたいだし。なんか。。。俺が励ましたのがかえって傷つけちゃったかと思って。。」優之心は、駿栄に続いていつも学年二位で駿栄には太刀打ちできないものの、それでも敵を作らない駿栄の人柄が昔から好きだったし、小さな頃から知っているので駿栄に敵愾心を持つどころか尊敬していました。「親を無視して優之心と一緒にKO医学部へ行く事も考えたみたいだけど。あの親たちがなにをするかわからないし無理矢理退学させられるだろうし。。学校に乗り込んだり周りに迷惑かけてくるかもしれないし。。。東京にいて親に帝王大学受験の為に浪人生一年猶予強制させられるならって思い切って高校卒業したんだし、って今までの人生をリセットするようにして東京を飛び出したみたい。」ファミリーハラスメント、教育虐待は行われていた。「ねぇ。それにしてもさ、駿栄が医学部に現役合格したのに。。。帝王理学部落ちたのって変じゃないの。試験の問題が悪かったのかしら。。」賢いほのりはすぐ気づきましたが、

「わざと。。。多分、落ちたように思うわ。試験日に、このまま帝王大学に合格したとして。。。親を見返せれるけど、あとは親の思う壺。。このまま虐げられてきた親のレールに乗せられたまま。。。って事にはっとして精神的に怖くなったみたいよ。。で、確かに医学部に現役合格するぐらいでお前はわざと帝王大学を侮辱するようにワザと落ちたんだろう、って親に殴られたみたいでそれで。。。駿栄は、プツンと切れて家を出たみたい。。。」純ちゃんが言う。

駿栄の両親も兄や姉も身内も全員帝王大学卒業するのが当たり前で。。。表向き外ヅラがいいタイプなので、本当に根っからの人がいいタイプってわけじゃないだろうから、ストレスの大きな捌け口が必要だろうし。私立幼稚園に落ちた駿栄が昔っからサンドバッグにされていた。「なんかさ、もう狂った信仰宗教みたいに。。帝王大学しかダメって。。俺なんか、身内普通だから、医学部受かったってみんな泣いて喜んでくれたのに、これからが問題だし、上には上がいるけど。。。てっきり駿栄と大学行けると思ってたんだけど。。。医学部なら帝王どころか、そっちのが親も喜ぶだろうって俺もいらん事言って傷つけたかなぁ」優之心がシュンとしました。EA2FD2DE-5C5B-4939-AB94-BB6E42F00496.png
「私も、イーストサイエンスの大学へ行くから神楽町へ出る時に駿栄に、私はいずれは東京に戻ってできれば両親の面倒を将来みたいから家にいると甘えるし、今のうちは外に出るんだって話してて。。駿栄は、羨ましそうに私を見てきてはっとしちゃって。。私も駿栄を知らず知らずのうちに傷つけてきたと思う。」純ちゃんは言いました。純ちゃんは、もうすっかり緋夏さんが実の母親だったという事なんか忘れていました。「純ちゃんは、よくやったわよ。純ちゃんや純ちゃんの家族の支援があったから駿栄がぐれずに済んだと思うわ。もともと駿栄はグレるようなタイプじゃないと思うけどそれをいい事に駿栄の身内は。。。」周りの幼なじみはみんな純ちゃんを励ましました。

そして。。。同時刻。。木蓮寺。。5277F093-4366-4B33-9606-212ACEA8951B.jpeg

「兄貴だって。。。俺に兄貴だって。。。どういう事だよ、どうせヤクザかそんな奴だろう。。」吾朗太さんは言います、しかしながら、ベルモはスマホを取り出して、4604A71C-64AD-4BE0-9293-D0B5F55FCCFE.png

「この人よ。あなたが亡くなってから、年月が経ったから今はもう50歳だわよ。今日プルメリア警察署にあなたの身元確認に来たのよ。」プルメリア警察署でベルモは内緒で三太夫さんを隠し撮りしました。。。後から吾朗太さんに見せようと思ったからです。見たくねーよ。と思いながらも。。。。しぶしぶ。。

少しはどういう奴が兄だって言うんだと。。。どうせヤクザか犯罪者みたいな刑務所を出入りしている奴らか。。吾朗太さんは日中街をさまようとなんとなくご時世がわかってきます。なおさら現代の重要度の高いコミニュケーションツールの人のスマホやパソコンを覗けば、芸能人ですだの遺産が入りました、だの、金持ちの未亡人だの。。。お金をあげますだの誰がどう見ても。。。騙された人がいるので誰がでもというわけではないけど。そんな目先の美味しい話しを鵜呑みに騙される奴がいるがそういう馬鹿がいるから闇商売が成り立つんだ。俺は悪い奴に悪さをさせる馬鹿な騙される客が悪いはっきり言って、出会い系や婚活サイトとかでも、自分が楽したいだけの高望みの馬鹿がいるから儲かってるんだろう。お馬鹿様様だし。。。こういう馬鹿も悪の片棒を担ぐ。俺はこういうのを見ると世の中甘い話に乗る馬鹿がいるから悪いに決まってるとしか思えないし、悪さをなくしたければ悪い奴より賢くなれと思うむしろ騙す方は、そういうバカを戒めに鍛えて騙されない人間性へと成長させる学習させるための為になるスパルタコーチ料をいただいてるとしか思えないし。。。

多分。。。生きていた頃も悪さをする事に関して俺は悪くない被害者になる奴がいるから悪いんだという考えだったんだろうな。そんな俺の兄貴なんて。。。どうせヤクザ。。。

スマホを見た吾朗太さんは驚愕の表情で
「こいつ。。。こいつだよこいつが夢に出てきて、俺が視える昼間会ったタクシーの運転手と一緒にあの花を夢で手渡してきたんだ、タクシーがあの鳥の頭みたいな方で、こいつがプルメリア。。。なんだ、あの夢は。。。俺が生きていたら。。。って未来の俺じゃねーのかよ、兄貴って。。。こいつカタギだろ全然ヤクザに見えない。それどころか、とんでもねーいい生活してるだろなんでだよ、なんで俺はこんなヤクザみてーでサッサと死んで、兄貴はこんな。。。何やってんだよ親は、できのいい兄貴だけ育てて、俺は虐待でもしてグレタのかよ。。。それとも親は俺を捨てたのかよ俺は親に虐待されたか捨てられてグレて死んだんだろチキショウ

