2018年07月05日
現代ビジネスのグリーンインフラ記事に関する所感
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まずは媒体と著者をチェック
現代ビジネスのWeb版に、今回のグリーンインフラの記事が掲載されていました。
現代ビジネスだけではなく、全ての記事は(このブログも含めて)偏向していますので、記事の内容の前に
まず、発行媒体と著者を見る事にします。
現代ビジネスというと、週間現代のWeb版みたいなものでしょうか。
週間現代の記事のうち、ビジネス方面や政治方面の記事を引っ張ってきて掲載しているようです。
正直、煽りネタが多く、ビジネス誌とするにはちょっと・・・と言った印象を持っています。
(政治ネタや、時の出来事の裏を書いた記事は、上等かどうかはともかくバラエティは豊かですが)
著者は伊藤博敏氏。
フリーライターで、経済事件などの取材に定評がある方のようです。
こちらも記事の内容や著書を見る限り、煽りネタ、裏話、内幕記事が多い印象です。
*こういった業界であれば煽りや裏話の方がPVは稼げますので、企業として当然の選択ですが。
以上、媒体と著者から判断する限り、
「ファクト部分にはそれなりの信頼性があるが、煽りや黒幕系の話はバイアスがかかっている可能性あり」
と私は判断しました。
この色眼鏡をかけて、この記事を見ていこうと思います。
引用と所感
記事へのリンクはこちらです。一部引用しながら、所感を書いていこうと思います。
・細野豪志と5000万円渡した業者をつないだ「有名タニマチ」の名前
元環境相としての政治力に期待したのかも知れないが、現段階で裏ガネの要素はなく、悪質さが表面化しているわけでもない。
JC証券の田村謙治取締役が説明する。
「昨年10月19日、細野氏に5000万円を貸し付け、今年4月9日に返済を受けているのは事実です。貸し付けは銀行振り込みで行なっており、翌月には関東財務局に報告しており、裏ガネの要素はありません。また19日といえば投票日(22日)の3日前であり、選挙資金でもない。少し遅れましたが、昨年12月に契約書を作成しており、証券監視委の指摘を受けた返済というわけではありません」
新しい事実としては、「細野氏の貸し付け翌月には、その事実を関東財務局に報告していた」です。
遅ればせながら契約書もあるということで、少なくとも外面は正当な貸し借りだったのでしょう。
選挙3日前で選挙資金ではない、という一言については説得力ありませんが。
また、この発言者はJC証券の内部関係者ですから、JC証券を擁護するコメントになるのは当然です。
その上、田村謙治氏は元民主党の代議士。
お金の常識については、一般人のそれとはかけ離れている可能性も考慮する必要があるでしょう。
最近、この種の政治資金問題は、市民団体からの告発を受けて地検特捜部が捜査に乗り出すことが多い。また、証券監視委がJCサービスのソーシャルレンディングを使った資金調達について調べており、不正があれば証券監視委から特捜部への告発となる。
他の報道では、GIレンディングよりもmaneoマーケットの名前を大きく出ている事が多かったのですが、
その点についてはこちらの記事は真っ当だと思いました。
確かに金融二種の登録を受けているのはmaneoマーケットで、法律上はmaneoマーケットがお金を集めて
いる形になっている以上、責任を逃れる事はできません。
しかし、そもそもの原因はGIレンディングへ投資したお金が適切に使われていなかったこと、及びJC証券が
細野氏に5,000万円を貸し付けた政治資金疑惑です。
maneoマーケットがJCサービスと別会社である以上、maneoマーケットによる完全な監視は不可能。
であれば、一義的な責任はJCサービス側にあると考えるのが当然でしょう。
(念のためですが、maneoマーケットに責任がないという事ではありません。
実行犯と、それを監視しきれなかった人、どちらが主な罰を受けるべきか、という話です)
いずれにせよ、民主党政権下で要職を歴任、存在感を高めていた細野氏は、今後、5000円借金問題を引きずることになる。
それは調査・捜査の結果に委ねるとして、今、問うべきは、貸付先のJCサービスグループが行なっている自然エネルギー関連事業の怪しさである。
一方で、ここはちょっと首をひねりました。
JCサービスが行っている事業の怪しさ、というより、その事業につきまとう怪しい影、でしょうか。
事業そのものの怪しさについてはエビデンスもなく、この後の文章でも言及はされていません。
細野氏への5000万円はJCサービスからJC証券に貸し付けられた2億5000万円の増資資金の一部だったが、これも目的外使用を疑うことができ、それを理由にしたGILのファンド募集停止は、JCサービスへの資金供給の中断を意味し、同社グループに経営破綻の恐れが生じている。
投資家として一番恐れるのは、JCグループの破綻です。
逆に言えば、(道義的にはどうあれ)貸し付けたお金が返ってくれば、JCサービス社長が逮捕されようが
細野氏がしょっ引かれようがJC証券が更地になろうが、どうでもいいわけです。
maneoの募集しているDE社の案件がJCサービス案件だという噂もありますが、どうなんでしょう。
もしそうだとしたら、SESCに怒られない事を確認してやっているのでしょうし、投資家としてはそれで
