辞書を引くと金属を打ち鍛えるように修養訓練を積んで心身技能を立派にすることと出ていたが、
そんな肩ひじ張ってだけのことでもないと。
私は日頃から綺麗に老いていこうと気を使い、簡単に出来ることをしているだけのことである。
以前、妻と歩いていた時、妻の友人と出くわしたことがある。
後日、妻はその友人から「この間一緒に歩いていた方は倅さんですか」と聞かれたらしく怒っていた。
どうやら親子で歩いていたと、その友人は思ったらしい。
「あんたが、のほほんと何の苦労もしないで、頭も使わないから馬鹿みたいに若く見られるのよ。」
「男が若く見られると言うことは、馬鹿だっていうことなんだからね」と迄、非難される羽目になってしまっ
た。
確かに周りからは「一回りは若く見えるね」と良く言われるが、日々の積み重ねの結果と思っている。
例えば夏場、半袖で歩いている人たちの肘を見ると、黒ずんでいたり、汚れている人を見かけることがある。
人の振り見て我が振り直せではないが、あーなってはいけないと、連日風呂では必ず肘を、垢こすりでしっか
り磨いている。
風呂上りの肌水にしても、重力にしっかり従ってきた目の周りや、ほほや顎首回りは、しっかりマッサージし
ている。
少しでも小汚い爺さんになるのを遅らそうと、努力しているのである。
長女が泊まりに来る時、いつもパックとか言うものを持ってきて、風呂上りの私の顔を目鼻口の開いた
ベタベタな布やら紙やら判らぬがそれを私の顔に付けて、写真を撮って笑っている。
妻も風呂上りに付けられている。確かに付けられたその顔を見ると笑える。
鏡を見たら、とんでもない自分がそこにいた。これでは娘も笑うはずだ。乾き始めたら剥がして自分で
マッサージする。
風呂の中では、湯船につかり口を横に引いて、アイウエオからワゐウゑヲ、ン迄５回言う。
テレビで２,３０年前にある女優がほうれい線が出来にくくなると言っていたので、それ以来実行している。
毎日ではないが、週に２,３回はしているだろう。
こんな下らないことかも知れないが、無料で出来ることはある程度やって頑張っているのである。
階段にしても５階までは歩くことにしている。これも無料で出来ることである。
お金がないと貯金は出来ないが、健康貯金は貧乏してても出来るのである、
こんな事の積み重ねが、一回り若く見られる原因かも知れない。鍛錬の結果だと思う。
但し、写真はいけない。ごまかしがきかない優れものだ
真実を写す＝写真とは良く言ったものだ。
そこに写し出された自分は、年相応のじじいである。恐ろしいものだ。
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