2017年03月26日
「資産1億円ぽっちでリタイアする人の末路」という記事を読みました
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ちょっと題名に釣られました
本当は今回、ラッキーバンク案件の条件と蒸発速度を羅列考察するつもりで材料を集めていたのですが、
ネットをぶらぶらしていて、思わず題名に釣られました。
「資産1億円ぽっちでリタイアする人の末路」
いつもソーシャルレンディングの案件内容を見る時のように、この記事を見ていく事にします。
なお、公平のためにあらかじめ、私自身のポジションを明らかにしておきますと、
自分自身がこの程度の資産でリタイアするつもりでしたので、今回の記事には否定的です。
内容の前に、色眼鏡の色を選ぶ
さて、内容を見る前にまず、誰が何の意図を持った記事なのかを見ていきます。
そうすれば、何色の色眼鏡をかけてこの記事を見れば良いのか、分かるようになります。
@掲載媒体:日経ビジネス
対象→(当面仕事を辞めるつもりのない)ビジネスパーソン
Aインタビューしている人:鈴木信行氏
「宝くじで1億円当たった人の末路」という本の作者のため、この記事自体が販促記事。
Bインタビューされている人:玉川陽介氏
コアプラス・アンド・アーキテクチャーズの社長。この会社は不動産投資と海外投資メイン。
つまりこの記事は、ビジネスパーソンに対して
「小金が貯まった程度でリタイアを夢見ず、投資も行いつつ自己を高めてより良いポジションに登れ」
という事を主張したい記事だと思われます。
内容を見ていきます
「1億円程度では、余裕のあるアーリーリタイアは難しい」とのことですが、にわかには信じられません。まず、「仮に今、手元に1億円があり、そのカネを元手に投資商品を購入し、その分配金や配当だけで暮らせ」と言われたら、資産運用のプロとしてどういうポートフォリオを組むか、提示してもらえますか。
「1億円もらってリタイアした人の末路」という本を書いた人の言葉とも思えないのですが、これは
シナリオのうちという事なのでしょう。
その後、現物不動産無し、投資商品のみ(できれば投資信託やETF)と言う条件が付いているのは、
「1億円で現物不動産のオーナーになって不動産投資→アーリーリタイア」というモデルは
当面ビジネスパーソンを辞めるつもりがない、日経ビジネスの読者層に刺さらないからだと思います。
この条件に対しての答えが、3割VXXのショ−ト、他にハイイールド債ETFやARCC(投資会社ですね)に
投資する、というものでした。
ところで、これらの銘柄の、ここ5年の動きはこんな感じです。
リタイアする相手に勧めるボラティリティじゃないです。特にVXX。
しかも、ロングなら最大損失は投資全額吹っ飛んで終わりですが、ショートで持ったら損は青天井です。
投資商品のインカムゲインで食べていく戦略は、一度でも元本が大きく毀損すると回復不能になるリスクがあるんです。
それはその通りなのですが、それと見事に矛盾したポートフォリオになってます。
VXXをショートで持って暴騰したら、投資した3,000万円どころか、1億全て吹っ飛ぶリスクさえあります。
そして、さらに驚いたのがその後の部分。
それに仮に900万円首尾よく利益が出ても問題があります。今の時代に40〜50代で1億円の資産を貯めるには、2000万円以上の年収を何年にも渡って続けなければ難しいと思います。そういう人たちは貯金額も多いですが、消費額も多い。「気分は富裕層」なんです。おそらく900万円程度ではいずれフラストレーションが溜まるはずです。
いえ、そんな。年間900万って。
「夫婦でゆとりある生活を送るための金額」が月36.6万円と言われている時に、その倍以上の金額を
さらっと持って来られても、という気分です。
この後、記事は外国REITに一点張りするとか、デイトレードならどうかという話となり、
最終的には「1億円ではリタイアできない」というところに落ち着いていくわけです。
この記事を読んでの私見
結局、この記事の結論は、「1億円を投資して分配金で年900万円もらうのは難しい」というものであり、
「そんなの当たり前だろう」という感想しか抱きませんでした。
なにせ、1億投資で年900万円となると、税引後年9%(税引前年11.3%)です。
それを安定して得ようというのは、よほどのハイリスクか奇跡が必要でしょう。
ただ、この記事を擁護しますと、記事自体の論理構成はまちがっていないと思います。
そうではなくて単に、
@不動産以外の、値動きのある投資商品のみで安定収入を得る
A年の消費支出 900万円を投資利益のみで賄う
という前提条件が破綻しているだけです。
@については、値動きの少ない不動産やSLのようなインカムゲイン投資を選び、
Aについては、そもそも年間支出を半分以下(できれば1/3)まで落とす。
こういう方法を採れば、1億円の資産でアーリーリタイアするのは難しいことではないと思います。
良く、「稼ぐに追いつく貧乏無し」と言いますが、アーリーリタイアを考える上においては
「浪費に追いつく稼ぎ無し」と言ったところでしょうか(10億円レベルの資産あるなら別ですが)。
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posted by SALLOW at 16:50
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