2017年08月21日
案件紹介(トラストレンディング 債権担保付きローンファンド)
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久しぶりのトラストレンディング案件
トラストレンディングから、20日ぶりに新しい案件が出てきました。
これまで多かった不動産担保のローンファンドではなく、債権担保のローンファンドです。
中身を見ていきたいと思います。
・債権担保付ローンファンド69号
予定利率:9%
期間:18ヶ月
貸付総額:4億円
担保:債権
この案件ですが、少し複雑です。
登場する関係先は以下の4つ。
・A社:資材販売会社
公共工事でで使用される資材を販売
・B社:コンサルティング会社
A社とコンサル契約を締結、資金調達や取引先企業の紹介を行っている。
このコンサル契約に係る支払債権が、今回の担保となる。
・SPC(特別目的会社):借入人
実質的に本債権を取得するためのSPC。A-B社間の債権を買い取る。
・トラストレンディング:SL事業者
債権を担保として、募集した資金をSPCに貸し付ける。
簡単に言いますと、
「A社からB社に支払われる予定の代金を、B社ではなくSPCに支払うようにします。
この支払債権を担保としてSPCに貸し付ける資金を、ソーシャルレンディングで募集します」
という事になると思います。
さて私ですが、この案件に投資すべきかどうか、正直なところ迷っています。
理由は以下の通りです。
(ここから先は事実ではなく、私見と感想になりますので、間違っていればご指摘下さい)
案件のリスクその1:債権
まずリスクその1は、担保債権そのものに関するものです。
細かく分けますと、以下の2件となります。
@債権の総額が分からない
現時点でA社からB社への支払債権はいくらあるのか、そしてそれはこれからも積み上がるものなのか
ということについて、案件説明の中で言及がありません。
募集総額が4億円であり、また案件説明の中に「A社は東証ジャスダックに上場する企業から
4億円弱の資金調達を行っております」とありますので、債権総額も4億円程度と推定されますが、
担保価値の明確な記載がない、というのはさすがに及び腰になります。
A担保債権の出口戦略が明確でない
案件説明の中に、「債権の売却先については、現時点で具体的な候補先等はありません」との
記述があります。
月々返済はA社からの支払で、元本償還は債権売却で行われると推定しますと、もし債権が売れ残った
場合は、A社からの支払だけが返済原資となります。
となると、A社が何ヶ月程度で支払いを完遂するのか知りたいところです。
それが貸付期間と同じ18ヶ月程度ならいいのですが、万が一それを超えてしまう場合、元本償還が
遅延する可能性があるからです。
案件のリスクその2:スキーム
もう一つのリスクについては、さらに個人的な感想になりますのでご了承下さい。
スキームを見た時に、妙な違和感を感じたのが始まりです。
ご指摘を受ける覚悟で言ってしまいますと、
「このスキーム、B社から債権を逃がそうとしてないか?」
と感じました。
ここで、A社の経営がうまくいかない、もしくは前述の債権総額が4億円に満たなかった、などの理由により
返済が滞る事を想定します。
なお当然ですが、A社の連帯保証はこの状況下ではまともに機能しません。
この場合、もしB社に債権があればB社が損害を受けます。
ただ、B社は数億円規模の資金調達を取り付けるなど、それなりの規模の会社と推定されますので
4億円で連鎖破綻する可能性は低いのではないでしょうか。
一方、SPCは「実質的に本債権を取得するためのSPC」という説明から、規模が小さく財務基盤が
脆弱と思われますので、4億円の債権が不渡りとなれば連鎖破綻する可能性があります。
そしてこの場合、B社はノーダメージです。
つまり本案件、SPCの存在が奇妙(というか、余計)なのです。
下記のようなスキームなら納得できるのですが、SPCをわざわざ作って債権を移動させるというのは
B社から債権を逃がしたいというネガティブな解釈をしてしまいます。
さらに推測を重ねますと、SPCの代表者は「IT業界の専門分野において20年超の経験があります」と
いう情報から、もしかしたらこれはトラストファイナンス代表者と同一人物では? とも思います。
(トラストファイナンスは、金融系システムのSIerでもあります)
さらにさらに推測(ここまで来ると当てずっぽうですが)しますと、B社=トラストファイナンス社、
もしくはその関連会社ではないでしょうか?
匿名性のために情報が公開されることはないので、証明も反証もできません。
ただもしこの予想が正しければ、本案件は出資者と借り手の利害関係が相反する、リスクの高い案件です。
以上が、私が投資判断をしかねている理由です。
もちろん、証拠は何もありませんし、下衆の勘繰りという可能性も多分にあります。
何か間違った情報に基づいていれば、どうぞご指摘をお願いします。
本案件はこのような内容になってしまいましたが、トラストレンディングの案件は不動産担保だけでなく
ABL(動産・債権担保融資)案件などユニークなものもあります。
それと、預託金口座がないため、入金は投資申し込み後でいい、という大きな特徴もあります。
また、普通のSL事業者であれば契約締結前にしか分からない事業者の取り分を、案件詳細の時点で
明記しているという姿勢は共感の持てるところです。
トラストレンディングでの投資をお考えの方は、こちらから検討いただけると嬉しいです。
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posted by SALLOW at 14:30
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