「青山さん。。。だ、大丈夫ですか。。。」オーガストさんは強烈な吐き気に襲われて。。。それからほんの短い時間なんだろうか、長い時間なんだろうか。。。それすらも感覚がない時間の流れ。。
気がつけば。。繁昌先輩の従兄弟の泉探偵事務所の所長の
ミニチュアシュナウザーの繁昌泉さんが心配そうに覗いていました。
泉さんも地方から上京して同い年の従兄弟の繁昌先輩と子どもの頃からずっと仲がいいようです。大手商社勤務の繁昌。。繁昌佑先輩と自由奔放で独立して探偵事務所を持った泉さんは180度違う世界で生きているようで。。。厳しい繁昌一族のはみ出しものみたいな泉さんは、若い頃はヤンチャをし、実家を勘当されて東京に家出しました。それでも不思議と。。。なぜか優秀な従兄弟の繁昌先輩とは仲が良く。。。繁昌先輩だけは、泉さんが繁昌家を勘当されても気が合って仲良く付き合っていました。
はっ繁昌探偵事務所で
目を覚ましたオーガストさんは
「も、申し訳ございません」思い出した、吐いて気を失ったんだっしかしながら、泉さんは、浮気調査で吐いたり気を失う人も見慣れているようで。。。ご綺麗な事務所は、何事もなかったかのようにキチンと掃除されていました。
改めて、若いMIX犬の事務員が珈琲を入れてきたのでオーガストさんが病み上がりのようにフラフラして御礼を言うと泉さんは、
「あまり気にしないでください。吐いたり気を失う方々は日常茶飯事ですよ。因果な商売です。」泉さんは従兄弟の佑さん。。繁昌先輩から、オーガストさんが真面目で優秀な後輩だと聞いていました。頑固で几帳面な佑。。。あのこだわりのタスクが、わざわざ可愛がっている後輩だからなぁ。。。外資系商社でそれほど無駄な付き合いは煩わしい人間関係を避けたい、さっぱりした企業をわざわざ選んだぐらいの佑がわざわざ可愛がっている。。。かぁ。。。
しかしながら。。。調査員とともに、オーガストさんの奥さんの瞳さんの身辺を調べた泉さんは
うわぁ
同居していた瞳の両親の楠夫妻が、すべて孫の面倒や家事をみていて。。。瞳は遊び歩いたり、出張が多いオーガストさんの仕事生活を活かして夜の店で働いたり。。家族ぐるみで瞳の育児放棄や遊び歩いたりを隠蔽していた。瞳は、親孝行で実家の両親と同居したわけではない。遊び歩いたり、家事育児を押し付ける隠蔽工作のアリバイ要員の為。。。今は、瞳の父親豊が警備員、母親の節子が掃除のパートを週に2、3回代わる代わる行き家事や育児も代わる代わるに担当し瞳は旦那の出張時にキャバクラ嬢をするかカジノへ行くか昼間
男性と会っている。。。
厳しい躾を受けて育ったオーガストさんには親が子供を甘やかすという概念が全くなかった
瞳の父親豊や母親節子のパート先や元住んでいたご近所などに聞き込みをしたところ
四十半ばでやっと産まれた一人娘の瞳は甘やかされ放題で。鹿児島から上京した瞳の父親も青森から上京した瞳の母親も共に貧しいたくさんの兄弟の下のほうで中卒で親から放り出されるように集団就職で東京で知り合い結婚し親からどうでもいい様な扱いを受けて同じロシアンブルーで境遇が似ていて歳も同じで学歴もコネもない豊と節子の二人は傷を舐め合うように夫婦になって結婚したというか。。お互いに貧しい実家だったので二人は親の生きているうちは利用されるように馬鹿正直に実家に仕送りをさせられて。
鹿児島と青森で、お互いに遠方なのでほとんど帰らずお互いの親が亡くなると代も変わり用無しとばかりにお互いの実家とも疎遠になってしまって。やっと搾取から逃れたけどそんな地味な夫婦は子どもができないと諦めた頃に瞳を妊娠して産まれた一人娘の瞳が人に褒められるほど可愛かったのでそれだけが楠夫妻の心の拠り所になり娘のわがままはあたりまえ。。。貧乏な長屋育ちなもののスラム街育ちだし周りも貧乏があたりまえで瞳は気の弱い真面目な両親には全く似ないで相当気も強かったのでいじめられるどころか
小さな頃から姫、姫とチヤホヤされて育ったらしい。。。まぁ。。。確かに美人だよなぁ。泉さんは「あの。。。正直に申し上げて。。。オーガストさん、これが調査書ですが。。。」
オーガストさんは、「覚悟はしております。やはり瞳は。。。」
