2021年06月28日
マリッジcelebration278世はすべてこともなしに。。。
「今日はお付き合いいただきましてありがとうございました。ご延長までお付き合いいただきまして。」丁重に厚くお礼を申し上げた新聞社の取材のリリコは、木蓮寺から、オーガストさんのタクシーで
青の洞窟へ。リリコは、目に染みる美しい夕焼けをバックに何枚か青の洞窟の写真を撮りアシスタントを務めるオーガストさんと共に小さな船で、青の洞窟に入りライトアップされた青の洞窟内を撮影しました。「タクシーで送迎や、昼間に観光タクシーでこの洞窟内にお付き合いはかぞえきれないぐらいありますが、わざわざ夜洞窟の中に入ったのは初めてです。住んでると自分からは、わざわざあえて観光名所には行かないもんですね。プルメリア島に来た時は、まず最初に、美しい青を見たくて。。。どうしてもここへ行ってみたくなりまして。一人で日中にここへ来ました。日中と、今ライトアップされた時間帯では絶妙に雰囲気が違うもんですね。なんだか、夜の方がより神秘的な。。。昼間よりもっと青の臨場感が迫ってくるというか。。。」「へぇ。。。そうなんだ、じゃあ。。。もしかして、最初の予定みたいに日中にここに入るより、夕方過ぎで良かったのかな。。」リリコが言うと、
「好みはあるでしょうが、私は昼間より、グッとこの夜の雰囲気がいいと思いますね、秘密の隠れ家を探検しているようで。。。昼間は昼までもうちょっと開放的な感じなんだけど、夜の方が奥深いですね。。それにしても。。。青が目に染み入りますね。。。」オーガストさんは、洞窟の天井を見上げて黙り込みました。。。なにか思うところあるというのか、考え事をしているのか。。。
ひんやりとして
どこまでも吸い込まれる様な飲み込まれる様な幻想に包まれた目の前に広がる青。。。
あっ。。。リリコは、ふと、オーガストさんがチラッと漏らした。。。青山奏氏の。。。青山禅、奏兄弟の子どもの頃のアルバムに何枚か、大好きなブルーモーメントという無限の青。。。
ブルーの時間帯。。。
朝焼けか夕焼けの写真を残してきたようで。。、
まるで海の様な空。。。果てしない青。。。
オーガストさんが何度か
見た事がある昼間の青の洞窟の中よりも今の時間帯の方が、よりひときわ青が目に染み入るのかもしれない。。。
ブルーモーメント。。。青山奏氏のブルーモーメントの名前の由来はたまたまなのか、それとも、オーガストさんが残した子どもの頃のアルバムに何枚か貼ってあった夜明けの時間帯の青が好きなのか。。。何枚か写真を撮り、やっと船は出口に出て船着場に戻ってきました。木蓮寺で、青の洞窟のフレンチレストラン青の洞窟のほとりで急遽だけど今夜2人予約できますかと問い合わせたところ、なんとかキャンセルが出れば大丈夫だからと。
さらに現地で、電話した者ですが、と
無理を承知で、お店に問い合わせると、2人ならなんとか大丈夫だと。
うやうやしくスタッフが、リリコとオーガストさんを案内します。年齢も種族も全く違うリリコとオーガストさんですが、かと言って、お客様の層は見るからに超一流でも、
いろいろな種族や関係の人々が来て当たり前の場なんでしょう。特別に変な目で見られる事もありませんでした。二人は向かいあって席に座ると。。。
ほんのり優しげに薄暗い隠れ家の様な非日常な高級感の漂うお店は
ガラス窓のの向こうは、宝石の様に青の洞窟がキラキラライトアップされています。
「いいんですか、こんな。。。貴方の様な若いお嬢さんと。。。彼氏さんと来るべきでしょう。。。その。。。今日は特別なお仕事もじゅうぶんにいただきまして。。。私は場違いなんじゃないでしょうか。。。」と、オーガストさんは躊躇したものの。。。
「いいえ、本当にお礼です。産まれも育ちものプルメリアンの方々だけではなくて、オーガストさんの様なちょうどプルメリア島に移住してこられた方のお話しも聞きたいですし。
明日もまた宜しければ、明日はプルメリア島の反対側の南側、海の家クワタさんの海の灯りの宿の取材もお願いしたいので、プレゼンスタクシーさんにオーガストさんのご指名のお電話をしました。お嫌でなければ明日もまたよろしくお願いします。」
