2011年02月12日
<デッドライン仕事術> 吉越浩一郎
残業を社内からなくしたことで有名なトリンプの元社長の仕事術に関する一冊です。
ホワイトカラーの生産性をあげることをテーマに書かれており、マネジメントする立場から書かれています。
その一方で、ワークライフについても言及されており、個人レベルでも心に留めておいて有益なことも書かれています。
ホワイトカラーといっても営業職のようなお客さまなどの相手がいる職種の人々には難しいと思われますが、バックヤードの仕事に携わっている人ならば個人レベルでも業務改善に役立ちます。
印象に残ったポイントは以下の通りです。
デッドライン仕事術とは、就業時間も仕事も全て締め切りを設定するという仕事手法である
時間はいくらでもある。「本当に時間がない」人ならもっとテキパキと働く
残業すればいいと思っているから就業時間内に仕事が終わらない
たくさんの仕事をこなすためには「労働時間をふやす」よりも「効率を上げる」ことを考えるべき
「お尻の時間(終りの時間)」を決めて仕事をする
時間の制約をかけないためにダラダラと仕事をやったり、後回しにしてしまう
今の時代はビジネス環境の変化も激しいから、時間をかけているうちに環境が変化してしまい、
今の仕事を遂行している前提条件が変わってしまうことがありうる
仕事が早く片付くことはこういった無駄をなくすことにもつながるし、
早く結果を出した方が次のチャンスに備えることができる
日本では、ブルーカラーの製造現場では、生産性が目に見えるために作業の効率化が進んでいる。
しかし、ホワイトカラーの現場では生産性が見えないために改善がなされていない。そのために残業が多い状況になっている。
その状況を改善するためにデッドライン仕事術は有効である
ワイワイガヤガヤはコミュニケーションの少ない役員同士がやるものであり、従業員間では集中力を奪うだけ
ビジネスでは「正解」を見つけてから行動するのではなく、行動しながら考える
早い段階での失敗ならば、失敗の経験を踏まえたうえで次の手を打つことができる
拙速を恐れてはいけない
意思決定や行動のスピードが遅い企業は様子を見ているうちに脱落してしまう
仕事のスピードは判断のスピードである
決断をするための判断材料はすべて「現場」にある
経営者はできるだけ「現場」に近いところにいなければ判断スピードを速くすることはできない
撤退のルールを決めてチャレンジをする
朝令暮改は間違いではない。すぐに方向修正できることが経営者の条件である
本気でお金を貯めるなら「余ったお金を貯金する」のではなく、「貯金の余りで生活する」こと。
これと同様に、仕事も「余った時間でプライベートを過ごす」のではなく、「プライベート時間を確保して仕事を行なう」という考え方で残業しないことを心掛ける
抽象的な目的は単なる掛け声だけに終わりやすい。具体的な行動までに分解すること
すべての仕事は、「何を、誰が、いつまでに」を明確にする
一日分の仕事なら優先順位で悩む必要はない。自分の好みで好きなものからやれば良い
「仕事のアウトプット=能力×時間×効率」である
・ただし、時間が長くなるほど効率は下がる
・能力の差は効率を上げることで補うことができる
「会社のために」という目的の前では社長の意見も平社員の意見も平等である
「肩書」を外し、「さん」付けで呼ぶなどの工夫を考える
ワーク(仕事)には定年があるが、ライフ(生活)には定年はない
私生活を良いものにすることが最大の目的であり、仕事はそのための前提である
仕事の対極にあるものは「休み」ではなく、「遊び(楽しみ)」であるようにライフの充実を図らなければならない
育つ人は放っておいても育つ。一生懸命な社員教育は無駄である。
マニュアルなど形式的なものは教えることができるが、いわゆる暗黙知と呼ばれるものは教えることができない
仕事を盗めない人は伸びない
トップマネジメントでは暗黙知がうまく伝承されるような環境を整えていかなければならない
会社は「社内の協力体制」や「社員のモラル」が崩れたときに腐っていき、潰れる
トップマネジメントではそういった面にも配慮した判断が求められる
サラリーマンが経営者になりたいなら独立を目指すべき
雇われ社長では大胆な経営改革はできない
ブレインストーミングは時間の無駄である
・責任の所在があいまいになる
・クリエイティブな閃きが必要になる職場はほとんどない
・ホワイトカラーの仕事の大半は、ロジックの積み重ねによって処理できるものである
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