2018年09月23日
ガイアファンディングとアメリカンファンディングの意外な違い
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どちらも米国不動産案件ですが
米国不動産案件のソーシャルレンディングを扱う、ガイアファンディングとアメリカンファンディング。
この2つの事業者で、取り扱っている不動産の所在や種類などは似通っており、事業者が違うという以外に
あまり区別をしている投資家もいないのではないでしょうか。
(強いて言えば、ガイアファンディングの方が大きめの物件を取り扱っているイメージです)
正直なところ、私もあまり違いが分かっていませんでした。
ところが今回、ふとしたきっかけから大きな違いがあることが分かりましたので、紹介したいと思います。
リコースローンとノンリコースローン
きっかけはmaneoやクラウドリース案件の後に、ガイアファンディングなどの案件を見たことです。
maneo案件のほとんど(全部?)には、案件に以下のような但し書きが付いています。
「maneo社と(貸付先)の融資契約は「責任財産限定特約付」融資 (ノンリコースローン)の取扱いとして
対応します。
(貸付先)の返済原資は本件貸付債権に限定され、(貸付先)がmaneo社に返済できなくなった場合でも
(貸付先)の保有する他の財産に対する強制執行はできません」
「ノンリコースローン」とは、不動産担保案件の例で言えば
「返済不能になっても、貸付先には担保不動産を売って手に入れた金額以上の請求はできない」案件です。
(正確には国によって条件が色々異なるようですが、おおざっぱに言います)
ノンリコースローンの対義語がリコースローン。
リコースローンは言わば日本の住宅ローンと同じシステムで、担保不動産を手放しても、残債が残っている
限り返済を迫られる、というものです。
maneoの場合、貸付先がC社やAN社になっており、そこから別の会社に貸し付ける案件が多くあります。
こういった場合にリコースローンにしたら、自分が投資していない案件での焦げ付きが、自分自身の投資に
影響を与えてしまう、という理不尽な事が起こり得ます。
これを防ぐために、ノンリコースローンにするのは筋が通っていると思います。
では、リコースともノンリコースとも書かれていないこの2事業者はどうなのでしょうか。
質問してみました。
それぞれの答え
質問:
貸付先が同一事業者で、担保不動産が別という貸付案件がある場合、これら案件は担保不動産ごとに独立しているノンリコースローンか、あるいは担保をまたぐリコースローンか?
まずはガイアファンディングからの回答です。
ガイアファンディング回答:
リコースローンとして募集させていただいております。
なお、ノンリコースにて募集させていただく際には、
ローンファンド詳細に記載をして募集させていただきます。
これはちょっとびっくり。ノンリコースだと思っていたら、リコースローンでした。
万が一どこかの案件で返済の焦げ付きが発生し、担保不動産の競売によっても元本を取り戻しきれない場合
同じ貸付先に対する別の案件にも波及する可能性がある、ということになります。
(重大な影響を及ぼす決定となりますので、その選択肢を選ぶかどうかは別の話ですが)
一方、アメリカンファンディング。
アメリカンファンディング回答:
物件は別、しかし事業者は同一という場合、特別の記載がない限りはノンリコース案件とお考えいただければと存じます。
弊社では、現地米国の州法によりますが、カリフォルニア州やテキサス州の募集案件では信託証書(Trust Deed /Deed of Trust )を登記し、当該物件に抵当権を設定しております。
これは、『万が一、債権者の私(Borrower)が住宅ローンを支払えなくなってしまった場合は、債権者(Lender)はこの物件を自由に売り飛ばしてもらって結構です。』という内容のもので、債務の不履行があった場合には、信託証書制度(Trust Deed System)を利用して物件の売却を行うことができます。
競売価格がローンの金額に満たない場合には、不足金判決(deficiency judgment)を求める権利もございますが、裁判にかかる費用や期間を要します。
一方、こちらはノンリコースローンでした。
予想としてはどちらもノンリコースだろうと思っていたので、ガイアファンディングの回答は驚きです。
いずれにせよ案件の焦げ付きが起きなければ一緒ですし、もし起きたとしても実際に案件を越えて請求を
行うと決まったわけでもありません。
ただ、二つの似通った事業者の意外な違いということで、紹介させてもらいました。
現在、ガイアファンディングへの投資額は約370万円、アメリカンファンディングへは約120万円です。
その他、私が実際に投資を行い、お勧めする事業者については、下記の記事もご覧下さい。
・(2018年9月版)SL初心者にお勧めの事業者
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 17:00
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はい、確認&記事にしました。私の対象額は59万円です。
想定の範囲かと言われれば、クロージングメールが来ている案件で実は遅延でした、はないだろうと思います。
ただ、広義の「ソーシャルレンディングのどこかの案件でいずれ遅延が起こる」という意味で言えば、もちろん想定の範囲内です。
以前のGIL社絡みでガイアファンディングにも検査は入っているはずで、おそらく今回の件は体制の問題ではなく個別案件の問題だと思いますので、まずは静観するつもりでいます。
ガイアでもテキサス案件で期失が発生しました。
想定の範囲内でいらっしゃいますか?
私は4万円投資中です。
ガイアファンディング、昔は最終貸付先がかなり共通していた覚えがあるのですが、今見てみると確かに違う事業者に貸し付けられていますね。
であれば、おっしゃられた様にプレッシャーをかける意味でリコースローンにするのは正しい判断だと思います。一つ心配なのは、その最終貸付先が他のところからも借りていて、そこもリコースになっていないか、ということですが。
アメリカンファンディングは確かに案件が既存のものですね。それと、アメリカンファンディングの方が問いあわせに関して丁寧に返していたのが印象的でした。
暑中お見舞いファンド、今調べましたがその通りでしたね。まあ案件が多くあればこういうのも出てくるのかもしれませんが・・・。
お代わりも前の案件の借り換えとなるので、万が一デフォルトした場合でも、エンド事業者1社に対して1プロジェクトになっている状況ですので、その系列以外の他のローンファンドには影響が無いように思います。お代わり案件がしつこく発生している現状、同じエンドでEXIT無しの新プロジェクトは無いという考えが見えます。
余談ですが、暑中見舞いローンファンドが以前ありました。募集理由が担当者死亡のため仕切り直しで再募集しますとあり、本当のお見舞いローンファンドにガイアファンディングには驚かされてばかりです…