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2018年06月13日

【ブルーレイ映画ソフトレビュー】パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド / Pirates of the Caribbean: At World's End

記事一覧TOP > 映画ブルーレイリスト > 【ブルーレイ映画ソフトレビュー】パイレーツ・オブ・カリビアン ワールド・エンド / Pirates of the Caribbean: At World's End


本作は、シリーズ3作目です。
レビューは、ブルーレイ期間限定廉価販売のものです。
この期間限定版は、2017/08/31に生産終了になります。
その後は、MovieNEX版に統一されると思います。

2018年現在発売されているブルーレイも、クオリティは同じだと思います。
初回販売は、2007年ですが、恐らくこの当時としては、最高画質だったと思います。
2018年現在でも、高画質です。
音質はちょっとレンジ感や瞬発力が不足して、リニアPCMのマスターのカットによる弊害を感じます。
今ではブルーレイ音声は、DTS-HDMAやDolby TrueHDなどのロスレスが当たり前ですが、本作はリニアPCM5.1chのフォーマットです。
一応非圧縮音声とは言え、音数やレンジは多少カットされているのだと思います。



コピーライトマーク 2007 WALT DISNEY PICTURES/JERRY BRUCKHEIMER FILMS. All rights reserved.


ブルーレイ評価

映像94.jpg音質86.jpg





ソフト情報



■リリース:
 バージョン:ブルーレイ期間限定版
 発売:ウォルト・ディズニー・ジャパン
 時間:169 min
 レーティング:G(日本) / PG-13(米国)
 制作年:2007年
 発売日:2017年6月21日

■映像:
 コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
 解像度: 1080p
 アスペクト: 2.40:1(スコープサイズ)

■オーディオ:
 英語:リニアPCM 5.1ch 48kHz 24bit(非圧縮)
 英語:Dolby Digital 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)
 日本語:Dolby Digital 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)
 日本語:DTS 5.1ch 48kHz 24bit(ロッシー)
 その他

■字幕:
 日本語、英語、吹替用日本語、その他

■ディスク:
 Blu-ray Disc 1枚
 片面2層 (BD-50GB)

■リージョン:
 Region A

■平均ビットレート(おおよそ)
(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)
(MPEG-4 MVC上限:66Mbps)
:約24Mbps

■撮影カメラ:
 アリフレックス235、プリモレンズ
 アリフレックス435、プリモレンズ
 パナフレックス・ライトウェイト、プリモレンズ
 パナフレックス・プラチナム、プリモレンズ
 フォトソニック4ER、プリモレンズ

■映像マスタ:
 撮影マスタ・フォーマット:
 スーパー35mmフィルム
 Digital Intermediate(DI):2K
 
■映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
 テクニカラー社(フィルム)
 Company 3(DI)

■音響:
 DTS、Dolby Digital、Datasat、SDDS、Cinesound

■音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
 Dolby Laboratories(ポスト・プロダクション)
 Skywalker Sound(ポスト・プロダクション)
 20th Century Fox Studios(サウンド・ミックス)
 Buena Vista Sound Studios(サウンド編集)
 Goldcrest Post Production London(ADRレコーディング、ポストプロダクション)※アフレコ

■制作背景
・制作予算:約300億円 /100円換算
・世界興行収入:963億円 /100円換算
・撮影:アメリカ、バハマ、ドミニカ

■賞:
20の賞を受賞し、アカデミー賞2部門を含む46の賞にノミネートしています。



キャスト情報


■監督:
ゴア・ヴァービンスキー / Gore Verbinski

■出演者:
ジョニー・デップ / Johnny Depp
ジェフリー・ラッシュ / Geoffrey Rush
オーランド・ブルーム / Orlando Bloom




