2017年07月06日
「保育園の送迎に公用車を使用」を巡るネットの使い方など
自由民主党所属の衆議院議員:金子恵美さんが、公用車で子供を保育園に連れて行ったということで、話題になっていますが、どうもネットを悪用した情報操作が行われているような気持ち悪さがあるので、少し思うところを書いてみます。
※ リンク先の記事は、時間が経つと削除されたりしてリンク切れになることが多いので、リンク切れの際はご容赦ください。
1)発端はデイリー新潮の記事
「金子恵美」代議士に公用車の私的使用疑惑 また“魔の2回生” | デイリー新潮
たまたまその日だけというわけでなく、日常的に公用車で子どもを送迎し、母親を駅に送るときも公用車を使うなど、私的利用が常態化していると報じています。
情報がこの記事だけのときは、私的利用はよくないと思う人が多いと思います。
2)デイリー新潮の記事、東国原さんのツイート、あるいは各方面からの批判を受けて、金子さん本人が「これからは歩いて行く」と発言。
東国原氏が「金子恵美議員の実績・業績調べよう」 (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
距離としては1km程度らしいので、東国原さんのツイートは常識的な範囲にあると思います。
ただ「歩けよ」と批判しているという感じではなく、政治家としてのアドバイスを含んだ雑談程度の言い方であり、強い言い方でもありません。
それに対し、金子さんが「これからは歩いて行く」と言っています。
キレぎみに「うるせーな、だったら歩きゃいいんだろ!」みたいな気持ちの発言なのか、「すみませんでした。これからは歩くようにいたします。」といった反省の気持ちなのかは不明です。
おそらく、このあたりの発言を受けて、ネット上では「あんな長い距離を歩けというのか」「出勤のついでに送るくらいいいじゃないか」といった主旨の金子恵美さんを擁護する発言が盛んになります。
東国原さんは、金子さんに対して敵意は感じられませんが、「そもそも公用車はいらない」ということも書いているので、基本的には公用車を私用に使うなに近いと思います。
・・・が、結果として、このツイートは金子さん擁護の人たちへのナイス・アシストになってしまい、「公用車を私用で使うな」と批判する人は酷いことを言っているという意見が、成立してしまう状況が生まれています。
東国原さん以外の「公用車を私用で使うな」と批判する人は、「ベビーカーを押して歩け」とは言っていませんし、そんな考えはないはずですが、いつの間にか、働く母親の敵みたいになっています。
東国原さんがこうなることを予想してツイートしたのだとしたら、近いうちに自民党に入党するかもしれませんね。
3)議員宿舎から議員会館まで1kmベビーカーを押してみる人まで現れる。
【保育園の送迎に公用車】ベビーカーを押しながら、議員宿舎から議員会館まで歩いてみる【実験】 | SPOT
1kmの距離を、炎天下スーツを着て、子供をあやしながらベビーカーを押すことの大変さ、危険を説明しています。
こんな過酷なことを要求するのか、働くお母さんかわいそう、といった感じが伝わります。
公用車を使わなくても、自家用車・園の送迎バス・タクシー・公共交通機関などの選択肢があるのに、もはや「ベビーカーを押す」しかない状況です。
不思議です。
一般的というか私の場合ですけど、周りも同じような人が多かったので、たぶん一般的だと思います。
6〜8年前のことなので、今は少し事情が変わっている可能性もありますが。
安月給のサラリーマンなので、公立の保育園または幼稚園を探しましたが、競争率が高すぎて断念。
しかたなく、徒歩数分の私立幼稚園の抽選に参加しましたが、残念ながら落選。
ちょっと遠いけど、幼稚園バスで送迎してくれる私立幼稚園に空きがあるとの情報を得て、なんとか入園することができました。
私立だし、園バスも有料だし、経済的にけっこうきつかったです。
ちなみに、自宅に車は持っていませんし、社用車に乗れるような甲斐性もありません。
保育園まで歩けとは誰も思わないでしょうが、公用車を使うなと思う人は少なくないと思います。