こいつか。。。この兄貴って奴が。。兄貴って奴が、この高みの見物デブの様に上から俺を憐れむような。。。この感覚。。。そう。このお前は恵まれた幸せだから余裕があってものを言えるんだという。。ムカムカする言いようがない感覚。。。だけど。。。嫌いになれないし、差し出されたあの花を捨ててやろうかとも思うけどそれもできない

「違うわよ。。。親に手放されたのはお兄さんの三太夫さんだし、あなたの方が、三太夫さんよりお父さんに可愛がられてたわよ。。。」




2021年01月06日

マリッジcelebration252それぞれの夜はそれぞれだけど。。。

後から、話があるから。。
その夜
ベルモから、話があると吾朗太さんは言われて
その時にベルモから、花を飾ってとシルバー製の花瓶を手渡された。


「あ。。。ああ。。ありがとよ。」照れながら吾朗太はベルモから水の入った花瓶を受け取りました。てっきりそのへんの適当な使わないコップか、ペットボトルでも持ってくるかと思ったもののどうもビンテージの高価そうな花瓶。。。花が枯れてしまうから水を入れるものをと頼んで、なんか、柄にもない事をと。。はっと吾朗太は思ってしまったものの。。ベルモはそれをからかうような性格じゃないし。なんだかんだで、ベルモをデブとからかう癖に吾朗太はベルモを信頼していました。


「あらまぁ。あれは、わしが嫁入りの時にここに持ってきたんじゃけどなぁ。すっかり忘れてた。。」濃紫婆さんが笑ます。木蓮寺森沢家の晩御飯どき。今夜は、関東の漁師の檀家さんが持ってきたあんこうをいただき、木蓮和尚が小坊主さん達に教えながら吊るし切りにし、あんこう鍋にしました。住み込み修行の小坊主さん達も、木蓮精舎であんこう鍋をしています。木蓮寺は檀家さんやご近所から贈答が頻繁なので、料理修行としていただいた食材で木蓮和尚が小坊主さん達に料理を教える事があります。プルメリア島は常夏の島と言っても屋内はエアコンで寒いぐらいの時もあるので、お鍋やら秋冬ご飯も好まれます。ベルモが蔵で見つけた花瓶は、濃紫婆さんが娘時代に買ってそのまま森沢家に嫁入りした時に持ってきたものという話しです。ちょっと貸してくださいと言って濃紫婆さんに借りる事にしました。花瓶はそっと境内の隅っこに、プルメリアと極楽鳥花を生けて置いてあります。誰かを偲び思いやる花はなんて優しいんだろう。。。忘れられたものではあったけど、ベルモが貸してくれたのは忘れられた百均のすり切れたコップではなく、忘れられながらも丁重に扱われていた美しい乙女の思い出の花瓶でした。水道水ではなく、細やかなベルモの気遣いでちゃんと裏の生命の泉の井戸から汲んだ新鮮な湧き水が並々と花瓶に入れられています。

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東京、銀座の夜バーラナンキュラス。アマゾネスサンクチュアリィの支配人のダイヤさんは、早めに仕事を終えて、恋人アポロンとUFOスペースシールドで瞬間移動一瞬のうちに東京銀座のビルの高層階にあるバーラナンキュラスにやってきました。スペースシールドは、セキュリティカードを抜いて空間に停車しました。

「あら、お久しぶり、アポロン先生いらっしゃいまあっ。こちらの綺麗な女性は。。。」カウンターでママさんらしき白い犬の四十代ぐらいの女性が挨拶します。
アポロンが挨拶を返そうとする前に思わずダイヤさんが
宝石箱を散りばめた様な東京の夜景がキラキラ窓の外に広がっているのを見て「うわぁ。懐かしい」と喜んだので「あ、あらまぁ東京出身でいらっしゃるんですか。。」とママさんが微笑み「お久しぶりに東京に帰ってきたので。夜景が目に沁み入ります。」「こちらはダイヤさん、今は同じくプルメリア島住まいです。」アポロンがダイヤさんを紹介してカウンターに二人で並んで座りました。店内の雰囲気はどこか都会の洗練された鍾乳洞の様な不思議で優雅な大人の空間が広がっています。「こんばんは。はじめまして、先生のクライアントで、店長の澪です。このお店のテーブルや椅子もアポロン先生のところのなんですよ。」ママさんはにっこりしました。若いバーテンダーが、おしぼりとメニューを出します。さらにはお通しのチーズやナッツや前菜を出されました。

「喧騒や雑踏や。。。都心が懐かしいなんてね。。」とアポロンが言うものの、「あら、アポロンさんだってプルメリア島は都心部のプルメリアリゾートはかなり都会でしょう。」ダイヤさんが言います。プルメリア島は中心部がプルメリアリゾートとして栄えており、海にも囲まれて自然も豊かです。「私もずっと東京なんですよ。プルメリア島は海も満天の星空も街の夜景もみんな見られるでしょう。私も昔、元旦那とプルメリア島へ旅行した時にアポロン先生のお店を偶然見つけてすっごく気に入ってそれからプライベートもお仕事も、アポロン先生のインテリアなんです。」そういう澪ママにアポロンはまず黒ビールをオーダーしました。「お店にいらっしゃる時はお一人か東京のお客様やお仕事関係者様をいつもお連れしてくださいますが、先生、今夜は。。ひときわいい雰囲気ですね。」と言われたアポロンが澪ママにも黒ビールを勧めながら
「さすが。。。ママには御見通しだなぁ。。こちらはお付き合いしているダイヤさん、アマゾネスサンクチュアリィの支配人。。」「あー、アマゾネスサンクチュアリィ。。って、あの、女性投資家の葉月さんのラグジュアリーパレス。。。あっ、そうか、先生は、葉月さんの元旦那様の伯父様ですもんね。」「運転手みたいなものですよ。葉月さんのおかげでアポロンさんと知り合いました。ママさん、元旦那さんと、ってバツなんですか私もバツで子どもがいないので。」ダイヤさんが言いますと、「あら、私はただいま三回目の結婚です。ここのお客様で来た旦那に。。。まさか、10歳も歳下の男性がバツ2女を恋愛や結婚の対象にするわけないなんて最初は冗談だと思ってたんですよ。しかも、私は北海道犬で、相手はチワワなんですからね。私はもっと、たくましい方が好みだったんですが。。。」「あら、10歳。。。まぁ、今時は女性が年上って全然珍しくないか。みんな若くて綺麗だしねーうちも、私が5歳歳上だし。」ダイヤさんが言いますと、「あら、アポロン先生は、私と同い年だから。。えー、あら、ダイヤさん、てっきり私よりお若いかと思ったのに。。。あ、あら。。じゃあ次女の姉と一緒の同い年だわ。このお店次女の姉の今日子のもので、三姉妹の末っ子の私はママとしてお店を任されているんです。インテリアは、姉にアポロン先生を紹介しました。姉は翻訳家なんですが、自由奔放で。。私がこのお店の店長をやってます。今日は、もうすぐ姉の今日子が高校の時の同級生を連れて来るんでって連絡がありまして。」と澪ママが言うと、「そうなんだ、今日子さんも久しぶりだね。」アポロンが和気藹々とやっていると、若いスタッフの猫の女の子が、「ママ、お姉様ですよ。」と知らせにきました。「いらっしゃい。
ママが言うと入り口から入ってきた落ち着いた感じの澪ママによく似た女性ともう一人は。。。

