2020年12月21日
我家に不似合な物
我が家にはちと不向きな物がある。
庭のお稲荷様と離れのグランドピアノ。
貧乏人の家には不釣り合いであるも、あるものは仕方ない。
ピアノは次女の為に買ったものである。
別段ピアニストにするつもりも、本人もそんな気は無かったと思う。
当時私は、尺八を習っており師匠の勧めるままに練習用に20万円程の尺八を買ったのである。
同時に始めた同僚は25万円程の尺八を購入。
この5万円の差は意外に大きかった。
音の太さが微妙に違うのである。吹き手にもよるが、竹の密度による音の重さは如何ともし難かった。
娘がピアノを習い出した時、この5万円をけちった事を思い出し、良いピアノを買ってやることにした。
アップライトピアノよりグランドだろうと、素人の判断で購入。
価格もそちらの方が高かったから、けりゃ良いだろうと。これまた馬鹿な判断。
あれから30年以上たつが、今もいい音を出してくれている。調律も定期的にしているからだろう。
妻が良く弾いている。
娘も帰ってきた時向かっているが、孫たちが一生懸命弾いてくれているからピアノも嬉しいに違いない。
無理して高い方にしたのには、もう一つ理由があったのである。
次女は小学生の時、ピアノが習いたくて仕方なかったようである。
娘は我が家の経済状態を、娘なりに判断し、習いたい気持ちを2,3年我慢していたらしい。
しかし、どうしてもピアノを習いたいと、安い授業料のピアノ教室を見つけてきて「習わしてほしい。」と妻
に言ったらしい。
私は妻からその事を聞き、そんな健気な思いをさせていたのかと涙したものである。
〈よしっ、ピアノは出来るだけいいのを買ってやる〉と、その時決心しグランドピアノになった次第でもあ
る。
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