2018年12月08日
トラストレンディングに行政処分勧告。さて、どういうことか様子見です。
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突然の処分勧告
トラストレンディングから連絡がありました。
・証券取引等監視委員会による勧告について
SESCはここ最近、検査の事実自体を公表していないので、こういった勧告も突然のものとなります。
内容を確認しました。
詳細内容
SESCのページにある指摘内容は以下の通り。
(1)債権担保付ローンファンドについて
当社は、平成30年5月から6月にかけて、「債権担保付ローンファンド(139号〜146号、155号〜158号)」(以下「本債権ファンド」という。)の募集を行い、投資家から総額約6億円の出資を受けている。
当社は、本債権ファンドの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の本債権ファンドに係る募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本債権ファンド借入人」という。)が関与するプロジェクト(以下「本プロジェクト」という。)や資金使途等に関し、
・本プロジェクトは、原発事故被災地の水資源の安全向上を目的として実施される除染事業であり、非常に公益性の高い内容である
・本プロジェクトは、原発事故被災地域に堆積した放射性物質を封じ込め、居住区域等への飛散、流入を防止する対策を実施するものである
・本プロジェクトにおける放射性物質を取除く方法は、政府の基本方針に沿った内容である
・本債権ファンド借入人は、本プロジェクトを請け負う事業統括会社との間に業務請負契約を締結し、プロジェクト準備資金の調達・施工の計画立案等の支援業務を行う
・本債権ファンド借入人における資金使途は、上記支援業務に係る労務費・外注費等や、各協力会社へ支払う外注費・資材調達費等(プロジェクト準備資金)等である
旨等を記載するとともに、スキーム図において、復興庁や環境省等の名称を用いて、あたかも官公庁等が関与して行う除染事業の支援業務を行う目的で、本債権ファンドで集められた資金が貸付けられるかのような表示をしている。
しかしながら、該当する官公庁等が関与して行う除染事業は存在せず、このため、本債権ファンド借入人に対しては、上記の取得勧誘時の表示のような、官公庁等が関与して行う除染事業の存在及び実行を前提とした資金使途のための貸付けは当初から行われていない。
このように、当社は、本債権ファンドの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。
(2)動産担保付ローンファンドについて
当社は、平成30年7月から8月にかけて、「動産担保付ローンファンド(163号、165号〜168号、170号〜174号)」(以下「本動産ファンド」という。)の募集を行い、投資家から総額約3億円の出資を受けている。
当社は、本動産ファンドの取得勧誘に際し、当社ウェブサイト上の本動産ファンドに係る募集ページにおいて、当該出資金の貸付先(以下「本動産ファンド借入人」という。)が関与する事業や返済原資等に関し、
・本動産ファンド借入人は、長距離無線通信に係る商用サービス開始に先立つ実証実験の準備を進めている
・本動産ファンド借入人は、当該実証実験の終了後に、全国に多数の拠点を持つ大手企業との業務・資本提携を予定しており、それにより安定的な収益源を確保する計画である
・提携先の相手方企業は、2020年東京オリンピックのJOCゴールドパートナーとなっている大手企業である
旨等を記載するとともに、スキーム図において、当該大手企業との業務提携等が予定されている旨を記載するなど、あたかも本動産ファンド借入人において、実証実験終了後に、当該大手企業との業務提携等が予定され、これにより得られた収益を原資として返済が行われるかのような表示をしている。
しかしながら、実際には当該大手企業との業務提携等の予定は存在せず、このため、本動産ファンド借入人に対しては、当初から、上記の取得勧誘時の表示のような、当該大手企業との業務提携や、当該業務提携に係る事業による収益が返済原資となることなどを前提とした貸付けは行われていない。
このように、当社は、本動産ファンドの取得勧誘に関して、虚偽の表示を行っていたものと認められる。
SESCが指摘しているのなら、それは(一面の)事実なのでしょう。
この点については疑う余地はないと思われます。
ただ同時に、トラストレンディングが調べれば速効でバレる嘘をつくか? というのも当然の疑問です。
この二つは相反する内容だけに、裏に何があるかはかなり興味深いところですね。
トラストレンディングの役員には、元役人が首を並べています。