「あ、あれっあ。。。あら、環さん」澪ママのお姉様の連れ女性を見てダイヤさんがびっくりしています。「あ。。。あらあら、ダイヤさんまあっ、えーどうして。。。こ。。ここに。。」以前、
アマゾネスサンクチュアリィにお母様と妹さんとステイしてくださったお客様で、アマゾネスサンクチュアリィの臨時メイドのアルバイトの純ちゃんのお母さんであり。。。


そして。。アマゾネスサンクチュアリィで、異母妹の緋夏さんに誤解から刺された環さん。。「まあっ、すっかりお元気になられたようで、何よりです。お元気そうで。。その節はどうもありがとうございました。」「こちらこそ、ご心配をおかけしました、すみません、すっかり良くなりまして。。それにしても。。都会の真ん中で。。こんな遠く離れた知り合いの方にお会いするなんて。。。星の数ほどたくさんのお店があるのに。。。世間って狭いわ」環さんがびっくりすると、ダイヤさんは、

「今日は、彼に東京のバーに連れてきて貰ったんです。スペースシールド、あるでしょう、私が東京と名古屋に環さんとお母さんや妹さんを送迎したあの瞬間移動できる。うちの社用車はさすがに使わないものの、彼がお仕事の贈答でレンタル券をいただいて、私が東京のバーで夜景が見たいって言ったら。インテリアのお客様のバーが銀座にあるって。すっかりいいムードにウットリしてしまって。」「まぁっ、そうでしたの。今日子や澪ちゃんのお知り合いの彼女さんだったんですねー、ダイヤさんは。そういえば、ダイヤさんは、私も東京出身ですっておっしゃってたけど。今日は帰省」環さんが言いますと、「いいえ、1日レンタル券で今日は東京に飲みに来ただけ、です。うちは親兄弟と仲が悪くは無いけれど、あちらも家庭があるし突然伺うのも。。大して用事もないしね。あ、そうそう、私が言うのもなんだけど、お座りになったら。。。」ダイヤさんが言いますので、「どうしよう、環。。。」チラッと澪ママの姉の今日子が環を見ましたので

「あら、特別隠し立てをするような誰かに聞かれたら良くないお話しだからって訳じゃないのでカウンターでもいいんですが、でも、恋人同士のシチュエーションをお邪魔するのは気がひけるわわざわざお2人で雰囲気のいいムードのバーに来て」と環さんが言いますと、ダイヤさんが「環さんとお友達さんさえ良ければどうぞ、カウンターへ。もともと、バーは、ママさんやマスターとお話しするのも楽しみに行く場だと私は思うし。」「そう、たまにはいろいろな人と集まって話し合うのもいいね。刺激になるというか、インスピレーションになるよね。」アポロンが言います。環と今日子もカウンターに座りました。お客様が点在する店内で
奥まったひっそりと過ごせる席もあったのですが、環はもともと親友今日子の妹の澪ママにもお客様の邪魔にならないのであれば意見を聞いてみようとしていたのでした。ダイヤさんやアポロンがいても、特別に聞かれて困る話しではなかったし。「あー。。。やっと、落ち着いた。というか、今日はダイヤさんがここにいらした事もびっくりだったけど。。。昼間も会社でびっくりしちゃって」環が言うと、
「私たちはまずは、乾杯はシャンパンね、チョコレートとチーズあるかしら。」今日子がオーダーしました。そして、今日子は、「改めまして、今日子です。この店の幽霊オーナーで、澪ママの姉。次女姉です。環の高校時代の親友です。今夜はわざわざお越しいただきまして。どうぞ、ごゆっくりなさってくださいね。」さすが環さんの親友だけあり、奥深い知性が漂っています。「なんか、お二人相談事だったんじゃないの、ふらっと気晴らしってよりは。。」アポロンが気遣いますが、

「まぁ。。その、別段やましくもなく少人数でありましたら。。高校生の時の、初めての彼氏の事なんですが、あ、と言っても別に彼に会いたいとかそんなんでは決してないんです。もう、ずっと会っても話してもいませんし。」環さんが言います。昔から親しいのか澪ママが遠慮なく「ねぇ、もしかして新聞に載ってしまったとか環さんや今日ちゃんの高校って抜きん出てるじゃない。姉さんも帝王大卒だし。。でもさ、帝王大って日本一の反面犯罪者を作る学校でもあるのよねー。新聞に悪いほうで載る人も結構いるでしょう。」頭がいいというのは紙一重。性格によっては火や包丁のように良くも悪くも使いようで便利で優秀な道具にもなれば、犯罪の凶器にもどちらにもなるようなものなので。。世の中を開拓リードしつつ。。。一方で、思いもよらぬ斬新な手口をどんどん発想し、世間や人を手玉にとる。。。「あー。。。確かにだわ。。。」今日子が言う。帝王大卒。。。うー、さすがっ、ダイヤさんも両親や兄は帝王大卒なので彼らにコンプレックスがあるけれど、やっぱり。。さすが環さんの友人だわ。。環さんは、アマゾネスサンクチュアリィ宿泊時別に学歴をひけらかしたわけではないけど、もう見るからにできる人って感じられ、かと言っても冷たいわけじゃない。。。

