2013年12月30日
361. 佐渡裕 タイガーマスク・ラーメン・カツカレー・仲間由紀恵・ユーミン 「情熱大陸」 「情熱大陸」
「指揮者とは?」
「岸和田のだんじり祭りの上に乗っている人みたいなもん。『次に曲がるぞ!』という合図を出してるから曲がれるようになるわけじゃない?『まだ前に行ける!』って追いこんでいくことも大事やし…」「人が好きでなかったらやってられない…」
ドイツのハンブルクで北ドイツ放送交響楽団とわずか3回のリハーサルで本番に。指導はもちろんドイツ語。佐渡さんは「必要に迫られて」5か国語をマスターしたそうです。
「演奏家の声に耳を貸す。しかし言うべきことは言う」と佐渡さん。
「オーケストラのリハーサルは民主的な場であるべき?それとも独裁的な場であるべき?」との問いに、
「どっちでもないし、どっちとも必要でしょ?」「皆が好き勝手なことをしたら…誰かが抑えないといけない」「限られた時間の中で作っていかないといけない。いろんな決断をしないといけない」
海外での生活は年間100日を優に超えるそうです。
オーケストラによってはリストを作って、この1年間に楽団に来た指揮者の名前と曲目の横に、「2度と呼ばないでほしい」「ぜひ来てほしい」「まあまあだった」という楽団員の声を集計するところもあるそうです。
「すごく生々しい話だけど…」「毎回オーディション受けてるようなもんですね」「60歳になって保障された老後を送ってるって思ってないし…」
様々な薬が手放せない日々…「寝る薬、精神安定の薬…」。頭の中の音楽が鳴りやまないのだとか…。
スタートはタイガーマスク
1961年、京都生まれ。数学教師の父とピアノを教えていた母。2人兄弟の次男。 小3のとき、人生を左右する「あるもの」と出会ったそうです。それは「たて笛」。
「タイガーマスク」の主題歌をたて笛で限りなくドラマチックに演奏。友人や先生から絶賛の嵐。
「タイガーマスクはぼくにとって特別で…。人やクラスが明るくなったりする…。『音楽ってすごいな』って思った大きなきっかけになって…」
京都市立芸大ではフルート科に在籍。しかし小澤征爾に憧れ、独学で指揮を勉強。
武者修行で受けた海外の指揮者コンクールで優勝し、小澤征爾の弟子に。その縁でレナード・バーンスタインの弟子にもなることができました。
「ベルリン・フィルの指揮者になる」という小学校の文集に書いた夢が実現したのは2011年。そして2015年からはクラシックの聖地、「ウィーン楽友協会」が佐渡さんのホームグラウンドとなります。
「甲子園球場のマウンドに上がるようなもん…。ワクワクするねえ」
ストレスは大変でしょうが、得たものも大きかったですよね。
ラーメン、カツカレー、仲間由紀恵…
佐渡さんはかなりのグルメ。忙しい合間を縫って、おいしいものを食べに行きます。
その日は「ヨーロッパ1」と評判のラーメン屋へ。店へ向かう車の中で、突然、ラーメンを語りだしました。
「ラーメンて麺がおいしくなかったらアカンよ。でもスープがおいしくなかったら…。つけ麺のタレではなくって、大半支配してるのはスープやんか…。ラーメンって完全食やなって思うのは、炭水化物も取れるけど、スープの中に野菜もあればネギもあるし、肉もあるっていう…。チャーシューの比率って高いと思う」
要するにラーメンが好きだと。
約30分待ち、お目当てのラーメン…味噌ラーメンのようです。
「味噌がうまい…選ばれた味噌や…。塩分も強くなく、豆の味がするという…」と佐渡さん。おいしいものを食べていると、心が弾むのか、いろいろな話題に…。
「自分の最後の晩餐が決まってたら何食べます?」と佐渡さん。「おれ、カツカレー」「白いご飯もあるし、カレーもあるし、カツもあんねんで…1皿で」
「好きな女優さんいる?」と佐渡さん。「おれの中の不動の1位は仲間由紀恵やな…。凛としている感じ。ブレへん…。まあ、プロやろなって思うけどね」
そして話は音楽に。「指揮者というのは自分が音を鳴らさないので…人が好きでないとやってられない。音楽が好きなんだろうけれど、究極のところ、人が好きかどうかという気がする…」
バーンスタインさんも「人を好きになりなさい」と教えてくれたそうです。確かにバースタインさん、小澤さん、佐渡さん、皆、人と話をしているときの笑顔がすごくいいですね。いかにも「人が好き!」という感じが伝わってきて…。
日本にある自宅の、佐渡さんの部屋も登場。少年のような部屋…。「ここにすべてがそろってる」という秘密基地。わずか3畳の寝室にサンダーバード2号の模型やらいろいろなものが所狭しと並べられて、「ユーミンが好き」と…。
壁がコンクリートの打ち放しなのは、設計を友人の安藤忠雄さんに依頼したからだそうで…。
ゆったりソファにかけ、クラシックのレコードに針を落とし、目をつぶり…、音楽の疲れを取ってくれるのはやはり音楽だということですね。
難曲に挑んで…
イタリアのトリノでは、気心の知れた楽団員たちと難曲に挑むことになりました。ウィリアム・ウォルトンの交響曲第1番。
懐かしさのこもった挨拶のあと、「難しすぎるわよ、マエストロ」と笑顔でぼやかれました。
演奏の合間に楽団員たちから矢継ぎ早に質問を受ける佐渡さん。
本番まで3時間を切ってもまだリハーサルが続いて…。質問を受け続ける佐渡さん。15分前に終了し、すぐに本番。
その夜、困難を乗り越えた楽団員たちとの宴で、何度も乾杯重ねる佐渡さん。「本当に幸せや…」と呟いて…。
暖かみのある、気さくなマエストロ…。本当に魅力的な佐渡さんでした!
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