「瞳さんは、キャバクラ嬢として、キャバクラプリンセスであなたの出張の隙を狙って夜働いたり。。。同居の瞳さんのご両親も瞳さんをかばってどちらかがパートに行けば家事育児を片方が分担していたようですね。。。」「確かに。。。義両親はパートに2、3日出ている様な話しはしていました、僕一人の収入ですとなんだか負担がかかり申し訳ないからと。。。でも。。瞳が専業主婦で家の事はだいたい瞳がやっていたと思ってたので。。。」
「瞳さんのお母さんの節子さんは、今は掃除のパートに出ているようですが、昔から食堂や掃除、家政婦などほとんど家事関連のお仕事をしていた様ですね。瞳さんのご両親も瞳さんも。。。あなたには内緒にしている様ですが、第三者には。。。黙っておけない性質なんでしょうね。お母さんの節子さんが同僚の女性や近所の人に、瞳は料理も家事も苦手で自分が料理をして貴方には瞳さんが料理した事にして出していると。」「そう。。。だったん。。。ですか。。でも、なんとなくそんな気はしていました。」「節子さんは、大衆食堂だけではなくラブホテルの裏方でも働いていた様でいまどきの若い人向けの料理や盛り付けも作り慣れていた様ですね。それで、今時の人が作る料理も出したりいかにも瞳さんが料理をしたように。。。見せかけていたようです。貴方の学生時代、瞳さんと同棲していた頃から。。。貴方がいない時に内緒で掃除洗濯家事、料理などを節子さんがマメにしていかにも瞳さんが家の事をやっていた様に見せかけていたようです。。。」
「やっぱりそうでしたか。。。でも、そんな僕を騙してまで。。。」「それは。。。優秀で品が良くて。。。煩わしい親戚付き合いもない、将来性がある貴方という優良物件を家族ともども手に入れたかったんですよ。。。」「えっ。。。」
「娘が、少しでもいいところに嫁いで欲しいとか、旦那の親戚付き合いに煩わされないようにして欲しいとか。。。娘を、そんなに年齢差のある男性にやりたくないとか。。。誠実で紳士的な出来ればイケメンで生活のいい男性に嫁に出したいのは。。わたしもこの仕事で結婚調査をよくしますが、だいたい親はそんなものでしょう。自分を棚に上げてもいい男性と結婚して欲しいものですし。」「でも。。。そんな優良物件なんて。。。僕は。。。ほとんど出張だし。。実家から勘当されています。学生のうちから同棲して子どもも作ったし。。。」オーガストさんは、自分が優良物件である自覚はなく戸惑ってしまいましたが
泉さんは、
「あなたは、自覚はないでしょうが、かなりの優良物件ですよ。あっ、物件なんて言い方は失礼ですが。。。
出張が多いのは、語弊があるけど亭主元気で留守がいい、で瞳さんが遊び歩いたり夜働くのにもってこいです。それに、婿養子ではないものの、お嫁さんのご両親と同居してくれてお嫁さんのご両親もスラムから巣立ちたいのもあったでしょう。オーガストさんのご実家と絶縁したとて、あなたは大企業勤めで出張は多いけれど、同世代に比べてかなりお給料はいいでしょう。家族で住める社宅制度もあるし。それなら、いっそ旦那さんの実家との嫁姑問題なし、親戚付き合いなし、介護問題なし、貴方は次男で誠実で収入もいいし、面倒見が良くて優しいし。。。娘とは同い年。。娘を持つ親の誰がほっとくのでしょうか。」
そうだったオーガストさんは、自分では自覚は無いものの。。。地元の高校もいい学校へ通っていた時も
近所の人達がヒソヒソと。。。
青山さんちの次男君は長男さんよりいい学校へ通っている、学校の先生の家で身持ちも硬いが、次男なので親と同居もない、優秀で誠実でイケメン、将来性がらある、これは降るように縁談があるだろうと言うのを耳にした事があり親の決めた好きでもない女性と見合いなんかとんでもない
東京に進学して地元から逃げて親の敷いたレールから外れよう変な女性に物色されてはたまらないと、授業料免除で地元を離れて東京の大学に進学したのだけど、案の定。。。父親は
学生時代に勝手に結婚して子どもまでつくっていたオーガストさんに大激怒スラム街育ちで水商売あがりの瞳との結婚も大反対瞳の事は興信所で調べられて、スラム育ちや歳を誤魔化して未成年の頃から水商売をしていた事がばれてしまいました。子どもは認知するから、そんな水商売女とは離婚して福岡に戻り見合いしろそうでなければお前と縁を切るとオーガストさんは父親から宣戦布告されましたがそれなら、勘当してくれてもかまいません
