2017年10月20日
【怖】急に黒電話が鳴りだした
10/04/09
ずっと入院していた義母が他界したので義弟夫婦と夫の四人で義実家の整理に行った。
隣の家まで歩いて10分というど田舎。電気も水道も止めてもらっていたので、色々手続きが面倒だった。
私と義妹で家の片付け、夫と義弟がご近所さんへのあいさつ回り。
昔庄屋だった義実家は、戦前は何人も奉公人が住み込んでいただけあり部屋数も多く、とにかく広い。
「うちでは管理しきれないわ」
「うちも無理だわ、遠いし」
「処分するしかないわね」
「でも主人達にとっては生家だし、なんて言うかしら」
「そうね〜」
などと言いながら、とにかく家中の雨戸と窓を開けていると電話がなった。昔ながらの黒電話だ。出てみると聞き覚えのない声で
「お戻りだったのですね。お待ちしておりました。これからうかがいます」
と言われた。どなた様でしょう?と聞いたのですが相手は答えず電話を切ってしまった。
夜には帰るつもりだったので、義妹とあわてていると夫達が帰ってきた。電話の事を話して、心当たりをたずねると義弟が笑って言った。
「義姉さん。まじめな顔で何言ってるの?その電話はどこにも繋がってないよ」
10年前に子機付きの新しい電話機に換えた時に線も引き直したんだよ、ほら、と黒電話のコードをたぐり寄せた。電話線は途中で切れていた。
凍り付く義妹と私の前で、その黒電話が鳴り出した。今度は四人とも凍り付く。
「来るって言ったのか?」
と夫が言った。義妹が泣き出し、四人で戸締まりもそこそこに車に飛び乗った。それ以来、義実家には帰っていない。処分は業者に頼んだ。
タグ:黒電話
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