アフィリエイト広告を利用しています
ファン
検索
<< 2024年11月 >>
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
最新記事
写真ギャラリー
最新コメント
タグクラウド
カテゴリーアーカイブ
プロフィール

2021年02月12日

マリッジcelebration259喪われた記憶と哀しみが思い出に変わるまで。。。

あら。。。

リリコは、
17530EA0-F16A-407C-AE4B-E59A912F7745.pngホストクラブ熱帯夜からタクシーで帰ってきて。少し酔い覚ましてから、お風呂へと、
88D07105-D48A-467C-BC10-B4DA23B83176.jpegバスタブにお湯をとスイッチを入れるとLINEの電話が鳴り出しました。

純かしら。。。と思うとあらっミーシャCCAB0C42-58DB-4C9B-8D82-2BFA29A4DE99.jpegリリコがスマホに出ると。。。

「ねぇ、リリコ、駿栄のホストクラブへ行って酔ったんでしょ。純とあたしのLINEを間違えて送ってるわ。。」「あっ」あーし、しまったっ

「わたしに気遣ったんでしょ。あの。。。アタシのお爺さんって。。どういう事なの。。それらしきって。。」ミーシャの父親は、自叙伝などマスコミで両親に捨てられた事は知られています。

「あのね。。駿栄のホストクラブへ行ったんだけど、取材でタクシーを頼みたいしって話になって、駿栄と同僚のキャストさんがよくしてくれたタクシーの運転手さんがいるって話で、駿栄とキャストさんが言うには、青山奏さんにそっくりだって言うのよ。」「そうなの。。。」「それで、オーガストさんと言う名前なんだけど。。名刺に、青い山のスタンプが個人的に押してあるのよ。。。8D69792B-970D-498B-BCAD-82198BBE4946.jpeg「そう。。。なの。。。」「だから。。。それだけじゃわからないんだけど。。もしかして、青山奏さんのミーシャのお父さんの方のお爺ちゃんじゃないかなって思ったんだけど。。でも、ミーシャんちのお父さん達は、今ご両親とどんな状況かわからないから。。。ワンクッション置いて純にLINEしたんだけど。。。」70A453ED-D686-4135-82F9-EA0A0011A6FE.png

やっぱりそうなんだ。。。と思った

ミーシャは、実は父親の奏方の祖母の瞳が再婚先の大阪で亡くなっていて古い日記帳が見つかりA9DB11CC-D04B-49D7-88F0-9FA9FB3A68B1.png母親の瞳とは手切れ金を支払って縁切りしたのだけど、奏の兄の禅にこれだけは黙っているのは忍びないから。と瞳の日記帳を送ってきたそうで。

瞳が、旦那さんの海外転勤についていきたくないのと派手な男性関係や浮気で離婚する事になったらしいけど。アメリカへ行かなければならない父親が、幼い兄弟を連れて行けないし。瞳の両親の楠家が、禅と奏を面倒見る事になって籍はそのまま青山として楠家に引き取られる事になって。

だけど。。。瞳が再婚した時に兄弟は、捨てられたので薄々おかしいとは思ったものの兄弟を引き取った楠の祖父母もあまりお金がなく病気がちで目の前の生活に必死だったみたい。で。。。かいつまむと、多忙で帰国できない祖父と会えない事をいい事に、祖母が祖父が借金を作って逃げただのめちゃくちゃな嘘をパパや伯父さんに洗脳したみたいなのよ。。。

「で。。。おじさんと、お爺さんは和解したの。。。」「いいえ。。それが、ほんのさっき。。。横浜の伯父さんから連絡があって。。祖母の瞳が幼い頃の伯父さんとパパをうまく言いくるめて騙していたという事を知ったばかりで。。。祖母の再婚先の大坂の家族から訃報があったんだけど。うちのパパが、結構な手切れ金を生前に無心してきた祖母に手渡して絶縁したから。。。大坂の人達は、パパには連絡せずに横浜の伯父さんに連絡してきたみたい。

「そうなの。。。なんという巡り合わせ。。。駿栄が同僚さんとタクシーに乗って、誰かに似てるって気づいて。。良くして貰って名刺を貰ったみたいで、気さくで親切な人だし、ってそれじゃ私も明日仕事でって話になって。。。で、プレゼンスタクシーの青山オーガストさんの予約したんだけど。」「パパが。。。興信所に依頼しようか伯父さんに相談する。。って話してたわ。。」ミーシャが言うと。。