環さん達のシャンパンが来たので、改めて乾杯するとダイヤさんのオーダーしたラザニアがやってきました。「ランチがポテトグラタンだったけど、これはこれよね。」ダイヤさんが喜ぶと澪ママは、「ラザニアはウチのイチオシなんです。」「ラザニアか。。何年もずーっと作ってなかったなぁ。グラタンは結構作るけど。僕もここの参考にして今度また作ろう。」アポロンは自宅で仕事をする事が多いし家具職人で手先が器用なので料理をかなりしています。48FFA5A5-597F-487E-AEED-7ECFBAB7F527.jpeg「ピザも来たんで、みんなで食べましょう。わざわざお越しいただきましたおすそ分けです。あと、話を聞いていただきます、」と環さんが言います。「環さん、ありがとうございますサラダがくるからみんなで分けましょう。あっ、お話を中断してしまってごめんなさいね。でも、どうしたんですか。高校の時の彼氏だなんて。。。」ダイヤさんは一瞬、久しぶりに連絡が来た友人知人がマルチや宗教に勧誘してきてそんな人じゃなかったのにってすっかり変わってショックという話しだろうか。とも考えましたが。でもそれはそれで環さんはすでに結婚して幸せなはずだしね。それか事業に失敗して金貸してくれとか、かしら。金貸してくれないと死ぬしかないとか環さんちはもともとお金持ちの家みたいだし、本人はスーパーエリートだし、既婚の環さんはどうしたらいいかわからないってやつかなぁ。0757F8C4-5727-437E-AFD5-991A3E89EA95.png


黒ビールが効いたのかダイヤさんはあれこれ想像をめぐらせます。ラナンキュラスのオーナーの今日子さんが、「それが。。。私もびっくりしたのよね。お昼にタマ。。環から電話があって環の彼氏そっくりの。。。あ、パーフェクトサーズディって人気番組ありますよね、それの霊能者特番の時の。。」

「えっ、もしかして、エミコデラックスって霊能者のですか。。。」ダイヤさんが言いますと、環は「そう、そのプルメリア島の白骨死体のモンタージュ写真が、私の高校生の時の同級生の彼氏にそっくりで。でも、そんなはずないんです。彼は生きているらしいし、なにより全身を染めたり入れ墨はあり得ない。。」と言ったところで、ダイヤさんが大きく目を見開き。。

「えーもしかして、伊集院。。伊集院三太夫さんでは」今日子も環も驚き顔を見合わせて「な、なぜ、なぜダイヤさんはその人を」「うちの近所の大学助教授の養子に来たんです。うちは母親が民事の弁護士で、私と三太夫さんが同い年なんで子どもがいない伊集院夫妻がなにかと私の母親に手続き依頼や相談していたんです。。実は私もお昼にスタッフ達が動画を見てるのをたまたま覗いて。。。モンタージュにびっくりしたんです。プルメリア島の事件なのでうちの社長や、福の神笑さんや、ベルモちゃんが地域の篤志家としてプルメリア署で三太夫さんの立ち会いをしたんです。三太夫さんが、番組を見てそれは弟じゃないかって事でわざわざ東京からいらして。社長の葉月さんが、プルメリア署へ行くって話だから情報源のパーフェクトサーズディの動画をスタッフが見てたんです。そしたら、びっくり私もなんで伊集院君がこんな横着な格好をらしくないわ。それに。。。まさか亡くなったのと慌てて葉月さんに連絡したら、あのモンタージュは、伊集院君の実の弟さんだって。」


そして。。。時同じくしてのこちらプルメリア島木蓮寺では。。


「覚えがない。」あなたは吾朗太という名前だとベルモが言っても、しかしながら本人は覚えがないようです。月の明かりにプルメリアと極楽鳥花の入った花瓶が照らされほんのり輝いていました。

森沢家からは談笑が聞こえてきます。お昼間ベルモが晩酌好きのプルメリア署の冷泉氏や本陣氏に今夜はあんこうの吊るし切り修行があるらしいとペラっと喋ったからです。歩いてすぐ近所の冷泉氏や本陣氏は、檀家もあって子どもの頃から木蓮寺に入り浸り子どもの頃は
北海道や東北や九州の漁業者の檀家さんや京都や東京のお菓子屋の檀家さんなどなど美味しい食材を差し入れる檀家さん達の顔を覚え、近所でそれら、特別贈答がある日を狙っては木蓮寺に押しかけました。木蓮和尚も和尚で病気のように若い頃から料理やもてなしが大好きなもてなしマニアで。今夜も帰りがてら、ベルモの協力御礼も含めて冷泉氏と本陣氏が木蓮寺にやってきました。そんなワイワイがやがやそんなかたわら。。。ベルモは境内に出て吾朗太に言います。まずは、あなたの名前は吾朗太という。東京出身である、と言いましたが、

しかし、吾朗太は首を横にふり言われれば言われるほど。。虚しくなる森沢家からさらにやまない談笑が漏れてきて。。。「どうせ。。。お前はあっち側のオモテの人種で、どうせ俺は。。。ゲスな外道なんだろ。お前にはわからんだろ。どうせな、お前がいくら産みの親育ちだの、お前んちのガキチワが寺に捨てられただのテメェらみたいな結果ヌクヌク平和ボケ屋みたいなとことんボケ倒した奴らに俺がわかってたまるか。」どうせ、聞かされる俺の身のうえはみみをふさぎたくなるほどにろくでもないだろう。
ベルモはベルモで、里親育ちとはいえ言ったところで今の生活を見れば何不自由ないどころか里親の反対を押し切り既に僧侶の永久就職をさっさと果たして

今の世の中成人しても、自分を探してあてどない人生の旅路を心細く孤独に耐えながらいつまでも終わりなくさまよえるままに人生を終える
なんて人々はごまんとザラだし。

それが国宝級のお寺の木蓮寺に住み着き大きな顔で親を尻に敷いて親の反対を強引に押し切りアタシはお坊さんになるだの結婚しないだのグレて手がつけようがないの全く真逆だけど、天職をいとも簡単に手に入れてまるで森沢家の筆頭惣領嬢のように自分の思うままにイキイキ振る舞っている。くさるようにうなるような金にもヌクヌク愛情にもひたりきって。。。

