久しぶりで光文社のカッパ・ブックスを手にとりました。
懐かしいですね。
挿絵がユーモラスであり、挿絵だけでもおもしろいですね。
だた、今はもうカッパ・ブックスは刊行されていないようですね。
道理で見かけないはずです。
改めて、ところどころ読んだ本は、加藤周一の『読書術』です。
読書術というぐらいですから、ハウツー本です。
見事なまでにハウツーが明らかにされています。
分かりやすいことこの上ないといったところです。
しかし、ハウツーといった次元にとどまらず、小品ながら、見事な文化論、教養論となっています。
ハウツーを語りながら、さまざまな知識を教えてくれます。
初版第1刷の発行が1962年10月25日であり、私の蔵書は、1990年1月10日発行の第67刷となっています。
20年以上も前に購入した本ですが、購入した時、すでに28年も経っていたのですね。
当時は、そんなことも気にせず、興味深く読んだものです。
それから、また、21年経っています。今読んでもおもしろい。
いや、以前よりおもしろく感じられるぐらいです。
その間、いろいろなことがあり、また、それなりに本を読んできたからでしょうか。
初版から数えて49年、輝きを失わない本ですね。
さすがに絶版ではもったいないと思ったのか、岩波書店が岩波現代文庫で出版しています。
本書で言及されている何人かの作家・思想家たちの主要な著作は読んでおり、知らず知らずのうちにいい影響を受けていたのだなと感じます。