プレゼンスタクシーに、
リリコはちゃっかりと明日の予約までオーガストさんを指名していました。大変今日は親切にしてくださいましたし、私の取材の一つ、移住民さんのお話も聞きたいので、ぜひ。と、タクシー会社には、御礼を言って、それもあるし。おせっかいなんでしょうけれども。。。オーガストさんは、近所の幼なじみミーシャの祖父という事で。。。オーガストさんは、いまさらながらと会うのを躊躇してるみたいなんだけど。。。。。。それもそうね。。。本人にしてみれば。いきなり会うにしても、会う心の準備は、おいそれと整うわけじゃない。。ましてや、子どもには罪はないし。
例え有責配偶者でなくても、離婚して
親には子どもを傷つけた後悔と自責の念があるし。。。不利な立場でもある。
すると。。。隣りの席から興味を引くような何やら話し声が。。。
あ、あれっ。。。あれは。。。
アレは。。。間違いない。。。雑誌やTVで観る美術家の先生のヴィーナスで、さっきまで一緒にいた木蓮寺のベルモの三つ子のきょうだい。。ベルモとはびっくりする程体格が違う。。。小さいし細い。。ナンの神様のいたずらか、育った環境の違いか。。、まるで、一方的に養分を吸い取られたかの様に可哀想に吹けば飛ぶように。。。小さいし。。。イヤイヤ。。。ベルモがでっかいから。。それに、よく見れば、ベルモがぽやっとしているけど、ヴィーナスと一緒にいたら、確実にヴィーナスの尻に敷かれる様な。。。そんな気の強さをヴィーナスから感じ取り。。。
そうだ、このお店なら有名人もおしのびで来て当たり前だけど。。。あっ、あれは、ヴィーナスのグループは、複数人で来ているが、間違いなく、TVや雑誌で見たあ、あれは福の神の笑〜さんじゃない。で、う、うわー女優の茶目コさんまで。。。リリコは、新聞社の仕事や産まれ柄有名著名人には慣れているのだけど。。。
それにしても、飛ぶ鳥を落とす勢いの天才美術家と、国際的人気女優と、それを携える神様。。女神様と。。。もう、クラクラめまいがしそうでした。
あと何人か、仕事関係のお偉いさん方々みたいな人がいて。。。ヴィーナスがひとりプンスカ怒っている様です。と、言っても怒っているのは今いる周りの人にではない様で。。。興味を引くような話題が聞こえてきたのは、
ヴィーナスが、ベルモにここに来る前に電話してきょうだい大喧嘩になったベルモのわからずやみたいな事を。。かなり怒っています。
え。。
な、なんなのかしら。。。リリコは、コースを2人分オーダーし、オーガストさんに断ってから自分はシャンパン、オーガストさんにはミネラルウォーターをオーダーしながらも、ソワソワ。。。隣の席を気にしています。リリコは、小声で、
「ね、あれって、さっき会ったベルモさんの三つ子のきょうだいの美術家さんだし、女優の茶目コさんだし。。。福の神さん。。。ですよね。。。」「ええ。。。福の神の笑〜さんは、私の会社のプレゼンスタクシーは、笑〜さんのお兄さんの大蔵さんがオーナーですから、時々こちらに来た時は、笑〜さんも茶目コさんも、乗せた事はありますよ。ヴィーナスさんもあるし。」「ええっ。そ、そうなんですか、」「ええ。私はだいたい今日みたいなハイヤーを運転してます。でも、どうしても人が足りない時は通常のタクシー業務で、たまたまリリコさんのお友達の流星さん達を朝乗せた時は、通常のタクシーを運転していました。」
「あっ、偶然だったのね。。。流星、駿栄でしょ。駿栄に、青山奏氏のお父さんじゃないかって気づかれたのね。。。私も青山奏さんは、近所のおじさんだし、よく知ってるもんだから、えっじゃあ、世間で言われてる。。その。。。ごめんなさいね、よく知らなかったから。。世間でエピソードで出てる青山奏氏を捨てた父親の可能性ですって。。。と思って。。。だけど駿栄は、いや。。。かなりの穏やかそうな感じだったよ。。そんな子どもを捨て借金をしてって荒んだ感じでも全くなくて。。。。生まれながらさらに育ちも品があるって感じ。。。でも、あのドライバーさんは青山のおじさんに似てるから、って。」
