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2018年01月17日
【ブルーレイ映画ソフトレビュー】エンド・オブ・キングダム / London Has Fallen(動画付)
記事一覧TOP > 映画ブルーレイリスト > 【ブルーレイ映画ソフトレビュー】エンド・オブ・キングダム / London Has Fallen(動画付)
2015 LHF Productions, Inc. All Rights Reserved.
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
【管理人注:2018年1月修正:エンド・オブ・ホワイトハウスとレビューがごちゃごちゃになっていましたので大幅に修正しました】
■リリース:
発売:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
時間:99 min
レーティング:PG-12(日本) / PG-12(米国)
制作年:2015年
発売日:2016年9月21日
■映像:
コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
解像度: 1080p
アスペクト: 2.35:1(スコープサイズ)
■オーディオ:
英語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz
日本語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz
■字幕:
日本語、日本語吹替用字幕
■ディスク:
Blu-ray Disc
片面2層 (1 BD-50GB)
■リージョン:
Region ALL
■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)(MPEG-4 MVC上限:66Mbps):
35Mbps
■平均ビットレート(おおよそ):
26Mbps
■撮影カメラ:
Red Epic Dragon
■映画映像マスタ:
素材:Redcode RAW (5K) (6K)
上映マスタ:Digital Intermediate (2K)
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
Digital Post Services(DCP production)
■映画音響:
Dolby Digital
■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
Buzzy's Recording(ポスト・プロダクション)
■制作背景
・制作予算:約60億円 /100円換算
・世界興行収入:205億円 /100円換算
・撮影:ブルガリア、インド、イギリス
■賞:
2つの賞にノミネート、1つの賞を受賞しています。
■監督:
ババク・ナジャフィ / Babak Najafi
■出演者:
ジェラルド・バトラー / Gerard Butler
アーロン・エッカート / Aaron Eckhart
モーガン・フリーマン / Morgan Freeman
【画質】
Red Epic Dragonで撮影された5Kと6KのRedcode RAWが撮影マスタです。
2018年現在、この解像度は優秀です。
ただし2KのDIを制作するプロセスで、ちょっとうまくなかったのでしょう。
解像度はそこそこ残していますが、階調深度と色情報が結構カットされています。
そのためコントラストが若干、甘めです。
それ以外は、最高品位です。
恐らくですが、本作の制作予算は、著名な俳優を多く使ったアクション映画にしては、あまり多くはありません。
制作もメジャースタジオではありません。
そのためだと思いますが、予算が足りないことや、施設や設備をちゃんとしたところで使えなかったためかと思います。
メジャースタジオ制作ですと、低予算でもある程度の契約している環境(または自社設備)で編集をすることになるからです。
これは米国ユニバーサル版の画質評価が良くないことからも、マスタDIの出来が良くなかったと推測可能です。
撮影マスタは、5Kと6KのRedcode RAWで、どう転んでも高画質になるからです。
インディペンデント系の制作で、大作風の制作をすれば、おのずと予算のしわ寄せがあるということですね。
そういうわけで、日本版はワーナー・ブラザースから発売されていますが、ワーナー・ブラザースの画とは特徴が違っています。
【高精細な画で、現代的なクオリティ】
米国版は、ユニバーサルから発売されていて、ブルーレイのスペックが違います。
日本版は、ワーナー・ブラザースからの発売です。
いくつか違いがあります。
日本版のアスペク比は2.35:1(スコープサイズ)のようですが、米国版は2.40:1です。
日本版のアスペクト比がこれであっているか、ちょっと良く分かりませんでした。
観ている時は、この微妙な差があるかもしれないと調べていませんでしたので・・・。
