2020年05月19日
ワーカホリックの根底にある、自分への無価値感 〜週10時間睡眠・23時間労働だった父〜。
教育実習も未経験の僕が言うのは、おこがましいかも知れない。
それを承知の上で、
高校教諭の長男という立場から考えたいこと。
父はどうしてあんなにワーカホリックだったんだろう?
もしかしたら、
実は自分の無価値感に苦しむあまり、
それを埋めようとして仕事に没頭したんじゃないだろうか。
仕事で成果を出すという「行為のレベル」でしか、
自分の価値を認められなかったんじゃないだろうか。
ー目次ー
父がどれくらいワーカホリックだったかというと。
日中 :授業と部活
夜 :帰宅、晩酌など
深夜 :採点、授業の準備、数学の勉強
バスケのコーチング理論の勉強(〜朝7時)
朝7時半:起床、日中に戻る
睡眠時間、1日30分。
もちろん、365日ずっとじゃないけど、
週の半分は、明け方まで答案用紙に向かっていた。
父はすごい努力家で、熱心だった。
だから寝る間も惜しんで熱中したのかも知れない。
そして、外から見ていても教師の激務に背筋が震えた。
ずっと学校、こんなに持ち帰り仕事。
その分は無給、部活の顧問で土日も練習。
子どもながら、恐ろしかった。
ただ、それを差し引いても、ずっと疑問だった。
「睡眠時間を30分にまで削る?なぜそこまで?」
わけがわからず、病的とまで思っていた。
父は毎年、大学受験の結果を話す時は輝いていた。
「今年は俺のクラスから東大●人、医学部●人」
合格実績だけが目標じゃなさそうだったけど、
これは目に見える”仕事の成果”の1つ。
だけど”週10時間睡眠”にしてまで仕事を詰め込み、
成果を出そうとした理由は何?
それはきっと、
父は根本的に自分の無価値感に苦しんでいたから。
「寝る時間を削ってまで働いて、家族を養って、実績も出してる。
学校から認められてる自分には価値があるんだぞ!」
そうでもしないと、自分の無力感、無価値感に
押し潰されてしまいそうだったから。
どうして父は自分を無価値だと思うようになったのか。
睡眠時間すらも削り、仕事で埋めるほどに。
それは推測でしかないけど、
例えば、不本意に祖父の価値観を植え付けられた怒り。
→「祖父への怒りを叫ぶ父。」
例えば、祖父の描いたシナリオ通りの人生への後悔。
→「父の人生の正体は、”祖父が歩みたかった人生の再現ドラマ”。」
そして、例えば
長男から拒絶されていることへの悲しみ。
存在するだけでは認められなかった、
成果を出さなければ愛されなかった出自。
こじれるばかりで、うまくいかない親子関係。
心の隙間を埋めるため、ワーカホリックが加速。
そう考えたら、父の仕事漬けの生活に納得する自分がいた。
以前、どこかで聞いたことがある。
「夜更かしをするのは、その日に満足していないから」
父が明け方まで寝ずに仕事してたのは、
満たされない我慢の1日を埋めようと、もがいてたからかな。
それと、父の給料がいくらだったのか、僕は未だに知らない。
何度か母に聞くも「まぁ、そこそこ」と、ぼかされた。
かなりの数字なんだろう。
ただし、「23時間労働」という注釈を抜きにしたら。
きっと、父を立てることで生き延びてきた母が、
せめて父のプライドを守ろうとしたのかも知れない。
何が原因だったにせよ、
そんな犠牲の上に生き長らえてる僕は
いったいどう思えばいいんだろう。
つながれた命にどう向き合えばいいんだろう。
犠牲の上に生かされるのは、決して美談じゃない。
自分が生きてること自体への、激しい罪悪感もつきまとう。
いま僕にできるのは、この罪悪感を抱えたまま、
ワーカホリックだった父を理解すること。
それを承知の上で、
高校教諭の長男という立場から考えたいこと。
父はどうしてあんなにワーカホリックだったんだろう?
