2018年03月24日
「仕事やめたい40歳 遺産1億円で人生逃げ切れる?」という記事を読みました
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年代と財産が似ていたので
今回はNIKKEI STYLEの記事です。
「ゴールから逆算する家計改善メソッド」というシリーズタイトルです。
今回の記事でも、「遺産を1億円ゲットした。これで人生逃げ切ろう」というゴールが設定されています。
・仕事やめたい40歳 遺産1億円で人生逃げ切れる?
ゴール(目標)を設定するのは、マネーライフプランにおいては必須でしょう。
全ての計画は、「幸せになりたい」といった漠然とした目標を数値化する事から始まるのだと思います。
また、当たり前ですが人生には色々なアクシデントが付きものですから、家計の計画というのは硬直して
いるものではなく、アクシデントや変化を柔軟に受け入れるようなものであるべきです。
さて、この記事ですが登場人物が私の境遇と似ていることから、興味を持ちました。
歳はだいたい同じ、財産もだいたい同じ(私はまだ億ってはいませんが)。
異なるところと言えば、家族構成と財産を手に入れた経緯、そして仕事に対する姿勢でしょうか。
ということで、少し記事を紹介したいと思います。
執筆者は独立系ファイナンシャルプランナーの前田晃介氏。
また、個人向けの人生シミュレーションプラットフォーム「MILIZE」が協力しています。
おそらくこの方々の立場としては中立ですが、あっさり「逃げ切れる」という結論では記事にならないので
「逃げ切れないけど条件を変えれば行けるよ」という事になるのだろう、と想像していました。
(もし独立系FPではなく企業寄りのFPなら、「夢から醒めて働け」という結論になるでしょう)
財産規模と投資の話
さて、この相談者ですが遺産で1億円が転がり込んだとのこと。
合法の範囲に限った話ですが、どんな経緯で手に入ったかに関わらず1円は1円です。
貯蓄のみで貯めても、投資で貯めても、遺産のような臨時収入であっても、1億円の価値は変わりません。
問題なのは、その財産を持つ者が、それだけの下準備を整えているかどうかだと思います。
とかく日本人は労働は貴く、あぶく銭は卑しいと教えられていますが、私はそうとは思いません。
運も実力のうちなら、あぶく銭を手に入れられた運も実力のうちでしょう。
紙幣と硬貨に貴賤はありません。
「それで1億円を元手に増やしてみようと、スマートフォン(スマホ)の広告に出ていたFX(外国為替証拠金取引)や仮想通貨に投資してみたんですよ。最初、100万円ももうかったんで『これならいけるかも?』と投資額を増やしたら、あっという間に1000万円の損失が出ちゃいまして」
記事では上記の行動を否定的に捉えていますが、私は思いがけず手に入った資金を投資に回すという行動
そのものについては、間違いだとは思いません。
手元資金が100万円しかなければ、最大でも100万円のリスクしか取る事ができませんが、1億円あれば
数千万円分のリスクを取る事ができるからです。
それは、リスクに応じた同等のリターンを得るチャンスでもあります。
相談者の場合、単に知識無しにFX&仮想通貨という修羅道に飛び込んだのが問題なだけです。
(私もFXでロスカット食らった経験があるので、自戒も込めて)
それにしても、生活費が多い
もう一つ、記事から引用させてもらいます。
Eさんの家計状況を聞いてみると、月の支出は35万円ほど。つまり年間支出は420万円です。独身の気安さからか、全体的な支出も多め。都心住まいで住居費が高めなのは仕方ないところもありますが、趣味娯楽費が突出しているのが気になります。
月に6万4000円ものお金を費やす趣味とは何なのか聞いてみたところ、「ゲームです」とうれしそうに答えるEさん。「毎月、新作のゲームソフトを買ったり、スマホゲームの課金につぎ込んだり……。課金だけで月に1万〜2万円は使ってますね。あと、ゲーム仲間と集まって遊んだりする『オフ会』にもお金がかかります」と話します。なるほど、Eさんの生活が見えてきた気がしました。
この後に、相談者の支出状況(月35万円)がグラフ化されています。
この支出状況ですが正直なところ、私に言わせればセレブかお大尽の支出です。
相談者は独身、対して私は既婚の子無しですので若干の違いはありますが、この支出は私の家計の支出の
2倍弱くらいの金額があります。
もちろん、何にいくらのお金を使うかはその人次第。
ゲームに使うも車に使うもグルメに使うも、人に迷惑さえかけなければ趣味にも貴賤はありません。
1億円という財産があれば、よほどの高額な趣味でない限りは存分に楽しむ事もできるでしょう。
ですが同時に、節制もせずリタイアに突入するには、1億円という財産は十分とは言えません。
実際にこの相談者の方は、リタイア前後のいずれにおいても節制する気はなさそうです。
シミュレーションを変更してみます
この後資産のシミュレーションを実施したり、年金の話(リタイアすれば年金額は減る)という話題にも
触れながら、記事は「もう10年リタイアを伸ばせばいい」という結論に達します。
