2017年12月26日
(追記あり)ビットコイン 17年最大の勝ち組は日本政府?
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2018/1/1追記:
やはり、国税が動き出しました。
・ビットコイン長者、国税がリストアップ着手 税逃れ対策 (Yahooニュース)
仮想通貨口座でホールドしていればともかく、銀行口座に振り込んだ場合は国税側で照会できますので
なかなか隠し通すのは難しいのではないでしょうか。
もちろん見つからない人も中にはいるでしょうが、それはあくまでも偶然の産物です。
それと、隠蔽意図が認められれば時効は7年です(しかも督促状を送れば期間リセット)ので、本人も
忘れた頃に指摘を受ける可能性もあります。
逃げ切れるとかは考えない方がいいです。(私も含めて)きっちり納税いたしましょう。
とあるツィートより
面白いネタが流れてきて、思わず吹き出しました。
本来は別の記事を用意していたのですが、急遽切り替えです。
・ビットコイン、17年の最大の勝ち組は日本政府? 税収は最大9兆円(日経)
(岡三マン@okasanman ツィート)
着目するところが上手いな、と思いました。
私のポジションと考え方
先に、現時点での自分のポジションを明らかにしておきます。
仮想通貨については、私はどの種類も所持していません。
また、仮想通貨の業者やアフィリエイトプログラムとの利害関係はありません。
私自身の仮想通貨への考え方は、やや否定的です。
というのも、通貨は何らかの裏付けや保証があって初めて価値を担保されるものだと思っているからです。
金や国家という後ろ盾のない通貨は、たやすく瓦解しかねません。
不特定多数の人間が価値を認めている仮想通貨と、不特定多数の人間が集まった国家が価値を認めている
実在通貨の間に違いはないのではないか、という意見にも一理はあります。
ただ、国家には指導者がいて、法が敷かれていて、軍事力がある。
この違いは大きいのではないでしょうか。
とは言え、一攫千金を目論む人の目線から見れば、ジェットコースターの様に乱高下する仮想通貨が
魅力的に映るのは間違いないと思います。人気が出るのも当然のことでしょう。
私は日々の値動きに疲れてソーシャルレンディング投資をすることにしたので、仮想通貨には手を出す
つもりはない、というだけのことです(不思議と、酸っぱい葡萄の心持ちにもなりません)。
ビットコインの含み益と税収
さて、そのビットコインなどの仮想通貨ですが、含み益は18兆円とも言われているようです。
仮想通貨の利益はソーシャルレンディングと同じく雑所得と見なされていますので、もしこの18兆円が
利益確定した場合、莫大な量の税収が国に入る事になります。
所得税表によると、年間の課税所得が4,000万円を超えると所得税率は最大の45%。
さらに、この所得税に加えて住民税が一律10%加算されますので、税率は55%にもなります。
これが先ほどのツィートの意味です。
18兆円の仮想通貨利益が利確した場合、多めに見積もって税収はその50%。
つまり、9兆円の税収が日本政府に転がり込む事になります。
思えば数年前、仮想通貨が世に出たばかりの頃です。
日本のどの官庁も仮想通貨について「面倒くさいから関わりたくない」と見て見ぬ振りをする中、唯一
財務省だけが粛々と「仮想通貨への課税のあり方」を真面目に考え始めていました。
その努力(?)がめでたく実を結んだ、ということなのでしょう。
税収確保の観点では実に有能です。
雑所得の恐ろしさ
仮想通貨はほぼ純粋なキャピタルゲイン(収益の源泉が値上がり益)投資です。
そして、源泉分離課税と総合課税は、次のような特徴を持っています。
キャピタルゲイン投資の場合、毎年の損益は相場に左右され、安定しないのが常です。
(利確しないなら損益は確定しませんが、仮想通貨については長期ホールドが一般的とは思えないので
ここでは利確を前提にします)
ある年は黒字、ある年は赤字と安定しない投資において、大幅な黒字が出た場合の累進課税、そして
赤字が出ても過去の黒字と相殺できないという仕組みは、相性最悪です。
