2018年12月27日
グリーンインフラの続報がありました。現状のまとめは完了、後は問題の解決をどう進めるか。
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グリーンインフラレンディングの続報
maneoマーケットより、グリーンインフラレンディング(GIL社)の続報がありました。
先日、GIL社の経営母体であるJCサービスもお知らせが出ています。
・グリーンインフラレンディングによるファンド資金の返済について
この中でJCサービスは、太陽光発電所2カ所についてはExitが完了、募集額7.7億円相当に関してはすでに
支払う用意が調っている、という情報を出しています。
ただし、GIL社のプラットフォームはmaneoマーケットに停止されている状況であり、投資家への支払いが
できていない状態とのこと。
このお知らせの内容に対応したmaneoマーケットからの情報提供、ということになるでしょうか。
内容紹介
maneoマーケットからのお知らせは以下の通りです。長いので分割します。
当社は、2018年7月13日に関東財務局から業務改善命令を受けたところ、これに先立つ証券取引等監視委員会の立入検査においては、GIL社を営業者とするファンドについて、投資家の皆様から入金されたファンド資金がウェブサイト上で表示された出資対象事業と異なる事業等へ支出されている事例が多数存在することが発覚しました。
この結果、ファンドへの入金が行われた資金をどの投資家に分配するべきかを確定できないという状況が発生いたしました。
なお、GIL社を営業者とするファンドから貸し付けられた株式会社JCサービス(以下「JCS社」といいます。)の事業の数は数十件に及び、また、1つの事業の期間は長期に渡っていたため、各事業と投資家の資金の紐づけを正確に行うことが非常に困難な事態となっております。
具体的には、Aプロジェクトが売却された場合には、Aプロジェクトに出資した投資家の方に資金を分配するのが通常の運用であるところ、業務改善命令を受ける理由となったファンドの資金の「目的外使用」が存在し、Bプロジェクトで集めた資金がAプロジェクトにも投じられている可能性が存在することから、Aプロジェクトの売却資金に関してはBプロジェクトに出資した投資家にも分配を受ける権利が存在する可能性が存在するという状況となっております。
これについては、監督官庁の指摘通りです。
それぞれのファンドが適切に分別管理されていなかったため、投資家の資金を分けることができない。
従って、一つのファンドがExitしても、そこには別のファンドの資金が流用されている可能性がある以上、
そのファンドに投資した人間だけに返済するわけにはいかない、ということです。
お金に色が付いていない以上、分別管理されていなければ当然こうなります。
この部分はGIL社(JCサービス)の管理の甘さが出ています。
こうした経緯を踏まえ、当社では、第二種金融商品取引業者として、投資家保護の観点から、2018年6月より、GIL社を営業者とするファンドの新規募集を停止し、更に、各事業と投資家の資金との紐づけを正確に行えない段階において投資家へ資金を分配することは、投資家への資金の分配にかかる公平性を確保できない結果となることから、同年7月より、当社がGIL社に提供していたシステムの提供を停止しております。
GIL社が投資家への資金の分配を行うためには上記システムを利用する必要があるところ、上記システムの提供の停止により、GIL社から投資家への資金の分配はなされ得ない状況となっております。
なお、2018年12月26日現在、GIL社を営業者とするファンド総額約135億円(約1,440ファンド)のうち、約122億円については、貸付先からの元利金の弁済が延滞したことに伴う分配の遅延という事態が発生しており、約15.5億円(内元金約13.4億円、利息約2.1億円)については、貸付先から元利金相当額の入金がなされたものの、入金の原資を特定できない状況となっていることを確認しております。
GIL社がプラットフォームを使えないのは、maneoマーケットが止めたから。
現在GIL社はプラットフォームの使用を申し入れているが、現時点で再開はされていない。
また肝心の資金については、15.5億円については着金済み。
しかし、上記のような理由があって、その15.5億円が本当に対象ファンドとして募集されているかどうかが
分からない、ということです。
内容紹介A
(1)元利金の弁済が延滞した資金の回収のためにすべき対応と現況
(一部略)
営業者であるGIL社としては、上記のとおり、一括での返済を請求できる立場となったことから、以下のような対応をとることが考えられます。
【1】貸付先と協議のうえで、担保の任意売却を行うことにより融資資金を回収する
【2】担保権を実行し、担保不動産等を競売にかけることにより融資資金を回収する
【3】JCS社に対して破産等の申立てを行い、法的倒産手続の中で融資資金を回収する
GIL社は、現状は【1】の方法により融資資金の回収を進めている状況と考えられ、一部の案件の任意売却の結果、現時点で約15.5億円の入金がなされていることになります。
また、GIL社としては、【2】及び【3】の方法により融資資金の回収を進めることも考えられますが、
GIL社が担保権を有する担保物件は再生エネルギー分野におけるID(権利)や土地であり、案件価値の最大化にはJCS社の協力が必要であること、また、破産となった場合には当該権利の喪失の可能性等もあることから、【2】及び【3】の方法を選択することは投資家の利益の最大化という観点で得策ではない可能性が高いものと考え、【1】の方法を選択したものと考えられます。
当社は、第二種金融商品取引業者として、営業者であるGIL社のファンドの募集・私募の取扱い(以下「募集勧誘行為」といいます。)を行う立場であり、GIL社との間で業務提携契約を締結し、当該契約に基づくシステムの提供及び募集勧誘行為を行っているものです。
