ここ数日、音信不通ですいませんでした。
先だっても書きましたが、愛犬のポッポが昨夜天国へと旅立ちました。 ポッポという、犬がいたんだ。
女の子のポメラニアン。
大きな、大きなポメラニアン。
あんまり大きくて、初めて見た人に「ポメラニアンと何の雑種ですか?」なんて訊かれた事もあった。
その時は、失礼な話だと皆で笑ったよ。
可愛い、とても可愛い子だったんだ。
柴犬カットが定番で、散歩に出れば、道行く人が皆「ぬいぐるみみたい」というほどの美人さん。
母はいつも自慢していたよ。
それでね、優しい、とても優しい子だったんだよ。
うちにフェレットのシュガーが来た時、とても可愛がってくれた。
あんまり可愛がりすぎて、おっぱいが出る様になったくらい。
あの時は、家族皆で驚いたよ。
あんまり可愛がりすぎて、母がシュガーの事を叱った時、母に向かって牙をむいちゃった。
人に牙をむけるなんて、めったにない子だったのに。
母は、「ポッポが親より子をとった」と、何気にショックを受けていたよw
当の本人は、反省してしばらくションボリしていたけどね。
猫のチビが来た時は、ケンカをする事もなく受け入れてくれた。
遊ぼうと頭を押し付けては、「うるさい」と猫パンチを食らってたけど。
でも、仕返しに吠えたり、牙をむいたりは絶対にしなかった。
チワワのレミが来た時も、とても大事にしてくれた。
子宮蓄膿症の予防のために、去勢手術をした後だったから、おっぱいこそ出なかったけれど。
公園に行った時、他所の犬が近づいて来ると、その犬とレミの間に入って守ろうとした。
相手にそんな気は全然なかったのにね。
せがまれると、一緒に寝てあげて、欲しいと言われると自分の餌を分けてあげてた。
他の人が手を出すと怒るくせにさ。
縁がなくてお母さんにはなれなかったけれど、もしなれてたら、きっと凄く良いお母さんになっていたんだろうな。
家族を大切にする子で、誰かと誰かがケンカをすると、必ず止めに入ってきた。
間に入って、キャンキャンと一生懸命に訴える。
どんなに昂っていても、そうされるとその気持ちがプシュ〜としぼんでいったものだったよ。
それで、結構悪戯な所もあってさ。
人の目を盗んで二階に上がって、しまっておいた犬用ジャーキーを一袋丸々食べちゃった事があったんだよ。
本人は知らん振りしてたけど、その日の散歩で丸々ジャーキー色のウンチが出てばれちゃった。
キュウリの古漬けを盗み食いした時は、胸焼けをおこして吐いちゃった。
大きなキュウリが丸々一本出てきて、どうやって呑み込んだのかと物議をかもし出したもんさ。
んん?こうして見ると、単に食い意地がはってただけなのかな?
でも、食卓の料理に手を出したりは、絶対にしなかったんだよ?(擁護)
そして、とても甘えんぼ。
家族の誰かが出かける時には、いつも後を追っかけて。
帰ってくればピョンピョン跳ねてじゃれ付いてきた。
お気に入りは父のかいたあぐらの上。
食後、そこに収まってウトウトするのが至福の時。
父は足が疲れて困るなんて、笑いながら言っていた。
もっとも、晩年はその位置はレミに取られちゃったけど(笑)
それでも、寝る時には両親のベッドの横。
そこは譲らなかった。
そうやって、18年と7ヶ月。
楽しい。
本当に楽しい時間だった。
病気で心配する事もあったけど、それも含めて本当に素晴らしい日々だった。
だけど、そんなポッポが、もういない。
まだ大丈夫と思っていた。
まだ一緒にいれると思っていた。
20歳まで。
25歳まで。
世界記録まで。
それ以上まで。
ずっと一緒にいれると思っていた。
けれど。
行きつけの獣医さんは入院とは言わず、ただ点滴をしながら「好きなものを食べさせて」と言った。
最後の瞬間は、ひどく静かだった。
大きく五回ほど息を吸って、それが静かに消えていった。
次の日、両親はどうしても外す事の出来ない用事があった。
「お兄ちゃんに、負担をかけたくなかったんだね。」
泣きながら、母が言った。
そうかもしれない。
人の心を酌む、優しい子だったから。
それと、やっぱり皆がいる中で逝きたかったんだと思う。
あんなに、家族が好きな子だったから。
涙を流して泣く父の姿を、生まれて初めて間近で見た。
僕も、泣いた。
ポッポは今、保冷剤に包まれて、お気に入りのベッドで眠っている。
穏やかな、本当に穏やかな寝顔。
火葬は27日の予定だ。
ねぇ、ポッポ。君がいた時間、僕達はすごく幸せだったよ。
君は、幸せだったかな?
僕達は、君がくれたのと同じくらい、君に幸せをあげられたかな?
「虹の橋」という話があるね。
人が死ぬと、その前に虹の橋がかかるんだって。
それを渡って行くと、そのたもとでその人が飼っていた動物達が待っていてくれるんだって。
いつか僕達がそっちへ行く時、君は待っていてくれるかな?
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