「それじゃ、ミーシャのおじさん達はお爺さんが会う気があれば会いたいとか探したいって気なのね。。。」「そう言う事だと思うわ。。

「もしかして。。。の段階ではあるけど、私は明日ミーシャのお爺さんらしき人に会うんだけど。。私がミーシャのお爺さんかどうか、さりげなく自然に持っていって。。。手引きするわ。。」「ウーン。。。大丈夫かなぁ。全然関係ない人なら。それまでなんだけど。あちら様がいきなり過去の生き別れた子どもがでてきたら嫌がる人もいるわけでしょ。生活があるし。。。」「子どもに罪はないわよ。親の事情で離婚したり手放した親に罪はあるけれどね。ねぇ、私の父親もだけどミーシャの父親も、世間では名の知れた有名人だわよね、いちおう。。。生き別れの世間に面が割れた子どもがいて自分が親です、って名乗りでないって事は誠実か今が幸せか、って証拠だと思う。

「そうね。パパも、有名になったら祖母がお金の無心に来て絶縁したもん。ちょっとパパに電話してみるわ。。それにしても。。プルメリア島に。。。やっぱり。。祖父なのかしら。。。

8AFF54BE-EA71-4531-9986-41E6C01D1D87.jpeg

「リリコ。。。どうだったの。」ひととおりスマホでリリコと話し終えたミーシャに純ちゃんが言いました。「ウーン。。。なんだか。。。アタシのお爺ちゃんかもしれない人と明日会うみたいなんだけど。。。タクシードライバーさんだから、お仕事で依頼するんだって。。。だけど。。実際は。。遠いよその人の話しみたいで。ほら、私は最初から祖父母は居ないものとして育ってるし。。純ちの喜美ばあちゃんやジローお爺ちゃんがベビーシッターや家政婦さんだとて。。祖父母みたいなもんだしね。だけど、うちのパパ達はわざわざ興信所を依頼する事も検討してるからさ。ちょっと、パパに電話してみる。。なんだか手がかりが掴めたかもって。。」

映画のように。。。例えば貧困にあえぐ天涯孤独の子どもが、窮地に陥って実は大富豪の祖父母がいたとか莫大な遺産を相続する事になるとか、はたまた逆にある日突然お金に困った親族が日頃付き合いが無いのに乗り込んでくるとかなら。。。日常生活が突然ひっくり返って上を下への大騒ぎ胸騒ぎなんだろうけれど。。

裕福な家庭に産まれてなに不自由なく育ったミーシャ。
最初から、親が祖父母さんに捨てられて祖父母さん達が居ないものだと言われて育って。。

あちらからは何もせず何も言ってこない祖父さんに。。。01031324-D74B-460A-B977-007FDAD58DAF.png

ミーシャ自身正直なところどう接していいのかがわからないと言ったところなんだろうな。

その日の深夜。。プルメリア島、木蓮寺。
97D902D9-DFDE-4F66-B4CF-0738EED8D89D.jpeg


「思い出せないのね。。。」ベルモが寂しそうに言う。ベルモは、森沢家の離れにチワワのミーナとココナと濃紫婆さんを送り、毎晩のルーティンお風呂に入れておやすみなさーいと全員を寝かしつけると1289157E-F90F-4C85-9D53-82F7263B59FE.jpeg

吾朗太さんと落ち合うために離れを抜け出して
蓮池のほとりへやってきました。冷泉さんや本陣さんは程よく酔っ払って奥さん達への手土産を持たされてご機嫌に歩いて帰っていきました。冷泉さんも本陣さんも、警察官だけど子どもの頃から木蓮寺の檀家さんで、いろいろ木蓮寺や木蓮和尚からごちそうされたりいただいても、仏様からのおさがりという事で罪にはなりません。二人の奥さん達も木蓮寺に旦那が寄って遅くなってもどこに旦那さんがいるかわかってるしいろいろ手土産も持って帰るので怒りませんし
二人は歩いて目と鼻の先の近所の自宅に鼻歌まじりに帰っていきます。2C582E61-2C25-42EE-ADBE-8B68C17E7060.jpeg