それにしても。。。あの穏やかなベルモが。。。どうして。。美術家のきょうだいと電話で大喧嘩したんだろうか。。ヴィーナスと言えば、美術家といっても好きで人前に出たり、マスコミに出たり。。人当たりいいし、芸術家といっても気難しいイメージが全然ないんだけどな。。確かに勝ち気なイメージはあるんだけど。。きょうだいには違うか。。。所詮は4歳児の他愛無い子どもの喧嘩。。。だもんね。。負けられません、勝つまでは。。のその場にはいないベルモにプンスカプンスカとめどなく怒るヴィーナス。。。
それを、福の神笑〜と女優の茶目コがなだめているって感じで。。。
オーガストさんは、ヴィーナスや笑〜や茶目コとも顔見知りでしたが、あちら様はお客様だしこちらは運転手なので、挨拶するのもなと控えていたら、
あっリリコとオーガストさんは、こちらを見たヴィーナスと目が合って。。。
「あっ、、。プレゼンスタクシーの。。。今日もお客様とのお付き合いですか。。。今日は、可愛いお嬢さんですねー。」と、ヴィーナスは、今までカッと怒っていたのを無かった事の様にごまかすように、にこやかにこちらに話しかけてきました。「あらっ、オーガストさんだ、」笑〜も茶目コもオーガストさんに気づいたので、
「これは、皆様こんばんは。いつもお世話になっております。」オーガストさんが丁寧にお辞儀をすると、
リリコも、「こんばんは。私は都王新聞の取材の者です。プルメリア島の取材に訪れました。美術家のヴィーナス先生ですよね、さきほどは、木蓮寺の取材でごきょうだいのベルモさんに大変お世話になって。。」と、御礼を申し上げますと言えば。。。
「あの、くそデブ。。。いんちきどぼうず。。。あっ、ごめんなさい、あいつの取り柄は耳の中が宝箱なだけ。。。。あっ、ごめんなさい」耳の中が宝箱なだけ。。。ってナンのことだろう。。。
リリコは意味が通じませんが、それもそのはず、耳掃除マニアのヴィーナスにとって、耳掃除のしがいのある耳だといっても耳掃除キチではない普通の感覚の人には通じないでしょうね。。。
「えっ。。。あの、ベルモさんと。。。喧嘩なさったんですか。。。」リリコが驚いて聞くと、「たまに、喧嘩します。なんだけど。。。今日は許せないわ。。。ここじゃあちょっと言えないんですが。。。ちょっといろいろありまして。つい電話で口論になったんです。まぁ。。。耳掃除もしたばかりだし、アイツらの解禁日まで暫くあるし。。あちらが反省してくれればいいんですが。」ヴィーナスは、かなり通話したベルモに対しての怒りを抑えているようで。。
えっ。。。嘘でしょう。。ベルモさんが、そんな人をそこまで怒らせる様なことをするかしら、と思わず、オーガストさんと顔を見合わせました。
あちら側のテーブルでは、オードブルが運ばれてきて、「会長、また、メトロポリタンTVに例の白骨死体の身元について心当たりの電話がさっきあったとか、やっぱり東京の人で。。。」どうやらプロデューサーらしき人が、笑〜に報告しています。「あっ。。。」笑〜は、こちらのテーブルをチラッとは見たものの。。「先だって、既にお兄さんという方がわざわざプルメリア島にお越しくださいました。その情報を下さった人とは。。。」「飲み屋。。。昔ホストだったみたいですね。今はホストクラブのオーナーです、なんかね、未成年で働いててそのせいで当時のオーナーが逮捕されて。。。で、オーナーにかなり可愛がられてたみたいなんですがね。。。オーナーの女を取っちゃった。。みたいですね。まぁ。。。しょうがないですよね。歳の離れた歳上男なんかより、
若い可愛い男の方がいいに決まってるしね。金持ってる女性ならね、なおさら、あっ、会長すいません、会長の事じゃなくって。。。その。。。」プロデューサーは、金を持ってる女と言って、おっとっとっと。。。と口をつむぎました。明らかに女神の笑〜は、人間や生物を遥かに凌駕する様なとんでもない桁外れの大富豪です。なんてったって神々だし。。。