会社の社長が経費で高級車を購入し、社用車として登録している車を私用で使う(というか私用でしか使わない)、おまけに学生である社長の息子が乗っている車も会社の経費で購入している、どうしたらいいでしょうというような相談を、以前どこかで読んだことがあります。
ひどい話ですが、その回答としては、税金の面でも会社経営の面でも、これをとがめることは簡単ではなさそうな印象を受けました。
補足として、社用車を私用で使っているときに事故を起こした場合は保険がきかないので、賠償費用は全額会社または社長本人の負担になるということも書いてありました。
(Yahoo!知恵袋あたりで読んだと思うのですが、今探しても見つかりません)
公用車も社用車と同じような性質のものだと思います。
公用車を私用で使っていたときに、もし事故を起こしたら、その賠償費用は誰が負担するのか。
保険会社なのか、議員さん本人なのか、自民党なのか、国民から徴収した税金なのか。
もし私用で使うのなら、こういったことは調べた上で、お子さんを乗せることをおすすめします。
1)「公用車を私用で使うべきではない」という意見が、「働く母親は炎天下ベビーカーを押して通勤しろ」に変えられ、「働く母親がかわいそう」という議論に変わってしまったのは、金子さんや自民党支持の人による擁護作戦なのかもしれないと思うと、ちょっと気持ち悪いし、怖い現象です。
もしそうなのだとしたら、それは悪質な「ネットの使い方」だと思います。
私たちはそのような作戦に乗ってしまわないように、気を付けないといけません。
2)選挙で国民から選ばれた偉い人なのだから、公用車ぐらい自由に使ってもいいのかも知れません。
でも、金子恵美さん自身あるいは自民党として、自分たちの立場を守るために「やるべきこと」と「やめた方がいいこと」は、よく考えた方がいいです。
自分たちを擁護してくれる人の意見は心地いいかもしれませんが、そうではない人も見ているということを意識することは、自分たちを守るために必要なことだと思います。
※ リンク先の記事は、時間が経つと削除されたりしてリンク切れになることが多いので、リンク切れの際はご容赦ください。
おおまかな流れとネット上の発言の効果など
1)発端はデイリー新潮の記事
「金子恵美」代議士に公用車の私的使用疑惑 また“魔の2回生” | デイリー新潮
たまたまその日だけというわけでなく、日常的に公用車で子どもを送迎し、母親を駅に送るときも公用車を使うなど、私的利用が常態化していると報じています。
情報がこの記事だけのときは、私的利用はよくないと思う人が多いと思います。
2)デイリー新潮の記事、東国原さんのツイート、あるいは各方面からの批判を受けて、金子さん本人が「これからは歩いて行く」と発言。
東国原氏が「金子恵美議員の実績・業績調べよう」 (日刊スポーツ) - Yahoo!ニュース
B 金子議員が、朝、赤坂〜永田町をベビーカーを押して一生懸命通勤する姿を見て、道行く人々は心の中で「頑張れ」とエールを送るに違いない。そして、全国の働くママ達の励みになるに違いない。そうやって、政治は人々の信頼を得て行くものなのだ。
— 東国原英夫 (@higashi_kokuba) 2017年6月30日
距離としては1km程度らしいので、東国原さんのツイートは常識的な範囲にあると思います。
ただ「歩けよ」と批判しているという感じではなく、政治家としてのアドバイスを含んだ雑談程度の言い方であり、強い言い方でもありません。
それに対し、金子さんが「これからは歩いて行く」と言っています。
キレぎみに「うるせーな、だったら歩きゃいいんだろ!」みたいな気持ちの発言なのか、「すみませんでした。これからは歩くようにいたします。」といった反省の気持ちなのかは不明です。
おそらく、このあたりの発言を受けて、ネット上では「あんな長い距離を歩けというのか」「出勤のついでに送るくらいいいじゃないか」といった主旨の金子恵美さんを擁護する発言が盛んになります。
東国原さんは、金子さんに対して敵意は感じられませんが、「そもそも公用車はいらない」ということも書いているので、基本的には公用車を私用に使うなに近いと思います。
