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2019年09月04日

泉佐野市のふるさと納税制度除外を再検討。妥当だと思います。



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興味深い動きです

 ふるさと納税を巡る一連の問題が、新しい局面になったようです。
 国と地方自治体の対立や争いを処理する「国地方係争処理委員会(係争委)」の話題です。

 国がふるさと納税の新制度から泉佐野市を除外したことについて、係争委はその判断を再検討するよう、
 総務省に求めたとのこと。

 この委員会が国の自治体に対する政策判断の見直しを求めたのは初のこととして、注目されています。

  ・ふるさと納税、泉佐野市の除外を再検討へ (日経ビジネス)


 ちなみに、係争委のWebサイトには一連の問題について泉佐野市と総務省の答弁書が公開されていますが、
 なかなかのガチっぷりなので、お時間のある方は是非ご覧ください。

  ・令和元年度第8回国地方係争処理委員会 (係争委)


 こういった係争処理委員会が国側に不利な決定を下すことはたいていないのですが、今回はあまりにも総務
 省の側に問題があったということかもしれません。
 そもそも係争委は総務省管轄なので、いわば自分の親分にダメだししたという事実は重いと思います。


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所感

 個人的には、まあ妥当な結論かなと思っています。

 総務省がふるさと納税の新制度に際して告示した「適正な実施の基準」は、以下の6つ。

  @紹介者に利益供与して募集しない。
  A返礼品を強調した宣伝広告を行わない。
  Bふるさと納税の適切な選択を阻害するような表現を用いない。
  C地元の住民に返礼品を提供しない。
  D募集経費を5割以下とする。
  E2018年11月以降、制度の趣旨に反する方法で他地方自治体に多大な影響を及ぼし、趣旨に沿った募集を
   行う他の団体に比べて多額の寄付金を受領していない。


 この中で、Eだけは明らかに異端です。
 法改正の前に遡って、その地方自治体がやってきたことを理由にふるさと納税から外すというのは、法律の
 遡行適用という一般原則に反していると思われます。
 係争委が親分である総務省にダメだしをしたのも、このあたりが理由なのかもしれません。


 もちろん、泉佐野市側に問題がないとは言いません。
 制度の改正前に駆け込みの寄付を狙い、実際に400億円を超える寄付を集めたことが、総務省の逆鱗に触れ
 てこうなったのは確かです。
 それはふるさと納税の趣旨にそぐわないと言われても仕方がないことでしょう。

 ただ私は、根本的な問題点は法整備が遅れたことによると思います。
 日本は法治国家ですから、問題があるなら法整備を行えばいいだけのこと。
 法的拘束力のない総務省通知に違反したからといって、それをふるさと納税の除外理由にしてしまえば、
 法律違反の恐れをもたれるのは総務省の側です。

 そういう意味でお互い悪い。今回の係争委の結論は、和解勧告みたいなものではないでしょうか。

今後の動き

 さて、これを受けて総務省は30日以内に回答を出すことが求められます。
 総務省側もかなりお怒りでしたから、これであっさり矛を収めるかどうかは分かりません。
 今後の動きに注目です。

 ふるさと納税は現状、合法節税のカタログショッピングになっているという批判もあります。
 私もそれは否定しませんが、別に合法ならいいのでは? というのが私の意見です。
 ふるさと納税をする・しないは本人の自由ですが、それで他人を批判するのは無理筋でしょう。
 使える節税方法は使う。私にとってはそれだけのことです。
 

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