映像クオリティ・レビュー総評



【画質】

フィルムの高画質映像





ブルーレイ映像マスタ



映画マスターは、一般的なパナビジョンカメラで撮影されたフィルム映像です。
フィルムスキャンが良かったのか、かなりの高画質です。
2KのDIを使っていて、ブルーレイとしては最高画質の部類です。
フィルム粒状性はきめ細かく、フィルムグレインの粒子は気になり難いと思います。
時期的にブルーレイのマスターは、2KのDIから転送したHDテープで間違いないと思います。
しかしながらテープの悪い点はほぼ皆無です。
ビットレートがかなり低いにも関わらず、この画質ですので、本来はもっと良かったのだと思います。
残念ですが、それでも高画質です。



解像感


強靭なコントラストに引っ張られて、解像感も良く見えます。
一般的なパナフレックスレンズを使用しているので、被写界深度は深く、画面の隅までクッキリしています。
アップで撮影された人物描写などは、かなり克明に細部まで描写します。
精細感も良好で、スチル写真の動画のように1フレーム、ディテイルまでが克明です。
4Kデジタル撮影のような既視感のある解像感までは及びませんが、十分に解像している映像は良質です。
フィルムにありがちな太いタッチの輪郭などもなく、精密さを感じる解像感です。


ノイズ感


フィルムグレインは、粒状性と粒子がかなり細かく、大画面で視聴しなければ気になることはないと思います。
デジタルノイズもほぼありません。
中間階調にありがちな色ノイズやかぶりもありません。
まるでキレイなデジタル撮影の映像を見ているようです。


鮮度感


グレーディングによって色調が補正されているため、映画的な見え方をしますが、既視感を伴う鮮度です。
これは恐らく映像に艶があるためだと思います。
また、HDテープのマスターで出てしまいがちな、ハイライトの白飛びはぎりぎり抑えていて単調な階調になっていないためだと思います。
そういう意味で、輝度レンジはどこまでも伸びるタイプではありませんが、上品な仕上がりです。


階調性・コントラスト


明るいシーンと暗いシーンの両極端のシーンが多いのですが、どのシーンでも色を付けた配光とグレーディングなどによって、輪郭やグラデーションは明確で見難いシーンはありません。
自然なコントラストではありますが、階調性が良いため、クッキリして見えます。
中間階調から暗部階調の自然さと、黒の階調も良いため、大画面でも被写体のかなり細かい質感を感じることが出来ます。
後半の海岸線でのシーンでは、強い日差しの影響もあると思いますが、暗部が少々浮き気味です。
もう少しコントラストが欲しいと感じながら視聴していました。


カラー


グレーディングによって、オフホワイト基調の明るいシーンと、青緑の暗いシーンに仕上げています。
青緑の青色の鮮度が良く、透明感を伴います。
緑色も黄色やエメラルドグリーンなどの色を伴い、透明感が良いです。
ここで曇っている感じがあったりすると、くすんでしまうのが多いのですが、本作は透明です。

テクニカラー社の色は今一つなことがほとんですが、本作は人物の肌色や白と黒のピークがしっかりしていて、色滲みやかぶりのない大変良好な色です。
濃密さはないのですが、正確な色表現で、完璧に思えてしまうほどの正確性があります。
※グレーディングによる色調補正の前提ですが・・・。


音声クオリティ・レビュー総評



【音質】

ブルーレイ初期のマイルドなリニアPCM音声






ブルーレイ音声マスター


映画マスターは、普通に制作された音響です。
ブルーレイの音声は、リニアPCM5.1ch(非圧縮)とDolby Digital5.1ch(ロッシー)の仕様です。
ディズニーの初期ブルーレイの標準仕様ですね。
他の作品も同様ですが、「パール・ハーバー」「エアフォース・ワン」「ザ・ロック」など初期のリニアPCM音声のクオリティはDVD時代とあまり変わらない印象です。
何というか、ロスレス音声と違い、情報量が少なく、音の1音1音が立っている感じがあまりしません。
決して悪い音ではないのですが・・・。
高音質のDVDの音、という感想は共通です。
なおロスレス音声の収録は、まだ何年も先になります。
2011年発売の本作の続編、「パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉」では、ロスレス音声で7.1chです。