当社は、当該契約に基づいてファンドの募集勧誘行為を停止することは可能ですが、営業者の貸付先の債権者の地位にはありません。
したがって、当社は、直接的に営業者の貸付先から融資資金を回収する、担保権を実行する、破産を申し立てるといった法的措置を講ずることができる立場にはありません。
こうした状況の下、当社は、GIL社へのシステム提供の再開の前提となる投資家の皆様への償還及び分配の公平性が確保できる状況を確認するため、GIL社及びJCS社に対して、再三に渡って詳細な資料提示を求めております。
赤字部分、気持ちは分かるのですが、それは言うべきではないでしょう。
確かにその通りではあるのですが、問題が起こっている状態で自分の責任範囲を限定するような発言は、
火に油を注ぐことになり、まったくの悪手です。
少なくとも。店子がやらかした責任の一端は大家にもあります。
大家が法的措置を講じることができないということと、大家の責任がないということは別問題。
ではmaneoマーケットは何をするのか、何ができるのかということを言うべきでしょう。
(2)GIL社に入金された資金が投資家の皆様に分配されるために必要な対応等
GIL社を営業者とするファンドについては、12月26日現在までに約15.5億円がJCS社等からGIL社に入金されたことを確認しておりますが、未だ投資家への分配の公平性が確保される状況にはないことから、当社は、GIL社に対するシステムの提供を再開しておりません。
当社は、GIL社に対し、投資家の皆様の相互の間での公平性を確保できない結果となるとの懸念が払拭されるまで当該資金を適切に管理することを要請すると同時に、返済資金の原資の確認ができる資料、及び各プロジェクトの資金の流れが明確に把握できる資料等の提出を、内容証明郵便等により求めております。
しかしながら、現状、投資家の皆様の資金の流れを確認するために十分な資料の受領には至っておりません
こうした状況においては、GIL社に入金された資金がどの投資家の資金に紐づけられたものであるのかが明らかではなく、現時点においての償還及び分配は投資家の皆様の相互の間での公平性を確保できない結果となるとの懸念が払拭できていないものと判断しております。
当社としては、早期のシステムの提供の再開に向けて、GIL社及びJCS社に対し十分な情報の提供を求めるとともに、法務、会計の専門家や関係各所との相談を通して、投資家の皆様の公平性が確保される状況となっているか否かを確認している状況であります。
GIL社はシステムの再開を求める。
maneoマーケットは、分別管理が十分というエビデンスがないから再開できないと返答する。
お互いの現在の膠着ポイントは、こんなところでしょう。
maneoマーケットは行政処分を受けて、かなり神経質になっているのが読み取れます。
公平性を明確に証明できない状態でシステムを復旧させ、もし万が一何かの問題が明らかになってしまえば
次は行政処分のお代わり、業務停止が飛んでくる事を恐れているように思えます。
神経質になるのはいいのですが、それは未然防止という形で発揮されてほしかったですね。
さて、長々と紹介をしたのですが、残念ながら今のところ明らかな進捗はありませんでした。
maneoは12月に経営改善委員会を立ち上げ、現在は経営の改善に取り組んでいる最中。
・経営改善委員会の設置に関するお知らせ
今回のお知らせが、そういった中の動きということであれば、maneoマーケットの「困ったらだんまり」
という体質に関する小さな改善ということだと思うのですが、さてどうでしょうか。
何か動きがあれば、また記事で取り上げたいと思います。
(しかし、この状況でmaneoが通常通り案件を募集しているのはいかがなものか。
募集を止めろとは言いませんが、GILやガイア、CFFの状況を受けての改善対応は必須でしょう)
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posted by SALLOW at 20:00
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こういう時の危機管理システムが無かった(もしくは有効に働いていなかった)というのがまざまざと分かる状態になっていますね。
下でも書きましたが、自分自身の反面教師にしたいと思います。
まずは15.5億円、全体の1割ではありますが返済はほぼ確定。
まだまだ長い道のりですが、引き続きがんばってもらいたいところです。
GILのトップページのお知らせにも2/20付けの経過報告として上がっていますね。
期末までには一旦吐き出すという所でしょうか。
分配方針を決めるだけで時間がかかり過ぎですが、少しでも返って来そうで良かったです。
個人的な意見ですが、萎縮する程度でいいと思いますよ。
寄付型や購入型のCFならまだしも、ダイレクトにお金を扱う貸付型CFですから、事業者は金と命を同格に取り扱うべきだと思います。
それができないような体制なら、ガイアファンディングのようにサービス終了を前提にソフトランディングを行うべきでしょう。
とにかくキャンセルして返金するだけ少しは前進したと言えるかもしれません。
萎縮し過ぎるのも困りますが、今はきっちり締める時でしょうね。
同意いたします。7月ならまだ分かりました。
最初に「今回の件、うちはここまでしか契約上はできません。しかし、投資家保護を第一に可能な限りの対応をしようと思います」なら良かったのですけどね。今となっては遅きに失したとしか言いようがありません。
それにしても、火消しがヘタですね。
経営が順調な時、それをどう拡大してお金儲けをするかばかりを考えて、その裏にあるリスクを正しく評価してコストをかけなかったツケということでしょうか。会社勤めの私としては耳が痛い話ですし、自分自身としても反面教師にしなければなりませんね。