冗談じゃないどうせ学校の校長をしている父親の事だから、東京へ出ていい学校へ行き大企業に入社した次男を自慢していろいろ縁談予約が集まってきていたのだろうそうはいくものかそれのアテがハズレで怒っているのだろうけど、サラサラ見合いなんかする気もない
冗談じゃないATMか安全保障の為に男性を狙う見合い女性なんぞ結婚の対象じゃない
と。。。そういうあちらから狙いを定めるような簡単に手に入る軽蔑していた金の亡者みたいな安っぽい女性とは結婚しないとんでもないオーガストさんは思っていたのだけれど。。恋愛で授かり婚をした妻の瞳と瞳の両親の楠夫妻が。。。スラム生活環境から抜けたし安定の為に。。。結婚瞳は自分を愛してない義両親の優しさは保身の為に。。。。。瞳は息子たちが可愛くないのか後から後から不審と疑惑が溢れてくる「騙されたんですかあの優しい謙虚な義両親も。。。。。瞳が遊び歩くのを見て見ぬ振りは愚か。。。援護してたなんて。。でも。。。なんで。。。なんで瞳は夜働いたりするんだ義両親の借金は綺麗に片付いたって。。。嘘だったって言うのかもっと金が必要なら正直に言ってくれれば
瞳が専業主婦で。。。息子たちを世話して義両親はどちらかパートが休みの時に瞳を手伝っている。。。そういう生活と思い込んでいて。。。」
思いもよらず平凡な生活を覆され
パニックになるオーガストさんに泉さんは、
「オーガストさん、、、申し上げにくいのですが、奥様には借金がありますよ。奥様は、街金でお金を借りていますね。」「えっ」「闇カジノがお好きなようですね。。。あなたの収入に手をつけるとバレてしまうので貯金には手をつけず街金で借りたんでしょうね。。。夜のお仕事キャバクラプリンセスのミズキちゃんという事でハタチぐらいにしか見えないし。。あっ、私は繁昌に結構似ているので、瞳さんの顔見知りの繁昌を思いださせてしまうのでスタッフに客として瞳さんのお店にいかせました。瞳さんの設定は独身で、昼間のお仕事で出張が多いのでシフトがバラバラという感じですね。。。OL設定ですね。可愛くて人気がありますので、お店もシフトはバラバラでも採用したのでしょうね。」「でも。。。どうしてそんな。。。」「闇カジノにはまり。。。あと、オーガストさんはあまりお詳しくないかもしれませんが。。。瞳さんはブランド物もお好きなようですね。それから。。。」
どうも。。。瞳さんにはお付き合いしている男性がいるらしい。。。カジノもだけど。。。ホストクラブの男性にも貢いでます。。。若いソマリの男の子ですね。。。」
若い頃から綺麗で男性関係は派手だったらしい。。。だけど、唯一の救いは同じ種族のロシアンブルー男性との付き合いはなく
息子二人はオーガストさんにそっくりだし、ほぼ間違いなくオーガストさんの子どもであること。。。
しかしながら。。。子どもを作ったのもガッチリとオーガストさんを手に入れる為だったんだろう。実際には義両親に子育てを丸投げした瞳は子どもはあまり好きじゃないらしい。。。産んだらオーガストさんという旦那さんの安定を手に入れて義両親に子どもの世話をさせれば良いと目論んでいたようだ。
邂逅する記憶。。。。。オーガストさんは、
「あの日、あの時の事は、昨日の事のように思い出してしまいます。。。」
それから、オーガストさんは。。。ボロボロに傷つき果てながらも事の真実に向き合う為に興信所の結果を持ち。。。自宅に戻って義両親と瞳さんに問いただし。。。
義両親は、娘や孫のかわいさにどうしても庇ってしまった事をオーガストさんに心底謝罪して私達は、貴方と女の家庭を壊したくなかったあなたには本当に感謝しきりだし、本当の息子の様に思っていると号泣しました
でも、瞳さんが他に好きな男性がいる事フランスに行きたくない、一人で行って欲しいあなたの事は好きだけど、もっと好きな人がいる。。。好きな男性とは別れたくないとはっきりと言われて。。。
どうにも埒があかなく、フランス転任も押し迫り
結局は離婚することになってしまった、息子2人の親権は欲しかったけれど
これからフランスへ転任の身。。。福岡の実家とは絶縁で両親には全く頼れない瞳さんは、子どもはいらないと言っているけど義両親はキチンと息子たちを育てるからと。確かに多忙すぎるオーガストさんでは子育てできない頼るのはやはり、真面目な義両親しかいない