もしかしたら、
実は自分の無価値感に苦しむあまり、
それを埋めようとして仕事に没頭したんじゃないだろうか。
仕事で成果を出すという「行為のレベル」でしか、
自分の価値を認められなかったんじゃないだろうか。
ー目次ー
- 病的にも見えた、”1日30分睡眠”
- 父の根底にある、自分への無価値感
- 条件つきの愛情を、仕事で埋めようともがく
- 犠牲の上に生かされた、罪悪感を抱えて
1.病的にも見えた、”1日30分睡眠”
父がどれくらいワーカホリックだったかというと。
日中 :授業と部活
夜 :帰宅、晩酌など
深夜 :採点、授業の準備、数学の勉強
バスケのコーチング理論の勉強(〜朝7時)
朝7時半:起床、日中に戻る
睡眠時間、1日30分。
もちろん、365日ずっとじゃないけど、
週の半分は、明け方まで答案用紙に向かっていた。
父はすごい努力家で、熱心だった。
だから寝る間も惜しんで熱中したのかも知れない。
そして、外から見ていても教師の激務に背筋が震えた。
ずっと学校、こんなに持ち帰り仕事。
その分は無給、部活の顧問で土日も練習。
子どもながら、恐ろしかった。
ただ、それを差し引いても、ずっと疑問だった。
「睡眠時間を30分にまで削る?なぜそこまで?」
わけがわからず、病的とまで思っていた。
2.父の根底にある、自分への無価値感
父は毎年、大学受験の結果を話す時は輝いていた。
「今年は俺のクラスから東大●人、医学部●人」
合格実績だけが目標じゃなさそうだったけど、
これは目に見える”仕事の成果”の1つ。
だけど”週10時間睡眠”にしてまで仕事を詰め込み、
成果を出そうとした理由は何?
それはきっと、
父は根本的に自分の無価値感に苦しんでいたから。
「寝る時間を削ってまで働いて、家族を養って、実績も出してる。
学校から認められてる自分には価値があるんだぞ!」
そうでもしないと、自分の無力感、無価値感に
押し潰されてしまいそうだったから。
”ワーカホリックは人生の嘘”
<青年>
父親の「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」という
暴力にも似た声に、反論できないのです。
<哲人>
おそらく、そうした父親は「行為のレベル」でしか
自分の価値を認めることができていないのでしょう。
自分はこれだけの時間を働き、
家族を養うだけの金銭を稼いでいる、
社会からも認められている、
だから自分は家族でいちばん価値が高いのだ、と。
『嫌われる勇気―自己啓発の源流「アドラー」の教え』 より
3.条件つきの愛情を、仕事で埋めようともがく
どうして父は自分を無価値だと思うようになったのか。
睡眠時間すらも削り、仕事で埋めるほどに。
それは推測でしかないけど、
例えば、不本意に祖父の価値観を植え付けられた怒り。
→「祖父への怒りを叫ぶ父。」
例えば、祖父の描いたシナリオ通りの人生への後悔。
→「父の人生の正体は、”祖父が歩みたかった人生の再現ドラマ”。」
そして、例えば
長男から拒絶されていることへの悲しみ。
存在するだけでは認められなかった、
成果を出さなければ愛されなかった出自。
こじれるばかりで、うまくいかない親子関係。
心の隙間を埋めるため、ワーカホリックが加速。
そう考えたら、父の仕事漬けの生活に納得する自分がいた。
4.犠牲の上に生かされた、罪悪感を抱えて
以前、どこかで聞いたことがある。
「夜更かしをするのは、その日に満足していないから」
父が明け方まで寝ずに仕事してたのは、
満たされない我慢の1日を埋めようと、もがいてたからかな。
それと、父の給料がいくらだったのか、僕は未だに知らない。
何度か母に聞くも「まぁ、そこそこ」と、ぼかされた。
かなりの数字なんだろう。
ただし、「23時間労働」という注釈を抜きにしたら。
きっと、父を立てることで生き延びてきた母が、
せめて父のプライドを守ろうとしたのかも知れない。
何が原因だったにせよ、
そんな犠牲の上に生き長らえてる僕は
いったいどう思えばいいんだろう。
つながれた命にどう向き合えばいいんだろう。
犠牲の上に生かされるのは、決して美談じゃない。
自分が生きてること自体への、激しい罪悪感もつきまとう。
いま僕にできるのは、この罪悪感を抱えたまま、
ワーカホリックだった父を理解すること。
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