シリーズ1作目の音声が良かっただけに、この3作目の音はちょっと甘い感じです。
それでも平均以上のクオリティはあるのですが、要所での強烈な音声は望めません。
劇場で視聴した記憶とはちょっと違って、物足りない印象です。
要所での銃声や砲弾の音などが、ねている感じです。
本編が長いことと、音声言語が多いことや、おまけを入れたりと、1枚のディスクに詰め込み過ぎの弊害かと思います。
リニアPCM5.1chは、管理人の環境ではピッタリで、AVアンプとプレイヤーをアナログマルチ7.1chで接続して視聴しています。


ダイナミックレンジ(音域バランス)


ダイナミックレンジは並のブルーレイよりはありますが、伸びが足りず、要所ではこもっている感じすらあります。
情報量が欠損している感じに似ています。


瞬発力・量感(キレと強さ)


瞬発力も量感ともにあるはずのデザインです。
ソフトとしては、量感が強めのバランスです。
このシーンではキレキレの音がしてほしいと感じることが多い印象です。
主にハイ部分をカットしているような印象があります。
包囲感を含め、量感で部屋を満たす音声です。
低域はそこそこ深く沈みます。


情報量(台詞、SE音、音楽)


台詞:
台詞はシリーズ共通で明瞭です。
克明さもあり、芝居部分の音とはちょっと傾向が違っています。
シーンによってマイクが違うのか、録音が違うのかわかりませんが、台詞の表現にムラがあります。
同録調であまい表現のシーンもそこそこあります。

SE音:
ここもシリーズ共通で、特殊効果シーンでのSEはよく作り込んでいます。
芝居部分の音も克明さをもって表現しますので、きっちり作っているのだと思います。
船のきしむ音や波打ち音など、細かい要素もちゃんと表現をします。

音楽:
サントラはシリーズ共通でよく鳴り響きますが、芝居の邪魔をしない使い方で良好です。
高品質の代名詞のようなTodd-AO Studiosで収録されたサントラは、雄大で奥行を伴い、且つ克明に鳴ります。
サラウンドにも回り込んでいる作りです。


サウンドデザイン(音像感と音場感含む)


シリーズ共通で、細かい部分まで行き届いた作り込みをしています。
またチャンネル配置も良く、足音の移動から特殊効果の移動まで、立体感のあるサウンドデザインです。
本来は、粒立ちが良かったのだと思いますが、ブルーレイでは少々音がねているのが残念です。


サラウンド(移動感含む)


サラウンドの情報量は、元々5.1chであるため、普通です。
ただ、サラウンドを活用した配置も要所で多く、その包囲感はなかなか良いです。
サラウンドが活躍するようなシーンが多くはありませんので、基本的にはサントラなどで包囲します。
酒場や洞窟のようなシーンでは、暗騒音や環境音が意外と細かく鳴っています。
音量は小さめなので、さらっとしている印象です。



クオリティ・レビュー詳細



★総合クオリティ     :90点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


★映像クオリティ     :94点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 解像感        :94点
 ノイズ感       :95点
 鮮度感        :93点
 階調性・コントラスト :90点
 カラー        :94点




★音声クオリティ     :86点

(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)


 ダイナミックレンジ  :83点
 (音域バランス)
 瞬発力・量感     :83点
 (キレと強さ)
 情報量        :90点
 (台詞、SE音、音楽)
 サウンドデザイン   :88点
 (オリジナルとメディア化)
 サラウンド      :87点
 (移動感含む)




レビュー基準についてはこちらInternal_Link_15px.png
クオリティレビューは、あくまで管理人が感じたことや調べた範囲の事柄であり、記載していることが全て正しい情報とは限りません。
ご容赦下さい。


商品ソフト紹介


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オーディオとホームシアターが三度の飯より好きなアラフィフ管理人です。どちらかと言えばホームシアターのほうがオーディオより好きです。映画ソフトはかなりたくさん観てきましたので、機器だけではなくソフトのクオリティ・レビューも気ままにしていきたいと考えてます。機材検討やソフト購入検討のお役に立てれば幸いです。
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