この結論自体は、前提条件から考えれば妥当なものだと思います。
ただちょっと気になるのは、ファイナンシャルプランナーなのに投資の話を一切しない事です。
シミュレーション条件をちょっといじれば、相談者の望む生活は不可能ではありません。
・41歳で元手9,500万円(変更無し)
・生活費は年間400万円(変更無し)
・年金は65歳から年間100万円(変更無し)
・税引き後利回り3%で投資(変更)
という条件でシミュレーションをやり直すと、財産は92歳まで保つ事が分かります。
もちろん投資ですので、リスクが無いとは言えません。
各人の考え一つで、10年働くか、投資するか、その中間のどこかを選ぶか、決めれば良い事だと思います。
相談者がゲームに傾けている情熱のいくらかを投資に振り分ければ、年利3%くらいの投資を長期間に
わたって実施する事は、それほど難しい事ではないでしょう。
きっとこの相談者なら、ゲーム三昧の生活という人参があれば、そのくらい苦にもしないはずです。
マネーライフプランと仕事の本質
目標を決め、マネーライフプランを作るもう一つの利点は、仕事の本質に向き合える事だと思います。
例えば今の私の場合、ソーシャルレンディング+その他で暮らしていける収入はあります。
だからこそ、この記事にある相談者のように
「仕事の内容に興味が持てない」
「職場の人間関係も悪い」
「出世コースに乗れず先の展望もない」
という事があっても、私にとってそれはストレスになりません。
興味が持てない仕事も、面倒な人間関係も、適当かつ適切に何とかすればいいだけの話です。
出世についても、これ以上昇進したところで給料はあまり増えず、責任だけが重くなる事は明らかですので
今の職位のままであと数年勤められれば文句はありません。
(どうせ、職位に関わらず無体な仕事は飛んで来ますし、それはそれで片付ければいいだけなので)
こういった私の態度は、経営者よりの考えをする方から見れば噴飯物かもしれません。
しかしそもそも、仕事というのはそこまで神聖視するべきものだったでしょうか。
考え方は人それぞれでしょうが、私にはどうしてもそうは思えないのです。
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posted by SALLOW at 12:00
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| アーリーリタイアと雑記
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そうですね。仕事や職場以外に居場所がない、という側面もあると思います。
ただ彼らはそういう時代に生まれ、それ以外の選択肢がない状態で数十年を過ごしてきましたので、今さら考え方を変えろと言われても難しいでしょう。
そういう人々と私の考えが合わないのはしかたないことですし、無理に関わってもお互いにとって不幸な結果にしかなりませんので、言い方は悪いですが「放っておく」のが一番かと思います。
コメントありがとうございます。
過分なお褒めの言葉もありがとうございます。励みになります。
さて、記事内での3%投資ですが、あくまでも一例であることはご承知おき下さい。
その上で3%が可能かどうかと言われれば、まず足下の状況なら可能だと思います。ETFならおっしゃられた様にPFF、AGG、あるいは値動きを容認することになりますがVT、VOOなど。
国内ならディフェンシブ株、セゾン投信やひふみ投信、バランス型投信、REIT。不動産投資にもちろんソーシャルレンディング。その時々の景気の状況に応じて分散投資すれば良いと思います。
この相談者の場合、1億円近い原資があるので、分散投資の効果も高いでしょう。
この運用が生涯続くかと言えば、無責任な言い方になってしまいますが「誰にも分かりません」。
ですからマネーライフプランをきちんと組んで、数々の投資商品を取り巻く状況にアンテナを高く上げ続ける事が重要だと思います。
それでも投資が成功するかどうかは分かりませんが、80歳になってまで今と同じ支出ではないでしょう。その時は支出も含め、また見直しをすればいいだけのことだと思います。
いつも貴重な記事の掲載有難うございます。
毎回大変勉強になり参考にさせていただいています、
また真摯なブログの運営方法にとても共感を覚えてもおります。
しかし本記事の税引き後利回り3%で投資を安定して生涯続けるのは
昨今の経済状況では難しいのではと思ってしまいます。
株式投資を長期に考えればトータルではと思いますが、それでも私には難しいと
思わざるをえません。
海外ETFのPFFなどは価格変動がほぼ無く配当も安定してはいますが・・
私の知識不足もありますが、
SALLOW様のお考えを教えていただけると大変に参考になります。
いつかご披露いただけると勉強になります、
よろしくお願い致します。
コメントとお褒めの言葉、ありがとうございます。
結局は自分の事を言っているだけなので、万人に共通するような考えではないと思いますが、なにがしかのご参考になれば幸いです。