ベルモのスマホに電話がかかってきます。この音は。。。どう考えても。。。
い。。。家電。。それは、すぐそこの自宅森沢家からの電話でした。ベルモは、「ちょっと失礼します」と吾朗太に断り電話に出ました。
「ベル。。。どおいう事じゃ。お客さんほっぽりだして」濃紫婆さんだベルモは、冷泉氏と本陣氏を玄関で出迎えるとそのまま吾朗太さんの気配を感じて二人を家に押し込むと思わず自分は境内へ飛び出してしまった。。。「お。。。お客さんって。。いつものミスター達でしょ。」「近所のボウズたちでも客は客。それに食事中に立ってそのまんまはいかんと言うとるのじゃ。そなたは、他人様のお子を預かる身で。。」濃紫婆さんが説教しはじめるそう、濃紫婆さんは立居振る舞いや行儀や礼儀、品位には厳しいので。。。100歳過ぎて。。主のように80年ぐらいはこの木蓮寺にいて。。近所の冷泉氏や本陣氏も赤ちゃんの頃から知っているので近所の坊やら近所のボウズたちなど言う。。。
ベルモははっとして。。。
「す。。。すみません。。。戻ります。」チワワ達がいなければ事情を話すところですが、チワワのミーナとココナの前では怖がるので幽霊の話しをしない事と、きつく濃紫婆さんと紫子夫人に言われています。濃紫婆さんも紫子夫人も、愛狂わしい小型犬にメロメロ甘々なので。。。ここはちょっと。。。「なんだよう。。お前は。。兄貴って。。そいつは。。いったいどういう事だよ。」「待って。食事中に席をたったままだと濃紫婆さんに叱られるのよ。チワワがいるからあなたの事も喋れないし。」「さっきの電話で言えば聞かれないだろうに、おめーは、どっか抜けてんな。」「それもそうだけど、あのチワワ二人はねーたん、何やってるのってこっそりこっちにくるわよ来たらあの子達は幽霊が見えないから、私が空中に向かって話してる様にしか見えないんで頭がおかしくなっただのギャアギャアわめくわよ。だから、幽霊の。。。吾朗太さんの事は、チワワが寝てからにしなさい、それを条件に濃紫婆さんに花瓶を貸して貰ったんだから。。。で、幽霊と話をしてるなんて言ったらもう大変なんだから。」「めんどくセーあのちっこいポメラニアンみたいな婆さんもチワワも小型犬にろくな奴はいないな。お前のクラスも。。ぴいなってガキがキンキンみーつけって言ってくるからもう俺が視える奴に見つからないかヒヤヒヤしてるしわかったよ、」「しょうがないわよ。アタシだって僧侶になる時に若い娘がって親に泣かれたのを、濃紫婆さんがこの子は仏様のお使いでこの寺にやってきたんじゃ。僧侶の何が悪いヤクザか泥棒になるって言ってるんじゃあるまいしって木蓮夫妻を叱ってくれたのよ。そうじゃなきゃ、精神病院へ強制入院させられてたかもしれないし。ポメラニアンみたいな婆さん。。。ってもう100歳だから仕方ないじゃない。色白で北国の札幌から南国にお嫁さんに来ても全然日焼けしないし。濃紫婆さんとチワワが寝たら話すから、離れの近くの蓮池のほとりで。いつも蓮池のほとりで寝泊まりしてるんでしょう。」つい、吾朗太さんを見つけて、早く彼が記憶を戻す助けになりたいと思いましたが。。。濃紫婆さんとの約束を思い出して、はっとして
ベルモはそう言うとさっさと戻っていきました。
そうだった。戻れば戻ったで、木蓮和尚が濃紫婆さんと紫子夫人に叱られていました。蔵の戸口でまとわりつくコバエの様に覗いていたチワワ達は、朝ベルモが出かけて行きましたので、木蓮和尚に、「ジーたん、ネーたんどこ行ったの。。。」と聞いたミーナとココナに、「ベルモは。。。ミーナとココナが叩くと通報したから警察に捕まったよ。」とチワワ二人を騙したからです。
ミーナとココナは顔を見合わせてこれは。。。まずい事になったと、二人の親友のぴいながベルモが逮捕された事を知ったらぴいなはベルモ先生命大好き過ぎるので、ミーナとココナは絶交されるでしょう。
どうしよう。。。ひよこ組のみんなから、あんた達のせいでベルモ先生を失った責任取れー
ミーナもココナも大嫌いベルモを返せと非難轟々かも。。。
プルプル「ネーたんは、牢屋。。。」ココナが言うと、「さぁ。。。取調べだけで初犯だから執行猶予付きで帰ってくるかもしれんがのう。紫子婆さんは、この事は知らないからのう。ベルモは、ミリちゃんちにお手伝いに行ったと紫子婆さんには言ってある。紫子婆さんには内緒じゃぞ。幼稚園の友達にも内緒じゃぞ。」木蓮和尚は、ミーナやココナのイタズラやワガママが治るようにと、ベルモが逮捕されたからと深刻な顔をして嘘をつきました。ひゃあさすがにベルモに棒で叩かれたと警察に電話したのはやりすぎたっ。ミーナもココナもベルモに警策でお尻をペンペンされるのは、自分達が悪いことはわかっているんだけど、反面怒られるのを認めたくないので、とうとう先日プルメリア署にベルモに棒で叩かれたと通報したのです。