しかも、住民税は利益が出た次の年にかかってきますので、もしある年に数千万円の利益を仮想通貨で
上げた場合、翌年には数百万円の住民税が課税されるということになります。
(*例え、その年は無収入であっても、です)
この状況何かに似てると思ったら、ハイレバFXにそっくりでした。
2011年までは、クリック265や大証FXなどの取引所以外のFXは総合課税でした。
結果としてFXの利益が乱高下して莫大な損失が出る人がいる一方、莫大な利益を得たのに申告をしなかった
人はその後、巨額の追徴課税を受ける事になったというニュースにも覚えがあります。
(ちなみに無申告税は年利5〜15%、悪質と認められたら重加算税は年利35〜40%飛んできます。
さらに税金ですので、自己破産も効きません)
今回も間違いなく同じ状況になるでしょう。
おそらく、税務署は既に監視の網をかけているはずです。
*仕事柄、国税や税関担当者と話をする機会がありますが、彼ら、特に税の徴収部隊は優秀です。
徴収専門家のため知識と経験が半端無く、税逃れの摘発が評価に直結しているので士気も高いです。
私の意見ですが、個人が逃げ切れるものではありません。法人立てて節税する方がよほど現実的です。
仮想通貨の今後について(勝手な予想)
FXは2012年以降、分離課税になったことでいくら利益を上げても税率は一定となりました。
さらに損益の繰越もできるようになり、取引所以外の取引が活発となって業界が盛り上がったという過去が
あります。
もしかすると、仮想通貨も数年後には分離課税になる日が来るのかもしれません。
ただ、FXは既存の通貨から派生した取引なので、いくつかの規制はありながらこれまで続いてきましたが
仮想通貨の場合は今後、大きな介入がありそうな気がします。
(既に中国でいくつかの取引所が潰されていますが、ああいった単一国の動きではなく、世界全体としての
動きのことです)
そう考える一つの理由は、既存通貨とのパワーバランスです。
仮想通貨上位5位の時価総額の合計は、この記事を書いている時点で約47兆円あります。
これに対して、世界全体で流通している紙幣と貨幣の総額は、500兆円とも言われています。
(マネーストックではなく、紙幣と貨幣の総額です)
このうち、USドルベースでの取引が半分そこそこ、ざっくりと250兆円。
つまり、仮想通貨の時価総額は、流通しているUSドルの20%に達していることになります。
さらに、仮想通貨の時価総額はわずか2ヶ月前は10兆円。2ヶ月で5倍近くに伸びました。
このままの野放図な成長を続ければ、アメリカドルの流通量に匹敵する可能性もあるでしょう。
そうなれば、さすがにあちこちが黙っていないと思います。
日本としても、仮想通貨が「ある程度」育ってくれる分には税収源になるので歓迎するところでしょうが
さすがに日本円を脅かすようなことになれば、何らかの手を打ってくるのは当然の反応です。
トランプ氏がまた派手な花火を打ち上げるか、ユーロ圏がお得意の裏工作をするか。
日本はどういった動きをするのか。
ノーポジであるのを良い事に、私は楽しくそれらの動きを眺めていることにします。
ついでに、ソーシャルレンディングのブログですのでソーシャルレンディングにも言及しておきます。
上で、値動きの激しいキャピタルゲイン投資と雑所得の相性は最悪だと書きました。
逆に、ソーシャルレンディングのようなインカムゲイン投資と雑所得の相性はなかなか良いです。
特にリタイア後を考えた場合、実は分離課税よりも雑所得の方が税負担が軽くなる上、雑所得の中でなら
損益通算ができるという制度を利用した節税策も使えそうです。
詳しくは、下記の記事もご覧いただければ幸いです。
・ソーシャルレンディングの税負担:リタイア後で比較してみた
・世界中の欲しい物やサービスを「3割引」で入手する方法
ランキングに参加しています。
リンク先には同じ話題を取り扱うブログが沢山あります。こちらもいかがでしょうか。
posted by SALLOW at 11:30
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