機会があれば、2.35:1の映画と比べてみますね。
【※管理人注:2018年1月:確認しました。日本版は、2.35:1であっています。米国版が2.40:1かどうかのほうが怪しいかもしれません。】
アスペクト比が元より大きくなる(左右を少しカット)と、どうしても解像度などの画質に影響があります。
マスターのDIからアスペクト比を直接変える編集でしたら、画質への影響は少ないのですが、こういうダウンスペックの場合は、マスターから編集しているとは思えません。
わざわざそうする必要がないからです。
音声も違っています。
日本版は、英語、日本語ともにDTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHzですが、米国版は、DTS-X Master AudioとDTS-HD Master Audio 7.1chです。
こういうふうに発売元が違うと、スペックが変わるのは、昔から困りますね。
特にダウンスペックになる場合は特にです。
最近(2018年現在)の映画ソフトでこれと似ているのは、「ジョン・ウィック」ですね。
ただし、こちらは、発売元のポニー・キャニオンが頑張っていて、4k Ultra-HD Blu-rayを発売しますので、米国と同じになりますね。
ただ、今回はワーナー・ブラザースが悪いということはありません。
他社制作のマスタが良くなかったことと、ワーナー・ブラザースの自社制作ではないので、もらったマスタデータが、元々そういうものだのだと思います。
日本側でそういう加工をわざわざする必要はないからです。
6KとかのRedcode RAWが届いてしまったりしたら、それは日本側に編集機材がないかもしれませんので、変なダウンコンバートなどをしてしまう可能性はありますが、そんなDIを作っているところは2018年現在は、ほぼないと思います。
本作は、5Kと6Kで撮影されたRedcode RAWのマスターから2KDIマスタ編集をした映像です。
その関係もあり、解像度はなかなか精細です。
2018年1月現在でも、かなり精細な部類だと思います。
一方で、2Kマスタ化する際の問題なのか、全体的な印象は、コントラストや階調が少しだけ薄く感じますが、現代的なきれいな画です。
階調性は自然です。
似た画調は、「009 スペクター」もそうです。
解像度はかなりあり精細な画なのですが、薄いのです。
暗部が沈まないことも要因です。
また明るさや色濃度も不足しています。
暗いシーンが黒浮きしているかと言いますと、そうではなく、輝度が不足して単に暗い感じです。
夜中に起き出して暗い廊下を歩いているような、そんな目が暗さに慣れていないような見え方です。
ガンマ調整がずれているわけでもなく、そういう調整ではどうにもならないとにかく薄い映像です。
ただし、観れないほどひどくはなく、とにかく全編、薄さが気になるという話です。
観ていると、なんだか黒浮きがひどくなり破たんしそうな感じで落ち着かないです。
解像度は精細です。
被写界深度の浅い明るいレンズを多用している関係で、フォーカスポイント以外はボケているのですが、それは表現の問題なので・・・。
例えば、バストショットでフォーカスが手前の片目だったとすると、奥の片目はボケています。
これは解像感とは別の話になります。
写真好きの方なら、意味はわかると思います。
とにかくかなり精細です。
ブルーレイとしては、最上位です。
最新のRed Epic Dragonでデジタル撮影された映像には、デジタル要素のノイズはほぼありません。
暗部もノイズはありません。
精細な解像感によって、鮮度感はあります。
空気感や透明感十分です。
ハイライトはある意味、普通です。
粘るわけでも、飛んでいるわけでもないのですが、輝度が抑えめのため、伸びている印象はありません。
階調そのものは自然です。
急に沈んだり、擬似色ノイズがまとわりつくことはありません。
色はDVDのように色数が足りないわけではないのですが、発色が悪く、薄い色で、濃度を半分くらいにした感じです。
これは元々、カラーコレクション(カラーグレーディング)で色調を補正していることも影響しています。
大よそ、イギリスの色温度は高くどんよりしているものですが、そこに補正が入り、ライトグレー調のトーンにしています。
そのため、色がそもそも薄く感じやすいわけです。
【音質】
本作は元々のオリジナルフォーマットが、Dolby Digitalです。
そういう意味で、低予算の本作は、ちょっと音には不利な感じです。
映像と同じで、ワーナー・ブラザースは、米国ユニバーサル版と違う音声データをもらったものと思います。
ただし、映像と違い、ユニバーサルが、米国版として新たにDTS-HD Master Audio 5.1chからDTS-X Master AudioとDTS-HD Master Audio 7.1chに独自オーサリングをした可能性はあります。
日本版は日本語吹き替え版の元ネタとなるデータ(英語台詞がない音声データ)は、5.1ch分しかなかった可能性が高いですね。
