2018年04月06日
LCHDの代表取締役にダヴィンチの金子氏が就任予定:私の所感と投資方針
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プレスリリース内容とダヴィンチ崩壊の理由
既に当ブログにいくつかコメントをいただいておりますが、LCレンディングの転機になるかもしれない
ニュースが、4/3のLCホールディングス(以下、LCHD)のIR情報に掲載されていました。
・代表取締役の異動等のお知らせ
LCHDの代表取締役であった本庄氏が電撃退任、6月の株主総会で金子氏が代表取締役に就任予定。
金子氏と言えば、不動産でかつて勇名をはせたダヴィンチHDの代表取締役です。
・DAホールディングス Webサイト(旧ダヴィンチHD)
そのダヴィンチHDは2010年6月にJASDAQ(当時ヘラクレス)の基準に触れ、上場廃止となっています。
この時には110億円という巨額の債務超過状態にあったとのこと。
私は当時、不動産株は触っていませんでしたが、なかなかの大騒ぎだったようです。
(そういう私もライブドアを触って火傷した身なので、当時の事はあまり話題にしたくないのですが)
ダヴィンチが吹き飛んだ直接の原因はリーマンショックだったのですが、潜在的な危険はビジネスモデル
そのものにあったようです。
通常、不動産ビジネスは適正な価格で不動産を購入し、その改修などを通じて価値を高め売却することで
利益を生むビジネスモデルです。
これに対してダヴィンチでは、高額でもともかく不動産を掴み、その後で家賃をつり上げていく方式。
さらに取得代金の大半を銀行から借り受けるというハイレバレッジ状態だったため、リーマンショックで
不動産価格が崩壊すると、一気にビジネスモデルが崩壊したということのようです。
所感@
今回の社長交代劇ですが、その背景については現在得られる情報で確定した事は言えそうもありません。
以下、情報のブツ切りとなりますが、所感を書いていきます。
今回の交代の直接要因は、LCHDの所有する「ポーリー・プラス投資法人」の運用開始が遅れ、今期中には
間に合わなくなったという責任を取っての事だと思います。
それ自体は仕方ありません。経営責任は取らなければならないでしょう。
・参考記事1:「ポーリー・プラス投資法⼈」⽇程変更のお知らせ
・参考記事2:「ポーリー・プラス投資法人」運用開始日延期のお知らせ
しかし、LCHDの本庄氏は代表取締役を辞任するだけでなく、取締役からも辞するとのことです。
私には、少し過激な人事に思えます。内部で混乱でも起きていないといいのですが。
その点(過激な人事)を除けば、LCHDの筆頭株主が本庄氏であることから、LCHDの価値を最大限に高める
ための施策をした、という見方もできるでしょう。
所感A
そういえば旧ダヴィンチ、今のDAホールディングスですが、実は純利益が出ているようです。
(直前期での連結純利益 17.6億円)
・DAホールディングス 有価証券報告書
ダヴィンチ時代に債務超過を起こした状態からここまで復活したということは、その途上においてかなりの
債権が放棄、あるいは格安で買いたたかれたものと推定できます。
ということは、ダヴィンチ、ひいては金子氏は相当金融機関の恨みを買っているのではないでしょうか。
ポーリー・プラス投資法人の運用開始が遅れたのはもしかして、LCHDが金子氏と深い繋がりがある事を
金融機関が忌避したのでは・・・? などと邪推してしまいます。
もし上記の邪推が正しいなら、金子氏がトップに立ったら風当たりはなお強くなると予想されます。
それとも、現在ポーリー・プラスを引き渡そうと交渉している金融機関とは別に、金子氏のコネクションを
使って、別のところに引き渡す事を考えているのかもしれません(勝手な推測ですが)。
さらに勝手に推測しますが、その引き渡し先、海外の投資家や金融機関かもしれないと考えています。
LCレンディング山中社長のブログのコメント返信に、以下の一文がありました。
その点に立ち返ると、海外を含めた投資家に広いコネクションを持ち、不動産ファンド事業の経験豊富な方が新しく社長となることはプラス要因です。
子会社LCレンディングの立場としても前向きにとらえています。(抜粋)
・参考記事:LCレンディング社長のブログ 4/3のコメント欄(4番目)
別に海外が悪いというわけではないのですが、どうせなら日本勢に購入して欲しいところですね。
所感B
2016年2月時点で、LCHD(当時ロジコム)とダヴィンチの株が交換されていて、この結果として金子氏は
LCHDの大株主、特別顧問に就任しています。
・株式会社ダヴィンチ・ホールディングス株式の取得及び資本業務提携