・・・が、結果として、このツイートは金子さん擁護の人たちへのナイス・アシストになってしまい、「公用車を私用で使うな」と批判する人は酷いことを言っているという意見が、成立してしまう状況が生まれています。
東国原さん以外の「公用車を私用で使うな」と批判する人は、「ベビーカーを押して歩け」とは言っていませんし、そんな考えはないはずですが、いつの間にか、働く母親の敵みたいになっています。
東国原さんがこうなることを予想してツイートしたのだとしたら、近いうちに自民党に入党するかもしれませんね。
3)議員宿舎から議員会館まで1kmベビーカーを押してみる人まで現れる。
【保育園の送迎に公用車】ベビーカーを押しながら、議員宿舎から議員会館まで歩いてみる【実験】 | SPOT
1kmの距離を、炎天下スーツを着て、子供をあやしながらベビーカーを押すことの大変さ、危険を説明しています。
こんな過酷なことを要求するのか、働くお母さんかわいそう、といった感じが伝わります。
公用車を使わなくても、自家用車・園の送迎バス・タクシー・公共交通機関などの選択肢があるのに、もはや「ベビーカーを押す」しかない状況です。
不思議です。
一般的な子どもの送迎事情
一般的というか私の場合ですけど、周りも同じような人が多かったので、たぶん一般的だと思います。
6〜8年前のことなので、今は少し事情が変わっている可能性もありますが。
安月給のサラリーマンなので、公立の保育園または幼稚園を探しましたが、競争率が高すぎて断念。
しかたなく、徒歩数分の私立幼稚園の抽選に参加しましたが、残念ながら落選。
ちょっと遠いけど、幼稚園バスで送迎してくれる私立幼稚園に空きがあるとの情報を得て、なんとか入園することができました。
私立だし、園バスも有料だし、経済的にけっこうきつかったです。
ちなみに、自宅に車は持っていませんし、社用車に乗れるような甲斐性もありません。
保育園まで歩けとは誰も思わないでしょうが、公用車を使うなと思う人は少なくないと思います。
公用車を私用で使っているときに事故を起こしたら
会社の社長が経費で高級車を購入し、社用車として登録している車を私用で使う(というか私用でしか使わない)、おまけに学生である社長の息子が乗っている車も会社の経費で購入している、どうしたらいいでしょうというような相談を、以前どこかで読んだことがあります。
ひどい話ですが、その回答としては、税金の面でも会社経営の面でも、これをとがめることは簡単ではなさそうな印象を受けました。
補足として、社用車を私用で使っているときに事故を起こした場合は保険がきかないので、賠償費用は全額会社または社長本人の負担になるということも書いてありました。
(Yahoo!知恵袋あたりで読んだと思うのですが、今探しても見つかりません)
公用車も社用車と同じような性質のものだと思います。
公用車を私用で使っていたときに、もし事故を起こしたら、その賠償費用は誰が負担するのか。
保険会社なのか、議員さん本人なのか、自民党なのか、国民から徴収した税金なのか。
もし私用で使うのなら、こういったことは調べた上で、お子さんを乗せることをおすすめします。
その他
1)「公用車を私用で使うべきではない」という意見が、「働く母親は炎天下ベビーカーを押して通勤しろ」に変えられ、「働く母親がかわいそう」という議論に変わってしまったのは、金子さんや自民党支持の人による擁護作戦なのかもしれないと思うと、ちょっと気持ち悪いし、怖い現象です。
もしそうなのだとしたら、それは悪質な「ネットの使い方」だと思います。
私たちはそのような作戦に乗ってしまわないように、気を付けないといけません。
2)選挙で国民から選ばれた偉い人なのだから、公用車ぐらい自由に使ってもいいのかも知れません。
でも、金子恵美さん自身あるいは自民党として、自分たちの立場を守るために「やるべきこと」と「やめた方がいいこと」は、よく考えた方がいいです。
自分たちを擁護してくれる人の意見は心地いいかもしれませんが、そうではない人も見ているということを意識することは、自分たちを守るために必要なことだと思います。
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