ワーナー・ブラザースは、DTS-HD Master Audio 7.1chのソフトリリースもありますから、わざわざ再オーサリングによる5.1chダウンコンバートをして費用と手間をかける必要はないわけです。
とにかく自社制作(本社系列)でない映画のデータは、ちょっと良くないものが日本に届く傾向があるようですね。
ちなみに、今回のマスタデータとは話が違いますが、なぜクオリティを落としたソフト用マスタがわざわざ制作されているのかというと、先進主要国では問題ありませんが、そうではない国々では設備や機材が整っていなくて、自国吹き替えや字幕などの編集が出来ないこともよくあります。
通常は制作時にある程度の吹き替えや字幕は作ってしまうケースがありますが、それはお金とノウハウのあるメジャースタジオのケースですね。
インディペンデント制作では、そんな余裕はありませんので、各国向けにダウングレードしたマスタを各種用意するのだと思います。
そして、その際、お金を掛けずに作業するので、クオリティがかなり下がるわけですね。
昔は、上映用のフィルム(それも封切後のもので使用済)を送りつける版元も普通にあったと聞いています。
・・・管理人も一度、どこかの国(忘れました)の字幕が焼き付いていたフィルムがマスタとなったビデオを見たことがあります。
また話が脱線しましたが、そもそもサウンド制作にはメジャーなところは使っていないこともあり、あとちょっと、という惜しい部分があります。
それはしょうがないですね。
まあ、
音声は映像と違い、6Kみたいな上位音声フォーマット(正確には非圧縮のデータなどはありますが・・・)はありませんので、映像のようなダウンコンバートがありません。
強いて言いますと、DTSなどのフォーマットへの圧縮などをするオーサリング工程があります。
しかし、音声はそれで終わりです。
配布用などに、それを加工することはほぼありません。
DolbyやDTSのエンコーダーを通すだけ(単純化して表現しています)ですので、カットオフ周波数などを、独自に編集したりする必要はないわけです。
放送や配信などの制限がある場合は、色々編集が必要ですが・・・。
今はブルーレイはロスレス圧縮が主流なので、音声マスタの出来がそのままソフトに反映されているわけですね。
まあ、今回のソフトは、Skywalker SoundやSONYのサウンドステージで制作されたのであれば最高でしたが、非常によくできた現代的な粒々な解像感と情報量で迫ってきます。
台詞も良くエッジが立って、ものすごく良く描写します。
【バランスの取れた現代的マルチチャンネルサウンド】
基本的に、インディペンデント制作にしては、細かく音作りをしています。
DTS-HD Master Audio 5.1chの日本語収録も高評価です。
そつなく作り込まれた音声は、音の密度感もあり、優等生な作りです。
ただ、どこがそうなのか、ちょっとわからないのですが、物足りない感じが付きまといます。
切れ味抜群、重低音満載、台詞が精細、銃声がガンガン、爆破が大迫力です。
実際、どれもちゃんとしていて、しょぼいわけではないのですが・・・。
全体的にレンジ感なのか、先鋭感なのか、瞬発力なのかよく分かりませんが、不足して感じます。
もう一歩何かが足りないのが惜しいです。
これといって、特定の何かが悪い部分がないためです。
なんとなくですが、映像と同じで、この感想と似ているのは、やはり「009 スペクター」と「インポッシブル」ですね。
これらのソフトから重低音を抜いて、中高域を伸ばした感じです。
ダイナミックレンジは、ちょっと足りない感じです。
音の輪郭や深さが非常によく、1音1音の粒立ちがひしひしと感じます。
爆破シーンや橋が崩落するシーンなども、ビックリするような音が出てきます。
ちゃんとしたサウンドメイクなので、どこかの帯域が不足したり、銃声がしょぼかったりはしません。
銃声は、空砲の音ではなく、ちゃんと加工してありスピード感もあります。
ガンマニアは集合!というサウンドです。
硬くて鋭い銃声が聴けます。
マルチチャンネルを移動する音の軌道も描いていますし、スカスカな音でもありません。
ただ、切れ味や瞬発力に優れている印象はあまりありません。
ダイナミックレンジ不足の影響かもしれません。
台詞:
台詞は普通で中庸です。
特に印象はありません。
滑舌よく聴こえたりするような印象がありません。
台詞は優秀で、ほぼブルーレイの最上位の高品位音質です。
かなり細かい情報量をもって、表現します。
センターチャンネルが気持ちよく鳴ります。
SE音:
SE音は大作映画なみにちゃんと作り込んでいます。
画面外の音もサラウンドを含め、楽しい作りです。
マルチチャンネル環境であれば、十分、楽しいアクション映画のサウンドメイクです。
切れ味も抜群で、ギラギラとズシンズシンと響く最高の音です。
自信はありませんが、もしかするとオリジナルの情報量が少ないのかもしれません。
特定のSEが強く鳴ったりするソフトは結構多いので、判りやすいのですが、このソフトはそういう音作りではありません。
万遍なく、ここぞ、という場面で鳴らすような使い方をしていないので、印象が薄いのです。
