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2017年06月20日

SL投資の節税策A:雑所得は雑所得内でなら損益通算が可能です



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所得の種類

 前回の記事の続きです。

  ・SL投資の節税策@:リタイア予定者には、SL投資が雑所得な方が良い理由

 そもそも雑所得とは何か、という話から始めたいと思います。
 雑所得は所得税法による分類で、所得を10種類に分けたもののうち、他の9種類全ての所得に該当しない
 所得のことです。その9種類の所得とは以下の通り。

  1.利子所得
  2.配当所得
  3.不動産所得
  4.事業所得
  5.給与所得
  6.退職所得
  7.山林所得
  8.譲渡所得
  9.一時所得

 参考:国税庁のWebサイト

 これら9種類に該当しない雑所得の例としては、以下のようなものがあります。

  1)公的年金
  2)事業として行っていないFXや先物取引
  3)本業ではない原稿料や講演料、デザイン料など

 そして現状では、ソーシャルレンディング投資の収入も雑所得に当たります。

 money-452624_960_720.jpg

損益通算の考え方

 さて、所得税の課税の方法は、「分離課税」と「総合課税」の2通りがあります。

  分離課税:他の所得と分けて、それ単体で課税されるもの。
     例)退職所得、土地・建物・株式の譲渡所得、山林所得

  総合課税:総合課税の対象となる所得を合計して税額を計算するもの。
     例)不動産所得、事業所得、給与所得、土地・建物・株式以外の譲渡所得、一時所得、雑所得

  *利子所得、配当所得については、源泉分離課税か総合課税かを選ぶ

 総合課税のうち、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得については、損失が出た場合に各種所得から
 控除、相殺することができます。これが損益通算です。
 
 今回の話の中心となる雑所得については、損益通算の対象ではありません。
 ということは、例えばソーシャルレンディング投資で案件のデフォルトが起き、ある年の所得が
 マイナスになったとしても、そのマイナス分を給料や不動産収入のプラスと相殺することはできません。

 雑所得になる投資が、他の投資と比べ不利なのはこの点です。


 ソーシャルレンディングを事業所得としてしまえばこの問題は解決しますが、それも簡単ではありません。
 個人のSL投資が事業所得として認められたケースは、私の調べた範囲ではなさそうです。
 最近ではいっそ、LLC(合同会社)でも設立しようかと考えていますが、これは今回の中心ではないので
 またいずれ、具体的な話に進んだら記事にしようと思います。


 ただし、雑所得は雑所得の中でなら、損益を通算することができます。
 兼業投資家としてのソーシャルレンディング投資の節税は、この方法を使います。

 people-2344401_960_720.jpg

あなたの趣味はなんですか?

 雑所得の中で損益を通算するためには、当たり前ですが「損」と「益」がなければいけません。
 このうち、「益」に相当するのはソーシャルレンディングの配当金です。

 では、「損」はなんでしょうか。
 これは各人によってまちまちですので、自分の場合について考える必要があります。
 その際は、下記のようなキーワードが参考になるかと思います。

  ・平均と比べ、あなたの生活ではどこに多くのお金がかかっていますか?
  ・生活必需品以外では、何にお金をかけていますか?
  ・あなたの趣味はなんですか?


 このように考えて、「(あなたにとっての)普通の生活」を送る上でかかるお金を特定します。

 生きていく上で全く出費をしないというのは不可能ですし、生存に必要な最低限度しか出費をしない人は
 ゼロではありませんが、極めて少ないでしょう。
 ですから、ほぼ全ての人の生活には、「必要最小限以外の出費」が存在しているはずです。

 その出費を見つけたら、次にはその出費を「損」として組み込む方法を考えます。
 引っ張って申し訳ありませんが、ちょっと長くなりましたので、具体例は次の記事で。


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