わかってるさ、ベルモ、こいつは俺の為に動いてくれて。。。俺が少しでも浮かばれるようにって。こいつは優しい。とことん優しい。だけど、こいつが優しいのは
裕福で高みの見物で贅沢な御身分で物を言えるからだとも思う。余裕がある幸せな奴は幸せが有り余るから人を幸せにしてやれるんだ。そんな奴ら。。所詮はひとより一段高いところから見下ろして同情して憐れみって。。

そうも考えてしまう俺はひねくれてるのか、でもどう考えたって不公平だろおデブは、昼間警察署へ行って、俺についてわかった事があるからと言ってきた。
で、昼間デブの跡をつけた俺は警察署を目にして急に気持ち悪くて耐えられなくなって
どう考えても俺は、あっち側の犯罪者、反社会的な奴、警察署拒否アレルギーの犯罪者なんだろ。死ねば喜ばれるろくでもない奴だったんだろう?で、死んでよかったんだろう
なによりも
デブはいまを生きてるし悪いことなんかしそうにない環境も性根も与えられて社会のクズや底辺の気持ちなんか少しもわからないくせに。親切にしてくれるベルモにどうも、いろいろ打ち消しても消されない妬みの感情があふれて。。。複雑な。。。

あっ

なんだろう。。。これと似たような感覚が。。昔。。遠い昔。。これと似たような惨めななんとも言えないような感覚を体がゾワッと震えるようなやるせなさを。。生きていた頃にあれは誰だったのか、こいつみたいに親切に優しく善意に溢れた奴の善意が。。。かえって自分の身の振りに刺さり悔しくて仕方なかった事がある気がする誰なんだ。。。絶対ある。。こいつみたいに確実な善人サイドで親切に手を差し伸べてくれたんだけど。。。

どうせこんなヌクヌク幸せな奴に俺の気持ちなんかわかってたまるか、同情か憐れみか上から見下ろして。。なんて。。本人には罪がないけれど。。あまりに自分が惨めで。。
差し伸べてきた手を振り払い。
残酷な優しさ。。。
そいつの親切に自分が惨めで耐えきれなくなり
逆に傷ついた気がするかと言って、そいつを嫌いじゃないのに。


そんな事があったような。。。魂が覚えている感覚。。まるで見た夢に興奮したのに夢から覚めてすっかり忘れてしまったようなモヤモヤ。。

「あなたのお兄さんに会ってきたのよ。思い出せないかしら。」ベルモは、自分の名前すら覚えていない吾朗太に言っても仕方ないと思いながらも。。。吾朗太さんに言いました。

9595DEBB-0561-4FAD-A31F-DBA2356034A7.jpeg「兄貴。。。だって。。。

妖しく優しい月の光にキラリとよりいっそう。。。静寂の中に浮き上がる一点のようにプルメリアと極楽鳥花の花瓶が照らされて輝いていました。








2020年12月29日

マリッジcelebration251幾たびか夜は廻りて。。。

あのさ。。


吾朗太は、雲の子タクシーに乗ってきたベルモを捕まえると

「なによ。あ、そうそう、後で話があるからね、貴方の事ね、」ベルモはちょうどよかったと思いました。話しても本人が思い出さないかもしれないけど、

パッキンきんさんは吾朗太、東京出身、生きていたら42歳の厄年男。話すだけ話して本人に情報提供して見ようしかしながら、吾朗太は、「おい、コップかなんかあるか、水刺しっていうのか、とにかくそんなやつ。。。」とよくわからない事を言う

コップも水挿しも。。幽霊は飲食しなくてもいいのにさ。「なんに使うの。」「これ、見ろよ。

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えっ。。。

プルメリアと極楽鳥花の花が一つずつ。「寝てたら、頭に当たったんだ。俺が幽霊で体感なんかするはずないのに。お前んどこのアホ生徒の誰かが投げたんだろう。もうほんとになんてガキどもだよ。朝からキャッキャッお前の担当クラスはひときわ頭悪そーなフワフワの菓子みたいな甘ったるいチンチクリンの変な奴ばっかりだし。」「だからヒヨコ組はpuppyクラスだって言ってるじゃない。」ベルモは可愛い生徒達の悪口を言われムキになります。「そんなキチの集団な話しは頭痛くなるからドーでもいい。お前んちんのチワ公は寺に住んでるからギリギリ我慢して。。」吾朗太は、お寺のチワワのミーナとココナが木蓮寺に捨てられていたのでそれがご縁で木蓮寺の三女と四女になったと聞いていたので、婆さん達にかなり甘やかされてはいるものの。。。じゃあまぁ。。許してやるかと思っていました。木蓮寺に通ってくるヌクヌクホヤホヤ親に愛されて温室育ちというか、無菌室育ちみたいな頭カラッポなガキに敵愾心を持っていました。吾朗太本人は自分自身の記憶がないのですが、どうもあまり良い家庭環境になかったというのが魂に刻まれているような。

「とにかく、コップでもなんでも水を入れるものを寄越せって花が枯れるだろうが、」

「は」ベルモは吾朗太さんが突然何を言うのかビックリしました。は。。。花が、花が、花が。。。花が枯れるで、ですって唖然とするベルモに、「あ。。悪りぃ、持ってきて下さい、お坊さま。。。」


デブ、じゃなくって、お、お坊さまーっ。ください、くださいって。。。
ひっくり返るのを必死で抑えながら

「あ。。。あの、あ、わかりました。。ハイ、持っていきますから。すぐに。



あんな人。。だったっけ。小さな花の命をいたわる。。花の命は短いし、2、3日で枯れていく。。そんなもん知るか、って蹴っ飛ばすか無視するか。。。足で踏みつけるような人じゃないの。
ベルモは、ただいまと家族に挨拶をしに行くのすら忘れて、お尻を警策で叩かれたのは自分達が悪いくせに反省するどころか警察署に電話してベルモをさも暴力を振るった傷害罪の様にわめき立てるチワワ達に怒鳴り込みをしようと思っていたのもすっかり忘れて
蔵にガラスの瓶か花瓶を探しにすっ飛んでいきました。こういう時は、素直に話を認めて。あんたそーゆーキャラだったとかからかって突っ込むのは良くないそう、吾朗太さんが繊細な優しさを表している。小さな事でも肯定して尊重しなければ、

