色は匂へど散りぬるを、我が世誰ぞ常ならむ
有為の奥山今日超えて、浅き夢見じ酔ひもせず
小学4年生の孫が辞書を引くのに四苦八苦どころではない様子を見て、これは何とかしなければと思い至った。
辞書の引き方が全くわかっていなく、一語を調べるのにとんでもない時間がかかり、本人は半泣き。
「泣いてる暇が何処にあるんだ。馬鹿野郎。泣きたいのはじじいの方だ」と叱ってみたが出来ない子に怒鳴るのは大人気ない。
あいうえお順が判っていない。
そこで、あいうえお表をパソコンで印刷してみた。
それだけでは寂しいので【いろは歌】も加えてみた。
前記したのは漢字交じりだが、実際は「・・・うゐのおくやまけふこえて・・・」となり、孫の頭では多少難しいだろうがすぐ慣れる事であろう。
本人は嫌がるだろうが、郵送し届いた日から暫く電話口で読ませることにした。
益々嫌われじじいになると思われるが仕方ない。
私はすぐ拳固で殴る暴力爺さまだから恐れられている。
特にこの子は厳しく殴り飛ばしている。
娘が「大網に行くよと言うと、こいつは行かないと拒否したんだよ」と到着した時言うので「そうなのか。お前の好きな物を作ってあるぞ。それを食べたらタンデムで30キロも走るか」と言うと満面の笑み。
飴とムチ丸出しのじじいであるが、この子だけは厳しく育てている。
優しさだけが必要な子には優しさを。
しかしこの子は先に厳しさをと、他の孫とは違う接し方をしている。
出来は悪いが、孫達が遊んでいる時「悪いけどこの仕事、手伝ってくれる人？」と声を掛けると一番先に「ハーイ！」と手を挙げる素晴らしい子である。
それぞれ良い処があるのだ。
