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2016年04月28日

グッドナイト&グッドラック(2005/アメリカ)

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グッドナイト&グッドラック(2005/アメリカ)

監督/ジョージ・クルーニー
脚本/ジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴ
出演者/デヴィッド・ストラザーン、ジョージ・クルーニー、ロバート・ダウニー・Jr、パトリシア・クラークソン、レイ・ワイズ

about the movie

「赤狩り」の猛威が吹き荒れる1950年代のアメリカを舞台に、実在したニュースキャスターであるエドワード・R・マローとCBSの番組スタッフが、真実の報道のために「マッカーシズム」に立ち向かう姿を描いたノンフィクションドラマ。

製作会社はワーナー・インディペンデントで、監督・脚本・出演はジョージ・クルーニー。主演はデヴィッド・ストラザーン。全編モノクロである。なお、タイトルは「See it Now」エンディングでのマローの挨拶「Everybody, good night and good luck」(皆さん、おやすみなさい、幸運を。)にちなむ。

第62回ヴェネツィア国際映画祭コンペティション部門正式出品、男優賞(デヴィッド・ストラザーン)と脚本賞を受賞。2006年の第78回アカデミー賞では6部門(作品賞・監督賞・主演男優賞・脚本賞・撮影賞・美術賞)でノミネートされた。またサウンドトラックでダイアン・リーヴスが第48回グラミー賞ベスト・ジャズ・ヴォーカル賞を受賞した。

日本公開は2006年4月29日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズで先行ロードショー、5月13日より全国のTOHOシネマズ他にて拡大公開された。

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今月は良い映画をたくさん見てるなあ。ということで「プルートで朝食を」の次「Goodnight&Goodluck」。ああ、サントラ素敵だったわ…。 久しぶりの、最初から最後まできちんと社会派な映画。じつは予備知識無くて見に行ったもので、初っ端から共産主義者、マッカーシーと出て来たときは「およ…」と一瞬身を引きました。そういう映画でしたか…いや、ジョージ主演だと思っていて、ジャーナリズムな映画ってことだけは知ってたんだけど、もうちょっと軽い映画だと思ってた。だってジョージってば、すっとぼけた役ばっかりなんだもん。そしたら最初から最後までメガネとらず裏方に徹してるし、おいおいキャラ違わないか?と突っ込みたくなりましたが。

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「dTV」ムゲン楽しい映像配信サービス

ジャーナリズム、マスコミに興味のある方は面白く見る事が出来る映画。現代のマスコミやテレビというのは、いかにも安全に作られていそうで、報道されていることが真実かどうかなんて怪しいもの。この年代のように、ジャーナリズム同士での戦いというのも、本来ならば現代にも残っていても良いはず。報道されることが全て真実なんてあり得ないのに、それを攻撃する処が無い。TVは個人の考えを国民にぶつけるのではなく、当たり障りない情報を流すことに留まっている。それはただ正確で素早い情報を、という最もらしい部分は網羅しているようにいるように見えるけど(実際は正確ではないことも多々あるが)、それは情報であって意見ではない。勇気ある発言なんてのは、いつのまにか白い目で見られるようになり、TVは下らないバラエティや音楽番組ばかりを放送している。とは言ってもジャーナリズムがアメリカから日本に持ち込まれたの自体遅かったので、昔から日本のTVは報道やジャーナリズムに使われていたことは無いとは思うけど。


とにかくこの映画の中で、会社の為ではなく真実を訴える為に、タバコの煙の中で言葉を交わす男達はカッコいい。それは彼らにとってジャーナリズムが仕事ではなく、その男達の生き様だから。同時に、この時代はこうして政治的な活動やジャーナリズム、報道の仕事は男が主導だったということを表している。女性も出演してますが、ちらりと二言三言、という具合。こうした当時の社会的な男女の位置も、上手く表していた気がします。

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カメラに向かって訴えるエドワード・マローにはゾクっとする。そして話し終わったあと、その言葉に対する仲間たちの拍手。この瞬間、何度か出てきましたがいちいち感動しました。そして放映終了を待ってましたと言わんばかりにけたたましくなる抗議の電話。意見があれば賛成も反対もある、それを当たり前のこととして捉えているのは当然のこと。

そしてラスト聴衆に向かって、TVが娯楽だけのものになっているなら存在価値は無いと訴える。それはただのメカの詰まった箱だと。これは現在の報道やテレビに対する警告。勿論米に対するものだけど、日本も当然対象になることだ。民放の放送局が無駄に多く無駄な番組ばかりを流し、そして公共の放送局さえもいろんな問題を抱えている今、TVが一体何の為にあるのか、考えるべきだと思う。今どれだけテレビが必要とされているのか、どんな存在になっていくのか。言葉と映像を武器に出来るマスコミが出来る事は何なのか。

ラストに近づくにつれ、この「Goodnight&Goodluck」というありふれた言葉が、すごく大切な言葉に聴こえてくるのが、とてもイイ。バックに流れるジャズ、そしてモノクロの映像、ここまでやったらやりすぎな感じが出そうなものなのに、全てがマッチしてました。

ノベルズも買ってみようかな。


こんなに褒めてるのに、実は身体が疲れ切ってて最初のほうで10分くらい眠ってしまったのはなかったことにしてくれ。

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映画館で観た最新映画から、昔の名作まで 幅広くと見せかけて、かなり偏った映画オタクが、ゆるーく感想を書いているブログです。 単館系は、音楽モノの映画、美術モノの映画、歴史映画が好物。 好きな監督はタランティーノ、ウディアレン、園子温、スティーブン・ダルドリー、フランソワ・オゾン、イリャニトゥ、デル・トロなどなど。 雑食に映画を観て、雑多な映画感想を書いております。※感想は鑑賞した当時のものです。
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