そこで何かがあったのか。とりあえずはトラストレンディングからの情報待ちでしょう。
(まあ投資家としての意見なら、公共工事が絡むかどうかはさておき、返済されれば問題はないのですが)
本日、証券取引等監視委員会は、当社に対する検査結果に基づき、当社に行政処分を行うよう、内閣総理大臣及び金融庁長官に対して勧告いたしました。
今回、証券取引等監視委員会から指摘を受けた問題点は、債権担保付ローンファンド(139号〜146号及び155号〜158号)、及び動産担保付ローンファンド(163号、165号〜168号、170号〜174号)の各募集ページにおいて、事実とは異なる表示があったというものです。
具体的には、本件検査において、上記債権担保付ローンファンドについて、当社が本件ファンドの募集ページへ記載した除染事業が、環境省や復興庁といった官公庁等が関与して行う除染事業として確認できなかったという点、そして、上記動産担保付ローンファンドについては、当社が本件ファンドの募集ページへ記載した借入人がIoT実証実験の終了後に予定している大手企業との業務・資本提携等の確認ができなかったという点です。
本件につきましては、早急に関係者へのヒアリング、事業の実態確認及び進捗等の調査を行い、改めてその結果を皆様へご報告させていただきます。
なお当社は、この度の勧告を厳粛に受け止め、貸付審査を含む業務運営体制のより一層の強化に取り組み、再発防止に向けて全力で取り組んで参ります。
投資家の皆様をはじめ、関係者の皆様に多大なご心配をおかけしましたことを、深くお詫び申し上げます。
(トラストレンディング)
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posted by SALLOW at 12:20
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トラレンについては、ちょっと他のところと空気が違うように思えるのですよね。
タイミングが最悪なのは間違いありませんが、悪意があまり感じられないというか、何か解釈の違いで、踏み込んではいけない表現に踏み込んでしまって国に怒られたというか。
(もしくは、貸付先のコンペティターからの告げ口?)
いずれにせよ、リファイナンスありきの案件でないことはおそらく間違いありません。そのため、案件自体がうまく行けば、今回の行政処分が与える影響はさほどでもないと思っています。
*ラキバンの損失確定、32%返済されるかどうかも分からないのですが、そのあたりはどうなのでしょうね?
私は高速道路案件に10万円のみ投資しているだけなので「ああ、ここもか」程度の感情しか湧かなくなってしまっております(笑)
感覚が麻痺してきましたかね。ここはリファイナンスありきではなさそうなので、仮に業務停止命令食らっても各案件の分配・償還はあまり心配ないのかな?とも感じていますが、早急な報告が望まれます。
※ちなみに以前ご質問させていただいたラッキーバンクの損失確定の時期は2018年でイケるみたいですね
悪意があるとは思えないのですよね、この件。
解釈が異なるというか、業者が多少フカしたのをトラストレンディングが本気にして、責任取りたくない役人が「そんな事言ってない!」と過剰反応したような感じもしています。
中国はみんクレクラスの不祥事が連発したようですし、経済統制したい当局が潰そうとするのは当然のことだと思います。日本がどうなるか分かりませんが、そうなったらどうしましょう。何か別の投資でも考えてみましょうか。
ハレルヤ 様
本当に話題に事欠かなくて困ったものです。
yos様のコメントにも書きましたが、例えば封じ込め技術の事業者が国から受託を受けられる見込みがあるのを「受託を受けた!」と言い張り、それを信じたトラレンが大々的に公表して、それに復興庁が過剰反応して・・・というストーリーを推測しています。
まあ、結局は戻ってくればいいのですが、トラレンの役員の多くを占める天下りの方々との間でどんなやりとりがあったのか、想像するとなかなか興味を引きます。
以前当ブログで貸付先の推測によると、確かに封じ込めを行う技術を開発していた法人がありましたが、官公庁とは関連がないと言われればそうだとしか思えないですね。
同時期に募集されていた外環道や急峻な山間部の高速道路案件は問題なかったようですが。
直接の関係はありませんが、中国は P2P 融資を終わらせようとしているようです。
日本では事情が違うのでこうはならないでしょうが、一部には似たようなことを考えている役人がいるのかもしれませんね。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-29/PIYMQ06JTSEB01