低予算の為、収録SE音は少なく、それで音全体の印象があと一歩に感じるのかもしれませんね。
音楽:
サントラは芝居部分を邪魔することなく、鳴ります。
逆に印象に残っていないです。
台詞に似た印象ですね。
良くも悪くもない感じです。
マルチチャンネルを包囲するように、SE音のように重低音で迫ってきます。
ものすごい音で空間も部屋を超えて音場を創出します。
音楽というより、効果音というのに近いと思います。
各チャンネルの配置がしっかりして、マルチチャンネルを楽しめます。
優等生的なオールラウンドな作りです。
アクション映画らしく音像感が強めの音です。
一部のシーンに限り鳴る低域の音がふくらみ気味でブーミーさを感じますが、迫力があります。
元々が7.1chのサウンドメイクなので、サラウンドの情報量は多いです。
濃密で、音場も広く、フロントの邪魔をしません。
サントラが中心になるシーンと、芝居部分で環境音で包囲するシーンに大きく分かれますが、そういう使い分けをしているサラウンドも珍しいです。
よく作り込まれています。
またサラウンドチャンネルの繋がりや、移動感もあり、部屋が包囲されます。
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
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【オンライン】
2013 Olympus Productions, Inc. All Rights Reserved.
2014 Poquito Productions,L.L.C, ALL RIGHTS RESERVED.
TM & 2013 Twentieth Century Fox Film Corporation and TSG Entertainment Pictures LLC. All Rights Reserved.
2007 Twentieth Century Fox Film Corporation and Dune Entertainment LLC. All rights reserved.
2007 Twentieth Century Fox Film Corporation and Dune Entertainment LLC. All rights reserved.
2009 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All rights reserved.
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2007 Twentieth Century Fox Film Corporation and Dune Entertainment LLC. All rights reserved.
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2013 GEORGIA FILM FUND SEVENTEEN HOLDINGS. L.L.C.
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2009 Columbia Pictures Industries, Inc. and Beverly Blvd LLC. All Rights Reserved.
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ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
【管理人注:2018年1月修正:エンド・オブ・ホワイトハウスとレビューがごちゃごちゃになっていましたので大幅に修正しました】
公式予告編
ブルーレイ&DVD『エンド・オブ・キングダム』9月21日リリース
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ワーナー ブラザース 公式チャンネル
ソフト情報
■リリース:
発売:ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
時間:99 min
レーティング:PG-12(日本) / PG-12(米国)
制作年:2015年
発売日:2016年9月21日
■映像:
コーデック: MPEG-4 AVC 23.976Hz
解像度: 1080p
アスペクト: 2.35:1(スコープサイズ)
■オーディオ:
英語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz
日本語:DTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHz
■字幕:
日本語、日本語吹替用字幕
■ディスク:
Blu-ray Disc
片面2層 (1 BD-50GB)
■リージョン:
Region ALL
■最大ビットレート(おおよそ)(MPEG-4 H.264上限:54Mbps)(MPEG-4 MVC上限:66Mbps):