JCサービスの命が繋がるなら喜ばしいことなのですが。
こうなった以上、たとえ問題が解決したとしても、今後のJCサービス関連の資金はmaneoが直接集めた
方がいいように思います。
この後、記事はJCグループと細野氏を結びつけた黒幕の話題へと繋がりますが、個人的にはその部分には
あまり興味がありません。
というのも、記事の最初で書きました通り、掲載媒体と著者はそちらに偏向している可能性が高い。と
私は判断しているからです。
まとめ
細野氏への貸し付け問題は、今後長い間引きずることにはなりそうです。
もっとも、JC証券の取締役が言う内容が真実であれば、銀行振り込み・契約書の存在があることから、
いわゆる「裏金」と認定される可能性は低いのではないかと思います。
(似たような事件で対比される猪瀬元知事の場合、5,000万円は手渡しかつ契約書なしです)
ただ、個人的には細野氏問題はそれほど興味がありません。
それに、細野氏問題とGIレンディングの目的外利用は分けて考えるべきだと思っています。
次のmaneoマーケットの発表は7/6。
JCサービスとmaneoとのやりとりはプロレスなのか、それとも本当の事なのか。
私も当事者の一人ではありますが、当ブログでは客観と主観は分けて、記事にしていこうと思います。
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 16:20
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maneoは街金みたいなもの、というか、私の中ではノンバンクと同じでほぼ街金のイメージです。
非常に好意に解釈すれば、ケフィアの問題に気づいたmaneoがうまく状況を納め、maneo投資家にダメージが入らないように差配したと言えるかもしれません。
(残っている動産担保が良くわかりませんが)
それと日経の件、貴重な情報を誠にありがとうございます。早速記事にさせてもらいました。
いずれにせよmaneoには、これを良い教訓と捉えて内部をもう一度見直して欲しいですね。
店子がオイタをやらかしたら大家の責任。安易にファミリーを広げるリスクは、今回のことで身にしみて分かったでしょう。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3267297005072018MM8000/
実質、街金みたいなものかもしれませんけど、もう少し貸す相手を調べて欲しいですね。
こちらこそ、貴重な情報をありがとうございます。
先ほど記事をアップしましたが、7/11のGILの償還は遅延、とのことです。
1.について、この遅延で残念ながら、DE社案件はJCでない可能性が高まりました。
maneoが裏でサポートしているのなら、返済資金をmaneoマーケットが調査する必要はないでしょう。
2.と3.に関しては、JCサービスの業務がどの程度実業かにもよりますね。
少なくとも全てが虚業ということはありません(バイオマスは確定)し、他の太陽光についてもそれなりの実態はあるのでしょうが、あれだけの金額を集めるだけの実態があるかどうかは不明です。
現状を考えるに、楽観視は禁物と考えています。
4.はmaneoとしては、「うまく回避した」とも言える案件です。
ただタイミングがタイミングだけに、心証のさらなる悪化は避けられませんね。
私もソーシャルレンディングに高額を投下してはいますが、勉強しなければならない事はたくさんあります。これ以上私に合う投資は今のところ見つかっていないので、リスクは承知しつつ、多少のダメージは覚悟で行くしかないこともあるな、と思っています。
未入力 様
先ほど、最新記事をアップしました。
資金が到着しながらも調査のため償還できない理由は、ポンジを疑っているからでしょう。
もし内容の精査もせずに投資家に返済してしまえば、将来関係のない投資家にダメージを与えることになります。それはmaneoマーケットにとって致命的な損害でしょう。
いつも勉強になります。
ところで、GILの償還金についてmaneoとグリフラより発表がありました。
ぜひ、記事にして欲しいです。
1. が投資家にとって「maneoがソフトランディングしてくれる」という期待に背く悲しい事実だと認識しています。とはいえ、私もまだjcの可能性もかすかに期待しています。
2. は、私も長い目で見ています。タイの発電も含めて、堅実な事業をしていると信じていますので、全損に近い事にならなければ納得できるように気持ちを持っていければと。ただ、jc証券が限りなく黒いので、
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180705/k10011510791000.html
それと金融庁との絡みでmaneoが助太刀しきれない懸念もあります。
3. の資金繰りが厳しいのも、実質自転車操業なのも事実であると思うしかなさそうですね。その上で、jcとmaneoの投資家第一への姿勢と足並みの統一を心から願うだけですね。
4. は改めてエネルギー事業への投資リスクの高さを再認識させられて、ニュースだと感じました。(とはいえ不動産担保も虚偽設定であれば意味無いので何を信じれば…)どの事業者に、どの案件に投資するか、出資先の匿名性の開示にも期待して、懸命なソーシャルレンディング投資家に成長したいと思います。
