2013年09月17日
266. 金原まさ子 102歳・俳句・栗原類・坂本龍一 「徹子の部屋」
明るい装い、白いパンツ、102歳には見えません。
金原さんは1日1句、自身のブログに発表。4冊の本が出版されているそうです。
「『敬老の日』…とても後ろめたくて…『敬』なんてとても…」と金原さん。
俳句は49歳から始めたそうです。「もう50年やってます」
黒柳さんの好きな俳句が紹介されました。
ああ暗い 煮詰まっている ぎゅうとねぎ
「すき焼きが煮詰まって…あんな暗いものないですよね」と黒柳さん。
別々の夢見て 貝柱と貝は
「すべて一人だと思います」と金原さん。
「1つのベッドの中に寝ていても、別々のことを考えている、ということがありうる」と黒柳さん。
「そういうことです…そんなふうに意地の悪い俳句ばかり作っているんです」
鶏頭たち 深い話をしておるか
鶏頭とは植物の名前ですよね。少し黒味を帯びた赤が鮮やかな花です。
「哲学的な話もしてほしいんですが、男女の深い話でも…」と金原さん。
金原さん、年齢の割に(失礼)お話が色っぽい。その秘密が後ほど判明します。
春風が 耳打ち 「ヒトハイキカエル」
「私の中には2人の私がいまして、A子とB子。A子は非常に常識的で道徳的。B子は反対のことを考えています。A子は『絶対に生き返らない』と考える。B子は『生き返る』と考えています。でも、生き返るはずはありませんでしょ?」
「でも春風…冬風じゃなくて」と黒柳さん。
「春風が『生き返るんですよ』って言ってくれたら非常に幸せになるので…」と金原さん。
句集を出していますが「俳句を読んで笑ってくれるのは嬉しい?」と黒柳さん。
「かまってくれるのがうれしい」
「じゃあ、今日はかまって…」と黒柳さん。
「敬老ではなく、『かま老の日』…」と金原さん。
結婚生活
金原さんは1933年(昭和8年)ご結婚。
ご主人、荘之助さんとは73歳で死別。なかなかハンサムな方です。
「ハンサムね」と黒柳さん。
「はい、それで交友関係が非常に盛んで…」交友関係というのは男女関係?
「苦労した?」
「苦労はしません…男の人は当然だと思ってました」
「まさ子さんの時代では男の人がそうするのは…」
「当然です」ときっぱりと。
「73歳までめんどう見て…夫唱婦随で…」と黒柳さん。
「だから悔いはないです」
ご主人は5年間、女性のところで暮らしていたそうです。ときおり密会のように本妻のまさ子さんと会う生活。相手の方はダンスホールで働くダンサーでした。
「主人も私もダンスが好きで…親の援助があったので生活の心配がなく、ずっとダンスホールへ通って…」
やがてそのダンサーに恋人ができ、ご主人は帰ってくることになりました。
「『ぼくはまた君の所に戻って来たいんだけど、黙って受け入れてくれるか?』『はあ、どうぞどうぞ』」
今なら考えられないですねえ…。
ご主人は婿養子だったそうです。金原さん自身の親からの「恒産があったから」生活には困らなかったんですね。ご主人は「大きな出版社」に勤めていたとか。
そのご主人との関係を詠んだのが「貝柱」の句…。
テレビがなくては…
「テレビが無かったら生きていけない」という金原さん。
今大好きなのが栗原類さん。
「類さんが、好きな言葉として『期限切れが近いチーズ』『自分のことです』って。ネガティブな発言ばかり。それが私には好ましいんですねえ」と金原さん。
「あの人、きれいですよね…お顔が」と黒柳さん。
「そうです…クリムトの絵のようにきれいです」と金原さん。グスタフ・クリムトのことでしょうか。
そして金原さんの人生に多大な影響を与えたのが坂本龍一さん。
「坂本龍一に会ったことが、私の後半生、全部影響されて、あれを境に私はB子のほうに行っちゃって…。最初はA子、『戦メリ』からB子に…」
戦メリとは映画「戦場のメリークリスマス」。大島渚監督。デビッド・ボウイーや坂本龍一、ビートたけしらの出演で話題になった作品でした。
映画の後半で捕虜役のデビッド・ボウイーが若き将校役の坂本龍一に抱きつくシーンがあり、大きな話題に。男色の香りがプンプンする映画でもありました。
この映画に魅了された金原さん、坂本龍一の本・DVD・CDとすべて買い、YMOのことも後追いで全部調べたそうです。
そして「戦メリ」がきっかけで男性同士のことにも興味を持ったとか…。
「興味どころではなく、読む者から見るものまで全部…」と金原さん。
「『ベニスに死す』とか森茉莉さんとか…」
「森茉莉は、私、本全部持っております」
「私すごく仲良かったんですよ…」と黒柳さん。
いやあ、話題が豊富で、語り口調もしっかりされていて、本当に102歳には思えません。
最後に金原さんの3つの夢が披露されました。
その1は「寝ている間に死んでしまうこと」
その2は「宝くじに当たり、そのお金でiPS細胞による治療を行い、聴力を取り戻すこと」
その3は「宝くじのお金で現在の整形外科でどこまで102歳の自分が美しくなれるか試すこと」
「プティ整形ではなく、完全整形…」と金原さん。
ぜんぜん枯れてないですねえ。ですからあのような色っぽい俳句が詠めるのでしょう。見習いたいものです。
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