もういい。。。どうせ、俺が死んだって悲しむ奴なんかいなかったんだから。お前とくっちゃべってると腹立つわ」吾朗太さんはベルモを睨みつけましたが、
それにしては約束通りに蓮池のほとりにやってきました。吾朗太さんは短い夢を見て。。。どう考えても、できるビジネスマンスーツの四十代ぐらいの男性が出てきた。。。もしかして、このまま順調に生きていれば、見事に更生しての自分が出てきたのかと思えば。。。
そうではなく。。。
あれは。。。兄貴というやつで俺と違って今も優秀に生きていて。。。それがわかって

なんだか惨めになった。兄貴がいると聞いても嬉しくない。あちらが幸せに生きていて虚しいだけ。。。


ベルモの話しだと親に可愛がられたのは吾朗太さんの方で。。。兄貴とやらは里子に出されたらしいのに。だけどこのベルモという馬鹿デブも、里親育ちでぬくぬくこの寺で大きい顔をしている。兄貴という奴もこいつも。。。所詮は水を得た魚。。。自分の天賦の才能を発揮できる持ち場で偶然生まれ育ったか、産まれた環境よりもずーっと適した持ち場にたまたま引き取られた水を得た運のある魚ほど強い奴はいない。。。

同じ親に産まれて兄貴は出世魚、俺は雑魚。


ぼろぼろになってやっと。。。自分に適した水を得る奴やくすぶったままでふらふらさまよって人生終了の奴や。。俺みたいに突然若いのに死ぬ奴もいる。。

天上天下の出世魚軍団は
自分が幸せでなお余りある、それで他人まで世話をやく。本人たちは幸せのおすそ分けと言っているが。。。そういう底辺の気持ちなんぞ1ミリたりとも味わった事すらなく高みの見物の余計なお世話の奴らなんだろう。

「あなたは、お兄さんに愛されてるわよ。あなたが亡くなってもなお。。。今日私は。。。わざわざ東京からこっちに来た吾朗太さんのお兄さんの三太夫さんにプルメリア署で会って。。。」
ベルモが言います。
そうか。。。警察署。。。兄貴って奴が来てたのか

あと少しでその兄貴とやらに会ったかもしれないがすれ違い。。。でも、会っていたらいたで。。。やり切れないあの時ベルモの後をつけていき警察署が近くなって急激に気持ち悪くなったのは。。。

生前に警察関係がトラウマになってるのか、兄貴というやつが近くにいるから拒否反応を起こしたのか。。。いずれにせよ、兄貴というやつを思い出せないし。三太夫という名前を聞いても。。誰だそれ。。。だし。「もう寝ろなんにも思い出せない、以上。お前は朝から馬鹿ガキどもの面倒を見てりゃいいんだお前なんか、馬鹿みたいにあたおかな親からぬくぬく甘やかされたオツムの弱い馬鹿なガキのオムツの世話と、あんたは幸せですかー、みたいに言って寺にくる不幸な奴らの話を聞いて幸せな奴目線で上から説教してズブズブに洗脳しまくって金を巻き上げてますます他人の不幸で儲けた金で金持ちでますますデブになればいいんだ、お前はそういうゲスな人生がお似合いだろ。CE948031-E0B9-4989-A0CC-AFAB92A62C14.jpeg

こいつは俺の為に動いてるってわかってはいるけれど。。かなりいい奴だって、わかってる。。。だけど、生きてるだけで、幸せって福々しいこいつ見てるとムカついてくる。

ベルモも、痛いほど。。。ヒシヒシと。。。ボロカスにこき下ろされても、罵倒している吾朗太本人が痛々しく思うだって。。。この人は。。。この人の言うように本当は死にたくなかったんだろうし。毎日毎日、木蓮寺の僧侶と幼稚園の先生を家族や僧侶仲間や檀家さんや、幼稚園の保護者とニコニコ過ごすベルモをお寺の隅からぽつんと一人でたたずんで来る日も来る日も笑顔をやり切れない思いでまのあたりにし。。。

