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2011年11月28日

レナード・バーンスタイン指揮の第九

レナード・バーンスタイン指揮の第九を聴きました。

1979年9月、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。

美しく、スマートという印象を受けました。

また、聴きやすい第九という感じです。

スタンダードな第九なのかもしれません。

第九は非常に有名な曲であり、私自身、一度だけ合唱したこともあり思い入れのある曲です。

さまざまな演奏がありますから、いろいろ聴いてみたいと思います。

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posted by lawful at 22:30| 音楽

道徳、倫理、宗教、哲学

戦後の日本に関し、稲盛和夫氏は以下のように指摘されています。

稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」第9講 真心
「本来、人間関係や社会の秩序を構成するために欠かすことができない道徳教育とか倫理教育が全くなおざりにされてしまいました。宗教や哲学といったものも軽視されるようになってしまいました」(「日経ビジネス」2005年11月28日号133頁)

私も同様に感じると共に、改めて、道徳、倫理、宗教、哲学を見直し、自分自身の根本を形作っていきたいと考えています。

上記の稲盛和夫氏の連載は6年前のものです。

この6年で、道徳、倫理、宗教、哲学を大事にしようという気運が少しずつ大きくなっているように感じられます。

経済の停滞により、お金以外のものに目が向いているという側面もあるでしょうが、さすがに人間の根本を外して生きていくのに無理を感じ始めているからともいえます。

何かが違う。

そのように感じ始めている人々が増えていると思います。

何が違うのかを確かめるために、さまざまな書籍を読み、街に出かけさまざまなものを見聞きする中で、道徳、倫理、宗教、哲学に至っていると思われます。

現代社会は、多くの問題点を抱えているとはいえ、まともに生きている人々が増えていく限り、悲観する必要はありません。

まずは、自分自身がまともに生きる人間となっていきたいですね。

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posted by lawful at 21:47| 敬天愛人

2011年11月23日

英語を学ぶ目的

英語をマスターしたいとの気持ちがあっても、日本にいる限り、英米人との接点はほとんどありません。

英語を使う場面も極端に少ないといえます。

モチベーションもあまり上がりません。

ただ、現在は、インターネットがありますから、昔と比べて英語に接する機会が増えました。

英語ができれば、英語のサイトを楽しむことができます。

この点から考えれば、ややモチベーションは上がります。

しかし、大人になってから英語をマスターする場合、ネイティブ並みの英語力が身に付くわけでもなく、中途半端な英語力に不満を持ちながらでは、モチベーションが下がってしまいます。

英語を学ぶ目的が、英語をマスターすることだけであれば上記のようなことになるでしょう。

しかし、本来は違う目的があるのではないかと考えるに至りました。

「自分自身を、自分の会社を、自分の国・日本という国を、百メートル、千メートル上空、いや宇宙空間から俯瞰し、違いを止揚できるようになる。これが大切であり、おそらく外国語学習の目的はそこにある」(森山進『英語社内公用語化の傾向と対策』研究社 72頁)

外国語を学ぶことは、自分自身を含め自国を相対的に見るためといえます。

また、自国を相対的に見るだけでなく、自国と外国との違いを認識しつつ、両者を自分自身の中で価値的に統合していくことが外国語を学ぶ目的といえそうです。

ネイティブ並みの英語力がなくても、また、英語力のレベルがどうであれ、日々、英語を学ぶことが自分自身の人生そのものを豊かにするとの視点を持てば、モチベーションは常に高い状態に保つことができるでしょう。

要は、英語を学ぶ際、楽しく学べばよいと思われます。

少しでも英語で物事を理解できたならば、そのことに喜びを感じる余裕が必要でしょう。

試験のため、ビジネスのためといきり立たず、人生を豊かにするためにとの姿勢で英語を学んでいきたいですね。

2011年11月21日

稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」に学ぶ:王道

いい気になってしまったり、思い上がってしまったり、天狗になってしまったりと人間は困った存在です。

やはり、人間には「道」というものが必要です。

しかし、道は道でも「覇道」になってしまう場合が少なくありません。

道としては、「正道」「王道」で行くべきでしょう。

稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」第8講 王道
「企業の経営も、国の内政も、そして外交も、最も基本になるのは正道を踏むことです。策略をもって相手を貶めようとすれば、同じ仕打ちがこちらにも返ってきます。力をかさに着て我を通せば人の心は離れます。相手の顔色をうかがい迎合すれば信用は得られません。終始一貫、毅然とした態度で臨むことが本当の信頼関係を築きます」(「日経ビジネス」2005年11月21日号143頁)