あっ。。。プルメリアは、プルメリア島と言われるぐらいそこらにプルメリアが咲き誇っているから。。うちのかどこからか飛んできたのかもしれないけど、でも、三太夫さんがアポロンさんからいただいたプルメリアの献花を海に捧げた。。。わざわざ。。吾朗太さんに降ってきたのは。。兄の三太夫さんのお弔いが天に通じたって事かしら。でも。。。極楽鳥花は関係ないしね。たまたま偶然どこからか飛んできたのかもしれないんだけど。
ともかく、吾朗太さんの微笑ましい優しさを尊重しなきゃ。いったいどういう風の吹き回し。。いい事なんだけどーなんだか怖いな。。。

吾朗太は、不思議とその花達、プルメリアと極楽鳥花を拾い直感的にこれは大切にしないと。自分を精一杯応援してくれているようなものに感じました。なぜか、懐かしい気持ちになり。。

木蓮寺に住み着く金龍の蓮池の主が境内の蓮池に顔を出していたので、「オッさん、これ投げたの誰か。。。見てなかった」と聞いて、蓮池の主は。。。ギョッとしたものの。。お、オッさん。。ま。。まてよ、オッさんて事は爺さんより若いか。。さすがに。。お兄さんとは幾らなんでもムリがあるしのー、まぁ。。いいかこいつ。。生意気だけど幽霊だしなぁ。。若いのにちょと気の毒。。だけども。ま、ワシの姿が見える奴だし。あの花は。。。それにしてもかなり温かい善意に溢れてるな。

「いや。。誰もそんな事するの特に見んかった。観光客も特にお前に花を投げたりしんかった。。。だが、それは、お前への弔いと冥福を込められて、ってもんだろう。

弔いと冥福を。。。そこには愛がこもっている。「そ。。。そうな。。のか。。」なんだか変な感じだけど。。でも。。温かい。。「じきに、ベルもが帰ってくる、花の水差しか花瓶か、コップでもいい頼めばベルもは素直に持ってくる。。。」「あ。。。ありがとよー

「花の命は短くて。。。かと言って、どうせ枯れるんだから、ほっておけ、なにもしないという事ではない。枯れるのはわかっているけど、それならそれで精一杯花を咲かせろそれが後悔しないという生き方。。。。日々瞬間瞬間の積み重ねは自分だけのもの、お前はもう死んでいるが、だからもう終わりだとどうでもいい、ってわけじゃない、今度生まれ変わった時のために、生きとし生けるもの、死ぬまでの瞬間瞬間の貴重な積み重ねを覚えておけ。」

蓮池の主がそう言うと。。。あ。。そうか、そうなんだよくわかるような、わからないような。。ただ。。。最終的に花なんか枯れるに決まってる。。人だって最終的に死ぬに決まってる。。だから生きとし生けるものはめんどくさいから生まれてくるなと言うものでもなく。。

かと言って、どうせ死ぬんだからとなんにもしない事ほど愚かな事はないって言うのか。俺は。。。

蓮池の主は、
「やりすぎてもダメなんだよ。お前さんは、生前に、自分のやりたい事をやり過ぎたのだろう。やりたい事をやる人生は良いと思う、ただ、周りを犠牲にして誰かを傷つけ過ぎてやりたい事をそこまでやる奴は命を詰まれるのさ。人から運を盗んで。やりたい事をやるには、自分が幸せで自分が笑顔なだけでなく、人を幸せに人を笑顔にしないとな。自分の事だけしか考えてないと。。。運も人生もゴッソリ持ってかれるぞ。

蓮池の主の言葉は厳しくも、荒治療して吾朗太の記憶を呼び起こすまでだ。蓮池の主が吾朗太の生前の経緯を知っているわけではないけど、蓮池の主はだいたいこんな性格で、悪さをしてきた、こんな傾向の人間性なんだろうな、というのはなんとなく大雑把でボヤッとだけど直感できる。モヤっとしたオーラを読み取るというか。。。さすが凄腕龍神

ただ、そう言われても本人がそうだと自覚して確信しない事にはだけど。。

「多分そうだろうよ。俺は街中でスマホって言うのか、アレに向かって死にたい、死にたいって書いたり言ってる奴がムカつくんだもん。だったらお前の命は俺に寄越せっていつも思うもん。だから、多分やりたい放題やってきたんじゃないかな。で、それでもまだ足りないし。足りないままで死んだんだろう。。奴らみたいにもう人生終えたいなんて。。もしも生きていても早く死にたいなんて絶対思わないだろうな。俺は多分、極端に言って思い詰められて自殺するぐらいなら人殺しするタイプだと思うし。あくまで極端な、ってもしもの話しだけど。だから。俺は生きてる時記憶なんてないけど。死んだのは自殺じゃないって言い切れる」

「自分に素直で正直で行動する奴はワシは好きだが。。お前さんは周りを振り回して傷つけてきたから。。。天に早々召されたんじゃよ。アクセルを踏みっぱなしで。

神々は、自分に素直で行動的な人々が大好きな反面周りのことを考えすぎない自分さえ良ければいい奴らは生かしてはおけぬと排除するのだろう。

あー。。。夢の中のあいつ。。四十代ぐらいになった俺。ビジネスマンスーツというか、いかにも真面目な暮らし向のいい、育ちのいいエリートビジネスマン。。。

アイツは。。あれは、俺がもしも真っ当な人生を生きていたら。。ああなっていたのか。夢の中でプルメリアの花を差し出してきた真面目そうな俺と。。。隣にいた年配の猫の、あーあのタクシーの爺さんが。。俺の成仏を願ってくれたって事なんかなぁ。親切そーな実際申請なそのドライバーに思わず、ありがとよーなんて言ってしまった。誰かに幸せを心から願われる気持ち。。。