未来の輝かしい可能性を背負って保護者にぬくぬくとこれでもかという愛情を注がれた子供たちを見たくないので。。。昼間は木蓮寺から出かけてさまよう。。吾朗太さんは、ベルモが副担任をしているヒヨコ組の生徒の悪口を言ってきますがヒヨコ組はだいたい小型犬のパピーが多いので、ぬくぬく可愛い可愛い愛される為に生まれてきてそれだけで喜ばれる命や存在価値に腹が立っているのでしょう。ベルモは、吾朗太さんが生徒の悪口を言うといつもムキになって真っ赤になって本気で怒りますが。。。なんだか。。。やり切れない。。
いつものように命懸けに大事なヒヨコ組を馬鹿にされても
怒る気にもならない。吾朗太さんには言う事は言って情報は提供した。。あちらから心を開くまで。。なにか思い出すまで。。そっとしておくしかないかな。いちおう、緋夏さんと結婚していたと言ったんだけど知らんし、生前に付き合ってたり関わった女なんか全然思い出せない。という事で。。。まぁ。。。ね。吾朗太さんは命懸けの恋愛をしてきたようには見えない。それどころか。。。女性に苦労しなくてたくさんの女性と関わっても自分の方が大事で常に自分中心。。。女性を財布かATMか、便利な道具にしか思ったことないぐらいなんだろうな、結婚していたというのに、緋夏さんの事すら覚えてないなんて。。。

「わかったわ。なんかあったら、言ってね。。。」ベルモはそう言うとまた離れに戻っていきました。

ひとりぼっちで佇む吾朗太さんに
哀しいほどまぶしい
月明かり。。。

フワリと天使が舞い降りました。8B5A6BCC-A16C-4F2C-999B-F3599FF23663.png

また。。。めんどくせい奴が来やがった吸い込まれるように純粋な瞳に見つめられると気が狂いそうになる。確かに。。。コイツは俺よりずっと先にガキの頃に轢き逃げで理不尽に死んで良い子みたいだし。。

俺より可哀想かもしれないけどさ。
こいつは。。。こんな可愛い罪がない子がなぜ死ななきゃいけなかったんだとたくさんの人に惜しまれて死んだんだろう。俺とは違って天使のコウちゃんというガキ。こいつは、昼間デブのイキイキ生きている自分と同じくらいの歳の教え子のたくさんいるこの木蓮寺やら木蓮幼稚園に来てもなんとも思わないのか。虚しくないのか。それでもなお。。。天国へ連れてて行く俺を幸せにって。

「なんだよう。」ブスっとした顔で吾朗太さんが言います。「綺麗なお花だね。いいにおいがする。」月明かりに輝いている、吾朗太さんの為に供えられたプルメリアと極楽鳥花を見てコウちゃんがいいます。「お兄ちゃんへ。。。のだね。お兄ちゃんがもっと幸せになるために。。」「馬鹿だなぁ。俺らはもう死んでるだろ。幸せだろうが不幸だろうが、どうだっていいだろうが。」「亡くなったけど、その人が天国で幸せであります様にってお祈りされるのは、誰かに愛されるのは幸せなことなんだよ。」コウちゃんがにっこりするので、思わず

「お前もこの寺でデブに洗脳されたのか。、幸せですかとか。幸せになる為にって。。あの偉そうなおデブは自分が生きてやり放題に好きな事やって。。。そんな奴に幸せにって言われても。。。虚しいだけだろ。俺らもう死んでる。。。」しかしながら
コウちゃんは不貞腐れた吾朗太氏を意に介さず

「三日後に迎えに来るよ。」とニッコリ笑う。

「なにしに。天国でも地獄でも行くのか。

「東京へ行くんだよ。お兄ちゃんが産まれて育った東京へ。僕に掴まれば一瞬で東京に行ける。一緒に行くんだよ。」「そんなとこ、行ってもなんも思い出せないだろ。もういい。」吾朗太さんは首をふります。


しかし。。。「いいから、迎えに来るからね。東京に行けば、全てが変わるから

そう言うと、コウちゃんは消えてしまいました。。。

3BBBB119-49C7-47BC-8772-EC4C01DE6265.jpeg

まるで、突然舞い降りてきたプルメリアと極楽鳥花のように。。。
白い羽根が月明かりから降るように舞い降りてきました。

余計な。。。お世話だだけど。。。反抗しつつも。。。それでもなお。。。吾朗太さんの気持ちにもわずかばかりにあたたかいものがジワっとこみ上げて無限に広がっていきました。。。




この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/10534553
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック