2017年08月26日
恐ろしい味の素の原料
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1909年から、日本の食品企業「味の素株式会社」によって製造・販売されている、日本を代表するうま味調味料「味の素」。その主成分は、現在の東京大学の教授を務めていた池田菊苗によって、1908年に発見された「グルタミン酸ナトリウム」であり、この物質は「日本の十大発明」の一つに数えられている。しかし、この味の素の原料については、1980年代頃から一つの不気味な都市伝説が人々の間で囁かれている。その内容とは、「その原料は人間の髪の毛であり、味の素株式会社は主にインドを中心として、海外の国々から大量の毛髪を輸入している」というものである。
味の素の原料にまつわる都市伝説
この「味の素の原料」にまつわる都市伝説の内容とは、下記の通りである。
1980年代頃、日本の神奈川県にある横浜港において、インドから一隻の貨物船が入港した。その貨物船の乗組員の一人に身元が不明な者がいたため、入国管理局の職員がその貨物船に積まれた大量のコンテナの一つを調べることになった。
その結果、コンテナの中にはインド人の女性のものと思われる、大量の毛髪が詰め込まれていたのだ。驚いた職員がそのコンテナの輸送先を調べてみると、それは味の素株式会社が所有する、「味の素」の製造工場の一つだった。
この奇妙な事件の存在が人々の間に広まると、いつしか人々の間では、「実は味の素の原料は、人間の髪の毛なのではないか」という噂が囁かれるようになったのだという。
その真相とは?
まず、人間の髪の毛からアミノ酸を抽出し、それを原料として調味料を製造すること自体は可能である。実際に代用醤油の一つとして「人毛醤油」というものがあり、その製造方法とは、毛髪を10%の塩酸の中に入れて24時間ほど煮た後、ろ過してから苛性ソーダで中和させるというものである。2004年頃、中国では「人毛醤油には、発がん性物質が含まれている」という理由などにより、中国政府から生産禁止命令が出されているが、現在でも中国国内では人毛醤油が密造されており、低級醤油として取り引きされているものと見られている。
しかし、この都市伝説として囁かれているような、味の素株式会社がインドなどの海外の国々から大量の毛髪を輸入しているという事実は存在しておらず、そのような事件も現在までに確認されていない。「味の素」については、その製造方法の詳細は企業秘密とされているものの、原料自体は一般的に公表されており、現在では、主に「サトウキビ」を原料としているのだという。しかし、1970年代までは石油由来の原料「アクリロニトリル」を用いていた時期があり、「石油」という食品とはかけ離れた言葉から、安全性を危惧する者がいたが、実際には人体には無害なものだったと考えられている。
これらのことから、この都市伝説は「人間の髪の毛から調味料を製造することが可能である」という事実と、「味の素は人体にとって危険なものである」という誤った認識から生まれた、事実無根の創作話だと考えられる。
ちなみに「味の素は消費量を増やし、売上を増加させるために容器のフタの穴を大きくした」という、発想の転換の重要性を日本全国へと広めることになった有名なエピソードは、本当は誤りなのだという。実際は、消費者から寄せられた「味噌汁に振りかける時、湿気で穴が詰まって困る」という苦情の対処のためであり、結果的に売上が増加しただけなのだと公式にコメントしている。
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