紫子夫人が、見ていたTVドラマで奥さんが旦那に殴られたと電話して警察に逮捕されたシーンを見ていたからです。女に手をあげるなだの、暴力反対だの散々非難された旦那がシュンと大人しくなりました。
「しばらくネーたんを警察に預かって貰えば怒られてもう叩かなくなる。」ミーナが言いました。「ネーたんは誰にも叩かれないくせに。。ジーたんばーたん、バァバは叩かないのにネーたんだけ叩くし」ココナも言います。チワワ達が、悪さ手にあまる時は、警策でお尻なら叩いてよいと木蓮和尚はベルモに言いました。それはもうどう考えても、母親や嫁さん。。濃紫婆さんも紫子夫人もチワワ達を甘やかすので、叱るのはイタズラやちょっかいをかけられるベルモしかいません。木蓮和尚はイタズラをされるわけではないし。。。それに、小さな女の子を怒るのはちょっとね。。。きちんと躾はしているし。。。躾役って事で。
それでベルモが叱り役なんだけど
もともと木蓮寺にベルモがやってきたのがきっかけで木蓮和尚の子供達もとっくに独立してるし、ベルモの兄妹としても封印していた里子を育てようかという話しが出てきて
濃紫婆さんと紫子夫人は、チワワの女の子がいいと言い出して。。木蓮和尚が、「あんたらはチワワの女の子なんか迎えたら甘やかすからダメだって独立心強い猫にしよう。犬なら、柴犬とかシェパードとか、雑種で賢いのがいいかも。。。」と、木蓮和尚が言うと「自立する猫や賢いのは別にうちが面倒みなくてもよかろうに。。。ラクをしたがるな。。。あえて手助けしなきゃいけないぐらいのできが良くないのをウチがみないと。。。」濃紫婆さんが言うと紫子夫人は、「そうよ。チワワちゃんは小さいし家族がいないと可哀想じゃない。」
裕福な家庭では、神楽町市もプルメリア島も福の神から
里親推奨されますが、木蓮寺は年頃若い精舎に住み修行に励む小坊主さん達がいましたので、、その配慮として代々よほど寺に直接捨てられた子どもしか里親にしてきませんでした。ベルモは、幼稚園で赤ちゃんや幼児の世話して可愛いし小型犬でもいいんだけど、間違いなくお婆さん達が甘やかすに決まってるしアタシが女らしいのは拒否してるから喜んで変なフリフリの服でも着させるでしょうし。確実に躾や叱り役憎まれ役はこっちに回されるに決まってるんだもん。「ロットワイラーとか、マスティフとか、ピットブルにしましょ。うちの用心棒もしてくれそうだし。」ベルモが言うと、木蓮和尚は、「なんだ、ベルモ、相撲部屋の親方でもやるのか、土佐犬なんか、どうだー。」とからかってきたので、「なによーとにかく、小型犬にすると濃紫婆さんも紫子夫人も甘やかすから可愛いけど良くないと思う。」「だけど、小坊主さん達は今は男の子ばっかりだし、女の子でよかろうに。里子が男の子だと、親元離れた小坊主さん達も嫉妬するかもしれんじゃろう。」濃紫婆さんはどうしても可愛い方、可愛い方へ話を強引にでも持っていきたいようでした。
「母さん、ポメラニアンがチワワなんか飼ってどうするんだよ。」木蓮和尚がからかうと、白いポメラニアンみたいな濃紫婆さんは、「ベルモが女の子なんだから、女の子でよし、じゃろう。」
そうやって里親の話しはなんとなくだけど、話しが出るだけ出るかなー、と言う感じだったのも、ある朝木蓮寺の境内に、赤ちゃんのチワワのミーナとココナが置き去りにされていたのを、早朝掃除当番のベルモが発見したのです。濃紫婆さんと紫子夫人の嫁姑は、手を取り合い喜びそのままこれも仏様の結んだご縁だからと木蓮寺の娘になり。。。
あんな事があってから2年が経ち。。。木蓮和尚が、今夜は濃紫婆さんからチワワを騙すなとガミガミ叱られてだけどこうもしないとチワワ二人のイタズラはやまないし。怒る様な事かしら。。。むしろミーナやココナが馬鹿なだけなのに。。。今日も変なイモ虫や蝶々の服を着て。。どうせまた服をミーハー婆さま達に買って貰ったんだろう。。。
仕事帰りに飲みにきた冷泉さんや本陣さんをミーナやココナが、おまわりさんが私たちに証言を取りに事情聴取に来たと勝手に勘違いして「ミーナとココナは悪くないからね。ミーナとココナはひがいしゃだから。パチンしたのはネーたんだからね。」冷泉さんと本陣さんは、ベルモが家があんこう祭りだからとペラっと喋ったから、仕事終わったら二人とも酒を飲みに木蓮寺に寄っただけなのに、いつものような挨拶もせずに必死に冷泉さんや本陣さんに言い訳するミーナとココナの様子がおかしいので、
