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2017年05月06日

ライフマネープラン@:給与、副収入にかかる税制や保険料



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まずは足下の給与から調べます

 前回の記事の続きです。
 アーリーリタイアを妨げる要因を抽出する中で、まず最初に分からない事がでてきました。

  @給与にかかる税金や保険料はどう決まっている?

 私もリタイアを志すまではあまり良く知らなかったので人の事をどうこう言えないのですが、私の回りでも
 給与にかかる税金や保険料についての知識を持っている人は少数派です。

 株取引などの分離課税ならともかく、不動産やソーシャルレンディングのような総合課税の収入があり、
 さらに自分で確定申告をしている人に至っては、数人いるかどうか、というところです。

 しかし、リタイア後のライフマネープランを描くには、保険料や税金の問題は避けて通れません。
 既に知っている方には釈迦に説法の内容ですが、話の順番ということでおつきあい下さい。

  *ライフマネープランを作るにあたり調査は行っていますが、プランには大まかな値が分かれば良いため
   詳細については簡略化、省略などを行っているところもあります。ご了承下さい。


総合課税と分離課税

 所得はその種類によって、総合課税と分離課税に分かれます。

 分離課税というのは、他の所得に関係なく、その種類の中で課税処理が完了するもの。
 (特定口座での株などの取引が代表的です)

 総合課税というのは、同じく総合課税に属する所得を合算して税金を算出するものです。
 総合課税になるのは、以下の8種類です。


  1.利子所得(源泉分離課税・申告分離課税とされるものを除く)
  2.配当所得(源泉分離課税・申告分離課税とされるものを除く)
  3.事業所得(株式等の譲渡等による事業所得を除く)
  4.不動産所得
  5.給与所得
  6.譲渡所得(土地および株式等の譲渡等による譲渡所得、源泉分離課税とされるものを除く)
  7.一時所得(源泉分離課税とされるものを除く)
  8.雑所得(株式等の譲渡などによる雑所得、源泉分離課税とされるものは除く)


 このうち、私のような兼業サラリーマンに対象を絞りますと、1、2、6については特定口座を開いて
 源泉分離課税にされている場合が多いと思いますので、今回の話からは除外します。

 また、3の事業所得については、そもそも不動産なら10室以上の事業規模に達している必要がありますし、
 ソーシャルレンディングは規模にかかわらず事業所得とは認められません
ので、これも除外。
 (プライベートカンパニー作って事業所得にする方法はありますが、それは世界の違う話です)
 7の一時所得についても、対象は保険の払戻金か懸賞金などになりますので、今回は省略します。


 ということで、給与収入、不動産収入、雑収入(SL収入)に話を絞って見ていく事にします。

所得税と住民税の決まり方

 一般的に、サラリーマンの収入から差し引かれる金額は下記の3つになります。

  @社会保険料(=健康保険料+厚生年金+雇用保険)
  A所得税
  B住民税


 このうちAとBについては、それぞれの収入から控除や経費を差し引いたものが所得となり、
 全ての所得を足した合計に基づいて、税金が決定されます。
 所得税は所得税率表により決定。住民税は(細かい計算を除けば)約10%です。

 20170506LMP1.png

 

20170506LMP2.png
20170506LMP4.png


 所得税は累進課税ですが、ある金額を超えると一気に税率が高くなるわけではありません。
 課税所得195万円超の税率は10%ですが、この税率は「195万円を超えた部分」にしかかからないからです。

 例として、課税所得が500万円の場合の所得税額は572,500円。所得税率は11.45%です。

 20170506LMP5.png

 所得税は確定申告(あるいは年末調整)により還付か追徴が行われます。
 住民税は、同じく確定申告もしくは年末調整を行うことで、その次の期の6月分から新しい税金が徴収
 されることになります。

 ということで、所得税や住民税については(最終的に確定申告をする前提として)給与収入であっても
 不動産収入であっても、SLのような雑収入であっても、全ての所得を足して支払う事になります。

 控除や経費が収入の枠を超えて通算できない事を除けば、区別する必要はないということです。

社会保険料の決まり方

 所得税と住民税の計算はこれでいいのですが、社会保険料は少し異なります。
 社会保険料は、4〜6月の税引前給与の平均値から、社会保険料表によって決まります。
 新しい社会保険料は、その年の10月から適用となります。

 社会保険料表は県によって異なりますので、こちらを参照下さい。
 以下は東京都の場合で計算しています。

 20170506LMP6.png

 税引き前の4〜6月収30万円、雇用保険適用ありの場合、社会保険料は¥44,613です。


 ポイントは、社会保険料が「4〜6月の税引前給与の平均値」で決まる、というところです。
 年間での残業時間が変わらないのなら、4〜6月の残業を抑える事で社会保険料の節税が可能です。
 (もちろん、残業のコントロールができれば、の話ですが)

 ただ、社会保険料は年金受給額に影響しますので、社会保険料が高い事が一概に不利とは言えません。
 支払っただけの年金を受給できるかどうかは、甚だ疑問ではありますが(そもそも賦課方式ですし)。

まとめ

 ・給与収入、不動産収入、雑収入のそれぞれから控除と経費を引いたものが課税所得となる。
  経費は、収入の枠を超えて合算することはできない。

  (例:不動産で経費により赤字となった場合、その赤字分の経費は雑収入には合算できない)

 ・給与所得、不動産所得、雑所得の合計課税所得により、所得税と住民税が決まる。
  所得税は所得税率表で決まり、住民税は約10%。


 ・社会保険料は、4〜6月の税引前給与の平均値から、社会保険料表によって決まる。


 今回は長い記事にお付き合いありがとうございました。
 次はこれら税金や保険料が「リタイア後はどうなるか」について記事にしていこうと思います。


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