35Mbps
■平均ビットレート(おおよそ):
26Mbps
■撮影カメラ:
Red Epic Dragon
■映画映像マスタ:
素材:Redcode RAW (5K) (6K)
上映マスタ:Digital Intermediate (2K)
■映画映像マスタリング(DI(Digital Intermediate)、マスタリング):
Digital Post Services(DCP production)
■映画音響:
Dolby Digital
■映画音響スタジオ(Sound Mix / Re-recording)(サウンドトラック除く):
Buzzy's Recording(ポスト・プロダクション)
■制作背景
・制作予算:約60億円 /100円換算
・世界興行収入:205億円 /100円換算
・撮影:ブルガリア、インド、イギリス
■賞:
2つの賞にノミネート、1つの賞を受賞しています。
キャスト情報
■監督:
ババク・ナジャフィ / Babak Najafi
■出演者:
ジェラルド・バトラー / Gerard Butler
アーロン・エッカート / Aaron Eckhart
モーガン・フリーマン / Morgan Freeman
公式予告編
エンド・オブ・キングダム(字幕版) - Trailer
Warner Bros Japan
Warner Bros Japan
映像クオリティ・レビュー総評
【画質】
現代的高精細・高画質
ブルーレイ映像マスタ
Red Epic Dragonで撮影された5Kと6KのRedcode RAWが撮影マスタです。
2018年現在、この解像度は優秀です。
ただし2KのDIを制作するプロセスで、ちょっとうまくなかったのでしょう。
解像度はそこそこ残していますが、階調深度と色情報が結構カットされています。
そのためコントラストが若干、甘めです。
それ以外は、最高品位です。
恐らくですが、本作の制作予算は、著名な俳優を多く使ったアクション映画にしては、あまり多くはありません。
制作もメジャースタジオではありません。
そのためだと思いますが、予算が足りないことや、施設や設備をちゃんとしたところで使えなかったためかと思います。
メジャースタジオ制作ですと、低予算でもある程度の契約している環境(または自社設備)で編集をすることになるからです。
これは米国ユニバーサル版の画質評価が良くないことからも、マスタDIの出来が良くなかったと推測可能です。
撮影マスタは、5Kと6KのRedcode RAWで、どう転んでも高画質になるからです。
インディペンデント系の制作で、大作風の制作をすれば、おのずと予算のしわ寄せがあるということですね。
そういうわけで、日本版はワーナー・ブラザースから発売されていますが、ワーナー・ブラザースの画とは特徴が違っています。
映像総評
【高精細な画で、現代的なクオリティ】
米国版は、ユニバーサルから発売されていて、ブルーレイのスペックが違います。
日本版は、ワーナー・ブラザースからの発売です。
いくつか違いがあります。
日本版のアスペク比は2.35:1(スコープサイズ)のようですが、米国版は2.40:1です。
日本版のアスペクト比がこれであっているか、ちょっと良く分かりませんでした。
観ている時は、この微妙な差があるかもしれないと調べていませんでしたので・・・。
機会があれば、2.35:1の映画と比べてみますね。
【※管理人注:2018年1月:確認しました。日本版は、2.35:1であっています。米国版が2.40:1かどうかのほうが怪しいかもしれません。】
アスペクト比が元より大きくなる(左右を少しカット)と、どうしても解像度などの画質に影響があります。
マスターのDIからアスペクト比を直接変える編集でしたら、画質への影響は少ないのですが、こういうダウンスペックの場合は、マスターから編集しているとは思えません。
わざわざそうする必要がないからです。
音声も違っています。
日本版は、英語、日本語ともにDTS-HD Master Audio 5.1ch 48kHzですが、米国版は、DTS-X Master AudioとDTS-HD Master Audio 7.1chです。
こういうふうに発売元が違うと、スペックが変わるのは、昔から困りますね。
特にダウンスペックになる場合は特にです。
最近(2018年現在)の映画ソフトでこれと似ているのは、「ジョン・ウィック」ですね。
ただし、こちらは、発売元のポニー・キャニオンが頑張っていて、4k Ultra-HD Blu-rayを発売しますので、米国と同じになりますね。
ただ、今回はワーナー・ブラザースが悪いということはありません。
他社制作のマスタが良くなかったことと、ワーナー・ブラザースの自社制作ではないので、もらったマスタデータが、元々そういうものだのだと思います。
日本側でそういう加工をわざわざする必要はないからです。
6KとかのRedcode RAWが届いてしまったりしたら、それは日本側に編集機材がないかもしれませんので、変なダウンコンバートなどをしてしまう可能性はありますが、そんなDIを作っているところは2018年現在は、ほぼないと思います。