他に続報があればまたコメントさせて下さい。
引き続き、ブログの更新を心待ちにしております。
ありがとうございました。
コメント、貴重な情報をありがとうございます。
私の場合、GILへの投資額はもう少し少ないくらいですね。
1.これは残念です。
taka_analytics様のコメント通り、問題を起こしたGILでこれ以上の募集ができないのであれば、maneoがその分を迂回融資(と言うと悪い事のように聞こえてしまいますが)してくれれば、JCサービスの延命には繋がったのですが。
しかし、この内容だけあっさり否定するというのも、何か違和感を感じます。
2.まあ、半ば予想はしていました。
DE社案件がJCサービスでなかったということは、JCサービスとmaneoは実際に仲違いをしている可能性が少し強くなりました(プロレスの可能性も否定できませんが)。
その上で初回の償還から躓くとなると、かなりの自転車操業、良く言えばリファイナンス状態にあったということですね。
私としては時間をかけてでも償還をしてもらえれば良いのですが、さてここはmaneoマーケットの腕の見せ所でしょう。maneo本体でもほとんど起きていない遅延や貸し倒れ、店子で起きたとなれば信用の失墜は免れません。
3.自転車操業とリファイナンスお代わり案件は紙一重ですから、リファイナンスとは言っても自転車操業だとは決して言わないでしょう。
個人的にはその二者の違いは、資金供給が断たれた時に立ちゆくかどうかだと思っています。そういう観点で見れば、JCサービスのそれは自転車である可能性が高いですね。
資金用途の認識の違いについては、私もだいたいそのようなものだと思っていました。となると、一件をまとめれば「細野氏への政治献金問題が持ち上がる→maneoマーケットが調査に入りGILを停止→JCサービスのリファイナンス停止」という事になるのでしょうか。
4.なるほど。maneoの太陽光はこのあたりの業者でしたか。
しかしこれは、読んでみるとmaneoの問題ではなく、ケフィアグループの問題に見えるのですが。
動産譲渡登記が抹消されていないというのも一面の事実であり、もしmaneoから貸し付けを受けているのであれば当然の内容だと思います(その動産が会員の所有物ならともかく)。
素行不良が疑われる事業者に貸し付けてしまったという道義的責任はともかく、法律的にはmaneoには特に問題がないかと捉えましたが、いかがでしょうか?
本件当事者の私も色々と調べております。特にGIL(HP上では無く、投資時の重要事項説明書の最後に掲載されている会社電話番号)とjcサービスには何度も何度も電話問い合わせをしております。その上で知り得た情報を共有させて下さい。
1. 案件DEはjcサービスとは無関係。
こちらはGILにストレートに問い合わせてみると、明確に否定されました。他の質問には答えられないと濁す電話窓口ですが、この問合せには明確に否定するように支持されているように思いました。(個人的には否定して欲しくなかったのですが…)
2. 7/11の分配、償還日から既に遅延か。
(こちらは直にわかる事ですが…)
こちらは返済日の夕方にGILとjcに今月はきちんと全部返済できたのか問い合わせてみました。どちらも最終的には答えられないという対応でしたが、GILでは一回目に「一部の入金しか確認できていない」と言われ、数時間後の二回目の問い合わせで答えられないと言われました。
jc では「投資家の皆様にご迷惑の無いよう、『長期的に』努力して『いきます』、これ以上は空気を読んで下さい。」返済できたのか否かの結果を聞いているのに、必ず未来進行形で答えるところに、今回から既に資金調達が間に合っていない感じがしました。これより、スムーズな償還の淡い期待は諦めました。
3. jc サービスの問い合わせ対応について。
HP記載のお問い合わせからjcサービスにGILについて電話すると、基本的には経費福祉の女の人が対応してくれます。自転車操業の件、政治資金の件等は明確に否定してくれていましたので、今は疑念を持ち始めていますが、当時は明確な返答に好感を覚えていました。また、jcのリリースの通り、資金の用途の認識の違いはあくまで「出費済みの案件費用を後から資金募集して補充した」ことがmaneoマーケットに認められなかったとも明言してくれました。その上で事前の出費が他ファンドの資金ではなく「自己資金」である事も明言してくれ、かつリリースにも誤解の無いようにこの自己資金という言葉を追記してもらいました。
また、深い話題には法務部長の男性の方が対応してくれました。現在社内はバタバタで、関係者全員が出払っており、必死で償還金の捻出を図っているという内情を聞きました。
特に経理福祉の女の人の対応には信頼感を抱いておりましたが、恐らく真実は彼女も知らないのでしょう、今となっては何も信じない方が良いと感じています。
4. 直近の話題
http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20180705_03.html
こちらは、GILとは無関係と思いますが、スルー出来ない話題です。所感お待ちしております。