それで、瞳にはギャンブルから足を洗うことを条件に瞳の借金を支払って住む所に困らない様に義両親にはマンションの住み込み管理人の仕事を紹介して息子たちを手離しました。養育費はキチンと支払って。。。
もう、プライベートのなにもかも無くしてただあるのは仕事のみ。。。なんのために働くのかフランスへ飛べば変わるのか
あの頃は現実の生活と直面したくなかった事に直面せざるを得ない状況と。。いっきに押し寄せるもので溢れていて。。。突然の事にどう生きていけばいいか、どう生活していけばいいのかという反面。。社会人として目の前の事を投げ出せず。自分の気持ちもどう説明したらいいかはっきりと見当もつかないし。。いっその事、人生終わらせてとふと頭をよぎったけれど例え別れても自分は人の親なんだここで自分が死んでしまえば。。。
例え別れていても息子たちがそれを知ったらどうなるんだ鬱々とした気持ちと必死に闘い。。。
フランスへ旅立つ少し前に、熱を出して会社を休んだ日とうとう幼い頃に一時期霊媒体質で幽霊らしきものをみたり声を聞いたりした時期が何年かあり消えたのに。。。オーガストさんはフランスへ旅立つタイミングでまたまた霊媒体質に戻ってしまった
「悲しい事で。。。私は自死したらしき霊がこの世にさまよって未練を残して苦しんでるのをみるようになって。。。はっとして、我にかえって自殺を考えるのをやめました。」
身も心も傷ついていたフランスで、一人で生きて行こうと決意して養育費の支払いをしながらなんとか持ち直した頃に、オーガストさんはアメショーの女性と出会って再婚します。娘が一人産まれますが、今はもうフランスで結婚していて
再婚した奥さんは今から10年ぐらい前に病気で亡くなりました。
定年退職で日本に戻ってきてずっと憧れてたプルメリア島に移住しました。古民家を買って。。。
オーガストさんは再婚してかも
養育費の仕送りはキチンとしていたけど、ある程度の歳になり瞳さんからは、「再婚するからあなたも再婚して子どもが出来たんだからその代わりもうウチには連絡しないでちょうだい。こちらにも新しい生活があるし。こっちはこっちでキチンとするから、ただ、養育費だけは支払ってちょうだい」と言われて。。。もちろん、別れた時の好きな男性のホストではなく普通のビジネスマンらしいので安心したけど。。。
まさか。。。瞳が、息子たちに再婚するからいらないと言って義両親に息子たちを預けたというか捨てて自分だけ嫁いだなんて思っていなくて。自分も再婚したし、あちらの家庭の邪魔もしてはいけないと連絡を控えていたけれど。。
後から。。。次男の奏は飲食業で成功して有名になって両親に幼い頃に捨てられたというエピソード。。。
貧乏生活をし。。。養育費を支払わない父親。。。えっ
養育費は確かにキチンと支払ってた瞳が使い込んだのか結局は楠の義両親と息子たちは生活していて瞳は再婚の時に息子たちを捨てていた
。。青山奏。。。あちらは超有名人。。。こちらは恨まれてる今更ながら言い訳したって子どもを置いて離婚してフランスへ行き再婚して
金だけ送り、そのお金もキチンと子どもに使われているかすら確認もせず。情け無い。いまさら合わす顔なんてないのこのこ会いに行っても塩をまかれてそれでよしだどの面下げて。。。会いに行けるというのだ
「すみません。。。若いお嬢さんやお子さんがいる前でこんな話」オーガストさんが泣きながら言うと
しかしながらベルモは、「いいえ。。。よくぞ打ち明けてくださいました。長年生きていらっしゃればいろいろございますわ。リリコさんがおっしゃる様に、オーガストさんのお孫さんはリリコさんのお友達です。オーガストさんへの誤解も解けているのではないでしょうか。これを機会に、差し支えなければ息子さんやお孫さんとお会いしてみてはいかがでしょうか。」
ベルモが
蒸したての肉まんの様な顔をしながらシリアスな事を言っているので。。。思わずリリコは笑いそうになりましたが
ここは笑うところじゃ決してないと。。。必死にこみあげる笑をがまんしていました。
2021年05月24日
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