あの俺の姿が生きてるように見えるタクシー爺さんが祈ってくれたんだろうか。。。

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木蓮寺にて。。。
「ね。。。ね、ネーたんベルモが蔵の中でガサゴソやってると、チラッと光が差し込み。。戸口でチワワのミーナとココナが覗いていました。変だなぁ。。アイツら蔵はお化けが住んでるからヤダって言って近づかないのに。。。貴重品があったり割れ物があり危ないので、和尚がチワワ達には蔵の中にお化けがいて悪い子をさらう相談をしている。と教え込みヒンヤリ薄暗いのもあり、あまりチワワ達は木蓮寺の蔵には寄り付きません。木蓮和尚もチワワにイタズラすると蔵に連れて行くめっという割に口頭注意でベルモの妹分のチワワ達には甘いしイタズラに警策でお尻を叩くベルモだけが悪物です。250C5BD6-D7D3-41BC-86BD-E938C8E834CD.png

ベルモは、適当に余ってる誰も使わなくなった古い100均のコップでは、なんだか吾朗太さんに申し訳ないので、ちゃんとした花を生ける器を蔵探ししました。ベルモは物音に振り返り蔵の戸口隙間から覗くミーナとココナとチラッと目が合うと、2人は一目散に逃げていきました。アイツら。。チワワ達がベルモの顔を見て逃げていくのは、ベルモに対してかなりやましい事があった時で、だいたい紫子夫人の後ろに隠れたり寝ている濃紫婆さんの布団の中に潜ったりします。おばあちゃん達はめっぽうチワワに甘いし
しかしながら。。今はコバエの様なザコを相手にしている場合じゃないわと、
ベルモが必死で蔵探しをすると、

ああ。。。これならね。品の良いいい感じの小さな花瓶を見つけました。シルバー製なので花が引き立つでしょう。これで良し。あとは、ピカピカに磨いて水をいれて。。。

と、ベルモが蔵から出ようとすると

「これこれ、挨拶もせんと。帰ったらただいま帰りました、じゃろうが。 」木蓮和尚はおおらかで自由にさせてくれるけど、躾には厳しい。挨拶はお約束。多分、チワワのミーナとココナが帰ったのにただいまの挨拶もしないベルモを見つけて帰ったと和尚にチクッたんでしょう。ここぞとばかりにいつもチワワ叱り役のベルモを和尚にキッチリシメてもらおうとたくらんだんでしょう。。。「あー、あっ、ご、ごめんなさいた、ただいま戻りました。」和尚は蔵探しをしているらしいベルモを見て、「なんかあったん。。礼儀正しいベルモにしては珍しい。。。挨拶もせんと。」木蓮和尚は怒っているというよりむしろ、ベルモになにかあったと心配のようでした。

実は。。。ベルモは、警察署でパッキンキンさんの正体がわかったんだけど。。。それ以前にさっきパッキンキンさんが意外な事を言い出してついつい。。。と、さっきのパッキンキンさんの様子にあまりに驚いたというのを報告しました。

その夜に。。。


うわぁ。「なんか綺麗ねー。女心よくわかるじゃない。」「これ、縁起がいいお花でしょ。」プルメリア島の中央都心部プルメリアリゾートのホストクラブ熱帯夜入り口にお迎えするように、たくさんの極楽鳥花が生けてあります。お店の入り口は、だいたいお客様からのプレゼントの生花が飾られていますが、今日も誰かからのプレゼントでしょうか。
「饗と流星が、朝帰りタクシーの運ちゃんからもらったらしい。プルメリア港の、極楽鳥花畑の古民家の人みたいで話してて近くに住んでるって話になってああ、あのオレンジの花の古民家って事で、花を褒めたらメーターを切って、自分ちに寄って花をわけてくれたみたいで。」お客様から聞かれたマネージャーが言いました。

タクシーで泣き出した流星。。。流星は昼間の出来事が頭をよぎりました。乗客として
一緒に乗っていた饗と、流星の話しを聞いていたタクシードライバーは、「それって、申し訳ないけど。。。親御さん、虐待では。。家を出て自分の人生を掴む流星さんは間違いなく自分で自分を愛して前向きな幸せにって行動だよ。」饗が、「それにしても。。あまり他人の親の悪口は言っていけないってわかってるけど、お前の親は。。。子どもに殺されてもおかしくないぜ。。お前もようグレなかったな。」「グレな。。。グレるってどうやるか。、
よく意味がわからないし。。近所の人達が僕を育ててくれたみたいなもんだから。。。それに、暴走族だのチーマーだの。。僕はそういうのはちょっと」饗は呆れて「ホ。。。ホストはできるのかよ。」ドライバーも饗も最初流星が冗談で日本一の帝王大学しか認めない家庭に育ったと言っていてKOや葉瀬田しか受からなかったので親に散々罵倒され。。と話し始め。。どうやら本気で流星が言っているようで。。固まってしまいました。ホストクラブも超非日常環境だけど。。。流星の家も帝王大学教というか、狂というか、凶というか。。。めったにない変人家系だなぁ

東京からプルメリア島に逃げて正解だな。。。
当の本人。。
流星は、ホストなら事情を抱えた人も結構いそうだし、身元保証人なく寮があり住まいが与えられるだろうし交流する仕事なので家より学校にいた方が幸せな自分ならなんとかなるかもしれない、とりあえずやりながら生活を整えようと考えたと。。。そう言いました。福の神の遊び場で自由の楽園、天国に1番近い島のプルメリア島で人生を仕切り直そうとしたのです。正直言って。。。死に場所を探して死出の旅路として。。最後に、死ぬ前から天国へとプルメリア島でと赴いた気持ちもありましたが、プルメリア島へついて、生き生きした南国の自由なエネルギーと美しさに圧倒されきらめき死ぬのがバカバカしくなりました。ここにはうるさい親もいません。パソコンで仕事もしていて収入もあり、あとは住まいですが、住み込みか手っ取り早く夜の仕事を落ち着くまでとひらめき全然違う自分に生まれ変わる為にホストクラブで働く事にしました。旅の恥はかき捨てというか、もう過去の自分ではないのだから、ホストでもなんでも死ぬよりマシだ。だいたい自分が悪くないのに死ぬなんておかしい。。。都会のコンクリートジャングルから抜け出して見知らぬ解放的な南国の異国情緒ムードに押されて、死ぬ前から天国を見てみたいと旅人は天国に一番近い島を訪れてあまりの美しいにはっと息を呑みますが、流星も感激し

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みるみるやる気に満ちて今にいたります。やり直せるのが人生であり、生まれ変われるのが人生。タクシードライバーさんは、今日さっき会った若いホストかもしれないにいちゃんみたいに。。まだまだこれからって時に突然命を失ってしまう事だってないとも限らないよ。いつ何があっても後悔しないような生き方しなきゃね。いつ何があっても自分は自分だし。。。

