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2019年06月26日

それは愛情ではなく不安感。

「早くスーツ着てしまいなさい」
「あーネクタイの締め方、こうでしょこう」

「ベルトの位置がズレてる」
「ほら、ズボンの裾めくれてる」

「靴どうしたの靴」
「靴を脱いだら揃えて、ほら曲がってる」

「どうしてこんなところに置くの」
「探してって言ったのに何やってるの」

「あーもーしっかりしなさいよ」
「今度、倒れたらお母さん死んじゃうんだからね」
「毎月病院行ってるのがわからないの?」



久しぶりに会った知人の心が閉じていた。
無口、表情も消え、ただスマホに夢中。

今年、大学を卒業し就職したが、
職場でうまくいかず欠勤を繰り返し、
退職も視野に入れた休職中だという。

それでも干渉してくる母を「ほっといてくれ」と
突き放したのがきっかけで口論になり、
現在は気まずい関係が続いているそうだ。



彼の母については以前から
よくしゃべるお母さんだなという印象だったが、

当時の僕は今以上に病んでいたこともあって
会話の内容まで注目していなかった。

だけど、久しぶりに会って
本人とお母さんと何日か過ごして、
僕は息苦しくて酸欠になりそうな感覚になった。



あまりにも指摘され続ける。

細かいことも、そうでないことも
母がずっとしゃべっている内容のほとんどが
何かの状態を指摘したり、咎めたりすること。

行動1つ、いや何も行動しなくても
次々に指摘ポイントが増えていって、休まる暇がない。

他人の僕が聞いていても、
一瞬たりとも気を抜けないような、
一挙手一投足を監視されているような
ものすごい息苦しさを覚えてしまった。



そして何より、
これも他人の僕が何日か聞いていただけでも
はっきり伝わってきたことは、

子どもへの指摘は「貴方のため」じゃなく
全て自分の不安をぶつけてるだけだということ。



ある時、母の指摘がひとしきり終わった後で
こっそり知人と話してみると、彼はこう言った。

「何て言ったらいいんだろう、上手く言えない。
心配してくれるのはありがたいけど…し過ぎ。
母親ってそういうものなのかも知れないけどね。」

僕が客観的に会話の内容を聞いていても、
母の心に彼は居なかった。

彼にとっては、自分の心配をしているようで
自分のことは少しも見ていない、

親は自身の不安を自分へぶつけてるだけだと、
悟ってしまったのだろうか。

一見、子供のことを思って
世話をしているように見えることがありますが、
彼らのいう”愛情”とは真の愛情ではなく、
不健康な依存心に根ざした不安感です。

そういう親は、常に子供の世話を焼いていないと落ち着きません。
事実をいうなら、子供のために彼らがいるのではなく、
彼らのために子供がいるのです。


『不幸にする親』 第二章 有害なコントロールのパターン
”かまいすぎて子どもを窒息させる親” より



僕自身の母は、国交断絶した父よりは会話があったが、
僕から話しかけない限り何も話さない人。

→「話しかけない母の意図は。
https://fanblogs.jp/yaritaikotohanokosazuyaru/archive/185/0

”居候”と呼ばれて傷付いたことはあるけど、
向こうが僕の気持ちを知ろうとせず無関心なのと同様、
僕も母の気持ちを知らない。

そんな会話のない家庭環境に長くいた僕と、
知人の家庭環境は真逆に見えた。

だけど、真逆なのは表現方法だけかも知れない。

自身の不安を残さず吐き出して子どもにぶつけるか、
子どもの気持ちへの無関心という形で出るか、だけ。

どちらにしても、母の心の中に自分が居ないという
悲しい共通点に寂しさが募る。



長いこと疎遠だったが、久しぶりに会ったことで
彼の母と僕は気軽に話すようになった。

だけど、内容は僕が客観的に聞いていたことと
あまり変わらなかった。

親子関係ではないので
僕についてどうこう、ということはないが、

ずっと聞いていると、失礼ながら
話し相手は僕じゃなくてもいいんだろうな
というふうに感じる瞬間があった。



なぜなら、この人はずっと

僕にではなく、
不安な自分に話しかけてるだけ、だから。


posted by 理琉(ワタル) at 23:38 | TrackBack(0) | 家族

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自閉傾向の強い広汎性発達障害。鬱病から再起後、低収入セミリタイア生活をしながら好きなスポーツと創作活動に没頭中。バスケ・草野球・ブログ/小説執筆・MMD動画制作・Vroidstudioオリキャラデザインに熱中。左利き。 →YouTubeチャンネル
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