本作は、5Kと6Kで撮影されたRedcode RAWのマスターから2KDIマスタ編集をした映像です。
その関係もあり、解像度はなかなか精細です。
2018年1月現在でも、かなり精細な部類だと思います。
一方で、2Kマスタ化する際の問題なのか、全体的な印象は、コントラストや階調が少しだけ薄く感じますが、現代的なきれいな画です。
階調性は自然です。
解像度はかなりあり精細な画なのですが、薄いのです。
暗部が沈まないことも要因です。
また明るさや色濃度も不足しています。
暗いシーンが黒浮きしているかと言いますと、そうではなく、輝度が不足して単に暗い感じです。
夜中に起き出して暗い廊下を歩いているような、そんな目が暗さに慣れていないような見え方です。
ただし、観れないほどひどくはなく、とにかく全編、薄さが気になるという話です。
観ていると、なんだか黒浮きがひどくなり破たんしそうな感じで落ち着かないです。
解像感
解像度は精細です。
被写界深度の浅い明るいレンズを多用している関係で、フォーカスポイント以外はボケているのですが、それは表現の問題なので・・・。
例えば、バストショットでフォーカスが手前の片目だったとすると、奥の片目はボケています。
これは解像感とは別の話になります。
写真好きの方なら、意味はわかると思います。
とにかくかなり精細です。
ブルーレイとしては、最上位です。
ノイズ感
最新のRed Epic Dragonでデジタル撮影された映像には、デジタル要素のノイズはほぼありません。
暗部もノイズはありません。
鮮度感
精細な解像感によって、鮮度感はあります。
空気感や透明感十分です。
階調性・コントラスト
粘るわけでも、飛んでいるわけでもないのですが、輝度が抑えめのため、伸びている印象はありません。
階調そのものは自然です。
急に沈んだり、擬似色ノイズがまとわりつくことはありません。
カラー
色はDVDのように色数が足りないわけではないのですが、発色が悪く、薄い色で、濃度を半分くらいにした感じです。
これは元々、カラーコレクション(カラーグレーディング)で色調を補正していることも影響しています。
大よそ、イギリスの色温度は高くどんよりしているものですが、そこに補正が入り、ライトグレー調のトーンにしています。
そのため、色がそもそも薄く感じやすいわけです。
公式予告編
映画『エンド・オブ・キングダム』:ジェラルド・バトラーインタビュー動画
moviecollectionjp
moviecollectionjp
音声クオリティ・レビュー総評
【音質】
アクション映画らしい音響クオリティ
ブルーレイ音響マスタ
本作は元々のオリジナルフォーマットが、Dolby Digitalです。
そういう意味で、低予算の本作は、ちょっと音には不利な感じです。
映像と同じで、ワーナー・ブラザースは、米国ユニバーサル版と違う音声データをもらったものと思います。
ただし、映像と違い、ユニバーサルが、米国版として新たにDTS-HD Master Audio 5.1chからDTS-X Master AudioとDTS-HD Master Audio 7.1chに独自オーサリングをした可能性はあります。
日本版は日本語吹き替え版の元ネタとなるデータ(英語台詞がない音声データ)は、5.1ch分しかなかった可能性が高いですね。
ワーナー・ブラザースは、DTS-HD Master Audio 7.1chのソフトリリースもありますから、わざわざ再オーサリングによる5.1chダウンコンバートをして費用と手間をかける必要はないわけです。
とにかく自社制作(本社系列)でない映画のデータは、ちょっと良くないものが日本に届く傾向があるようですね。
ちなみに、今回のマスタデータとは話が違いますが、なぜクオリティを落としたソフト用マスタがわざわざ制作されているのかというと、先進主要国では問題ありませんが、そうではない国々では設備や機材が整っていなくて、自国吹き替えや字幕などの編集が出来ないこともよくあります。
通常は制作時にある程度の吹き替えや字幕は作ってしまうケースがありますが、それはお金とノウハウのあるメジャースタジオのケースですね。
インディペンデント制作では、そんな余裕はありませんので、各国向けにダウングレードしたマスタを各種用意するのだと思います。
そして、その際、お金を掛けずに作業するので、クオリティがかなり下がるわけですね。
昔は、上映用のフィルム(それも封切後のもので使用済)を送りつける版元も普通にあったと聞いています。
・・・管理人も一度、どこかの国(忘れました)の字幕が焼き付いていたフィルムがマスタとなったビデオを見たことがあります。
それはしょうがないですね。
まあ、
音声は映像と違い、6Kみたいな上位音声フォーマット(正確には非圧縮のデータなどはありますが・・・)はありませんので、映像のようなダウンコンバートがありません。
強いて言いますと、DTSなどのフォーマットへの圧縮などをするオーサリング工程があります。
しかし、音声はそれで終わりです。