昼間タクシーの中で、二人のホストはドライバーといろんなことを短い時間話して

饗は、わざわざ流星の身の上話しをプライバシーだからお店では話すまいと気を遣いましたが、最終的にタクシードライバーもプルメリア港に古民家を買って老後生活を送っているという話で、あの極楽鳥花の古民家という話しをしていてご縁と励ましに極楽鳥花の花束をいただきました。饗と流星は、自分のお客にタクシー会社プルメリアプレゼンスのオーガストさんというロシアンブルーの運転手さんの名刺を渡しました。二人はお礼に、自分達もタクシーを利用する時はオーガストさんを呼ぶからこの名刺もお客に配るから何枚かくださいね。と運転席の後ろの名刺を何枚か頂戴しました。

「あれ、縁起のいいお花よねー」東京からたまに仕事ついでにくる美容界のライオンの女社長白鳥玲緒奈が今夜はふらっとホストクラブ熱帯夜に立ち寄りました。プルメリア島の近くの神楽町の美の福の神笑〜の熱心な信奉者で、2、3カ月に一度は笑〜に美と魅力の祈願を受けにきています。羽を伸ばしてプルメリア島で宿泊したまたま気晴らしに入ったホストクラブ熱帯夜で
TOKIOを気に入りこちらに来るたびに熱帯夜に飲みにきます。TOKIOの母親のガーベラさんがアマゾネスサンクチュアリィで清掃員をしているのでその紹介で今回はアマゾネスサンクチュアリィに宿泊しています。新人の饗と流星は、TOKIOのグループなので流星がTOKIOの席のヘルプにつきました。「今日、僕と饗が朝店の帰りにタクシードライバーさんからいただきました。プルメリア港の僕らの寮の近くに住んでる人で、極楽鳥花畑の古民家の人って話しで。

ホストクラブで働いているって言ったら、じゃあ、極楽鳥花は恋の伊達者、気取った恋って花言葉があるみたいで洒落た花言葉持ちだしホストに似合うんじゃないか、ウチの持ってけって。わざわざメーター切って、くれたんですよね。」「あー、そうそう。。私の若い頃だけど、歌舞伎町にストレチリア。。。というか当て字なんだけど極楽鳥夜って書いてストレチリヤって名前のホストクラブがあったわよ。極楽鳥花ってストレチリアって言うでしょ。」と白鳥玲緒奈が言うとTOKIOが、「へー、昔っからホスト行ってたの、玲緒奈さん」「あら、私もともとクラブホステスやってたからね。クラブのママも考えてたんだけど。将来を思ってエステの学校へ行って仕事して。。。美容界で独立したのよね。で、たまーに、ストレス解消で飲みに行ったりして。。確かに楽しかったわ。極楽鳥夜ってお気に入りのお店だったんだけど。。。社長が極楽鳥花大好きで、玄関入ると極楽鳥花が飾ってあるのを思い出したのよ。輝かしい未来とか縁起がいい花言葉もあるんですって。」と楽しそうにいうとTOKIOが嫉妬するように、「えーお気に入りの男の子いたんだ。」「いたけど。。ウーン。。。あの時はお水のクラブで稼いでても学費や将来の企業資金を貯めなきゃいけないし。今みたいにお金を使えなかったし。ホストのお客様の女性も。。。子娘だった私にはとてもじゃなく太刀打ちできない。上には遥か上って感じだったわ。それに。。。今だから言うけど。。指名してたこが可愛い子だと思ったら。。未成年で。相当なヤンチャでついていけなくてやめちゃったわ。このままズルズル関わると私は破滅するからって。。私には将来の夢があるんだって心を鬼にしたのよ。。で、トラウマになって。。。もうずーっとホストなんか行くもんかって思ってたんだけどねーま、たまたまお付き合いで来たここで、高くついちゃったわ」と嬉しそうにレッドアイを飲みました。

飲みながら。。口には出さないものの玲緒奈は昔の余韻がふとよぎりました。

そうそう。。。あのハリネズミの男の子。とんでもない歳下の俺俺系だったけど。女はいっぱいいたし。。。ホストクラブは二度と行かないってほどトラウマになったけど。今はもう。。私も五十代で、曲がりなりにも成功して余裕ができたし。まさかハタチのTOKIOと本気で恋愛するわけじゃないし、可愛い癒しなお気に入りで遊びにきている余裕ができたけど。。。なんて物思いにふけていると。。。

TOKIOが横から「どーしたの玲緒奈さん。まさか、その昔のホストの指名してた人のこと考えてんの」すねた様にTOKIOがいう「あらまぁ。トキ、ヤキモチなんだから。もー、どれだけ前の話よ。私が二十代の時の話よ。それに。。。そのハリネズミの男の子に懲りて嫌な思い出ずーっとホストなんか行くもんかって思ってたぐらいなんだから。」というと、ヘルプの流星が、「へー、ハリネズミかぁ。タクシーのお花くれたオーガストさん、今日朝僕と饗がタクシーに乗る前にこの近くでハリネズミの。。。ホストの幽霊見たってーなんか、派手な感じであれホストだろなって。。。」「あらまぁ。ハリネズミねー、偶然。。。でも、私の指名してた子は、歌舞伎町の東京だしね。派手なってより未成年で顔は可愛いから。いろんな女がその甘さに騙されるのよね。。まぁ。。誰か、過去の熱帯夜のホストが亡くなったのかしら。」玲緒奈が言うとTOKIOが、「まぁ、ホストは、在籍だけして来なくなるとか3日でいなくなるとか、急に飛んじゃうって人もいるし入れ替わり激しいからね。ワケアリとか。昔々にいた人とか、若いうちに亡くなったって人。。破天荒者ぞろいだし。。。そりゃ、少しはいるかもね。


そうそう。。。終夜。あいつはなにをやってるんだろう。いま。。。40歳ちょっとか。あれはもう。あちらの筋か。。半グレの東京邪神軍にも関わってたみたいだから。相当な悪よね
あー。。。やっぱりジゴロとか。。
女で食ってるのかしらねー玲緒奈は過去の痛みに切なくなりました。氷室終夜。。。あのハリネズミホスト。。。