(ロジコムのプレスリリース)
それはいいのですが、上記リリースの「6.割当予定先の選定理由等」の(2)に以下の内容があります。
なお、本新株式の割当てにより金子氏は当社の大株主となりますが、同氏は当社が目指す今後の不動産ファンドの戦略について理解を示し、当社の企業価値向上に向けて最大限に協力する意向であることから、株式についても長期で保有する方針であり、当社及び当社グループ企業の取締役に就任する意思がないことにより、今般同氏を割当予定先として選定することといたしました。 (抜粋)
この声明からわずか2年での翻心は、さすがに色々考えさせられてしまいます。
別に、取締役に就任する意思の有無は重要事ではないと思うのですが。
それと、長期保有方針であることを確かめただけ、というのはどうなのでしょう。
普通はそういった場合、ロックアップ条項で短期転がしができないように縛るべきだと思うのですが。
(結果として短期売り抜けは無かったようですが、それは結果論にすぎません)
所感C
この発表を受け、4/5のLCHD株価は相場に逆行して反落する形となっています。
(SBI証券のサイトより引用)
もっとも株掲示板などの評判を見る限り、この下落は金子氏の就任をネガティブに捉えているというよりも
LCHDの先行きが不透明になったことを嫌気した利益確定売りのような気がします。
今後きっちり結果を出せば、株価は回復するのではないでしょうか。
(私の株予想は、ほとんど説得力がありませんが)
所感D
これはもう完全な想像、というか妄想かもしれませんが。
・今回のLCレンディングの社長交代
・瀧本氏のmaneo社長降板予定(maneoマーケット社の方は継続)
・maneoマーケットによるブルーメロンキャピタル(プレリートファンド経営母体)の買収
の3つのニュースというのは、何か共通の事が動いているように思います。
瀧本氏は昔、ダヴィンチ全盛期の頃に出資を受けた事もあり、金子氏との関係はあります。
REIT投資法人を立ち上げたLCレンディングの社長に金子氏が就き、また同様にREIT関連を扱うプレリート
ファンドが瀧本氏が代表を務めるmaneoマーケットの子会社となっている。
ちょっと偶然とは思えないのですが、皆さんはどう考えますでしょうか?
今後の投資方針
最後に、私の今後の投資方針です。
今回の社長交代劇の直接要因がポーリー・プラス投資法人の運用延期にある以上、強力な不動産投資の
経営者である金子氏の就任は、少なくとも短期的にはプラスだと思います。
懸念するのは、LCHDが積極的な経営姿勢に舵を切る事です。
金子氏が以前のダヴィンチで、ハイレバレッジかけ資金と案件をブン回した失敗をきちんと学んでいれば
良いのですが、懲りもせず同じ事を繰り返した場合は大問題でしょう。
なぜならその場合、ハイレバレッジ(=ハイリスク)案件の資金がソーシャルレンディングで募集される
という事が容易に予想されるからです。
ソーシャルレンディングのキモは「堅実なインカムゲイン投資であること」です。
ハイレバレッジ投資用の資金調達は、その特徴とメリットを台無しにしてしまうでしょう。
もしそういう方向に舵を切るなら、私はLCレンディングから撤退を検討します。
が同時に、現状においてはLCレンディングへの投資は継続します。
特に、現存する案件については今回の社長交代の影響は少なく、むしろREITへの売却がスムーズに進む事が
期待されるため、社長交代前からある案件への投資は引き続き積極的に行います。
その後については、金子氏が就任した事による経営方針の変化には良く気を配り、懸念が的中した場合には
すぐに撤退できるよう、若干投資期間を短めにしておきたいと考えています。
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リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 10:00
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コメントいただいて、山中社長のブログを見に行きました。
なるほど、気を持たせるような内容ではありますが、面白そうな事が書いてありますね。
LCとかmaneoが組んで、不動産やらREITやらで色々始めようとしているのは素直に応援したいところです。
ただ、それでSLが劇的に変わるような事は、できればして欲しくないですね。SLは堅実なインカムゲインが売りですので、急激に噂が広まって爆発的な評判となるような動きは相応しくないと思っています。
【現段階では書けないけれど近い将来には新しい展開もありそうですし】
これが所感Dに関する事であれば面白くなりそうですね。
