2020年03月15日
ネネちゃんの母と、マットレスを殴り続けた自分。
『クレヨンしんちゃん』の中でも有名な、
ネネちゃんの母がうさぎを殴るシーン。
これを目にするたび、
高校卒業まで同じことをしていた自分を思い出す。
一歩でも間違えていたら、僕は自分の怒りを
モノや人に当たり散らす大人になっていたかも知れない。
そんな恐怖心が蘇る。
始まりは小学生の頃。
父に怒鳴られ、やり場のない怒りを感じるたび、
僕はわざと自分の右手でパーを作り
左手で思いきり殴る行為を繰り返していた。
「バチン!!」という大きな音が響く。
それを聞きつけた父の怒りを、さらに増幅させる。
「なんだその態度は!言いたいことがあるならしゃべれ!」
→「父の怒声「しゃべれ!」。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/318/0
僕は頑なに口を閉ざす。
イライラが増した父は、また背を向ける。
おさまらない怒りから、僕はまた右手をバチンと殴る。
父は僕を怒鳴ることで、僕は自分の右手を殴ることで、
一方通行な怒りをぶつけ合っていた。
家で同じような怒りを感じた時、
本人と同じ部屋にいる間は怒りを必死で抑えた。
爆発寸前の火山のように、顔を真っ赤にしながら。
頑なに口を閉ざし、暴れたい衝動を抑えながら部屋に戻る。
そして戸を閉めるやいなや、マットレスをひたすら殴り続けた。
外出先など、マットレスがないときは、
自分の腕や足をつねったり、げんこつで叩き続けたりして、
少しでも小さい音で暴れるよう努めた。
せめて周りを挑発しないようにと、怯えながら。
本物の暴力に訴えることはいけないと自制しつつも、
怖くて父に言い返すことができない自分が腹立たしかった。
言い返す勇気のない自分。
自らの右手や足を殴り続ける自分。
部屋にこもり、マットレスを殴るしかできない自分。
情けない
誰のせいなんだ
我慢するしかないのか
わからない
どうしたらいい
無力感に飲み込まれる自分がいた。
父を怒りの対象としか見られなくなり、
自分やモノに当たるしかできない自分。
こんな自分が怖かった。
いつかこの怒りを、自分やマットレス以外の誰かに
ぶつけてしまうかも知れない。
溜まりすぎた怒りが自制心を突き破ってしまう日が
いつか来るかも知れない。
こんな自分が怖かった。
高校卒業まで函館に住んでいた僕は、
山口大学に合格し、父の元を離れた。
思い返せば、この時に同居を解消したことで、
結果的に僕は暴力人間にならずに済んだ。
あのままお互いにストレスを感じ合って同居していたら、
いつか爆発していたかも知れない。
ただ、この10年で溜まり続けた怒りは
未消化のまま僕の中に残された。
この4年後に鬱病になったのは、もしかすると
溜め込んだ怒りへの我慢で力尽きてしまったからかな。
パーを作った右手を「バチン!」と殴る。
自分がこれだけ怒ってることを伝えたくて、
わざと聞こえるようにやった自覚もあった。
そんな僕の挑発めいた行為で、実際に手が出たのは
憶えている限り1度だけだった。
→「唯一の、手を上げられた記憶。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/164/0
わざと、聞こえるように右手を殴る僕
わざと、見える場所でうさぎを殴るネネちゃんの母
どちらも
「私はこう感じている、私の方を向いてほしい」と
心の悲鳴をあげている。
ネネちゃんの母がうさぎを殴るシーン。
これを目にするたび、
高校卒業まで同じことをしていた自分を思い出す。
一歩でも間違えていたら、僕は自分の怒りを
モノや人に当たり散らす大人になっていたかも知れない。
そんな恐怖心が蘇る。
始まりは小学生の頃。
父に怒鳴られ、やり場のない怒りを感じるたび、
僕はわざと自分の右手でパーを作り
左手で思いきり殴る行為を繰り返していた。
「バチン!!」という大きな音が響く。
それを聞きつけた父の怒りを、さらに増幅させる。
「なんだその態度は!言いたいことがあるならしゃべれ!」
→「父の怒声「しゃべれ!」。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/318/0
僕は頑なに口を閉ざす。
イライラが増した父は、また背を向ける。
おさまらない怒りから、僕はまた右手をバチンと殴る。
父は僕を怒鳴ることで、僕は自分の右手を殴ることで、
一方通行な怒りをぶつけ合っていた。
家で同じような怒りを感じた時、
本人と同じ部屋にいる間は怒りを必死で抑えた。
爆発寸前の火山のように、顔を真っ赤にしながら。
頑なに口を閉ざし、暴れたい衝動を抑えながら部屋に戻る。
そして戸を閉めるやいなや、マットレスをひたすら殴り続けた。
外出先など、マットレスがないときは、
自分の腕や足をつねったり、げんこつで叩き続けたりして、
少しでも小さい音で暴れるよう努めた。
せめて周りを挑発しないようにと、怯えながら。
本物の暴力に訴えることはいけないと自制しつつも、
怖くて父に言い返すことができない自分が腹立たしかった。
言い返す勇気のない自分。
自らの右手や足を殴り続ける自分。
部屋にこもり、マットレスを殴るしかできない自分。
情けない
誰のせいなんだ
我慢するしかないのか
わからない
どうしたらいい
無力感に飲み込まれる自分がいた。
”怒りの管理”
「怒る」ということは恐ろしいことでもある。
激高したら自分をコントロールできなくなるかもしれないし、
人を傷つけてしまうかもしれない。
長いあいだ抑えつけてきた怒りをひとたび噴き出させたら、
止まらなくなるかもしれない。
こういう恐れはだれにとっても非常に現実的なものである。
だが、事実を述べるなら、もし怒りを噴き出るにまかせたら
起こるに違いないと恐れているようなことは、
怒りを噴き出させなくてもいずれ起きる可能性が非常に高い。
『毒になる親』第十二章 より
父を怒りの対象としか見られなくなり、
自分やモノに当たるしかできない自分。
こんな自分が怖かった。
いつかこの怒りを、自分やマットレス以外の誰かに
ぶつけてしまうかも知れない。
溜まりすぎた怒りが自制心を突き破ってしまう日が
いつか来るかも知れない。
こんな自分が怖かった。
高校卒業まで函館に住んでいた僕は、
山口大学に合格し、父の元を離れた。
思い返せば、この時に同居を解消したことで、
結果的に僕は暴力人間にならずに済んだ。
あのままお互いにストレスを感じ合って同居していたら、
いつか爆発していたかも知れない。
ただ、この10年で溜まり続けた怒りは
未消化のまま僕の中に残された。
この4年後に鬱病になったのは、もしかすると
溜め込んだ怒りへの我慢で力尽きてしまったからかな。
パーを作った右手を「バチン!」と殴る。
自分がこれだけ怒ってることを伝えたくて、
わざと聞こえるようにやった自覚もあった。
そんな僕の挑発めいた行為で、実際に手が出たのは
憶えている限り1度だけだった。
→「唯一の、手を上げられた記憶。」
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/164/0
わざと、聞こえるように右手を殴る僕
わざと、見える場所でうさぎを殴るネネちゃんの母
どちらも
「私はこう感じている、私の方を向いてほしい」と
心の悲鳴をあげている。
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