「変ねぇ朝からミーナとココナが元気ないんだけど。ベルモに叱られてあれからもうだいぶ経つのに。。」と紫子夫人は思っていましたが、ミーナとココナが、「ネーたんが、逮捕されて怒られたのはしょうがない叩くネーたんのせい。」みたいな事を繰り返すので問いただし吐かせたら。。。
木蓮和尚が、ミーナとココナにベルモがプルメリア署に昼ま逮捕されたと嘘をついて二人を騙していた事を知り濃紫婆さんから叱られて縮こまるのをベルモはたまらなく必死に笑いをこらえていました。
さて。。。東京銀座のバー、ラナンキュラスでは偶然にもダイヤさんがアマゾネスサンクチュアリィのお客様の環さんと再会し、さらに偶然にも。。。中学校の同級生の伊集院三太夫氏が、環さんの高校生の時の彼氏と言う事を知ります。ダイヤさんは、葉月さんとの話や、プルメリア署で伊集院三太夫さんと久しぶりに再開した話をその場でお酒がてらに話しはじめました。
「お。。。弟がいたんですね。。。そう言えば。。。生家の話しは全く伊集院君は言わないし、両親が交通事故で亡くなったらしいからあまり聞いてはいけないって思ったんです。だけど、本人が品がよくて育ちがいい感じだし。大学助教授の伊集院さんの養子なら、身内も品や家柄がいいんだろうと思ってましたし。。。」環さんが言いました。「そうね。。。私も弁護士の母親は諸事情によりを存じてたみたいなんだけど。。。でも、娘には守秘義務をきっちり守って生家の話しは一切知らなかったし。弟がいるなんて知らなかったから。。。」ダイヤさんが言いました。「だけど。。。びっくりしたわ。。。弟にせよ。。。キンパの入れ墨って。。。どうしたら。。。」今日子が言いました。
「いまさらもう。。。だし。伊集院君のご両親も亡くなったし、組も亡くなったからもう別にいいんだけどって、伊集院君が言ってたし。。環さん達だから言うわね。。。伊集院君は、組の親分のお妾さんの子どもに産まれて。。。だけど、性分がとてもじゃないけどヤクザに向かないので本人の為に伊集院家に養子に出されたみたいよ。。。弟さんと伊集院君がお妾さんの子どもで本妻さんの子どもが、上に二人下に一人いたみたい。三番目だから三太夫で、末っ子の弟は気性が激しくて可愛がられてそのまま親元に残されたみたい。。。」「そうだったの。。。」
環は過ぎ去りし青春の日々を思い出して。。。そうだ。。。伊集院君には言いようもない悲しみと影があったわ。光のように思えて実は影が。。というか。
高校生の時に初めてできた彼氏。。まぁ、高校生でまだなにも手も繋がない中だけど。。。このまま。。。付き合っているわけにもいかないしと思ったわ。昔ながらの家の環は長女で義母妹の緋夏は家出を繰り返してグレてしまったし。
伊集院家にわざわざ養子に来たという事は、三太夫は、伊集院家の跡取り息子さんなんだろう。環が家を出れば、祖母の志乃が継母の喜美をいじめるし、なにより志乃は環を跡取り娘と決めている。
KO大学時代の同級生の邦彦は、三男で理系だし家柄は良い方だけど神野家より少し下なので、志乃はこちらが主導権を握り尻に敷けるのでそれぐらいがちょうどいいって事を邦彦に内緒で環に言っていた。環はギョッとしながらも。。。
気難しい亡くなった祖母の志乃とも
なんだかんだでうまくやってきた。邦彦には感謝してる。。。ふと、喜びも悲しみも遥かに超越したような不思議な暖かい言い知れぬ感情が込み上げて。。。
ダイヤさんが。。。「緋夏さんの元旦那さんが吾朗太さんっておっしゃってましたね。。」
「ええ。。。供述でたしかに元旦那さんは、吾朗太、一つ歳下とか。。」「葉月さんの話しによると。。。その。。。吾朗太さんが、伊集院君の弟さんだったみたいなの。。。」
「な、なんですって。。緋夏の。。緋夏の元旦那さんが。。あの。。モンタージュの。。えっ。。。じ、じゃあ。。。あ、もしかしたら純の。。。」環さんは、親友の今日子さんには、娘の純ちゃんを海外出張で産んだ事にして特別養子にしてあるのは昔から話してあるし、緋夏が暴力を振るう元旦那から逃げて今の旦那と一緒になったけど。。純ちゃんがどちらの子どもかわからないと言っていた話をしていたので。。
今日子さんが、「えっ。。。純ちゃんの父親かもしれない人が。。。亡くなってた。。。」
亡くなってた。。。んだけど。。でも。。
それは殺されたかもしれない。そうだ。。話からすると見た目も、吾朗太は、どうもあちら側反社会サイドだ。。。
そんな人が自殺するそんな事。。。そんな事まずないわ。。。誰かに。。。揉め事で。。。
まさか。。。まさか。。緋夏が。。環さんは身震いしました。
2021年01月18日
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