悪い人間に対しては、悪い方法で対処してかまわないと思いがちですが、そうであれば、自分自身も悪い人間に過ぎなくなります。

好き好んで悪くなる必要はありません。

相手がどんな悪人であろうとも、正道、王道で対処すべきです。

相手が悪いから自分も悪くて構わないという考えは、よく考えてみれば滑稽なだけです。

中途半端な自己弁護の際に発せられることが多いくだらない言い訳を思わせます。

自己弁護をする前に、虚心坦懐に反省する癖をつけておきたいものです。

正道、王道でどうしようもない場合、覚悟を決めておけばよいでしょう。

また、テクニックとしての覇道は、上手に使う場合は、多少、活用する余地があると思われますが、根本とすべきではありません。

相手がどうのこうのではなく、自分自身がどうであるかを根本として生きていくことです。

その意味合いから、正道、王道を考えれば、無理なく、正道、王道に入っていくことができるでしょう。

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posted by lawful at 23:09| 敬天愛人

2011年11月14日

稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」に学ぶ:覚悟

人間にとって能力、才能は必要であり、また、家柄、人脈、出世も重要であり、運も大切ですが、最終的に人間にとって必要で重要で大切なものは、覚悟と思われます。

能力、才能は今一つ、家柄、人脈もなく出世せず、運にも見放されていようとも、そんなことはどうでもよく、覚悟があれば、自分自身の人生を全うできます。

現今、社会の閉塞状態に押し潰され、不安を抱えている人も多いでしょうが、不安は不安でも、やみくもに不安になっている場合、その人には覚悟がないものと思われます。

精神的にまいっている人をよくよく観察してみると、不勉強であったり、思い上がっていたり、偏見があったり、何でも人のせいにしたり、欲望が強すぎたり、不平不満だらけであったりと、それなりの原因があり、精神に不調をきたしています。

しかし、根本的には、自分自身の人生を生き切るという覚悟がないことが主原因と見受けられます。

覚悟とは、どのようなことか。西郷南洲遺訓を通して、稲盛和夫氏が解説しています。

稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」第7講 覚悟
「【遺訓30条】
命もいらず、名もいらず、官位も金もいらぬ人は、仕末に困るもの也。この仕末に困る人ならでは、艱難を共にして国家の大業は成し得られぬなり。
命もいらぬ、名誉もいらぬ、官位もいらぬ、金もいらぬというような人は対処に困るものである。このような手に負えない大人物でなければ、困難を一緒に分かち合って国家を導く大きな仕事を成し遂げることはできない」(「日経ビジネス」2005年11月14日号109頁)

命が惜しい、名誉が欲しい、出世したい、お金が欲しいでは、ちょっとつまずいただけで不安になるでしょう。

あれも欲しいこれも欲しいとフラフラしていてはいけません。

覚悟を決めることが肝要です。

もちろん、すんなりと覚悟が決まるわけではありませんが、覚悟を決めようとしていく姿勢を保ちつつ、日々、一歩一歩踏みしめる人生でありたいものです。

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2011年11月10日

天職を得る秘訣(毎日、楽しく、ちょっとしたことをする)

