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2024年03月13日

令和元年第19問 −解答− 〜財務会計〜


 こんにちは!
 EVE2です。
会議.jpg
 本日は、財務・会計令和元年19問に関する解答を求めます。
 まず最初に、財務・会計令和元年19問を再掲します。

[財務・会計 令和元年 第19問]
財務会計令和元年第19問.png


[ROEの式について考える]
 まず、問題のROEの式について考えてみましょう。
 ROEの式は、普通は以下の式で求めることができます。

 ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本


 しかし、与えられた式は、以下の通りです。

 ROE = @(1株当たりの利益 ÷ 株価) × A(株価 ÷ 1株あたりの自己資本簿価)
@Aという数字は便宜的につけています。


これは、財務・会計でときどき見かける問題形式で、本来の式を変形し、全く別の指数を求める方法になります。
 ただ、A(株価 ÷ 1株あたりの自己資本簿価)は、PBRということができそうですが、@(1株当たりの利益 ÷ 株価)は何を指しているのか分かりません。まず、なぜこのよな式へ変形をする必要があるのか疑問に思います。
 AIを駆使し色々調べたのですが、@(1株当たりの利益 ÷ 株価)に相当する指数は存在しないようです。これ以上調べても分からないので、設問の中身を見ていきたいと思います。

[設問ア]
 設問のアは、よくわからないと話している@と、WACCとの関係について聞いています。
 @の式は、よ〜く見てみると、1株あたりの利益がある時点の株価との比率を求めています。
 しかし、WACCは資本コスト割引率を表すものなので、比較対象として何か関係があるかと聞かれると、全く関係がないと言っていいと思います。従って間違えです。

[設問イ]
 先ほど話した通り、AはPBRを指しています。そして、PBRを求めるときに使用している、1株当たりの自己資本簿価は、期末に作成される決算書の自己資本を発行済み株数で除したものになります。
 そして、ROEは、純資産自己資本で除したものでありますが、その分母に、1株当たりの自己資本簿価を使用しても問題ありません(但し分子も分母の単位に合わせなければなりません)。
 以上から、分母が同じPBRとROEは、分子によってその結果を異にし、その異なった結果は、全く別モノです。
 ちなみに、ROEとPBRを求めることにより、何が分かるのかBardに聞いてみました。

[ROEを求めることにより分かること]
・経営効率
 ROEが高いほど、企業は少ない資本で多くの利益を生み出していることになります。つまり、経営効率が高いと言えます。
・株主への利益還元
 ROEが高い企業は、株主への配当金や内部留保を多く出すことができます。
・将来の成長性
 ROEが高い企業は、将来の成長性が高いと考えられます。

[PBRを求めることにより分かること]
・株価の割高・割安
 PBRが1倍より大きい場合、株価は純資産よりも高く評価されていることになります。逆に、PBRが1倍より小さい場合、株価は純資産よりも安く評価されていることになります。
・企業の財務健全性
 PBRが低い企業は、負債が少ない財務健全な企業であると言えます。
・将来の成長性
 PBRが低い企業は、将来の成長性が高いと考えられます


以上から、Aが小さくなっても、ROEが低くなるとは限らないと言えます。従って、解答は、イです。

[設問ウ]
 イで解説しましたが、Aは、PBRであり、PERではありません。従って間違えです。

[設問エ]
 この式が成り立つ可能性が残されています。ただ、解答イと比較すると断言できるレベルではないということで、これはこの設問においては間違えといっていいようです。

[あとがき]
 問題を解いて分かったのは、結局意味不明の式に振り回されたと言うことでした。

 解答を導く方法は、設問の中身を吟味し、その吟味した結果から、解答として一番可能性が高い選択肢を選択すると言うことになりそうです。

 中小企業診断士の試験で、今回のように、ときどき意味不明な問題が出題されることがあります。そして、何となく合っているんだけれど、その中でどれを選べばいいんだろうという問題もあります。実は、この問題はいい方で、経済学・経済政策ではもっとすごい問題が出題されることがあります。

 そんな問題への対策は、試験前に多くの問題を解くのと同時に、試験前日はよく寝ると言うことになりそうです。

 では、また!

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