スマートレンドですか。それなりに競争になりそうですので、ご武運をお祈りします。
(これまでの状況から、大資本が複数投入されなければ大丈夫そうですが・・・)
私はどうしようか少し迷っていますが、とりあえずLCレンディングには再投資しました。今のところ私の投資額は、maneo>LC>SBI>クラウドバンク、というところです。
後は、スタートでやらかしましたがプレリートファンドも気にはなっています。
瀧本社長がmaneo代表を辞するという話も含めた動きから、今後はプレリートがソーシャルレンディングの一つの話題になるような気がしているからです。
であれば、野次馬根性でちょっと近づいてみようかな、と思っています。
本庄氏については本当にその通りですね。内紛ではない(その可能性は高いと思いますが)という前提に立てば、予定調和だったのでしょう。
ただ、ここまでLCを率いてきた代表取締役にして筆頭株主ですから、最後はプレスリリースだけではなく事情の説明をしていただきたかったと思います。それもなかったので、今回のように突然に、かつ過激な人事と見られてしまったのではないでしょうか。
yos 様
はい、maneoマーケットの社長に専念されるとのことです。
(記事の内容を、降板「予定」と修正しました)
これと、maneoマーケットがプレリート経営母体のブルーメロンを子会社化したという話はおそらく無関係ではなく、何らかの動きがあると思っています。
悪い意味ではなく、ソーシャルレンディングが一つの岐路に立っている気がしますね。今後の動きが少し不安でもあり、楽しみでもあります。
子会社側の社長を辞めて親会社の社長だけにしたようで、良くある何とかホールディングスみたいな形にするということでしょうか。
そう考えればまあ良くある話なのかなという気もして来ます。
私は、見切りをつけたわけではなく、再投資を一旦停止して、出金しました。明確な理由として、スマートレンドの超短期案件に金子氏ならぬハイレバレッジをかけて投資を行うことを決めたからです。
どうにかなる可能性が低いかつ利ざやを稼ぐ価値があると判断しました。
現状マネオが投資額を減らしていて、レギュラー落ちしているためこちらに増資していきたいのもあります。たぶん、スマートレンド償還後は、マネオ行きとなる見込みでそれでもLCが投資額の筆頭ですから信頼をいかに寄せていたか自分でも再確認しました。
LCにお正月辺りからキャンペーンで偏り出したので調整です。
そして、自社でやるのも分かりますが、瀧本社長も開発からリートへ一気通貫という思いのブログの通り、何らか力があると思います。
LCの企業買収案件の大口専用ファンド問題があった去年の夏くらいからたぶん譲ることは予定調和だったのではないかと思います。本庄氏も高齢ですし、いつまでも今の座にとどまるわけではないと決心すれば期末に退職されるのも時期としては納得出来ますね。
本庄氏には、今までお疲れ様でしたという気持ちとまだ早すぎるよと半々です。惜しまれる人ほどという典型です。
一度の失敗で人を評価するのは(特に日本人の)悪い癖だとは思うのですが、それでも上場廃止にまで会社を追い込んだというのは残りますからね。
まずはその部分をきちんと反省しているのかどうか、様子を見てみることにします。
それはそうとして、既存の案件は金子氏には関係ないのでおそらく大丈夫だろうと判断をしています。
そのため本日、償還された200万円と少しは全額再投資に回しました。追加資金の投入までは考えていませんが、当分これで様子見です。
sanpuu 様
何か、REIT(プレリート?)の一大プロジェクトが動いているような気がしています。
ただそうなるとタイミング的にはあまり良くないですね。数年前ならともかく、2020年を境に雰囲気は変わるでしょうから、そこを生き残る戦術が欲しいところです。
今後の事を考えると、事業者が上場企業など堅い案件に投資を変更していく必要がありそうです。
正直、あまり堅いのも面白くないのですが、アーリーリタイアを視野に入れた場合はそうそう遊んでもいられないので、考え方を少し変えようかと思っています。
何となくなのですが、ソーシャルレンディングが一つの岐路に立っている気がしますね。存亡の危機ではなく、今後安定的に発展していくための岐路という意味で。
特に所感Dのmaneo社の社長交代もほぼ同時に行われている辺りは
裏で何か話し合いが行われていたのは間違いないのではないでしょうか。
今後どのような展開になるかは全く予断を許さないのですが、
注視が必要なのは間違いなさそうです。
ソーシャルレンディング業界に上場企業を含む新規参入があるそうなので、
選択肢が増えるのを多いに期待したいところです。