天職を自分の職業にしたいと願うところですが、天職といっても捉えどころのないものです。

中越裕史『「天職」がわかる心理学』によると、まずは、行動することを提案しています。

最初からハードルの高い行動をしようとしても、途中で挫折しますが、著者は無理難題を提案するわけでもなく、以下の3点を提案しています。

1、 小さな行動であること

2、 楽しい行動であること

3、 毎日できる行動であること

これならば、すぐにできますし、第一楽しいことをするわけですから、何をしようかと考える段階から楽しくなってきます。

天職といっても、まずは、ちょっとした行動の積み重ねなのですね。

最近は、インターネット等のインフラも整備され、気楽に物事を始めることができます。

行動する人にとっては、またとないいい環境下にあります。

ただし、行動しない人にとっては、何もしていないことが大きなマイナスになってしまいます。

行動する人がどんどん成長するでしょうから、格差が広がっていきます。

格差を是正せよ、との声も聞かれますが、まずは、行動せよ、ではないでしょうか。

それも、小さな行動でよいということですね。

無理せず行動していけばよいと思います。

いっぺんに天職を得ようとするのではなく、天職を少しずつ作り上げていくという姿勢が好ましい人生を切り開くように思われます。

そうすれば、毎日を楽しくしていけるでしょう。

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羆嵐

吉村昭『羆嵐』は、大正時代に北海道で起こった獣害事件を基にした小説です。

「東北地方からの移植者であるかれらには、羆が恐ろしい肉食獣であるという意識は薄く、熊はどことなく愛らしく、動作の飄々とした動物のようにも感じていた。しかし、渡道して以来、かれらは、多くの先住者たちから羆が内地の熊とは異なった野生動物であることを知らされていた。内地の熊が最大のものでも三十貫(一一〇キロ余)程度であるのに、羆は百貫を超えるものすらある。また内地の熊が木の実などの植物を常食としているのとは異なって、羆は肉食獣でもある。力はきわめて強大で、牛馬の頸骨を一撃でたたき折り、内臓、骨まで食べつくす。むろん、人間も、羆にとっては恰好の餌にすぎないという」(二)

熊と羆とは全く違うものという認識が必要ですね。

野生動物の前では人間は無力であることを思い知らされます。

危険な場所には住まない、行かないことですね。

羆が人間を襲った結果を見ると、そこには何の容赦もありません。

あまりにも悲惨です。

人間世界での道徳、道理など一切無視されています。

野生動物と向かい合うときは、人間の思考範囲の中だけで考えるのではなく、野生動物の容赦のないところにまで思いを馳せながら、排除すべきは排除するという冷徹な考え、感覚が必要でしょう。

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posted by lawful at 22:21| 文学

2011年11月07日

『草枕』冒頭の英訳(2)

改めて、夏目漱石の『草枕』の冒頭の一節を見てみましょう。

「山路を登りながら、こう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい」(岩波文庫 7頁)

表紙にNEW TRANSLATIONと書いてある『草枕』の英訳本があります。

MEREDITH MCKINNEYの英訳です。

どのようになっているか。見てみましょう

As I climb the mountain path, I ponder−
If you work by reason, you grow rough−edged; if you choose to dip your oar into sentiment’s stream, it will sweep you away. Demanding your own way only serves to constrain you. However you look at it, the human world is not an easy place to live. (Kusamakura p.3)

旧訳より読みやすくなっている感じがします。

意味を翻訳しているといったところでしょうか。

翻訳はどうしても長くなりますね。

日本文学も英訳で読むと別の角度から楽しむことができます。

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日本の歴史

これからの日本はどうあるべきかという大きな問題を考える際、我が国の歴史を正しく把握しておくことが必要です。

今までの事柄を知らずしては、適切な判断ができません。

また、これから自分自身はどうあるべきかという個別具体的な問題を考える際も、自分自身の国についての学識はとても重要です。

稲盛和夫「敬天愛人 西郷南洲遺訓と我が経営」第6講 大計
「私たちにもやらなければならないことがある。(中略)自分たちの国が歩んできた道のりを知ることです」(「日経ビジネス」2005年11月7日号114頁)

我が国の歴史、つまり日本史ですが、学校で勉強したとはいえ、知識があやふやである懸念があります。

以前、高等学校の日本史の教科書(山川出版社)を入手し、ところどころ読んでおりましたが、何かもの足りない。

そこで同じ山川出版社の『詳説 日本史研究』を購入し、ところどころ読んでみましたが、教科書よりも内容が充実しています。

分厚い本ですので、辞書のような感じで使っています。

高校時代、日本史は得意科目ではありましたが、『詳説 日本史研究』を読んで感じるのは、高校時代の日本史の知識など大したことがないということです。

改めて、しっかりと日本史を学びたいと思いますし、学ぶべきと考えます。

まずは、自らの中に日本の歴史の知識を入れ、その知識を見識にまで熟成し自分自身の日本史観を作り上げていくことでしょう。

その上で、さまざまな場面で然るべき胆識でもって行動していけるようにしたいですね。

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『草枕』冒頭の英訳

夏目漱石の『草枕』の冒頭は有名な一節です。

「山路を登りながら、こう考えた。
 智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。兎角に人の世は住みにくい」(新潮文庫 5頁)

あまりにも有名な一節なので、英訳ではどうなっているか気になりました。

Alan Turneyの英訳を見てみましょう。

Going up a mountain track, I fell to thinking.
Approach everything rationally, and you become harsh. Pole along in the stream of emotions, and you will be swept away by the current. Give free rein to your desires, and you become uncomfortably confined. It is not a very agreeable place to live, this world of ours. (The Three-Cornred World p.12)

当然のことながら、英語になると雰囲気が大きく変わりますね。

ただ、翻訳ですから内容は同じです。

内容だけに注目すれば、さほど違和感はありません。

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