2019年10月17日
祖父への怒りを叫ぶ父。
僕の鬱病がひどかった時、
仕事に行きたくないと泣きながら転げ回っていた。
その姿を見るたびに父は逆上し、こう怒鳴り続けた。
「男とはすべてを我慢して家族のために働くものだ!」
「お前は甘ったれている、社会の厳しさを舐めている!」
これは、自分の思い通りにならない息子への
苛立ちだけが言わせてるんだろうか。
もしかしたら、
自分にそんな価値観を植え付けた祖父への
怒りのメッセージでもあるんじゃないだろうか。
ー目次ー
高等教育を受けられなかった祖父は、父と叔父の進学のために
漁師をしながら炭鉱労働や青函トンネルの工事に携わった。
→「祖父と、父の起源。」
家族のために自分を犠牲にする祖父が示したのは、
「こうあるべき父親像」だとしたら。
祖父の命とひきかえに与えられた進学が示したのは、
「勉強ありき」に限定された、人生の選択肢だとしたら。
祖父の背中を見た父はこう思ったかも知れない。
「お父さんはあんなに命がけで働いて僕たちを勉強させようとしている。
だから僕はたくさん勉強して、お父さんみたいに必死で働かないといけないんだ。」
そうやって、祖父の期待に応えて生きるうちに、
「たくさん勉強して命がけで働くのが理想の男であり父親だ。
だから俺の息子も当然その通りに生きるべきだ。」
という価値観が形成されたんじゃないだろうか。
現代ほど多様な選択肢があった時代ではないし、
期待に応えて勉強で成果を出した父はすごい。
だけど、そうやって祖父の期待をなぞるのが
本当は苦しいとしたら。
父の心の奥底には、こんな怒りが眠ってるのかも知れない。
「お父さんの期待に応えてたくさん勉強して、必死に働いてきたけど苦しい。
お父さんはどうして僕にこんな苦しい人生しか教えてくれなかったんだろう。」
「男とはすべてを我慢して家族のために働く」のは、
祖父に植えつけられた価値観で、本当は納得していない。
なのに、それが自分のアイデンティティになってしまったのが、
心の底では腹立たしいんじゃないだろうか。
だとしたら、
「男とはすべてを我慢して家族のために働くべき」
を翻訳すると、
「俺にこんな価値観を植え付けた祖父が腹立たしい」
という祖父への怒りじゃないだろうか。
すべてを我慢して家族のために働くのは、本当は苦しい。
苦しいけど捨てられない。捨てたら、
すべてを我慢して家族のために働くのが、
正しいと信じて生きてきた人生が否定されるから。
すべてを我慢して家族のために働くことを捨てた後、
自分に何も残らないかも知れないのが怖いから。
父が怒りを爆発させる一番の理由は、
甘ったれず、社会の厳しさを舐めず、
すべてを我慢して働かない息子への苛立ちじゃない。
自分に苦しい価値観を刷り込んだ祖父への怒り。
親父をなぞって生きる俺は苦しい
→だから息子のお前も苦しむべき
→なのにお前は苦しもうとしない、許せない
→どうして親父はこんな生き方を教えたんだ
本人も気づかない、心の奥底では
こんな怒りの流れが起きてるんじゃないかな。
そんな、怒りの連鎖に気づいた僕は、
いろんな考えに触れ、たくさんの人と出逢いたい。
何が自分にとって大切かを
自分の意思で選び、判断する人間になりたい。
仕事に行きたくないと泣きながら転げ回っていた。
その姿を見るたびに父は逆上し、こう怒鳴り続けた。
「男とはすべてを我慢して家族のために働くものだ!」
「お前は甘ったれている、社会の厳しさを舐めている!」
これは、自分の思い通りにならない息子への
苛立ちだけが言わせてるんだろうか。
もしかしたら、
自分にそんな価値観を植え付けた祖父への
怒りのメッセージでもあるんじゃないだろうか。
ー目次ー
- 命を削る祖父の生き方が、いつしか父の生き方に
- 怒りの正体は"俺にこんな価値観を植え付けた祖父が腹立たしい"
- 怒りの連鎖から抜け出し、いろんな価値観に出逢いたい
1.命を削る祖父の生き方が、いつしか父の生き方に
高等教育を受けられなかった祖父は、父と叔父の進学のために
漁師をしながら炭鉱労働や青函トンネルの工事に携わった。
→「祖父と、父の起源。」
家族のために自分を犠牲にする祖父が示したのは、
「こうあるべき父親像」だとしたら。
祖父の命とひきかえに与えられた進学が示したのは、
「勉強ありき」に限定された、人生の選択肢だとしたら。
祖父の背中を見た父はこう思ったかも知れない。
「お父さんはあんなに命がけで働いて僕たちを勉強させようとしている。
だから僕はたくさん勉強して、お父さんみたいに必死で働かないといけないんだ。」
そうやって、祖父の期待に応えて生きるうちに、
「たくさん勉強して命がけで働くのが理想の男であり父親だ。
だから俺の息子も当然その通りに生きるべきだ。」
という価値観が形成されたんじゃないだろうか。
2.怒りの正体は"俺にこんな価値観を植え付けた祖父が腹立たしい"
現代ほど多様な選択肢があった時代ではないし、
期待に応えて勉強で成果を出した父はすごい。
だけど、そうやって祖父の期待をなぞるのが
本当は苦しいとしたら。
父の心の奥底には、こんな怒りが眠ってるのかも知れない。
「お父さんの期待に応えてたくさん勉強して、必死に働いてきたけど苦しい。
お父さんはどうして僕にこんな苦しい人生しか教えてくれなかったんだろう。」
「男とはすべてを我慢して家族のために働く」のは、
祖父に植えつけられた価値観で、本当は納得していない。
なのに、それが自分のアイデンティティになってしまったのが、
心の底では腹立たしいんじゃないだろうか。
だとしたら、
「男とはすべてを我慢して家族のために働くべき」
を翻訳すると、
「俺にこんな価値観を植え付けた祖父が腹立たしい」
という祖父への怒りじゃないだろうか。
すべてを我慢して家族のために働くのは、本当は苦しい。
苦しいけど捨てられない。捨てたら、
すべてを我慢して家族のために働くのが、
正しいと信じて生きてきた人生が否定されるから。
すべてを我慢して家族のために働くことを捨てた後、
自分に何も残らないかも知れないのが怖いから。
3.怒りの連鎖から抜け出し、いろんな価値観に出逢いたい
父が怒りを爆発させる一番の理由は、
甘ったれず、社会の厳しさを舐めず、
すべてを我慢して働かない息子への苛立ちじゃない。
自分に苦しい価値観を刷り込んだ祖父への怒り。
親父をなぞって生きる俺は苦しい
→だから息子のお前も苦しむべき
→なのにお前は苦しもうとしない、許せない
→どうして親父はこんな生き方を教えたんだ
本人も気づかない、心の奥底では
こんな怒りの流れが起きてるんじゃないかな。
そんな、怒りの連鎖に気づいた僕は、
いろんな考えに触れ、たくさんの人と出逢いたい。
何が自分にとって大切かを
自分の意思で選び、判断する人間になりたい。
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