どうやら。。。あの、プルメリア島の白骨死体発見事件の話をしているようで。。どうも、あらかた身元が割れてきたよう。。。「そうなの。。。やっぱり。。吾朗太さんは、ホストをやっていたのね。ウーン。。。未成年で。。ね。そう。。。」と笑〜が言うと、プロデューサーが、リリコ達の方を見て
「あっ、そうそうその電話してきたホストクラブのオーナー。。。あの青山奏も、昔チラッとだけホストクラブで一緒に臨時のアルバイトしてたみたいですよ。もう、若いオーナーだからする必要ないけどヘルプというか、ほんの少しだけ。
て、言うか。。。あの。。。」
プロデューサーは声を落として
リリコとオーガストさんは、またもや顔を見合わせてしまいました。そう、多分、青山奏の話題が出て、こっちをチラッと見て、オーガストさんが青山奏に似てるんじゃないか、そんな話をしてるな。。。そうだろうなぁ。。と、なんとなくあちらの空気がうっすら伝わる様に読めました。
すると、ヴィーナスは、
「だからね、私が以前オーガストさんに言ったのよ。。。はじめてオーガストさんの運転するハイヤーに乗って、え、運転手さん、あなた青山奏さんに似てませんかもしかして、身内の方お父さんか、なんかって。。そしたら後から隣の笑〜さんに怒られて。。。私は。。。知らなかったのよ。私は若いし。。青山奏さんの両親のエピソードを。。ただ有名人の青山奏さんの顔は知ってたから。。。青山奏氏は、シブいイケメンだし、成功者だし。。。世間話もあって、お褒めの言葉でそう言ったのよ。。でも、笑さんが、オーガストさんは確かに青山奏さんに似てるけど、お父さんのわけないじゃない。こんな紳士な方が、、って青山奏さんの生い立ちのエピソードを聞いたのよ。。。あー。そっか、そういう事か。。。身内の方だとか、お父さんみたいに言うのは失礼なんだってその時初めて知って。。。でも。。。単にシンプルに青山奏氏に似てますねー、は、だいたいの男性なら嬉しいはずよ。」
「ですねーあっちの方、パーフェクトサーズディのそっくりさんのコーナーにスカウトしませんか確かに、青山奏氏と親子ほど年齢的に離れてはいるけど、似てません会長、」プロデューサーが笑〜に言い始める。。。
さて。。。こちらは。。。うってかわり、東京都内。。。
あれは。。。あれは。。絶対に吾朗太だわ。。。
先日、掃除の仕事の住み込みで仕事が終わりチラッと部屋に戻って。。疲れて見るともなくTVをつければ。。。
パーフェクトサーズディ。。ああ、あの人気番組ね。。。
プルメリア島で発見された若いハリネズミの男性の白骨死体。。。
エミコ・デラックスという
霊能者という化け物並みに声が美しいラベンダー色のモンスターが、クリエイターにあれこれ指図して、グラフィックのモンタージュができあがる。。。
あっ
なんですって。。。あれは。。アレは。。あれは。。。
あれは吾朗太。。。
あの人。。。死んでたのね。。。どうりで私を追いかけて来ないはずだった。。。だけど。。。死んでた。。。って。。
あの人、逮捕されて出てきて。。。暫くして亡くなったの。。。長生きするようなタイプじゃないとは思うけど。。。
霊能者の言う事なんか、とそれまではそんなものは一切信じなかったのに。。
でも。。なぜかあの霊能者番組は、ホンモノだ、と確信する。。
そして。。。この世にはもう、あの人もいない事も。。。
でも。。。殴られたり蹴られたりお金を取られたり。。。勿論他に女はたくさんいたけど。。。
どうして涙が出てくるの私は他に男を作ってあの人の服役中に逃げたというのに。。。。
もう、私には失う物は何も無いわ。。。
新しい旦那も無くして。。。息子も交通事故で無くして。。それ以前に娘を捨ててしまったのよ。
現実に向き合う事が出来なくて娘を捨てて。。。
後悔してもしきれないし、償っても償い切れない。。。私なんか、子どもを持つ資格が無かったのよ。。
後悔も償いも今となっては。。。
ごめんね。。。純。。。
緋夏は、机に突っ伏して。。。
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