配布用などに、それを加工することはほぼありません。
DolbyやDTSのエンコーダーを通すだけ(単純化して表現しています)ですので、カットオフ周波数などを、独自に編集したりする必要はないわけです。
放送や配信などの制限がある場合は、色々編集が必要ですが・・・。
今はブルーレイはロスレス圧縮が主流なので、音声マスタの出来がそのままソフトに反映されているわけですね。
まあ、今回のソフトは、Skywalker SoundやSONYのサウンドステージで制作されたのであれば最高でしたが、非常によくできた現代的な粒々な解像感と情報量で迫ってきます。
台詞も良くエッジが立って、ものすごく良く描写します。
音響総評
【バランスの取れた現代的マルチチャンネルサウンド】
基本的に、インディペンデント制作にしては、細かく音作りをしています。
DTS-HD Master Audio 5.1chの日本語収録も高評価です。
そつなく作り込まれた音声は、音の密度感もあり、優等生な作りです。
切れ味抜群、重低音満載、台詞が精細、銃声がガンガン、爆破が大迫力です。
全体的にレンジ感なのか、先鋭感なのか、瞬発力なのかよく分かりませんが、不足して感じます。
もう一歩何かが足りないのが惜しいです。
これといって、特定の何かが悪い部分がないためです。
これらのソフトから重低音を抜いて、中高域を伸ばした感じです。
ダイナミックレンジ(音域バランス)
ダイナミックレンジは、ちょっと足りない感じです。
音の輪郭や深さが非常によく、1音1音の粒立ちがひしひしと感じます。
爆破シーンや橋が崩落するシーンなども、ビックリするような音が出てきます。
瞬発力・量感(キレと強さ)
ちゃんとしたサウンドメイクなので、どこかの帯域が不足したり、銃声がしょぼかったりはしません。
銃声は、空砲の音ではなく、ちゃんと加工してありスピード感もあります。
ガンマニアは集合!というサウンドです。
硬くて鋭い銃声が聴けます。
マルチチャンネルを移動する音の軌道も描いていますし、スカスカな音でもありません。
ダイナミックレンジ不足の影響かもしれません。
情報量(台詞、SE音、音楽)
台詞:
特に印象はありません。
滑舌よく聴こえたりするような印象がありません。
台詞は優秀で、ほぼブルーレイの最上位の高品位音質です。
かなり細かい情報量をもって、表現します。
センターチャンネルが気持ちよく鳴ります。
SE音:
SE音は大作映画なみにちゃんと作り込んでいます。
画面外の音もサラウンドを含め、楽しい作りです。
マルチチャンネル環境であれば、十分、楽しいアクション映画のサウンドメイクです。
切れ味も抜群で、ギラギラとズシンズシンと響く最高の音です。
特定のSEが強く鳴ったりするソフトは結構多いので、判りやすいのですが、このソフトはそういう音作りではありません。
万遍なく、ここぞ、という場面で鳴らすような使い方をしていないので、印象が薄いのです。
低予算の為、収録SE音は少なく、それで音全体の印象があと一歩に感じるのかもしれませんね。
音楽:
サントラは芝居部分を邪魔することなく、鳴ります。
台詞に似た印象ですね。
良くも悪くもない感じです。
マルチチャンネルを包囲するように、SE音のように重低音で迫ってきます。
ものすごい音で空間も部屋を超えて音場を創出します。
音楽というより、効果音というのに近いと思います。
サウンドデザイン(音像感と音場感含む)
各チャンネルの配置がしっかりして、マルチチャンネルを楽しめます。
優等生的なオールラウンドな作りです。
アクション映画らしく音像感が強めの音です。
一部のシーンに限り鳴る低域の音がふくらみ気味でブーミーさを感じますが、迫力があります。
サラウンド(移動感含む)
元々が7.1chのサウンドメイクなので、サラウンドの情報量は多いです。
濃密で、音場も広く、フロントの邪魔をしません。
サントラが中心になるシーンと、芝居部分で環境音で包囲するシーンに大きく分かれますが、そういう使い分けをしているサラウンドも珍しいです。
よく作り込まれています。
またサラウンドチャンネルの繋がりや、移動感もあり、部屋が包囲されます。
クオリティ・レビュー詳細
★総合クオリティ :94点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
★映像クオリティ :93点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
解像感 :98点
ノイズ感 :96点
鮮度感 :96点
階調性 :86点
カラー :87点
★音声クオリティ :95点
(Blu-rayお勧めレベルは85点以上)
(1〜100点)
ダイナミックレンジ :90点
(音域バランス)
瞬発力・量感 :98点
(キレと強さ)
情報量 :96点
(台詞、SE音、音楽)
サウンドデザイン :95点
(オリジナルとメディア化)
サラウンド :95点
(移動感含む)
レビュー基準についてはこちら
商品ソフト紹介
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