2013年05月28日
170. 横山剣 横浜のライブハウス・森光子・山下達郎・歌の基準 「サワコの朝」
幼くして音楽に目覚めましたが、クレイジーケンバンドを結成したのは36歳。もちろんそれまでも音楽業界では活躍していたのですが。
2005年の人気ドラマの主題歌として「タイガー&ドラゴン」が大ヒット。一躍メジャーになりました。42歳のときのことです。
現在、年間のツアーは30本ほどですが「細かいものも入れると」50本ほどのステージをこなしています。
一番大きいところで「中野サンプラザ」、小さなところでは横浜のライブハウス「FRIDAY」。
FRIDAYは横山さんたちにとって「原点に戻れる場所」だそうです。
森光子さんからのチップ
クレイジーケンバンドは一般のファンのみならず、芸能界にもファンが多いことで知られています。
その1人、森光子さんは2002年に、FRIDAYの隣の、楽屋のように使っていた店にひょっこり現れました。
「あんたたち、お金が好きでしょ」確かに「マネー」を連発する歌がありますね。
そういうと、森さんは5万円の入った袋を渡してくれたとか。「メンバーが6人だったので、どう分けようかと…」
記憶の中で今もきらめく曲
横山さんにとっての「記憶の中で今もきらめく曲」は
「マシュ・ケ・ナダ」 セルジオメンデス&ブラジル’66
6歳か7歳のころにどこかで耳にして、「ずっと頭の中に流れていた曲」だったそうです。ボサノバの名曲ですよね。
歌の基準は「こぶし」
横山さんは小5のとき、中古レコード屋台のアルバイトをしていました。マイクをもって、口上を勢いよく語り、ギャグも交えてレコードを売るのですが、そこでカリスマ的になって、よく売れたそうです。サービス精神はその頃から?
そのとき、バイト代の1部として、売れ残ったレコードを大量にもらいました。リヤカーで引っ張って持って帰るほどの量だったとか。
そのレコードの中には、R&Bやら演歌や歌謡曲、民族音楽などなど、様々な曲があって、現在の横山さんの作る音楽の原点となりました。
「好きな歌の基準は何ですか?」「基準は『こぶし』です…こぶしの聞いた歌が好きです…歌の心はこぶしだと思います」
こぶしというと演歌のイメージですが、横山さんは演歌以外にも、たとえば当時人気のあったスパイダースの堺正章さんの歌声の中にも「こぶし」を感じとります。
小学生のころ、横山少年の頭の中にはすでに、様々な音楽が鳴り響いていました。「出さないと気持ち悪い」と感じていたそうです。
「楽譜はダメ」なのですが、学校に置いてあるピアノを触りながら、自分で和音を見つけ、その音に「おじさん」とか「女の子」「猫」とか名前を付けていたそうです。
ブレイクするまで
天才的な少年だったのに、曲のヒットは40代になってからです。どうして?
横山さんは34歳から8年間、会社員をしていました。「会社に勤めて自分のやりたい音楽をやるための資金を作ろう」と考えたのです。「自分の色が決まるまでは、自分が自分のパトロンになろうと…」
横浜は貨物船の往来の多いところです。
横山さんは友人のツテで、輸出する貨物を検査する会社に勤めたのです。
ここでまた音楽的な刺激を受けました。「音楽からー受ける刺激」とは違って「仕事から刺激された音楽」を見つけることができたのです。「仕事で経験したことを音楽に変換して…」
大ヒット曲「タイガー&ドラゴン」は数分でできたそうです。
中古のアメ車を買って、初ドライブに出た時のこと、「一筆書きのように」あの名曲が口をついて出てきたのです。「だから『俺の話を聞け』と言っても何も言ってないんです」
横山さんの歌の魅力に、現実に即した、言わばたくましさがありますが、「死ぬまでは生きる!」という横山さんの哲学から来ているものでしょう。
今、心に響く曲
横山さんにとって「今、心に響く曲」は
「希望という名の光」 山下達郎 2010年
ちょっと意外な気もしますが。
「山下さんの曲って言うと、アッパーな、あるいはメロウな感じがあるんですが、その山下さんがこういう曲も作るんだということで」
曲が流れてすぐに…なんと横山さんの目から落涙…サングラスでよくはわかりませんが、確かに涙が。
「ちょっと来ちゃう?」とアガワさん。「来ちゃった…」と横山さん。
「メロディと声と…信号が出てるんですね」と感激の理由を語る横山さん。「いい音楽をやろうと思いましたね」
私(よしろう)がトーク番組を見ていてゾクッとするのはこういう瞬間です。50を迎えたいいオヤジ(失礼)が山下達郎の音楽を聞いて落涙し、「いい音楽をやろう」と改めて誓う…。少年じゃないですか!
真摯に生きている人は年齢に関係なく、少年・少女なのですね。
恐るべし!横山剣の感受性!
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