2018年01月25日
「銀行窓口で絶対に聞いてはいけない「3つのNG質問」」を読みました:銀行はどこに行くのかというお話
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マネーの達人の記事から
マネーの達人に、なんとなく懐かしい記事がありました。
・銀行窓口で絶対に聞いてはいけない「3つのNG質問」
NG質問を3つ、と言われて「3つ?」とちょっと考え込んでしまったのですが、答えを見てみますと私の
考えた答えは、NG質問2つ分を合わせたものでした。
ちなみに私の考えたNG質問は、「どんな商品を買うのが有利でしょうか?」でした。
こちらの記事における答えは、以下の3つだそうです。
ちなみに私の考え付いた答えは、@とBを合わせたもの、と解釈できると思います。
@「おすすめの(金融)商品はなんですか?」
A「固定金利と変動金利のどちらがおすすめですか?」
B「どんな投資商品を選ぶとお得ですか?」
情報の非対称性は利益の源泉
これら一つ一つについては、反対する余地がありません。
銀行は金融商品のプロではなく、金融商品を売るプロだ、というのは散々言われてきた事です。
フィデューシャリー・デューティー(*)という、普通に考えればあたりまえのように思える概念が
金融機関のあり方を根元から揺さぶっている事でも分かります通り、現在の日本においては金融機関と
顧客の利害関係は一致どころか、むしろ相反しています。
*受託者責任。金融機関などは、資産を預けた人の利益を最大化する義務があり、
それに反した行動を取ってはならない、とするもの。日本再興戦略として進められている。
・当ブログ参考記事:「受託者責任原則」が確定したという話
金融機関の利益最大化のためなら、顧客をカモにすることも厭わない。
高手数料投資信託の買い換えを促す手数料ビジネスなどは、まさにその典型例です。
もちろん、全ての金融機関でこんな事が行われているわけではないでしょうが、一事が万事と思われても
仕方のないところはあると思います。
(ソーシャルレンディングでも、某事業者のみで行われた悪質なスキームが全体の評判を下げるために
印象操作として使われている記事は、探せば数多く見つける事ができます)
最初は@とBがどう違うか少し悩んだのですが、記事では@の例を「カードローン付きキャッシュカード」
と書いてありましたので、違いが分かりました。
カードローンは銀行における重要な利益ソースですから、銀行はこれをゴリ押ししてくるでしょう。
Aについても有名な例ですね。変動金利と固定金利のどちらが有利かは、誰にも分かりません。
となると、銀行の都合でどちらが良いのかをお勧めされることになります。
@〜Bの全てに共通することは、情報弱者から利益を巻き上げようとする行為であるということ。
言い換えれば、「情報の非対称性」を利用して利益を上げようとする、会社としては当然の行動です。
情報の非対称性は、情報を持っている側が持っていない側に情報を提供する「シグナリング」か、あるいは
情報を持っていない側による開示請求、「スクリーニング」によって解消することができます。
ただ、そもそも日本人は金融教育をまともに受けていないので、開示請求すら難しいでしょう。
「何を知らないか分からない」状況では、何を開示請求すれば良いのかさえ理解できないからです。
こういった状況を利用して利益を稼いできた金融機関ですから、フィデユーシャリー・デューティーを
徹底するように、と政府に言われただけで激震が走るという羽目に陥るわけです。
なぜ今この記事なのか?
この記事の内容については、特に反対意見はありません。真っ当な事を書いてあると思います。
記事を読んだ当初、私の正直な感想は「なんで今頃この記事?」でした。
そしてその後で、「今だからこそ、この記事なのかな?」と思い直しました。
去年のニュースですが、3メガバンクにさえリストラの嵐が吹き荒れ、予定者は3万人を超えるとか。
・参考記事:「銀行が消える日」がやってくる (日経ビジネス)
・参考記事:メガバンク3行が大リストラ。銀行業界は「構造不況業種」になってしまった
(HUFFPOST)
各行ともに「リストラではなく、より創造的な業務へと異動する動き」と出張していますが、超低金利の
このご時世、銀行の利益が激減している事は誰でも知っています。
そもそも、数字を使うオフィスワーク一筋の人が「明日から営業な」など言われても対応できずはずも
なく、リストラではないと強弁するのは結構ですが信用されるかは別の話でしょう。
*あと、個人的にはこの人員整理の手段となったAIやRPA(Robotic Process Automation)についても
色々書きたい事がありますので、そのうちネタにするかもしれません。
メガバンクさえ大変な事になっているこの状況、地方銀行などはもっと深刻な状況でしょう。
かつての花形職業、高収入職業の代表例であった銀行の凋落が見えて来た今、この記事は「今向け」と
言えるかもしれません。
銀行の行く末
最近、フィンテックに総称されるように、金融に関する話題はとても豊作です。
当ブログで取り上げているソーシャルレンディングを初めとして、ブロックチェーン技術、仮想通貨、
スマートペイによる購買情報のビッグデータ取り込みなどなど。
そんな中、日本の銀行はこれらに関して、少しでも関与してきたでしょうか。
ここのところ銀行がやってきたことと言えば、まだまだ使い勝手が良いとは言えない銀行/証券の連携や
個人向けローンなどへの参入くらいしか、ぱっとしたものはないように思えます。
(その個人向けローンでさえ、最近は規制の動きがかかってきています)
ここ最近のニュースを見ると、銀行は口座管理手数料の導入を考えているとの情報もありました。
海外では当然の制度、と銀行側は主張しているようですが、ここは日本です。
こんなものを現状で導入したら、なおさら首を絞める結果になるような気がします。
日本のメガバンクは「Too Big To Fail」と言われる、「大きすぎて潰せない」銀行です。
上記のような対応に終始するなら銀行の未来は暗いような気もしますが、かと言って潰すこともできない。
銀行の行く末はどうなるのか、これからも見ていきたいと思います。
なお私が一番恐れるのは、銀行が一念発起、かつてのノンバンクや商工中金の領域に乗り込むことです。
そこは今やソーシャルレンディングのステージですので、そこに銀行ほどの巨大資本が参入してしまうと
既存の事業者などあっけなく薙ぎ払われ、個人が参戦できなくなってしまう可能性が高いです。
今のところそんな動きはありませんが、これも注意深く観察していくつもりです。
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posted by SALLOW at 11:10
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